「車体傾斜式車両」の版間の差分

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(その他の方法による車体傾斜)
 
 
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[[ファイル:DC283 hokuto 001.jpg|thumb|250px|曲線区間での[[JR北海道キハ283系気動車]]。制御付き自然振り子式車体傾斜を採用している。<!--ため、曲線区間にさしかかっていない車両も傾斜している : カントによる傾斜かは判断できない-->]]
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'''車体傾斜式車両'''(しゃたいけいしゃしきしゃりょう、tilting rail car)とは、[[線形 (路線)#曲線|曲線]]通過時に車体を傾斜させることで、通過速度の向上と乗り心地の改善を図った[[鉄道車両]]である<ref>{{cite book|和書 |editor=日本工業標準615890調査会 |title=JIS E 4001 鉄道車両-用語 |year=2011 |page=7}}</ref>。'''車体傾斜車両'''<!--「式」を抜いてる -->とも呼ばれる。
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{{テンプレート:20180815sk}}
 
 
車体傾斜の方法としては、自然振り子式、強制車体傾斜式、空気ばねによる車体傾斜など、複数のシステムが存在している<ref name="鉄道のテクノロジー_27">[[#鉄道のテクノロジー Vol.4|『鉄道のテクノロジー』Vol.4]]、p.27</ref>。
 
 
 
== 概要 ==
 
{{Double image stack|right|JRS 2000 inside Furico 1.jpg|JRS 2000 inside Furico 2.jpg|250|[[JR四国2000系気動車]]の車体傾斜時の前方風景。上は車体基準、下は前方風景基準での視点}}
 
 
 
曲線部分の[[軌道 (鉄道)|軌道]]は、通過時に車両にかかる遠心力を打ち消すため、傾斜([[カント (路線)|カント]])が設けられている<ref name="世界の高速鉄道_287">[[#世界の高速鉄道|『世界の高速鉄道』]]、p.287</ref>。それでも[[速度]]が高すぎると乗客が遠心力を感じるために乗り心地を悪化させたり、さらには車両の[[転覆 (鉄道車両)|転覆]]につながる。そこで、曲線通過時に車両の水平方向にかかる加速度が規定量<ref group="注">日本国有鉄道の場合、許容される遠心力を0.08[[重力加速度|G]](地表方向の重力の約1/12)以下と規定していた。この数値は、テーブルの上のコップが横に動くか動かないかという程度の遠心力の強さである。なお在来線の本則曲線通過速度はこれの半分に当たる0.04Gを基準に算出されている。</ref>を超過しないよう、[[曲率半径]]とカント量に応じて[[制限速度]]が設けられている。
 
 
 
列車の[[最高速度]]が低かった時代はあまり問題とされなかった曲線区間の制限速度であるが、最高速度が向上するとスピードアップのための障害となった。平坦な場所を走行する[[幹線]]では元々曲率半径は大きめに取られているが、[[山岳路線]]や[[ローカル線]]では敷設条件から半径の小さい曲線が小刻みに連続する。根本的な解決には、長大な[[トンネル]]を掘って迂回していた区間を直線化するなど大規模な土木工事により軌道の線形を改良することになるが、これは莫大な工事費と時間を要する。
 
 
 
そこで、既設軌道の改良による設備投資を抑制しつつ列車の高速化を廉価に実現するため、より高速で曲線を走行しようとする場合、増加する遠心力への対策が必要になる。転覆の危険については、[[カント (路線)|カント]]の傾斜角を増やすことにより遠心力を車両の垂直方向に振り向け、水平方向にかかる加速度を減らすことで低減できる。同時に車両の内装や屋根上を軽くするなどして車重を減らし、[[重心]]を下げることでも転倒の危険は低減される。しかし、列車が曲線で停止した時に車体が傾きすぎないようカント量には限度が設けられている。特に曲率半径が小さい場合<!--や曲線の途中に存在する[[分岐器#種類|外方分岐]]の反位側は:分岐機の場合はそもそも「構造要因で」速度制限が厳しく振り子車の有用性に関連して論ずるのは不適当-->、カント不足となりやすい。
 
 
 
従って、車両(十分に重心が低い車両)によっては「転覆の危険なく通過できる」が「乗り心地の問題」によって曲線通過速度が制限されると言う事態が想定されうる。この時適当な方法で乗客にかかる横方向の加速度を減じることができれば、その分曲線通過速度を向上できる。その答えの一つが、何らかの機構により、曲線区間のカントの不足分を車体自体を傾斜させることで補う、車体傾斜車両である。
 
 
 
なお、車体傾斜機構は乗り心地を維持したままスピードを上げるための仕組みであり、[[軌道 (鉄道)|軌道]]や車両にかかる荷重を減らすためのものではないため、曲線部での速度超過による脱線を防ぐことはできない<ref group="注">ただし、振り子式車両は概して重心が低いためそもそも脱線しにくい。同じ車両で比べた場合に、車体傾斜機構によって脱線を防ぐことはできないということである。</ref>。そもそも車体にかかる遠心力は、その速度・質量・曲線半径により一意に定まる。遠心力を減ずることは不可能(車体の水平方向、垂直方向成分の振り分けをカントにより変えられるだけである)である。そのため車体傾斜車両を用いて高速化を行う場合は、曲線区間で増す遠心力による側圧増大対策などのために、軌道強化が必要となる<ref group="注">側圧増大を抑制するために車体傾斜システムとともに[[鉄道車両の台車#輪軸操舵機構(操舵台車)|操舵台車]]を搭載する車両もあるが、軌道が強化されなければ安定した高速走行そのものが困難である。</ref>。軌道強化が実施されていない区間では速度を高められないためカント不足とはならず、車体を傾斜させる必要がなくなり傾斜機構を停止させて運用されることもある<ref group="注">逆に幹線区間で半径の小さな曲線がなく、通過速度に対して充分なカント量がある場合も、車体傾斜を動作させる必要はない。</ref>。すなわち車体傾斜システムだけでは曲線区間の高速化はできず、車両の低重心化と軌道の強化も行うことで初めて高速化が成される。
 
 
 
また、全員着席していること等を前提に乗り心地の悪化を妥協し、車体傾斜機構を備えない、あるいは車体傾斜装置を従来より簡素なものする、という選択もありうる<ref group="注">車体傾斜装置を装備しない[[JR西日本681系電車|JR西日本681系]]・[[JR西日本683系電車|683系]]等で曲線通過速度を高めているのはこの例である。</ref>。
 
 
 
== 分類と機構 ==
 
=== 自然振子式 ===
 
'''自然振子式'''は、車体傾斜の回転中心を重心より高い位置に設定し、曲線通過時にかかる超過遠心力を利用して受動的に車体傾斜を行わせる。車体と台車枠を繋ぐ形で取付られた[[リンク機構|リンク]]機構や、台車枠上に取付けられたコロまたはベアリングにより、転動板で傾斜できるようにした振子ばり<ref group="注">枕ばり(ボルスタ)の下部を円形にして回転できるようにしたもの。</ref>で車体を支持・傾斜させることを利用して車体傾斜の仮想的な回転中心を設定し、傾斜動作を円滑に行えるように設計する例が多いが、自然振り子式にこれらの機構部品が必須なわけではない。後述する[[スペイン国鉄|スペイン]]の[[タルゴ#種類|タルゴ・ペンデュラー]]のようにこうした機構を一切備えず、空気ばねによる枕ばねを車体の天井付近に置き、車体傾斜の回転中心を天井よりも高い位置に設定することで簡潔に自然振子を実現した例も存在する<ref name="風戸2011_15">[[#風戸2011|風戸2011]]、p.15</ref>。また、日本で最初に車体傾斜式車両を試験した[[小田急電鉄の鉄道車両#車体傾斜制御|小田急電鉄の車両]]も、左右の高い位置の空気ばねを連通して遠心力で受動的に内傾するものだった<ref group="注">タルゴ・ペンデュラーも小田急の試験車両もともに車体端より外に[[連接台車]]の中心があり、ボギー車に比べれば空気ばねを高く設置しやすい。小田急の場合、約2000mmの高さであった。</ref>。
 
 
 
自然振子式は比較的シンプルな機構ながら大きな効果が得られ、かつての[[日本国有鉄道]](国鉄)で実用化され、[[1973年]]に[[国鉄381系電車]]で営業運転を開始した<ref name="風戸2011_3">[[#風戸2011|風戸2011]]、p.3</ref>。しかし曲線(特に[[緩和曲線]])を通過する際に、「振り遅れ」や「揺り戻し」と呼ばれる[[振動]]が発生して乗り心地を悪化させるため、乗客に不快感を与えたり[[乗り物酔い]]を起こしたりすることがある。これは傾斜装置の[[摩擦]]等の要因により、一定以上の遠心力がかからないと車体が動かず、あるいは遠心力が一定以下にならないと戻らないために生じるものである<ref name="電車基礎講座_150">[[#電車基礎講座|『電車基礎講座』]]、p.150</ref>。また振り子の動作により車体の重心が曲線の外側に移動するため、車体の重心を下げることで高速走行に悪影響が出ないように設計されている。
 
 
 
日本の振子車両では最大傾斜角は5 - 6度となっている<ref name="新世代鉄道の技術_137">[[#新世代鉄道の技術|『新世代鉄道の技術』]]、p.137</ref>。
 
 
 
=== 制御付き自然振子式 ===
 
上述の自然振子式の問題は、曲線の外側に向けて傾斜装置の摩擦を打ち消す程度の力を加えておけば解消される。'''制御付き自然振子式'''は、自然振子式の機構に空気圧などによる能動的な傾斜制御を追加したものであり、強制車体傾斜方式と同様に、曲線を検知して車体の傾斜角度を制御する装置が必要となる。従って制御を切れば自然振子式としての動作も可能であるが、その場合は自然振子式の問題もそのまま発生する。
 
