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[[数学]]において、[[位相空間]] {{mvar|X}} が'''局所コンパクト'''(きょくしょコンパクト、{{Lang-en-short|locally compact}}<ref>{{Cite book|1 =和書|author =[[文部省]]編|title =[[学術用語集]] 数学編|url =http://sciterm.nii.ac.jp/cgi-bin/reference.cgi|year =1954|publisher =[[大日本図書]]|isbn =4-477-00170-3|oclc =|page =}}{{リンク切れ|date=2017年10月 |bot=InternetArchiveBot }}</ref>)というのは、雑に言って、{{mvar|X}} の各点の[[近傍 (位相空間論)|近傍]]では[[コンパクト空間|コンパクト]]であるという性質をもつことである。位相空間がコンパクトであるための条件は非常に厳しく、コンパクトな空間が数学において特殊な位置を占めているのに対して、数学で扱う重要な位相空間の多くが局所コンパクトである。特に局所コンパクトな[[ハウスドルフ空間]]は数学の中で重要な位置を占める。
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== 定義 ==
 
位相空間 {{mvar|X}} が局所コンパクトであるとは、任意の点 {{math|''x'' &isin; ''X''}} に対して、{{mvar|x}} の近傍 {{mvar|U}} でコンパクトなものが存在することである。
 
 
 
これと類似した以下の様な定義が採用されることもある。
 
:0. 任意の点 {{math|''x'' &isin; ''X''}} に対して、{{mvar|x}} の近傍 {{mvar|U}} でコンパクトなものが存在する。
 
:1. 任意の点 {{math|''x'' &isin; ''X''}} に対して、{{mvar|x}} の閉近傍 {{mvar|U}} でコンパクトなものが存在する。
 
:2. 任意の点 {{math|''x'' &isin; ''X''}} に対して、{{mvar|x}} のコンパクトな近傍が {{mvar|x}} の[[近傍系|近傍基]]をなす。
 
:3. 任意の点 {{math|''x'' &isin; ''X''}} に対して、{{mvar|x}} のコンパクトな閉近傍が {{mvar|x}} の近傍基をなす。
 
 
 
[[ハウスドルフ空間]]ではこれらは全て同値になる。
 
 
 
(0) はここでの定義であり、この中で一番弱く (1)、(2)、(3) は (0) を含意している。 (3) はこの中で一番強く (0)、(1)、(2) を含意している。
 
 
 
無限集合に[[補有限#補有限位相|補有限位相]]を入れたものは (0)、(1)、(2) を満たすが (3) を満たさない。
 
 
 
有理数体 {{mathbf|Q}} の{{仮リンク|一点コンパクト化|en|one-point compactification|preserve=1}}は (0)、(1) を満たすが (2)、(3) を満たさない。
 
 
 
自然数全体 {{math|'''N'''{{sub|0}}}} に「開 ⇔ 0を含む又は空」となる位相を入れた空間は (0)、(2) を満たすが (1)、(3) を満たさない。
 
 
 
前述の例の2つ目と3つ目の空間の直和は (0) を満たすが (1)、(2)、(3) を満たさない。
 
 
 
== 例とそうでない例 ==
 
=== コンパクトハウスドルフな例 ===
 
任意のコンパクトハウスドルフ空間はもちろん局所コンパクトであり、コンパクト空間の例は[[コンパクト空間]]の項目へ詳細を譲るがここでは
 
* [[単位閉区間]] {{closed-closed|0,1}};
 
* 任意の閉[[位相多様体]];
 
* [[カントール集合]];
 
* [[ヒルベルト立方体]]
 
などを挙げておこう。
 
 
 
=== コンパクトでない局所コンパクトハウスドルフ空間の例 ===
 
* [[ユークリッド空間]] {{math|'''R'''{{sup|''n''}}}} (特に[[実数直線]] {{mathbf|R}}) は[[ハイネ・ボレルの被覆定理]]の帰結により局所コンパクトである。
 
* [[位相多様体]]は、局所的な性質はユークリッド空間と同じであるから、やはり局所コンパクトである。この例には、[[長い直線]]のような[[パラコンパクト]]でないようなものまで含まれる。
 
