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− | {{Chembox
| + | [[ファイル:Alginsäure.svg.png|サムネイル]] |
− | |Verifiedfields = changed
| + | '''アルギン酸'''(アルギンさん) |
− | |verifiedrevid = 477314688
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− | |OtherNames=Alginic acid, E400
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− | }}
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− | |Section2= {{Chembox Properties
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− | |Formula=(C<sub>6</sub>H<sub>8</sub>O<sub>6</sub>)<sub>n</sub>
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− | |MolarMass=10,000 - 600,000
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− | |Appearance= 白ないし淡黄色の固体
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− | |Density= 1.601 g/cm<sup>3</sup>
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− | |MeltingPt= | |
− | |BoilingPt=
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− | |Solubility=
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− | |pKa = 1.5-3.5
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− | }}
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− | |Section3= {{Chembox Hazards
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− | }}
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− | }}
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− | '''アルギン酸'''(アルギンさん)は、[[褐藻]]などに含まれる[[多糖類]]で、[[食物繊維]]の一種である。ほかに、[[紅藻]]の[[サンゴモ]]などにも含まれる。また、一部の[[細菌]]([[アゾトバクター]]など)が部分的に[[酢酸エステル]]化されたアルギン酸を生成するが、これによる[[工業]]的生産はまだ成功していない。 | |
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− | 純粋のアルギン酸は、白ないし淡黄色で、[[繊維]]状、[[顆粒]]状または[[粉末]]状の形態をとる。[[水]]に[[不溶性]]であるが、[[アルギン酸ナトリウム]]などの可溶性[[塩 (化学)|塩]](アルギンと総称される)として抽出され、[[食品添加物]]その他の目的で利用される。
| + | 褐藻類,特にマコンブなどから抽出精製した多糖類で,乳化安定剤として食品,医薬,化粧品として用途が多い。海藻類から炭酸ナトリウムで抽出後,酸で沈殿させる方法で工業生産がなされている。酸性物質で,水には溶けない。ナトリウム塩は水に溶けると糊状の液となり,乳化安定剤として練り歯磨きや軟膏剤に用いられる。プロピレングリコールエステルは,食品衛生法で許可されている範囲内でドレッシング,アイスクリーム,マヨネーズなどの安定剤として用いられる。 |
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− | == 起源 ==
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− | [[商業]]的に利用されるアルギン酸類は、全て[[海藻]](褐藻類)からの抽出によって製造されている。褐藻類は世界中で3,000種類以上あると言われ、その中でアルギン酸の原料としては[[コンブ]]や[[オオウキモ]](ジャイアントケルプ)のような大型の種類が利用される。アルギン酸工業では主に天然の海藻を収穫して利用するが、[[中国]]では[[養殖]]したコンブを原料にアルギン酸を製造している。
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− | 世界のアルギン酸工業で利用される、主な原料海藻には次のようなものがある。
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− | * {{Snamei||Lessonia}} - 主に[[南米]]に産する大型海藻。
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− | * {{Snamei||Macrocystis}} - 和名[[オオウキモ]]、通称ジャイアントケルプ。北東[[太平洋]]および南太平洋などに広く分布する。全長数十mに達する極めて大型の海藻。
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− | * {{Snamei||Laminaria}} - [[日本]]の[[食卓]]でおなじみの[[コンブ]]。中国[[山東省]]沿岸で大規模に養殖されており、年間の水揚げ量は数十万トンに及ぶ。そのおよそ半分がアルギン酸の原料に消費されるという。日本産のコンブは高価なため、アルギン酸工業の原料には利用されない。[[北欧]]沿岸にも数種の {{Snamei|Laminaria}} があり、[[欧州]]のアルギン酸メーカーが原料に利用している。
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− | * {{Snamei||Ascophyllum}} - 北欧沿岸に広く分布する。アルギン酸原料のほか、[[肥料]]などにも利用されている。
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− | * {{Snamei||Durvillea}} - [[オーストラリア]]南岸や南米沿岸に産する。
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− | * {{Snamei||Ecklonia}} - [[南アフリカ]]南岸に産する大型海藻。{{Lang|en|Sea Bamboo}} とも呼ばれる。
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− | == 製法 ==
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− | ; [[抽出]]
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− | : 原料海藻をよく洗浄した後、[[アルカリ]]を加えて[[加熱]]し、藻体中のアルギン酸を可溶化する。海藻に含まれているアルギン酸は、海水中の[[ミネラル]]と塩をつくり、不溶性の[[ゼリー]]状態で[[細胞壁]]間に充填されている。海藻に[[ナトリウム塩]]を加えることで、アルギン酸の不溶性塩が水溶性のアルギン酸ナトリウムに置換され、藻体外に溶出する。