 
 
日本国鉄では自然振り子式での「振り遅れ」「揺り戻し」などの問題の解決を目指し、[[1981年]]から[[1982年]]にかけてTR906・TR907・TR908と3種の台車が設計され、[[アクティブサスペンション|アクティブ車体振動制御装置]]や横圧低減対策などと共に、自然振子式を改良した'''制御付き自然振子式'''が開発・搭載された。さらに、これらの開発で得られたデータを元に、[[1985年]]にはDT51X・TR236Xと本格量産を念頭に置いた改良型台車が設計されたものの国鉄時代には量産には至らず、[[国鉄分割民営化]]後、[[1989年]]設計の[[四国旅客鉄道]](JR四国)[[JR四国2000系気動車|2000系気動車]]で初めて実用化の機会を得た<ref name="風戸2011_16">[[#風戸2011|風戸2011]]、p.16</ref>。同系の成功により、以後この方式は全ての[[JR]]が採用している。
 
 
 
実用化された制御付き自然振り子式では、車体の傾斜制御は以下のようにフィードフォワード的に制御される<ref name="鉄道車両のダイナミクス_60">[[#鉄道車両のダイナミクス|『鉄道車両のダイナミクス』]]、p.60</ref>。まず、予め線路上の曲線部ごとのカント等のすべての情報をあらかじめ車上装置へ組み込まれた[[マイクロコンピュータ|マイコン]]に記録しておき、そこで記録された曲線情報は、速度発電機と地上にある[[自動列車停止装置|ATS]]地上子を使用して得られる絶対位置情報と速度発電機の検出で得られる速度情報を基に、緩和曲線区間での適切な車体傾斜角度を計算する。そこで得られた傾斜角情報に従い、曲線進入前の緩和曲線区間において空気シリンダーを用いたアクチュエーターにより、あらかじめ能動的に車体を徐々に傾斜させていく。曲線区間通過後の緩和曲線区間においても、同様の手法で車体傾斜を能動的に復元させる。このような制御により、緩和曲線区間で発生する過渡的な振動を抑制するというものである。曲線区間への進入・脱出時にアクチュエーターによって半ば強制的に車体の傾きが制御されるが、補助的な傾斜制御であるため、万が一、この制御装置が正しく作動しない場合でも本来の超過遠心力によって車体は傾き安全性が確保される<ref name="新世代鉄道の技術_138">[[#新世代鉄道の技術|『新世代鉄道の技術』]]、p.138</ref>。
 
 
 
日本での制御付き自然振り子式の車体傾斜機構にはコロ式とベアリングガイド式がある<ref name="新世代鉄道の技術_138">[[#新世代鉄道の技術|『新世代鉄道の技術』]]、p.138</ref>。最初に実用化された自然振子式の381系ではコロ式を採用していたが、振子中心を必要に応じて低くできない・装置の小型化が困難・コロを覆う防塵装置が複雑などの欠点があったため、ベアリングガイド式の開発が進められた<ref name="RRR1993">{{Cite journal ja-jp |author    = 岡本勲・榎本衛・下村隆行 |year = 1993 |title = 振子車の性能向上に挑む ベアリングガイド式車体傾斜装置の開発 |url = http://jglobal.jst.go.jp/public/20090422/200902122972744425 |journal = RRR |volume = 50|issue = 5 |publisher = 鉄道総合技術研究所 |issn = 0913-7009 |pages = 17-22 }}</ref>。開発されたベアリングガイド式は、振子時の摺動抵抗の低減、振子装置の小型化、防塵装置の簡素化などを達成し、JR四国8000系やJR北海道281系の試作車から採用された<ref name="RRR1993"/>。
 
 
 
なお、この方式の車両は、現状では[[2001年]]に投入開始された[[JR西日本キハ187系気動車|キハ187系気動車]]が営業用の最後発の形式、[[JR九州883系電車|883系電車]]の中間車モハ883-1000、サハ883-1000が営業用の最後発の製造車両、[[JR北海道の車両形式#開発中止された車両|キハ285系]]が最後発の開発車両となっており、以降の形式では自然振子式より構造が簡易で同程度の効果が得られる、後述の'''「空気ばね車体傾斜方式」'''に移行している。ただ、四国旅客鉄道では老朽化している2000系気動車の後継車両として「空気ばね車体傾斜方式」を採用した[[JR四国2600系気動車|2600系気動車]]を試作し自社の各線で走行試験を実施したが、曲線区間が特に多い[[土讃線]]では空気ばねの制御に多くの空気を消費するため空気容量の確保に課題があるとし、今後新製する特急形気動車は2600系をベースにしつつ、再び制御付き自然振り子式の新型車両を開発するとしている<ref>{{Cite news |url=https://response.jp/article/2017/09/25/300209.html |title=JR四国の新型特急、12月に定期列車デビュー…「空気バネ傾斜」は取りやめへ |newspaper=[[Response.]] |publisher=イード |date=2017-09-25 |accessdate=2017-09-26 }}</ref>。
 
 
 
=== 強制車体傾斜式 ===
 
'''強制車体傾斜式'''は曲線通過時にリンクなどで構成された車体傾斜機構を油圧などによって能動的に傾斜させるものである。'''強制振り子式'''と呼ばれることもある<ref name="風戸2011_19"/>。曲線通過時に車体に懸かる超過遠心力を車体傾斜に利用するものではないため、必ずしも車体傾斜の回転中心は重心より高くする必要はないが、実用化された強制車体傾斜式車両の多くは、超過遠心力が車体の傾斜に悪影響を与えないよう回転中心を重心と同じか重心より高い位置としている。また強制車体傾斜式の車体傾斜機構を曲線通過時に正しく動作させるためには何らかの方法で曲線進入を検知し、車体傾斜を制御する装置も必要であり、そうした装置の必要がない自然振り子式と比較して構造は複雑になる。
 
 
 
強制車体傾斜式は、主に欧米で普及している<ref name="風戸2011_19">[[#風戸2011|風戸2011]]、p.19</ref>。初期の強制車体傾斜式では曲線進入を各車に搭載した[[ジャイロスコープ]]や[[加速度計|加速度センサー]]などで検知し、車体を傾斜させる車両単位のフィードバック制御が多かった。この方法ではいずれの車両も曲線進入後に車体を傾斜させることになるため、必ず振り遅れが発生するという問題があった。またセンサー類の誤作動によって曲線進入を正しく検知できない場合も多く、実用化の障害となっていた。その後[[電子工学]]の発達によって最適な傾斜角度の計算や編成単位で車体の傾斜を制御することが可能になり、曲線進入検知の正確性も向上した。振り遅れについては曲線進入を先頭車に搭載したセンサー類で検知し、先頭車からの指令で後続の車両も順次車体を傾けることで先頭車以外の振り遅れを防ぐ制御方法も開発され、現在では編成単位でのフィードバック制御が主流となっている。なお、一部ではフィードフォワード制御も行われており、車上コンピュータに入力した線形データと既に通過した曲線の情報から車輪回転数で現在走行位置を割り出し、次の曲線の位置を予測しセンサー類が曲線を検知する前から車体を傾斜できるものが実用化されている<ref name="sibi_caf">『[http://www.caf.es/en/innovacion-tecnologia/productos-tecnologicos/sibi.php SIBI ACTIVE TILT SYSTEM]』、CAF</ref><ref>『{{PDFlink|[http://www.alstom.com/Global/Transport/Resources/Documents/Factsheets/Technologies%20et%20syst%C3%A8mes%20-%20Tiltronix%20-%20Anglais%20.pdf TILTRONIX]}}』、Alstom</ref>。
 
 
 
一般的に最大傾斜角は自然振り子式よりも大きく、[[イタリア]]の[[ペンドリーノ]]が8 - 10度、[[スウェーデン]]の[[X2000]]が6.5度である<ref name="新世代鉄道の技術_137">[[#新世代鉄道の技術|『新世代鉄道の技術』]]、p.137</ref>。
 
 
 
=== 空気ばね車体傾斜方式 ===
 
特別な車体傾斜機構を用いず、台車上の左右の[[空気バネ]]の伸縮差によって車体を傾斜させるものである。'''空気ばねストローク式車体傾斜'''、'''空気ばね式車体傾斜'''、'''簡易振り子式'''、あるいは'''簡易車体傾斜'''など、様々な呼び方がある<ref group="注">JR北海道のように単に「車体傾斜」と呼ぶ鉄道会社もある。また「簡易振り子」とは呼ばれても自然振り子式や制御付き自然振り子式を元に簡易構造としたものではない。</ref><!-- 『空気ばねストローク式車体傾斜』は特に川崎重工業製のものを指す名称である可能性が有ります(一時期から『空気ばね式車体傾斜』に代わり川崎重工業とJR東日本がよく用いていますが、住友金属や日本車輌では用いてません)。 -->。自然振子式、強制振子式の分類では、強制振子式に属する<ref name="風戸2011_19"/>。
 
 
 
本格的な振子式車両は、導入に当たって軌道の強化や架線の張り替え工事などの地上設備の改修が必要となる上、車両重量やイニシャルコストの増加という点で不利であった。このため、例えば日本の[[私鉄]]での採用例は速達化が至上命令とされる、あるいはJRと[[直通運転|乗り入れ]]を行う必要からそれらで採用されているのと準同型の車両を導入する必要がある、といった特殊な事情のある第三セクター鉄道にほぼ限られた。しかし、車体傾斜制御技術そのものはそれ以外の鉄道においても乗り心地を維持しながらの列車の高速化に有用な技術であり、そこで特殊な機構のため保守も含めて高価となる振り子式の代替技術として曲線部での走行時に左右の空気ばねの内圧を制御して適切な角度まで車体を内傾させる、車体傾斜制御装置とよばれるものを装備した強制車体傾斜方式が開発された<ref>『プロが教える電車のメカニズム』、p.143</ref>。
 