* 任意の[[離散空間]]は局所コンパクトかつハウスドルフである(これらはちょうど[[0次元]]多様体である)。コンパクトになるのはそれが[[有限集合]]の場合に限る。
 
* 局所コンパクト空間の任意の[[開集合]]あるいは[[閉集合]]は[[相対位相|部分空間の位相]]でふたたび局所コンパクトになる。これにより、[[単位円板]](これは開でも閉でもいい)など、ユークリッド空間の局所コンパクト部分空間の例がさまざまに得られる。
 
* [[p進数|{{mvar|p}}-進数]]の空間 {{math|'''Q'''{{sub|''p''}}}} は、[[カントール集合]]から一点を除いたものに[[同相]]ゆえ、局所コンパクトである。従って、局所コンパクト空間は古典的な[[解析学]]におけると同様に [[p進解析|{{mvar|p}}-進解析]]においても有用である。
 
 
 
=== ハウスドルフだが局所コンパクトにならない例 ===
 
後の節において述べるとおり、ハウスドルフ空間が局所コンパクトならば、それは必ず{{仮リンク|チホノフ空間|en|Tychonoff space|label=チホノフ}} である(チホノフでないハウスドルフ空間の例については該当の項を参照のこと)が、逆に局所コンパクトでないようなチホノフ空間の例は存在する。
 
* [[有理数]]の空間 {{mathbf|Q}}(に {{mathbf|R}} の通常の位相からの相対位相を入れたもの)は、その任意のコンパクト部分集合が[[内部 (位相空間論)|内点]]を持たないから、それをコンパクト近傍として持つ点も存在しない。
 
* 座標平面 {{math|'''R'''{{sup|2}}}} の部分空間 {{math|{{mset|(0, 0)}} [[合併 (集合論)|&cup;]] {{mset|(''x'', ''y'') | ''x'' > 0}}}} は原点がコンパクト近傍を持たない。
 
* 実数全体の成す集合 {{mathbf|R}} に {{仮リンク|下極限位相|en|lower limit topology}} または {{仮リンク|上極限位相|en|upper limit topology}} を入れたもの([[片側極限]]の研究に有用)。
 
* 無限次元[[ヒルベルト空間]]のような、任意の[[コルモゴロフ空間|T<sub>0</sub>]]な(従ってハウスドルフな)無限次元[[位相線型空間]]。
 
 
 
前二者は局所コンパクト空間の部分集合が必ずしも局所コンパクトではないことを示すもので、開または閉な部分集合を考えて前節での例と対照的である。後者は前節のユークリッド空間との対照であり、これははっきりと、ハウスドルフ位相線型空間が局所コンパクトであるための必要十分条件はそれが有限次元(つまりユークリッド空間の場合)であることであると述べられる。あるいはまた、コンパクト空間の例としての[[ヒルベルト立方体]]との対比と見れば、この超立方体がヒルベルト空間のどの点の近傍ともならないことから、矛盾しない。
 
 
 
=== ハウスドルフでない局所コンパクト空間の例 ===
 
* 有理数の空間 {{mathbf|Q}} の{{仮リンク|一点コンパクト化|en|one-point compactification|preserve=1}}はコンパクトゆえ、各点が(閉)近傍を持つという意味では局所コンパクトだが、コンパクト近傍からなる近傍基を持つという意味での局所コンパクト性は持たない。
 
* 任意の無限集合に{{仮リンク|特定点位相|en|particular point topology}}を入れたものは、コンパクト近傍からなる近傍基を持つという意味では局所コンパクトだが、特定点を含む空でない閉コンパクト部分空間は存在しないから各点が閉近傍を持つという意味での局所コンパクト性は持たない。同じことは実数直線に{{仮リンク|上方位相|en|upper topology}}を入れたものについても言える。
 
 
 
== 性質 ==
 
任意の局所コンパクト{{仮リンク|前正則空間|en|preregular space}}は、実は{{仮リンク|完全正則空間|en|completely regular space|label=完全正則}}である。この事実から、任意の局所コンパクトハウスドルフ空間が[[チホノフ空間|チホノフ]] (T<sub>3½</sub>) であることが従う。通常の正則性のほうが、前正則性(ふつうはより弱い条件)や完全正則性(普通はより強い条件)よりも馴染みがあるから、局所コンパクト前正則空間のことは「局所コンパクト正則空間」という言い回しで言及されるのが通例である。同様に、局所コンパクトチホノフ空間は普通は単に「局所コンパクトハウスドルフ空間」と呼ぶ。
 