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− | ; [[ろ過]]
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− | : アルギン酸が十分に溶け出したら、ろ過して不溶性成分を除き、アルギン酸ナトリウムの[[溶液]]を得る。可溶化したアルギン酸の[[粘性]]により、抽出液は高い粘性を帯びる。これをろ過するためには大量の水を加えて希釈し、粘性を下げる必要がある。
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− | ; [[析出]]
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− | : アルギン酸ナトリウムの水溶液に[[酸]]を加えて [[水素イオン指数|pH]] を下げ、再び不溶性のアルギン酸として析出させる。酸の代わりに[[カルシウム塩]]を用いると、これも不溶性のアルギン酸カルシウムとして析出させることもできる。
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− | ; 乾燥
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− | : 析出したアルギン酸を脱水した後よく洗浄し、乾燥させてアルギン酸を得る。このアルギン酸をアルカリで[[中和]]すれば、アルギン酸塩となる。中和に用いるアルカリにナトリウムを使えばアルギン酸ナトリウムに、カリウムを使えばアルギン酸カリウムとなる。
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− | == 構造 ==
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− | ß-D-マンヌロン酸 (M) とそのC-5エピマーであるα-L-グルロン酸 (G) の2種のブロック(いずれも[[カルボキシル基]]をもつ[[単糖]])が (1-4)-結合した直線状の[[高分子|ポリマー]]である。各ブロックの量比は起源により異なる。MとGが交互につながったブロックが最も柔軟性があり、[[中性]]に近い pH で溶けやすい。Gからなるブロックは固く、6残基以上からなるGブロックは2価カチオン([[カルシウム|Ca<sup>2+</sup>]]など)と安定な複合体をつくって3次元[[ゲル]]を形成する。またアルギン酸は低い pH で酸性の繊維状ゲルを形成する。これらのゲルの中で、分子間の結合をつくるのは主にホモポリマーブロック(MまたはGの繰り返し構造)であり、ゲル強度を決めるのはGブロックの含有比率である。
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− | ==種類==
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− | 市場に流通しているアルギン酸類には、次のようなものがある。
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− | ; アルギン酸
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− | : 水に不溶。アルカリで中和すると溶ける。
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− | ; [[アルギン酸ナトリウム]]
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− | : 水に良く溶けて、粘性の液となる。一般に「アルギン酸」と呼ばれるものの多くはこのアルギン酸ナトリウムである。
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− | ; アルギン酸カリウム
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− | : アルギン酸ナトリウムによく似た性質を持つ。[[歯科]][[印象剤]]の原料として利用されることが多い。
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− | ; アルギン酸アンモニウム
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− | : アルギン酸ナトリウムによく似た性質を持つ。他のアルギン酸塩と違い、[[灰分]]にならないことから、[[セラミック]]などの[[バインダー]]に利用される。
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− | ; {{ill2|アルギン酸カルシウム|en|Calcium alginate}}
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− | : 水に不溶。一部のアルカリを使うことで溶ける。[[溶接棒]]を加工する際のバインダー、{{ill2|固定化酵素|en|Immobilized enzyme}}、怪我した際に使用される[[創傷被覆材]]に利用される。
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− | ; アルギン酸エステル(アルギン酸プロピレングリコールエステル)
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− | : アルギン酸に[[酸化プロピレン]]を加え、構造中のカルボキシル基に[[プロピレングリコール]]を[[エステル結合]]した[[誘導体]]。[[食品衛生法]]では「アルギン酸プロピレングリコールエステル」が正式名称。
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− | == 利用 ==
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− | === 食品分野 ===
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− | [[食品]]分野では[[増粘剤]]、[[安定剤]]、[[ゲル化剤]]として利用される。食品衛生法上、アルギン酸は[[既存添加物]]とされ、アルギン酸プロピレングリコールエステルとアルギン酸ナトリウムが指定添加物に分類されている。国際的整合性に鑑み、[[2006年]][[12月26日]]にアルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸アンモニウムの3種類が食品添加物に指定された<ref>{{Cite book|和書|author =|title = 食品添加物公定書|origyear =|edition = 第8版|year = 2007|publisher = [[厚生労働省]]|id = {{全国書誌番号|21291782}}|isbn =|oclc = 232619402|page =}}</ref>。
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− | 応用例<ref>{{Cite web|author = 株式会社キミカ|date =|url = http://www.kimica.jp/alginate/application/|title = 応用 : アルギン酸・キトサン|work =|accessdate = 2012-05-28}}</ref>
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− | * 増粘剤として - [[即席麺]]や[[パン]]などの[[パン生地|生地]]に加えることで、食感を改良し、保形性を高める。
