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miniwiki - 利用者の投稿記録 [ja]
2024-05-15T11:49:00Z
利用者の投稿記録
MediaWiki 1.31.0
ゴジラ対ヘドラ
2018-07-16T02:27:21Z
<p>211.132.148.117: /* 概要 */</p>
<hr />
<div>{{Infobox Film<br />
|作品名=ゴジラ対ヘドラ<br />
|原題=Godzilla vs. the Smog Monster<br />
|画像=<br />
|画像サイズ=<br />
|画像解説=<br />
|監督=[[坂野義光]]<br />
|脚本=[[馬淵薫]]<br />坂野義光<br />
|製作=[[田中友幸]]<br />
|製作総指揮=<br />
|出演者=[[山内明]]<br />川瀬裕之<br />[[木村俊恵]]<br />麻里圭子<br />[[柴俊夫|柴本俊夫]]<!--<br />[[吉田義夫]]<br />鈴木治夫<br />[[勝部義夫]]<br/>[[薩摩剣八郎|中山剣吾]]<br/>[[中島春雄]]--><br />
|音楽=[[眞鍋理一郎]]<br />
|主題歌=「[[かえせ! 太陽を]]」<br />麻里圭子with<br />[[ハニー・ナイツ]]&ムーンドロップス<br />
|撮影=[[真野田陽一]]<br />
|編集=[[黒岩義民]]<br />
|配給=[[東宝]]<br />
|公開={{Flagicon|JPN}} [[1971年]][[7月24日]]<br />
|上映時間=85分<br />
|製作国={{JPN}}<br />
|言語=[[日本語]]<br />
|製作費=<br />
|興行収入=3億円（当時）<br />
|前作=[[ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃]]<br />
|次作=[[地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン]]<br />
}}<br />
『'''ゴジラ対ヘドラ'''』（ゴジラたいヘドラ）は、[[1971年]]（昭和46年）[[7月24日]]に「[[東宝チャンピオンまつり]]」の一編として公開された[[東宝]]製作の[[日本映画]]で、[[ゴジラ|ゴジラシリーズ]]の第11作である。観客動員数は174万人。[[画面アスペクト比#シネマスコープ|シネマスコープ]]、85分、カラー作品。<br />
<br />
== 概要 ==<br />
時代背景として、大きな社会問題であった[[公害]]問題を前面に打ち出し、特に当時話題だった「四日市コンビナートの工場煤煙」、「[[田子の浦港ヘドロ公害]]」を題材に採った作品。その田子の浦港の汚染された海から生まれた怪獣[[ヘドラ]]と、怪獣王[[ゴジラ (架空の怪獣)|ゴジラ]]が対戦する。[[サイケデリック|サイケデリック文化]]や若者の[[モラトリアム]]など同時代のさまざまな背景も色濃く盛り込まれ、公害をテーマとしたアニメが挿入されるなど異色作となっている。また、本作は「ゴジラが飛ぶ」というシーンが本編に挿入されている。<br />
<br />
この年春と前年夏、冬の「[[東宝チャンピオンまつり]]」興行では、旧作ゴジラ映画の短縮再編集版がメインにおかれた。夏興行用に制作された本作は、『[[ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃]]』以来、2年ぶりの新作ゴジラ映画となった。公開時の[[キャッチコピー]]は、「流れ星でやって来た公害怪獣ヘドラ！ 街を森をふみつぶし 二大怪獣が大決戦！」{{Refnest|group="注"|味噌メーカーの山印醸造とタイアップした変型シートポスターでは、「出た！ 悪くて強い公害怪獣！ ゴジラがんばれ！ やっつけろ！ '''おみそのやまちゃん'''もついてるぞ！」と、同社のマスコット「やまちゃん」を使っていた<ref>{{Cite book |和書 |year = 2014 |title = ゴジラ 東宝チャンピオンまつり パーフェクション |page = 41 |publisher=[[KADOKAWAグループ|KADOKAWA]] |series = DENGEKI HOBBY BOOKS |isbn = 9784048669993 }}</ref>。}}。<br />
<br />
なお、本作の監督を担当した[[坂野義光]]は後に続編『ゴジラ対へドラ2』のプロットを書き下ろしている{{Sfn|坂野義光|2014|loc=§6.8 『ゴジラ対ヘドラ』の続編}}が、2017年に死去したために映像化は叶わなかった。<br />
<br />
== ストーリー ==<br />
海洋汚染が進む[[駿河湾]]では、[[オタマジャクシ]]に似た奇妙な生物が見つかったうえ、それに似た怪獣による[[タンカー]]事故が相次いで発生していた。漁師の吾平から奇妙な生物を持ち込まれた[[海洋生物学]]者の矢野は息子の研と共に調査へ出かけるが、矢野は海底で謎の生物に襲われて重傷を負い、研も海岸で巨大なオタマジャクシ状の生物を目撃する。<br />
<br />
ゴジラが大好きな研は、「ヘドロだらけの海を見たらゴジラも怒るだろうな」と考える。「汚れた海から生まれた怪獣」ということで'''ヘドラ'''と命名された謎の生物は、ある夜に工場の排煙を求めて上陸してくる。ゴーゴー喫茶で踊っていた行夫とミキはヘドラに遭遇するが、そこへゴジラが出現する。ゴジラとヘドラは激戦を繰り広げるが、決着は付かない。翌日、[[硫酸ミスト]]による被害が蔓延していた街で、矢野は散らばっていたヘドラの細胞から恐るべき生態を暴き、さらに2人の目撃談からヘドラの新たな能力を示唆する。<br />
<br />
ヘドラは当初、夜間や雨天時しか上陸してこないと思われていたが、成長したヘドラは飛行能力を得て白昼に出現する。ヘドラの飛行先では硫酸ミストが散布され、人々が次々と倒れていく。ゴジラも再び現れるが、ヘドラを取り逃がしてしまう。<br />
<br />
ヘドラによる被害はますます増大し、深刻な社会問題となる。矢野は研のアイディアからヘドラを倒す方法を思いつくが、ヘドラはとうとうゴジラをしのぐほどに巨大化し、富士山麓に出現する。そしてゴジラも三度現れ、ヘドラとの最終決戦が始まる。<br />
<br />
ヘドラは光線でゴジラの左目を潰して右腕を白骨化させ、自衛隊が設置した巨大電極板も損傷させされるなどの被害が出るが、車のヘッドライトに引き寄せられたヘドラが電極板の間に入り、ゴジラが放射熱線を発射したことで電流が流れ始める。300万ボルトの高圧電流を受けてヘドラは乾燥するが、乾燥していたのは体表だけであり、体内からは一回り小さなヘドラが出現する。飛行して逃亡するヘドラをゴジラは放射熱線による飛行で追跡して墜落させ、再び電極板の間に押し込みながらその身をむしり、高圧電流と放射熱線で完全に乾燥させて駆逐する。<br />
<br />
ゴジラは、ヘドラがここまで育った原因を作った人間たちの一部である自衛隊員たちを睨みつけると、静かに海に帰っていく。その姿を研は別れの言葉を告げて見送るが、ヘドロだらけのどこかの海では新たなヘドラが誕生しつつあった。<br />
<br />
== 登場キャラクター ==<br />
; ゴジラ<br />
: {{main|ゴジラ (架空の怪獣)#昭和シリーズのゴジラ}}<br />
; ヘドラ<br />
: {{main|ヘドラ#『ゴジラ対ヘドラ』のヘドラ}}<br />
; 魚人間<br />
: ゴーゴー喫茶で行夫の幻覚に現れる、頭だけ魚になった人間たち。美術スタッフによって戯画化された意匠の魚のゴム製マスクが作られた。これを被ったものが画面に10数人登場する。<br />
<br />
== 登場兵器 ==<br />
; 巨大電極板<br />
: ヘドラを乾燥させるために建造された2基の電極板。本来は[[北海道]]の湿地性土壌の乾燥に用いられていたものであり、乾燥に弱いヘドラを倒すために矢野博士の提案で[[自衛隊]]が[[富士山麓]]に設置した。2枚の間に高圧電流を流すことによって高温を発生させ、追い込んだヘドラの体内から水分を蒸発させることを目的とする。高さ40メートル、幅60メートル、陰極と陽極の距離1キロメートル、電圧300万ボルトと設定されている。制御装置も野外にむき出しで設置されている。<br />
: 劇中ではゴジラとヘドラの交戦中に送電線を破壊されて一時は沈黙するが、ヘドラが電極板の間に入ったところでゴジラの熱線によって強引に作動し、ヘドラに大ダメージを与える。その後、ゴジラが逃走を図ったヘドラを取り押さえたままのところで修理が完了し、すぐさま自衛隊が起動させるも今度は電子回路のヒューズが飛んで再び沈黙してしまう。結局、ゴジラが熱線で終始起動してヘドラの全肉片を破壊させたことで、ヘドラは倒される。また、ヘドラを電極板の間に入るように誘導するため、ジープ3台でのヘッドライトの点滅と超音波発生器での超音波を使用している。<br />
: ゴジラの熱線を受けても破壊されなかったが、その理由などについては劇中や設定でも特に説明はない。<br />
: ミニチュア製作は[[井上泰幸]]ら特美スタッフが担当した。[[中野昭慶]]によると、[[トースター]]から着想したデザインだという<ref name="オーディオコメンタリー" />。<br />
; 酸素爆弾<br />
: ヘドラへの攻撃に用いられた爆弾。劇中の学者の解説によると、生物に有害な物質を吸収するヘドラにとって、生物に無害な[[酸素]]は有害に作用すると推測されている。これを根拠として自衛隊が開発して[[V-107]]ヘリコプターに外付けし、ヘドラの前方に投下する。<br />
: 巨大電極板と並行して用いられるもまったく効果が無かったうえ、地上部隊との連絡不備で巨大電極板への誘導中にも爆撃を行ったため、ヘドラの光線でヘリは撃墜される。<br />
<br />
== 作品解説 ==<br />
=== 企画の発端 ===<br />
娯楽の多様化とテレビの台頭による「邦画の斜陽」は、当時の東宝本社に深刻な制作本数の減少と売上の悪化をもたらし、「何をやっても当たらない」という状況となっていた。また、東宝特撮映画の顔であった特技監督の[[円谷英二]]が前年初頭に死去したうえ、主要スタッフのほとんどが東宝を辞職もしくは異動させられるなど、当時の東宝特撮の現場はほぼ崩壊状態にあった。東宝本社は組織を解体細分化して「映像事業部」などを発足させ、東宝の看板であった特撮映像技術の生き残りを模索していた。<br />
<br />
こうした中、プロデューサーの[[田中友幸]]は「もう一度ゴジラを考えよう」と、[[日本万国博覧会]]（1970年）の「[[三菱未来館]]」の企画や『[[日本海大海戦]]』（[[丸山誠治]]監督、1969年）の実景撮影などで円谷組の補佐を務めた、[[坂野義光]]に企画を依頼した。坂野は「何でもいい」と言われたので、前年に起きた[[光化学スモッグ]]事件（校庭にいた女子高生が集団で倒れた）をきっかけに本作の企画を考え、「『いま最もポピュラーな悪は公害だから、公害の怪獣でもいいですか』と田中プロデューサーに聞いたら『いいよ』との答えだったので、ここから企画が始まった」と述べている。<br />
