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{{生物分類表
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'''ヒグマ'''('''羆'''、'''緋熊'''、'''樋熊'''、[[学名]]:''Ursus arctos''
|省略 = 哺乳綱
 
|名称 = ヒグマ
 
|fossil_range = [[更新世]]中期–[[現世]], {{Fossil range|0.5|0}}
 
|画像=[[ファイル:Brown_bear_(Ursus_arctos_arctos)_smiling.jpg|250px]]
 
|画像キャプション =
 
|status = LC
 
|status_ref = <ref name="cites">[http://www.cites.org/eng/app/appendices.shtml Appendices I, II and III]</ref><ref name="iucn">{{IUCN|id=41688|assessors=McLellan, B.N., Servheen, C. & Huber, D. (IUCN SSC Bear Specialist Group)|year=2008|title=''Ursus arctos''|version=2014.3.}}</ref>
 
|status_text = [[絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約|ワシントン条約]]附属書I類<ref group="注釈">中華人民共和国、ブータン、メキシコ、モンゴルの個体群に限る。他地域の個体群はワシントン条約附属書II類。</ref>
 
|目 = [[食肉目]] {{Sname||Carnivora}}
 
|科 = [[クマ科]] {{Sname||Bear|Ursidae}}
 
|亜科 = [[クマ亜科]] {{Sname||Bear|Ursinae}}
 
|属 = [[クマ属]] {{Snamei||Ursus_(genus)|Ursus}}
 
|種 = '''ヒグマ''' ''U. arctos''
 
|学名 = ''Ursus arctos'' {{AUY|Linnaeus|1758}}
 
|英名 = [[w:Brown Bear|Brown bear<br />Grizzly bear]]
 
|生息図 = [[ファイル:Ursus arctos range map.svg|200px]]
 
|生息図キャプション = ヒグマの生息域
 
}}
 
[[ファイル:Kodiak bear in germany.jpg|thumb|right|200px|巨大なコディアックヒグマ]]
 
[[ファイル:のぼりべつクマ牧場10 白い毛のエゾヒグマ.jpg|thumb|200px|right|白い毛のエゾヒグマ。俗に「袈裟掛け」(けさがけ)という。]]
 
[[ファイル:一般道に出没するヒグマ.jpg|thumb|200px|right|道路を渡るヒグマの仔([[北海道]])]]
 
[[ファイル:Ursus_arctos_isabellinus_(in_Perm_Zoo).jpg|thumb|200px|[[ヒマラヤヒグマ]]<ref>{{Cite news |url=http://www.toonippo.co.jp/tokushuu/higuma/nebukanote/note16.html |title=ヒマラヤの雪男の謎を解明する/根深誠さんの手記 |newspaper=Web東奥 |publisher=東奥日報 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20040515024658/http://www.toonippo.co.jp/tokushuu/higuma/nebukanote/note16.html |archivedate=2004-05-15}}</ref>]]
 
'''ヒグマ'''('''羆'''、'''緋熊'''、'''樋熊'''、[[学名]]:''Ursus arctos'')は[[クマ科]]に属する[[哺乳類]]である。[[ホッキョクグマ]]と並びクマ科では最大の体長を誇る。また、[[日本]]に生息する陸棲哺乳類(草食獣を含む)でも最大の種である。
 
  
学名は''Ursus arctos''(ウルスス・アルクトス)。Ursusは[[ラテン語]]でクマ、arctosは[[ギリシャ語]]でクマを意味するἄρκτοςをラテン化したものである。
+
食肉目クマ科。巨大なクマで,毛色は黄褐色から黒色に近いものまである。肩のほうが腰より高く盛上がっており,頭も大きい。また強大な爪をもつ。分布する地域により多くの亜種に分けられている。最大のものはアラスカのコディアック島にすむアラスカヒグマ <i>U. a. middendorfi</i>で体長 2.8m,体重 800kgにも達する。北アメリカには,体長 2.6m,体重 400kgに近いハイイログマ <i>U. a. horribilis</i>が分布する。日本では,北海道にエゾヒグマ <i>U. a. yesoensis</i>がおり,体長 2m,体重 250kg内外で,400kgをこえるものも記録されている。いずれも強大な力をもち,[[ホッキョクグマ]]とともに地上最大の食肉獣である。ウシ,ウマをはじめ大型の草食獣を捕食し,小動物,魚類,昆虫類のほか,果実,木の芽などの植物質も食べる。急に人に出会ったときなど人を襲うこともある。
 
