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{{Otheruseslist|'''都市'''|'''ブドウの品種'''|マスカット (ブドウ)|上記'''ブドウ'''のうち'''代表的な品種'''|マスカット・オブ・アレキサンドリア|その他の用法|マスカット (曖昧さ回避)}} {{世界の市 |正式名称 =マスカット <!--必須--> |公用語名称 ={{lang|ar|مسقط}}<br/>''Masqaṭ''<br />{{flagicon|Oman}}<!--必須--> |愛称 = |標語 = |画像 = Downtown Muscat (8725487315).jpg |画像サイズ指定 = |画像の見出し = オールド・マスカット（2013年） |市旗 =Flag of Muscat.svg |市章 = |位置図 = Oman-map.png |位置図サイズ指定 = |位置図の見出し =マスカットの位置 |位置図2 = Muscat in Oman 2016.svg |位置図サイズ指定2 = |位置図の見出し2 = マスカット特別行政区の範囲 |緯度度 =23 |緯度分 =36 |緯度秒 =31 |N(北緯)及びS(南緯) =N |経度度 =58 |経度分 =35 |経度秒 =31 |E(東経)及びW(西経) =E |成立区分 = |成立日 = |成立区分1 = |成立日1 = |成立区分2 = |成立日2 = |旧名 = |創設者 = |下位区分名 ={{OMN}} <!--必須--> |下位区分種類1 =[[オマーンの行政区画|行政区画]] |下位区分名1 =[[マスカット特別行政区]] |下位区分種類2 = |下位区分名2 = |下位区分種類3 = |下位区分名3 = |下位区分種類4 = |下位区分名4 = |規模 =市 <!--必須--> |最高行政執行者称号 = |最高行政執行者名 = |最高行政執行者所属党派 = |総面積(平方キロ) = 3,800 |総面積(平方マイル) = |陸上面積(平方キロ) = |陸上面積(平方マイル) = |水面面積(平方キロ) = |水面面積(平方マイル) = |水面面積比率 = |市街地面積(平方キロ) = 8.099 |市街地面積(平方マイル) = |都市圏面積(平方キロ) = |都市圏面積(平方マイル) = |標高(メートル) = |標高(フィート) = |人口の時点 =2010年 |人口に関する備考 = |総人口 = 775,878 |人口密度(平方キロ当たり) = 204.2 |人口密度(平方マイル当たり) = |市街地人口 = 20,272 |市街地人口密度(平方キロ) = 2,502.9 |市街地人口密度(平方マイル) = |都市圏人口 = |都市圏人口密度(平方キロ) = |都市圏人口密度(平方マイル) = |等時帯 = オマーン時間 |協定世界時との時差 =+4 |夏時間の等時帯 =なし |夏時間の協定世界時との時差 = |郵便番号の区分 = |郵便番号 = |市外局番 = |ナンバープレート = |ISOコード = |公式ウェブサイト = [http://www.mm.gov.om/Default.aspx Muscat Municipality] |備考 = }} '''マスカット'''（{{lang-ar-short|مسقط}} {{transl|ar|''Masqaṭ''}}、{{lang-en-short|Muscat}}）は、[[西アジア]]、[[オマーン]]にある都市・都市圏で、同国の[[首都]]。[[オマーン湾]]にのぞむオマーン最大の[[港湾]]都市で、政治、経済、文化、教育の中心。 <br />なお、「マスカット市」（旧市街）自体は人口2万人と非常小さく、[[マスカット特別行政区|同名の行政区]]（事実上の都市圏）が「マスカット」として機能している。都市圏（行政区）には[[スィーブ]]、[[バウシャル]]、[[ムトラ]]などを含み、面積は3,800km²、人口は775,878人と国内最大級のものとなる。一方のマスカット市は8.1km²、20,272人である（2010年国勢調査<ref>[https://www.citypopulation.de/Oman-Cities.html Citypopulation.de/Oman]</ref>）。 == 地名の由来 == [[古代ローマ時代]]の学者[[クラウディオス・プトレマイオス|プトレマイオス]]（[[83年]]頃 - [[168年]]頃）が記した"Map of Arabia"には''Cryptus Portus''<ref name="fos231">Foster (1844)、231頁</ref>と''Moscha Portus''<ref>Foster (1844)、241頁</ref>の2つの地域が定義されているが、2つのうちどちらが現在のマスカットと関連があるかについて研究者の意見は分かれている。 [[2世紀]]に活躍したローマの歴史家[[アッリアノス]]（[[86年]] - [[160年]]）の著書には''Omana''と''Moscha''という地名が見られる。アッリアノスの著書の翻訳を行った{{仮リンク|ウィリアム・ヴィンセント|en|William Vincent}}とJean Baptiste Bourguignon d'Anville（[[:en:Jean Baptiste Bourguignon d'Anville]]）は、Omanaはオマーン、Moschaはマスカットを示していると結論付けた<ref>Foster (1844)、173頁</ref>。[[博物誌]]の著者である[[ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|大プリニウス]]（[[22年|22]] / [[23年]] - [[79年]]）が言及した''Amithoscuta''という地名も、現在のマスカットを示していると考えられている<ref name="fos231"/>。 マスカットの語源については、諸説分かれている。 * [[アラビア語]]の''moscha''（膨れ上がった皮）<ref>Foster (1844)、173頁</ref> * 「停泊地」もしくは「錨を下ろす場所」<ref>*{{Cite book|author=Miles, Samuel Barrett|coauthors=Robin Bidwell|title=The Countries and Tribes of the Persian Gulf|publisher=Garnet & Ithaca Press|year=1997|url=http://www.google.com/books?id=dbsOoPpZiSEC|isbn=978-1-873938-56-0}}468頁</ref> * [[古代ペルシア語]]の''muscat''（強い香り）<ref>{{Cite book|author=Hailman, John|title=Thomas Jefferson on Wine|publisher=University Press of Mississippi|year=2006|url=http://www.google.com/books?id=dbsOoPpZiSEC|isbn=978-1-57806-841-8}}49頁</ref> * アラビア語の「落ちる場所」<ref name="kikuchi12">菊地 (2003)、12頁</ref><ref name="jiten2012">松本 (2012)、942頁</ref><ref>{{Cite book|author=Phillips, Wendell|title=Unknown Oman|publisher=D. McKay Co.|year=1966|pages=4|url=|isbn=}}、4頁</ref>「山が海に落ちるところ」<ref>蟻川明男『世界地名語源辞典』（新版, 古今書院, 1993年12月）、217頁</ref> - オールド・マスカットの背後にある岩山が海に面していることに由来する<ref name="kikuchi12"/>。 * アラビア語の「隠れる」<ref>{{Cite book|author=Room, Adrian|title=Placenames of the World: Origins and Meanings of the Names for Over 5000 Natural Features, Countries, Capitals, Territories, Cities and Historic Sites|publisher=McFarland|year=2003|url=http://books.google.com/?id=PzIer-wYbnQC&pg=PA246|isbn=978-0-7864-1814-5}}246頁</ref> == 歴史 == [[ファイル:WH1-Effo080a.jpg|thumb|left|[[第一次世界大戦]]当時のマスカット港と市街]] マスカットは中東でも最も古い都市の一つである。その存在は西暦[[2世紀]]にはすでに知られており、アラビアと[[ギリシャ]]や[[ローマ]]を繋ぐ貿易都市であった。中世までは西の[[ソハール]]が重要な交易地として繁栄し、マスカットは船舶の補給地となっていた<ref name="jiten2012"/>。 オマーンに上陸した初期の外国人としては、[[ポルトガル]]の探検家[[ヴァスコ・ダ・ガマ]]がいる。