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https:///mymemo.xyz/wiki/api.php?action=feedcontributions&user=202.70.187.182&feedformat=atom miniwiki - 利用者の投稿記録 [ja] 2024-05-05T05:54:58Z 利用者の投稿記録 MediaWiki 1.31.0 漁港漁場整備法 2018-03-17T07:47:47Z <p>202.70.187.182: </p> <hr /> <div>{{日本の法令|<br /> 題名=漁港漁場整備法|<br /> 通称=漁港法|<br /> 番号=昭和25年法律第137号|<br /> 効力=現行法|<br /> 種類=[[法律]]|<br /> 内容=漁港などについて|<br /> 関連=[[漁業法]]、[[港湾法]]|<br /> リンク= [http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO137.html 総務省法令データ提供システム]<br /> |}}<br /> <br /> &#039;&#039;&#039;漁港漁場整備法&#039;&#039;&#039; (ぎょこうぎょじょうせいびほう)は、[[漁港]]等を定めた法律である。通称、&#039;&#039;&#039;漁港法&#039;&#039;&#039;。<br /> <br /> 漁港の整備及び維持管理を目的としていた法律(漁港法)として制定されたが、平成14年4月1日の改正により環境配慮や漁村の振興が目的に加えられたほか、地方分権推進の観点から[[地方公共団体]]が主体的に事業展開ができるようにされた。<br /> <br /> また、[[沿岸漁場整備開発法]]の漁場の整備・開発事業に関する部分が分離・統合され、漁港漁場整備長期計画が策定されるようになった。<br /> <br /> <br /> ==構成==<br /> *第1章 総則(第1条~第5条) <br /> *第2章 漁港の指定(第6条) <br /> *第2章の2 漁港漁場整備基本方針(第6条の2) <br /> *第2章の3 漁港漁場整備長期計画(第6条の3~第6条の4) <br /> *第3章 水産政策審議会(第7条~第16条) <br /> *第4章 特定漁港漁場整備事業(第17条~第24条の2) <br /> *第5章 漁港の維持管理(第25条~第39条の5) <br /> *第6章 雑則(第40条~第44条の2) <br /> *第7章 [[罰則]](第45条~第47条) <br /> *附則 <br /> <br /> ==関連項目==<br /> *[[行政]]<br /> *[[執行罰]]<br /> *[[環境法令一覧]]  [[環境法]]  [[日本の環境と環境政策]]<br /> *[[漁港]]<br /> *[[漁業]]<br /> *[[漁業法]]<br /> <br /> ==外部リンク==<br /> *[http://www.houko.com/00/01/S25/137.HTM 漁港漁場整備法]<br /> <br /> {{デフォルトソート:きよこうきよしようせいひほう}}<br /> [[Category:日本の法律]]<br /> [[Category:日本の水産業関連法規]]<br /> [[Category:日本の漁業]]<br /> [[Category:1950年の法]]</div> 202.70.187.182 社会 (教科) 2018-03-17T05:31:32Z <p>202.70.187.182: /* 高等学校 */</p> <hr /> <div>{{出典の明記|date=2014年4月6日 (日) 12:27 (UTC)}}<br /> &#039;&#039;&#039;社会科&#039;&#039;&#039;(しゃかいか、{{lang-en-short|social studies}})は、[[小学校]]及び[[中学校]]における教科の一つ。[[教育行政]]上、&#039;&#039;&#039;教科「社会」&#039;&#039;&#039;(きょうか しゃかい)などとも呼称されている。<br /> 本項目では、主として現在の学校教育における教科「社会」について取り扱う。関連する理論・実践・歴史などについては「[[社会科教育]]」を参照。<br /> <br /> == 概要 ==<br /> 社会科は、[[児童]]生徒に対して、科学的な社会認識を形成し、それを通して公民(国民、市民)として生活するための資質を育てることを目的とする[[教科]]である。科学的な社会認識の形成とは、幅広い社会諸科学([[地理学]]、[[歴史学]]、[[政治学]]、[[経済学]]、[[社会学]]、[[倫理学]])を手段として、人間[[社会]]の在り様を理解することを指す。こうした社会認識を子どもたちの内面に形成することによって、現代の社会に主体的に参加する態度や、より[[平和]]で、より[[民主主義|民主]]的な社会を創造する力(市民的資質([[公民的資質]]))を育成することが、本質的な教科目標である。<br /> <br /> なお、現在の[[学習指導要領]]では、こうした考え方を、「広い視野に立って,社会に対する関心を高め,諸資料に基づいて多面的・多角的に考察し,我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育て、国際社会に生きる民主的・平和的な国家・社会の形成者として必要な[[資質#公民的資質|公民的資質]]の基礎を養う。」と述べている。<br /> <br /> == 学習内容 ==<br /> 「[[知的障害者]]に関する教育を扱う[[特別支援学校]]」を除けば、現在の社会科は、制度上において、初等教育の第3学年から前期中等教育の第3学年までの教科となっている。ただし、後期中等教育において、社会科の内容を継承させた内容は、「地理歴史」と「公民」の2教科、加えて「[[商業 (教科)|商業]]」&lt;ref&gt;「[[知的障害者]]に関する教育を扱う[[特別支援学校]]」の高等部では、「流通・サービス」が「商業」に相当。&lt;/ref&gt;や[[学校設定教科]]・[[学校設定科目]]などに分離されて扱われている。<br /> <br /> === 小学校 ===<br /> [[b:小学校社会|小学校社会(Wikibooks)]]も参照。<br /> <br /> かつては第1学年より設けられていたが&lt;ref&gt;その為、[[1984年]]4月2日から[[1985年]]4月1日生まれの児童は第1学年は理科と社会の授業を、第2学年は生活の授業を受けている。&lt;/ref&gt;。現在では第3学年からの履修となっている。<br /> <br /> * [[地域]]社会の学習<br /> ** 身近な[[地域]]の人々の暮らし<br /> ** 身近な[[都道府県]]の人々の暮らし<br /> * [[産業]]学習・[[国土]]学習<br /> ** 日本の[[農業]]・[[工業]]・[[商業]]<br /> ** 日本の[[国土]]の様子<br /> ** [[自然]]や[[環境]]を保護する取り組み<br /> * [[歴史]]学習・[[公民]]的な学習<br /> ** 人物学習を中心とした歴史学習<br /> ** [[政治]]・[[法律]]・[[憲法]]の仕組み<br /> ** [[経済]]生活の仕組み<br /> ** 日本と[[世界]]の関わり<br /> <br /> === 中学校 ===<br /> [[b:中学校社会|中学校社会(Wikibooks)]]も参照。<br /> <br /> 中学校では、学習内容は大きく&#039;&#039;&#039;「地理的分野」「歴史的分野」「公民的分野」&#039;&#039;&#039;の3つに区分される(以下、順に「地理」「歴史」「公民」と略す)。原則として、地理と歴史は第1学年より同時並行で学習し、それらの学習を終えた後に第3学年に公民を学習する形式(&#039;&#039;&#039;π型&#039;&#039;&#039;とよばれる)が一般的であるが、第1学年に地理、第2学年に歴史、第3学年に公民を学習する形式(&#039;&#039;&#039;座布団型&#039;&#039;&#039;)、第1学年から第2学年にかけてに地理と歴史を学習し、途中で学習内容に応じて公民的分野を補助的に学習し、第3学年に改めて公民を学ぶ形式(&#039;&#039;&#039;鳥居型&#039;&#039;&#039;)をとる学校もある。<br /> <br /> [[2012年]]より、[[2008年]]告示の中学校[[学習指導要領]]が完全施行されたことに伴って、[[2011年]]度までのπ型をベースに、履修形態が第1・2学年が「地理」・「歴史」の同時並行で学習し、第3学年では「歴史」・「公民」の同時並行で学習する形式を採用する学校が増えている。なお、[[2012年]]度の教科書配本については、2年次は「地理」は新規配本・「地図」および「歴史」は前年次の持ち上がりとなり、3年次は「公民」は従来どおり3年次での新規配本となるが、「歴史」は前々年次より利用していた教科書を継続利用することになる。<br /> <br /> ;[[地理]]的分野<br /> :* [[世界]]と[[日本]]の[[地域]]構成<br /> :** [[世界]]の[[地域]]構成<br /> :** [[日本]]の[[地域]]構成<br /> :* [[地域]]の規模に応じた調査<br /> :** 身近な[[地域]]<br /> :** [[都道府県]]<br /> :** [[世界]]の国々<br /> :* [[世界]]と比べて見た[[日本]]<br /> :** 様々な面からとらえた[[日本]]<br /> :** 様々な特色を関連付けて見た[[日本]]<br /> <br /> ; [[歴史]]的分野<br /> :* [[歴史]]の流れと[[地域]]の[[歴史]]<br /> :* [[古代]]までの[[日本]]<br /> :* [[中世]]の[[日本]] <br /> :* [[近世]]の[[日本]] <br /> :* [[近代]]及び[[現代 (時代区分)|現代]]の[[日本]]と[[世界]]<br /> <br /> ; [[公民]]的分野<br /> :* [[現代社会]]と私たちの生活<br /> :** [[現代]][[日本]]の歩みと私たちの生活<br /> :** [[個人]]と[[社会]]生活<br /> :* [[国民]]生活と[[経済]]<br /> :** 私たちの生活と[[経済]]<br /> :** [[国民]]生活と[[福祉]]<br /> :* [[現代]]の民主[[政治]]とこれからの[[社会]] <br /> :** [[人間]]の尊重と[[日本国憲法]]の基本的原則<br /> :** 民主[[政治]]と政治参加<br /> :** [[世界平和]]と人類の[[福祉]]の増大<br /> <br /> === 高等学校 ===<br /> [[b:高等学校地理歴史|高等学校地理歴史科(Wikibooks)]]、[[b:高等学校公民|高等学校公民科(Wikibooks)]]も参照。<br /> <br /> かつては社会科を置いていたが、学校教育法施行規則・学習指導要領上、現在の[[高等学校]]及び[[中等教育学校]]の後期課程には社会科がなく、「[[地理歴史]]」と「[[公民 (教科)|公民]]」を置いている。ただ、現在の高等学校でもまとめて「社会科」と言うことがあり、地理歴史と公民の両方を受け持つ教員も多い。また、[[大学入試センター試験]]でも、分割直後の[[1997年]]1月実施分からは地理歴史と公民とで別々の実施日時が設定されていたが、[[2016年]]現在は同一の時間帯に実施することとしている&lt;ref&gt;[http://www.dnc.ac.jp/center/shiken_jouhou/jukenannai_gazo.html 受験案内] 大学入試センター&lt;/ref&gt;<br /> <br /> この社会科分割の経緯については[[社会科教育#歴史]]を参照。また、学習内容の詳細は[[地理教育]]、[[歴史教育]]、[[公民教育]]を参照。<br /> <br /> ただし例外もあり、「知的障害者を教育する特別支援学校」の高等部に設けられる教科には社会科がある。{{also|#特別支援学校}}<br /> <br /> === 特別支援学校 ===<br /> 「[[知的障害者]]を教育する[[特別支援学校]]」の[[小学部]](初等教育を行う課程)においては、すべての学年を通して教科「[[生活 (教科)|生活]]」を学習し、小学部において[[理科]]、[[家庭科]]同様に、社会は設けられていない。<br /> <br /> [[特別支援学校]]の[[中学部]](前期中等教育を行う課程)においては、ほかの前期中等教育を行う学校と同様に、教科「社会」が設けられている。<br /> <br /> このほか、特別支援学校のうち、[[知的障害者]]を教育する[[特別支援学校]]の[[高等部]](後期中等教育を行う課程)においては、社会科が設けられているが、ほかの後期中等教育を行う学校と異なり「地理歴史」と「公民」は設けられていない。<br /> <br /> == 入試などへの影響 ==<br /> 中学入試・高校入試・大学入試において、国語や数学などとともに入試の科目となる。<br /> <br /> 中学入試・高校入試では地理・歴史・公民の3分野が均等に出題されるが、大学入試においては世界史・日本史・地理・現代社会など複数の科目を選択する形で出題される。ただし[[国語 (教科)|国語]]・社会・[[数学 (教科)|数学]]・[[理科]]・[[英語 (教科)|英語]]の5教科の中では最も出題されにくく、そのためかこれらの中ではやや軽視される傾向にある([[高等学校必履修科目未履修問題]]も参照)。<br /> <br /> == 関連項目 ==<br /> * [[教科]] - [[教科の一覧]] - [[五教科]] <br /> * [[学習指導要領]] <br /> * [[社会科学]] <br /> * [[社会科教育]]<br /> * [[アメリカ教育使節団報告書]]<br /> <br /> == 註釈 ==<br /> {{脚注ヘルプ}}<br /> &lt;references /&gt;<br /> <br /> == 外部リンク ==<br /> {{節スタブ}}<br /> <br /> {{DEFAULTSORT:しやかい}}<br /> [[Category:教科]]<br /> [[Category:日本の初等教育]]<br /> [[Category:日本の中等教育]]<br /> [[Category:社会科学]]<br /> [[Category:日本の社会科学]]<br /> <br /> {{education-stub}}<br /> {{教科}}</div> 202.70.187.182 年齢主義と課程主義 2018-03-13T09:03:13Z <p>202.70.187.182: /* 在学可能な年齢 */</p> <hr /> <div>&#039;&#039;&#039;年齢主義&#039;&#039;&#039;(ねんれいしゅぎ)と&#039;&#039;&#039;課程主義&#039;&#039;&#039;(かていしゅぎ)は、[[教育学]]において[[教育制度]]上で対立する二つの[[主義]]である。この語には、[[学年]]制度・[[入学]]制度の場面で使われる意味と、[[義務教育]]制度の場面で使われる意味がある。<br /> <br /> &#039;&#039;&#039;学年制度・入学制度の意味&#039;&#039;&#039;での年齢主義と課程主義は、[[学校]]などにおいて、[[学習者]]をどの学年に所属させるか([[進級]]させるか)や、どのレベルの[[カリキュラム]]を与えるかや、入学志願者の入学を許可するかを決定する際の、判断基準となる考え方のことを指す。この場合は、年齢主義では、学習者・入学志願者の[[年齢]]によって学年・[[学習]]内容・合否が決定され、課程主義では、学習者・入学志願者の[[学力]](習熟度・到達度)や[[履修]]状況([[学歴]])によって学年・学習内容・合否が決定される。通常はこの意味で用いられるので、本記事では、主にこれについて詳述する。<br /> <br /> &#039;&#039;&#039;義務教育制度の意味&#039;&#039;&#039;での年齢主義と課程主義は、何をもって義務教育期間(就学年限)の開始と終了とみなすかを決定する際の、判断基準となる考え方のことを指す。この場合は、年齢主義では、一定の年齢に達したら義務教育期間は終了し、課程主義では、一定の[[課程]]を修了したら義務教育期間は終了する。これについては[[教育行政学]]の範疇なので、「&#039;&#039;&#039;[[義務教育]]&#039;&#039;&#039;」の記事内で詳述する。<br /> <br /> また学年制度・入学制度の意味と義務教育制度の意味の両方において、&#039;&#039;&#039;[[#年数主義|年数主義]]&#039;&#039;&#039;という第三の用語が使われる(後述)。<br /> <br /> 英語では学年制度の意味の年齢主義にage-grade system(年齢-学年制)&lt;ref&gt;[http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/rehab/r015/r015_002.html 統合教育を受けている精神薄弱児のソシオメトリックな地位]の脚注より。&lt;/ref&gt;またはSocial promotion(社会的進級)&lt;ref&gt;[http://ci.nii.ac.jp/naid/110000504061 年齢主義進級制の実践と理論(1)]の題名の英訳より。&lt;/ref&gt;の語が当てられることもある。<br /> <br /> == 基本解説 ==<br /> &#039;&#039;&#039;年齢主義&#039;&#039;&#039;は、[[学習者]]の[[年齢]]によって、決まった[[学年]]または[[学級]]に所属する形態である。このため年齢主義の[[学校]]では、基本的には同一学年には同じ年齢(本記事では、[[誕生日|生年月日]]が1年以上違わない事を指す)の[[在籍者 (学習者)|生徒]]だけが在籍しているが、同じ学年でも生徒間の[[学力]]は大きく異なっている。基本的には、全くトラブルがなく良好な[[成績評価]]のまま[[卒業]]まで至ることを理想状態としている制度である。[[休学]]期間があっても、[[復学]]時は「年齢相当学年([[#年齢相当学年という考え方|後述]])」に復帰する。途中で成績が低下しても、[[原級留置]]は行われずに年を追うごとに[[進級]]する。ただし、[[補習]]や[[特別支援学級]]への移籍などの[[能力別教育]]が行われる場合もある。成績が良好な生徒に対しても[[飛び級]]は行われず、1学年ずつ進級する。ただし、拡充(発展的な[[授業]]、エンリッチメント)や才能開発コースへの移籍などの能力別教育が行われる場合もある。異種の制度からの[[転学|転入生]]・[[編入学|編入生]]を除けば原級留置も飛び級も存在しない形態である。[[日本]]においては、ある学年に低年齢で在籍できないという問題よりも、高年齢で在籍できないという問題を指す場合に、この用語が使われることが多い。<br /> <br /> &#039;&#039;&#039;課程主義&#039;&#039;&#039;は、学習者の[[学習]]段階によって、決まった学年または学級に所属する形態である。このため課程主義の学校では、基本的には同一学年には異年齢の生徒も所属するが、同じ学年の生徒間の学力は年齢主義の場合ほどには異なっていない。標準的な生徒の場合は、年齢主義の学校と変わらない進級の仕方をする。休学期間があった場合は、復学時には以前に在籍していた学年に戻る。成績が低下した時は、原級留置が行われて同じ学年を再度[[履修]]する。成績が良好な生徒などに対して飛び級をさせる場合もある。所属する[[課程]]は、[[進級試験]]の成績などの純粋な学力によって決められる場合もあるし、[[出欠|出席]]日数などの履修状況や、授業理解力などの[[知能]]水準によって決められる場合もある。日本においては、飛び級が行われるという部分よりも、原級留置が行われるという部分を指す場合に、この用語が使われることが多い。<br /> <br /> 多くの国の[[学校制度]]では、完全な年齢主義または完全な課程主義のどちらかであるわけではなく、片方の影響が強いという程度である。例えば日本では、[[義務教育]]段階&lt;ref&gt;「小中学校段階」や「初等教育・前期中等教育段階」と同義ではない。学齢超過生徒の在学する学校では年齢主義の色が薄い。&lt;/ref&gt;での多くの学校の考え方は年齢主義にかなり近いが、原級留置や[[就学義務猶予免除|就学猶予]]も稀にあるので、課程主義的な要素も存在する。逆に[[高等学校]]では、制度上は課程主義が原則であるが、多くの高校では最低年齢の生徒が多いため、実態として年齢主義的な要素も存在する。また義務教育段階で課程主義を基本としている諸外国でも、原級留置が2回程度しか許可されなかったり、一般的な[[在学年齢]]との差が大きい人は在学できなかったりする場合もあり、年齢主義的要素が存在しないわけではない。<br /> <br /> 年齢主義と課程主義は相互に対立する概念だが、同様な対立する概念として[[履修主義と修得主義]]がある。履修主義は授業に出席していれば実際に学力が身に付いたかを問わずに進級または[[単位]]取得をさせる考え方のことで、年数主義([[#年数主義|後述]])と類似した考え方であり、年齢主義ともある程度近い考え方である。修得主義(習得主義)は実際に学力が身に付かなければ次の課程に進まない考え方であり、課程主義と類似した考え方である。ただし、この節の最後で後述するように必ずしも[[定義]]は確定していない。ただしどちらも課程主義の一種と考えることもできる。修得主義は真の課程主義であり、履修主義は年齢主義や年数主義に近い課程主義である。<br /> <br /> 学校の入学志願者に対して入学を許可するかどうかを決定する際の判断基準としても年齢主義と課程主義という用語が使われる。年齢主義の選抜制度の場合は、志願者の学力や学歴に関係なく、一定年齢である場合に入学を許可する。年齢基準は下限のみの場合、上限のみの場合、両方ともにある場合が考えられる。課程主義の選抜制度の場合は、志願者の年齢に関係なく、学力や学歴が基準を満たしている場合に入学を許可する。現実には、「15歳以上、かつ入試問題で一定以上の点を取ること」というように、年齢主義と課程主義を併用する例も考えられる。(なお、入学決定基準の意味では「年数主義」の用語は使われない)<br /> <br /> 前述した進級基準・入学基準の意味以外に、義務教育の開始時期と終了時期を決める際の基準としても、年齢主義と課程主義という用語が使われる。年齢主義の義務教育制度では、義務教育終了年齢の時点でどの学校のどの学年に所属していても、義務教育期間が終了する。例えば就学猶予をしたり、[[学齢]]期に飛び級・原級留置をしたりしても、義務教育終了の年齢は変動しない。課程主義の義務教育制度では、定められた課程を修了していなければ、何歳になっても義務教育期間が継続する。日本など、多くの国の義務教育制度では年齢主義を取っている。多くの地域では、国家の近代化にともなって、義務教育終了基準は課程主義での運用から年齢主義での運用に移り変わってきている。なお、この意味での年齢主義と課程主義は、進級基準における年齢主義と課程主義とは関係がない。たとえば進級基準について課程主義を取っていることで有名な[[フランス]]でも、義務教育終了基準は年齢主義であるし、進級制度がどちらの主義であるのかと、義務教育制度がどちらの主義であるのかは、特に関連性がないといえる。この意味の用法については、「&#039;&#039;&#039;[[義務教育]]&#039;&#039;&#039;」を参照。<br /> <br /> === 定義の曖昧さ ===<br /> 日本においては、年齢と学習段階のどちらを基準にして進級すべきかという方面の[[教育制度]]については、[[1947年]]の[[学制改革]]以来約60年間にわたり以前の習慣にならう意識が強く、その改革や[[研究]]についてはあまり話題にならなかったため、各用語はあまり意味が整理されていない。そのため、年齢主義、年数主義、課程主義、履修主義、修得主義という用語のうち、どの用語にどの意味を付与するかということは、それぞれの[[学者]]によって考え方が違うため、[[辞典|事典]]などでさえも定義が統一されていない。例えば年齢主義と課程主義を、進級基準の意味で解説している事典もあるが、義務教育終了基準の意味で解説している事典もある。また年齢主義と年数主義を同じ意味で使っている事典、履修主義と修得主義を同じ意味で使っている事典も存在する。なお本記事では、年齢主義・課程主義については、記事全体では「何を基準として当該学年に所属させるか(進級させるか)」という進級基準の意味で使用・解説し、「何を基準として義務教育期間の開始と終了とするか」という義務教育終了基準の意味でも、特記した上で部分的に使用・解説している。<br /> <br /> また、年齢主義という言葉は、「一定年齢にならなければ入学・進級できない」という意味に使われる場合と、「一定年齢になれば卒業(退学)・進級しなければならない」という意味に使われる場合がある。課程主義という言葉も、「一定の学力がなければ入学・進級できない」という意味に使われる場合と、「一定の学力があれば早期卒業・飛び級できる」という意味に使われる場合がある。