 
 
空気ばねによる車体傾斜システムは[[1960年代]]から構想されていた([[小田急電鉄の鉄道車両#車体傾斜制御]]も参照)が、実現化に先鞭をつけたのは西ドイツ(当時)であった。[[ドイツ連邦鉄道|西ドイツ国鉄]]が[[1973年]]に12両を試作した[[西ドイツ国鉄403形電車|403型]]と呼ばれる動力分散方式の高速車両においては、[[鉄道車両の台車史#ボルスタレス台車|ボルスタレス台車]]に最大傾斜角2度の車体傾斜機構が搭載された。この車体傾斜システムは試験のみに終わり、403型も量産されることはなかったが、本方式の基本的な機構はほぼ確立されており、低コストで車体傾斜車両を実現する手段として注目を集めた。
 
 
 
台車左右の枕ばねに用いられる空気ばねの伸縮差に依存することと、車体傾斜の回転中心が枕ばねと同じ高さであり車体傾斜時に車両限界を支障しやすいため、日本での[[営業]]車両による最大傾斜角は2度程度に抑えられており、試験車両では、在来線で傾斜角5.5度(1970年の小田急の[[フィードバック制御]]の試験車両)、新幹線では3度 ([[新幹線955形電車|300X]]) を実現している<ref name="鉄道のテクノロジー4_37">[[#鉄道のテクノロジー Vol.4|『鉄道のテクノロジー』Vol.4]]、p.37</ref><ref name="鉄道のテクノロジー4_40">[[#鉄道のテクノロジー Vol.4|『鉄道のテクノロジー』Vol.4]]、p.40</ref><ref group="注">ほか、E991系電車の中間車には空気ばねの伸縮差を大きくすることで7度の車体傾斜を実現したロングストローク空気ばねによる車体傾斜が搭載されていた({{PDFlink|[http://www.nssmc.com/tech/report/sm/pdf/1a157001.pdf 『ロングストローク空気ばねによる鉄道車両用車体傾斜制御』]}}、[http://www.nssmc.com/tech/report/sm/index.html/ 住友金属技術誌])。</ref>。傾斜角は他の方式に比べると小さい。しかし特別な車体傾斜機構を必要とせず、既存の空気ばね台車を若干設計変更してフィードバック制御<ref group="注">先頭車両に搭載した[[ジャイロスコープ|ジャイロセンサー(角速度センサー)]]のデータにより曲線を検知して、その後に各車両に搭載された車体傾斜[[電磁弁]]により、台車の外軌側の空気ばね内圧を高めて車体を傾斜させる方式。</ref>またはフィードフォワード制御<ref group="注">予め線路上の曲線部ごとのカント等のすべての情報をあらかじめ車上装置へ組み込まれた[[マイクロコンピュータ|マイコン]]に記録しておき、そこで記録された曲線情報に速度発電機と地上にある[[自動列車停止装置|ATS]]地上子(新幹線の場合はトランスポンダ地上子を使用する)を使用して得られる絶対位置情報、[[速度発電機]]の検出で得られる速度情報、空気バネの高さの情報を元に、車体傾斜制御装置が傾斜角を計算して各車両に搭載されている車体傾斜電磁弁装置に指令を送り内軌側の空気ばね内圧を低め、外軌側の空気ばね内圧を高めて、車体を傾斜させる方式。</ref>による制御装置を追加するだけで済むため<ref group="注">この場合には、空気ばねの高さの数値も計算に入れる。</ref>、低コストである上に傾斜角度2度の場合でも基本速度+25 km/h程度([[JR北海道キハ261系気動車|261系気動車]]、[[半径|R]]600 m以上)で曲線通過速度向上が実現できる。日本での営業車両としては、コストパフォーマンスを重視する私鉄や各JR旅客会社の在来線用新型[[特急形車両|特急車両]]など<!--キハ201系もある-->に採用されているほか、[[新幹線]]の[[新幹線N700系電車|N700系]]と[[新幹線E5系電車|E5系]]、[[新幹線E6系電車|E6系]]にも採用されている。床面の左右([[枕木]])方向の移動はなく、[[垂直]]方向に発生する[[荷重]]変化も少ないため、乗り心地に違和感が無い。
 
 
 
空気を短時間で膨縮することから大容量の[[圧縮機|コンプレッサー]]および空気タンクが必要となり、特に山間部のカーブが多い区間を走行する場合その容量が膨大になる。[[四国旅客鉄道]](JR四国)が制御付き自然振子式である[[JR四国2000系気動車|2000系]]の置換用として開発した[[JR四国2600系気動車|2600系]]は空気ばね車体傾斜方式が採用されたが、カーブの多い[[土讃線]]にて試験を行ったところ空気ばね制御に用いる空気容量の確保に課題があることから、以降の車両は2000系同様制御付き自然振子式が採用される予定である<ref>{{Cite web|url=http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2017%2009%2025%2001.pdf|title=新型特急気動車「2600 系」の営業運転開始について|accessdate=2017-09-26|date=2017-09-25|format=PDF|publisher=四国旅客鉄道}}</ref>。
 
 
 
=== ハイブリッド車体傾斜システム ===
 
[[ファイル:HybridTilt.png|thumb|傾斜の模式を線で表した図。線はすべて同じ長さである。下が水平状態、中が制御付き自然振り子式による傾斜だけのとき、上が空気ばねによる車体傾斜も用いたとき。]]
 
[[ファイル:JRH-kiha285 During demolition 20170305 NaeboWorkshop.jpg|right|thumb|解体中のキハ285系(2017年3月)]]
 
[[2006年]]3月に[[北海道旅客鉄道]](JR北海道)が発表した<ref>{{Cite press release |title=世界初の「ハイブリッド車体傾斜システム」の開発に成功! |publisher=JR北海道 |date=2006-03-08 |url=http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2005/060308-2.pdf |format=pdf |accessdate=2014-03-31}}</ref>。鉄道総合技術研究所、[[川崎重工業]]との共同開発。制御付き自然振り子式と、空気ばねによる車体傾斜とを組み合わせた世界初の技術で、従来の振り子式を上回る8度(制御付き自然振り子式6度+空気ばねによる車体傾斜2度)の傾斜角を実現させるもの。単なる制御付き自然振り子式に比べ、乗り心地の向上も図られると言われるが、これは、振り子式による床面の左右移動量を空気ばねによる車体傾斜によってある程度抑えることができるためである(JR北海道のプレスリリースの図も参照)。
 
 
 
今後、試作台車を[[JR北海道キハ283系気動車|キハ283系気動車]]1両に取り付け、走行試験(札幌、函館近郊を予定)が[[2009年]]を目処に行われるとされていたが、[[車両限界]]の関係から、既存の[[JR北海道キハ281系気動車|キハ281系]]・キハ283系へ搭載しての実用化は難しいという<ref group="注">さらなる車体の小断面化が必要となる</ref>。なお、[[2016年]]3月の[[北海道新幹線]][[新青森駅|新青森]] - [[新函館北斗駅|新函館北斗]]間開業後には函館 - [[札幌駅|札幌]]間にこのシステムを搭載した車両を投入する予定とされていた。実用化されれば曲線を含む全線での140[[キロメートル毎時|km/h]]運転が可能となり函館 - 札幌間で約20分の短縮が見込まれていたが、2011年以降、JR北海道で重大事故や不祥事が相次いだほか、北海道新幹線の開業を控えスピードより安全性を優先する方針に変わったことから、2014年9月10日に搭載車両である[[JR北海道キハ285系気動車|キハ285系気動車]]の開発中止が[[プロトタイプ#鉄道車両|量産先行車]]の落成を目前にして発表された<ref>[http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2014091000839 新型ディーゼル特急の開発中止=「スピードより安全優先」-JR北海道] - 時事ドットコム 2014年9月10日閲覧</ref><ref>{{Cite press release|url=http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2014/140910-1.pdf|format=PDF|publisher=北海道旅客鉄道|title=新型特急車両の開発中止について|date=2014-09-10|accessdate=2014-09-10}}</ref>。その後、2014年9月26日に落成したキハ285系量産先行車は営業運転に就く事無く翌年3月31日付で廃車となり<ref>『鉄道ファン』2016年7月号、交友社、2016年、付録p.37</ref>、2017年3月に解体された<ref name="doshin20170303">{{Cite news |author= |date=2017年3月3日 |url=http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/life-topic/life-topic/1-0374633.html |title=開発費25億円の夢、鉄くずに JR北海道、新型特急試作車を解体  |publisher=[[北海道新聞社]] |newspaper=[[北海道新聞]](どうしんウェブ) |accessdate=2017-03-03}}</ref>。
 
 
 
=== 実用化への工夫 ===
 
車体傾斜システムを搭載した車両は、一般的に車体断面積が小さい。これは傾斜時に線路周辺の構造物と干渉しないよう、幅を狭める必要があるためである。他にも下記の通り電車における集電の問題や、気動車における駆動トルク反力の問題やプロペラシャフト継手の伸縮摺動性など、車体傾斜に伴う問題を克服する工夫をしている。
 
 
 