<br />
=== 低予算下での制作 ===<br />
東宝本社の[[リストラ]]断行後、残った陣営による新体制で臨んだ本作だったが、上記したような本社の不振を受け、制作予算はこれまでになく低いものとなった。[[川北紘一]]は本作について「この予算でどうやって撮れというんだ？と思った」と述懐しており、この「末期的な状態」（川北談）という制作予算を考慮してスタッフを本編班と特撮班に分けず、一班体制で制作を行うこととなった。<br />
<br />
そのため、本作の特撮班スタッフは本編班に対する準備班的扱いとなり、[[中野昭慶]]と特殊美術スタッフのみがこれに当たる小規模編成が採られた。撮影カメラマンには、円谷組特撮班を務めて本編撮影は本人初となる[[真野田陽一]]が起用された。撮影スケジュールは本編撮影が先行され、新設された「映像企画室」へ異動した川北は本作では本編付き助監督となり、本編ロケが終わると特撮班を手伝うという状況だった。<br />
<br />
坂野は中野と、「これまでのシリーズにない映像を採り入れよう」と打ち合わせたとのことで、「マルチ画面や[[アニメーション]]による抽象的な社会描写の多用」「監督自身による水中撮影」など、全編がゴジラシリーズとしては異色の映像で彩られている。冒頭のヘドロの海が延々と写されるのも「公害」を訴える演出意図によるものであり、坂野は「あれだけ強調してやっとわかるんじゃないかと思う」と語っている。汚染された海面は特撮大プールに本物の魚や各種素材を混ぜ込むことで表現したが、撮影当時の季節ゆえに腐敗が速く、悪臭がものすごかったという。<br />
<br />
こういった坂野の「画作りにこだわりたい」との意図から予算配分は映像面に集中され、俳優は極力少人数として主演の矢野博士役を務めた[[劇団民藝]]所属の[[山内明]]ら以外は出演料の少ない新人を中心に起用し、本編セットは「矢野博士の研究室」と「ゴーゴー喫茶」の2つだけに留め、残りはすべてロケ撮影とした。また、[[オーバーヘッドプロジェクタ|OHP]]スクリーンも合成画面に代えて使用され<!--（必要な記述でしょうか？）このスクリーン画面の映像の一部で、ヘドロの海に浮いている乳児は、撮影スタッフの孫である。-->、本編セットの素材にも前年に東宝が担当した万博の「三菱未来館」の特撮に使用した小道具が流用されるなど、徹底した省予算の方針が採られた。<br />
<br />
制作期間は5週間しかなかった。ラストの決戦シーンは、坂野と中野が同じ特撮第11ステージのセット内で互いに1日に30カットほどの撮影をこなすという、驚異的なペースで進行したという。また、自らが[[スキューバ・ダイビング]]の免許所持者であり、東宝内で水中撮影班を率いていた坂野は、矢野博士の潜水シーンの吹き替えも行っている{{Refnest|group="注"|矢野博士役に山内明を起用した理由については、海中で演技する坂野に体形が似ていることが第一条件だった{{Sfn|坂野義光|2014|loc=§4.6 キャスティング}}。}}。<br />
<br />
=== 制作中断と再開 ===<br />
本作では飛行形態となって逃げるヘドラをゴジラが追う際、「ゴジラが口から熱線を放射する反動で後ろ向きに空を飛ぶ」というシーンが描かれて話題となったが、この描写のために撮影スケジュールには支障が生じている。「ゴジラの飛行」は、監督である坂野と特撮班のリーダーである中野が「テレビ時代のスピード感を」と提案して採り入れたものだが、これに対してプロデューサーである田中は猛反発した。このシーンでの田中と坂野による論争を含め、低予算での制作体制が現場にさまざまな軋轢を生み（本編班で助監督を務めていた川北は、正統派怪獣映画としては本流から外れるこの「公害テーマ」には違和感があったと述べている<ref name="特撮魂p93">{{Cite |和書 |title = 特撮魂 東宝特撮奮戦記 |author = 川北紘一 |date = 2010 |publisher = [[洋泉社]] |page = 93 |isbn = 978-4-86248-515-1 |ref = harv }}</ref>）、撮影中途で制作予算が尽きてしまった。このため、東宝本社は本作の制作を打ち切ることを決め、撮影を中止するよう現場に伝えた。<br />
<br />
そこでスタッフは、前作まで本編演出の要として「[[ゴジラ|ゴジラシリーズ]]」を支えてきた[[本多猪四郎]]に中途までのフィルムを観てもらい、監修してもらう形でなんとか本社から制作再開をとりつけた。こういう役割を本多に依頼しなければ、到底再開は無理な状況だったという。<br />
<br />
こうした最中、田中が体調不良で入院した。坂野はこれを幸いと、その間に東宝の重役、宣伝部長、撮影所所長らから「ゴジラの飛行」の許可をとりつけ、劇中に盛り込んだ。中野によると、この「ゴジラの飛行」は内外でも賛否両論だったが、アメリカでは大絶賛されたといい<ref name="超全集">{{Cite |和書 |title = 愛蔵版 ゴジラ1954-1999超全集 |date = 2000 |publisher = [[小学館]] |series = てれびくんデラックス |page = 18 |isbn = 4091014704 |ref = harv }}</ref>、宣伝部長や撮影所所長らも「スピード感が出ていいんじゃないか」と褒めてくれたという。このシーンは坂野によると、「カットしても前後がつながるよう撮った」とのことであるが、田中が退院した時点ではもう変更できない段階だったとのことで、試写でこれを観た彼は「ゴジラの性格を変えてもらっては困る」と立腹し<ref name="asahi">[[朝日新聞]] 土曜版 2014年1月11日 映画の旅人 ゴジラ - [[朝日新聞社]]</ref>、しばらく坂野と口をきかなかったそうである。後年、坂野は田中が「あいつには二度と特撮映画を監督させない!」と激怒していたことを人づてに聞いたと語っている<ref name="asahi" /><ref group="注">これ以降、坂野は得意の水中撮影分野から『[[日立ドキュメンタリー すばらしい世界旅行|すばらしい世界旅行]]』や『[[野生の王国]]』などのテレビドキュメンタリー撮影へ、活躍の場を拡げている。</ref>。なお、坂野は本作の続編企画を立てていたが、実現しなかった。<br />
<br />
しかし、こうした困難を経て完成した当作は、夏休み興行に空前の「[[第二次怪獣ブーム|変身・怪獣ブーム]]」を受けてまずまずのヒットを記録したため、東宝は「ゴジラが他怪獣とチャンピオンの座を競い合う」というコンセプトのもと、ゴジラ映画を中心とした「東宝チャンピオンまつり」興行を本格化する。また、翌年にはさらにヒーロー化したゴジラにキャラクタライズされた新怪獣[[ガイガン]]を加え、『[[地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン]]』を制作することとなる。<br />
<br />
== 『ゴジラ対ヘドラ』と坂野演出 ==<br />
製作当時、ゴジラ作品は年少者向けの映画へ移行しつつあったが<ref group="注">前作『[[ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃]]』は、子供を主人公にした子供向け映画だった。</ref> 、本作には人間の皮膚が焼けただれる描写や白骨化する描写などの残虐な演出も多く、劇中で主人公一家の青年・毛内行夫がヘドラに殺されるなど、物語や音楽も全体的に暗く重い<ref group="注">ただし、擬人化されたゴジラのコミカルな動作やブラックジョーク風のギャグも多く盛り込まれている。</ref>。ゴジラをヒーローとして空を飛ばせる（飛ぶ直前には、ゴジラがヒーローらしくポーズすら決めてみせる）など、観客である子供へのサービスも忘れてはいないが、ラストシーンではゴジラに（身勝手な人類に対する）怒りの表情を持たせるなど、単なる勧善懲悪に終わらせていない。<br />
<br />
本作を演出した坂野の中で、当時の公害は大きな存在だったという。大阪万博の打ち合わせの行き帰りに通る四日市や田子の浦の環境汚染は、坂野に強い印象を残した。「第1作目の『[[ゴジラ (1954年の映画)|ゴジラ]]』にあったメッセージ性を取り戻したい」との気持ちも強く、「エビのお化けやなんかと闘うとかじゃなく、最もポピュラーな社会悪と闘うという形にしたい」という考えがあったという。1971年当時、大都市圏では光化学スモッグによって児童生徒が集団で倒れる事件も相次ぎ、劇中で描かれるヘドラの猛威は、現実と重なるリアルさをもって描かれていた。劇伴音楽もこの公害の猛威を強調する意図で作られたが、作曲担当の[[眞鍋理一郎]]はおとなしい人柄で、坂野は「曲調をもっと強く」とかなりあおって作曲してもらったという。<br />
<br />
坂野は[[馬淵薫]]と共同作業で脚本を執筆しているが、物語の基本的な構想は、すべて坂野の意向が反映されたものとなっており、「ヘドロの中から成長していく」というヘドラの設定については、「ゴジラが放射能から出てきたのと同じ発想があった」と語っている。また、坂野は本作の主題歌「かえせ!太陽を」の作詞も手掛けているが、この歌の「鳥も魚もどこへ行ったの」や「野も山も黙っちまった」などの詩文は、当時アメリカの反公害運動のテキストだった『[[沈黙の春]]』（著：[[レイチェル・カーソン]]）からイメージをとったものだった。<br />
<br />
== スタッフ ==<br />
=== 本編 ===<br />
* 製作：[[田中友幸]]<br />
* 脚本：[[馬淵薫]]、[[坂野義光]]<br />
* 音楽：[[眞鍋理一郎]]<br />
* 撮影監督：[[真野田陽一]]<br />
* 美術監督：[[井上泰幸]]<br />
* 録音：[[藤好昌生]]<br />
* 照明：[[原文良]]（劇中、テレビ画面に登場する赤ん坊は原の実孫である<ref name="オーディオコメンタリー">DVDオーディオコメンタリーでの中野昭慶の発言より。</ref>）<br />
* 編集：[[黒岩義民]]<br />
* チーフ助監督：[[津島平吉]]<br />
* 製作担当者：[[森本朴]]<br />
* 監督助手：[[川北紘一]]<br />
* 撮影助手：[[中尾成雄]]<br />
* スチール：[[田中一清]]<br />
* 整音：[[東宝録音センター]]<br />
* 現像：[[東京現像所]]<br />
* 監督：[[坂野義光]]（水中撮影も兼任）<br />
<br />
=== 特殊技術 ===<br />
* 特殊技術：[[中野昭慶]]<br />
* 特殊効果：[[渡辺忠昭]]<br />
* 造型チーフ：[[安丸信行]]<br />
* 操演：[[小川昭二]]<br />
* チーフ助監督：[[田淵吉男]]<br />