このため、上記のようなことを細かく論ずる際には、年齢主義・課程主義という言葉をそのまま用いるよりも、「強制進級制」や「進級試験制」、「飛び級制度」や「最低年齢制限」などの個別の用語を用いた方が理解しやすい場合もある。<br /> <br /> == 年数主義 ==<br /> 年齢主義と課程主義とは別の概念として、&#039;&#039;&#039;年数主義&#039;&#039;&#039;(ねんすうしゅぎ)という用語を使用する場合もある。これは[[日本]]では年齢主義と同じ意味に用いられる場合も多いが、「[[在学年齢]]が何歳であっても、[[飛び級]]や[[原級留置]]を行わずに[[進級]]し、一定期間在学すること」という意味合いで、在学期間を増減しない考え方の意味に用いられる場合もある。例えば日本のように、[[初等教育]]への就学年齢がほぼ一定である制度のもとでは、年齢主義と年数主義はほぼ同じ意味となるが、諸外国のように就学年齢をある程度自由に決められる制度のもとでは、年数主義と年齢主義は違った意味合いを持つ。例えば、[[小学校]]の[[修業年限]]が6年間と決められていて、実際に6年間で修了する場合でも、6歳のときに[[入学]]すれば12歳のときに[[卒業]]することになるし、8歳のときに入学すれば14歳のときに卒業することになる。このように、在学期間が同じであるが在学年齢が違う場合は、年齢主義とは呼べないが年数主義とは呼べる。すなわち、原級留置・飛び級を行わない制度であっても、就学年齢に違いがあれば同一学年同一年齢でなくなるため、年齢主義と呼ぶことは不適切になるのである。近年、[[文部科学省]]の[[中央教育審議会]]では、就学年齢の弾力化を検討する際に、これまで年齢主義と同義に扱ってきた「年数主義」の語に対して、上記のような新しい意味を付与するようにすることが提案されている(下記リンク参照)。<br /> *[http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/gijiroku/001/04080201.htm 中教審議事録] - [http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/gijiroku/001/04080201/002.htm 中教審議事録資料]<br /> <br /> 上記の三用語を分ける考え方では、一般的には年数主義は課程主義と年齢主義の中間に位置する考え方であるとされている。しかし、年齢主義と課程主義は対立する考え方であるが、年齢主義と年数主義が並存する場合(たとえば就学開始年齢を固定する場合)もあるし、課程主義と年数主義が並存する場合(たとえば[[出欠|出席]]日数のみを進級の基準とする場合)もあるので、年数主義は必ずしもどちらかと対立する概念ではない。<br /> <br /> 年数主義は、[[開発途上国]]に多い類型であるといわれている。なぜならば、開発途上国では[[貧困]]や[[義務教育]]制度の不完全さのため、就学時期にばらつきがあるためである。<br /> <br /> 一方、義務教育終了基準の意味での年数主義は、一定の[[学齢]]期に一定期間の[[義務教育|就学義務]]があるという制度のことである。<br /> <br /> == 比較 ==<br /> {| border=&quot;2&quot; cellpadding=&quot;5&quot;<br /> |-<br /> |比較<br /> !年齢主義<br /> !年数主義<br /> !課程主義<br /> |-<br /> |学年内年齢<br /> |一定<br /> |入学年齢が同じ場合は一定&lt;br&gt;入学年齢が違う場合は不定<br /> |不定<br /> |-<br /> |学年内学力<br /> |不定&lt;br&gt;入学者選抜により一定以上にできる&lt;br&gt;学力別学級では学級内学力は一定<br /> |不定&lt;br&gt;入学者選抜により一定以上にできる&lt;br&gt;学力別学級では学級内学力は一定<br /> |一定<br /> |-<br /> |飛び級・原級留置<br /> |同一制度内であれば不可能&lt;br&gt;異制度からの転編入では存在<br /> |不可能<br /> |可能<br /> |-<br /> |高年齢での入学・就学猶予<br /> |不可能<br /> |可能<br /> |可能<br /> |-<br /> |成績不良者に対する対応<br /> |補習<br /> |補習<br /> |原級留置、補習<br /> |-<br /> |成績優秀者に対する対応<br /> |拡充(発展的な授業)<br /> |拡充<br /> |飛び級、拡充<br /> |-<br /> |}<br /> <br /> &#039;&#039;&#039;年齢主義&#039;&#039;&#039;の制度においては、在学者の[[学習]]段階を考慮せずに一律に[[進級]]させることになるため、同じ[[年齢]]の[[在籍者 (学習者)|生徒]]が同じ[[学年]]に所属し、同年齢集団を形作る。また、[[成績]]の良し悪しによって所属する学年が変わらないため、[[原級留置]]になったことによる[[敗北感]]・[[劣等感]]を与えないということもある(もっとも、原級留置になったことによって劣等感・敗北感が生まれるかどうかはその[[文化圏]]によって違うが)。体力・社会経験などを考えると、[[小学校]]段階、あるいは[[中学校]]段階までは同年齢集団での[[教育]]が望ましいとの考え方もある。同じ学年に[[学力]]が違う生徒が所属することによって起こる問題については、成績不良者に対する[[補習]]、成績優秀者に対する拡充(発展的な[[授業]]、エンリッチメント)、[[習熟度別学習|習熟度別学級]]編成&lt;ref&gt;ただし、学年は学習段階であるとの立場からすれば、学力によって学年を分けたはずなのに、学年の中でもさらに学力によって学級によって分け、しかも上学年の下位学級よりも下学年の上位学級の方が学力が高いというのは本来ありえないことである。しかし、年齢主義の下では学年は学力によって決められる物ではなく、年齢と同等であるため、このことが疑問視されることはあまりない。&lt;/ref&gt;、[[入学試験|入学者選抜]]などの、[[能力別教育]]を実施することによって緩和され、ある程度個人差にあった教育が可能である。ただし逆に言えば、こういったフォローがしっかり行われないと、[[学業不振]]者を見捨てることになる制度でもある。<br /> <br /> しかしながら、「年齢相当学年([[#年齢相当学年という考え方|後述]])」の学習内容と本人の学力の差が2学年程度であれば、上記のような能力別教育などで対応できるが、大幅に年齢相当学年の学習内容と本人の学力相当の学習内容が異なる人の場合はそれも困難である。また、すでに最高学年の相当年齢を過ぎた人([[学齢]]超過者)に至っては、[[入学]]すらできないことになる([[学齢#学齢超過者|学齢]]も参照)。[[学校教育]]は若年者のみが享受するものではなく、[[生涯学習]]の重要性が叫ばれているが、高年齢を理由として入学が不能になると、若いころ学校教育が受けられなかった人はもはや学校教育を受けることが不可能になるし、一度[[学校]]に行ったものの学習成果がなかった人に対してもやり直しのチャンスを与えないことになる。また、年齢主義の制度のもとでは、拡充・補習を行うかどうかに関わらず、学年が高くなるほど生徒間の学力差が増大してしまうという問題があり、一定の[[課程]]を修了していなくても自動的に学校を[[卒業]]することになるため、形式的卒業者が増え、その学校を卒業したことによる「一定の学力がある」という社会的信用が失われる。また、習熟度にあった十分な教育が行われないと、本人の基礎学力がなくても自動的に進級することになるため、学年が進むにつれてますます授業を理解できなくなり、[[落ちこぼれ]]を作ってしまうという問題がある。逆に成績が優れている生徒の場合は、授業で教わることをすでに知っていたりして、[[浮きこぼれ]]となってしまう。また、年齢主義を取っていない学校や、外国の学校などの全く[[カリキュラム]]が違う学校で過ごしてきた生徒が[[転学|転]][[編入学|編入]]する際に、以前のカリキュラムと合わない学年に編入されてしまうという問題がある。これは上学年に編入される場合、[[飛び級#高年齢からの飛び級|望まない飛び級]]といわれる。<br /> <br /> &#039;&#039;&#039;課程主義&#039;&#039;&#039;の制度においては、学力を基準として学習集団を作れるため、[[学級]]内の学力の水準は同質であり、授業がすすめやすい。また、選択的[[不登校]]や身体療養などのための[[休学]]の後も、学年は自動的には進級していないため、自分の年齢に追われずにゆとりを持って教育を受けられる。また、[[学齢|年度末生まれ]]などで[[発達]]がゆっくりしている児童でも、就学猶予や低学年時の原級留置を行うことにより個人のペースにあった授業を受けられる。また、年齢主義制度で見られる、補習授業や拡充授業を行う際の、同年齢集団から同学力集団を抽出するという手間が存在しないため、学校側にとって[[教育課程]]の運営がしやすい。またこれは副次的な効果であるが、異年齢学級では学力的には等質でも社会体験の異なる集団での学校生活となるため、現実社会と同様な場を作れる。<br /> <br /> しかしながら、学力のみを進級基準とした制度のもとでは、成績が著しく悪い生徒は何度も原級留置をすることになり、そういった生徒への適切な支援が難しい。また、[[知的障害]]や[[学習障害]]など、学習面で[[リハビリテーション#障害の医療モデル|障害]]がある生徒の場合、進級基準を杓子定規に適用すると、何年たっても最低学年のままになるという問題が発生してしまう。こういった生徒に対しては[[特別支援学級]]や[[特別支援学校]]などの[[特別支援教育]]の場で教育するという配慮をすべきだといわれるが、明らかに重度の障害の場合は所属先を迷わずにすんでも、ボーダーライン上にある生徒の場合は、どこからどこまでが健常で、障害なのかを分けることが難しいため、[[普通学級]]で補習を受けながら原級留置をするか、特別支援学級で特別支援教育を受けながら進級するかを決める判断が難しい。実際、[[明治]]初期の[[日本]]の小学校では厳格な[[進級試験]]があったため、障害児は落第を繰り返すことになった([[#日本における歴史|後述]])。また、低年齢で高い学年に[[飛び級]]できる制度のもとでは、低年齢で上学年・上級学校に行くのは心身発達の面で生徒にとって好ましくないという説もある(ただし[[高等教育]]段階では悪影響は少なく、[[アメリカ合衆国]]では大学[[早期卒業]]者の将来は良好なようだ)。<br /> <br /> [[File:JapaneseSchoolGym.jpg|thumb|体格が揃っていると体育の授業がしやすい]]<br /> 年齢主義と課程主義のどちらが生徒にとって優しい制度であるのかについては、はっきりとした答えは出されていない。原級留置になることや同年齢平均者に対して学年が低いことを恥とみなす文化圏では年齢主義が歓迎され、そうでない文化圏では課程主義が歓迎される傾向がある。たとえば[[心理学者]]の[[河合隼雄]]は[[1960年代]]の[[スイス]]在住時に、現地の学校では低年齢でも原級留置が行われることに驚いて、日本ではそういうことはないと誇りながら言ったら、逆に現地の[[教員]]から日本の教育は不親切だと言われたという話がある<br /> ([http://www.jape.or.jp/activities/kenshukai/2000summer/kawai.htm 講演]を参照)。また、どちらの方式が生徒自身が他人との能力の差を気にしなくてよいのかということも一概には言えない。年齢主義の場合は自分の所属学年を見ただけでは能力差を意識しにくいが、同学年の生徒間では能力差が大きいため、日常的な[[学校生活]]では他生徒との能力差を意識するシーンが多い。課程主義の場合は自分の所属学年によって能力差を意識せざるを得ないが、同学年の生徒間の能力差はあまりないため、日常的な学校生活で能力差をあまり意識せずにすむ。しかし日本では、ほとんどの小中学校が年齢主義を基本として運営されているという画一的な状態であるため、日本国内での両者の比較は難しいという問題がある([[#実例の不足|後述]])。もっとも、こういった比較は学齢者の場合であって、学齢超過者の場合は、年齢主義の制度のもとでは原級留置の弊害を議論する以前に入学すらできないという大問題があるので、課程主義または年数主義の制度でしか対応できないことになる。<br /> <br /> また、課程主義制度の場合は、同年齢の平均よりも下の学年に在籍していることが、能力的な劣等感を生むといわれるが、年齢主義制度であっても、完全に一律化(平等化)された教育が行われているのでない限り、学力によって個別に教育方法が変わるし、[[成績評価]]も変わる。すなわち、習熟度別学級で基礎クラスに在籍していたり、あるいは放課後に補習を受けたりする場合や、[[学力検査|テスト]]や[[通知表]]の評価が低かったりする場合でも、学年の違いほどではないが「他の同年齢の生徒と違う」という劣等感の原因となるので、年齢主義制度だからといって劣等感を生まないわけではない。<br /> <br /> 課程主義の制度のもとでは、進級時期が来るたびに学力などによって各生徒が振り分けられるが、年齢主義の制度のもとでは、クラス替えを行わなければ毎年同じクラスメートになる。このため、課程主義では進級時期の度にクラスのメンバーが変わるので、同級生と離れ離れになる体験を味わうというマイナス面が指摘される。しかし、逆に飛び級や原級留置をすることによって新しい同級生と知り合える機会も2倍増えるうえ、もとの学年で[[いじめ]]が存在した場合も加害者と離れられるので、必ずしもマイナス面ばかりではない。また、授業時間外で友人間の交流が容易な場合は、離れ離れになることによる問題は緩和できる。また、クラスのうちどのくらいの生徒が飛び級・原級留置の対象となるかによっても影響の度合いは変わり、クラスで2、3人程度しか飛び級・原級留置をしないのであれば、新しいクラスには前の同級生が誰もいない可能性が高いが、クラスの数割が飛び級・原級留置をするのであれば、新しいクラスにも前の同級生がいる可能性が高くなる(もっとも、1学年を進級単位とする[[学年制と等級制|学年制]]においては、クラスの数割も飛び級や原級留置をすることはほとんどないであろうが、6ヵ月進級制や3ヵ月進級制においては、そういったことも考えられる)。<br /> <br /> また、「等質集団」と「異質集団」のどちらが教育効果が高いかという観点も色々な論がある。課程主義は学力的な等質集団、社会的な異質集団を形作り、年齢主義はその逆である。一斉教授法のもとでは、学力的な等質集団の方がずっと授業がしやすい。しかし、習熟度別学級編成には効果がないとする論者からは、「[[協同学習]]」や「共学び・共育ち」という標語のもと、学力異質集団の方が教育効果は高いという意見も出されている。しかし逆に、年齢階層が異なる社会的異質集団の方が社会的な面の発達が促されるという意見もあり、どちらがより良い方法であるかは不明である。ただし、年齢主義の制度でも、イベント時などに異学年生徒と触れ合うという形で、異年齢集団との交流を実現することも可能ではある。<br /> <br /> 両者の中間に当たる&#039;&#039;&#039;年数主義&#039;&#039;&#039;の場合は、入学時期が適切であれば、課程主義に見られる原級留置の悪影響などもなく、年齢主義に見られる発達段階に合わない授業もない。ただし、入学年齢が可変である以外は年齢主義と同様であるため、入学後の成績の変化などに対しては対応できないという問題がある。<br /> <br /> こういった年齢主義・課程主義・年数主義という考え方は、全[[教科]]・全[[科目]]を特定の学年や等級に所属して学ぶという、従来の[[学年制と無学年制|学年制]]や[[学年制と等級制|等級制]]のシステムにおける考え方であるが、これ以外にも、[[グッドラッド]]・[[アンダーソン]]によって提唱された[[学年制と無学年制|無学年制]]や、教科ごとに違う学年で学ぶという部分飛び級・部分原級留置の形を取ったシステムなど、新しい取り組みはいくつか存在する。ただし、決定的な改良案といえるものは存在しないようだ。<br /> <br /> ==よくある誤認識==<br /> [[#比較|前述]]のように、年齢主義を取る制度では集団内に[[学力]]が異なる[[在籍者 (学習者)|生徒]]が存在するという問題はよく注目されるが、それと同様に集団内に[[社会性]]や[[体格]]などが異なる生徒も存在するということにも注目しなければならない。[[誕生日|生年月日]]を基準とした年齢主義を押し通すことは、むしろ[[知能指数#知能年齢|知能年齢]]や[[肉体年齢]]や社会性の[[発達]]段階などの、いわば[[発達年齢]]の差を生むことになってしまう。もっとも課程主義でも社会性や体格ではなく学力に応じて[[学年]]が決まるため、この問題は課程主義にすれば解決するわけではないが、年齢主義で運用したとしても、異質になるのは学力だけではないという事にも留意すべきである。そもそも[[心理学]]的には、平均的に見ると社会性と[[知能]]・学力は一緒に発達するものであり、学力が高い生徒は知能や社会性も発達している例も多いため、むしろ課程主義の方が発達年齢が似通った生徒が集まる可能性もある。<br /> <br /> 課程主義の導入に対する懸念を持っている側からは、「課程主義を導入すれば、[[成績]]が悪いと[[原級留置]]になってしまうので、[[学校生活]]が窮屈になる」との批判があるが、課程主義は必ずしも成績が悪ければ強制的に原級留置をすることになる制度を意味するわけではない。[[進級]]基準の厳格化は[[学力低下]]の対策として万能ではなく、本人が原級留置に対して抵抗があるのに成績不良を理由として強制的に原級留置を行うと、[[学習意欲]]が減衰したり[[不登校]]になったりするため、むしろ逆効果になることが予測できる。このため[[公立学校|公立]]小中学校であれば、成績不良であっても強制的に原級留置にすることは避けるべきだとされている。実際に課程主義を取っている[[フランス]]でも、進級に当たっては本人や[[保護者]]の意見を聞くようになっている。また原級留置は[[出欠|欠席]]のために[[授業]]を受けられなかった場合や、外国からの帰国直後などで語学力が不足していた場合に限定すべきだといわれる。なぜなら、そういった理由があったために[[履修]]が困難だった場合は、原級留置後に十分な条件で授業を受けることによって対応できるが、1年間毎日出席して授業を受けているにも関わらず成績不良となった場合は、通常の授業では効果が薄かったことを意味するので、そういった生徒が全く同じ内容の授業を翌年にもう一度受けたとしても、効果的に学力が身に付くとは考えにくいからである。この観点からすれば、成績不良を理由とする原級留置の効果は薄いと考えられるので、[[学業不振]]の生徒に対しては、[[補習]]、[[カウンセリング]]、[[特別支援教育]]の実施というように、個人にあった支援を検討するべきである。また、現行の原級留置制度は、1年を単位とする[[学年制と等級制|学年制]]のもとでは失うものが大きいという欠点もある。例えば約1年[[休学]]した生徒であれば原級留置になるのは迷わないが、半年間休学した生徒は、原級留置にするべきか、補習を受けつつ進級すべきか迷うという問題がある。ただし、成績不良の生徒であっても、8歳ごろまでであれば、生まれ月、[[出生時体重]]、[[幼稚園]]・[[保育所]]就園の有無、[[家庭環境]]などで個人差が大きいため、現時点での成績が悪くても時間を与えることで個人差をカバーできると考えられるので、就学猶予と同様な考え方のもとに、原級留置によって発達を待つという考え方もある。<br /> <br /> なお、課程主義の[[定義]]に対する混乱や知識不足から、財政面について誤った見解が出される場合もある。たとえば、「[[義務教育費国庫負担]]制度がある国では、義務教育期間に原級留置が行われると教育税が1年分余分に国庫から支出されてしまうため、原級留置の適用拡大は国家財政に負担を与える」という主張が時折見受けられる。しかしこの説は、「一定の[[課程]]を修了するまで無償の[[義務教育]]期間が終了しない」という制度を指している「義務教育終了基準についての課程主義」によって義務教育制度が運営されている場合であれば、原級留置が行われると義務教育期間が延長するので、正鵠を射ているのであるが、「一定の年齢に達するまで無償の義務教育期間が終了しない」という制度を指している「義務教育終了基準についての年齢主義」によって義務教育制度が運営されている場合には、原級留置が行われても一定年齢で義務教育期間が終了するため、的を射ていない説なのである。よって、上記のような主張を根拠とした「課程主義の導入は国家財政に負担を強いるので反対である」という意見は、「義務教育終了基準についての課程主義」を導入しようとすることに対する批判なのであれば当てはまるのであるが、「学習者が一定の課程を修了しなければ学年を進級させない」という制度を指している「進級基準についての課程主義」を導入しようとしていることに対する批判なのであれば、無関係なので当てはまらない批判なのである。要するに、義務教育期間の終了基準が年齢主義で運用されていれば、学齢超過者の[[学費|授業料]]は原則として自己負担となるので、原級留置が増加しても財政面での負担は増加しないのである。また、[[飛び級]]も可能とする課程主義制度を取った場合は、たとえ義務教育期間の終了基準までも課程主義に変更しても、原級留置と飛び級がほぼ同数であれば、財政面の負担は変わらないと考えられる。<br /> <br /> ==実例==<br /> 下記のように、全ての教育方針が年齢主義と課程主義のどちらかに分類できるわけではなく、両方を部分的に併用している場合もある。<br /> <br /> なお、[[年齢]]の下限とは[[学年]]の上限である。<br /> <br /> *完全な年齢主義のみの例<br /> **(進級時)4月1日時点で7歳であれば小学2年生、8歳であれば小学3年生という風に、学力に関係なく完全に年齢と学年を対応させる。病気などで欠席しても年齢とともに進級する。<br /> **(入学時)入学資格が「4月1日時点で15歳である者」で、学歴要件や入学試験はない。<br /> <br /> *年齢下限のみの年齢主義のみの例<br /> **(進級時)4月1日時点で7歳であれば小学2年生以下、8歳であれば小学3年生以下という風に、学力に関係なく年齢によって学年の上限が決まる。<br /> **(入学時)入学資格が「4月1日時点で15歳以上である者」で、学歴要件や入学試験はない。<br /> <br /> *履修主義の課程主義のみの例<br /> **(進級時)出席日数が足りていれば進級し、足りなければ原学年に留め置かれる。年齢と無関係に学年が決まる。<br /> **(入学時)入学資格が「3月に中学校を卒業する見込みの者、または中学校を卒業した者」で、入学試験や年齢制限はない。<br /> <br /> *修得主義の課程主義のみの例<br /> **(進級時)進級試験に受かれば進級し、落ちれば原学年に留め置かれる。年齢と無関係に学年が決まる。<br /> **(入学時)入学試験に合格しなければならないが、学歴要件や年齢制限はない。<br /> <br /> *履修主義かつ修得主義の課程主義のみの例<br /> **(進級時)進級試験に受かり、出席日数が足りていれば進級し、進級試験に落ちるか出席日数が足りなければ原学年に留め置かれる。年齢と無関係に学年が決まる。<br /> **(入学時)入学資格が「3月に中学校を卒業する見込みの者、または中学校を卒業した者」で、入学試験に合格しなければならないが、年齢制限はない。<br /> **:ただし中学校の卒業可能年齢が一定以上の場合は、実質的に下限のみの年齢主義も内包している<br /> **(入学時)入学資格が「3月に中学校を卒業する見込みの者」で、入学試験に合格しなければならないが、年齢制限はない。<br /> **:ただし中学校の卒業年齢が一定の場合は、実質的には完全な年齢主義に近い<br /> <br /> *年齢下限のみの年齢主義+修得主義の課程主義の例<br /> **(進級時)進級試験に受かれば進級し、落ちれば原学年に留め置かれるが、4月1日時点で7歳であれば小学3年生以上になれず、8歳であれば小学4年生以上になれない。<br /> **(入学時)入学資格が「4月1日時点で15歳以上である者」で、入学試験に合格しなければならない。<br /> <br /> *年齢上限のみの年齢主義+修得主義の課程主義の例<br /> **(進級時)進級試験に受かれば進級し、落ちれば原学年に留め置かれるが、4月1日で7歳であれば小学1年以下になれず、8歳であれば小学2年以下になれない。<br /> <br /> *完全な年齢主義+修得主義の課程主義の例<br /> **(進級時)4月1日時点で7歳であれば小学2年生、8歳であれば小学3年生という風に、完全に年齢と学年を対応させ、進級試験に合格できなければ退学になる。<br /> **(入学時)入学資格が「4月1日時点で15歳である者」で、入学試験に合格しなければならない。<br /> <br /> *完全な年齢主義+履修主義かつ修得主義の課程主義の例<br /> **(入学時)入学資格が「4月1日時点で15歳である者」と「3月に中学校を卒業する見込みの者」で、入学試験に合格しなければならない。<br /> <br /> 以上のように、実際の制度は年齢主義あるいは課程主義の一言で言い表せるものではなく、細分化されている。また、ある学年は基本的に原級留置を行わず、ある学年で厳しく落第させるといった、学年ごとに方針が異なるという例もある。