架線から取り込んだ電気によって回転する[[電動機|主電動機]]から発生した運動エネルギーにより走行する電車方式の振り子式車両は、そのままでは車体の傾斜によって架線に接触する[[集電装置|パンタグラフ]]の位置が変化する。これを防ぐためには、当該路線を走る電車がすべて振り子式車両であるとの前提で架線の位置を傾斜した車体でのパンタグラフの位置に最適化して架設するか、あるいは振り子式車両側で車体が傾斜してもパンタグラフの位置は変わらないようにする必要がある。車両側でパンタグラフの位置変化を防ぐためには車体の傾きに関わらずレールに近い台車枠と、パンタグラフとの位置関係を固定する必要があり、そのための機構が開発された。日本で実用化されている方式には、ワイヤー式と台車直結式がある<ref name="電車基礎講座_156">[[#電車基礎講座|『電車基礎講座』]]、p.156</ref>。ワイヤー式では傾斜する車体の外周部を迂回させたワイヤーで台車枠と可動式のパンタグラフ基部とを結び、台車直結式では傾斜する車体内部を貫通された支持枠が台車枠とパンタグラフ基部とを結ぶことで、それぞれ車体の傾斜に関係なく軌道面に対するパンタグラフの位置が固定されるようになっている。海外では台車直結式が多いが、スイスのICNなど一部ではパンタグラフを電動で能動傾斜させる方式も実用化されている<ref name="電車基礎講座_157">[[#電車基礎講座|『電車基礎講座』]]、p.157</ref>。
 
 
 
また、[[ディーゼルエンジン]]の出力を変速の上で駆動に用いるディーゼル方式の振り子式車両でも、単純にディーゼルエンジンを持つ車両に振り子による車体の傾斜機構を加えただけでは、車体の長軸方向に走る推進軸の[[回転]][[トルク]]によって車体の傾きが偏るという問題が生じる。これを避けるために、ディーゼルエンジンを2基備えて、推進軸の回転方向が互いに逆向きになるようにして、その相互の[[反作用]]によって偏向をキャンセルするといったことが行われる<ref name="新世代鉄道の技術_140-141">[[#新世代鉄道の技術|『新世代鉄道の技術』]]、pp.140-141</ref><ref>『鉄道ジャーナル』 No.328、pp.50-51</ref>。
 
<!--もっとも、2000系開発当時にあっても古くはキハ82, 58系列、新しい車両ではキハ85系など2エンジン車両は極々ありふれた存在であり、この議論には疑問の余地が多分に残る。←このあたりの議論は[[ノート:JR四国2000系気動車]]を参照のこと。後で測ったら1°以下だったようで。-->また、通常の気動車に比べ遙かに大きな変位を吸収しなくてはならなくなる伝達系ジョイントは極めて大きな問題となる。
 
 
 
== 採用車両 ==
 
[[ヨーロッパ]]では[[1940年代]]から開発が行われ、[[イタリア]]の[[フィアット]]社(鉄道部門は[[アルストム]]社に吸収)や[[スウェーデン]]の[[アセア]]社(鉄道部門は[[アセア・ブラウン・ボベリ|ABB]]、[[アドトランツ]]を経て現在は[[ボンバルディア・トランスポーテーション]]社に吸収)が[[油圧]][[シリンダー]]による強制車体傾斜式を開発し、欧州各国に普及した。
 
 
 
車体傾斜が動作すると天井付近を回転軸にして床が動く日本の自然振り子とは異なり、床付近を軸に車体上部が振れるため、座っていると頭を持っていかれるような感覚がある。また車体を正面から見ると裾がすぼまっている(極端に言うと上辺が長い台形に見える)のが特徴的。
 
 
 
=== イタリア ===
 
[[ファイル:ETR450.06.jpg|thumb|ETR450]]
 
山岳国ゆえ[[線形 (路線)|線形]]の悪い線区が多く、古くから車体傾斜式車両の開発に熱心だった国である<ref name="電車基礎講座_152">[[#電車基礎講座|『電車基礎講座』]]、p.152</ref>。1957年と1967年には車体傾斜式車両の試作車2種類が製作され、さらに1971年には、後の[[ペンドリーノ]]の原型となる試作車Y-0160がフィアット社により完成された<ref name="世界の高速鉄道_291">[[#世界の高速鉄道|『世界の高速鉄道』]]、p.291</ref>。1975年には、初めて営業投入されるETR401が完成した<ref name="世界の高速鉄道_292">[[#世界の高速鉄道|『世界の高速鉄道』]]、p.292</ref>。
 
 
 
フィアットの元からの技術に加え、英国鉄道 (BR) が[[1970年代]]に開発した[[APT (鉄道車両)|APT]]の技術も購入して発展した。[[ペンドリーノ]]の項目も参照。[[高速新線]]([[ディレッティシマ]])の走行も考慮されているが、高速新線でない[[在来線]]でも、安価に高速化を実現できるため、イタリア以外にも多くの国(高速新線を建設するほどの需要や経済的余裕がない国)に輸出されている。現在はかつてAPTが試験走行した[[イギリス|英国]]の[[ウェスト・コースト本線|西海岸線]]にも導入されている。
 
; [[:it:Elettrotreno_FS_ETR.400|ETR401電車]]
 
: 1975年に完成され、1976年に営業運転に供された、第一世代のペンドリーノ<ref name="世界の高速鉄道_292"/>。量産はされず、1編成の試作に留まったが、技術的には成功し、次のETR450の量産に繋がった<ref name="世界の高速鉄道_292"/>。
 
; [[イタリア国鉄ETR450電車|ETR450電車]]
 
: 第二世代のペンドリーノで、初めての量産車となった<ref name="世界の高速鉄道_291"/>。現在は主力の座を後継車に渡している。直流専用で、最高速度250km/h。
 
; [[イタリア国鉄ETR460電車|ETR460電車]]
 
: ETR450の成功を受けて登場した、第三世代のペンドリーノ。直流専用で、最高速度は250km/h。
 
; [[チザルピーノETR470電車|ETR470電車]]
 
: ETR460電車をベースに、[[スイス連邦鉄道|スイス国鉄]]・[[ドイツ連邦鉄道]]への直通を考慮した交直流電車(交流は15kV対応)。[[チザルピーノ]]社が保有・運営する。高速新線での走行を考慮していないため、最高速度は200km/h。
 
; [[イタリア国鉄ETR480電車|ETR480電車]]
 
: ETR460電車をベースに、[[フランス国鉄]]への直通を考慮した交直流電車(交流は25kV対応)。最高速度は250km/h。
 
; [[イタリア国鉄ETR600電車|ETR600電車]]
 
: ETR460の後継となる第四世代のペンドリーノ。下記のETR610とほぼ共通設計。[[中華人民共和国|中国]]へ輸出された[[中国高速鉄道CRH5型電車|CRH5]]型電車のモデル。
 
; [[チザルピーノETR610電車|ETR610電車]]
 
: チザルピーノ社向けに投入された車体傾斜式電車"Cisalpino 2"。[[2008年]][[12月]]より営業運転。
 
 
 
=== スペイン ===
 
[[ファイル:130-07 en el Cambiador de Valdestillas.jpg|thumb|タルゴ250]]
 
[[スペインの鉄道|スペイン]]は当初イタリアに倣った車体傾斜式車両を開発していたが、1980年に[[タルゴ]]社が自然振り子式のタルゴ客車を開発して以降は長らく自然振り子式が主流となっていた。現在では強制車体傾斜式も増えている。
 
 
 
; [[:en:Talgo#Talgo Pendular|タルゴ・ペンデュラー]] (TALGO Pendular)
 
: 自国技術である低床・連接式客車[[タルゴ]]のうち、開発され空気ばねによる自然振り子機能を備えた客車。軌間可変機能も備える。最高速度200km/h対応の"TALGO Pendular 200"もある。
 
; [[レンフェ130系|タルゴ250(レンフェ130系)]]
 
: 最高速度250km/hの自然振り子式タルゴ客車。電気機関車2両と11両のタルゴ客車で一体の編成を組む。軌間可変機能も備える。
 
; [[レンフェ130系#ハイブリッド列車730系|タルゴ250ハイブリッド(レンフェ730系)]]
 
: タルゴ250をベースに、ディーゼル電源車を2両連結してタルゴ客車を9両へと減らし、非電化区間では電気式ディーゼル車として電化区間・非電化区間双方を走行できるようにしたもの。最高速度は240km/h。
 
; アラリス(Aralis・ETR490型電車)
 
: イタリアのETR460型電車がベースだが、軌間は1668mmの広軌。主に[[マドリード]]と[[バレンシア (スペイン)|バレンシア]]を結ぶ。
 
; [[レンフェ594系気動車|TRD(レンフェ594系気動車)]]
 
: [[デンマーク]]の[[IC3]]をベースとする2両編成の気動車だが、2001年に製造された2次車は強制車体傾斜式となっている。この強制車体傾斜システムは[[CAF]]社が開発したSIBI<ref name="sibi_caf" />と呼ばれるもので、フィードバック制御に加えてフィードフォワード制御も可能としている。<!-- SIBIについては、アセア社(合併しABB社(IC3の開発元)→アドトランツ社(TRDの製造元)に吸収))の技術をベースにCAF社が改良したものかもしれません -->
 
; [[:es:Serie_598_de_Renfe|R-598(レンフェ598系気動車)]]
 
: CAF社が製造した3両編成の強制車体傾斜式気動車。TRDと同じくSIBIを搭載している。
 
 
 
=== スウェーデン ===
 
[[スウェーデンの鉄道|スウェーデン国内の鉄道]]は曲線が多いため、1970年代から[[SJ AB|スウェーデン国鉄]]とアセア社によって車体傾斜車両が開発されており<ref name="世界の高速鉄道_297">[[#世界の高速鉄道|『世界の高速鉄道』]]、p.297</ref>、国外へも輸出されている。実用化はペンドリーノより遅れ1989年となっている。
 