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− | * 安定剤として - [[サラダドレッシング]]の[[乳化]]安定、[[乳酸菌飲料]]の分散安定、[[ビール]]の泡沫安定など。
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− | * ゲル化剤として - [[ベーカリーフィリング]]の耐熱性付与、[[オニオンリング]]等の再成形食品のバインダー、[[人工イクラ]]、[[人工フカヒレ]]等の成形など。
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− | * 食物繊維素材として - 食物繊維飲料など。[[コレステロール]]の対外排泄作用を用いた[[特定保健用食品]]としても商品化されている。
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− | === 医療分野 ===
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− | [[医療]]分野では、アルギン酸塩類が歯科材料(歯科印象材)として、アルギン酸の繊維状ゲルが[[手術]]糸に、またアルギン酸塩は創傷被覆材([[カルトスタット]]や[[ソーブサン]]など)に用いられる<ref>{{Cite web|author = [[夏井睦]]|date = 2001-12-14|url = http://www.wound-treatment.jp/wound020.htm|title = 創傷被覆材|work = 新しい創傷治療|accessdate = 2012-05-28}}</ref>。アルギン酸ナトリウム粉末(アルト)は[[皮膚]]での出血や[[消化管]]での[[内視鏡]]止血に、5%アルギン酸ナトリウム水溶液(アルロイドG)は[[胃炎]]・[[胃潰瘍]]・[[消化管]]出血に用いられる。
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− | === 工業分野 ===
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− | [[工業]]分野では、アルギン酸塩類が[[繊維]]、[[製紙]]、[[鉄鋼]]、[[水産]]、[[農業]]などに広く使われている。
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− | * 繊維工業 - [[綿]]、[[麻]]など天然繊維を[[染色]](プリント)する際、[[染料]]に粘性を与える[[糊料]]として。
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− | * 製紙業 - [[辞書]]などの特殊紙の表面処理、ノンカーボン[[複写紙]]の[[インクコート剤]]など。
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− | * 鉄鋼業 - 被覆溶接棒の加工の際、フラックスのバインダーとして。
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− | * 水産業 - [[養殖魚]]に与える[[餌料]](モイストペレット)のバインダーとして。
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− | * 農業 - 栽培用[[培土]]を固化させ、機械耐性を付与するバインダーとして。
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− | アルギン酸カルシウムは[[細胞]]や[[酵素]]などの固定化・カプセル化にも使われ、[[発酵]]・化学産業で用いられる。
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− | == 放射性ストロンチウムの体外排泄 ==
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− | アルギン酸を形成する[[ウロン酸]]は、1ユニットに1つカルボキシル基を備えている。カルボキシル基は[[イオン交換能]]が高く、周辺の[[カチオン]]と容易に結びつき、塩を作る性質がある。また、多価カチオンの場合は複数のカルボキシル基が架橋構造をとり、[[錯体]]を形成する。アルギン酸はカルシウム (Ca) との親和性が高いことが知られているが、カルシウムと似た挙動をとるストロンチウム (Sr) とも同様に錯体をつくり、不溶性の塩となる。この性質を利用して、消化管内に取り込まれた放射性Srの体外排泄に関する研究が数多く行われ、ヒトでの実験においても、顕著な効果が認められている。
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− | Hespらは、アルギン酸ナトリウム10gを飲用し、20分後に<sup>85</sup>Srを飲むと、体内残留率が1/8になることを報告している<ref>{{Cite journal|author = Hasp, R|coauthors = Ramsbottom, B|year = 1965|title =|journal = [[Nature]]|volume =|issue =|pages = 1341-1342|publisher = Nature Publishing Group|issn = 0028-0836|doi =|pmid =}}</ref>。また、西村らは、[[ラット]]を用いた動物実験において、アルギン酸をあらかじめ10日間投与して予備飼育した後に<sup>85</sup>Srを投与すると、<sup>85</sup>Srの体内残留率が顕著に減少することを見出した<ref>{{Cite journal|和書|author = 西村義一ほか|year = 1991|title = 放射性Srの代謝に及ぼすキトサンとアルギン酸の影響について|journal = RADIOISOTOPES|volume = 40|issue = 6|pages = 244-247|publisher = 日本アイソトープ協会|issn = 0033-8303|doi = 10.3769/radioisotopes.40.6_244|naid = 40000035085|pmid =}}</ref>。さらに、アルギン酸の予備投与期間が長いほど<sup>85</sup>Srの体内残留率が低くなることから、アルギン酸を日常的に摂取しておくことで、放射性ストロンチウムの体内取り込みを低減させる、防護剤としての役割を果たせることを示唆している。
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− | ==出典==
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− | {{脚注ヘルプ}}
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− | {{Reflist}}
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| == 関連項目 == | | == 関連項目 == |
− | <!-- {{Commonscat|Alginic acid}} -->
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| * [[多糖]] | | * [[多糖]] |
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− | <!-- == 外部リンク == -->
| + | {{テンプレート:20180815sk}} |
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| {{デフォルトソート:あるきんさん}} | | {{デフォルトソート:あるきんさん}} |
| [[Category:多糖類]] | | [[Category:多糖類]] |