<br /> <br /> ==世界的な流れ==<br /> 年齢主義も課程主義も、[[学校]]が現れてからの概念であるが、必ずしも普遍的な[[義務教育]]制度が完成してからの物ではない。古代より学校そのものは存在し、一部の階層を対象に教育が行われていた。近代的な学校以前の教育施設は、制度も目的も対象者もさまざまであり、また初等学校と高等学校との連携が取られていたわけではない。<br /> <br /> 傾向的には、世代が下るにつれ初中等教育が年齢主義的になっている。これらは、義務教育制度が発達し、児童労働の防止の観点から就学義務が設けられるなどの趨勢と一致し、小学校は児童のための学校という認識が強まっていった。また、徴兵制などのもとでは、知識レベルではなく体格レベルでまとめた方が将来の兵士の養成に役立つため、学校もそういった形態になりやすい。例えばナチスドイツ期の[[ヒトラーユーゲント]]や、日本の[[青年学校]]なども、[[徴兵制度]]などと密接なかかわりがあった。学校と軍の関わりが強いと、国民の錬成の観点からも年齢主義は歓迎される。<br /> <br /> 学校を知識習得のための場としてだけみるならば、年齢主義は意味がないが、心身の発達に応じて教育を施すことを目的とするのであれば、やはり同年齢教育に近い方が指導しやすい。この点は、学校外教育がどの程度充実しているかによっても異なり、例えば[[ボーイスカウト]]などの青少年の共同団体が一般的である社会とそうでない社会によっても異なる。また専業主婦が多かったり、大家族が多かったりする社会では、学校は純粋に知識の獲得のみの役割を担うことが容易である。<br /> <br /> しかし、[[生涯学習]]の理念に基づき、「教育は若年期だけのものではない」という考えから、各国で[[在学年齢]]の広範囲化がすすんでいる。これらは特に大学などで顕著で、欧米ではさまざまな年齢の大学生が存在する。また積極的に低年齢者を大学に入学させている国も存在するなど、制度はあくまで二の次であり、個人の特性を第一に考えている場合も多い。<br /> <br /> 歴史的には、近代的学校制度が整うまでに一般的であった[[年齢階梯制]]の役割を、学校が肩代わりしていくといった変化が見られる。当初は、知識を得る場としての学校や私塾と、同年齢集団である青年団や若者組は、明確に異なるものであったが、学校が同学年同年齢のシステムに近づいていくに伴い、学校が同年齢集団の場と化していった。特にこういった傾向は、日本のような1日の授業時間の長い学校制度で顕著である。<br /> <br /> また、年齢主義は[[生年月日]]および年齢(の下限・上限)を基準にするため、国民の生年月日を記録する制度がない国・地域では正常に機能しない。現代でも生年月日を厳格に記録していない国・地域もあるため、この場合は精密な年齢主義は不可能である。こういったことから、年齢主義の普及には戸籍に生年月日を記録する制度の導入が前提条件となる。社会と政府の近代化に伴い、同年齢教育が実行可能になったといえよう。また、児童労働の防止を目的とした義務教育制度の発足により、特定年齢層の全員就学の必要性が高まったことも原因である(「[[義務教育]]」の記事を参照)。<br /> <br /> ==日本における歴史==<br /> ===能力主義の時代===<br /> [[江戸時代]]は[[寺子屋]]で[[町民]]の子弟を[[教育]]していたが、ここには[[年齢]]による[[学年]]は存在せず、[[師弟|師匠]]が[[在籍者 (学習者)|生徒]]の進度にあわせて教育するという形態を取っていた。[[1868年]]([[明治]]1年)の[[明治維新]]の影響で、[[1872年]](明治5年)に[[学制]]が公布されて近代的な[[学校制度]]が始まり、[[学齢]][[児童]]の就学が行われた。学制下の[[下等小学]]と[[上等小学]]では、[[学年制と等級制|等級制]]という半年間のレベル別[[学級]]に分けた進度別編成が行われ、どちらの小学校も8等級あり[[修業年限]]は4年間であった。等級制のもとでは、月ごとの小試験、期末の中試験([[進級試験]])、[[学校]]末の大試験([[卒業試験]])によって厳密な[[進級]]・[[卒業]]判定がなされた。当時のこの風景は今でも[[季語]]に残っており、「大試験 学年試験 進級試験 卒業試験 受験 及第 落第」が春の季語となっている。また[[飛び級]]も可能であったため、進級試験の際に数段階進級した生徒もおり、例えば[[夏目漱石]]は2回([[学年制と等級制|学年制]]に直せば1年になる)の飛び級経験がある(ただしその後落第した)。また[[小学校]][[入学]]年齢の下限は一応存在したが、厳密に守られていたわけではなく、[[寺田寅彦]]のように1年程度早期に入学する例もあった。<br /> <br /> 当時の学校は、同じ等級に属していても年齢はかなり隔たりがあった。一例を挙げれば、[[1877年]]の大分県の下等小学第八級(現在の小学1年前半の時期に相当)には2万2千人が在籍していたが、[[在学年齢]]は3歳6ヶ月から19歳2ヶ月までであった。また下等小学第二級(現在の小学4年前半の時期に相当)では540人が在籍していたが、年齢は8歳1ヶ月から18歳7ヶ月であった。このように、現代では[[幼稚園]]から大学に通っていてもおかしくない年齢層の人が同じ学級で学んでいたのである。勿論ながら、[[旧制中学校|中学校]]や[[旧制専門学校|専門学校]]ではさらに年齢はばらばらだった&lt;ref&gt;長野や鹿児島では[[変則小学]]が年齢の高い生徒を受け入れて中学相当の教育をしていたとの説もある。&lt;/ref&gt;。このように、実質的には年齢に縛られない明確な課程主義に基づく制度であった。ただし、学制では小学、中学については在学年齢が下限・上限ともに明文化されており、制度上はかなり厳密な年齢主義のような形で書かれているが&lt;ref&gt;「下等小学ハ六歳ヨリ九歳マテ上等小学ハ十歳ヨリ十三歳マテニ卒業セシムルヲ法則トス但事情ニヨリ一概ニ行ハレサル時ハ斟酌スルモ妨ケナシトス」、「下等中学ハ十四歳ヨリ十六歳マテ上等中学ハ十七歳ヨリ十九歳マテニ卒業セシムルヲ法則トス」、「諸民学校ハ男子十八歳女子十五歳以上ノモノニ生業ノ間学業ヲ授ケ又十二歳ヨリ十七歳マテノ者ノ生業ヲ導カンカ為メ専ラ其業ヲ授ク故ニ多ク夜分ノ稽古アラシムヘシ」と、小学、中学については、下限年齢のみならず、上限年齢までも明記されており、これは戦後も含めた教育法規では他に例を見ないものと思われる。現在の法規では、下限年齢は間接的に定められているものの、上限年齢は定めがない。一方、「専門学校ニ入ル生徒ハ小学教科卒業シ外国語学校下等ノ教科ヲ踏ミタルモノニシテ年齢十六歳以上タルヘシ」、「外国語学校ハ外国語学ニ達スルヲ目的トスルモノニシテ専門学校ニ入ルモノ或ハ通弁等ヲ学ハント欲スルモノ此校ニ入リ研業スヘシ但此校ニ入ルモノハ小学教科ヲ卒業シタルモノニシテ年齢十四歳以上タルヘシ」のように、専門学校と[[外国語学校]]については年齢の上限は定められていなかった。&lt;/ref&gt;、実際にはこの規定は前記のように有名無実であり、[[教育令]]期以降は年齢上限の規定は廃された。<br /> <br /> *[http://home.hiroshima-u.ac.jp/cice/saitou6-1.pdf 留年・中途退学問題への取り組み]<br /> *:46ページに年齢と等級の表がある。また徳育や体育は異年齢集団では難しいとの解説がある。<br /> <br /> しかしながら、すぐに進級不可能な児童が下級に蓄積されていく一方であり、[[教員]]数などの面で教育に困難をきたしてしまった。たとえば、明治8年の下等小学では、最初級である第八級に在学している児童が65%で、第七級に在学している児童が17%であり、現在の一年生に相当するこの二つの等級の児童が82%と飛躍的に多く、上の等級に上っていくに連れて急激に減少している。このように、初級をずっと繰り返して4年間過ぎてしまうという例がかなりあった。また上等小学にいたってはわずか0.1%ほどであり、これは明治19年になっても0.8%でしかなく、ごくわずかの児童しか通えなかった。この原因としては、以下のものがあげられる。<br /> [[File:Former_Kaichi_School09_1024.jpg|thumb|開智学校内部。このような優美な学校はむしろ例外的であった。]]<br /> *本来、等級制は1等級当たり教員一人が担当することを前提とした形態だったが、実際には1校(8等級)に正教員が1人だけしかおらず、[[代用教員]]などを含めても3名程度しかいないというような例が多く、教員の質量の不足のため合級授業([[複式学級]])とせざるをえなかったこと<br /> *当時は統計上2.27%程度存在する[[知的障害]]者などの存在にはあまり注目されておらず、[[特別支援学級]]もなく、[[特別支援教育]]の考え方もなかったこと<br /> *年少者の労働が多く、また急速な学校制度への反発のため、[[就学率]]が[[1873年]](明治6年)には28.1%、[[1885年]](明治18年)には49.4%(ただし[[出欠|欠席]]者や学齢超過者を除いた実質就学率は1873年15.1%、1885年30.5%である)と低く、欠席数も多かったために十分に[[授業]]を受けられないという環境だったこと<br /> *1学級の定員が80人程度であり、現代の40人定員の2倍であったにもかかわらず、[[教室]]は現在より少し狭かったという過密状態だったこと<br /> *下等小学第七級(現在の小学1年後半の時期に相当)の書き取り試験の問題に「茄子、箱、寒暖計、鶴、単衣」のような漢字が出されるなど、進級試験の難易度が高かったこと&lt;ref&gt;この漢字問題が進級試験のものか月次試験のものかは不明。&lt;/ref&gt;<br /> このように社会的に教育環境が整っていなかったため、一定の[[課程]]を修めることを進級の前提とする方式では破綻をきたしてしまったのである。[[旧開智学校|開智学校]]のような[[近代的建築]]で有名な学校は、政府が特に力を入れたモデルスクールであり、大部分の小学校は劣悪な環境であった。こうした問題に対する対策として、徐々に年齢主義も取り入れられるようになっていった。また、落第を繰り返す児童のうち少なからぬ者が[[障害者|障害児]]であったとされているが、そういった児童に対する教育の場として[[1890年]]に松本尋常小学校では落第生学級が設置された([[日本]]初の特殊学級)。<br /> <br /> === 年齢主義の導入 ===<br /> [[1885年]](明治18年)には、これまで6ヶ月だった小学校の1等級の期間が1年に変更され、現在の学年に近い形となった。また、[[1891年]](明治24年)には学年という概念が用いられるようになり、等級制から学年制に移り変わりはじめた。そうして[[1900年]](明治33年)の第三次[[小学校令]]では、「試験ヲ用フルコトナク児童平素ノ成績ヲ考査」と定められ、反対意見もあったが小学校における次学年への進級試験や卒業試験が廃止された。[[1925年]]になると、旧制中学校の入学者のうち大体13歳(現役)である尋常小学校卒業者が50%を上回り、学年差=年齢差という形態に近づいていった。難関中学校は浪人が多かったが、そうでない学校は現役生が多かったため、そういった学校ほど学年内の年齢差は少なかった。ただし、入学時年齢には5歳程度の幅があり、卒業時年齢も20代後半や30代前半という例も見られる&lt;ref&gt;[http://db1.pref.hiroshima.lg.jp/data/tone/s11/tosho-p01.xls 広島県統計書昭和11年版(エクセル)]によれば、入学時の年齢は12歳から18歳程度、卒業時の年齢は17歳から28歳程度であり、年度によっては33歳の例もある。公立・私立で大きな差はない。一方、高等女学校についても、入学時年齢は中学校よりやや狭いが、数歳の幅がある。高女の卒業時年齢は統計がない。[http://www1.pref.tokushima.jp/003/04/data/showa/1933_02.pdf 徳島県統計書72ページ(PDF)]によれば、入学者の多くは12歳から15歳の4歳幅に収まっていたのが、なぜか昭和1桁期に急激に12歳と13歳の2歳幅に収束して行っていることが伺える。高女も同様に同時期に年齢幅が狭くなっている。&lt;/ref&gt;。また、[[師範学校]]においては一般入試よりも[[推薦入学]]のほうが多かったため、旧制中学よりも年齢差は少なかったとされる(ただし第二部では年齢層は高めかつ広めであった)&lt;ref&gt;[http://www.pref.mie.jp/DATABOX/tokeisho/tokeipdf/s15_3tokei/pdf/06_024_0.pdf 三重県統計書(PDF)]&lt;/ref&gt;。こうして、次第に年齢主義的な運用に近づいて行き、また実際に年齢差が縮小して行ったため、学校においても[[長幼の序]]が重んじられるようになり、年下の者が年上の者を追い越すことが不敬とされ、徐々に年齢階級的な意識も広まってきた。そのため、この時代あたりから学年差による[[年功序列]]的な「[[先輩]]・[[後輩]]」関係が現れるようになったとされる。一方、飛び級(飛び入学)については、五年制中学校を四年修了した段階で上級学校に進学できる四修などで、ある程度は認められていた。([[不破哲三]]などが体験者)。また、旧制高校においては、ずっと年齢のばらつきが大きい状態が続いた&lt;ref&gt;[http://rihe.hiroshima-u.ac.jp/tmp_djvu.php?id=55722 地方における旧制高等教育機関利用層の比較分析]の30ページ以降を参照。この文書では、四修の場合でも現役進学ではなく、浪人があることが説明されている。&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> 明治30年代の学校制度では、修業年限は小学校6年、中学校5年、高等学校3年、大学3~4年であり、6歳から就学して留年や飛び級や浪人をせずに進学していけば、23歳~24歳で大学を卒業することになるが、上級学校と下級学校の接続が円滑でなかったため、進学の難易度が高く、平均的な大学卒業年齢は26歳~27歳であったといわれている&lt;ref&gt;1899年(明治32年)の[[久保田譲]]の講演によれば「実際に大学を卒業するのは平均26、7歳、甚だしい場合は30歳を超えるものも中にはある」(現代語訳)とのことである。&lt;/ref&gt;。このように、むしろ現役進学者にあたる年齢層の方が少数派ですらあった。学校制度を扱う文献などには、戦前の学校系統図が掲載されていることがあるが、中には大学院段階まで年齢が付記されている場合がある&lt;ref&gt;[http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpbz198102/hpbz198102_2_185.html 一例]&lt;/ref&gt;。しかし、特に戦前はこのように年齢的な集約性が低かったので、中等教育以降に年齢を付記するのはむしろ弊害がある&lt;ref&gt;極論をすれば、学制期以外の制度では、小学校以上の学校には年齢上限が定められていないため、就学前教育の部分を除いて年齢を付記できないことになる。ただし、戦後に限れば[[在学年齢]]の下限はかなり厳格になったので、「その学年に所属可能な最低年齢」の意味で年齢を併記するのは問題はない。&lt;/ref&gt;。外国でも同様な図はあるが、[http://www.rzuser.uni-heidelberg.de/~el6/presentations/pres_c2_uss/TheAmericanSchoolSystem.htm 高等教育以降に年齢を付記していない例]や、[http://scopp.shohoku.ac.jp/dl/shiryou1.pdf 後期中等教育以降に年齢を付記していない例]もある。また、図の学校の部分に網掛けをするなどして「義務教育である」と表示している例も見られるが、完全に課程主義の義務教育制度の場合は問題ないものの、年齢主義の義務教育制度の場合は、図と異なる年齢でその学校に在学していた場合に現実と合致しない表記となってしまうため、問題がある&lt;ref&gt;文章で「○歳から○歳まで義務教育」と説明するか、年齢ゲージがある場合は年齢ゲージに網掛けをするなどして表記すればよい。なお、戦前の日本のように義務教育終期が年齢主義と課程主義の併用であった場合、正確に表現するには学校部と年齢ゲージの両方に表示をすることになる。&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> なお、戦前においては制度上の年齢主義はさほど強固ではなかったものの、法規によって入学年齢の下限が定められている例も多かった。例えば中学校・[[高等女学校]]はともに12歳が下限であり、[[高等中学校]]は17歳が下限であった。とはいえ後述のようにわずかにそれより若い年齢での入学はあったようだ。なお、戦前・戦後とも法規において年齢の下限が定められていない学校種は多いが、それでも下級学校の卒業を入学要件としているので、実質的な下限はあるとみなせる。<br /> <br /> 現代では学校種ごとの在学年齢の統計は一部を除いて取られておらず&lt;ref&gt;国勢調査などの大雑把なアンケート調査はあるが学校由来のデータはほぼない。&lt;/ref&gt;、[[学校基本調査]]でも[[特別支援学校]]と高校通信制課程にしか年齢回答欄がない。しかし戦前は比較的在学年齢の統計が充実しており、[[府県統計書]]では小学校の年齢項目は見当たらないものの、中学校などの入学・卒業時点の年齢については、多くの県で掲載されている&lt;ref&gt;ただし、当時は法律上の中学校は中学校と名乗っていたが、各種学校扱いの私立中学校もあり、こちらは中学と名乗っており、統計も別になっている。各種学校扱いの中学に在学年齢の統計がある県は確認できていない。&lt;/ref&gt;。中学校の最低入学年齢はほぼ12歳で、まれに11歳代後半の例が見られる程度であるが、明治末期の私立中学校に27歳の入学者がいるなど、最高年齢はかなりばらつきがある&lt;ref&gt;[http://db1.pref.hiroshima.jp/data/tone/m44/m44/tosho-q01.xls 広島県統計書 明治44年(エクセル)]私立広陵中学校。&lt;/ref&gt;。障害者向けの学校はさらに幅広く、例えばある県の盲学校は、昭和初期の初等部の第一学年入学時年齢は6歳から15歳、中等部の入学時年齢は12歳から44歳と幅広く、また他県の[[聾唖学校]]の初等部も年齢的に幅広い&lt;ref&gt;盲学校については[http://www.pref.mie.jp/DATABOX/tokeisho/tokeipdf/s15_3tokei/pdf/05_021_0.pdf 三重県統計書 昭和15年(PDF)]を参照した。三重県のは盲学校は年齢があるが聾唖学校はないので、広島県を参照した。&lt;/ref&gt;。また、中学校などの落第・及第の統計も取られており、落第者の比率は、明治末期では中学校で1割程度、高等女学校ではわずかであり&lt;ref&gt;[http://db1.pref.hiroshima.jp/data/tone/m44/m44-2.htm 広島県統計書 明治44年(リンク先にエクセル)]&lt;/ref&gt;、昭和初期には低下が見られる。<br /> <br /> [[1945年]]の[[太平洋戦争]]の敗戦を受けて、[[1947年]]に[[学制改革]]が行われた。これによって[[義務教育]]年限は9年間となり、年齢相当学年([[#年齢相当学年という考え方|後述]])からの飛び級は禁止された。終戦からしばらくの間は、小中学校は基本的には年齢主義であるものの、[[貧困]]から学齢を過ぎて就学する人、学齢期でも周囲の児童より年齢が高い児童なども多く、欠席日数などによる原級留置などもあり、飛び級禁止になった以外は課程主義の要素も残った。しかし徐々に同一学年同一年齢になってゆく。もっとも、小中学校における原級留置については、[[#統計の不足|後述]]のように統計は存在しないので数値的には判断不能であるが、時代を下るにつれて減ってきているといわれる。一方、就学猶予と就学免除については、統計では[[1970年代]]を境として著しく減少しているが、これは小学校入学者のうちの就学猶予経験者が激減したということを表しているわけではなく、[[1979年]]に[[特別支援学校|養護学校]]が義務教育学校となり、重度障害児も全員入学できる制度になったことが大きく影響している。学制改革以来、21世紀までに学校制度はほとんど変更されていない。<br /> [[File:Japan drills Boy Scouts with rifles 1916.png|thumb|行進]]<br /> 一方、義務教育期間の終了基準については、学制発布当初から年齢主義と課程主義の併用によって決定されていたため、一定の[[教育課程]]を修了していない場合は、学齢を超過するまでは[[義務教育|就学義務]]が存在した。たとえば小学校令(明治33年)では、「尋常小学校ノ教科ヲ修了シタルトキヲ以テ就学ノ終期トス。」となっており、学齢期は6歳から14歳までの8年間であった。このように当時は義務教育期と学齢期が違う概念だった。この課程主義は、[[1941年]]の[[国民学校令]]によって「満14歳ニ達シタル日ノ属スル学年ノ終迄」とされて完全な年齢主義に転換するまで続いた。以後、現在に至るまで義務教育期間の終了基準は年齢主義である。これについては「[[義務教育]]」の記事で詳述する。<br /> <br /> なお、戦時中は徴兵の観点から、男子に対しての定時制義務教育として[[青年学校]]制度が制定された。これも同年齢層に対する教育が前提であった。&lt;!--書き掛けです--&gt;<br /> <br /> なお、戦前は[[出生届]]に医師の証明書が必須ではなかったため、恣意的に戸籍上の生年月日を操作することも可能であった(特に[[丙午]]に当たっていた1906年(明治39年)など)。戦後生まれでも[[大島健伸]]の様に、学校入学時期を早めるために生年月日を偽った例もある&lt;ref&gt;[http://ameblo.jp/worldwalker2/entry-10339771976.html 引用]&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> ===学校の役割の変遷===<br /> よく学校は[[知育]]・[[道徳教育|徳育]]・[[体育]]の場であるといわれるが、学校が同年齢集団となる場合、知育の場としての性格が薄れて行く傾向が見られる。<br /> <br /> 前述の通り、江戸時代においては[[寺子屋]]などの[[私塾]]が読み書きそろばんの習得の場であった。畿内では男性の[[識字]]率がかなり高く&lt;ref&gt;リチャード・ルビンジャー著 川村肇訳『日本人のリテラシー』([[柏書房]]、2008年 ISBN 978-4-7601-3390-1)257-263頁によれば、明治15年の滋賀県では男性9割、女性6割が識字。京から遠い所ではかなり低かった。&lt;/ref&gt;、これは寺子屋の貢献が大きいといわれる。明治時代に学校制度が施行されてからもしばらくの間は、小学校は進級試験のある課程主義で運営され、それまでの寺子屋に代わる日常生活のための識字の場であり、また立身出世のための学問の場でもあった。しかし軍国化がすすむに伴い、知育よりも軍役に耐える国民を作り出すための体育が重視され始め、[[国民学校]]制度の頃にはほぼ年齢主義となった。戦後もこの影響は払拭できず、ほとんどの小中学校は同学年=同年齢の集団に対する教育の場と位置づけられた。年齢主義を徹底すると、[[学年]]は能力に応じて所属する教育の場ではなく、同年齢者の集合する場となるため、様々な個別化教育を行わないと能力に合った教育が難しくなる。しかしながら、日本では諸外国のように個人の能力差に応じた教育があまり行われなかったため、[[学習指導要領]]が簡素化されてからは学校で十分に進学のための知識を習得することは難しくなり、[[学習塾]]が人気を呼ぶこととなった。<br /> <br /> 進学志向の強い生徒や家庭は、公立の小中学校では[[高校受験]]や[[大学受験]]に適した学力を身につけることは困難だと判断し、学習塾や[[予備校]]や[[学習参考書]]や[[通信教育]]を利用し、[[独学]]傾向が強まって行った。また、[[長期欠席]]生徒が進学を目指す場合もそうならざるを得ない。こうなると小中学校は学力を身につける場という性格が薄れていき、[[通塾率]]の高い地域においては、学校は[[社会教育]]の場、塾は受験勉強をする場という住み分けすらなされている。一方、私立学校においては知育重視の教育をするところもあり、必ずしも学校離れが起きているわけではない。<br /> <br /> このように、江戸時代における知育の場は寺子屋などの私塾であったが、明治時代にはそれが小学校になり、[[高度経済成長]]期以降には再び学習塾や予備校などの学校外教育機関に戻るという変遷をたどっている。現代では学校以外にも学びの場所は多いため、相対的に学校の魅力や必要性が低下している。こういった状況は、塾の費用を負担できない階層や教育に対する意識が少ない階層にしわ寄せが行くため、[[学力格差]]・[[教育格差]]や[[学力低下]]としてよく批判される。しかし、日本ではすでに識字率が高止まりし、それ以上の[[学校知]]があまり社会で役に立たないという共通認識も強いため、あまり深刻には受け止められていない。ただ、中学校までもが幼稚園と同じように同年齢教育の場になっているため、学習者の年齢によっては学校教育が受けられず、独学や学習塾などに頼るしかないという本末転倒な状況は依然として存在する。<br /> <br /> ==日本における現状==<br /> 日本の学校教育は、法制度における規定(建前)と実際の運用(実態)が異なっている場合や、教育者の目標(建前)と生徒・親の行動(本音)が異なっている場合がかなり存在する。