 
== 分布 ==
 
[[ヨーロッパ]]から[[アジア]]にかけての[[ユーラシア大陸]]と[[北アメリカ大陸]]に幅広く生息している。その生息地は[[温帯]]から[[ツンドラ気候]]の地域(北極海沿岸など)にまで及ぶ。現存するクマ属の中では最も広く分布する。
 
 
 
北アメリカ北西部に生息する[[ハイイログマ]](グリズリー、''U. a. horribilis'')、アラスカに生息する[[コディアックヒグマ]]([[:en:Kodiak Bear|Kodiac Bear]] ''U. a. middendorffi'')、[[北海道]]に生息する[[エゾヒグマ]](''U. a. yesoensis'', ''U. a. ferox'' Temminck, 1844, or ''U. a. lasiotus'' Gray, 1867)など、いくつかの[[亜種]]が存在する。絶滅した亜種に、[[メキシコハイイログマ]](''U. a. nelsoni'')と[[カリフォルニアハイイログマ]](''U. a. californicus'')がある。また、19世紀の[[アフリカ大陸]]北部の[[地中海]]沿いの[[アトラス山脈]]周辺には、[[アトラスヒグマ]](''[[:en:Atlas Bear|U. a. crowtheri]]'')、[[ヒマラヤ山脈]]周辺には[[ヒマラヤヒグマ]]([[:en:Himalayan brown bear]])、20世紀初頭には最大級の体躯を持つ[[カムチャッカオオヒグマ]](''U. a. piscator'')という亜種が生息していた。
 
 
 
日本ではエゾヒグマが北海道のみに生息する。
 
 
 
2009年10月には[[国後島]]で白い[[個体]]の撮影に成功しており、同島に生息する推定300頭の1割が白色個体とみられ引き続き調査が行われている<ref name="shirohiguma">{{Cite news |url=http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20091030-OYT1T00235.htm |title=国後に「白いヒグマ」…日本人調査団、撮影成功 |newspaper=YOMIURI ONLINE |publisher=読売新聞社 |date=2009年10月30日 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20091102065819/http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20091030-OYT1T00235.htm |archivedate=2009年11月2日 |deadurldate=2017年9月 }}<br/>{{Cite news|url=http://www.hokkaido-np.co.jp/news/environment/197291.html|title=白ヒグマ 国後で確認 ビザなし交流 北大名誉教授ら調査隊が初撮影|newspaper=どうしんウェブ|publisher=北海道新聞社|date=2009年10月30日|archiveurl=https://archive.is/20091102065819/http://www.hokkaido-np.co.jp/news/environment/197291.html|archivedate=2009年11月2日}}<br/>{{Cite news|url=http://www.news-kushiro.jp/news/20091030/200910306.html|title=白いヒグマを確認/調査団が帰港、会見|newspaper=[[釧路新聞]]|publisher=釧路新聞社|date=2009年10月30日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20120528103318/http://www.news-kushiro.jp/news/20091030/200910306.html|archivedate=2012-05-28}}</ref>。2012年の[[夏]]には北海道[[西興部村]]でも[[アルビノ]]と見られる[[個体]]が目撃されている<ref>{{Cite news |url=http://www.47news.jp/CN/201208/CN2012080301003004.html |title=北海道で白いヒグマの写真撮影 西興部村の職員 |newspaper=47NEWS |agency=共同通信 |publisher=全国新聞ネット |date=2012-08-03 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20120805043304/http://www.47news.jp/CN/201208/CN2012080301003004.html |archivedate=2012-08-05}}</ref>
 
 
 
[[亜寒帯]]・冷温帯など寒地に生息するイメージが強いとされ実際にその傾向があるが、過去には[[地中海]]沿岸や[[メキシコ湾]]岸など[[南方]]の温暖な地域にまで及んでいて、人間による[[開発]]や[[乱獲]]によって減少し、[[人口密度]]の低い[[北方]]のみに生息するようになったとされる。個体群や[[亜種]]の絶滅は過去150年間に集中し、[[アラスカ州|アラスカ]]を除く北米大陸と[[西ヨーロッパ|西欧]]で著しい。
 
 
 