; [[X2000]]([[X2 (鉄道車両)|X2]])
 
: アセア社が開発した[[動力集中方式#プッシュプル方式|プッシュプル方式]]の車体傾斜車両<ref name="世界の高速鉄道_297"/>。機関車は車体傾斜せず、客車にのみ油圧式の車体傾斜台車を備えている<ref name="世界の高速鉄道_297"/>。高速新線を建設することなく、既存の在来線で200km/hを可能にした。最高運転速度は250km/hまで可能となっている<ref name="世界の高速鉄道_297"/>。各台車には[[鉄道車両の台車#輪軸操舵機構(操舵台車)|自己操舵機能]]も備える<ref name="世界の高速鉄道_297"/>。[[アメリカ合衆国|アメリカ]]・[[オーストラリア]]・中国で試用されたこともある。
 
 
 
=== ドイツ ===
 
[[ファイル:ICE-T Neigung.jpg|thumb|ICE-T]]
 
[[ドイツ]]は日本同様、車体傾斜式気動車を大量に採用しているが、当初はトラブル続きだった。
 
 
 
; [[西ドイツ国鉄403形電車|403型電車]]
 
: 1973年に[[インターシティ]]用として日本の新幹線の影響下で計画・設計された、動力分散による全電動車方式4両編成の高速電車。最高速度は200km/h。設計最大傾斜角4度、実用最大傾斜角2度の車体傾斜制御機構を備えるが、この機構は営業運転では使用されることなく終わったとされる。
 
; [[ICE T|ICE-T]](411型・415型電車)
 
: ICE3の車体傾斜版だが、最高速度は230km/h。411型は7両編成、415型は5両編成。イタリアのETR450とほぼ同一の車体傾斜台車としている。
 
; [[ICE TD|ICE-TD]](605型気動車)
 
: 車体傾斜式の電気式気動車。外見はICE-Tとほぼ同じだが、床下機器は大きく異なり、車体傾斜装置は[[シーメンス]]が製造した電気式強制車体傾斜としているほか、台車構造なども大きく異なる。トラブルが頻発し、一時は全編成が運用を離脱した。現在は[[ベルリン]]・[[ハンブルク]]と、[[デンマーク]]の[[コペンハーゲン]]・[[オーフス]]の間で運用されている。
 
; 610型・611型・612型気動車
 
: 快速・普通列車用の気動車。[[西ドイツ国鉄610形気動車|610型]]は[[ニュルンベルク]]近郊の山岳路線向けに、イタリア本国に先駆けて第三世代ペンドリーノの油圧式車体傾斜台車技術を導入して開発され、1992年に営業運転を始めた。開発の経緯から、イタリア語由来である「ペンドリーノ」の愛称で呼ばれている。ドイツでは車体傾斜式車輌全般をペンドリーノと呼ぶことがあるが、ペンドリーノはフィアット社の登録商標である。一方、[[アドトランツ]]社が開発した611型と612型はアセア社の技術を元に電動式とした車体傾斜台車を備え、フィアット社とは無関係なため、この二車種をペンドリーノと呼ぶことは適切ではない。612型は[[レギオスウィンガー]]の愛称を持つ。612型の一部は、トラブルで運用を離脱したICE-TDに代わり、[[ニュルンベルク]]-[[ドレスデン]]間の[[インターシティ]]にも運用された。
 
 
 
=== イギリス ===
 
[[ファイル:APT at Crewe.jpg|thumb|APT-P]]
 
; [[APT (鉄道車両)|APT]] (Advanced Passengers Train)
 
: 旧[[イギリス国鉄]]が、[[ウェスト・コースト本線|西海岸本線]]の高速化を目指して投入した車体傾斜車両。[[ガスタービンエンジン|ガスタービン]]動車の[[APT-E]]が1972年に試作された後、量産試作として[[イギリス国鉄クラス370電車|APT-P]](370形)が1978年に製作された<ref name="世界の高速鉄道_294">[[#世界の高速鉄道|『世界の高速鉄道』]]、p.294</ref>。主に強制車体傾斜制御と流体ブレーキを中心にトラブルが頻発<ref group="注">強制車体傾斜機構が曲線走行で車体傾斜制御中に車体を突然直立状態に戻してしまい、乗客が曲線の外側に投げ出される、あるいは車体傾斜制御の異常で脱線する、といった凄まじい事故が多発した。</ref>し、1986年に廃車となった<ref name="世界の高速鉄道_294"/>。
 
; スーパーボイジャー(Super Voyagers・[[イギリス鉄道221系気動車|221形気動車]])
 
: [[ヴァージントレイン]]社が導入した車体傾斜式電気式気動車。最高速度200km/h。
 
; [[ペンドリーノ・ブリタニコ]](Pendolino Britannico・[[クラス390電車|390形電車]])
 
: ヴァージントレイン社が導入した車体傾斜式電車。最高速度225km/h。ペンドリーノの台車はイギリスの車両限界に収まらないため、スイスのICNをベースにした車体傾斜式台車を備える。
 
 
 
=== オーストラリア ===
 
東海岸のクイーンズランド鉄道 (QR) が1998年から[[ノース・コースト線 (クイーンズランド州)|ノース・コースト線]]で、日本の技術を基にした振り子式車両を運行している。
 
; [[:en:Tilt Train|Tilt Train]](電車)
 
: 1998年11月から、[[ブリスベン]]-[[ロックハンプトン]]間で運行を開始。JR四国の8000系をベースにしている。コロ式5度振り子、営業最高速度160km/h。メーカーはEDI-Walkers、日立製作所と技術提携して製作。車体はステンレス製。電気品、一部台車部品、傾斜制御装置は日立製作所が供給した。パンタグラフ移動装置はWalkers独自開発のリンク式を採用している。<br/>QR線上直線路において試験走行で210km/hの狭軌振り子電車速度記録を有する。
 
; Tilt Train(機関車牽引)
 
: 2003年から、ブリスベン - [[ケアンズ]]間で運行を開始。週2回の運転で、1681kmを24時間55分かけて走る。上記振り子電車の台車を客車に履かせ編成両端のディーゼル電気機関車でけん引する。メーカーはEDI-Walkers。
 
 
 
=== アメリカ ===
 
[[ファイル:Acela old saybrook ct summer2011.jpg|thumb|アセラ・エクスプレス]]
 
; [[UAC ターボトレイン]]
 
: 両端に電気式ガスタービン機関車を配し、その間に1軸連接台車を備える客車を連ねた[[高速鉄道|高速列車]]。屋根近くからつり下げるようにして支持された車体を、特殊なリンク機構の作用により傾斜させる機構を備えていた。[[アメリカ合衆国の鉄道|アメリカ]]では1968年より1976年まで、これとは別にカナダでも同型車が1968年から1982年まで、それぞれ営業運転に供された。最高速度160km/h。
 
; [[アセラ・エクスプレス]]
 
: [[アムトラック]]が運営する高速列車で、[[ボストン (マサチューセッツ州)|ボストン]] - [[ニューヨーク]] - [[フィラデルフィア]] - [[ワシントンD.C.]]を結ぶ。プッシュプル方式で、機関車部分はフランスのTGVの技術を導入し、客車部分はカナダのLRCをベースにボンバルディア・トランスポーテーション社が開発した。
 
; カスケイズ (Cascades)
 
: 西海岸の[[ユージーン (オレゴン州)|ユージン]] - [[シアトル]] - [[バンクーバー (ブリティッシュコロンビア州)|バンクーバー]]([[カナダ]])を結ぶ列車。アムトラックが運営する。スペインの[[タルゴ]][[客車]]を輸入し、運用している。
 
 
 
=== スイス ===
 
山岳国ではあるがイタリアやスペインに比べて投入が遅れており、直通運転するチザルピーノなどを除けば、営業運転開始は2000年代に入ってからのことである。
 
; [[ICN]]([[スイス国鉄RABDe500形電車|RABDe500型電車]])
 
: "Intercity Neigezug"の愛称を持つ。イタリアのETR500のデザインで有名な[[ピニンファリーナ]]のデザイン。[[SIG]]社(鉄道部門は[[アルストム]]社に吸収)の開発したコンパクトな電動式強制車体傾斜の台車を備える。
 
; [[:de:Bombardier TWINDEXX Swiss Express|TWINDEXX Swiss Express]]
 
: 2013年秋から営業予定の全車[[2階建車両|2階建]]電車。ボンバルディア社が開発したFLEXX Tronic WAKO<ref>『[http://www.bombardier.com/content/dam/Websites/bombardiercom/supporting-documents/BT/Bombardier-Transportation-FLEXX_Tronic_WAKO-EN.pdf FLEXX Tronic WAKO]』、BOMBARIDIER</ref>と呼ばれる最大傾斜角度2°の車体傾斜システムを搭載している。スイスには同社の開発拠点があり、FLEXX Tronic WAKOをベースに最大傾斜角度8°としたFLEXX Tronic WAKO 8も開発中である。
 
 
 
=== フランス ===
 
[[フランスの鉄道|フランス]]は国土が比較的平坦であることと、高速化を高速新線 ([[TGV]]) の建設で対応してきたことから試作にとどまっている。
 
; [[TGV|TGV-Pendulare]]
 
: 車体傾斜式TGVの試作車。テスト終了後は車体傾斜機構を撤去し、従来の運用に復帰した。
 
 
 
=== 日本 ===
 
[[ファイル:CentralJapanRailwayCompanyType381-2.jpg|thumb|200px|381系は日本最初の営業用の車体傾斜車両。自然振り子式。]]
 