これは特に[[在学年齢]]について著しいため、初学者にとっては非常に理解しづらい。そのため、まずは「制度と実態が大きく乖離している」と認識することが実態を理解する上での近道である。<br /> <br /> 現代の[[日本]]では、以下のように就学前の教育施設および児童福祉施設と、前期中等教育までの学校と、後期中等教育以上の学校で大きく年齢主義と課程主義の運用方法が分かれる。法律上は、在学年齢に上限があるのはグループ1のみで、グループ2以上は上限がないとされているが、実態はそれほど単純ではなく、[[年齢]]によってかなり縛りがあるということが重要である。<br /> [[File:Classroom2.jpg|thumb|日本の中学校教室]][[File:Networked learning.jpg|thumb|集団体育]]<br /> *グループ1<br /> **[[就学前]]の教育施設および児童福祉施設<br /> **:[[幼稚園]]、[[保育所]]、[[特別支援学校]](盲学校・聾学校・養護学校)の幼稚部<br /> *グループ2(義務教育諸学校)<br /> **[[初等教育]]の学校<br /> **:[[小学校]]、特別支援学校(盲学校・聾学校・養護学校)の小学部<br /> **前期[[中等教育]]の学校<br /> **:[[中学校]]、[[中等教育学校]]前期課程、特別支援学校(盲学校・聾学校・養護学校)の中学部<br /> *グループ3<br /> **後期中等教育の学校<br /> **:[[高等学校]]、中等教育学校後期課程、特別支援学校(盲学校・聾学校・養護学校)の高等部、[[専修学校]]高等課程<br /> **[[高等教育]]の学校<br /> **:[[高等専門学校]](後期中等教育に含める場合もある)、[[大学]]、[[大学院]]、専修学校専門課程<br /> (上記のグループの名前は本記事のみで通用する区分である)<br /> <br /> ただし、中学校の[[中学校#二部授業(夜間授業など)|夜間学級]]・[[中学校#中学校の通信教育|通信教育]]課程のようにグループ2に所属しながら実態はグループ3のものとなっているという場合や、特別支援学校の小学部・中学部などのようにグループ2に所属しながらグループ3の特徴もあわせ持っているという場合もあり、必ずしもすべての学校で明確な区切りがあるわけではない。<br /> <br /> &#039;&#039;&#039;グループ1&#039;&#039;&#039;のうちの就学前教育を行う施設は、法制度上も年齢主義での運用となっており、実態も年齢主義での運用となっている。このため、所属するのは幼児のみである&lt;ref&gt;法律上は小学校入学前までとなっており、明確な年齢上限があるわけではないが、[http://ja.wikisource.org/wiki/2000%E5%B9%B4%E5%9B%BD%E5%8B%A2%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E7%AC%AC14%E8%A1%A8 国勢調査]では7歳以上の在籍者がゼロになっている。ただし[http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/t19960510002/t19960510002.html 文部科学省の文書]や[http://www.eqg.org/fighters/kiso/mondo.htm 保育所入所事務要領補足問答集]では、就学猶予中の児童でも在籍することが想定されており、実際に在籍している例はあるはずである。&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> &#039;&#039;&#039;グループ2&#039;&#039;&#039;の小学校・[[中学校]]などでは、基本的には年齢主義を取っており、[[複式学級]]を除けばある[[学年]]に所属する[[児童]][[在籍者 (学習者)|生徒]]はほとんどが同一[[年齢]]である。制度上は[[原級留置]]など課程主義的な運用も可能であるが、実際には[[成績]]不良・長期[[出欠|欠席]]でもほとんど[[進級]]・[[卒業]]をさせており、生徒が「今の学年にとどまりたい」と希望し、かつ保護者がこれに同意してもほぼ強制的に進級させられるケースもある([[#初等教育|後述]]の裁判例を参照)。この理由としては、年齢主義で運営してきた長年の習慣があることと、[[学校教育法]]で義務教育期間の終了を年齢基準としていること&lt;ref&gt;本来は関係が薄いが、複数の書籍でこのような説明がなされている。&lt;/ref&gt;があげられる。ただし、必ずしも硬直的な年齢主義のみで運営されているわけではなく、原級留置や就学猶予は皆無ではない。一方、年齢相当学年([[#年齢相当学年という考え方|後述]])を超える[[飛び級]]については、一律禁止となっている。[[公立学校]]では学年内[[能力別教育]]はあまり存在しない。<br /> <br /> 日本では4月1日時点で満6歳から満14歳である人に対し、[[学齢]]期という呼び方がなされ、日本国民にとっては学齢期は義務教育期と同等となっている。&lt;span style=&quot;text-decoration:underline;&quot;&gt;また、通常は初中等教育が学齢教育期の教育を行っているため、グループ2の学校は学齢期の児童生徒がほとんどを占めている。(要推敲)&lt;/span&gt;学齢は在学年齢の下限を定める物であるが、上限を定める物ではないため、学齢未満の者の在学は不可能だが、学齢超過の者の在学は可能である([[学齢#学齢期以外の者の義務教育諸学校への在学|学齢]]を参照)&lt;ref&gt;なお、この場合でも義務教育の終了時期は年齢基準であるため、[[義務教育|就学義務]]は学齢期以降は存在しない。&lt;/ref&gt;。初中等教育の学校に在学している学齢超過者は0.49%程度であり&lt;ref&gt;学校種などの内訳は国勢調査には載っていないため不明である。&lt;/ref&gt;([[学齢#学齢超過者|学齢]]を参照)、かなり少数派である。<br /> <br /> &#039;&#039;&#039;グループ3&#039;&#039;&#039;の[[高等学校]]・[[大学]]などでは、基本的には課程主義を取っており、出席日数・成績が不良の場合は進級・卒業できないが、高校(特に全日制高校)においては年齢主義的な要素もある。また、近年では高校2年からすぐ大学に入学できる[[飛び級|飛び入学]]や、大学の[[早期卒業]]、[[大学院]]への飛び入学などの制度が行われ始めており、年数主義も弱まり始めているが、やはり大幅な年限短縮は不可能であるため、年数主義が強いといえる。これらの学校では、生徒学生が何歳で在学しているかよりも、何年間在学しているかの方が重要であるため、年齢主義の色彩は薄いが、課程主義であるとともに年数主義であるといえる。高等学校における原級留置は年間0.6%程度であり、諸外国と比較すると少ない。これは年数主義かつ[[履修主義と修得主義|履修主義]]であるといえる。また19歳以上の生徒も少ないため、ある程度年齢主義であるともいえる。大学における留年は、国立大学が10~20%、私立大学が5~10%程度であり、諸外国と比較すると少ないものの、ある程度課程主義的になっている。<br /> <br /> より詳細な情報は、[[#日本における学校ごとの現状]]を参照。<br /> <br /> === 在学可能な年齢 ===<br /> 日本において年齢と入学できる学校の[[関係]]は以下の一覧のとおりとなっている。以下の2の学校では3の学校に入れる年齢である人の新入学・[[転入学]]・[[編入学]]・在学などがきわめて少なく、また3の学校でも4の学校に入れる年齢である人の新入学・転入学・編入学・在学などが少ない([[過年度生]]も参照)。<br /> <br /> {| class=&quot;wikitable&quot;<br /> !!!4月1日時点の年齢!!学校<br /> |-<br /> |1||満3歳以上||[[幼稚園#日本|幼稚園]](広義的な[[認定こども園]]を除く)&lt;br&gt;[[特別支援学校]]幼稚部<br /> |-<br /> |2||満6歳以上||[[小学校#日本の小学校|小学校]]&lt;br&gt;[[義務教育学校]]前期課程&lt;br&gt;特別支援学校[[小学部]]<br /> |-<br /> |3||満12歳以上||[[中学校]]&lt;!--[[中学校#一般的な中学校の通常学級|普通学級]]・中学校[[特別支援学級]](特別支援学級は幼小中高共通の概念なので)--&gt;&lt;br&gt;[[中等教育学校]]前期課程&lt;br&gt;義務教育学校後期課程&lt;br&gt;特別支援学校[[中学部]]<br /> |-<br /> |4||満15歳以上||[[高等学校#日本の高等学校|高等学校]][[本科]]&lt;br&gt;中等教育学校後期課程&lt;br&gt;[[高等専門学校]]本科&lt;br&gt;特別支援学校[[高等部]]&lt;br&gt;[[専修学校]]高等課程([[高等専修学校]])<br /> |-<br /> |5||満18歳以上||[[大学]]&lt;br&gt;[[短期大学]]&lt;br&gt;高等学校[[専攻科]]&lt;br&gt;専修学校専門課程([[専門学校]])<br /> |-<br /> |6||満20歳以上||高等専門学校専攻科&lt;br&gt;2年制短期大学の専攻科<br /> |-<br /> |7||満21歳以上||3年制短期大学の専攻科<br /> |-<br /> |8||満22歳以上||[[大学院]]([[修士課程]])<br /> |-<br /> |9||満24歳以上||大学院([[博士課程]])<br /> |}<br /> 大学・大学院では[[飛び入学]]・[[早期卒業]]があるため、表の年齢よりも低い年齢での所属がありえるが、それ以外の学校種においては、表内の年齢下限は厳格である。また[[大学校]]は独自にさまざまな年齢制限を設けている。より詳しい表は「[[学校制度]]」を参照。<br /> <br /> === 統計 ===<br /> 日本では学校の報告による正確な[[在学年齢]]統計が存在しないため、本人または家族の申告による[[国勢調査]]の不正確なデータを参考として利用せざるをえない。ここで掲載するのは、[[2000年]]9月30日時点の国勢調査を基にした統計である&lt;ref&gt;[http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/Xlsdl.do?sinfid=00000003185F 原典はこちら(エクセル)]だが、エクセル形式であるため、内容を[[s:2000年国勢調査第14表]]に掲載した。表内の太字部分が今回引用する数字である。&lt;/ref&gt;。回答は自己申告のため、正確ではない可能性がある。また表示されている年齢は9月30日時点の年齢であるため、学年基準(4月1日時点の年齢)と一致しないため、特に低年齢生徒と高年齢生徒の境界部分が分かりにくくなっている。そのため、出生日による調整として、便宜的に境界年齢の上の側の1歳分の人数の半分相当の人数を加算した数値も併記し、円グラフではその部分を色分けしている。他にも高等専門学校(15歳から入学可能)と短大(18歳から入学可能)など、複数の学校種がまとめて統計されているため、この国勢調査の在学年齢統計は、さほど精密な統計ではないとみなすべきである。<br /> <br /> ここで算出しているのは、[[小学校]]・[[中学校]]とその同等学校については、16歳以上の児童生徒または学齢超過児童生徒かどうかの統計であり、[[高等学校]]とその同等学校については、19歳以上の生徒または「3年制高等学校の卒業可能最低年齢」超過生徒(学年初日で18歳以上である生徒)かどうかの統計である。また、この統計では第何[[学年]]に所属しているかが不明であるため、原級留置や就学猶予などによって「学年相当年齢よりも高年齢」となった学齢・卒業可能最低年齢以下の高年齢児童生徒を把握できない。よって&#039;&#039;&#039;高年齢児童生徒はこの統計の数字よりもかなり多く存在する&#039;&#039;&#039;と考えるべきである。<br /> <br /> 2000年の国勢調査を見ると、小学校・中学校などではかなり年齢的な集約性があることが分かる。高校などにおいても、その傾向は見られる。多数派の年齢より高い年齢の在学者もある程度見られるが、実際には入学や在学などにはさまざまな困難が付きまとう。一方、大学などにおいては卒業可能最低年齢を超えている学生は少数派ではあるものの、ある程度多く存在する。<br /> <br /> 後述のように、統計上は大部分の学校種で年齢主義は年代を追うごとに緩和しているという結果がでている。しかし、高等教育段階も含め普遍的にそういう傾向が生まれているとは限らず、そういった年齢多様性が高い学校あるいは課程&lt;ref&gt;例えば、夜間中学、定時制・通信制高校、社会人学生、あるいは外国人対象の課程など。&lt;/ref&gt;の中においてのみの現象にとどまっている可能性も否定できない。それは、日本の企業社会の間には依然として[[年功序列]]制や[[新卒一括採用]]などが根強く残っていることも主な原因の一つである。<br /> <br /> 最新の国勢調査は2010年であり、在学年齢にかかわる部分は2012年ごろの公表が予定されている。国勢調査は5年に1回だが、小規模調査では学校の統計は取らないため、2005年調査にはこのデータはない。web上には1980年以降のものしか掲載されておらず、1970年以前のデータは存在するものの、図書館などに行かなければ入手できないため、加筆していない。<br /> <br /> ==== 国勢調査・初中等教育 ====<br /> 「小中学生数」は、[[小学校]]と、[[中学校]]と、[[盲学校]]・[[聾学校]]・[[養護学校]]の小学部/中学部の児童生徒についての統計である&lt;ref&gt;中等教育学校前期課程の扱いについては明記がない。&lt;/ref&gt;。小学校/小学部と、中学校/中学部は一緒に統計されているため分離できない。<br /> <br /> 「高校生数」は、[[高等学校]]と、[[盲学校]]・[[聾学校]]・[[養護学校]]の高等部の生徒についての統計である。[[高等専門学校]]は入っていない。[[専修学校]]も入っていないとも思えるが不明である。<br /> <br /> {|<br /> |<br /> {|class=&quot;wikitable&quot; style=&quot;float: left; margin-right: 3em&quot;<br /> !年度<br /> !小中学生数<br /> !うち16歳以上<br /> !16歳以上の比率<br /> !うち学齢超過者&lt;br&gt;(概算値)&lt;ref&gt;国勢調査の16歳の欄の人数を折半して加えた。あくまで概算値である。&lt;/ref&gt;<br /> !学齢超過者の&lt;br&gt;比率(概算値)<br /> |-<br /> |2010年<br /> |未<br /> |未<br /> |未<br /> |未<br /> |未<br /> |-<br /> |2000年<br /> |1151万2169人<br /> |4万9254人<br /> |0.427%<br /> |5万6463人以上<br /> |0.49%以上<br /> |-<br /> |1990年<br /> |1480万3300人<br /> |4万4363人<br /> |0.299%<br /> |5万4414人以上<br /> |0.37%以上<br /> |-<br /> |1980年<br /> |1695万0267人<br /> |2万7792人<br /> |0.163%<br /> |3万2937人以上<br /> |0.19%以上<br /> |}<br /> |<br /> {|class=&quot;wikitable&quot; style=&quot;float: left&quot;<br /> !年度<br /> !中学生数&lt;ref&gt;国勢調査のデータではなく[http://www.stat.go.jp/data/nenkan/zuhyou/y2204000.xls 都道府県別中学校]と[http://www.stat.go.jp/data/nenkan/zuhyou/y22080s1.xls 特別支援学校]の中学部のデータの合計。情報源が違うことと5月1日時点であることと1000人単位であることによりわずかな誤差がありえる。&lt;/ref&gt;<br /> !16歳以上の比率&lt;br&gt;(推定値)&lt;ref&gt;左図の「16歳以上の小中学生」をそのまま「16歳以上の中学生」とみなした。学齢超過者についても同様である。&lt;/ref&gt;<br /> !学齢超過者の&lt;br&gt;比率(概算値)<br /> |-<br /> |2010年<br /> |未<br /> |未<br /> |未<br /> |-<br /> |2000年<br /> |412万4689人<br /> |1.19%<br /> |1.37%以上<br /> |-<br /> |1990年<br /> |539万3260人<br /> |0.82%<br /> |1.01%以上<br /> |-<br /> |1980年<br /> |511万9735人<br /> |0.54%<br /> |0.64%以上<br /> |}<br /> |}<br /> <br /> [[File:3dsyoutyuukou-age.PNG|thumb|特定年齢以上の小中高生の比率の年代ごとの記録(中学校は2000年のみ描画)]]<br /> <br /> {|class=&quot;wikitable&quot;<br /> !年度<br /> !高校生数<br /> !うち19歳以上<br /> !19歳以上の比率<br /> !うち学年初日で18歳&lt;br&gt;以上(概算値)&lt;ref&gt;中学生数と同じく、国勢調査の19歳の欄の人数を折半して加えた。あくまで概算値である。&lt;/ref&gt;<br /> !学年初日で18歳以上&lt;br&gt;の比率(概算値)<br /> |-<br /> |2010年<br /> |未<br /> |未<br /> |未<br /> |未<br /> |未<br /> |-<br /> |2000年<br /> |434万1657人<br /> |12万9450人<br /> |2.981%<br /> |15万7795人以上<br /> |3.63%以上<br /> |-<br /> |1990年<br /> |575万4907人<br /> |10万5203人<br /> |1.828%<br /> |13万8673人以上<br /> |2.41%以上<br /> |-<br /> |1980年<br /> |473万4109人<br /> |7万9668人<br /> |1.682%<br /> |10万5880人以上<br /> |2.24%以上<br /> |}<br /> <br /> &lt;gallery&gt;<br /> File:syoutyuugaku-age.png|小中学生の年齢構成<br /> File:tyuugaku-age.png|中学生の年齢構成(推定値)<br /> File:koukou-age.png|高校生の年齢構成<br /> &lt;/gallery&gt;<br /> <br /> 数値算出の詳細は脚注&lt;ref&gt;統計表の16歳以上の児童生徒を合計すると4万9254人である。これに追加して、調査時点で15歳であり直前の4月1日の時点でも15歳である生徒も、一歳上の年齢の人数の半分以上存在すると判断されることを考慮し、7208人を追加すると、&#039;&#039;&#039;小学校・中学校とその同等課程に在学中の学齢超過児童生徒の総数は5万6462人よりやや多い&#039;&#039;&#039;ことになる。国勢調査のデータでは、これらの[[学校]]の児童生徒数は1151万2169人であるため、&#039;&#039;&#039;学齢超過の児童生徒は全児童生徒の0.49%よりやや多く存在する&#039;&#039;&#039;ことになる。ただし実際には大部分が中学校・中学部の生徒であると思われるので、それらの生徒数412万4000人(2000年・文部科学省)と比較した場合は、&#039;&#039;&#039;学齢超過の児童生徒は全生徒の1.37%よりやや多く存在する&#039;&#039;&#039;ことになる。&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;統計表にある、19歳以上の生徒を合計すると12万9450人である。これに追加して、調査時点で18歳であり直前の4月1日の時点でも18歳である生徒も、一歳上の年齢の人数の半分以上存在すると判断されることを考慮し、2万8345人を追加すると、&#039;&#039;&#039;高校とその同等学校に在学中の「3年制高等学校の卒業可能最低年齢」超過生徒の総数は15万7795人よりやや多い&#039;&#039;&#039;ことになる。国勢調査のデータでは、これらの学校の生徒数は434万1657人であるため、&#039;&#039;&#039;「3年制高等学校の卒業可能最低年齢」超過生徒は全生徒の3.63%よりやや多く存在する&#039;&#039;&#039;ことになる。また、4年制高校の4年生が約1万6千人存在するが、今回はすべて「3年制高等学校の卒業可能最低年齢」超過生徒として扱った。&lt;/ref&gt;を参照のこと。なお、国勢調査では小学校と中学校が分離されずに集計されているため、中学校分のみを算出するには推計に頼るしかない&lt;ref&gt;文部科学省による2000年の中学生数412万4000人を元に、国勢調査の16歳以上の欄に小学生が全く混じっていないという仮定の元で計算をすると(実際に該当者がいてもかなり少数と思われるため誤差の範囲である。)、16歳以上の中学生は1.19%となる(出生日による調整をして学齢超過者として算出すると1.36%)。&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> これらの過去のデータから見ると、中学校・中学部の16歳以上の児童生徒の比率は20年間で2.2倍に、高校・高等部の19歳以上の生徒の比率は1.7倍に増えている傾向が分かる。高校は1990年以降の伸びが大きい。この統計からは小中学校において[[原級留置]]が増えているのか高年齢入学が増えているのかはわからない(高校は原級留置と[[過年度生]]の統計があるが、中学にはどちらもない)。90年代から不登校生徒が急増し、[[長期欠席]]を理由とする原級留置はあまり見られなくなってきたとの説明が良く聞かれるが、実際の統計上は高年齢生徒が増加していることが分かる。ただし中学校においては、2クラスに1人の割合でしか学齢超過者が存在しないという結果であり、年齢的な多様性はきわめて低い。<br /> <br /> 学齢超過の生徒といえば[[中学校#夜間学級(夜間中学校)|夜間中学校]]に通っているというイメージもあるが、夜間中学校の生徒数は2000年当時は約3000人であるため、94%以上は全日制の中学校・中学部(または小学校・小学部)の生徒であることが分かる。また特別支援学校の在籍者も少ない。<br /> <br /> 中学校・中学部について、出生日による調整をして20歳以上の児童生徒(年度内に20歳になる場合を含む)を推計すると、1万3827人よりやや多く存在することになる。同様にして30歳以上の児童生徒(年度内に30歳になる場合を含む)を推計すると、1582人よりやや多く存在することになる&lt;ref&gt;ただし、30歳の単独データがないので、便宜的に29歳の105人を折半した。&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> なお16歳の小中学生と全小中学生の比較では、80年は0.060%、90年は0.135%、00年は0.125%と、伸びはストップしており、90年以降の伸びは17歳以上の構成者が多いことが分かる。19歳の高校生の比率については、3つの回ともあまり変わりはない。<br /> <br /> ==== 国勢調査・後期中等教育以上 ====<br /> 「高等専門学校生・短期大学生・専門学校生数」は、[[高等専門学校]]と、[[短期大学]]と、[[専門学校]]の学生についての統計である。「大学生・大学院生数」は、四年制以上の[[大学]]と、[[大学院]]の学生についての統計である。<br /> <br /> {|<br /> |-<br /> |<br /> {|class=&quot;wikitable&quot; style=&quot;float: left; margin-right: 3em&quot;<br /> !年度<br /> !高等専門学校生・短期大学生・&lt;br&gt;専門学校生数<br /> !うち21歳以上<br /> !比率<br /> |-<br /> |2010年<br /> |未<br /> |未<br /> |未<br /> |-<br /> |2000年<br /> |108万5789人<br /> |20万1673人<br /> |18.57%<br /> |-<br /> |1990年<br /> |137万6899人<br /> |16万0948人<br /> |11.69%<br /> |-<br /> |1980年<br /> |79万3909人<br /> |9万7847人<br /> |12.32%<br /> |}<br /> |<br /> {|class=&quot;wikitable&quot; style=&quot;float: left&quot;<br /> !