{{mainarticle|ハイイログマとホッキョクグマの雑種}}
 
[[ホッキョクグマ]]はヒグマの近縁種であり、[[生殖的隔離]]が存在しない。通常北極圏ではヒグマは陸、ホッキョクグマは海と[[生息地|生息域]]がことなり[[混血]]の機会はないが、[[自然]][[環境]]でも[[ハイイログマとホッキョクグマの雑種|両者の混血]]の発生事例が報告されており、[[地球温暖化]]の影響が懸念されている。
 
 
 
== 形態 ==
 
オスの成獣で[[体長]]2.5-3.0[[メートル|m]]で[[体重]]は250-500[[キログラム|kg]]程度に達する。メスは一回り小さく体長1.8-2.5mで体重は100-300kgほど。がっしりとした頑丈な体格を誇り、頭骨が大きく肩も瘤のように盛り上がっている。
 
 
 
ヒグマは栄養状態によって生じる個体差が顕著で、内陸のヒグマが300kgを超える事はあまり多くないが、溯上する[[サケ類|サケ・マス類]]を豊富に食べられる環境にいるヒグマは大きい。中でも有名なのが、[[アラスカ]]沿岸の[[コディアック島]]、南西部の[[カトマイ国立公園]]と、[[ロシア]]の極東[[カムチャツカ半島]]に生息するヒグマで、共に500キログラム以上の個体が記録されている。野生のヒグマで最大の記録はコディアック島で捕らえられた個体で1,134kg(2,500[[ポンド (質量)|ポンド]])以上<ref>Dodson S. (2009) Bear-ology:Fascinating Bear Facts, Tales & Trivia. PixyJack Press, Masonville, p.31 ([http://books.google.co.jp/books?hl=ja&id=D6YTYq5ShTIC&q=1%2C134#v=snippet&q=1%2C134&f=false Google ブックス])</ref>{{要検証|date=2015年1月|title=より学術的なソースに基づく検証が必要}}。エゾヒグマでも、[[1980年]]に[[羽幌町]]で射殺された体重450kgの通称「北海太郎」や、[[1982年]]に[[古多糠]]の牧場で子牛3頭を襲った500kgの雄(6歳)、[[2007年]]11月に[[えりも町]]の[[猿留川]]さけ・ます孵化場の箱罠にかかった推定年齢17歳・520kgのオスなど大型の個体もおり、近年大型化しているとの指摘もある。このます孵化場の箱罠では、300kgの個体も捕獲されている。[[三毛別羆事件]]を引き起こした通称「袈裟懸け」は340kgであった<ref>{{Cite book|和書|author=[[木村盛武]]|date=2008-03-01(初版1994-12-09)|title=慟哭の谷|publisher=[[共同文化社]]|edition=第五刷|pages=84|id=ISBN 978-4-905664-89-5}}</ref>。
 
 
 
== 生態 ==
 
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[[針葉樹林]]を中心とした[[森林]]地帯に生息する。
 
 
 
食性は[[雑食]]だが、同じクマ科の[[ツキノワグマ]]に比べると肉食の傾向が大きい。[[シカ]]や[[イノシシ]]、[[ネズミ]]などの大小哺乳類、[[サケ]]や[[マス]]などの[[魚類]]、果実などを主に食べる。[[トラ]]や[[オオカミ]]など、他の[[肉食獣]]が殺した獲物を盗むことも近年の研究で明らかとなった。まれに[[ヒト|人]]を食することもあり、1度でも人を食べたヒグマは求めて人間を襲う傾向があり、きわめて危険である<ref>[http://www.tigers.ru/books/ecolog/ch4_en.html A.G.Yudakof] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20101230001557/http://www.tigers.ru/books/ecolog/ch4_en.html |date=2010年12月30日 }}</ref>。また自分が捕獲した獲物に対して強い執着心を示すため、ヒグマに奪われた物を取り返す行為は危険である。地上を走行するときには時速約50km、一説には65kmに達するとされる<ref name=BC>{{Cite web|url=http://www.llbc.leg.bc.ca/public/pubdocs/bcdocs/215843/grizzly.pdf|title=conservation of Grizzly Bears in British Colunmia|accessdate=2010-10-29|author=Province of Columbia}}</ref><ref name=hokkaido>{{Cite web|url=http://www.oshima.pref.hokkaido.jp/os-ksktu/kuma/about/kodo.html|title=ヒグマの行動|accessdate=2010-10-29|author=北海道渡島総合振興局 保健環境部環境生活課自然環境係}}</ref><ref name=NG>{{Cite web|url=http://animals.nationalgeographic.com/animals/mammals/brown-bear/|title=Brown Bear|accessdate=2010-10-29|author=National Geographic}}</ref>。
 