* 撮影助手：[[山本武 (撮影監督)|山本武]]<br />
* 美術助手：[[高木明法]]<br />
<br />
=== 特殊視覚効果 ===<br />
* 合成：[[土井三郎]]<br />
* 光学撮影：[[徳政義行]]<br />
<br />
== 主題歌 ==<br />
; [[かえせ! 太陽を]]<br />
: 作詞 - [[坂野義光]]／作曲 - [[眞鍋理一郎]]／編曲 - [[高田弘]]／歌 - [[麻里圭子]] with [[ハニー・ナイツ]] & ムーンドロップス<br />
<br />
== キャスト ==<br />
※映画クレジット順<br />
* 矢野徹：[[山内明]]<br />
* 矢野研：[[川瀬裕之]]<br />
* 矢野敏江：[[木村俊恵]]<br />
* 富士宮ミキ：[[麻里圭子]]（ビクター）<br />
* 毛内行夫：[[柴俊夫|柴本俊夫]]<br />
* 伍平爺さん：[[吉田義夫]]<br />
* ヘドラ：[[薩摩剣八郎|中山剣吾]]<br />
* ゴジラ・テレビ画面の民衆・下士官（3役）：[[中島春雄]]<br />
* 自衛隊幹部将校・鈴木<ref name="役名">役名はいずれも制服のネームプレートより。</ref>：[[鈴木治夫 (俳優)|鈴木治夫]]<br />
* 自衛隊技術将校・勝部<ref name="役名" />：[[勝部義夫]]<br />
* 学者：[[岡部正]]<br />
* 民衆：[[小川安三]]<br />
* 巡査：[[大前亘]]<br />
* 下士官：[[小松英三郎]]、[[宇留木康二]]<br />
* 通信員・由起<ref name="役名" />：[[由起卓也]]<br />
* ヘリのパイロット：[[権藤幸彦]]<br />
* 若者：[[剛たつひと|中沢治夫]]<br />
* 渡辺アナウンサー：[[渡辺謙太郎]]（[[TBSテレビ|TBS]]）<br />
* 岡部アナウンサー：[[岡部達]]（TBS）<br />
<br />
※以下ノンクレジット出演者<ref>{{Cite book |和書 |author = [[中野昭慶]] |author2 = 染谷勝樹 |year = 2014 |title = 特技監督 中野昭慶 |page = 448 |publisher = [[ワイズ出版]] |series = ワイズ出版映画文庫 |isbn = 978-4-89830-280-4 }}</ref><br />
* 麻雀の客：[[今井和雄]]、[[門脇三郎]]、[[篠原正記]]、[[桂伸夫]]<br />
* テレビ番組の民衆：[[草間璋夫]]、[[生方壮児]]<br />
* 工事現場のトビ職：[[加藤茂雄]]<br />
* 下士官：[[岡豊]]<br />
<br />
== 映像ソフト化==<br />
; [[VHS]]<br />
: 1986年に発売された。<br />
; [[レーザーディスク|LD]]<br />
: 1996年に発売された。<br />
; [[DVD]]<br />
: ジュエルケース版は2004年4月28日に発売された<ref name = "宇宙船112">{{Cite journal |和書|date=2004-05-01 |title=VisualRadar |journal=[[宇宙船 (雑誌)|宇宙船]] |volume=Vol.112 |issue=（2004年5月号） |page=67 |publisher=[[朝日ソノラマ]] |id=雑誌コード：01843-05}}</ref>。オーディオコメンタリーは[[中野昭慶]]<ref name = "宇宙船112" />。<br />
: 2008年3月28日発売のトールケース版「ゴジラ DVDコレクションIII」に収録されており、トールケースの単巻版も同時発売された。<br />
: 2005年4月22日発売の「GODZILLA FINAL BOX」にも収録されている。<br />
: 2014年5月14日には「ゴジラ60周年記念」として期間限定の廉価版も発売されている。<br />
: 2016年6月15日、＜東宝DVD名作セレクション＞版発売。<br />
; [[Blu-ray Disc|BD]]<br />
: 2014年7月16日に発売された。<br />
<br />
== 同時上映作品 ==<br />
* 『[[帰ってきたウルトラマン#映画|帰ってきたウルトラマン]]』<br />
* 『[[昆虫物語 みなしごハッチ]]』<br />
* 『[[いなかっぺ大将]]』<br />
* 『[[わらしべ長者]]』<br />
<br />
== 脚注 ==<br />
=== 注釈 ===<br />
{{Reflist|group="注"}}<br />
<br />
=== 出典 ===<br />
{{Reflist}}<br />
<br />
== 参考文献 ==<br />
* {{Cite book |和書<br />
|title = 東宝特撮映画全史<br />
|date = 1983<br />
|publisher = 東宝出版事業室<br />
|isbn = 4924609005<br />
|ref = harv<br />
}}<br />
* {{Cite book |和書<br />
|title = 大怪獣ゴジラ99の謎<br />
|author = [[青柳宇井郎]]<br />
|author2 = [[赤星政尚]]<br />
|date = 1993<br />
|publisher = [[二見書房]]<br />
|series = 二見wai wai文庫<br />
|isbn = 4576931644<br />
|ref = harv<br />
}}<br />
* {{Cite book |和書<br />
|title = 大ゴジラ図鑑<br />
|author = ヤマダマサミ<br />
|author2 = 岩崎百合子<br />
|author3 = 林慶樹<br />
|date = 1995<br />
|publisher = [[ホビージャパン]]<br />
|isbn = 4894250594<br />
|ref = harv<br />
}}<br />
* {{Cite book |和書<br />
|title = 大ゴジラ図鑑2<br />
|author = ヤマダマサミ<br />
|date = 1995<br />
|publisher = ホビージャパン<br />
|isbn = 4894251175<br />
|ref = harv<br />
}}<br />
* DVD『ゴジラ対ヘドラ』（東宝ビデオ）<br />
* DVD『ニッポン無責任野郎』（東宝ビデオ）<br />
*{{Cite book|和書<br />
|year = 2012<br />
|author = 監修：[[川北紘一]]<br />
|title = 平成ゴジラパーフェクション<br />
|publisher = [[アスキー・メディアワークス]]<br />
|series = DENGEKI HOBBY BOOKS<br />
|isbn = 978-4-04-886119-9<br />
}}<br />
*{{Cite book |和書 <br />
| author = 坂野義光<br />
| year = 2014<br />
| title = ゴジラを飛ばした男 改訂版<br />
| publisher = アットメディア<br />
| asin = B00M5KDOKG<br />
| ref = harv<br />
}}<br />
<br />
== 関連作品 ==<br />
* [[いろはの"い"]] - 東宝制作の事件記者ドラマ。本作のガスタンク爆発シーンがオープニングタイトルに流用されている。<br />
<br />
== 外部リンク ==<br />
* {{jmdb title|1971|cu002130|ゴジラ対ヘドラ}}<br />
* {{Allcinema title|86052|ゴジラ対ヘドラ}}<br />
* {{Kinejun title|19548|ゴジラ対ヘドラ}}<br />
* {{Japanese-cinema-db|11609|ゴジラ対ヘドラ}}<br />
* {{Movie Walker|mv19369|ゴジラ対ヘドラ}}<br />
* {{Eigacom title|36491|ゴジラ対ヘドラ}}<br />
* {{Amg movie|20101|Godzilla vs. the Smog Monster}}<br />
* {{IMDb title|0067148|Godzilla vs. the Smog Monster}}<br />
<br />
{{ゴジラ}}<br />
<br />
{{DEFAULTSORT:こしらたいへとら}}<br />
[[Category:ゴジラシリーズの映画作品|へとら]]<br />
[[Category:1971年の映画]]<br />
[[Category:地球外生命体を題材とした映画作品]]<br />
[[Category:環境保護を題材とした映画作品]]<br />
[[Category:公害を題材とした作品]]<br />
[[Category:静岡県を舞台とした映画作品]]<br />
[[Category:東宝チャンピオンまつり]]</div>
211.132.148.117
ゴジラvsキングギドラ
2018-07-16T02:18:02Z
<p>211.132.148.117: /* 概要 */ 検索してみると、どうやらソースはこれのようです（個人サイトのようなので、できればもっと公式なサイトで発表されたものが望ましいのですが）</p>
<hr />
<div>{{参照方法|date=2012年12月}}<br />
{{Infobox Film<br />
|作品名=ゴジラvsキングギドラ<br />
|原題=Godzilla vs. King Ghidora<!-- 輸出用タイトルではGhidoraです --><br />
|画像=<br />
|画像サイズ=<br />
|画像解説=<br />
|監督=[[大森一樹]] (本編)<br />[[川北紘一]] (特撮)<br />
|脚本=[[大森一樹]]<br />
|原案=<br />
|原作=<br />
|製作=<br />
|製作総指揮=[[田中友幸]]<br />
|ナレーター=<br />
|出演者=[[中川安奈]]<br />[[豊原功補]]<br />[[小高恵美]]<br />[[原田貴和子]]<br />[[佐々木勝彦]]<br />[[チャック・ウィルソン]]<br />[[小林昭二]]<br />[[佐原健二]]<br />[[山村聰|山村聡]]<br />[[西岡徳馬]]<br />[[土屋嘉男]]<br />
|音楽=[[伊福部昭]]<br />
|主題歌=<br />
|撮影=[[関口芳則]] (本編)<br />[[江口憲一]] (特撮)<br />[[大根田俊光]] (特撮)<br />