年度<br /> !大学生・&lt;br&gt;大学院生数<br /> !うち23歳以上<br /> !23歳以上の&lt;br&gt;比率<br /> !うち25歳以上 <br /> !25歳以上の&lt;br&gt;比率<br /> |-<br /> |2010年<br /> |未<br /> |未<br /> |未<br /> |未<br /> |未<br /> |-<br /> |2000年<br /> |262万9532人<br /> |46万6109人<br /> |17.72%<br /> |18万6826人<br /> |7.10%<br /> |-<br /> |1990年<br /> |216万4676人<br /> |33万9783人<br /> |15.70%<br /> |11万5910人<br /> |5.35%<br /> |-<br /> |1980年<br /> |182万9713人<br /> |27万0416人<br /> |14.78%<br /> |8万2902人<br /> |4.53%<br /> |}<br /> |}<br /> <br /> &lt;gallery&gt;<br /> File:kousentandaisenmon-age.png|高等専門学校生・短大生・専門生の年齢構成<br /> File:gakubudaigakuin-age.png|大学生・大学院生の年齢構成<br /> &lt;/gallery&gt;<br /> <br /> これらの過去のデータから見ると、高等専門学校・短大・専門学校の21歳以上の学生の比率はこの20年間で1.5倍に増えているが、大学・大学院生の23歳以上の学生の比率は1.2倍にしか増えていないことがわかる。<br /> <br /> 高等専門学校・短大・専門学校の場合は1990年に落ち込んでいるが、理由は不明である。<br /> <br /> 大学・大学院の23歳以上の人の比率については、大学の総数が増え、入学難易度が落ちたことから、浪人をせずに入学する人が多くなっているのが、増加を押さえている一因であると考えられる。25歳以上の人の比率については、[[大学院重点化]]による大学院生の増加と、[[生涯学習]]の機運の高まりによる高年齢大学生数の増加が影響し、ある程度増加していると考えられる。<br /> <br /> ==== 国勢調査以外の統計 ====<br /> 粗[[就学率]]と純就学率の比率により、その国の[[学校教育]]の[[年齢]]的な集中度を表すことができる。日本の[[初等教育]]の粗就学率は100.41%、純就学率は99.91%であり、制度計画上の比定年齢範囲である者は99.5%である。[[中等教育]]の粗就学率は101.59%、純就学率は99.9%であり、制度計画上の比定年齢範囲である者は98.33%である(数値はいずれも2004年)&lt;ref name=&quot;就学率&quot;&gt;[http://www.nationmaster.com/red/graph/edu_sch_enr_pri_gro-education-school-enrollment-primary-gross&amp;b_map=1 School enrollment, primary &gt; % gross] www.nationmaster.com 2010年7月26日閲覧。初等教育粗就学率&lt;br&gt;[http://www.nationmaster.com/red/graph/edu_sch_enr_pri_net-education-school-enrollment-primary-net&amp;b_map=1 School enrollment, primary &gt; % net] www.nationmaster.com 2010年7月26日閲覧。初等教育純就学率&lt;br&gt;[http://www.nationmaster.com/red/graph/edu_sch_enr_sec_gro-education-school-enrollment-secondary-gross&amp;b_map=1 School enrollment, secondary &gt; % gross] www.nationmaster.com 2010年7月26日閲覧。中等教育粗就学率&lt;br&gt;[http://www.nationmaster.com/red/graph/edu_sch_enr_sec_net-education-school-enrollment-secondary-net&amp;b_map=1 School enrollment, secondary &gt; % net] www.nationmaster.com 2010年7月26日閲覧。中等教育純就学率&lt;br&gt;特記なき場合は上記サイトのデータを利用したが、ドイツの初等教育と中国の初等教育については粗就学率と純就学率でかけ離れた年度のデータしかなかったため、[http://www.unicef.or.jp/library/pdf/haku10_06.pdf ユニセフ世界子供白書2010年版]のデータを使用した。世界のデータも同様である。&lt;/ref&gt;。この比定年齢範囲率は世界各国の中でもきわめて高い。他国のデータについては[[#諸外国における歴史と現状]]を参照。<br /> <br /> [[学校基本調査]]では高校入学者のうち過年度中学校卒業者の数の統計がある。また[[公・私立高等学校における中途退学者数等の状況調査]]においては高校の原級留置者数の統計がある。また就学猶予者の統計も存在する。これらは学校の年齢状況を直接的に表すものではないが、中学卒業時期、高校在学時期、小学校就学の始期は年齢的な下限があるため、これらの統計によって高年齢在籍者の数を推し測れる。また、通信制高等学校や特別支援学校の生徒の年齢についても簡単な統計がある。なお、日本国内の外国人学校やインターナショナルスクール(通常は一条校ではない)は学校基本調査のこれらの項目の対象外である(国勢調査では申告者が一条校と同等とみなして書けば、集計結果に含まれる)ため、結果的に日本式の学校の実態に近い数値となる。<br /> <br /> また学校基本調査では、大学においては入学年齢や在学年齢のデータはないが、高校卒業何年度経ってからの入学かについてのデータがある。大学院については、入学年齢のデータがある。また大学の最低在学年限超過者についてもデータがある。<br /> <br /> ==== 統計の地域差 ====<br /> 国勢調査のデータは都道府県別のものもあるため、地域による差が分かる。[[s:2000年国勢調査第14表#属性・地域別の一定年齢以上の在学者比率|この]]表のように、16歳以上の小中学生については、最高の東京都が0.62%、最低の香川県が0.27%と2倍強の差である。このことは、私立学校が集中している地域でもそうでない地域でも大きな差はないことを意味し、公立学校にある程度学齢超過者が在籍していることも示す。一方19歳以上の高校生については、最高の東京都が5.24%、最低の山形県が1.70%と3倍強の差であり、小中学生より地域差は大きめである。なお、かつて高校受験浪人が多いとされた県は、現在では特に高年齢生徒が多いわけではなく、この数値には表れていない(ただし、学校基本調査の過年度生統計では、その県に多いとの傾向が見える場合もある)。<br /> <br /> 小中学生、高校生とも、全域より人口集中地区、また郡部より市部が高年齢生徒が多い傾向があり、このことが都市部の多い都道府県の方が数値が高いという結果に結びついている可能性がある。<br /> <br /> 国勢調査では全体的に新しい年度ほど高年齢生徒の割合が多くなっているが、沖縄県は例外的な傾向を持つ。2000年度の統計では全国平均とあまり差がないが、1990年度、1980年度の統計では、全国平均よりも高年齢生徒の割合が目に見えて高い。沖縄県では1975年3月の中卒者のうち、高校受験浪人(定義は志願者のうちの不合格者)が18.2%と多く、日本平均が1.6%なので10倍以上の差があった&lt;ref&gt;[http://ir.lib.u-ryukyu.ac.jp/bitstream/123456789/11529/2/07451064-2.pdf 沖縄県における高校中退者・不登校生徒の進路意識に関する総合的研究(第1部 Ⅰ)] - 藤原幸男、照本祥敬、長谷川裕、村上呂里、三村和則&lt;/ref&gt;。その後、徐々に本土のレベルに近づいていき、現在ではこの状況はあまり見られなくなっているものの、現在でも沖縄県の高校入学者の過年度生率は他県よりかなり高い。<br /> <br /> === 平素の成績 ===<br /> [[小学校]]・[[中学校]]・[[高等学校]]・[[高等専門学校]]においては、[[学校教育法施行規則]]により「各学年の課程の修了又は卒業を認めるに当っては、児童(生徒・学生)の平素の成績を評価して、これを定めなければならない」とされており、[[年齢]]や在学期間によって自動的に[[進級]]するとされているわけではないため、法律上は課程主義を取っている。<br /> <br /> この「平素の成績」というのが何を表しているのかは諸説あるが、「試験の成績」ではないことから、進級試験や修了・卒業試験を行ってその成績で決定するのではなく、日常の試験の成績や[[出欠|出席]]日数なども含めたものだとされている。現在の一般的な公立小中学校では、学力試験の結果や通知表の評価よりも、主に出席日数を基準として解釈されている。このため、成績不良でも出席日数が十分である場合は進級できる場合が多く、また[[1990年代]]ごろからは不登校生徒の増加に伴い、[[フリースクール]]の出席も学校出席とみなすという規定が適用され、それによって進級できることが多くなっている。さらに近年はこういった施設を利用していなくても進級できる例も増え始め、出席日数ゼロでも進級する取り扱いをする場合も多くなっている。このように、課程主義であっても、ほとんど出席日数のみで進級を決定する場合は、修得主義ではなく履修主義での運営といえるため、年齢主義・年数主義と類似した運営となる。こういった、学習段階を考慮せずに自動的に進級させる制度は「[[ところてん]]式進級」とも呼ばれる。ただし、私立中学では[[#前期中等教育|後述]]するように学力的な成績も考慮される場合も多い。<br /> <br /> 一方、高校・高等専門学校においては、[[単位]]取得が進級・卒業の必要条件となるため、出席日数が十分であっても単位認定に不合格となると進級できないため、小中学校よりも課程主義の考え方が強いといえる。<br /> <br /> === 年齢相当学年という考え方 ===<br /> 特に公立の[[小学校]]・[[中学校]]・[[中等教育学校]]前期課程では、&#039;&#039;&#039;年齢相当学年&#039;&#039;&#039;(ねんれいそうとうがくねん)という考え方が強く浸透している。これは年齢主義で運営されている[[学校]]においては重要な概念であり、生徒の[[年齢]]によって所属することになる[[学年]]のことをあらわしている。たとえば下記の表のように、4月1日の時点で13歳である人の年齢相当学年は中学校2年生または中等教育学校2年生である。年齢主義の学校では、年齢相当学年に在籍している人の年齢が、その学年の標準年齢であるといえる。<br /> <br /> 小は小学校の略。中は中学校、中等教育学校の略。<br /> {|border=&quot;2&quot; cellpadding=&quot;5&quot;<br /> |直前の4月1日時点の年齢<br /> |6歳<br /> |7歳<br /> |8歳<br /> |9歳<br /> |10歳<br /> |11歳<br /> |12歳<br /> |13歳<br /> |14歳<br /> |-<br /> |年齢相当学年<br /> |小1<br /> |小2<br /> |小3<br /> |小4<br /> |小5<br /> |小6<br /> |中1<br /> |中2<br /> |中3<br /> |}<br /> <br /> 法律上、年齢相当学年よりも高い学年に在籍することは不可能であるため、標準年齢の生徒は[[飛び級]]をすることは不可能である。一方、年齢相当学年よりも低い学年に在籍することは可能であるため、標準年齢以上の生徒は[[原級留置]]をすることが可能であるが、こういった例は年齢主義の強い学校においてはかなり[[マイノリティ|少数派]]である。すなわち、年齢相当学年に在学する生徒は、標準年齢かつ、法律上その学年に所属可能な最低年齢であるが、最高年齢ではないということである。しかし、各学校や教育委員会の方針が年齢主義に基づいている場合、最高年齢であると事実上決められている例も多い(要するに、同年齢の人しか所属できない)。なお、法律上は[[在学年齢]]には明文化された上限はないため、最高年齢は存在しないことになる。<br /> <br /> この用語は[[教育法]]上の正式な用語ではなく、最低年齢を規定する以外の法的な根拠は薄いが、実態として年齢主義の学校ではそういった概念が生まれるため、あくまで便宜的にであるが[[文部科学省]]などでも広く使っている言葉である&lt;ref&gt;[http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/003/001/001.pdf 就学ガイドブック 12~14ページ]では原則年齢相当学年だが例外もあるという説明がある。&lt;/ref&gt;。一方、[[特別支援学校]](盲学校・聾学校・養護学校)の小学部・中学部においても年齢相当学年の縛りはあるが、上記ほどではなく、高年齢の在学者も多めである。また中学校の[[中学校#二部授業(夜間授業など)|夜間学級]]・[[中学校#中学校の通信教育|通信教育]]課程は例外的に学齢超過者のみを対象としているため、年齢相当学年の考え方は一切存在せず、また上記の表に当てはまらない。<br /> <br /> === 異年齢教育 ===<br /> 日本の学校では時々[[異年齢教育]]という言葉が使われることがある。これは数歳ほどの差のある生徒を集めた[[学習集団]]を構成し、相互に刺激を与えようとするなどの目論見から行われる場合が多い。ただし、日本の多くの学校は厳格な年齢主義であるため、同じ[[学年]]内には異年齢の生徒がいない場合も多く、異年齢教育のためには他の学年の生徒を混ぜなければ、そもそも異年齢学習集団すら作れない状況にある。このため、一般的な日本の学校で言われる「異年齢教育」とは、異学年教育に他ならない。例えば[[中等教育学校]]のメリットとして、「年齢差の大きい生徒同士が同じ学校にいることで、相互によい作用をもたらす」という点が主張されているが、これは日本の[[中等教育]]の学校における学年内の同年齢度が高いため、[[中学校]]や高校は学年が3年間のみなので学校内では2歳差しかないが、中等教育学校は学年が6年間あるので5歳差があるからである。このように、異年齢と異学年の区別が付きにくいため、異年齢であるために生じる効果なのか、異学年であるために生じる効果なのかは実質的に分離する意味を持たない(できない)。<br /> <br /> === その他 ===<br /> 年齢的な統一度が高い学校において、年長の生徒が他の生徒に年長であることを知られるかどうかについては、ケースによって異なる。数歳以上の差がある場合、外見によって当然知られることもあるし、以前の学校の同窓生が共に在学をしている場合、その人の話によって知られることもある。基本的には、確実に秘密にすることが可能なシステムではない。しかし、日本的な同年齢社会になじんだ生徒の場合、あえて自分の年齢を隠す例も聞かれる。年齢を隠せば外見からは異年齢だと気付かれない場合、せいぜい3歳程度の差であることが多いはずだが、その程度の年齢差であっても年齢主義の強い学校社会では気にする人が一定数存在する。しかし、こういった行為により、他の生徒がその生徒が年長であることを知らないままになり、「うちの学年はみんな同年齢だった」と後々まで考えるようになってしまい、学年=年齢という観念をさらに強化させてしまいかねない。しかし、生年月日は[[個人情報]]であるという観念からすると、同級生に対して秘密にするのは道義的におかしなことではなく、個人の自由である。<br /> <br /> 年齢主義の場合、通常は学習者の[[生年月日]]によって入学や進級を判断する。これは[[戸籍]]または[[住民票]]、外国人登録証明書の記述が元になるが、詐称がまったく不可能なわけではない。公立の小中学校では住民票を元にした[[学齢簿]]によって[[就学事務]]が行われているため、通常の場合は年齢詐称は不可能である&lt;ref&gt;ただし住民登録がない児童を[[仮入学]]させる場合についてはこの限りではない。&lt;/ref&gt;。外国人の場合は、その本国の証明資料によって外登証の生年月日が記載されるため、本国の資料の信頼度によって生年月日の正確さが変わる。公立高校の入学時には、住民票や外登証の原簿が要求される場合があり、そういった書類を偽造しない限り年齢詐称は無理である。ただし、現役生の場合は住民票などが不要という場合もあるため、この場合には在籍している私立中学校ですでに年齢が偽られていればそのまま証明書を提出することなく高校に入学できる。また、基本的に私立の学校においては、住民票などの公的書類を提出させない場合もあり、詐称に対する対策があまり厳密ではない&lt;ref&gt;年齢の下限のみがある学校の場合、年齢を詐称したとしても1年か2年若く入学できるだけであるため、さまざまなリスクを犯して実行するメリットはないと考えられる。逆に年齢の上限がある学校の場合は、詐称をしなければ永久に入学ができないため、動機としては十分に考えうる。しかし実際には、日本の学校体系は小学校から大学院まで在学者数が細長い円錐型になっており、途中の学校からいきなり入学することは稀で、多くの場合は下級学校とのつながりがあるため、小学校入学時から計画しなければ現実的には詐称は困難である。(例えば学齢期に学校に行かず、中認や高認を取得していきなり高校や大学に入学するという人は稀である。また中認&lt;sub&gt;(中認の証明書に生年月日が記載されるかをご存知の方は補記願います)&lt;/sub&gt;や高認にも住民票などが必要であるため、私立中に年齢詐称をして編入するなどの特殊な手段を使わなければ高校入学時の年齢詐称は困難である)&lt;/ref&gt;。ただ、スポーツ競技の場合には公平な競争ができなくなるなどの実害があるが、学校教育の上では実害は少ないため、あまり厳重さは求められていない。<br /> <br /> 中学校の外国人生徒は約2万3千人(学校基本調査)であり、中学校の学齢超過生徒(約5万6千人。本来はこの数字には小学校の分も含むが、学齢超過者はほとんどいないと思われるので中学校でほぼ間違いない)の約半分しか存在しない。しかし外国人生徒についてはメディアで取り上げられるなどある程度配慮がなされたりする。しかし学齢超過者については、[[ロビイスト]]([[利益団体]])がないためかあまり配慮がなされず、そういった生徒が世の中に存在しないかのような表現がまかり通っている。<br /> <br /> また、小中学校の学齢超過者の多くは外国人ではないかという推測がなされやすいが、実際は大部分が外国人ではない。上記の約2万3千人という数値は、小中学校の学齢超過者の半数以上は外国人生徒ではないということを裏付ける。もちろん外国人生徒の中でも学齢超過者は一部に過ぎないから、学齢超過者の大部分は日本国籍がある生徒だと考えられる。<br /> <br /> 学校[[給食]]においても、年齢主義に裏打ちされた制度が見られる。多くの自治体では、小学校や中学校の給食に対して、全て同じ分量で支給するのではなく、学年や学校種によって支給量を変えている。たとえば小学校は低学年・中学年・高学年と3段階に分け、中学校は小学校高学年よりさらに量を増やすといった形で、食事の量を調整している。食事は学力に応じて必要量が変わるものではなく、明らかに体格に応じて必要量が変わるものであるため、学年ではなく年齢に応じて支給すべきものであるが、実際には実年齢にかかわらず、学年によって支給量が変わる。なお教員用の給食は、児童生徒用と別の分量のものが用意されている場合が多い&lt;ref&gt;つまり一人分だけ異なる分量のものを各教室に用意することは実務上困難ではない。&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> == 日本における現在生じている課題 ==<br /> 現在、[[日本]]の小中学校は年齢主義が強すぎるため、さまざまな面で弊害が生じている。「[[落ちこぼれ]]」といわれる[[学業不振]]者や、「[[浮きこぼれ]]」といわれる成績優秀者に対する抜本的な対策の必要性が主張されている。[[#比較|前述]]したように年齢主義の[[学校制度]]では、落ちこぼれや浮きこぼれを生まないためには、[[習熟度別学習|習熟度別学級]]の編成や[[補習]]や[[個別指導]]などの[[能力別教育]]の必要性が高いが、[[公立学校|公立]]の小中学校では、今まであまりそういった取り組みが行われてこなかった。<br /> <br /> 現在は、授業に付いていける生徒は小学校で7割、中学校で5割、高校で3割であるという[[七五三]]現象が指摘されているが、こういった[[落ちこぼれ]]問題などは画一的な年齢主義の弊害が原因だとして、課程主義・[[履修主義と修得主義|修得主義]]に対しても再評価を求められている。[[授業]]を理解しにくい状態で無理に進級すればますます理解できなくなるため、学年内能力別教育によっても目標水準に到達できない健常生徒に対しては、原級留置の適用を拡大するべきだともいわれている。<br /> <br /> 一方、浮きこぼれについても大きな問題となっている。通塾率の増加、[[学習指導要領]]の簡素化などで、同一年齢の生徒でも大きく知識力に差があるようになってきている。また、公私間[[転学]]の際、[[カリキュラム]]があまりに違うと浮きこぼれが生じやすい。大学の[[早期卒業]]・大学・大学院の[[飛び級|飛び入学]]など、高等教育以上では対策が始まっているが、初中等教育では[[飛び級]]による対策は皆無である。<br /> <br /> === 入学・復学拒否問題 ===<br /> また[[不登校]]児童生徒が13万人を超えたが、不登校経験者が復学する場合に対する教育の場の保障の観点から、[[年齢]]に固執しない[[学校]]が求められている。現状では、生徒が1年[[休学]]しても、学校側は[[進級]]後の[[学年]]への復帰を促している。また学齢期の不登校生徒に対しては各方面から学校復帰の働きかけがあるが、学齢を超過すると今までとは打って変わって、学校復帰を望んでも困難となってしまうという、年齢によって正反対の対応をされるという問題がある。こういった強制進級・強制卒業問題のため、生徒によってはかえって学校に復帰しにくくなっている(ただし、逆に原級留置がなされることによって復帰しにくくなる生徒も存在する事も忘れてはいけない)。休学期間中に[[学力]]が伸びていない場合は、進級した学年の内容に付いていこうとすると、家庭や[[学習塾]]などで猛勉強をしなければならず、かえって不登校以前より疲労することになる。[[学業不振]]が原因の不登校の場合は、なおさらそういった問題が大きい。現状では、そういった元不登校者の受け皿は民間の塾や[[フリースクール]]しかない。塾やフリースクールはどんなに設備が充実している所でも、[[プール]]・[[校庭]]・[[体育館]]・[[理科室]]などはないであろうし、[[学費|授業料]]も高いという問題がある。また通常の塾は学校の生徒の空き時間に合わせて開業しているため、午前中は開いていない場合が多い。このため、なかなか学校の代替となる民間施設はない。こういった状況下で、一度学齢を超過すると復学が困難となるという問題があると、小中学校段階で不登校になった生徒に対する教育機会が保障できなくなる。なお、学齢超過者が入学できる中学校として有名なものには[[中学校#二部授業(夜間授業など)|夜間中学校]]があるが、地域限定である上、かなり[[授業]]時間が省略されており、その上夕方以降に通わなければならないなど、多くの問題があるために一般の中学校の代替にはなっていない。<br /> <br /> [[文部科学省]]からの支援もあって、[[生涯学習]]のかけ声は高いが、現在は[[大学]]や[[大学院]]などの[[高等教育]]においてのみ適用されている嫌いがあり、高校では高年齢者はあまり入学しておらず、中学校以下はほぼゼロである。不登校による[[初等教育]]・前期[[中等教育]]未修了者は、学校復帰しようとしても、現状では大多数が前期中等教育を修了しないまま(形式的卒業含む)高校などの後期中等教育機関や大学などの高等教育機関に進学する形となっており、基礎的な学習段階を十分に[[履修]]しないまま上級学校に行かざるを得なくなっている。また、高校以下の学校においては、同等学校の既卒者の[[再入学]]を認めないという取り扱いがなされる場合もあり、以前の卒業校では満足した教育が受けられなかった「形式的卒業者」への対応も求められている。<br /> <br /> また、外国から日本に移住・帰国した小中学生が、日本でも小中学校に通おうとした場合、所属すべき[[学年]]よりも高い学年に所属させられてしまう場合がある([[飛び級#高年齢からの飛び級|望まない飛び級]]と言われる)。ただし、こういった年齢相当学年の考え方が強い小中学校でも、外国籍の生徒に対しては、その制限がゆるい場合もある。しかし地域による差が強く、年齢が適合せずに拒否される例も多い。