 
 
[[川]]を遡上する[[サケ|鮭]]を待ち伏せして捕食することも有名である。ただし、ヒグマの栄養源のうちサケが占める割合は北米沿岸部の個体群では栄養源全体の30%以上であるのに対し、知床半島に生息するヒグマでは栄養源全体の5%にすぎなくなっているとされ遡上減による生態系への影響が懸念されている<ref name="hokkaido-np-2014-7-20">{{Cite news | url = http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/552322.html | title = 知床ヒグマ“サケ離れ” 開発で遡上減響く 栄養源のわずか5% 京大院生ら実態解明 | newspaper = [[北海道新聞]] | publisher = 北海道新聞社 | date = 2014-7-20 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20140722064651/http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/552322.html |archivedate=2014-07-22}}</ref>。
 
 
 
冬季には巣穴で[[冬眠]]をする。冬眠中には脈拍、呼吸数が大幅に減少する。この間(通常2月)に出産するが、出産したばかりの子供の体は非常に小さい。冬眠しない個体もあり、人を襲う場合もある。食物連鎖の頂点に位置し、成獣には[[武器]]を所持した[[ヒト]]以外にこれといった敵はいないが、シベリアではおそらく冬眠中の個体が[[トラ]]に捕食された例がある<ref>{{cite web|url=http://www.tigrisfoundation.nl/cms/publish/content/showpage.asp?pageID=16|title=Tiger Ecology|accessdate=2015-04-19|publisher=Tigris Foundation |archiveurl=https://web.archive.org/web/20070707221750/http://www.tigrisfoundation.nl/cms/publish/content/showpage.asp?pageID=16 |archivedate=2007-07-07}}</ref>。一方で、ヒグマがトラから獲物を横取したり、争いになりトラを殺すという例も報告されている<ref>[https://archive.is/20120913235955/http://sixote-alin.ru/articles/tab_eng.html size and circumstances of deaths of Amur tiger males in the Russian Far East, 1970-1994. ](2012年9月13日時点の[[archive.is|アーカイブ]])</ref>。
 
 
 
== 人間との関わり ==
 
=== 日本 ===
 
[[ファイル:Bear skulls set up for worship.jpg|thumb|150px|アイヌの祭壇「ヌサ」。熊の頭骨が祀られている。[[明治|明治時代]]後期。]]
 
[[ファイル:Caution! -Brown bear.jpg|thumb|150px|ヒグマの出没に注意を喚起する看板([[札幌市]])]]
 
[[ファイル:Wakan Sansai Zue 105 106.jpg|thumb|[[和漢三才図会]]に描かれたヒグマ(右頁)]]
 
 
 
ヒグマの毛皮は古くから交易品であり、『日本書紀』斉明5年(659年)条には、次の記述が見られる。「来日した高句麗使人がヒグマの皮一枚を綿60斤で売ろうとしたが、日本側の市司(いちのつかさ)は笑って相手にしなかった。その後、使人は、高麗画師子麻呂の家を訪ねるが、官から借りたヒグマの皮70枚を敷き詰められて接待を受けたため、高値で売ろうとした事を恥、不思議に思った」。7世紀において、列島北方との交流をうかがわせるものであり、半島からの交易物による文化的優位性に対抗した話とみられる(田中史生 『越境の古代史』 角川ソフィア文庫 2017年)。
 
 
 
かつて[[アイヌ]]は、ヒグマや[[エゾタヌキ]]など狩猟の対象となる生き物を、「神が人間のために肉と毛皮を土産に持ち、この世に現れた姿」と解釈していた。その中でも特にヒグマをキムン[[カムイ]](山の神)として崇め、猟で捕えた際は「自分を選んでたずねてきた」ことを感謝して祈りを捧げ、解体した後は頭骨に[[イナウ]]を飾り付けて祀った。さらに春先の穴熊狩りで小熊を捕獲した際は、[[コタン]](村)に連れ帰って一年間大切に育てることで「人間界の素晴らしさ」を伝え、毎秋には[[イオマンテ]]([[熊送り]])と呼ばれる祭を催し、ヒグマの仔を殺すことで霊を天に返した。人間に大切にもてなされた熊の霊に天上界で「人間界の素晴らしさ」を広めてもらい、それによって更に多くの神が人間界へ「肉と毛皮の土産」を携えて訪問することを期待するのである。
 