|編集=[[池田美千子]] (本編)<br />[[東島左枝]] (特撮)<br />
|製作会社=[[東宝映画 (企業)|東宝映画]]<br />
|配給=[[東宝]]<br />
|公開={{Flagicon|JPN}} [[1991年]][[12月14日]]<br />
|上映時間=103分<br />
|製作国={{JPN}}<br />
|言語=[[日本語]]<br />
|製作費=15億円<br />
|興行収入=<br />
|配給収入=14億5000万円<ref>{{映連配給収入|1992}}</ref><br />
|前作=[[ゴジラvsビオランテ]]<br />
|次作=[[ゴジラvsモスラ]]<br />
}}<br />
『'''ゴジラvsキングギドラ'''』（ゴジラたいキングギドラ、または、ゴジラ ブイエス キングギドラ）は1991年（平成3年）12月14日公開の[[日本]]の[[特撮映画]]。[[ゴジラ|ゴジラシリーズ]]の第18作、[[東宝]]創立60周年記念作品でもある。上映時間103分、カラー、[[ビスタビジョン]]（[[画面アスペクト比#パナビジョン|パナビジョン]]）。観客動員数は約270万人、配給収入は14億5000万円（1992年邦画配収第8位）を記録した。<br />
<br />
キャッチコピーは「'''世紀末、最大の戦いが始まった。'''」「'''お前だけには絶対負けない！'''」「'''12・14決戦！'''」。<br />
<br />
== 概要 ==<br />
前作『[[ゴジラvsビオランテ]]』の成績が伸び悩んだことから、当初は[[モスラ (架空の怪獣)|モスラ]]をメインに据えた『[[モスラVSバガン]]』が企画された。しかし東宝上層部はゴジラのほうが好成績を期待できると判断し、昭和ゴジラシリーズの人気怪獣で子供たちのリクエストが多かった[[キングギドラ]]が登場することとなった{{Sfn|岩畠寿明|小野浩一郎|1991|p=88}}{{Sfn|野村宏平|2004|p = 339}}。ゴジラとキングギドラの対決は、1972年公開のシリーズ第12作『[[地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン]]』以来19年ぶりで、1対1の対決はシリーズで本作のみである<ref name="東宝特撮映画大全集">{{Harvnb|東宝特撮映画大全集|2012|pp = 224 - 227}}</ref>。改題再上映版ではないオリジナル作品のタイトルとして、初めて「キングギドラ」が冠されている。ゴジラは本作で、前作の身長80メートルから100メートルに巨大化した。<br />
<br />
特撮撮影ではミニチェア・フル・セットではなく各シーン、各セットでの切り替えに合わせたミニチェア・セットとなった。第9スタジオで新宿副都心、福岡市街、札幌、綱走原野のセット、第7ステージでは海底、本編の MOTHER 内部の撮影{{Sfn|岩畠寿明|小野浩一郎|1991|pp=88 - 89}}と厚みを増す撮影となった。特に新宿での最終決戦には撮影用カメラが3台使用され、撮影当時に完成したばかりの[[東京都庁舎|東京都庁]]を舞台とする戦闘を展開して破壊し、造られた都庁ミニチェアは完成に1か月を要したうえにその高さは5メートルを超えたため、東宝特撮史上最高の[[石膏]]ビルとして大きな話題となった<ref name="パンフ">『ゴジラvsキングギドラ』劇場パンフレットより。</ref>。<br />
<br />
DVDの大森一樹のコメントによれば、23世紀の日本の増長や一企業の[[原子力潜水艦]]の所有などは、当時[[バブル経済]]真っ只中の日本がどこまで肥大化するかわからないことに対する不安と警鐘の意味合いがあったという。ただし、ちょうど公開時期を境にして日本は[[バブル景気#バブル崩壊|バブル崩壊]]により長期の不況に突入したので、現実との食い違いが生じている。また、一部の台詞で23世紀でも[[ソビエト社会主義共和国連邦|ソ連]]が存在することになっているが、劇場公開後に[[ソ連崩壊]]が起きている<ref group="注">ゴジラの特番で大森自身が時事的なものとして、自らネタにしている{{信頼性要検証|date=2016-09-25}}。</ref>。<br />
<br />
物語は、[[タイムトラベル]]を経てゴジラ誕生の歴史を変えようとするなど、ゴジラシリーズの中でも意外性に満ちている。また、ゴジラが放射能を浴びて怪獣になる前の「[[ゴジラ (架空の怪獣)#ゴジラザウルス|ゴジラザウルス]]」という恐竜も登場するなど、ゴジラ誕生の秘密が明らかになっている。<br />
<br />
本作品は東宝特撮で初めてタイムトラベルがストーリーの鍵となっていることが最大の特色であるが、[[タイムトラベル#タイムパラドックス|タイムパラドックス]]に矛盾が多く、その点において批判もある{{Sfn|野村宏平|2004|p = 339}}。後にタイムトラベルストーリーは、大ヒット映画『[[バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズ]]』からアイディアを流用したと関係者は語っている{{要出典|date=2016-09-25}}。本作はこのほかにも、「人間そっくりの[[人造人間|アンドロイド]]」（『[[ターミネーター (映画)|ターミネーター]]』<ref name = "パーフェク">{{Harvnb|平成ゴジラパーフェクション|2012|p=31}} 「ゴジラVSキングギドラアートワークス」。</ref>）や「クライマックスにロボットで戦うヒロイン」（『[[エイリアン2]]』）{{Sfn|野村宏平|2004|p = 339}}{{refnest|group = "注"|エミー・カノー役の中川安奈は演技で『[[エイリアン (映画)|エイリアン]]』の[[シガニー・ウィーバー]]も意識したという<ref>{{Harvnb|平成ゴジラパーフェクション|2012|pp=32 - 33}} 「キャストインタビュー 中川安奈」。</ref>。}}、「「スピルバーグ少佐」なる人物の登場」など、[[ハリウッド]]のSF映画から影響を受けた場面も多岐にわたり見受けられる。<br />
<br />
なお、プロットでのタイトルは『キングギドラVSゴジラ（仮題）』とされており、脚本内のタイトル登場場面では『ゴジラ3』と表記されていた<ref>[http://www.cyberkids1954.com/toho_script.html １９５４-２００４ 『東宝特撮の世界』篇] - 電脳小僧の特撮映画資料室</ref>。<br />
<br />
== ストーリー ==<br />
1992年7月、東京上空に巨大な[[未確認飛行物体|UFO]]が突如飛来。やがてUFOは富士山麓に着陸し、23世紀の地球連邦機関の使者を名乗るウィルソン、グレンチコ、エミーの3人が姿を現した。彼らはノンフィクションライターである寺沢健一郎が著書『ゴジラ誕生』の中で記した、「ラゴス島に生息していた[[恐竜]]が、1954年に[[ビキニ環礁]]で行われた[[核実験]]によりゴジラへと変異した」との仮説に基づき、「恐竜が核実験に遭遇する前に別の場所に移動させ、ゴジラの存在自体を抹殺する」という計画を提案する。日本政府はこれを受諾し、寺沢、国立超科学研究センターの三枝未希、古生物学者の真崎洋典は、未来人のエミー、アンドロイドのM11と共に、タイムマシン'''KIDS'''で1944年の[[マーシャル諸島]]・ラゴス島にタイムスリップする。彼らが目撃したのは、恐竜'''ゴジラザウルス'''であった。ゴジラザウルスは自身の縄張りを荒らした米軍に襲いかかり、結果的に新堂靖明率いる日本軍ラゴス島守備隊を窮地から救ったが、[[艦砲射撃]]に傷つき倒れ伏した。新堂らが撤退したあと、寺沢らは物質転送装置で瀕死のゴジラザウルスを[[ベーリング海]]に転送した。これにより、ゴジラは歴史から完全に抹殺されたものと思われた。しかし、寺沢たちが戻ってきた1992年の日本は、新たに出現した三つ首の巨大怪獣[[キングギドラ]]の脅威に晒されていた。<br />
<br />
23世紀の日本はアメリカ、ソ連、中国を凌駕する超大国に肥大し、圧倒的な軍事力と経済力で世界の国々を隷属させていた。そこで国力の格差是正を目指すグループに属するウィルソンらは、コントロール可能な怪獣キングギドラを使って20世紀の日本を脅迫し、23世紀の日本を弱体化させようと企んでいたのである。キングギドラは[[福岡市|福岡]]に飛来し、周辺一帯を壊滅させた。一方、日本人の血を引くエミーは祖国の惨状に衝撃を受け、以後寺沢たちに内通するようになった。<br />
<br />
この危機に対し、巨大コンツェルン'''帝洋グループ'''の総帥で、かつてゴジラザウルスに命を救われた新堂は、ゴジラを復活させるべく、東南アジア某国に隠し持つ核搭載型[[原子力潜水艦]]'''むさし2号'''をベーリング海に派遣しようと企てる。そんな中で未希は、テレパシー能力によってベーリング海にゴジラザウルスとは異なる巨大な影を感知していた。ゴジラザウルスは、不法遺棄された核燃料の影響で既にゴジラへ変異していたのだ。復活したゴジラはむさし2号を撃沈し、[[北海道]]の原野でキングギドラと会敵する。「奴はもう一度、我々のために戦ってくれる……」と呟く新堂。ウィルソンの操るキングギドラにゴジラは苦戦を強いられるが、造反したエミーがキングギドラのコントロール装置を破壊すると形成が逆転、ゴジラはキングギドラを[[オホーツク海]]に沈め、ウィルソンのUFOも破壊する。しかしゴジラは日本に牙を向くかの如く、今度は首都[[東京]]への侵攻を開始した。<br />
<br />
寺沢達はゴジラの脅威から日本を救うために、キングギドラを23世紀の技術で再生し、再度ゴジラと戦わせるという計画を思いつく。計画を実行するためにエミーは帰還を約束して未来へと帰っていった。ゴジラに破壊し尽くされた23世紀の日本は最貧国となっていたが、オホーツク海ではキングギドラもわずかながら生命力を残していた。<br />
<br />
首都を蹂躙するゴジラは新宿の帝洋グループ本社ビルに接近。独り残る新堂を目の当たりにしたゴジラは一瞬沈黙するが、巨大な咆哮とともにビルを新堂もろとも破壊する。なおも侵攻を続けるゴジラの前に、時空を超えて再生を遂げたメカキングギドラがその姿を現した。<br />
<br />
== 登場怪獣 ==<br />
* [[ゴジラ (架空の怪獣)#『ゴジラvsキングギドラ』以降|ゴジラ]]（演 - [[薩摩剣八郎]]）<br />
** 体長：100メートル、体重：6万トン。<br />
*: 作中の進行ルート：ベーリング海→北海道→新宿→小笠原近海<br />
* [[ゴジラ (架空の怪獣)#ゴジラザウルス|ゴジラザウルス]]（演 - [[福田亘]]）<br />
* [[キングギドラ#超ドラゴン怪獣キングギドラ|キングギドラ]]（演 - [[破李拳竜]]）<br />
*: 作中の進行ルート：太平洋→福岡市→広島市→四日市→北海道→オホーツク海<br />
* [[キングギドラ#メカキングギドラ|メカキングギドラ]]<br />
*: 作中の進行ルート：新宿→小笠原近海<br />
