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2018/7/24/ (火) 21:48時点における版
イスラム教の聖典。クルアーン,コラーンともいう。元は「読誦すべきもの」の意。約 8万語のアラビア語の散文および韻文からなり,114のスーラと呼ばれる章に分かれる。
キリスト教の主の祈りに比される冒頭の「開扉の章」(ファーティハ)を除き,長い章から順に配列されている。教徒にとってはアッラーの神のことばそのもの,永遠なるつくられざる神の意志であり,天使ジブリール(ガブリエル)を通してメジナとメッカで預言者であるムハンマドに啓示されたとされる教義と掟の集大成である。イスラム法の第一の法源ともなっている。
アッラーに対する絶対的帰依を説くが,新約聖書,旧約聖書と共通する部分は多い。初めは口承,または断片的に集録され,ムハンマドの死後にまとめられた。異本が生じたので第3代カリフのウスマーン(在位 644~656)によって公認の正典が定められ,ほかの写本は一切破棄されたという。
預言者のことばでのみ読み,注釈すべきとされ,翻訳は奨励されないが,12世紀頃よりラテン語訳などが出現し,日本語を含む近代語にも訳されている。