 
 
任意の局所コンパクトハウスドルフ空間は[[ベール空間]]である。つまり[[ベールの範疇定理]]の結論「[[疎集合|疎]] (nowhere dense) な部分集合からなる任意の[[可算]][[合併 (集合論)|合併]]は空でない」が成立する。
 
 
 
局所コンパクトハウスドルフ空間 {{mvar|Y}} の[[部分位相空間|部分空間]] {{mvar|X}} が局所コンパクトであるための[[必要十分条件]]は、{{mvar|X}} が {{mvar|Y}} の二つの[[閉集合|閉]]部分集合の[[差集合|(集合論的)差]]に書けることである。その系として、局所コンパクトハウスドルフ空間の[[稠密部分集合]] {{mvar|X}} が局所コンパクトであるための必要十分条件は、{{mvar|X}} が {{mvar|Y}} の[[開集合|開部分集合]]となることである。さらに言えば、「任意」のハウスドルフ空間 {{mvar|Y}} の部分空間 {{mvar|X}} が局所コンパクトならばやはり {{mvar|Y}} の二つの閉部分集合の差には書けるが、この場合逆は成り立たない。
 
 
 
局所コンパクトハウスドルフ空間の[[商位相空間|商空間]]は{{仮リンク|コンパクト生成空間|en|compactly generated space|label=コンパクト生成}} (compactly generated) である。逆に、任意のコンパクト生成ハウスドルフ空間は、ある局所コンパクトハウスドルフ空間の商として得られる。
 
 
 
局所コンパクト空間においては、[[局所一様収斂]]と[[コンパクト収斂]]の概念は一致する。
 
 
 
=== 無限遠点 ===
 
任意の局所コンパクトハウスドルフ空間 {{mvar|X}} はチホノフであるから、{{仮リンク|ストーン-チェックコンパクト化|en|Stone–Čech compactification}}を用いてコンパクトハウスドルフ空間 {{math|b(''X'')}} に[[埋め込み (位相空間論)|埋め込める]]。しかし実は、局所コンパクトの場合にはより単純な方法として、{{mvar|X}} にただ一点のみ余分な点を付け加えることにより {{mvar|X}} をコンパクトハウスドルフ空間 {{math|a(''X'')}} に埋め込める、{{仮リンク|一点コンパクト化|en|one-point compactification|preserve=1}}がある(一点コンパクト化自体は他の種類の空間にも適用することができるが、{{math|a(''X'')}} がハウスドルフとなることと {{mvar|X}} が局所コンパクトハウスドルフであることは同値)。従って、局所コンパクトハウスドルフ空間は、コンパクトハウスドルフ空間の[[開集合|開部分集合]]として特徴づけられる。
 
 
 
直観的に言えば、{{math|a(''X'')}} において付け加えられた余分な点は[[無限遠点]]と見做せる。つまり無限遠点は {{mvar|X}} の任意のコンパクト部分集合の外側にあるものと考えることができて、無限遠に飛ばす極限を考えることに関する多くの直観的概念がこの考えの下で局所コンパクトハウスドルフ空間に対しても定式化することができる。例えば、{{mvar|X}} を定義域とする[[実数]]値や[[複素数]]値の[[連続函数]]が{{仮リンク|無限遠において消える|en|vanish at infinity}}とは、与えられた任意の正数 ε に対して {{mvar|X}} の適当なコンパクト部分集合 {{mvar|K}} で {{math|{{abs|''f''(''x'')}} < ''ε''}} が {{mvar|K}} の外側にある各点 ''x'' において成り立つものが取れるときに言う。この定義は任意の位相空間 {{mvar|X}} において意味を持つ。{{mvar|X}} が局所コンパクトハウスドルフのとき、そのような函数はちょうど {{mvar|X}} の一点コンパクト化 {{math|1=a(''X'') = ''X'' ∪ {{mset|∞}}}} 上の連続函数 {{mvar|g}} で {{math|1=''g''(∞) = 0}} を満たすものに延長することができる。
 