[[日本の鉄道|日本]]での車体傾斜は、前述のとおり1961年の小田急電鉄と[[住友金属工業]](現:[[新日鐵住金]])との共同研究による、空気バネ式自然振り子システムのFS30X型試験用連接台車の開発にはじまる<ref name="鉄道のテクノロジー4_28-29">[[#鉄道のテクノロジー Vol.4|『鉄道のテクノロジー』Vol.4]]、pp.28-29</ref>。
 
 
 
その後[[1960年代]]、小田急電鉄と[[三菱電機]]が共同で台車左右の空気ばねの圧力差を利用した上記の空気ばねストローク式に相当する車体傾斜装置の実用化試験を行うが、当時は制御技術そのものが未熟で期待した性能が得られず、実用化は見送られた。これと同等のシステムは、小田急での実験から四半世紀以上が経過した1996年に製作された[[JR北海道キハ201系気動車]]でようやく実用化された。
 
 
 
当時の国鉄も[[1968年]]にTリンク式自然振り子システムのTR96形台車を装着した[[国鉄トキ15000形貨車|トキ15000形貨車]]により試験を行うが、リンク部の摩擦抵抗による動作遅れや動作不良が確認された<ref name="鉄道のテクノロジー4_28-29">[[#鉄道のテクノロジー Vol.4|『鉄道のテクノロジー』Vol.4]]、pp.28-29</ref>。その後は[[1969年]]に、リンク式より確実に動作するコロ軸支持式の自然振り子式を採用した[[国鉄591系電車|591系試験電車]]が試作され、そこで得られたデータを基に[[特急形車両]]の[[国鉄381系電車|381系電車]]が量産され、[[中央本線|中央西線]]・[[紀勢本線]]・[[伯備線]]の順でそれぞれの電化とともに投入された。
 
 
 
民営化後はJR四国が[[鉄道総合技術研究所]]とともに世界初の制御付き自然振り子式気動車を実用化し、普及に弾みをつけた。その一方で[[2000年代]]に入ると加減速性能の向上やコストパフォーマンス面などの点から[[JR東日本E257系電車|E257系]]・[[JR西日本287系電車|287系]]のように非振り子式車両への投入と回帰が行われているケースもある。
 
 
 
速度向上は、国鉄・JRの在来線で半径600mの曲線を基準とした場合、車体傾斜無しの場合は基本の速度<ref group="注">日本国有鉄道運転規則(運輸省令第5号)第120条における「高性能列車」の簡易線以外における線路の分岐に接続しない曲線の場合、および同第121条2項における線路の分岐に接続しない曲線。JRにおいても概ね同じ規定であるが、一部の低速な車両や、低規格の線区においては基本の速度が85km/h以下となる場合がある。</ref>が90km/h、特に高性能な車両において最高110km/hとなっているが<ref group="注">1989年3月11日ダイヤ改正における[[JR東日本651系電車|651系]]特急「[[ひたち (列車)|スーパーひたち]]」の[[北千住駅|北千住]] - [[日立駅|日立]]間以降、特別高性能な車両にのみ適用。これ以前は1986年3月11日ダイヤ改正での[[国鉄183系電車|183系]]特急「[[あずさ (列車)|あずさ]]」の[[八王子駅|八王子]] - [[松本駅|松本]]間から適用された105km/hが最高であり、さらに以前は95km/hであった。</ref>、初期の自然振り子式車両である381系で最高110km/h<ref group="注">1973年7月10日ダイヤ改正における381系特急「[[しなの (列車)|しなの]]」の[[名古屋駅|名古屋]] - [[中津川駅|中津川]]間から。</ref>、制御付き自然振り子式で最高125km/h<ref group="注">383系特急「しなの」の名古屋 - 中津川間のみ。その他の制御付き自然振り子式車両はE351系(最高115km/h)を除いて最高120km/hである。</ref>、空気ばね車体傾斜式で115km/h<!-- 四国8600系の速度は公式発表が無いため記事に反映せず -->となっている。速度向上率は曲率半径によって異なるほか、[[カント (路線)|カント]]量や[[線形 (路線)|緩和曲線]]長や走行する線路の規格などの条件によっても変わる。また車両の設計上では上記より速い速度となっているものも幾つか存在する。
 
 
 
==== 自然振子式 ====
 
* 国鉄
 
*; [[国鉄591系電車|591系試験電車]]
 
*: 1970年。前後非対称<ref group="注">双方とも非貫通で、高運転台と低運転台によるスタイリングの差以外に着座位置による[[運転士]]への影響が比較された。</ref>・[[アルミニウム合金|アルミ]]製車体・最高速度130km/h・最大傾斜角6度で、国鉄電車としては珍しい複巻整流子電動機とサイリスタチョッパ制御器による発電ブレーキ機能・[[架線]]追従式パンタグラフ(2基のうち1基のみ)を搭載し、両端台車に移動心皿機構を、連接台車にリンクによる自己操舵装置をそれぞれ搭載した3車体4台車構成の[[連接台車|連接車]]として誕生した。ところが、テスト中に連接台車の自己操舵装置を使用すると曲線通過時に両端台車の側圧が過大になるという問題があることが判明し、[[1971年]]にメリットが薄くなった3車体連接車から自己操舵機構なしの20m級ボギー車2両編成へと改造された。[[東北本線]]への投入を前提として交流20,000V 50Hz/60Hz区間に対応する[[交直流電車]]としていたが、[[東北新幹線]]の建設が決まり、1971年から1973年にかけて電化と量産車(後の[[国鉄381系電車|381系]])の投入が決定された中央本線・[[信越本線]]・[[篠ノ井線]]などでデータ収集のため試験を実施した。以後、電気式ガスタービン動車への改造などが検討されたが実現には至らず、[[岡谷駅]]構内など長野鉄道管理局管内を転々とした後[[1980年]]3月26日付で除籍、その後長野工場で[[解体]]された。解体後、DT96形台車(元・連接台車)1台が大阪の[[交通科学博物館]]で保存展示されていた。
 
*; [[国鉄キハ391系気動車|キハ391系気動車]]
 
*: [[1972年]]。3両4台車の連接構造を持つガスタービンエンジン試験車。ガスタービンエンジンを搭載する中間車は車体傾斜機構を持たない通常の2軸ボギー車で、これに自然振り子機構付きの両端車体が特殊な連結器を介して乗りかかる、という特殊な構造を備える。投入予定のあった[[伯備線]]や[[山陰線]]、[[田沢湖線]]などを中心に試験が実施されたが、主にガスタービンエンジンの技術的な問題と[[オイルショック]]の影響による燃料費高騰などから量産化されず、最後に試験が実施された山陰地区の米子機関区(現 : [[後藤総合車両所]]運用検修センター)構内で1987年2月10日まで長期休車とされた末に除籍された。その後は[[東日本旅客鉄道|JR東日本]][[大宮総合車両センター]]で非公開保存されていたが、2015年に解体され片方の前頭部のみが残されている。
 
*; [[国鉄381系電車|381系電車]]
 
*: [[1973年]]。国鉄時代から運用され続けている自然振り子式直流特急形電車。曲率半径400m以上で本則(曲線での通常の列車の制限速度)+20km/hでの運転が可能。ベースとなった591系と同じアルミ車体であるが、同系列での試験結果を反映し、また投入線区の線形<ref group="注">車体傾斜車両の投入が望まれる線区は即ち曲線主体の線形であり、最高速度引き上げが難しい。</ref>や車両製作コスト、それに変電所負担<ref group="注">最高速度を130km/hに設定し、また591系で成功を収めたチョッパ制御器+直流複巻整流子電動機による発電ブレーキを有効に活用するには、同系列と同様に全電動車方式を採用する必要があり、車両製作・保守コストの点でも変電所負担の点でも望ましくなかった。</ref>を考慮して最高速度120km/h・最大傾斜角5度・自己操舵装置なしとなっている。
 
*: 591系の試験結果から、架線追従式パンタグラフは特に必要ないと判断され、パンタグラフを屋根に直接固定している。このため、集電舟の偏倚がやや大きく、振り子使用区間では架線の張り方を変えて対処した<ref group="注">このため、[[名古屋駅|名古屋]] - [[大阪駅|大阪]]([[東海道本線]])では、振り子装置の使用は停止される。</ref>。
 
*: [[東海旅客鉄道|JR東海]]では定期運用が消滅したが、[[西日本旅客鉄道|JR西日本]]では「[[やくも (列車)|やくも]]」で使用されている。
 
*: 「こうのとり」・「きのさき」で使用されていた編成は振り子装置の使用は停止されていたが、2014年6月から斜角を5°から3°に変更され1000番台を名乗っていた。
 
 
 
==== 制御付き自然振子式 ====
 
* [[四国旅客鉄道|JR四国]]
 
*; [[JR四国2000系気動車|2000系気動車]] [[ファイル:JR Shikoku 2000(N2000) Series ”Uzushio”Ltd Exp..JPG|thumb|130km/h運転対応の改良型2000系(N2000系)。高松にて]]
 
*: [[1989年]]に製作された3両編成の試作車「TSE」を皮切りに、1990年以降、量産が開始された。JR四国はもちろん、世界初の制御付き振り子式気動車であると同時に、その後の日本国内における制御付き振り子式気動車の基本構成を確立した。なお、量産車には同一スペックで[[土佐くろしお鉄道]]が所有する車両も存在する。
 
*: 傾斜機構はコロ式を採用し、最大傾斜角は5度。島内各ディーゼル特急で使用。試作車「TSE」及び量産車の最高速度は120km/hだが、一部区間では130km/h運転が可能な改良型(N2000系)も投入されている。なお、[[宇野線]]・[[本四備讃線]]では振り子装置を使用しない。
 