ただ、人間を傷つけたヒグマは悪神(ウェンカムイ)とみなされる。熊狩りの際に重傷を負わされた場合、そのヒグマの肉や毛皮を利用はするものの、頭骨を祀ることはしない。人間を食い殺したヒグマを捕えた場合は、その場で切り刻んで放置し、[[腐敗|腐り果てる]]にまかせる。
 
 
 
現代ではヒグマは[[キタキツネ]]とともに、北海道[[観光]]の象徴的な[[マスコット]]とされ、古くからのアイヌによる木彫り細工から[[キャラクター]]化度の強い商品まで幅広い。登別市の[[登別温泉]]などにある「[[クマ牧場]]」のように、観光用のヒグマ飼育施設まで存在する。そこではヒグマに芸を仕込んでいることもある。
 
 
 
しかし、北海道でのヒグマと人との接触による問題は根深い問題である。[[マスコット]]や[[飼育]]下のヒグマはともかく、地元の人々にとっては[[野生]]のヒグマには恐ろしい動物という印象が非常に強い。駆除の優先度も、[[エゾシカ]]などに比べて高い。その被害も[[農作物]]への被害([[夕張メロン]]など)から、[[家畜]]、[[畜産]]物、人的被害にまで及ぶ。[[明治]]時代には北海道で多数の人間が襲撃されており、苫前[[三毛別羆事件]]のように小規模な[[天災]]に匹敵する死者(7人死亡、3人重傷)を出した事件すらある。また、近年になって人身事件が増加傾向にあり、
 
北海道では、1996年(平成8年)からの10年だけで、ヒグマに襲われて6人が死亡、17人が重軽傷を負った。[http://www.yasei.com/itiran.html 「ヒグマによる人身事件の概要一覧(1970年〜2000年12月)」]でも同様のデータが確認できるが、この資料の後も事件はおき続けており、ヒグマとの遭遇事故だけでも年々増加してきている
 
<ref>[http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/higuma/higuma.htm ヒグマの保護管理] - [[北海道庁]](最終更新日:2016年12月12日(月)/2017年3月28日閲覧)</ref>
 
<ref>[http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/higuma/H281007.htm ヒグマによる人身事故の防止について] - 北海道庁(最終更新日:更新日2016年10月07日(金)/2017年3月28日閲覧)</ref>
 
<ref>[http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/higuma/joho.htm ヒグマ出没情報【市町村のヒグマ関連情報ホームページ】] - 北海道庁(最終更新日:2016年7月06日(水)/2017年3月28日閲覧)</ref>
 
<ref>[http://bakusai.com/thr_res/acode=1/ctgid=148/bid=1520/tid=3222164/ ヒグマ出没情報] -  爆サイ.com > 北海道版 > 北海道災害(随時更新/2017年3月28日閲覧)</ref>。
 
 
 
人身事件の増加の理由については、[[狩猟|ハンター]]全体の高齢化や[[引退]]などで数が減少してしまったことや、[[エゾシカ]]が増えており、それを食べたヒグマが肉食をしたことで気性が荒くなることがあること、などが指摘されることもある(出典:2008年4月の[[北斗市]]での死亡事故を受けての地元ハンター協会長などの談話。[[テレビ朝日]]のTVニュース。かつて200名ほどいたハンターが現在は50名しかいないという。)またヒグマとまともに対決できるだけの腕を持つハンターとなると、その数が限られるという。[[小銃|ライフル]]をヒグマに一発命中させながらも、次の弾丸をこめている間に襲われたハンターもいる。ヒグマはいざとなると時速数十キロもの速さで走って襲いかかってくる、とも言われている{{要出典|date=2016-01-09}}。
 
 
 