* [[キングギドラ#ドラット|ドラット]]。<br />
<br />
== 登場人物 ==<br />
; エミー・カノー<br />
: 本編の主人公。23世紀・地球均等環境会議の穏健派メンバー。25歳。日本人女性で、1992年に MOTHER でウィルソンやグレンチコらと共にタイムワープしてやって来た。当初は現代人への警告名目でウィルソン達に同行し、ゴジラを抹殺する作戦に協力した。しかし、新たに出現させたキングギドラで、現代の日本を攻撃して国力を消耗させようとするウィルソン達に反発し、寺沢達に協力する。<br />
: 自分を力ずくで連れ戻そうとしたM11に野次をぶつけまくりながら追い払おうとしたり、メカキングギドラに乗り込んでゴジラに戦いを挑むなど、気丈でアクティブな女性である。<br />
: 実は、後述する寺沢の子孫である。本編では寺沢本人に言うことはなかったが、ノベライズ版では別れの直前に画面越しに述べている。<br />
: ノベライズ版では、寺沢と千晶の結婚パーティーにコッソリ現れ、受付に自分と母親の写真が入ったペンダントを千晶に渡すように頼んだ。<br />
; 寺沢 健一郎<br />
: [[超常現象]]専門のノンフィクションライター。33歳。「[[太平洋戦争]]時代に恐竜を見た」というネタを追っていくうちに、ゴジラ誕生の仮説を立て『ゴジラ誕生』という本で出版しようとしたことから、今回の一件に深く関わっていく。<br />
: 都会の外れに自らが書いた[[超能力]]の本での収入で建てた一軒家に住んでいるクールな青年ライターだが、ウィルソンを殴り合いで倒すほど、血気盛んで腕っ節も強い。<br />
: 結局、『ゴジラ誕生』は記録に残るほど話題にはならなかったが、ノベライズ版ではエミーが歴史をいじったため、国際的な大ベストセラーとなった。<br />
; 三枝 未希<br />
: 超能力者で国立超科学研究センターのゴジラチームのメンバー。20歳。[[ビオランテ]]との戦いで日本海に追われたゴジラを2年以上監視し続けていた。<br />
: 今回はゴジラ監視だけでなく、1944年のラゴス島へエミーや寺沢達と共にタイムワープしゴジラザウルスに遭遇するという体験をする。超能力を使用する場面は少ないが、今作でもベーリング海でうごめくゴジラを感知している。<br />
; 森村 千晶<br />
: 雑誌『[[ムー (雑誌)|ムー]]』の編集記者で、寺沢の恋人。29歳。寺沢と共に、真崎や新堂の元を尋ねて取材を行う。ゴジラやキングギドラの一連の事件には直接関わっていないが、ラストシーンで23世紀へ帰るエミーが乗る KIDS を寺沢と2人で見送る。<br />
: 本編ではエミーとの血縁関係ははっきりしていないが、ノベライズ版ではエミーの母親が千晶と瓜二つであり、２人の血縁関係が示唆されている。<br />
; 土橋 竜三<br />
: [[内閣安全保障室]]室長。50歳。保障室内にGルームを再編成した中心人物で、想像を超える2大怪獣の対策に就く。キングギドラに対抗するため、ゴジラを再び誕生させてはと提案してしまう一幕もあったが、自身で決行するには至らない。<br />
: 次作『[[ゴジラvsモスラ]]』では国家環境計画局に出向する。<br />
; 真崎 洋典<br />
: [[古生物学|古生物学者]]で東都大学古生物学教授（ノベライズ版では、寺沢の大学の先輩でもある）。48歳。穏やかな人柄で、恐竜を専門とし、一部の恐竜は6550万年前の大量絶滅を生き延びたとする恐竜生存説を提唱している。寺沢の取材を受けたことから、寺沢や未希と共にゴジラ抹殺作戦に参加することとなる。その後も、国立超科学研究センターに出向して協力する。<br />
; ウィルソン<br />
: 23世紀人で地球均等環境会議の過激派メンバー。40歳。20世紀の日本の国力を消耗させる作戦を遂行するため、地球連邦機関の MOTHER を奪い、1992年にグレンチコ達と共にやってきた。日本の将来を救うためと偽りゴジラを歴史から抹殺した後、自分達が操るキングギドラで日本を攻撃する。エミーの裏切りにより作戦は失敗するが、それを笑い飛ばし「キングギドラはもういらない。我々の目的はゴジラが達してくれる」と言い放つ（現に歴史改変後の23世紀では日本はゴジラにより滅ぼされ最貧国となっていた）。<br />
: 最期はエミー達に殴り飛ばされた後、MOTHER ごと網走にいるゴジラの目前に転送され、熱線で吹き飛ばされて死亡する。<br />
; 林田<br />
: [[内閣総理大臣]]。自らが中心となってウィルソン達と会談するが、彼らの本当の目的がキングギドラの力で現代の日本を支配することだと知ると、怒りをあらわにする。ノベライズ版では、新堂とは大学の同級生であり本編でも交流があり、映画より登場が多い。<br />
; 池畑 益吉<br />
: 博多で焼き鳥屋台「らごす」を営む老人。太平洋戦争中は新堂の部下の日本兵で、ラゴス島にてゴジラザウルスに遭遇する。その時の経験を博覧会「恐竜ワールド」で勝手に抗議・演説したことを機に、寺沢の取材を受ける。<br />
: 「らごす」の屋台には東宝映画『[[連合艦隊 (映画)|連合艦隊]]』のポスターが飾られている。<br />
; グレンチコ<br />
: 23世紀人で地球均等環境会議の過激派メンバー。30歳。ウィルソンの相棒的存在で、共にキングギドラを操る。ゴジラ復活を知り、20世紀の人類を「愚かな時代だ。救いようのない原始人どもだ」と評する。<br />
: 最期はウィルソンと共にエミー達に殴り飛ばされた後、MOTHERごと網走のゴジラの目前に転送され、熱線で吹き飛ばされて死亡する。<br />
; M11<br />
: [[アンドロイド]]。見た目は表情まで変えられる外国人だが、機械の操作、戦闘等で人間を大きく超えた能力を発揮する。英語と少々片言の日本語で会話する。表面は焼かれるが、炎の中でも活動可能。<br />
: 物語前半ではウィルソンの手先として暗躍するが、途中でエミーによりプログラムディスクを交換され、彼女の力強い仲間となる。終盤では、その[[人工知能|AI]]のみがメカキングギドラのコクピットである KIDS の操縦席に搭載される。<br />
: 作中、車の爆発に巻き込まれて機械が露出するシーンは[[特殊メイク]]で撮影されたが、エミーがディスクを交換するシーンでは演者そっくりの人形が用いられた。<br />
; 藤尾 猛彦<br />
: [[物理学者]]で国立超科学研究センター所長。45歳。突如出現した MOTHER に対する会議に参加したことで、内閣安全保障室に協力する。常識人で、新堂がベーリング海へ原潜を向かわせたと知った際には彼を強く非難している。<br />
: ゴジラが復活してキングギドラを一度倒した後はGルームを退席するが、一連の事件を寺沢達と最後まで見送る。<br />
; 新堂 靖明<br />
: 帝洋グループ会長。75歳。「恐竜博士」を自称する部類の恐竜マニアだが、太平洋戦争中は[[大日本帝国陸軍|日本陸軍]][[少佐]]、ラゴス島守備隊隊長だった。部隊はアメリカ軍の猛攻の前に[[玉砕]]寸前だったが、戦闘中に現れたゴジラザウルスがアメリカ軍を蹴散らしたために事実上救われ、ラゴス島撤退直前には傷ついたゴジラザウルスに涙を流しながら謝意と敬礼を送る。復員後は帝洋グループを創設して日本を経済大国として復興させたが、自らの企業に[[原子力潜水艦]]を所有させてしまうなど、その企業倫理は破綻していた。改変前の未来では、帝洋グループは世界最大の企業グループになっていた。<br />
: キングギドラへの対抗手段としてゴジラを復活させるため、前述の原潜をいち早くベーリング海へ向かわせる。自分を救ったゴジラザウルス＝ゴジラを「救世主」と半ば神聖視していたが、やがて自らの認識錯誤を悟り、新宿の本社ビルに1人残ってゴジラと再会。見つめ合い、幾度かのうなずきの後に放射熱線を受け爆死する（ゴジラもすぐには熱線を吐かず、新堂を凝視し咆哮を上げた末に熱線を吐いた）。<br />
<br />
== 登場兵器・メカニック ==<br />
=== 架空 ===<br />
; 未来<br />
:; MOTHER（マザー）<br />
:: 地球連邦機関が開発した巨大円盤型[[タイムマシン]]。<br />
:: 外観は[[きのこ雲]]に似た[[円盤]]型で当初は[[未確認飛行物体|UFO]]として認識された。元々は'''地球連邦機関 (EUO) '''の所有と思われ、ウィルソン等「'''地球均等環境会議'''」が強奪した模様。船内には西洋人風の武装アンドロイドが多数警備にあたり、KIDS やスカイモビル、フライングスクーター{{refnest|group ="注"|劇中未登場の一人乗り小型飛行マシーン。デザイン画では[[スクーター]]風の形状であった{{Sfn|岩畠寿明|小野浩一郎|1991|p=101}}<ref name = "パーフェク" />。}}等が収容できるパーキングドームをはじめ、三次元映像投影装置、エントランス中央の天井にはメインルームに通じる上階の通路へ乗員を上昇させる光を照射する装置など、現代の科学力を遥かに超えた設備を持つ。KIDS を搭載し、防御用の[[シールド (サイエンス・フィクション)|バリア]]も備えている。また、緊急時には20分後に元の時代に戻ることができる緊急避難装置がある。<br />
:: ウィルソンらに反旗を翻し、現代人側についたエミー達の手で日本政府の政治を代行させるコンピュータを破壊された上、ゴジラの目の前に転送される。緊急避難装置は作動したが、[[タイムトラベル|タイムワープ]]の直前に転送が完了し、ゴジラの熱線によって破壊される。<br />
::* 全長：100メートル<br />
:<br />
:; KIDS（キッズ）<br />
:: 地球連邦機関が開発した3次元プロジェクターを持った小型タイムマシン。乗員数5名。普段は MOTHER のパーキングドームに収容されている。<br />
:: [[潜望鏡]]のようなテレビカメラにより艇外を偵察。機体前部には他の物体を別の場所に移送させるテレポートビームが発射されるパラボラヘッドが内蔵されている。この移送は生物も可能だが、動かない状態であることが必要とされる。<br />
:: 後にメカキングギドラのコクピットに改造される。<br />
:<br />
:; 深海調査艇<br />
:: 地球連邦機関所属の潜水艇で、3人乗り。エミーとM11、モールズが搭乗して、ゴジラに敗れ負傷し、オホーツク海に沈んだキングギドラの調査に向かう。<br />
:: ミニチュアは『[[日本沈没]]』に登場した[[わだつみ#『日本沈没』に登場したわだつみ|わだつみ]]の流用{{Sfn|岩畠寿明|小野浩一郎|1991|p=57}}。MOTHER、KIDS に合せたデザインも描かれていたが未使用に終わった{{Sfn|岩畠寿明|小野浩一郎|1991|p=98}}。<br />
:<br />
:; BABY<br />
:: バックパック型飛行ユニット。使用者はこれを背負い同時に安全面も考慮してヘルメットを被り、手にした専用リモコンを操作することで、空中浮遊し低速移動出来る。劇中ではエミー、M11、寺沢が使用する。<br />