*: JR四国の主力車両で、[[予讃線]]の「[[しおかぜ (列車)|しおかぜ]]」「[[いしづち (列車)|いしづち]]」「[[宇和海 (列車)|宇和海]]」、[[土讃線]]の「[[南風 (列車)|南風]]」「[[しまんと (列車)|しまんと]]」「[[あしずり (列車)|あしずり]]」、[[高徳線]]の「[[うずしお (列車)|うずしお]]」で使用。
 
*; [[JR四国8000系電車|8000系電車]]
 
*: 1992年。[[予讃線]]電化に伴い特急「しおかぜ」「いしづち」の大半に充当されている。最大傾斜角は2000系気動車と同じ5度だが、最高速度は130km/hに引き上げられ、試作車は在来線で160km/hからの[[電磁吸着ブレーキ|レールブレーキ]]の性能試験にも使われた。傾斜機構は試作車がベアリングガイド方式を、量産車がコロ式を採用している。車体傾斜時には、パンタグラフと台車を直結する[[ワイヤ]]により、パンタグラフの位置調整を行う<ref name="電車基礎講座_156">[[#電車基礎講座|『電車基礎講座』]]、p.156</ref>。2000系気動車と同様、宇野線・本四備讃線では振り子装置を使用しない。
 
* [[北海道旅客鉄道|JR北海道]]
 
*; [[JR北海道キハ281系気動車|キハ281系気動車]]
 
*: [[1992年]]。1994年から特急「[[北斗 (列車)|スーパー北斗]]」として使用されている。着雪と低温対策を盛り込み、傾斜機構に[[ベアリング|ベアリングガイド]]方式を量産車として初採用した<ref group="注">試作車2両にコロ式を、後に製作した試作車1両にJR四国8000系電車試作車で採用されたベアリングガイド式をそれぞれ採用し比較検討された。</ref>。最高速度130km/h、最大傾斜角5度。鉄道総合技術研究所とともに開発。運転全区間にわたって振り子効果を発揮し、[[表定速度]]は最高で106.2km/hとなっている<ref group="注">スーパー北斗15号。日本の在来線列車としては最速である。</ref>。
 
*; [[JR北海道キハ283系気動車|キハ283系気動車]]
 
*: [[1995年]]。ベースとなったキハ281系気動車からエンジンの出力を増大し、5段[[オートマチックトランスミッション|変速機]]や自己操舵台車を装備し、最大傾斜角も6度まで拡大した。これによって曲率半径600mで本則+30km/hの営業運転を行っているが、設計上は本則+40km/hも可能とされている。当初は特急「[[おおぞら (列車)|スーパーおおぞら]]」に投入され、[[1998年]]からは「スーパー北斗」、[[2000年]]には「[[とかち (列車)|スーパーとかち]]」にも使用されるようになった。
 
* [[東日本旅客鉄道|JR東日本]]
 
*; [[JR東日本E351系電車|E351系電車]]
 
*: [[1993年]]。特急「[[あずさ (列車)|スーパーあずさ]]」として使用。制御付き振り子列車最長の12両[[編成 (鉄道)|編成]]で運転される。パンタグラフは台車直結の支持台に載せる方式が考案され、後に[[JR九州883系電車|883系]]と[[JR九州885系電車|885系]]でも採用された<ref name="電車基礎講座_156">[[#電車基礎講座|『電車基礎講座』]]、p.156</ref>。最初に製作された2編成は1996年に量産化改造が施され、1000番台を名乗っている。
 
* [[智頭急行]]
 
*; [[智頭急行HOT7000系気動車|HOT7000系気動車]]
 
*: [[1994年]]。JR四国の2000系気動車をベースに設計された。[[京阪神]]と[[鳥取県|鳥取]]を短絡する特急「[[スーパーはくと]]」に使われ、従来より大幅なスピードアップを果たした。
 
* [[東海旅客鉄道|JR東海]]
 
*; [[JR東海383系電車|383系電車]]
 
*: 1994年。381系電車の後継として開発。曲率半径600mで本則+35km/hの125km/hの運転を可能としたほか、381系で長期試験が実施されていた自己操舵台車が本格採用され、軌道保守負担の大幅な軽減に貢献した。特急「[[しなの (列車)|しなの]]」に使用されている。
 
* [[九州旅客鉄道|JR九州]]
 
*; [[JR九州883系電車|883系電車]]
 
*: 1994年。同社初(営業用[[交流電車]]としては日本初)の制御付き振り子車両で、本則+30km/hの運転が可能。インテリア・エクステリアともに独特のデザインが特徴。パンタグラフを台車直結の支持台に載せている。特急「[[ソニック (列車)|ソニック]]」に使用。
 
*; [[JR九州885系電車|885系電車]]
 
*: [[1999年]]。当初は特急「[[かもめ (列車)|かもめ]]」に投入され、[[2001年]]からは特急「ソニック」にも運用されている。運用される列車は「白い○○」と呼称される。
 
* [[西日本旅客鉄道|JR西日本]]
 
*; [[JR西日本283系電車|283系電車]]
 
*: [[1996年]]。紀勢本線(きのくに線)特急「くろしお」系統の更なる速達化のため、JR西日本が自社では最初に開発。本則+30km/hの運転が可能。同時期に誕生したJR東海の383系電車などとは異なり、自己操舵台車は装備しない。
 
*; [[JR西日本キハ187系気動車|キハ187系気動車]]
 
*: 2001年。山陰地区内のローカル特急用に開発。JR四国の2000系を基礎とする一連の制御付き振り子式気動車の1つであるが、制御系の設計は電車と気動車で共通化されたJR西日本標準のものに変更されている。特急「[[おき (列車)|スーパーおき]]」・「[[スーパーまつかぜ|スーパーくにびき→スーパーまつかぜ]]」<ref group="注">2003年に列車名が変更された。</ref>に投入され、[[2003年]]からは岡山と鳥取を短絡する特急「[[いなば (列車)|スーパーいなば]]」にも使われている。なお、[[山口線]]内では振り子装置を停止している。
 
 
 
==== 強制車体傾斜式 ====
 
* JR東日本
 
*; [[JR東日本E991系電車 (初代)|E991系電車]]
 
*: 1995年。在来線の速度向上試験車両「TRY-Z」として開発された。3両編成で前後非対称の交直流電車。最高速度160km/h(設計最高速度は200km/h)、曲線で本則+45km/hを目指して1995年から中央線・常磐線でテストされていた。試験終了後の1999年[[3月27日]]に廃車。強制傾斜式を採用することで振子中心位置を自然振子式よりも低くして、輪重変動を抑制することを主な目的としていた<ref name="風戸2011_20">[[#風戸2011|風戸2011]]、p.20</ref>。
 
 
 
==== 空気ばねによる車体傾斜 ====
 
* JR北海道
 
*; [[JR北海道キハ201系気動車|キハ201系気動車]]
 
*: 1996年。[[札幌市|札幌]]近郊の[[快速列車|快速]]・[[普通列車]]で使用されている。JR北海道では初の空気ばねによる車体傾斜車両。下記の261系気動車のパイロットモデルとしての役割も兼ね、大馬力機関を2基搭載し、[[JR北海道731系電車|同社731系電車]]との[[協調運転]]機能を持つ。最大傾斜角は2度。
 
*; [[JR北海道キハ261系気動車|キハ261系気動車]]
 
*: 1999年。ベースとなったキハ201系と同様、車体傾斜制御装置により空気バネの伸縮を制御する強制車体傾斜式として設計された。「[[宗谷 (列車)|スーパー宗谷]]」(基本番台)と「スーパーとかち」「スーパー北斗」(1000番台)で使用。常用最大傾斜角2度、設計最大傾斜角3度。
 
*: 2014年8月30日改正以降は最高速度の引き下げ・軌道への負担軽減に伴い運行される全区間で使用停止措置がとられ、2015年度増備車以降は非搭載とされている<ref group="注">[[宗谷本線]]の[[名寄駅]] - [[稚内駅]]は高速化工事が行われなかったため改正以前から車体傾斜装置を非使用としている。</ref>。
 
* JR東日本
 
*; [[JR東日本E353系電車|E353系電車]]
 
*: [[2015年]]夏以降に量産先行車が落成。2017年12月より営業を開始し、導入から20年経過し老朽化したE351系を置き換えた。最大傾斜角は1.5度であるが<ref name="response">{{Cite web |url=http://response.jp/article/2015/08/04/257151.html |title=新型特急E353系、「空気ばね式車体傾斜」採用で変化は…外観と技術を見る |publisher=レスポンス |date=2015-08-04 |accessdate=2015-11-22}}</ref>、E351系と同等の走行性能を実現している<ref>{{PDFlink|[http://www.jreast.co.jp/press/2013/20140203.pdf 中央線新型特急電車(E353系)量産先行車新造について]}}、JR東日本</ref>。
 
* [[ファイル:JR-Shikoku 8600 Series Test Run.JPG|thumb|[[坂出駅|坂出]] - [[多度津駅|多度津]]間で[[試運転]]中のJR四国8600系電車(マツE11編成)。2014年5月24日 坂出にて]]JR四国
 
*; [[JR四国8600系電車|8600系電車]]
 
*: [[2014年]]6月23日に営業運転開始。予讃線電化区間で運用された2000系気動車の電化区間における取替用。到達時分を確保しながら省メンテナンス化を図る目的で空気バネ車体傾斜方式が採用され、最大傾斜角2度。なお、左右加速度の許容値を2000系・8000系より引き上げているため、それらと同等の曲線通過性能としている。
 