ポルトガルの軍人[[アフォンソ・デ・アルブケルケ]]がマスカットに上陸したときには、マスカットはすでにアラビア半島沿岸部の中心的な港湾都市の一つになっていた<ref name="asakura111">後藤、木村、安田 (2010)、111頁</ref>。[[1508年]]にポルトガルはマスカットを征服し、町の発展が始まる<ref name="jiten2012"/>。ポルトガルによって港が整備され、砦と旧市街の建設が行われる<ref name="jiten2012"/>。ポルトガル来航以前からマスカットに存在していたミラニー砦とジャラリー砦は改修され、丘陵地にマトラ砦が建設された。[[1650年]]、[[ヤアーリバ朝]]の[[イマーム]]であるスルターン・ビン・サーイフがポルトガル勢を打ち負かし、マスカットを奪回する。その後、ヤアーリバ朝はマスカットを拠点に[[東アフリカ]]をはじめとする[[インド洋]]全域に進出し、マスカットはオマーン海上帝国の要として繁栄する。 [[18世紀]]に[[ブーサイード朝]]は首都をマスカットへ移転し、インド洋交易の中心となる。[[サイイド・サイード]]の時代に王国の中心は[[ザンジバル]]に移り、さらに彼の死後、[[1856年]]にオマーンとザンジバルに国土が分割されるに及んで、マスカットは急速に衰えた。1870年代にはオマーン国王[[トゥルキー・ビン・サイード]]に敵対するオマーンの豪族が2度にわたってマスカットを攻撃した<ref>遠藤(2009)、87頁</ref>。[[1895年]]にはザンジバルのスルターンに呼応するオマーンの主要部族によってマスカットの王宮は一時的に占領される。 その後、石油の発見ならびにオマーンの成長に伴い、[[1970年]]の[[カーブース・ビン・サイード]]の即位後から再び首都として発展する<ref>後藤、木村、安田 (2010)、112頁</ref>。石油の収入によって町の再開発が行われたが、土地が狭く発展の余地が無いオールド・マスカットとマトラ地域に代えて、バーティナ平原方面の開発が進められた<ref name="asakura113">後藤、木村、安田 (2010)、113頁</ref>。バーティナ平原には、マスカット国際空港、ルサイル工業団地、スルターン・カーブース大学などの施設が建設された。カーブースの方針によって、新たに開発された市街地には他の[[湾岸協力会議|GCC]]諸国のように高層ビルが立ち並ぶ風景は見られず、伝統的なアラブ様式に基づいた建物が並んでいる<ref name="jiten2012"/>。 {{Clearleft}} == 地理 == マスカットは天然の良港として知られ、港の周囲を岩山に守られている<ref name="jiten2012"/>。[[ペルシア湾]]の出入り口に位置するマスカットは戦略的に重要視され、軍事拠点とされている<ref name="jiten2012"/>。 マスカットには「小マスカット」と呼ばれる、オールド・マスカット（Old Muscat）、[[ムトラ]] (マトラフ、Muttrah)、ルイ (ルーウィー、Ruwi) の3つの市街地がある。岩山に囲まれ、増加する人口の収容と発展に限りのあるオールド・マスカットに代えて港湾機能と流通機能がムトラに移り、近郊のルイ、ワッタヤ、クルム、スルターン・カーブース・シティに新興住宅地や商業地が形成された<ref name="jiten2012"/>。オールド・マスカットと周辺の都市は、「拡大マスカット」といえる都市を形成している<ref name="jiten2012"/>。 === オールド・マスカット === マスカットというと本来オールド・マスカットを指し<ref name="asakura111"/>、旧市街と新市街は城壁によって隔てられている。旧市街にはアラム宮殿、ポルトガルの支配時代に完成したミラニー砦とジャラリー砦が建ち<ref name="jiten2012"/>、夜間になると、アラム宮殿、ミラニー砦、ジャラリー砦はライトアップされる<ref name="aruki182">『ドバイとアラビア半島の国々』2013-2014年版、182頁</ref>。州庁は宮殿と同じく旧市街に建てられているが、省庁は新市街に置かれている<ref name="jiten2012"/>。オールド・マスカットの港は現在は使用されていない<ref name="asakura113"/>。 ==== ムトラ ==== マトラ、マトラフともいう。オマーン最大の港であるスルターン・カーブース港がある港湾地区<ref name="asakura113"/>。オールド・マスカットの北西部に隣接する港町として形成され、かつては小規模ながらオールド・マスカットの積み荷を国内に向けて出荷する商人で賑わっていた<ref name="asakura111"/>。ムトラ内のラワティヤには、インド系の商人が多く居住する<ref name="aruki182"/>。