ヒグマは[[知能|知力]]に優れ、最近人里に近い箇所に[[巣|巣穴]]をもうけ民家の飼い犬を襲ってから、住民宅を襲う事故が発生している。またヒグマは[[学習]]能力も高く、[[土葬]]された人間の[[遺体]]の味を覚えた場合、生きた人間を襲うことがありうる。ヒグマの生息地域では土葬は厳禁である{{要出典|date=2016-01-09}}。[[山菜]]採りなどで山に入ることをためらう者も増えてきている。
 
 
 
また、世界遺産となった[[知床半島]]において、観光客や[[カメラマン]]がヒグマを撮影しに多数訪れるようになり、ヒグマを至近距離から多人数で取り囲んだりするなどの行為が報告されるようになり、[[環境省]]や学識経験者などは、いずれは人身事故が起こりかねないとして、こうした危険行為を慎むよう警告している<ref>{{Cite news |url=http://mainichi.jp/select/news/20131019dde041040044000c.html |title=知床:「ヒグマ撮影、危険行為やめて」 学識経験者ら自重求め声明 |newspaper=毎日新聞 |publisher=毎日新聞社 |date=2013-10-19 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20131021081740/http://mainichi.jp/select/news/20131019dde041040044000c.html |archivedate=2013-10-21}}</ref>
 
 
 
日本に限ったことではないが、[[人間]]が山中に[[ごみ]]を[[ポイ捨て]]したり、あまつさえ(攻撃性をあまり示さない)個体に餌を与えたりなどすることで、クマがヒトの[[食品|食物]]の味を覚え([[動物行動学|学習]]し)、人に興味を持ったり人里に出ようとする事案が後を絶たない。保護団体では[[エアソフトガン]]等で痛めつけてヒトの恐ろしさを学習させるなどして、山に帰るよう促しているが、それでも治らない個体は、自治体がハンター団体に依頼して殺処分される。そのような個体はいずれヒトを襲うようになる恐れがあるからである。
 
北海道は道内のヒグマ生息数(平成24年度)を10,600頭±6,700頭と推定している<ref>{{PDF|[https://web.archive.org/web/20151210221238/http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/grp/01/higuma/higuma_population_estimates_151202.pdf ヒグマ生息数の推定について - 北海道環境生活部環境局生物多様性保全課 平成27年12月2日]}}(2015年12月10日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>。
 
 
 
=== 北米 ===
 
[[インディアン|北米先住民]]にとって、ヒグマをはじめとする[[クマ]]は畏敬と信仰の対象であった。[[プエブロ]]・インディアンの焼き物や宝飾品、[[ズニ]]族の[[呪物崇拝|フェティッシュ]]と呼ばれる動物をかたどったお守りには、クマのモチーフが好んで用いられる。
 
 
 
北米では、[[絶滅の危機に瀕する種の保存に関する法律]]をはじめとする保護法の発効以来ヒグマの個体群数は回復の傾向にあるが、放牧業を営む畜農家との軋轢、拡大する住宅地、国立公園などでの観光客との接触、ハンターとの接触、交通事故など、人とヒグマとの共存は容易ではない<ref group="注釈">北米の拳銃の広告において、渓谷で釣りをしている個人がヒグマに遭遇する場面(すなわち拳銃を所持していれば身の安全が図れるということ)が用いられる場合がみられ、ヒグマは人にとって危険な動物の代名詞として認識されている。なお、北米ではハンターが主要猟具である[[小銃|ライフル]]や[[散弾銃]]と共に大口径の拳銃を携行する事があり、この拳銃を主要猟具の弾を撃ち尽くし、なおも自らに向かってくるヒグマから身を守る為に必要な'''[[サイドアーム]]'''と定義づける事が多い{{要出典|date=2016-01-09}}。</ref>。
 
 
 
[[ハイイログマ]]の[[個体群]]は、[[アメリカ合衆国]]では絶滅危惧特別個体群(Threatened Distinct Population Segment)、カナダでは絶滅危機特別個体群(Endangered Distinct Population Segment)に指定され、[[アメリカ法|連邦法と州法]]で保護されている。
 
* ''U. a. isabellinus''
 
ワシントン条約附属書I類<ref name="cites"/>
 
 
 
== ヒグマが登場する作品 ==
 
=== 映画 ===
 
* 『[[リメインズ 美しき勇者たち]]』 ([[映画監督|監督]] : [[千葉真一]]、[[1990年の日本公開映画|1990年]])
 