2009年春に[[文部科学省]]が経済危機に伴う[[定住外国人子ども緊急支援プラン]]を策定し、都道府県教育委員会に対して「年齢相当学年」よりも低い学年への編入についての勧告を行った&lt;ref&gt;[http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/21/01/1234694.htm 1月の発表] - [http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/21/03/1259580.htm 3月の発表]&lt;/ref&gt;。しかし、[[岐阜県教育委員会]]は意向に反して、外国籍生徒の中学校編入学年を、学力に関係なく「年齢相当学年」にするよう岐阜県内の市町村教育委員会に勧告を行った&lt;ref name=&quot;gihu&quot;/&gt;。ただしその後、2009年11月に岐阜県教委は方針を転換し、国の方針に従うことにした&lt;ref&gt;[http://maneetti.net/modules/wordpress/index.php?p=628 外国人編入:一部で改善 「下学年」「留年」容認] - 毎日新聞記事。ただし元ページが消滅しているためにアドレスは引用ブログのものである。&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> *[http://www.kikokusha-center.or.jp/joho/shingaku/kokonyushi/kokonyushi/chugaku.htm 2010 昼間の中学校に編入可能な(年度内の)年齢の上限は?]<br /> *:このデータによると、都道府県によっては「年齢相当学年」での編入を原則としている所もあるが、制限なしとしている所もある。また市町村教育委員会の判断に任せている場合も多い。<br /> <br /> こういった現状に対し、日弁連は、18歳未満の学齢超過外国人も編入するように求めている([[#日本における展望|後述]])。<br /> <br /> [[学校の設置者]]によって年齢主義の度合いが異なるため、甚だしい場合は日本国内同士でも、転居をした際に転出校と転入校で学年が変わってしまう場合、さらには小学校・中学校の垣根を飛び越えてしまう場合もある&lt;ref&gt;[http://www5d.biglobe.ne.jp/~jikanwar/nihongokyozai/tayori/20100701.pdf 会多文化共生教育部会たより] - 他自治体で小6であったが、[[津市]]に転居したら中2になったとの事例が記載されている。 &lt;/ref&gt;。小学校から中学校への進学は勿論、学校内での進級も、本来は下学年の履修が条件であるが、この場合においてはそのルールが守られていない。<br /> <br /> *[http://www.k-i-a.or.jp/plaza/pdf/forum/foreign_education/00.pdf あーすぷらざ外国人教育相談報告書]<br /> この文書には、外国の文化を持つ人々が日本の硬直的な年齢主義の学校社会についての知識を持たないまま現実に直面し、進路に躓いてしまう例が多く取り上げられている。特に南米系やフィリピン系などの落第が日常的である学校文化圏で育った家庭では、「いつか、行きたくなった時に中学校に行けばいい」(18ページ)と考え、日本語を修得するまで待ってから就学しようとしたり、下の子の面倒を見終わってから就学しようとしたりといった考え方をする傾向がある。その結果、入学するべき時期にはすでに「学年相当年齢」や学齢を過ぎていたということが起きやすい。また、年齢主義の風土に対するなじみのなさから、「いままで原級留置にならなかったから、学力は十分である」と思い込み、高校受験で不合格となる場合もある(36ページ)。<br /> <br /> === 学校間の学力格差 ===<br /> 年齢主義を基準とした進級・卒業制度をとる以上、そういった学校の卒業生の学力は担保されていないことになる。このため、上級学校への進学を志願する卒業生の中には、本来の課程修了レベルの学力に達していないまま半ば強制的に卒業の形で放り出された者も多く、上級学校によっては、そういった生徒をも入学させることになる。日本の教育環境においては、学力による選抜試験を行って入学者を決定するのが通例であるため、入学難易度の低い学校には学力の低い生徒が集まりやすくなる傾向にある。日本では難易度の低い学校に学力の高い生徒があまり入学しない傾向にあるため(「[[学力偏差値|偏差値]]輪切り」という)、その傾向はますます強まる。こうして、学校間の生徒の学力格差が広まり、固定化するようになる。<br /> <br /> この傾向は、小学校、非大都市圏の中学校においては選抜制の学校が少ないためにあまり見られず、学校内における生徒間の学力格差は大きいが、大都市圏の中学校においては私立中学が多く[[中学受験]]が盛んであることから特に公私間の学校格差が拡大している。また、近年は公立[[中高一貫校]]の増加に伴い、多くの地域で限定的ながら同様な状況が生まれつつある。高校においては、ほとんどの学校が選抜制を採用しているため、一時期はかなり強固に学力によって進学する高校が振り分けられており、学校間格差が非常に大きかった。近年はそういった進学指導は緩和しているが、依然として入学試験の偏差値によるランク付けはなされており、「難関校」「底辺校」といった固定的なイメージは残存している。<br /> <br /> ただし、年齢主義の場合であっても必ずしも学校間格差が大きくなるわけではなく、学校が選抜試験を行わず、1つの学校で多様な学力の生徒に対して適切な教育を施せる体制を整えれば、学校間格差は生じない(人気の集中する私立校の存在は除く)。実際に、アメリカ合衆国では高校までも年齢主義的な進級制度をとっている例が多いが、多くの高校は選抜制ではないため、学校間の学力格差はさほど問題になるほどではないといわれる(むしろ貧富や治安、人種問題などの差がある)。<br /> <br /> === 統合教育との齟齬 ===<br /> [[統合教育]]の考え方においては、障害を持つ生徒であっても特別支援学校から普通学校の特別支援学級へ、特別支援学級から普通学級へと統合するのがベターであるとされる。そして実際に、授業を受けるのに大きな支障がある障害児者でも普通学級で他の生徒と共に教育を受ける例が多くなってきている。これは、公立の小中学校においては適格者主義ではなく、生徒同士がお互いの違いを認め合うことで、人間的な発達を促進させるなどの意図から、積極的にハンディキャップを持つ生徒と混じって授業を受けさせる取り組みが行われている。<br /> <br /> しかしながら、これは障害児と健常児の統合であるに過ぎず、年齢に差のある健常者同士の統合にはなっていない。本来、重度の発達障害を抱えている生徒を授業に参加させる労力よりも、たった1歳年上である健常な生徒を授業に参加させる労力の方がはるかに少ないはずである(そもそも、体育以外の授業においては年齢差はまったく支障にならない)。しかしながら、現実には「年齢相当学年」の重度障害児よりも、学齢を超過している健常者の方がずっと普通学級への在学が困難である。<br /> <br /> 統合教育の本来の考え方から言えば、違いに対する許容が前提であるのだから、重いハンディキャップがある生徒が学校に受け入れられるのであれば、当然異年齢の健康な生徒も受け入れられるはずである。これが実際にはそうなっていない点について、年齢主義と統合教育の間で齟齬が生じている。障害児を特別支援学校に隔離しようとする動きに対しては、人権面で強い非難がなされることもあるが、一部自治体で行われている、学齢超過者を夜間中学に隔離しようとする動きに対しては、一部識者を除いてあまり表立って問題視してはいない。<br /> <br /> ただし、日本における統合教育の取り組みはまだ日が浅く、試行錯誤の状況でもあるため、上記の事実は必ずしも統合教育関係者側の問題とも言い切れない。<br /> <br /> === 法律間の齟齬 ===<br /> [[教育基本法]]、[[学校教育法]]、また関連の施行令、施行規則などの[[教育法規]]では、在学年齢の下限を間接的に規定しているものの、上限に関する規定はない。むしろ小学校に15歳まで在学する場合も想定した文言&lt;ref&gt;学校教育法第17条第1項第2項では「保護者は子が満12歳に達した日の属する学年の終わりまでに小学校又は特別支援学校の小学部の課程を修了しないときは、満15歳に達した日の属する学年の終わり(満13歳・満14歳に小学校課程を修了した時は、その修了した日の属する学年の終わり)まで小学校又は特別支援学校の小学部に就学させる義務を負うものとする」 旨の規定がある。&lt;/ref&gt;が存在するなど、ある程度の年齢的な多様性を許容した書き方がされていると読み取るのが自然である。このように、年齢主義の要素はこれらの法規からは読み取れない。しかし、[[児童手当法]]では長い間、小学校は12歳で卒業するものであるということを前提とした書き方がなされていた。また2010年度に成立した[[平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律]]では、さらに中学校は15歳で、高等学校は18歳で卒業するものであるということが明文化された。このように、日本政府の法律同士が齟齬をきたしている。条文の詳細は「[[子ども手当法]]」に記載がある。<br /> <br /> なお実際には、子ども手当法にこのように書かれているからといって、これらの年齢で卒業することを強制されるものではなく、実際にはこれに当てはまらない年齢の在学者も大勢いる。ただし、役所の説明文書などのレベルにとどまらず、正式な法律の条文内に学校の卒業年齢を一律に規定してしまったのは、これらの法律が最初である。以前は、児童手当法での小学校卒業年齢の規定はあったものの、中学校以上での年齢主義を裏付ける記載はまったく存在しなかった。なお、国会などではこれらの在学年齢に関する記述が議題になったことはない。なお、国会議員が全員、最低年齢で小中高と卒業したからそういう発想になったわけではなく、民主党の[[横路孝弘]]衆議院議長自身が、16歳で中学校を卒業したという経歴の持ち主である。また高校を卒業していない国会議員(民主党の[[家西悟]])も存在する。<br /> <br /> ただし、時の政権党であった自民党、民主党は、特に公約や政策目標に「小中高の在学年齢の画一化」を挙げていたわけではなく、むしろ自民党にいたっては[[文教族]]の[[町村信孝]]や[[河村建夫]]らによる小中学校の異年齢化容認発言もあり、必ずしも積極的に年齢主義を推進しようとする意欲は感じられない&lt;ref&gt;しかしそういった意欲がないのに児童手当法や子ども手当法で年齢条項を入れたのもまた彼らである。原文は厚生省、厚生労働省によるものであるとされているが、法律成立の責任者は議員である。&lt;/ref&gt;。上記のような法律間で齟齬が起きていることについて、ほとんどのマスメディアでは取り上げていない。<br /> <br /> === 情報の不足 ===<br /> 以下に述べるように、実例・参考資料・統計・進路情報が不足しているという四重苦の現状があるため、正確なデータに基づく議論がなされることは少ない。課程主義推進派は、課程主義のデメリットを十分に考慮しないまま義務教育期間における原級留置・飛び級を広く容認しようとする嫌いがあり、一方、年齢主義堅持派は、年齢主義のデメリットは認識しているものの、課程主義に不慣れなため、結果を十分に想像できず、未知の問題の発生を懸念せざるをえない。<br /> <br /> ==== 実例の不足 ====<br /> 日本の小中学校はほぼ例外なく年齢主義を取っており、課程主義を基本とする学校は見つけることが困難である。このため、同一の[[国家]]・[[言語]]・[[文化]]・生活[[習慣]]の中での、年齢主義と課程主義の優劣の比較が困難な現状であるため、課程主義の導入を検討する際は[[フランス]]などのはるか遠くの[[ヨーロッパ]]諸国の例を引き合いに出さざるを得ない。日本では[[国立学校]]は新しい試みを行う実験校的な存在であるにもかかわらず年齢主義が強く入学者の年齢を厳しく制限しており、それぞれ[[建学の精神]]に基づいた教育を行っている[[私立学校]]でさえ、基本的には年齢主義である。もっとも[[学習塾]]など学校類似の機関では課程主義のようなものも広く行われてはいるが、義務教育[[学校]]はほとんど横並びである。[[明治]]時代初期には厳格な進級試験があり、小学生の原級留置がしょっちゅうあったが、その頃に学校教育を受けた歴史の証人はほとんど生存していないため、現在の高齢者も大部分は年齢主義の学校で育った人たちであり、日本国民の中にはほとんど課程主義の小学校をイメージできる人がいなくなっている。<br /> <br /> また現在の公立小中学校では著しい成績不良や出席日数不足の場合であっても、本人や保護者に対して「元の学年に留まるか」と質問されることはあまりないため、本人や保護者が「原級留置が可能である」ということを考える機会すらなく、実質的には当事者に原級留置の選択肢が与えられないまま年齢主義で進級している。小中学校にも高校同様に「進級判定会議」は存在するが、実際には進級しない生徒はほとんど存在せず、形式的なものになっている。<br /> <br /> ====参考資料の不足====<br /> [[#定義の曖昧さ|前述]]したように、こういった方面の教育制度については1947年の学制改革以来約60年間にわたって議論されてこなかったため、理解の助けとなる資料はほとんど存在しない。本記事の参考文献([[#参考文献|後述]])を見れば分かるように、ごく一部の書籍に2~4ページ書かれていたり、大型事典の中に項目があるだけだったりで、本格的に年齢主義と課程主義というテーマについて扱っている書籍はおそらく存在しないと思われる。資料の不足については年齢主義と課程主義のみならず、義務教育段階における原級留置や、学齢超過者の就学や、就学猶予と就学免除においても同様であり、詳しく書かれている書籍は存在しないと思われる。また、そういったわずかに書かれている書籍ですら多くが絶版で入手が不可能だったり、7-8冊組みの事典なので大型図書館程度でしかお目にかかれなかったりする。<br /> <br /> このように、いざ課程主義について調べようにも情報へのアクセスがほとんど不可能であり、それ以前の問題として「年齢主義」や「課程主義」という言葉を知ることすら困難になっている。このように、小中学校においては原級留置が行われうるということすら想像することが消極的に不可能となっており、全く心の準備がない状態である。また、書籍のみならず[[ウェブサイト]]でも、課程主義について詳しく書かれている場所はまだ存在しないと思われる。[[フランス]]などの諸外国の教育事情を紹介するシーンでは、課程主義についても説明されているが、日本の教育情報を解説しているサイトでは、年齢主義が強いという説明は少ない。こういった光が当たらない状態なのは、年齢相当学年を外れて在籍することが少数派だからという事も大きいが、それだけではない。なぜなら、[[不登校]]や外国[[留学]]や[[障害]]を主題とした書籍・サイトは多数存在し、少数派であるとはいえ、ある程度の認知はされているからである。[[#日本における現状|前述]]のグループ2に在籍している[[学齢]]超過者は5万6千人で、不登校生徒13万人と比較しても取り立てて少数派な訳ではないが、不登校関連書籍を日販で検索すると2005年10月現在「不登校」で1204件、「登校拒否」で907件該当し、読みきれないくらい存在するのと比較すると雲泥の差である。<br /> <br /> 一方、年齢相当学年([[#年齢相当学年という考え方|後述]])を超える形の飛び級については、[[学制改革]]以降長く不可能だったにもかかわらず、[[早期教育|英才教育]]を主題にした本でなどある程度書かれている。ただし高校以下では法律上不可能なので実践論は存在しないと思われる。<br /> <br /> ====統計の不足====<br /> [[File:2005年国勢調査大都市用第1面.png|thumb|&lt;ref&gt;この調査用紙は小規模調査の物であるため、在学校についての回答欄が存在しないので、2010年の大規模調査の用紙が配布されたら差し替えるのが望ましい。&lt;/ref&gt;文部科学省による[[在学年齢]]の統計がないため国勢調査の大雑把な自己申告データに頼らざるを得ない]]<br /> 日本において年齢主義と課程主義の比較を論ずる際のもう一つの大きな問題は、前期[[中等教育]]以下の[[学校]]での原級留置者数の[[統計]]が存在しないことである。このため、人数は重要なデータなのに「ほとんど存在しない」ということしか分からず、感覚的な判断しかできなくなっている。例えば、[http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo2/siryou/001/010701.htm 中教審事務局の発言]によれば「[[1980年]]ごろまでの中学校では、欠席日数が年間3分の2を上回ると原級留置になったが、[[2000年]]ごろになるとそういった例は極めて少なくなってきている」ということが理解できる。しかし、この談話のように単なる感覚的な証言でしか把握できず、数値的なデータは乏しい。そのような現状であるため、「成績不良による原級留置」や「出席日数不足による原級留置」や「海外[[留学]]による原級留置」などの分類ももちろんなされておらず、ましてそういった生徒たちの原級留置経験後の経過を知ることも困難である。就学猶予と就学免除の統計や、後期中等教育以上の学校での原級留置者数の統計は存在するにもかかわらず、この部分だけ統計が欠落しているのである。なお、公立学校であれば、各教育委員会は原級留置の報告を受けることになっているので、政府の指示があれば集計を開始することは可能な状態である。<br /> <br /> また、どの学校の第何学年にどのくらいの年齢層の人が所属しているのかという統計も存在しない。[[文部科学省]]管轄のデータは、[[教員]]の年齢の統計こそあるものの、生徒の年齢の統計は存在しないのである。一応、[[総務省]][[統計局]]管轄の[[国勢調査]]による[[s:2000年国勢調査第14表|自己申告データ]]であれば、各学校ごとの年齢層がある程度判明するが、各学年ごとではないという問題、小学校と中学校が一緒に統計されているという問題、特殊教育諸学校も一緒に統計されているという問題、9月30日時点の年齢を基準にしているという問題がある。<br /> <br /> なお、文部科学省の[[学校基本調査]]では、[[特別支援学校]](盲学校・聾学校・養護学校)の年齢別在学者数の統計がされており、1歳刻みではないものの学齢超過者などの数値が分かる。また通信制高等学校についても同様の統計がある。ただし、依然として小中学校、全日制と定時制の高校のデータはないままである(調査票には記入欄もない)。<br /> <br /> また国勢調査では、記入者の回答をそのまま掲載するのが原則であるにもかかわらず、7歳以上の幼稚園児・保育園児の数を意図的にゼロにしている可能性が高い。実際、報道や役所の文書などで、就学猶予を受けた7歳児が幼稚園に通う例が存在することは明らかである。このように、少数派の存在が意識的に抹消されているという問題もある。<br /> <br /> ====進路情報の不足====<br /> 学習者にとっても情報不足は深刻である。日本では教育制度の基礎的な情報は意識的に入手しようとしなければほとんど手に入らず、かなり熱意を持って調べようとしても、特に[[在学年齢]]に関する情報は非常に入手困難であるため、ほとんどの人が在学年齢に関して正しい知識を持っていない。そのため、単なる[[社会通念]]と自分の学校体験でしか、学校制度に対する認識・判断を持てなくなっている。学校選びの際の判断は、こういった「多数派における常識」のみで成り立っているような側面があるため、少数派は情報不足に直面してしまい、一般の常識では判断できず、さりとて情報もないため混乱してしまう。例えば、一部の高等学校では入学年齢に上限があるということは、一般には知られておらず、直接募集要項を読むまで分からない場合が多い。しかしながらこれとは全く逆に、「高校(特に全日制)は年齢が高いと入学できない」という[[偽情報]]がまことしやかに語られたりする場合もある。このように、正確な情報が不足しているため、正反対の誤った情報が流通しているようなケースもある。小中学校においてはさらに複雑であり、法律上は在学年齢に上限がないので高年齢者の入学は認められているものの、実際の運用では不文律として年齢相当学年を外れる生徒が所属することはあまりない。このように、教育に関する法令や公式資料を読んだだけでは実際の取り扱いは理解することができない。しかし、夜間中学校では全員が学齢超過者であるという例もあり、また一部の私立中学校では最低年齢よりも数歳年長でも入学可能であるなどの例もあり、必ずしも年齢主義一辺倒ではない。このように、「年齢上限が全くない」という考え方も誤りであり、また「学齢超過者が所属できない」という考え方も誤りである。しかし一般にはそういったことは知られておらず、考える機会すら与えられないまま、ほとんどの学齢超過者は中学校に行こうと考えることはないし、18歳を超えた人が高校に行こうと考えることも少ない。<br /> <br /> これらのことは書籍や雑誌やウェブサイトでも同じである。一般の受験関連書籍や受験情報誌や受験情報サイト(以下、受験情報媒体と表記)は、高校までの学校については最低年齢者の受験を前提としており、年齢が高い受験生についてはほとんど触れていない。例えば、もともと高校は高年齢者が入学することを十分に許容している制度であり、社会通念でも高年齢者が在学することは理解されているにもかかわらず、一般的な受験情報媒体には、年齢が高いと入学できなくなる場合があるとは書かれておらず、最低年齢の受験生を対象にしている媒体なのだということを、社会通念で判断するしかない。このように、多数派以外は情報が著しく不足しているため、[[年齢制限]]に気づかない場合が多い。また公立高校でも年齢や中卒後期間によって調査書の取り扱いなどが変わるが、こういったこともほとんどの受験情報媒体には書かれず、[[教育委員会]]の公式情報を見たり、各私立高校の募集要項を一校ずつ見たりするしかない。[[中学受験]]においては、もはやほとんどの受験情報媒体は高年齢者の受験を無視しており、資料によっては例外的に一部の中学校の[[帰国子女|帰国生徒]]入試の受験可能年齢が書かれているくらいである。<br /> <br /> また、一般的な公立の小中学校においてはさらに情報不足が顕著であり、夜間中学や選抜のある併設型中学校では入学可能な年齢または学歴が明示されていることが多いが、そうではない大多数の無選抜の全日制の中学校や小学校では、学校や教育委員会の公式サイトなどでも入学資格がまったく明示されていない場合がほとんどである。これはそれらの学校が義務教育の実施校としての役割が強いことから、[[学齢簿]]に登録されている学齢期の子女を自動的に入学させる場合がほとんどであり、任意で入学を希望する人を想定していないという事も一因である(「[[就学事務]]」の記事を参照)。そして実際に何歳の人が入学可能であるのかは、教育委員会の判断を待つしかなく&lt;ref&gt;実際に学齢超過者の入学について回答を求めても、結論を出すのに時間が掛かるため、入学の6ヶ月以上前に希望しても間に合わないと答えられる場合もある。&lt;/ref&gt;、きわめて曖昧である。<br /> <br /> ==日本における展望==<br /> 日本の小中学校では戦後60年間にわたって年齢主義が続いてきたが、必ずしも問題点が指摘されなかったわけではなく、改良して行こうという動きも強い。しかし、情報不足欄に記したように、年齢主義以外の制度に対する[[免疫]]が存在しない状況では、混乱が生じる恐れもあるため、改悪になってしまわないか危惧する声もある。<br /> <br /> [[官僚]]・識者の間にも、課程主義の導入を求める声はある。[[町村信孝]][[文部科学大臣]]は、[[2001年]]の[http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/gijiroku/001/010201.htm 中教審]、講演会や『教育の論点』([[文藝春秋]]刊)掲載の文章内で、10歳の大学生や20歳の中学生がいてもよいとの見解を示した。また[[河村建夫]]文部科学大臣は、[[2004年]]に[[朝日新聞]]の[[インタビュー]]に答え、[[義務教育]]段階での[[原級留置]]は今までほとんど活用されなかったが、これからはこれについて研究しなければならないとの考えを示した([https://web.archive.org/web/20041009172911/http://www.asahi.com/edu/news/TKY200409110320.html キャッシュ])。このように、大臣レベルでは年齢主義に反感がないわけではない。しかしながら、[[2005年]]現在はまだ現実に原級留置が増加したとの報道はない。<br /> <br /> 原級留置の適用拡大に当たっては、ちょうど[[少子化]]の時期であり、[[教員]]数、[[教室]]数は余裕があるため、[[明治]]初期のように破綻することはないといわれる。また、[[補習]]や習熟度別指導などの[[個別指導]]の技術についても、明治初期とは比較にならないほど情報が蓄積されており、当時のように破綻する可能性は低い。また[[#よくある誤認識|前述]]したように、原級留置が増加しても税金負担は増えないので、導入による財政負担の増加はないと考えられる。