:: 脚本では一人乗り飛行マシーンのフライングスクーターが登場予定であった{{Sfn|岩畠寿明|小野浩一郎|1991|p=101}}。<br />
:<br />
:; レーザーガン<br />
:: MOTHER 内を警備する武装アンドロイドたちが装備する光線銃。赤いレーザーを発射するハンドガンタイプと、青いレーザーを発射するライフルタイプの2種類があり、前者はM11とエミー、後者は寺沢が使用している。<br />
<br />
; 現代<br />
:; むさし2号 <br />
:: 帝洋グループが、日本が何らかの理由で核汚染した際に核シェルター代わりに極秘建造した[[原子力潜水艦]]。[[核ミサイル]]を搭載している。常時は東南アジアの軍事施設に保管され、乗組員は軍事訓練を受けた帝洋社員が搭乗している。未来人の策謀により、ベーリング海に転送された「ラゴス島の[[恐竜]]（＝[[ゴジラ (架空の怪獣)#ゴジラザウルス|ゴジラザウルス]]）」をゴジラとして復活させようとしたが、同海域で起きたソ連の'''大型原子力潜水艦'''の沈没事故による核燃料漏れにより怪獣として復活していたゴジラに遭遇し撃沈され、ゴジラは更に核エネルギーを吸収、強大化する。<br />
:: 劇中では「むさし」の名は使われず、「'''オペレーションG'''」と呼ばれている。小説版での艦名は帝洋コンツェルン総帥・新堂靖明の名をもじった「'''神童'''」となっている。<br />
:: 当初ミニチュアが新造される予定だったが、予算の都合により1984年公開の『[[ゴジラ (1984年の映画)|ゴジラ]]』で使用されたソ連原子力潜水艦を若干修正し再利用された{{Sfn|岩畠寿明|小野浩一郎|1991|pp=55, 101}}。<br />
::大森の当初の構想では「日本が実は核兵器を保有しており、日本の核で恐竜がゴジラになる」という案であった。しかし、これを知った田中友幸は「（被爆国の）日本が核兵器を持つとは何事だ」と反対意見を述べたため、日本国外に一企業が核を保有するという設定に変更になった。これに田中も「日本国内には無いんだな」と確認した上で同意したという。<br />
:; 92式メーサー戦車<br />
:: {{Main|メーサー兵器#92式メーサー戦車}}<br />
<br />
=== 実在 ===<br />
; 自衛隊<br />
* [[74式戦車]]<br />
* [[61式戦車]]<br />
* [[82式指揮通信車]]<br />
* [[73式装甲車]]<br />
* [[73式大型トラック#初期型(SKW-440~441)|73式大型トラック]]<br />
* [[73式中型トラック]]<br />
* [[73式小型トラック#旧型（1973-1997年）|73式小型トラック]]<br />
* [[三菱・ジープ|1/4tトラック]]<br />
* [[中砲けん引車]]<br />
* [[偵察用オートバイ]]<br />
* [[75式ドーザ]]<br />
* [[75式自走155mmりゅう弾砲]]<br />
* [[75式130mm自走多連装ロケット弾発射機]]<br />
* [[67式30型ロケット弾発射機]]<br />
* [[M110 203mm自走榴弾砲|203mm自走りゅう弾砲]]<br />
* [[FH-70|155mmりゅう弾砲FH-70]]<br />
* [[地対空ミサイル|地対空誘導弾]][[パトリオットミサイル|ペトリオット]]（名称のみ）<br />
* [[はるな型護衛艦]]「[[ひえい (護衛艦)|ひえい]]」<br />
* [[たかつき型護衛艦]]「[[たかつき (護衛艦)|たかつき]]」（名称のみ）<br />
* [[F-15 (戦闘機)|F-15J]][[戦闘機]]<br />
* [[OH-6 (航空機)#日本での採用|OH-6D]][[偵察機|観測ヘリコプター]]<br />
* [[SH-3 シーキング#対潜哨戒型|HSS-2B]][[対潜哨戒機#哨戒ヘリコプター|哨戒ヘリコプター]]<br />
* [[M16自動小銃#M16A1(603)|M16A1自動小銃]]<br />
<br />
; 大日本帝国陸軍<br />
* [[九九式軽機関銃]]<br />
* [[三八式歩兵銃]]<br />
<br />
; アメリカ軍<br />
* [[LVT#派生型|LVT(A)-4]][[水陸両用車|水陸両用トラクター]]<br />
* [[あきづき型護衛艦 (初代)|あきづき型特務艦]]「[[あきづき (護衛艦)|あきづき]]」（米艦役）<br />
* [[ネバダ級戦艦]]<br />
* [[バズーカ#M20“スーパー・バズーカ”|M20スーパーバズーカ]]<br />
* [[ブローニングM1919重機関銃#派生型|M1919A4重機関銃]]<br />
* [[M1カービン]]<br />
* [[M3サブマシンガン]]<br />
* [[トンプソンM1短機関銃]]<br />
* [[マークII手榴弾]]<br />
<br />
== 設定 ==<br />
; 国立超科学研究センター<br />
: 藤尾が所長を務める組織。ゴジラを監視・研究する「ゴジラチーム」を編成し、防衛庁と連携して対G兵器の研究開発も行っている。<br />
: 後に人員の多くが国連G対策センターに統合され、対ゴジラ専門機関として発展する。<br />
; 内閣安全保証室Gルーム<br />
: 土橋が中心となって再建された日本政府のゴジラ対策のための総本部。前作『ゴジラvsビオランテ』の同名の部署より規模が拡大したため専用の司令室を持つようになり、有事の際には防衛庁長官や幕僚長らもここの席に着き、指揮を執る。<br />
; 帝洋グループ<br />
: [[太平洋戦争]]後、新堂が創設した巨大コンツェルンで、新宿に本社屋を構える。戦後、日本経済を立て直し、大きく発展させたと言われており、むさし2号を東南アジアの軍事施設に保管するほどの規模を誇る。<br />
: 歴史が改変されなければ、23世紀にはさらに巨大な力を振りかざし、右に出る者がいないほど肥大化しているとエミーが寺沢に語っている。しかし復活したゴジラにより、新宿の本社屋は新堂を巻き込んで破壊されてしまう。<br />
:; 恐竜ワールド<br />
:: 福岡県のシーサイド公園で開かれた帝洋グループ主催の恐竜博覧会で、ここで池畑が許可なく抗議・演説を行ったことで寺沢の関心を引く。<br />
:: 外観は、当時[[シーサイドももち]]にあった西部ガスミュージアム（2003年3月に閉鎖）で撮影されている。<br />
; ラゴス島<br />
: [[太平洋]][[マーシャル諸島]]の[[ルオット島]]と[[クェゼリン島]]に挟まれた小さな架空の島。第二次世界大戦中にゴジラの前身であるゴジラザウルスが住んでおり、攻め込んで来たアメリカ軍や、本島の日本軍守備隊だった新堂と池畑たちに目撃されている。<br />
: 池畑が博多で営んでいる「らごす」の名は、この島から採ったものと思われる。<br />
; 23世紀の地球<br />
: エミーの話によると、ゴジラは23世紀まで出現しておらず、21世紀、日本は経済大国となり、[[南アメリカ]]や[[アフリカ]]といった赤字国の国土まで買収して領土を拡張。22世紀末にはアメリカ・ロシア<ref group="注">劇中では「ソビエト」と呼称している。</ref>・中国以上の国土を持つ地球一の大国となる。また、核兵器は21世紀末に地球上から全て破棄され、各国は武力で日本の暴走を抑えられなくなったという。<br />
: しかし、現代においてキングギドラの出現やゴジラの復活といったウィルソンらの干渉で歴史が改変してしまい、ウィルソンらを倒した後にエミーらが一度23世紀に帰還した時には、日本は繁栄に溺れた末に怪獣によって滅ぼされ最貧国になったとモールズが明かしている。<br />
:; 地球連邦機関<br />
:: 英語表記は'''EUO（Earth Union Organization）'''。23世紀の地球統合機関。しかし、この組織ですら日本の肥大化は止められなかった。20世紀の日本の国力を消耗させる作戦を計画したウィルソンらによって MOTHER を奪取されている。また、改変されてしまった23世紀ではキングギドラをサイボーグ化させる。<br />
:; 地球均等環境会議<br />
:: 23世紀の国家間の力の極端な差を無くすことを目的とする運動グループ。世界中から穏健派・過激派までさまざまなメンバーが参加している。<br />
<br />
== キャスト ==<br />
* エミー・カノー：[[中川安奈]]<br />
* 寺沢健一郎：[[豊原功補]]<br />
* 三枝未希：[[小高恵美]]<br />
* 森村千晶：[[原田貴和子]]<br />
* 土橋竜三：[[小林昭二]]<br />
* 真崎洋典：[[佐々木勝彦]]<br />
* ウィルソン：[[チャック・ウィルソン]]<br />
* 林田：[[山村聰|山村聡]]<br />
* レポーター<ref name="TOHO_MOOK">役名は『東宝SF特撮映画シリーズVOL.6 ゴジラvsキングギドラ』掲載のシナリオに準拠。</ref>：[[時任三郎]]<br />
* ゲストコメンテーター：[[矢追純一]]<br />
* アメリカ海軍大佐：[[ケント・ギルバート]]<br />
* ラゴス島アメリカ軍少佐（スピルバーグ）：[[ダニエル・カール]]<br />
* アメリカ海軍副官：[[ジェフ・バーグランド]]<br />
* モールズ：[[東銀之介]]<br />
* カメラマン<ref name="TOHO_MOOK" />：[[森末慎二]]<br />
* 国立超科学研究センター所員：[[風見しんご]]<br />
* 新堂の秘書：[[吉満寛人|吉満涼太]]<br />
* 防衛庁長官：[[佐原健二]]<br />
* 航空幕僚長（高岡冬樹{{refnest|name = "DENGEKI"|group = "注"|役名は小道具の名札に記載<ref>{{Harvnb|平成ゴジラパーフェクション|2012}} p.146「平成ゴジラバーニング・コラム」。</ref>。}}）：[[黒部進]]<br />
* 統合幕僚会議議長：[[仙波和之]]<br />
* 陸上幕僚長（志村武雄<ref name="DENGEKI" group = "注" />）：[[荻原賢三]]<br />
* 海上幕僚長（平田大輔<ref name="DENGEKI" group = "注" />）：[[辰馬伸]]<br />
* ラゴス島日本軍軍曹：[[渡辺哲]]<br />
* 自衛隊情報処理室員：[[小木茂光]]、[[坂田祥一郎]]、[[井上康]]、[[秋田宗好]]<br />
* M101：[[マイケル・フォキャノン]]<br />
* M102：[[マーク・フォキャノン]]<br />
* ニュースキャスター：[[藤本修子]]<br />
* 池畑益吉：[[上田耕一]]<br />
* グレンチコ：[[リチャード・バーガー]]<br />
* M11：[[ロバート・スコット (俳優)|ロバート・スコット・フィールド]]<br />
* 藤尾猛彦：[[西岡徳馬]]<br />