オマーン最古のスークの一つであるマトラ・スークや<ref>菊地 (2003)、86頁</ref>、コルニーシュの美しい夜景が有名。コルニーシュは中級のホテルや安宿が密集する地域としても知られている<ref>『ドバイとアラビア半島の国々』2013-2014年版、181頁</ref>。 ==== ルイ ==== 内陸にある、マスカット随一の商業地区。ルイ・ハイ・ストリートには商店が立ち並び、電化製品、香水、時計などが売られている。中央郵便局やONTC（オマーン・ナショナル・トランスポート）バスターミナルなどがある。 === 気候 === マスカットは[[砂漠気候]]に属し、長い酷暑に襲われる夏と温暖な「冬」の2つの季節がある。4月から10月にかけての気温は非常に高く、平均気温は40度に達し、最高気温が50度を超えることもある<ref name="kikuchi32">菊地 (2003)、32頁</ref>。また、海に面しているため湿度も高い<ref name="asakura111"/>。一方、11月から3月にかけての平均気温は20度前後と過ごしやすい<ref name="kikuchi32"/>。 == 交通 == 主な空港として、[[マスカット国際空港]]（旧名：シーブ国際空港）が都市から40kmほど離れたところにある<ref name="jiten2012"/>。[[オマーン・エア]]をはじめとして、多くの国際便が就役している。この他に、港湾があり、高速道路も発達している。 市内の公共交通機関は鉄道がないため、バスとタクシーが中心である。ルイのアル＝ジャーム・ストリートにあるONTCバスターミナルは、国内外の都市に向かう長距離バスの発着地となっている。 == 文化 == ===スポーツ=== [[2010年アジアビーチゲームズ]]開催のため、[[アル・ムサナ・スポーツシティー]]を建設。 == 施設 == 2001年5月にオマーン最大の[[モスク]]であるカーブース王大モスク (Sultan Qaboos Grand Mosque) が建立された<ref name="kikuchi16">菊地 (2003)、16頁</ref>。マスカットにはモスク以外にキリスト教徒の寺院も存在する<ref name="kikuchi16"/>。 === 主な観光施設 === * マスカット・ゲート博物館 * オマーン国軍事博物館 * 文化遺産博物館 * ベイト・アル＝バランダ - 1930年代に建てられた邸宅を改修した博物館。 * ベイト・アル＝ズベール - 伝統工芸品を所蔵する博物館。 * オマニ・フレンチ博物館 - 1896年から1920年まででフランス領事館として使用されていた建物を改修した博物館。1989年にオマーンとフランスの友好を記念して開館した。 * [[オマーン平安日本庭園]] - 2001年開園。マスカット近郊のナシーブ・マスカット公園の敷地に位置する。GCC諸国では最初の[[日本庭園]]<ref>遠藤(2009)、200頁</ref>。 == 脚注 == {{Reflist|2}} == 参考文献 == * 遠藤晴男『オマーン見聞録』（展望社, 2009年4月） * 菊地彩『OMAN』（東京図書出版会発行, 星雲社発売, 2003年7月） * 後藤明、木村喜博、安田喜憲編『西アジア』（朝倉世界地理講座 大地と人間の物語, 朝倉書店, 2010年9月） * 地球の歩き方編集室編『ドバイとアラビア半島の国々』2013-2014年版（地球の歩き方, ダイヤモンド・ビッグ社, 2013年3月） * 松本弘「マスカット」『世界地名大事典』3収録（朝倉書店, 2012年11月） *{{Cite book|author=Foster, Charles|title=The Historical Geography of Arabia|publisher=Duncun and Malcolm|year=1844|url=http://www.google.com/books?id=Lb42AAAAMAAJ|isbn=}} == 外部リンク == * [http://www.omantourism.gov.om/ Official Ministry Of Tourism site] * [http://www.omanet.om/english/home.asp Ministry Of Information site] * [https://www.facebook.com/thevisionoman/ オマーン観光情報] {{アジアの首都}} {{DEFAULTSORT:ますかつと}} [[Category:マスカット|*]] [[Category:オマーンの都市]] [[Category:アジアの首都]] [[Category:アジアの港町]]

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