* 『[[プロジェクト・グリズリー]]』
 
* 『グリズリー・パーク』
 
* 『グリズリー・フォールズ』
 
* 『グリズリー・レイジ』
 
* 『グリズリー・プラネット』
 
* 『[[ワイルドグリズリー]]』
 
* 『[[グリズリー (映画)|グリズリー]]』
 
 
 
=== ドラマ ===
 
* ラジオ『羆嵐(くまあらし)』 TBSラジオ [[倉本聰]] 脚本、[[高倉健]] 主演。1980年
 
* TV『恐怖!パニック!!人喰熊 史上最大の惨劇 羆嵐』 日本テレビ [[降旗康男]]演出、[[小川英]]脚本、[[三国連太郎]] 主演。1980年
 
 
 
=== 小説 ===
 
* 『ファントム・ピークス』著 [[北林一光]] [[角川書店]]
 
* 『羆嵐』([[吉村昭]] [[新潮文庫]])
 
* 『[[シャトゥーン ヒグマの森]]』(作:[[増田俊也]] [[宝島社]])
 
* 『どんべえ物語』(作:[[畑正憲]] [[角川文庫]])
 
* 『さよならどんべえ』(作:畑正憲 角川文庫)
 
* 『[[ウエンカムイの爪]]』(作:熊谷達也 [[集英社文庫]])
 
* 『ちびっこひぐま』(作:ジョン・ショーエンヘール [[偕成社]])
 
* 『羆風(くまかぜ)』 [[戸川幸夫]] 著。 1965年
 
* 『羆荒れ(くまあれ)』 [[戸川幸夫]] 著。1974年6月12日 – 1975年4月21日、北海タイムス連載。
 
* 『デンデラ』([[佐藤友哉]] [[新潮文庫]])
 
 
 
=== 漫画 ===
 
* 『シャトゥーン〜ヒグマの森〜』 (原作:[[増田俊也]]、作画:[[奥谷通教]])[[2008年]]-[[2009年]]、「[[ビジネスジャンプ]]」([[集英社]])で連載。
 
* 『キムンカムイ』(作:[[三枝義浩]])
 
* 『野生伝説』(原作:[[戸川幸夫]]、作画[[矢口高雄]] [[講談社]]漫画文庫)
 
* 『[[くまみこ]]』(作:[[吉元ますめ]]、[[KADOKAWA]]「[[コミックフラッパー]]コミックス」)
 
* 『[[ゴールデンカムイ]]』(作:[[野田サトル]]、「[[週刊ヤングジャンプ]]」([[集英社]])連載)
 
 
 
=== その他 ===
 
* 舞台公演『羆嵐(くまあらし)』 倉本聰 脚本。1986年
 
* 書籍『慟哭の谷―The devil’s valley』 著 [[木村盛武]] [[共同文化社]]
 
 
 
== 脚注 ==
 
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=== 注釈 ===
 
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=== 出典 ===
 
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== 参考文献 ==
 
* Servheen, C.  1989.  Status of the World's Bears, 2nd International Conference of Bear Research and Management, ''Monograph'' 2.
 
* S.ヘレロ著 『ベア・アタックス - クマはなぜ人を襲うか』 嶋田みどり・大山卓悠訳、[[北海道大学出版会]]、2000年 ISBN 4-8329-7301-0 / ISBN 4-8329-7302-9
 
 
 
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2019/6/13/ (木) 15:54時点における最新版

ヒグマ.jpg

ヒグマ緋熊樋熊学名Ursus arctos

食肉目クマ科。巨大なクマで,毛色は黄褐色から黒色に近いものまである。肩のほうが腰より高く盛上がっており,頭も大きい。また強大な爪をもつ。分布する地域により多くの亜種に分けられている。最大のものはアラスカのコディアック島にすむアラスカヒグマ U. a. middendorfiで体長 2.8m,体重 800kgにも達する。北アメリカには,体長 2.6m,体重 400kgに近いハイイログマ U. a. horribilisが分布する。日本では,北海道にエゾヒグマ U. a. yesoensisがおり,体長 2m,体重 250kg内外で,400kgをこえるものも記録されている。いずれも強大な力をもち,ホッキョクグマとともに地上最大の食肉獣である。ウシ,ウマをはじめ大型の草食獣を捕食し,小動物,魚類,昆虫類のほか,果実,木の芽などの植物質も食べる。急に人に出会ったときなど人を襲うこともある。



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