* 新堂靖明：[[土屋嘉男]]<br />
<br />
== スタッフ ==<br />
* 製作：[[田中友幸]]<br />
* 脚本・監督：[[大森一樹]]<br />
* 特技監督：[[川北紘一]]<br />
* 音楽監督：[[伊福部昭]]<br />
* プロデューサー：[[富山省吾]]<br />
* 撮影：[[関口芳則]]<br />
* 美術：酒井賢<br />
* 録音：宮内一男<br />
* 音響効果：伊藤進一（[[東洋音響カモメ]]）<br />
* 照明：粟木原毅<br />
* 編集：池田美千子<br />
* 助監督：[[米田興弘]]<br />
* 製作担当者：[[徳増俊郎]]<br />
* 特殊技術<br />
** 撮影：[[江口憲一]]、[[大根田俊光]]<br />
** 美術：[[大澤哲三]]<br />
** 照明：斉藤薫<br />
** 特殊効果：[[渡辺忠昭]]<br />
** 造型：[[小林知己]]、[[品田冬樹]]、[[村瀬継蔵]]<br />
** 繰演：松本光司<br />
** 助監督：[[鈴木健二 (特撮監督)|鈴木健二]]<br />
** 製作担当者：小島太郎<br />
* 協力：[[防衛省|防衛庁]]<ref group="注">東部方面総監部の他に中盤での撮影地が北海道（網走方面）であった関係で[[美幌駐屯地]]もクレジットされている。</ref><br />
* 協賛：[[生活協同組合|エフコープ生活協同組合]]、メンバーズ博多チェックメイト<br />
* 制作協力：[[東宝映像美術]]<br />
* 製作協力：[[ファーストウッド・エンターテインメント]]<br />
* [[東宝映画 (企業)|東宝映画]]作品<br />
* 配給：[[東宝]]<br />
<br />
== 作品解説 ==<br />
=== スタッフ ===<br />
前作に引き続き脚本と監督には[[大森一樹]]が起用され、[[特撮監督|特技監督]]には[[川北紘一]]。<br />
<br />
今回の目玉は音楽。前々作、前作ではシリーズ刷新の意味合いも込めて当時の人気作曲家が映画音楽を担当したが、「やはり最も有名なテーマを超えるものを造るのは難しいので、やってもらおう」という意向から<ref>東宝SF特撮シリーズSPECIAL EDITION『ゴジラ FINAL WARS』CD-ROM付き特別プログラム より</ref>、本作では『[[メカゴジラの逆襲]]』以来16年ぶりに音楽を[[伊福部昭]]が担当した。ゴジラのテーマ曲が前面に押し出されたほか、キングギドラのテーマ曲や『[[宇宙大戦争]]』『[[キングコング対ゴジラ]]』『[[怪獣総進撃]]』で用いられた旋律が伊福部自らによる編曲を経て再び用いられている。例外的に、戦闘機がキングギドラを追撃するシーンで、前作同様にアルバム『OSTINATO』から「ラドン追撃せよ」が流用された<ref>{{Cite web |url = http://www.thm-store.jp/cnts/st01.html |title = サウンドトラック＞ゴジラ |publisher = 東宝ミュージック |accessdate = 2015-09-18 }} ゴジラ・サウンドトラック・パーフェクトコレクション BOX4, BOX5</ref> が、これは監督の意図が自衛隊主体のシーンだったのに対して伊福部がギドラの主題を用意していたため、新たに作曲し直す時間がなかったことによる。また、伊福部は引き受ける条件として当時すでに廃れていた「撮影所でフィルムを上映しながら録音する」という方法を要望し<ref>{{Cite journal |和書|date=2005-05-01 |journal=[[宇宙船 (雑誌)|宇宙船]] |volume=Vol.118 |issue=（2005年5月号） |publisher=[[朝日ソノラマ]] |page=81 |title=ゴジラ映画の音楽 その3 |id=雑誌コード：01843-05 }}</ref>、大型ステージを貸しきってオーケストラの録音を再度実行するという、非常に手間のかかるレコーディング作業が行われた。<br />
<br />
=== 配役 ===<br />
ヒロインの[[中川安奈]]を筆頭に、主要メンバーには前作でサブキャストだった[[豊原功補]]と[[佐々木勝彦]]に[[原田貴和子]]と前作に引き続き三枝未希の[[小高恵美]]が固める。悪役の未来人及びアンドロイドを[[チャック・ウィルソン]]、[[リチャード・バーガー]]、[[ロバート・スコット (俳優)|ロバート・スコット・フィールド]]ら外国人が担当。それらに班参戦の[[西岡徳馬]]と『[[ウルトラマン]]』のムラマツ・キャップ役、『[[仮面ライダーシリーズ]]』の[[立花藤兵衛]]役などテレビ特撮で著名な[[小林昭二]]が、ゴジラシリーズに初出演した。そして創立60周年にふさわしく東宝特撮映画の顔である[[土屋嘉男]]が『[[ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣]]』以来21年ぶり（ゴジラシリーズでは『[[怪獣総進撃]]』以来23年ぶり）に、[[佐原健二]]が『[[メカゴジラの逆襲]]』以来16年ぶりに出演している。<br />
<br />
==== その他の出演者 ====<br />
『[[ノストラダムスの大予言 (映画)|ノストラダムスの大予言]]』以来17年ぶりに[[山村聰]]が首相役を演じている。常連の[[上田耕一]]は軍人時代に恐竜を目撃した居酒屋の親父役を、その他、東宝特撮映画への出演は[[続・人間革命]]』以来15年ぶりとなる[[黒部進]]をはじめ、[[時任三郎]]、[[ケント・ギルバート]]、[[ダニエル・カール]]、ゴジラファンの[[森末慎二]]や[[風見しんご]]が主要部分でゲスト出演している。<br />
<br />
== 受賞 ==<br />
; [[第15回日本アカデミー賞]]<br />
* 特殊技術賞（特別賞）：川北紘一<br />
; 第11回[[藤本賞]]<br />
* 藤本賞：田中友幸「ゴジラ」他製作<br />
; 第10回[[ゴールデングロス賞]]<br />
* 日本映画部門：優秀銀賞<br />
<br />
== 備考 ==<br />
{{雑多な内容の箇条書き|date=2012年4月|section=1}}<br />
* 避難する住民のシーンに、一部過去の作品の映像が流用され組み込まれている。<br />
** キングギドラが福岡を攻撃し、避難するシーン - 1989年公開の『[[ゴジラvsビオランテ]]』でゴジラが大阪を襲う可能性が高まり避難するシーンの一部。<br />
** ゴジラが札幌を襲う可能性が高まり避難するシーン - 1984年公開の『[[ゴジラ (1984年の映画)|ゴジラ]]』でソ連の衛星から誤って核ミサイルが新宿へ向けて発射されたため地下へ避難するシーンの一部。<br />
** キングギドラが中京の[[石油コンビナート]]を破壊するシーン - 『[[東京湾炎上]]』の流用<ref>{{Harvnb|平成ゴジラパーフェクション|2012|p=148}} 「平成ゴジラバーニング・コラム」No.010。</ref>。該当シーンはもともと絵コンテに存在しなかったが、絵コンテにはゴジラが[[東京湾]]に上陸して、コンビナートを破壊するシーンが存在する（こちらは撮影されていない）。<br />
<!-- *ゴジラとメカキングギドラが海へ落下するシーンでは、撮影スタッフの影が海面に映り込んでいる。 （必要な記述でしょうか？）--><br />
* 予算の都合でキングギドラの引力光線でビルが爆散するシーンの一部は[[石膏]]板に引き伸ばしたビルの写真を貼ったものを爆破しているが、件のカットは映画のヒット後に新たに作られたテレビの宣伝でもオンエアされた。<br />
* 新宿のビル群での決戦シーンでは[[新宿住友ビルディング|新宿住友ビル]]と[[新宿センタービル]]、[[新宿野村ビル]]、[[ヒルトン東京]]、[[KDDIビル]]、[[新宿グリーンタワー]]、[[東京医科大学病院]]がない（実写のシーンではもちろん存在している）。これは各シーン、各カット後にセットを切り替える美術設定にしたためである。<br />
* この映画に関しては、予想以上のヒットであったらしく、公開後にも新たな宣伝が行われ、前述のテレビのキングギドラの都市破壊シーンをメインにしたCMの他に新聞に掲載された、寺沢とエミーが銃を構える、怪獣映画には珍しい人間がメインのSF映画風の広告（モノクロ）も作られた。<br />
* 写真ポスターのゴジラとキングギドラの瞳は色が暗かったので描き加えられている。もともとはゴジラの生物感を出すために前作から引き続いて、白目が分かりにくくなっていたが、それがきっかけとなり次作以降のゴジラは[[虹彩]]が明るく、瞳が分かりやすいように造形されるようになった。<br />
* 本作のラゴス島での米軍描写について米国の[[退役軍人]]団体等からクレームがついた<ref>{{Cite book|和書|author = [[ウィリアム・M・ツツイ]]|translator = [[神山京子]] |title = ゴジラとアメリカの半世紀 |pages = {{要ページ番号|date=2015年2月}} |year = 2005 |publisher = [[中央公論新社]] |isbn = 978-4-12-003677-4 }}</ref> ほか、ゴジラ誕生の理由をアメリカの水爆実験と明言している点、さらに当時[[貿易摩擦]]で悪化していた対日感情からアメリカの配給会社も難色を示し、劇場公開されないどころか英語版すら製作されなかった<ref>デビット・キャリシャー「社会的に観たゴジラ映画 -日米を通して-（上）」 『[[福岡市総合図書館]]研究紀要』第4号 [[2004年]]</ref>。本作が米国で公開・ソフト化されたのは1998年になってからである。<br />
<br />
== 映像ソフト化==<br />
* DVDは2002年2月21日発売。<br />
** 2005年4月22日発売の「GODZILLA FINAL BOX」に収録されている。<br />
** 2008年4月25日発売のトールケース版「ゴジラ DVDコレクションIV」に収録されており、単品版も同時発売。<br />
** 2014年5月14日には「ゴジラ60周年記念版」として期間限定の廉価版が発売。<br />
** 2016年6月15日、＜東宝DVD名作セレクション＞版発売。<br />
* [[Blu-ray Disc|Blu-rayディスク]]（[[ハイビジョンマスター]]）は2009年11月20日発売。<br />
<br />
== コミカライズ ==<br />
*[[別冊コロコロコミックスペシャル]] 1991年12月号掲載。 {{Cite book|和書|year = 1991|author = 脚本：[[大森一樹]]、作画：[[坂井孝行]]|title = ゴジラVSキングギドラ|publisher = [[小学館]][[てんとう虫コミックス]]|isbn = 4091490727}}<br />