ただし現状では、義務教育期間の終了基準は年齢主義になっているものの、無償の義務教育期間を過ぎた中学生に対しても、[[学費|授業料]]を徴収していないという例も多いため、この取り扱いを継続するならば原級留置が増加すると財政面の負担が増えることになるが、過去の指導では「(学齢超過者は)学校の収容能力等の諸事情を考慮して(受け入れるべきである)」とされているため、[[学齢]][[在籍者 (学習者)|生徒]]と比較すると融通が利くので、一人当たりの税金負担は少ない&lt;ref&gt;例えば定員40人の学級では、学級人数が39人から40人に増えても学級数は増えないが、40人から41人に増えると学級数が増え、21人と20人の学級に別れて教員数が一人増えるため、人件費が拠出される。しかし学齢超過者が入学することにより、この学級数が増えるラインを超える場合は、隣接校に就学することを求めるなどすれば、人件費が増えることはない。&lt;/ref&gt;。また、原級留置をせずに[[高等学校]]に進学した場合と比較しても、公立高校の授業料も低廉に抑えられているため、学齢超過の中学生から授業料を徴収しないことによる、高校生との税金負担の差はあまりない。<br /> <br /> 一方、[[浮きこぼれ]]問題もやはり存在するため、戦後約60年間にわたって禁止されていた[[中学校]]以下の[[学校]]での標準年齢者の[[飛び級]]に対しては、各界から導入の要請が強いが、上記の町村発言のようなダイナミックな飛び級はまだ不可能である。また[[飛び級|飛び入学]]が可能な[[大学]]数は[[1998年]]当初は[[千葉大学]]1校だったが、[[2005年]]には5校に増加しており、徐々に広まってきてはいるが、「特に優れた資質」に限定し、例外的措置とされている。また現在の教育環境では、中学校以下の学校での飛び級のような[[早期教育]]に対しては[[アレルギー]]が強く、安易に飛び級を認めると過当競争が生まれる恐れも強く、ますます受験戦争(飛び級競争)を低年齢化させるという懸念も強い。<br /> <br /> 原級留置や就学猶予、学齢超過者の就学については、法律を改正しなくても現場の対応の変更によって対応可能である。一方、標準年齢者の飛び級や早期就学については、[[学校教育法]]などの大々的な改正が必要であるため、原級留置などと比較すると即座の導入は困難である。<br /> <br /> このように、2005年現在ではまだ固定的な年齢主義は打破されておらず、新制学校以来長年にわたって続いている慣習はなかなか打破できていない。それは学校社会に限らず企業社会においても、従業員の新卒一括採用制度が根強く残っている一因もそこにある。しかし、一部の学校では色々な先駆的な試みを始めていることもあり、新しいアプローチがなされることも期待できる。ただ、日本政府は票田にならない部分の変革が鈍いため、少数派の声のみが採り上げられても大きな動きは望めず、国民全体に影響する問題が生じるか、熱意のある政治家が改革の音頭をとる必要があるが、現段階ではそこまでに至っていない。<br /> <br /> [[学校教育法]]一条校ではなく[[インターナショナル・スクール]]だが、東京都[[豊島区]]の[http://newinternationalschool.com/ ニューインターナショナルスクール(日本語・英語)]というプレスクールから9年生まで(幼稚園から中学3年に相当)の学校では、「マルチエイジ教育」という名称で各クラスに2、3歳年齢が異なる生徒が在籍している。<br /> <br /> 2006年8月に、[[日本弁護士連合会]]は[http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/report/060810.html 学齢期に修学することのできなかった人々の教育を受ける権利の保障に関する意見書](PDFファイルに全文がある)を発表した。この文書では、15歳以上18歳未満の[[新渡日外国人]](いわゆる[[ニュー・カマー]])については、既存の昼間の小中学校への[[編入学]]も許可されるべきであると提言している。<br /> <br /> 2006年の[[教育基本法]]改正では、義務教育年限が9年とされていた規定が削除された&lt;ref&gt;[http://www.h5.dion.ne.jp/~hpray/kyouikumondai/kihonhou/0606_kokkai/0606_kokkai64.html 答弁]&lt;/ref&gt;。これは[[学校教育法]]などの下位の法律で年限を個別に決定しやすくするためのものであるが、現時点では義務教育年限の変更の気配はない。ただし、これによって義務教育年限の終期が延長され、高等学校が義務教育諸学校の一角を形成するようになると、公立高校の年齢制限が厳しくなる可能性もある&lt;ref&gt;本来、義務教育諸学校の[[在学年齢]]は一定とする根拠はないが、現実的には年齢主義義務教育制度の下では、在学年齢の統一が進んでいる。ただし、通信制など年齢制限を実施しにくい課程もあり、私立高に対しても強制は難しい。&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> 2008年5月には、文部科学省初等中等教育局メールマガジンに、[[前川喜平]]大臣官房審議官による、年齢主義偏重に対する疑問を提示したコラムが掲載された。<br /> *[http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/20/07/08070814.htm#a008 【コラム】まえかわの「ま、え~か」番外編 年齢主義か課程主義か]<br /> このコラムでは、学齢超過者の入学に対する教育委員会の方針の違いの問題にも触れつつ、外国から来日した子どもが年齢によって学年が決められたために苦労した話を挙げ、不登校だった子どもの場合なども含め、機械的な年齢主義は不適切であると批判している。また読売新聞の記事(現時点でネット上にはない模様)の中でこれらの問題を「学校教育法の年齢主義が原因」と断じていることに対し、学校教育法はこの意味では年齢主義ではなく、現場の実態が年齢主義であることが問題であるにすぎないと反論している。町村・河村両大臣に続いて今回のように官僚からも年齢主義に対する疑問の声が上がっており、議論の雰囲気ができつつある。<br /> <br /> 2010年に[[中川正春]][[文部科学副大臣]]は[[記者会見]]で、「初等中等の教育システムの中に、いわゆる外国人の子どもたちに対する、(中略)、公立学校に入りやすい環境の整備、これは年齢制限が基本的にはあったということですが、弾力的に運用していって、必要な子どもたちについての受入れの幅を広げていくということ。(中略)、そういうことを進めていこうということです」と述べ、外国籍の場合については年齢主義を緩和する方針を示した。<br /> <br /> 2010年現在では、小学校・中学校・中等教育学校のうち、年齢主義の打破を謳っている学校はまだ存在しないものと見られる。私立中学校などでは、出願資格に年齢上限がない学校も複数あるが、それらの学校でも積極的に年齢多様性を謳っているわけではない。また逆に、年齢主義の堅持を謳っている学校も稀である。あえて主張する必要がないほど、同じ年齢主義の学校が多く、横並びの状態といえる。<br /> <br /> === 分離運動 ===<br /> 学齢超過者の中学校入学に関しては、その重要性を訴える人々も多いが、その中には夜間中学の増設によってそれを実現しようとする立場の動きもある。こういった主張では、学齢超過者は一般の(昼の)中学校に入学するのではなく、一般の中学校内に設けられた夜間学級や、夜間中学専用校に入学するべきであるとしている。それらの運動では、なぜ一般の中学校ではいけないのかについて触れられていない場合も多い&lt;ref&gt;[http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kokusai/008/shiryou/attach/1292183.htm 宮崎委員提出資料2] - 作者は夜間中学校の教員と思われる。文章中で日弁連の事に触れられているが、日弁連は必ずしも夜間ではなく一般の中学校への受け入れも求めている。また学齢超過者に義務教育をするとの表現があるが、学齢超過者は義務教育の対象ではない。&lt;/ref&gt;。もちろん、法制度上は夜間中学でも一般の中学校でも学齢超過者の受け入れについて異なることはない。<br /> <br /> また、教育委員会などの行政組織も、夜間中学がある地域では学齢超過者は一律に夜間中学に誘導するなどして昼の中学校から締め出す例も見られる。こういった分離運動に対しては、特に南米系の外国人やその支援団体からは不満が出ている。なお、夜間中学の増設を望む声の中には、「一般の中学校への入学は断られるから、夜間中学に行くしかない」との前提のものもあり、必ずしもそれらの意見のすべてがこういった分離を支持しているわけではない。<br /> <br /> 現時点では、政府は夜間中学校の増設も、一般の中学校の年齢制限緩和も、特に打ち出していない。ただし生徒数的には、中学校全体の学齢超過者比率は上昇傾向にあり(前記国勢調査)、夜間中学の生徒数は変動が激しいが減少傾向にある&lt;ref&gt;[http://www.sikasenbey.or.jp/~jkobi/yatyu.htm 夜間中学] - [http://www.geocities.jp/santama_renrakukai/kondoh/volume09/chapter01.html (一)夜間中学の課題] - 1955年は5000人以上、1968年は約400人、1999年は3424人、2007年は2441人、2009年9月は2718人。&lt;/ref&gt;ため、分離教育の潮流はやや弱まっているとも考えられる。<br /> <br /> === 民主党政権による変化 ===<br /> [[2009年]][[8月30日]]の総選挙で[[民主党 (日本 1998-2016)|民主党]]が大勝し、[[政権交代]]が確実となった。民主党は以前より教育関連の政策を発表しており、それらの実施が確実視されている。重要な政策のうち一つは[[子ども手当法|子ども手当制度]]で、もう一つは[[高校無償化法|高校授業料無償化・就学支援金支給制度]]である。<br /> <br /> 民主党の[[マニフェスト]]によると、子ども手当は「中学卒業までの子どもに対して年間約30万円を支給する」となっており、[[マスメディア]]もそのように報道しているが、実際にはマニフェストの説明は正しくない(マニフェストには年齢制限があることは一切書かれていない)。支給の要件は、完全に年齢が基準となっており、中学を卒業していなくても15歳の3月で支給が打ち切られる。また、小学校や中学校に在籍しているかとは無関係に支給されるため、マニフェストの「中学卒業」の語句はまったく関係ない。これについては、民主党の広報担当者が電話取材に対して明言している。&lt;ref&gt;取材内容の動画がネット上に掲載されている。以下はニコニコ動画(要会員登録)[http://www.nicovideo.jp/watch/nm8099778 その1][http://www.nicovideo.jp/watch/nm8108614 その2][http://www.nicovideo.jp/watch/nm8110212 その3][http://www.nicovideo.jp/watch/nm8111161 その4]以下は外部プレーヤー(会員登録不要、ただし視聴のみ)[http://vidy.livedoor.biz/archives/795304.html?id=nm8099778 その1][http://vidy.livedoor.biz/archives/795304.html?id=nm8108614 その2][http://vidy.livedoor.biz/archives/795304.html?id=nm8110212 その3][http://vidy.livedoor.biz/archives/795304.html?id=nm8111161 その4]&lt;/ref&gt;この部分においても、中学校の卒業は15歳でなければならないという思想が存在する。&lt;ref&gt;[http://www.dpj.or.jp/news/files/071226yokou.pdf 法案] なお、この法案が提出された時点のマニフェストでは、支給対象を「中学校卒業まで」とする表記と、「義務教育終了まで」とする表記が混在していた。&lt;/ref&gt;<br /> <br /> また、民主党は高校授業料無償化・就学支援金支給制度を実施しているが、当初の[[法案]]では、公立高校や私立高校に通う20歳までの生徒の保護者に対して授業料相当額(上限あり)を支給するというものであった。20歳という年齢制限があることから、高年齢者が高校に在学することは低年齢者と比較して経済的に負担が大きくなり、この政策は高校生の低年齢化を強める可能性があった。なお、民主党の宣伝や大手マスコミでは、年齢制限について触れず、全ての生徒が対象であるかのように報道していた。なぜ年齢制限が予定されていたかの理由は不明であるが、実際に施行される法律では、年齢制限がなくなり、学校設置者に対する給付に修正された。<br /> <br /> 上記の二つの事例で、いずれも民主党や大手メディアが、その制度に年齢の上限があることについてほとんど明言をすることがないのは、日本では高年齢の生徒が著しく少ないため、それによって影響される人が限られているからだと考えることもできる。<br /> <br /> 一方、[[町村信孝]]、[[河村建夫]]ら[[自民党]]の[[文教族]]議員が[[野党]]に転落したことで、彼らの主張していた[[在学年齢]]自由化や[[原級留置]]の適用拡大の検討は、ひとまず棚上げにされる可能性もある。<br /> <br /> また、2010年4月から施行される[[子ども手当法]]では、驚くべきことに高校までもが18歳で卒業することを前提とした書き方がなされている。条文には、「十二歳に達する日以後の最初の三月三十一日を経過した児童手当法第三条第一項に規定する児童(次号において「小学校修了後高等学校修了前の児童」という。)」との表記があり、「児童手当法第三条第一項に規定する児童」とは「18歳の4月1日の前日までの児童」であるから、この文章は「小学校は12歳で卒業し、高校は18歳で卒業する」という意味となる。また「中学校は15歳で卒業する」という前提の表現も存在する。このように、法律の条文にまで高校までが年齢主義によって運営されているのが唯一正しいとするかのような表現が登場している。なお、今までの[[児童手当法]]にも、小学校は12歳で卒業することを前提とした表記はあったが、中学校や高校までも同年齢で卒業すべきとの表現は存在しなかった。このように、民主党の政策には高校まで年齢主義を推進しようとする意向が覗える。<br /> <br /> この問題については、[[子ども手当法案#年齢と学歴の混同]]も参照。<br /> <br /> ==日本における学校ごとの現状==<br /> ===就学前の教育および保育===<br /> [[幼稚園]]では、園児の[[年齢]]によって年少組、年中組、年長組に分けられており、[[学年]]の名づけ方からも分かるように年齢主義である。この段階では[[学校]]的な[[学習]]よりも、周囲の人との[[コミュニケーション]]などの情緒的な内容が重視されるため、年齢で区切るのが自然だと考えられている。ただし、近年は[[異年齢保育]]が注目されている。異年齢とはいっても、この年代では1歳程度の差でも、かなり発達度の差があるため効果的なようだ。通える年齢については基本的には「就学の始期まで」となっているが、就学猶予を受けた園児は引き続き通う場合もある。<br /> <br /> === 初等教育 ===<br /> [[#平素の成績|前述]]したように、[[小学校]]においては、[[中学校]]・[[高等学校]]と同様に[[進級]]に当たっては「平素の成績を評価」とされているため、法律上は課程主義を取っているとされる。しかし現実的には年度が替わると自動的に[[学年]]が上がるような形となっており、ほぼ年齢主義での運用になっている。このため就学猶予や原級留置が行われることは稀であり、学年を構成するのは同年齢集団となっている。ただし異年齢になるケースも稀ながら存在し、例えば病気などのために[[長期欠席]]をした場合や、[[帰国子女|帰国生徒]]などのように[[日本語]]の能力に問題がある場合は、所属できる最高学年よりも下の学年に所属する場合もある。また、標準年齢=最低年齢であるため、[[早期教育]]・[[ギフテッド教育]]などを目的として標準年齢[[児童]]が[[飛び級]]をすることは不可能であるが、年齢主義による[[飛び級#高年齢からの飛び級|高年齢者に対する強制的な飛び級]]が行われる場合もある。また[[学齢]]超過者の[[入学]]は困難である。<br /> <br /> 年齢主義について、[[1993年]]の[[神戸市立小学校強制進級事件]]の[[判決]]では以下のように述べられている(抜粋)。<br /> [[File:Kobe-District-Court3.jpg|thumb|神戸地方裁判所]]<br /> *小学校段階では年齢により、体格・精神年齢・運動能力に顕著な差があり、一年遅れると次年度の児童の間にとけ込むのに大変な努力が必要になるし、社会的な違和感に耐える必要という著しい不利益を被ることを考慮すべきである。<br /> *一般的に義務教育では年齢主義的な学年制の運用がされているが、殊に、初等普通教育においては「心身の発達に応じて」教育を施すことを目的としており、小学校の段階では年齢により、精神年齢・運動能力・体格等心身の発達に顕著な開きがあることから、年齢別の教育が最も適するといえる。<br /> *同じ社会生活・日常生活上の経験を有する同年齢の児童ごとに教育することが最も適していると解せられる。<br /> このように、[[神戸地方裁判所]]の[[裁判官]]は、小学校においては同年齢集団に所属することが望ましいとの判断を下した。特筆すべきことは、このケースは学校側が原級留置を強要したのではなく、児童の親が[[出欠|出席]]日数が少ないことを理由として原級留置を望んだのであり、ほぼ自主的な原級留置といえるケースだったことである。それでもこういった判決が下りているため、この判決は掛け値なしに年齢主義の強さを示すものと判断できる。この判決の是非はともかく、現代の[[日本]]の多くの小学校においては、判決で指摘されているように「児童」が1歳でも年長であると特異な視線で見られる場合があるのもまた事実である。もちろん、違和感があるのはその小学校で異年齢の「児童」が珍しいからであり、その原因は長年続いてきた年齢主義にあるのだが、やはり[[社会通念]]はなかなか変わらないし、現時点では個々の「児童」にそういった疎外感を背負わせるのもまた過酷である。また、小学校の[[在籍者 (学習者)|在籍者]](小学生)は法律用語では「児童」と呼ばれることになっており、[[学校教育法]]などでは小学校の[[在学年齢]]に上限は設けられてはいないのであるが、この呼称自体が小学生は生活場面における[[未成年者]]であることを想定しているかのような用語である。このように、法の制定時は、やはり小学校にはあまり高い年齢の生徒が在学しないと考えていたのであろう&lt;ref&gt;[[児童福祉法]]などの他の法律では17歳までが児童と呼ばれたり、[[児童養護施設]]の延長後の定年が20歳であったりするので、その程度の年齢までは児童と呼ぶことは差し支えない。&lt;/ref&gt;。29歳で小学3年生になった[[#関連人物|八木下浩一の事例]]が大きく話題になったのは、これほど大きく年齢が違うのは非常に珍しいという認識があるからである。<br /> <br /> 一方、上記判決とは逆に、公立小学校で6年生2人に対して3月の卒業を長期欠席を理由に一時的に保留にした例(6日間の補習の後で他児童と同じく3月に卒業)&lt;ref&gt;[http://future.web.infoseek.co.jp/topics/20030401.html 埼玉の小学校で補習受けるまで不登校児童の卒業認めず 「補習に来なければ卒業させない選択肢も」と校長] 不登校を考える会&lt;/ref&gt;もあるなど、必ずしも現場の判断は統一されていない。また小学校に通わず[[インターナショナル・スクール]]で過ごした生徒が、12歳~13歳の年度になっても[[公立学校|公立]][[中学校]]に入学できない[[教育委員会]]の地域もあるなど&lt;ref&gt;この場合、小学校に編入できるのかどうかは不明。&lt;/ref&gt;、完全に年齢主義ばかりで運営されているわけではない。<br /> <br /> また私立小学校においては運営方針によって対応がさまざまであり、[[学校法人玉川学園]]では、5年生(小学5年生相当)以降は学習到達度が不足していれば原級留置にする場合があると明記しているように、課程主義をとっている学校もある&lt;ref&gt;[http://www.tamagawa.ed.jp/admission/faq-7.html#07 成績によって学年をもう一度やり直すことがあるのですか?]&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> ただし、小学校は[[修業年限]]が6年と長く、1年生と6年生ではかなり[[学習]]内容・身体[[発達]]に差があることも考慮しなければならない。例えば最低年齢の在学者同士の比較では、小1は6歳、小6は12歳と実に2倍もの開きがある。また、「[[9歳の壁]]」といわれる[[脳科学]]的な変化により、前半と後半では各種の差があると考えるべきである。実際、前記の玉川学園K-12では4-4-4制を取っており、5年生から8年生(小学5年生から中学2年生に相当)までが中学年と位置付けられている。このため、議論をする際には「小学校は」と全学年を一くくりに扱うことは避けるべきである。<br /> <br /> 養護学校の小学部では、個別のケースにあわせた[[カリキュラム]]を組まざるを得ないため、異年齢「児童(生徒)」が同一学年に在籍している場合も多い。また[[都道府県]]によっては学齢超過者就学推進事業が行われたりもしているため、ある程度学齢超過者も在学している&lt;ref&gt;ただし、小学部に在学する人は30代であっても、上記のような理由から、正式には「児童」と呼ばれるのだが…&lt;/ref&gt;。盲学校・聾学校の小学部においてもほぼ同様とされる&lt;ref&gt;[http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/08010901/003/147.xls 学校基本調査年齢別在学者数(エクセル)]によれば、学齢超過者こそ稀だが12歳以上の人はある程度いる。&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;古い例であるが、「[[麻原彰晃]]の誕生」([[高山文彦 (作家)|高山文彦]]著)によれば、[[1961年]]、麻原のいた盲学校の小学部1年生に14歳~15歳くらいの生徒が在籍していたことが記されている。&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> なお、法律の条文上は少なくとも15歳まで、小学校に[[在学]]をしている場合が想定されている&lt;ref&gt;[[学校教育法]]:保護者は、子の満6歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満12歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを小学校又は特別支援学校の小学部に就学させる義務を負う。ただし、子が、満12歳に達した日の属する学年の終わりまでに小学校又は特別支援学校の小学部の課程を修了しないときは、満15歳に達した日の属する学年の終わり(それまでの間において当該課程を修了したときは、その修了した日の属する学年の終わり)までとする。&lt;/ref&gt;。この部分は、学齢期終了まで小学校を卒業しなかった場合についての取り扱いを定めたものにすぎないため、学齢を過ぎてからも在学することを制限するものではない。しかし、ほとんどの小学生の卒業年齢は12歳であり、13歳の卒業生ですらかなりまれなことを見ると、この規定はほぼ空文化しているかのようである。<br /> <br /> ==== 関連人物 ====<br /> *[[八木下浩一]]<br /> *:([[1941年]][[9月18日]]-)[[脳性麻痺]]のため9歳まで[[寝たきり]]の生活を続け、12歳の時と16歳の時に、地元の小学校に入学するために[[知能検査]]などを受けにいったが、[[言語症]]と[[肢体不自由]]を理由に断られた。そのあと[[クリーニング]]工場に低[[賃金]]で就労し、そして[[特別支援学校|養護学校]]を見学するも、生徒の目に活気がないと感じた。そのあと自分で就学猶予規定などの教育に関する[[法令]]を調べ始めた。27歳の時、川口[[教育委員会]]に出向いて就学希望を述べると、初めは相談者(浩一)の子供(いない)の入学についての相談だと思い込まれたが、しばらくして相談者本人のことだと分かったので教委側がとても驚いた。教委は小学校入学をかなり渋り、「すでに就学免除願いを出されているが、書類は火事で消失した」などと虚偽の報告を行ったりしたが、障害者団体らとともに複数回訪問をするうちに徐々に譲歩を受け、やっと[[川口市立芝小学校]]への入学を許可された。しかし、週3回のみの登校で、最初から6年生に入ることが条件だった。そして28歳の時、普通より1ヶ月程度遅れた5月になって小学6年生に入学したのだが、そのうち、古い[[教科書]]を渡されるなど、色々な違和感から自分に[[学籍]]がないことに気づいた。これを[[校長]]に問いただすと「君は[[聴講生]]だ」と説明されたので疑問に思った。八木下は、いきなり6年に[[編入学]]したので[[学力]]が付いていけず、また学籍がないため[[通知表]]も出ず、再度交渉したのち、29歳でやっと3年生に編入学することができた。