*; [[JR四国2600系気動車|2600系気動車]]
 
*: [[2017年]]12月2日に営業運転開始。2000系気動車の置き換えを目的に製造。8600系と同様の空気バネ車体傾斜方式が採用されている<ref>[https://response.jp/article/2017/02/21/290945.html JR四国2600系アンベール…2000系を置き換え]レスポンス 2017年2月21日</ref>。最大傾斜角2度。
 
* [[名古屋鉄道]]
 
*; [[名鉄1600系電車|1600系電車]]
 
*: 1999年。主に[[名鉄西尾線|西尾線]]系統の[[名鉄特急|特急]]として運用され、第1編成(1601F)のみ車体傾斜装置を搭載したが、営業運転では車体傾斜装置は使用せず試験目的での使用にとどまった。2008年に[[名鉄2200系電車|1700系]]に改造された際に装置は撤去されたが、試験の成果は下記の2000系電車に生かされた。
 
*; [[名鉄2000系電車|2000系電車]]
 
*: [[2004年]]。[[中部国際空港]]連絡特急用。「ミュースカイ」の愛称を持つ。最大傾斜角2度。
 
* [[小田急電鉄]]
 
*; [[小田急50000形電車|50000形電車]]
 
*: [[2005年]]に製造。[[小田急ロマンスカー|小田急特急ロマンスカー]]。「VSE」の愛称が与えられている。国内の[[連接台車|連接車両]]では初採用。各台車の枕ばねに用いられている空気ばねの自動高さ調整弁 (LV : Leveling Valve) に車高制御装置を付加することで空気ばねによる車体傾斜を実現している。最大傾斜角は枕ばね位置を高く設計された[[連接台車]]が2度で編成両端のボギー台車が1.8度。車体傾斜によって速度向上は行わず、もっぱら乗り心地の向上に役立てている。
 
* [[新幹線]]
 
*; [[新幹線N700系電車|N700系電車]](16両編成)
 
*: [[新幹線955形電車|955形]] (300X) での試験結果を基に、JR東海・JR西日本が新幹線初の車体傾斜機構搭載車両として開発。
 
*:第1次高速化として、2005年[[3月]]に試作車(Z0編成)が登場し、[[2007年]][[7月1日]]から高速化営業運転を開始した。最大傾斜角1度。[[東海道新幹線]]区間において、255km/h制限カーブ(R=2500m)を270km/hで通過できる。また、該当車両の同区間最高速度も270km/hに設定。
 
*:第2次高速化として、[[新幹線N700系電車|N700A系電車]](G・F編成)の投入、およびN700系(Z・N編成)の改良(X・K編成)が実施され、2015年3月14日から高速化営業運転開始した。最大傾斜角は変わらず1度。[[東海道新幹線]]のR=2500mカーブを275km/h、R=3000m以上のカーブを285km/hで通過可能とし、該当車両の同区間最高速度も285km/hに設定された。
 
*; [[新幹線E5系電車|E5系電車・H5系電車]]
 
*: JR東日本が、[[東北新幹線]]の320km/hでの営業運転用に開発した車両。[[新幹線E954形電車|E954形]](FASTECH 360 : 最大傾斜角2度)での試験結果を反映して設計され、[[2011年]]から営業運転を開始した。最大傾斜角1.5度。
 
*; [[新幹線E6系電車|E6系電車]]
 
*: JR東日本が[[ミニ新幹線]]列車の320km/hでの営業運転用に開発した車両。E5系と同様、[[新幹線E955形電車|E955形]](FASTECH 360 Z : 最大傾斜角2度)での試験結果を基に設計され、ミニ新幹線では初めて車体傾斜機構を搭載する。[[2013年]]から営業運転を開始した。最大傾斜角1.5度。
 
 
 
=== その他の国による車体傾斜 ===
 
* [[ポルトガルの鉄道|ポルトガル]]
 
*; [[アルファ・ペンドゥラール]] (Alfa Pendular)
 
*: イタリアのETR460型電車がベースだが、軌間は1668mmの広軌で、交流専用 (25kV)。[[リスボン]]と[[ポルト]]を結ぶ。
 
* [[スロベニア]]
 
*; ICS(Intercity Slovenija・310型電車)
 
*: イタリアのETR460がベース。
 
* [[チェコ]]
 
*; Integral(680型電車)
 
*: イタリアのETR460がベース。SC (SuperCity) として運用される。
 
* [[フィンランド]]
 
*; [[VRSm3電車|S220(VRSm3電車)]]
 
*: イタリアのETR460がベースだが、軌間が1524mmの広軌を採用している。{{要出典|範囲=車体傾斜機構は使われていない|date=2014年9月}}。<!--当該車両記事の説明と矛盾-->
 
* [[ノルウェー]]
 
*; [[:en:NSB Class 73|シグナチュール(BM73型電車)]]
 
*: [[オスロ]]と、ノルウェー国内の主要都市を結ぶ。日本のかつての電車特急([[ボンネット]]形)にも類似したデザイン。スウェーデンのX2000をベースとしている。
 
* [[クロアチア]]
 
*; ICN (InterCity Nagibni)
 
*: ドイツの612型気動車 (RegioSwinger) と同一仕様で、[[ザグレブ]]と[[スプリト]]を結ぶ。
 
* [[カナダの鉄道|カナダ]]
 
*; LRC (Light Rapid Comfortable)
 
*: [[1970年代]]に製造された強制車体傾斜式列車。現在は客車のみが一般の機関車に牽引される形で運用されており、車体傾斜式車両としての運用は終了している模様。アメリカでも運用されたことがある。
 
* [[台湾の鉄道|台湾]]
 
*; [[台湾鉄路管理局TEMU1000型電車|TEMU1000型]]「[[太魯閣列車|太魯閣号]]」
 
*: 2007年5月[[東部幹線]]に投入した。JR九州885系をベースにした[[日立製作所]]製。
 
*; [[台湾鉄路管理局TEMU2000型電車|TEMU2000型]]「[[普悠瑪列車|普悠瑪号]]」
 
*: 2013年2月[[東部幹線]]に投入した。N700系などで実績のある車体傾斜装置を採用。[[日本車輌製造]]製。
 
* [[大韓民国の鉄道|韓国]]
 
*; TTX ([[Tilting Train eXpress]])
 
*: [[韓国高速鉄道|KTX]]の恩恵が及ばない地域との時間短縮を行うべく、メーカーと研究所が共同開発を行っている車両。電車方式で、最高速度200km/hを目指し、車体は軽量化のため、航空機で採用されているような複合材料(コンポジット材料)を採用している。既に試作車"Hanbit 200"が登場し、各種試験を実施している。傾斜角度は約8度。
 
* [[中華人民共和国の鉄道|中国]]
 
*; 新時速(シンシースー)
 
*: スウェーデンのX2000を輸入している。
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
 
 
=== 注釈 ===
 
{{Reflist|group=注|2}}
 
 
 
=== 出典 ===
 
{{Reflist|3}}
 
 
 
== 参考文献 ==
 
* 若生寛治「振り子車両の誕生から新しい技術への展開」、『月刊鉄道ジャーナル』 No.328、鉄道ジャーナル社、1994年2月
 
* {{Cite book ja-jp
 
|editor = 日本機械学会
 
|title = 鉄道車両のダイナミクス
 
|year = 1994
 
|publisher = 電気車研究会
 
|isbn = 4-88548-074-4
 
|ref = 鉄道車両のダイナミクス
 
}}
 
* 『プロトタイプの世界 鉄道ダイヤ情報別冊 No.280』、交通新聞社、2005年12月
 
* {{Cite book ja-jp
 
|author=川辺謙一
 
|title=図解・新世代鉄道の技術
 
|edition=第1版
 
|year=2009
 
|publisher=講談社
 
|language=日本語
 
|isbn=978-4-06-257649-9
 
|ref=新世代鉄道の技術
 
}}
 
* 谷藤克也『プロが教える電車のメカニズム』、ナツメ社、2011年、ISBN 9784816349904
 
* {{Cite book ja-jp
 
|year      = 2009
 
|title      = 鉄道のテクノロジー Vol.4 JR高速特急(振子特急・ディーゼル特急)
 
|publisher  = 三栄書房
 
|isbn      =9784779607158
 
|ref        = 鉄道のテクノロジー Vol.4
 
}}
 
* {{Cite book ja-jp
 
|author    = 佐藤芳彦
 
|year      = 1998
 
|edition = 初版
 
|title      = 世界の高速鉄道
 
|publisher  = グランプリ出版
 
|isbn      = 4-87687-191-4
 
|ref = 世界の高速鉄道 }}
 
* {{Cite book ja-jp
 
|author    = 野元浩
 
|year      = 2013
 
|edition = 初版
 
|title      = 電車基礎講座
 
|publisher  = 交通新聞社
 
|isbn      = 978-4-330-28012-7
 
|ref = 電車基礎講座 }}
 
* {{Cite web |url= http://hdl.handle.net/10131/7430 |title=空気圧制御による鉄道車両の乗り心地向上 |accessdate=2014-06-08|author=風戸昭人 |year=2011 |format=pdf |work=横浜国立大学博士論文 甲第1347号 |publisher=横浜国立大学学術情報リポジトリ|ref=風戸2011}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
* [[ペンドリーノ]]
 
* [[ユーロスター・イタリア]]
 
* [[高速鉄道]]
 
* [[アクティブサスペンション]]
 
 
 
{{DEFAULTSORT:しやたいけいしやしきしやりよう}}
 
[[Category:車体傾斜式車両|*]]
 
[[Category:鉄道車両の車体構造]]
 

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