 
 
無限遠点で消えている複素数値連続函数全体の成す集合 {{math|C{{sub|0}}(''X'')}} は [[C*-環|{{math|C*}}-環]]を成す。実は任意の[[可換環|可換]] {{math|C*}}-環は、ある([[同相]]の[[違いを除いて]])一意に定まる局所コンパクトハウスドルフ空間 {{mvar|X}} 上の {{math|C{{sub|0}}(''X'')}} に[[同型]]である。より詳しく述べれば、局所コンパクトハウスドルフ空間の[[圏 (数学)|圏]]と可換 {{math|C*}}-環の圏は[[圏論における双対性|双対]]であることが、{{仮リンク|ゲルファント表現|en|Gelfand representation}}を用いて示される。この双対性において、{{mvar|X}} から一点コンパクト化 {{math|a(''X'')}} を作る操作は {{math|C{{sub|0}}(''X'')}} に[[乗法単位元|単位元]]を添加 (adjoin) する操作に対応する。
 
 
 
=== 局所コンパクト群 ===
 
局所コンパクト性の概念は、主に任意のハウスドルフな[[局所コンパクト群]] {{mvar|G}} が[[ハール測度]]と呼ばれる自然な[[測度]]を持ち {{mvar|G}} 上の[[可測函数]]の[[不変積分|積分]]が定義できるという理由によって、[[位相群]]の研究において重要である。[[実数直線]] {{mathbf|R}} 上の[[ルベーグ測度]]はこれの特別の場合である。
 
 
 
[[位相アーベル群]] {{mvar|A}} の[[ポントリャーギン双対]]が局所コンパクトとなる必要十分条件は、{{mvar|A}} が局所コンパクトであることである。さらにきちんと言えば、ポントリャーギン双対性は局所コンパクトアーベル群の圏における自己双対性を定める。局所コンパクトアーベル群の研究は(非可換な局所コンパクト群についても広く扱う)[[調和解析#抽象調和解析|群上の調和解析]]の基礎を成すものである([[非可換調和解析]]の項も参照)。
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
{{Reflist}}
 
 
 
== 参考文献 ==
 
*{{cite book |last = Kelley |first = John | title = General Topology |year= 1975 | publisher = Springer | isbn = 0-387-90125-6}}
 
*{{cite book | last = Munkres | first = James | year = 1999 | title = Topology | edition = 2nd | publisher = Prentice Hall | isbn = 0-13-181629-2}}
 
*{{Cite book | last1=Steen | first1=Lynn Arthur | author1-link=Lynn Arthur Steen | last2=Seebach | first2=J. Arthur Jr. | author2-link=J. Arthur Seebach, Jr. | title=[[Counterexamples in Topology]] | origyear=1978 | publisher=[[Springer-Verlag]] | location=Berlin, New York | edition=[[Dover Publications|Dover]] reprint of 1978 | isbn=978-0-486-68735-3 | mr=507446  | year=1995 | postscript=<!--None-->}}
 
*{{cite book | last = Willard | first = Stephen | title = General Topology | publisher = Addison-Wesley | year = 1970 | isbn = 0-486-43479-6 (Dover edition)}}
 
* {{Cite book|和書
 
|author = [[矢野公一]]
 
|title = 距離空間と位相構造
 
|year = 1997
 
|publisher = [[共立出版]]
 
|series = 共立講座21世紀の数学
 
|isbn = 4-320-01556-8
 
|oclc =
 
|page =
 
}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* {{MathWorld|urlname=LocallyCompact|title=Locally Compact|author=Rowland, Todd.}}
 
* {{nlab|urlname=locally+compact+topological+space|title=Locally compact spaces}}
 
* {{PlanetMath|urlname=LocallyCompact|title=locally compact}}
 
* {{ProofWiki|urlname=Definition:Locally_Compact|title=Definition:Locally Compact}}
 
* {{SpringerEOM|urlname=Locally_compact_space|title=Locally compact space|author=Fedorchuk, V.V.}}
 
 
 
{{Math-stub}}
 
{{DEFAULTSORT:きよくしよこんはくとくうかん}}
 
[[Category:位相空間論]]
 
[[Category:コンパクト空間]]
 
[[Category:数学に関する記事]]
 

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