「一般化アペル多項式」の版間の差分
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数学において、ある多項式列 [math]\{p_n(z) \}[/math] に一般化アペル表現(いっぱんかアペルひょうげん、英: generalized Appell representation)が存在するとは、その多項式の母関数が次の形式を取ることを言う:
- [math]K(z,w) = A(w)\Psi(zg(w)) = \sum_{n=0}^\infty p_n(z) w^n. [/math]
ただし母関数あるいは核と呼ばれる [math]K(z,w)[/math] は、次の級数によって構成される:
- [math]A(w)= \sum_{n=0}^\infty a_n w^n \quad[/math] with [math]a_0 \ne 0 [/math]
および
- [math]\Psi(t)= \sum_{n=0}^\infty \Psi_n t^n \quad[/math] and all [math]\Psi_n \ne 0 [/math]
および
- [math]g(w)= \sum_{n=1}^\infty g_n w^n \quad[/math] with [math]g_1 \ne 0.[/math]
上述のように、[math]p_n(z)[/math] が次数 [math]n[/math] の多項式であることを示すことは難しくない。
より一般的なクラスの多項式として、ボアズ=バック多項式が挙げられる。
特別な場合
- [math]g(w)=w[/math] とすると、ブレンケ多項式のクラスに属する多項式が得られる。
- [math]\Psi(t)=e^t[/math] とすると、ニュートン多項式のような一般差分多項式を含む多項式のシェファー列が得られる。
- それらを合わせて [math]g(w)=w[/math] および [math]\Psi(t)=e^t[/math] とすることで、多項式のアペル列が得られる。
陽的表現
一般化アペル多項式には次の陽的表現が存在する。
- [math]p_n(z) = \sum_{k=0}^n z^k \Psi_k h_k.[/math]
この定数は
- [math]h_k=\sum_{P} a_{j_0} g_{j_1} g_{j_2} \cdots g_{j_k} [/math]
で与えられる。ただしこの和は [math]n[/math] を [math]k+1[/math] 個に分割するすべての組合せに対して取られる。すなわち、その和は次を満たすすべての [math]\{j\}[/math] に対して取られる。
- [math]j_0+j_1+ \cdots +j_k = n.\,[/math]
アペル多項式に対し、これは次の公式となる。
- [math]p_n(z) = \sum_{k=0}^n \frac {a_{n-k} z^k} {k!}.[/math]
漸化式
核 [math]K(z,w)[/math] が [math]g_1=1[/math] に対し [math]A(w)\Psi(zg(w))[/math] と書くことが出来るための必要十分条件は
- [math]\frac{\partial K(z,w)}{\partial w} = c(w) K(z,w)+\frac{zb(w)}{w} \frac{\partial K(z,w)}{\partial z}[/math]
が成り立つことである。ただし [math]b(w)[/math] および [math]c(w)[/math] にはべき級数表現
- [math]b(w) = \frac{w}{g(w)} \frac {d}{dw} g(w) = 1 + \sum_{n=1}^\infty b_n w^n[/math]
および
- [math]c(w) = \frac{1}{A(w)} \frac {d}{dw} A(w) = \sum_{n=0}^\infty c_n w^n [/math]
が存在する。今
- [math]K(z,w)= \sum_{n=0}^\infty p_n(z) w^n[/math]
を代入することで、次の漸化式が直ちに得られる。
- [math] z^{n+1} \frac {d}{dz} \left[ \frac{p_n(z)}{z^n} \right]= -\sum_{k=0}^{n-1} c_{n-k-1} p_k(z) -z \sum_{k=1}^{n-1} b_{n-k} \frac{d}{dz} p_k(z). [/math]
ブレンケ多項式の特別な場合として、[math]g(w)=w[/math] が得られ、したがって [math]b_n=0[/math] が成り立つことから、漸化式は著しく簡易化される。
関連項目
参考文献
- Ralph P. Boas, Jr. and R. Creighton Buck, Polynomial Expansions of Analytic Functions (Second Printing Corrected), (1964) Academic Press Inc., Publishers New York, Springer-Verlag, Berlin. Library of Congress Card Number 63-23263.
- William C. Brenke, On generating functions of polynomial systems, (1945) American Mathematical Monthly, 52 pp. 297–301.
- W. N. Huff, The type of the polynomials generated by f(xt) φ(t) (1947) Duke Mathematical Journal, 14 pp. 1091–1104.