ストーリーは映画とほぼ同じだが、三枝美希や新堂を始めとしたラゴス島守備隊関係者は登場せず、前作の主要登場人物である黒木特佐が登場する。<br />
<br />
== ノベライズ ==<br />
* {{Cite book|和書|year = 1991|author = [[田中文雄]]|title = 小説 ゴジラVSキングギドラ|publisher = [[朝日ソノラマ]] |series = ソノラマノベルス |isbn = 4257010339}}<br />
コミカライズ版と同様にストーリーは映画に準じるが、冒頭には未来人が金星で「宇宙怪獣のキングギドラ」の死骸から体組織を回収するシーンが追加されていたり、帝洋グループ所有の原子力潜水艦の名前が異なるなど、細かな差異がある。<br />
<br />
== 関連グッズ ==<br />
; ゴジラ怪獣軍団<br />
: ゴジラシリーズの歴代怪獣をディフォルメしたミニフィギュア。全20種類に各7色のカラーバリエーションが存在する<ref name ="パーフェク34">{{Harvnb|平成ゴジラパーフェクション|2012}} p.34 「Memories of ゴジラVSキングギドラ」。</ref>。<br />
: 入場者プレゼントとして配布されたほか、劇場内の[[カプセルトイ|カプセル自動販売機]]でも販売された<ref name ="パーフェク34" />。<br />
: 入場者プレゼントに封入された当たり券が出ると「秘密のビッグプレゼント」としてクリスタルバージョン（5体セット）がプレゼントされた<ref name ="パーフェク34" />。<br />
<br />
== 脚注 ==<br />
=== 注釈 ===<br />
{{Reflist|group="注"}}<br />
=== 出典 ===<br />
{{Reflist|2}}<br />
<br />
== 参考文献 ==<br />
* {{Cite book|和書<br />
|year = 1991<br />
|title = 最新ゴジラ大図鑑 増補改訂版<br />
|publisher = [[バンダイ]]<br />
|isbn = 4891891866<br />
}}<br />
* {{Cite book|和書<br />
|author = 岩畠寿明<br />
|author2 = 小野浩一郎<br />
|title = ゴジラvsキングギドラ 怪獣大全集<br />
|publisher = [[講談社]]<br />
|series = 講談社ヒットブックス<br />
|date = 1991-12-5<br />
|isbn = 4-06-177720-3<br />
|ref = harv<br />
}}<br />
* {{Cite book|和書<br />
|year = 1992<br />
|title = ゴジラvsキングギドラ<br />
|publisher = 東宝出版事業室<br />
|series = 東宝SF特撮映画シリーズVOL.6<br />
|isbn = 4924609382<br />
}}<br />
* {{Cite book|和書<br />
|year = 1992<br />
|title = ゴジラVSキングギドラ 特集号<br />
|publisher = [[近代映画社]]<br />
|id = 雑誌コード：05406-12<br />
}}<br />
* {{Cite book|和書<br />
|year = 1992<br />
|title = ゴジラVSキングギドラ 超全集<br />
|publisher = [[小学館]]<br />
|series = てれびくんデラックス<br />
|isbn = 4091014283<br />
}}<br />
* {{Cite book|和書<br />
|year = 1992<br />
|author = 監修：[[田中友幸]]、責任編集：[[川北紘一]]<br />
|title = エクサイクロベティア オブ ゴジラ 最新ゴジラ大百科<br />
|publisher = [[学研ホールディングス|学研]]<br />
|id = 雑誌コード：62535-57<br />
}}<br />
* {{Cite book|和書<br />
|year = 1993<br />
|title = ゴジラ画報―東宝幻想映画半世紀の歩み<br />
|publisher = [[竹書房]]<br />
|isbn = 4884752678<br />
}}<br />
* {{Cite book|和書<br />
|year = 1995<br />
|title = ゴジラvsGフォース 超兵器マニュアル Anti“G”weapon manual<br />
|author = [[スタジオ・ハード]]<br />
|publisher = [[メディアワークス]]<br />
|isbn = 9784073026983<br />
}}<br />
* {{Cite book|和書<br />
|author = ヤマダマサミ<br />
|author2 = 岩崎百合子<br />
|author3 = 林慶樹<br />
|year = 1995<br />
|title = 大ゴジラ図鑑<br />
|publisher = [[ホビージャパン]]<br />
|series = 幻想映画美術大系<br />
|isbn = 4-894250-59-4<br />
}}<br />
* {{Cite book|和書<br />
|year = 1996<br />
|title = 僕たちの愛した怪獣ゴジラ<br />
|publisher = [[学研ホールディングス|学研]]<br />
|series = GAKKEN GRAPHIC BOOKS<br />
|isbn = 4054006574<br />
}}<br />
* {{Cite book|和書<br />
|year = 1998<br />
|title = 動画王 Vol.6 巨大怪獣特集 怪獣に関わった男たちの証言集<br />
|publisher = [[キネマ旬報社]]<br />
|isbn = 4-87376-503-X<br />
}}<br />
* {{Cite book|和書<br />
|year = 1999<br />
|author = [[西川伸司]]<br />
|title = 日本特撮映画師列伝 (1) ゴジラ狂時代<br />
|publisher = [[講談社]]<br />
|series = KCデラックス<br />
|isbn = 4-06-334265-4<br />
}}<br />
* {{Cite book|和書<br />
|year = 2000<br />
|title = ゴジラ大図鑑―東宝特撮映画の世界<br />
|publisher = キネマ旬報社<br />
|isbn = 4-873765-58-7<br />
}}<br />
* {{Cite|和書<br />
|editor = 野村宏平<br />
|title = ゴジラ大辞典<br />
|date = 2004<br />
|publisher = [[笠倉出版社]]<br />
|isbn = 4773002921<br />
|ref = harv<br />
}}<br />
* {{Cite book|和書<br />
|year = 2012<br />
|author = 監修：[[川北紘一]]<br />
|title = 平成ゴジラパーフェクション<br />
|publisher = [[アスキー・メディアワークス]]<br />
|series = DENGEKI HOBBY BOOKS<br />
|isbn = 978-4-04-886119-9<br />
|ref={{SfnRef|平成ゴジラパーフェクション|2012}}<br />
}}<br />
* {{Cite|和書<br />
|title = 東宝特撮映画大全集<br />
|date = 2012<br />
|publisher = [[ヴィレッジブックス]]<br />
|isbn = 9784864910132<br />
|ref={{SfnRef|東宝特撮映画大全集|2012}}<br />
}}<br />
<br />
== 外部リンク ==<br />
* [http://toho.co.jp/library/system/movies/?1621 ゴジラVSキングギドラ - 東宝WEB SITE]<br />
* {{jmdb title|1991|do002760|ゴジラVSキングギドラ}}<br />
* {{Allcinema title|86056|ゴジラVSキングギドラ}}<br />
* {{Kinejun title|28610|ゴジラVSキングギドラ}}<br />
* {{Japanese-cinema-db|1675|ゴジラVSキングギドラ}}<br />
* {{Movie Walker|mv28427|ゴジラVSキングギドラ}}<br />
* {{Eigacom title|36498|ゴジラVSキングギドラ}}<br />
* {{Amg movie|161864|Godzilla vs. King Ghidora}}<br />
* {{IMDb title|0101962|Godzilla vs. King Ghidora}}<br />
* [http://www.generalworks.com/databank/movie/title2/gzr91.html SF MOVIE DataBank：ゴジラVSキングギドラ]（個人サイト）<br />
<br />
{{ゴジラ}}<br />
{{大森一樹監督作品}}<br />
<br />
{{DEFAULTSORT:こしらふいえすきんくきとら}}<br />
[[Category:ゴジラシリーズの映画作品|きんくきとら]]<br />
[[Category:日本のアクション映画]]<br />
[[Category:タイムトラベルを題材とした映画作品]]<br />
[[Category:福岡市を舞台とした映画作品]]<br />
[[Category:札幌市を舞台とした映画作品]]<br />
[[Category:網走市を舞台とした映画作品]]<br />
[[Category:東京を舞台とした映画作品]]<br />
[[Category:広島市を舞台とした映画作品]]<br />
[[Category:1991年の映画]]<br />
[[Category:1990年代の特撮作品]]<br />
[[Category:大森一樹の監督映画]]<br />
[[Category:ドラゴン・竜を題材とした映画作品]]<br />
[[Category:オセアニアを舞台とした映画作品]]<br />
[[Category:自衛隊映画]]</div>
211.132.148.117
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