そのあとは6年まで[[進級]]し、その[[学年]]末に[[長期欠席]]のため原級留置を求めて、3度目の6年次の[[履修]]をした。八木下は合計6年間を小学校に[[在学]]したことになる。考えがあって中学校には[[進学]]しなかった。(参考文献 『街に生きる』八木下浩一著、現代書館刊、入手困難)<br /> <br /> この事例は1970年ごろの話であるが、学校や教育委員会の、高年齢入学者への風当たりがいかに強かったかを物語る。その一方で、他の在学者からは忌避されていたわけではないことにも注目すべきである。<br /> <br /> === 前期中等教育 ===<br /> [[#平素の成績|前述]]したように、[[中学校]]においては、[[小学校]]・[[高等学校]]と同様に[[進級]]に当たっては「平素の成績を評価」とされているため、法律上は課程主義を取っているとされる。しかし現実的には、一般の[[公立学校|公立]]中学校では年度が替わると自動的に[[学年]]が上がるような形となっており、ほぼ年齢主義での運用になっている。このため、[[原級留置]]が行われることは、小学校ほどではないが稀であり、学年を構成するのは同年齢集団となっている。ただし異年齢になるケースも稀ながら存在し、例えば病気などのために[[長期欠席]]をした場合や、[[日本語]]の能力に問題がある場合の[[帰国子女|帰国生徒]]などは、所属できる最高学年よりも下の学年に所属する場合もある&lt;ref name=&quot;gihu&quot;&gt;しかし自治体によって教育委員会の対応に大きな差があり、一切学齢超過者を許容しない場合もある。例えば[http://megalodon.jp/2010-0324-0247-06/www.rssmap.net/cache?c=http://mainichi.pheedo.jp/click.phdo?i=84619b51cf07a34609979f24ea1fbd8e&amp;i=177467 外国人の教育機会:年齢相当の学年編入を…岐阜県教委]([http://www.rssmap.net/cache?c=http://mainichi.pheedo.jp/click.phdo?i=84619b51cf07a34609979f24ea1fbd8e&amp;i=177467 原本])の記事では、文部科学省の通知に反して独自に年齢相当学年への編入を求めている。ただし実際に所属している学年よりも低い学年の授業を受けることは可能としている(もちろん、この手段ではどうしても中3の授業は受けられないことになる)。また理由として、「学齢超過者に無償教育を施すのは不公平感があるから」としているが、法律上は学齢超過者から授業料を徴収しても良いので、この論は成り立たない。&lt;/ref&gt;。また、標準年齢=最低年齢であるため、[[早期教育]]・[[ギフテッド教育]]などを目的として標準年齢[[在籍者 (学習者)|生徒]]が[[飛び級]]をすることは不可能であるが、年齢主義による[[飛び級#高年齢からの飛び級|高年齢者に対する強制的な飛び級]]が行われる場合もある。また[[学齢]]超過者の入学はかなり門戸が狭いため、[[学習権]]が奪われているとされる。<br /> <br /> 現在は年齢主義の考え方が強いためと[[不登校]]生徒数が多いために、公立では不登校を理由とした原級留置はかなり少ないが、不登校生徒数が少なかった時代は、不登校の場合は進級や[[卒業]]ができずに原級留置や[[退学]]となる場合もあった。例えば[[1953年]]には「第三学年の総授業時数の半分以上も欠席した生徒については、特別の事情のない限り、卒業の認定は与えられないのが普通であろう」という初等中等教育局長回答が出ているが、これはかなり昔の事であり、現在はこれはただの建前だとされており、ほとんどの例で卒業させている。このように、時代によって年齢主義と課程主義の間を揺れ動いている。<br /> [[File:Kaiyo Academy (school gate).jpg|thumb|現役かつ最年少でないと入学できない私立学校も多い&lt;br&gt;(写真は[[海陽中等教育学校]])]]<br /> [[私立学校|私立]]中学校においては必ずしも公立中学校と同様な基準ではなく、基本的には年齢主義の考え方も強いが、学校によっては課程主義的な考え方も強く、[[成績]]次第によっては原級留置となる([https://web.archive.org/web/20051214081145/http://www.stazione.jp/life/ojyuken/rissihtm.htm 慶應義塾普通部の生活]が一例)。例えば私立[[中高一貫校]]で中学3年時の成績が悪いと、併設高校に[[一貫教育|内部進学]]できず、原級留置をしなければならないというようなケースもある。また、[[入学]]時には[[学力検査]]を課し、かつ12歳であること(または小学校卒業見込みであること)を条件とするという、年齢主義かつ課程主義の入学基準を定めている学校が多い。しかし一部の中学校では受験時に13歳以上の志願者や[[過年度生]]の入学を認めている場合もある(「[[中学受験]]」の記事も参照)。このように年齢主義とはいっても、1~2歳程度の差は許容する[[学校]]も多い。また入学年齢の上限を定めていない年数主義の学校もある。なお、厳格な年齢主義の学校であっても、下記リンクにあるように多くの学校は[[募集要項]]では明確な年齢制限ではなく「小学校を卒業する見込みの者」などとして浪人不可という形で出願資格を定めているにすぎないが、これは例年の受験生の小学校卒業年齢がほぼ12歳であることから事実上の[[年齢制限]]と解釈できる&lt;ref&gt;ただしあくまで間接的な年齢制限なので、13歳以上で小学校を卒業する見込みの人でも、学校の個別判断によって受験できる可能性もある。&lt;/ref&gt;。<br /> *[http://hiki.cre.jp/syakaiseido/?syutugan 中学校・中等教育学校の受験資格]<br /> *:過年度生が出願可の学校も少しあるが、大部分の学校が現役生に限定しており、出願資格すら掲載していない学校も多数ある。<br /> <br /> 在学中に学齢を超える場合でも、希望すれば継続在学できる場合もあるが、強制的に退学または除籍にされてしまう場合もある&lt;ref&gt;[http://megalodon.jp/2010-1108-1837-05/mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20101021ddm004070002000c.html 記者の目:外国人の子供が学習する機会] - 毎日新聞 中村かさね 2010年10月21日。2010年11月8日閲覧。本記事においては新聞記事としては珍しく年齢主義に対する踏み込んだ批判をしている。&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> 一般の中学校は上記のように年齢主義を基本として運営されているが、中学校の[[中学校#二部授業(夜間授業など)|夜間学級]]・[[中学校#中学校の通信教育|通信教育]]課程では基本的に学齢超過者のみを対象としているため、年齢主義は存在せず、また[[習熟度別学習]]が行われており、熱心な[[教員]]が多いこともあいまって生徒の立場を配慮した[[教育]]となっている。しかしごく一部の地域にしか存在しないなど、広範囲に行き渡っていない上、[[授業]]時間・内容は一般的な公立中学校と比べてかなり削減されており、必ずしも昼間教育の代替とはなっていない。<br /> <br /> 養護学校の中学部では、個別のケースにあわせた[[カリキュラム]]を組まざるを得ないため、異年齢生徒が同一学年に在籍している場合も多い。また[[都道府県]]によっては学齢超過者就学推進事業が行われたりもしているため、ある程度学齢超過者も在学している。盲学校・聾学校の中学部においてもほぼ同様とされる。<br /> <br /> 学齢超過者の比率は、地域差はあまりないが、東京では夜間中学のためやや高く、沖縄も高い&lt;ref&gt;沖縄は学齢超過者全体数も高いが、16歳の人については特に高い。全国平均が16歳以上0.42%で16歳0.12%であり、沖縄は16歳以上0.57%で16歳0.22%である。&lt;/ref&gt;。詳細は[[#統計の地域差]]の節を参照。<br /> <br /> ===後期中等教育===<br /> [[高等学校]]や[[高等専門学校]]においては、[[小学校]]・[[中学校]]と同様に[[学校教育法施行規則]]により「各学年の課程の修了又は卒業を認めるに当っては、生徒の平素の成績を評価して、これを定めなければならない」とされており、課程主義を取っている。さらに、[[学年制と単位制|単位制]]高校でなくても高等学校では単位制を採用しているため、[[単位]]不足では[[卒業]]することができない。このように実際に単位や[[出欠|出席]]日数が不足すると[[進級]]や卒業ができずに[[原級留置]]となるなど、実質的にも課程主義を取っている。また[[入学]]に際しては[[入学試験]]のために不合格となり、[[過年度生|浪人]]する場合もある。しかし実際には中学校卒業者の現役[[進路|進学]]率は90%以上に上り、高校では15歳から18歳の[[在籍者 (学習者)|生徒]]が96%程度を占める([[s:2000年国勢調査第14表|国勢調査]]参照)。「中卒者が全員高校に進学する」のを当たり前と思い込む、「誤った前提」がまかり通るようになり、「高校に進学していない(できない)15歳~18歳の者」が否定的に見られ、中卒者の就職を困難なものへ至らしめるようになってきた([[#学校外社会における現状]]で後述)。<br /> <br /> このように、あたかも「高校も[[義務教育]]である」と決めつける「誤った前提」に基づく雰囲気から、多くの高校では[[学年]]を構成するのは同[[年齢]]集団となっているため、年齢主義的な考え方も結構強い。例えば15歳で高校に入学し18歳で卒業する生徒は一般的であるが、それよりも1歳年上であっただけで、[[学校]]によっては疎外感があったり、入学資格すら失われてしまったりする。そのためこれらの風潮は進級判定にも影響を及ぼしており、一般的な高等学校では、なるべく原級留置を出さないように取り扱っている。このように課程主義を取ってはいるものの年齢主義的な要素もあり、また進級・単位取得は容易であるため原級留置率は0.6%と低く、[[履修主義と修得主義|修得主義]]というよりも[[履修主義と修得主義|履修主義]]に近い形態である。<br /> <br /> 通常は入学できる年齢に上限はないが、特に国立高校や私立高校では、各学校で募集要項を決められるため、独自に最低年齢者以外の入学を断っている場合もある&lt;ref&gt;例えば[[茗溪学園]]では高校2年生のときに[http://www.meikei.ac.jp/trast/04.html 17歳の卒論]というイベントがあるが、この名称自体同学年は同年齢であるという前提があることをうかがわせる物である。同校では(2009年度の出願資格では)年齢の上限はなく、過年度生の出願も可能である。併設の中学校でも年齢の上限がなく、過年度生の出願も可能である(中学校ではこうした出願資格は少数派で、多くの私立中学校は現役のみを受け付けている)。しかしこうした学校でさえも、前記の通り高校までも同年齢が当然という意識があることが分かる。&lt;/ref&gt;([[過年度生#高等学校|過年度生]]と[[高校受験]]で詳述)。また、公立高校でも、明文化はされていないものの過年度生の入学を断る場合もある。<br /> <br /> 高等学校の主目的は[[学力]]を身に付けることであるが、上記のように課程主義があまり機能していないことや、中卒者による高校への[[進学率]]が90%を超過した影響から、近年は高校を卒業したというだけでは、どの程度の学力があるのかがほとんど分からず、[[卒業証書]]は形骸化している。『[[分数ができない大学生]]』という書籍がベストセラーとなり、大学生の[[学力低下]]を世に知らしめたが、まして高卒であるというだけでは[[分数]]の計算が不可能な人もかなりの数存在しておかしくはない。このように高校卒業[[学歴]]の形骸化が指摘されているため、一部の知識人は高等学校の卒業試験の提唱を始めている。もちろん難関高校の場合は、底辺高校よりも進級は難しいが、大学と違って高校は数多いため、どの高校が難関なのかをいちいち覚える人はわずかであり、高校の威信というものはあまり遠隔地では通用しない。<br /> <br /> なお近年、単位制高校が増加しており、学年にこだわらない運営が可能になっている。詳しくは「[[学年制と単位制]]」を参照。また高校2年からの[[飛び級|飛び入学]]もあり、年数主義からも脱し始めている。<br /> <br /> 高校の多くは上記のように同年齢集団に近くなっているが、年齢階層が若年層に集中していない高校もある程度存在する。例えば通信制高校・定時制高校は、全日制高校と比較すると、平均的に生徒の年齢層が高く、同一学年は異年齢集団となっており、年齢主義の要素はほとんど存在しない。これは多くの通信制・定時制高等学校が、もともと勤労者を主対象にした学校であるため、中学校卒業後の現役進学者が少ないという特徴があるためである。ただし、高校の多くが全日制課程であるため、定時制・通信制の年齢層の幅広さは高校全体の統計に現れにくい。<br /> <br /> なお、高等専修学校([[専修学校]]高等課程)では、過年度生の比率が多く、年齢主義の風潮は薄い。また[[職業能力開発校]]([[普通職業訓練]]普通課程)も、この段階の教育に該当するとされるが、年齢主義はあまり存在しない。ただし、[[自衛隊]]学校(自衛隊少年生徒教育隊、陸自の[[陸上自衛隊少年工科学校]]、海自の[[第1技術学校]]、空自の[[航空教育隊]])などでは年齢の上限はある。<br /> <br /> 都道府県別の高校生の年齢的な傾向は、[[#統計の地域差]]の節を参照のこと&lt;ref&gt;福島と鹿児島の2県は高校入学時に地域トップの公立高校に入るために浪人する人が多いと有名であるが、そのイメージに反して数値的に見ると現在はさほど19歳以上の生徒の比率が高くないことが分かる。なお、2000年国勢調査の全国平均では19歳以上の高校生は全高校生の2.98%。都道府県別統計では東京は5.23%、神奈川は4.21%、大阪は3.87%、福島は1.82%、鹿児島は1.79%。これらの結果は、定時制高校や通信制高校が多い地域が高く出ているとも考えられる。&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> [[クラブ活動|部活動]]によっては、その活動分野の大会(高校総体など)で出場できる年齢の上限があるため、本人が所属することをあきらめてしまう場合もある&lt;ref&gt;[http://www.pref.osaka.jp/attach/5675/00054502/h2205_theme11.pdf 大阪府] - 3ページ目に、高校再入学者が年齢制限によってバレー部の大会に出られなくなるために部活動への所属をあきらめた例が載っている。&lt;/ref&gt;。[[#学校外社会における現状]]の説も参照。<br /> <br /> === 高等教育 ===<br /> [[大学]]においては、ほぼ完全に課程主義的な運用がなされており、[[単位]]不足によって[[原級留置|留年]]するケースもある程度見られる。また、大学生の多くは18歳から20代前半ではあるものの、[[高等学校|高校]]と比べて[[年齢]]的な均一性は少ないので、年齢主義的な雰囲気はほとんどない。すべての大学は[[学年制と単位制|単位制]]を取っているため、単位取得が十分でなければ[[卒業]]ができない。<br /> <br /> しかし諸外国ほど課程主義が徹底しているわけではなく、年数主義も取っている。例えば4年制大学はどんなに[[成績]]優秀であっても2年で卒業することは不可能であり、また3年次卒業者も数少ない。また一般的な大学では[[入学試験]]こそ難しいものの、[[教授]]による単位認定の難易の差はあるが、諸外国の大学と比較すると[[進級]]や卒業は容易であり、留年者は少数派である。このように、通常は在学期間が[[修業年限]]と大幅にずれることは少ない。また、17歳からの[[飛び級|飛び入学]]もごく一部の[[学校]]を除いて実施されていない(ただし外国学校卒業者は可能)。ただし近年は、3年で卒業する[[早期卒業]]も徐々に増加しており(平成17年度現在、40大学が実施)、年数主義からも脱し始めている。また18歳未満でも正規課程生以外ならば受講は可能である([[放送大学]]など)。<br /> <br /> ただし、[[防衛大学校]]、[[防衛医科大学校]]、[[海上保安大学校]]、[[気象大学校]]、[[航空保安大学校]]の5つの大学校は、[[入学]]すなわち[[就職活動|就職]](当該省庁の職員)となるため、入学年齢に上限がある([[大学校一覧]]に記載)。また、大幅に年齢が高いケースだが、[[2005年]]には[[群馬大学]][[医学部]]に55歳の受験生が高年齢を理由に不合格となったため[[裁判]]になったという事件も発生した&lt;ref&gt;[http://www.47news.jp/CN/200507/CN2005070701001198.html 55歳で医師の道駄目? 群馬大に入学許可求め提訴] 共同通信 7月7日&lt;/ref&gt;。他にも、一部の私立大学医学部では、年齢制限の明記はないが、20代であっても多浪生の入学が困難であるとの話もある。<br /> <br /> また一部の大学では高校2年からの飛び入学を実施しているが、[[千葉大学]]や[[名城大学]]などでは17歳の高校2年生に限定しており、18歳以上の場合は受験資格がない。<br /> <br /> また、高校ほどではないが、やはり卒業の容易さによる卒業生の能力の保証のなさは問題となっている。しかし、これについてはいわゆるブランド大学(旧[[帝国大学]]などの難関大学)の卒業者であれば信用できるという社会通念はあるが、逆に[[学歴|学校名社会]]を生んでいるという問題もある。<br /> <br /> [[大学院]]においては、ほぼ完全に課程主義的な運用がなされており、能力主義となっている。また、修業年限も自由である。修士課程からはじめることも、博士課程からはじめることも可能である。博士課程においては、[[学位]]を取得しなければ修了にはならないなど、[[履修主義と修得主義|修得主義]]での運用となっている。<br /> <br /> == 日本から外国への留学における現状 ==<br /> 一般的に外国の[[高等学校]]は[[日本]]よりも[[年齢]]的な制限がゆるいといわれる。しかしながら、日本国内の外国[[留学]]プログラムでは、18歳までの高校生を主対象にしていて、それ以上の年齢の場合は利用不可能になる場合も多い。このように、外国留学とはいえ年齢上限がないわけではないことに注意すべきである。例えば外国留学・交換留学プログラムの一つである、[[AFS日本協会]]や[[YFU日本国際交流財団]]では、応募可能な志願者の[[誕生日|生年月日]]が明記されている。<br /> <br /> いくつかの業者では、[[不登校]]などから立ち直るということを謳って海外留学の宣伝をしており、海外教育コンサルタントなどの名義で書籍を発行したり、留学雑誌に案内が掲載されたりしているが、それらの書籍や雑誌には年齢の上限があることが書かれていない場合もある。しかし実際にはかなり厳格な[[年齢制限]]が存在する場合もあるのである。一般的に、不登校生徒や、形式卒業後も社会参加ができていない青年の場合は、年齢が高い場合が多いため、最低年齢の現役生ばかりを対象にするプログラムの意味は薄いといえる。<br /> <br /> == 諸外国における歴史と現状 ==<br /> {{節スタブ}}<br /> なお日本語の資料では日本の強固な年齢主義の環境で培われた思考パターンで外国の教育制度を著述しているために誤謬をはらんでいる例があるので要注意である&lt;ref&gt;[http://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/gaikokujin/sensei9.html 外国からの子どもたちと共に<母国の教育事情>] [[千葉県教育委員会]] 2010年7月27日閲覧。 - この資料においては、フランスなどの課程主義が強い国さえも、「小学校1年(6歳)から中学4年(16歳)までの9年間が義務教育である」と学年と年齢が固定しているかのように記述した上、義務教育の始期と終期を学年によって定める課程主義であるとも取れる書き方をするという、二重の間違いを犯している。(実際のフランスは進級は課程主義で義務教育は年齢主義)&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> ===保育・初中等教育([[K-12]])===<br /> 世界的に見ると、フランス、旧[[ソビエト連邦|ソ連]]など[[ヨーロッパ]]諸国は課程主義を基本としている場合が多く、年齢主義を基本としている国の場合も、[[日本]]ほど硬直的な運用ではない。ただ、複線型学校制度を採っているイギリスやドイツでは、早期の選別が「敗者」への悪影響を与えているという指摘もある。[[就学率]]のうち、粗就学率が純就学率よりかなり高い国家においては、さまざまな年齢の生徒が在学している。<br /> <br /> ==== フランス ====<br /> &#039;&#039;&#039;[[フランス]]&#039;&#039;&#039;では、[[小学校]]から課程主義を取っているため、かなり原級留置が多く、[[1987年]]の[[統計]]では、小学5年生のうち標準年齢者が60%、高年齢者が37%、低年齢者が2.5%であった。ただし、こういった現状に対しては国内の意見は必ずしも肯定的なものばかりではない。また原級留置を防止するために、[[補習]]授業(スーチエン)も行われている。一方、[[義務教育]]期間の終了基準については年齢主義を取っており、[[中学校]]の[[課程]]を修了していなくても16歳になれば義務教育期間が終了する。そのとき小学生である場合も、大学生である場合もある。[[フランスの教育]]も参照。<br /> *[http://www.manabinoba.com/index.cfm/4,3309,213,html ホ~ッ。 落第しなくてよかったぁ~!(フランスの小学校事情)](原級留置について)<br /> *[http://www.manabinoba.com/index.cfm/4,3398,213,html ヒエ~。ジャンヌ・ダルク風?!教育ママゴン(フランスの小学校事情)](飛び級について)<br /> <br /> なお、正式には留年ではなく延長であるとの主張([http://www.nise.go.jp/kenshuka/josa/kankobutsu/pub_c/c-44_1/c-44_1_03_5.pdf])もある。<br /> <br /> [[初等教育]]の粗[[就学率]]は104.8%(2004年)、純就学率は98.94%(2004年)であり、制度計画上の比定年齢範囲である者は94.4%である。[[中等教育]]の粗就学率は110.59%(2004年)、純就学率は96.17%(2004年)であり、制度計画上の比定年齢範囲である者は86.96%である&lt;ref name=&quot;就学率&quot;/&gt;。<br /> <br /> ==== アメリカ合衆国 ====<br /> [[File:Lady Bird Johnson Visiting a Classroom for Project Head Start 1966.gif|thumb|[[人種のるつぼ]]といわれるアメリカ。複雑な事情を抱えている。]]<br /> &#039;&#039;&#039;[[アメリカ合衆国]]&#039;&#039;&#039;では、一般的には[[能力別学級]]編成が行われているので、基本は年齢主義でありながら[[学力]]格差による問題がある程度解消されている。しかし[[1970年代]]ごろから「基礎に帰れ運動」が広がったため、[[アメリカ合衆国の地方行政区画|州]]によっては[[進級]]・[[卒業]]時に「最低基礎能力検査」が実施されている。このように[[成績]]によっては進級できない場合もあり、また10代前半で大学に入学するなど[[飛び級]]制度も普及しているため、必ずしも年齢主義のみで運営されているわけではないといえる。またアメリカは州によってかなり[[教育制度]]が違うため、一概に論じられない。アメリカの高校は年齢主義的色彩も強く、20歳以上では在学できなくなる学校も多く存在する。飛び級など年齢のしがらみがないと思われがちだが、実際には高年齢在学が困難であることがあり、自由度は必ずしも高くない。英語を話せない移民が多いなど、課程主義を採ると社会的格差が浮き彫りになるなどの問題があり、様々な配慮が必要とされている状況である。なお、アメリカの高校は日本の高校よりもカリキュラムが遅く、そのデメリットを優秀者の飛び級をさせることによって補っているといわれる。[[アメリカ合衆国の教育]]も参照。<br /> <br /> 歴史的には、[[19世紀]]末までは課程主義が一般的であり、[[20世紀]]前半には[[進歩主義教育]]運動の影響で年齢主義が一般的になった。特に[[ニューヨーク]]市や[[フィラデルフィア]]市では1940年代以来100%進級の方針を採用していた。しかし1980年代ごろに[[教育改革]]運動があり、上の両市でもその年代に22%の[[原級留置]]者を出した。なお、[[学年]](グレード)別の平均年齢の[[標準偏差]]は、1918年には1~9年生において11.8~16.6であるのに対し、1952年には6.8~9.6と狭くなっている&lt;ref&gt;ただし、18年調査は都市部の学校のものであり、52年調査は多分国全体の生徒のうち25%を抽出したものである。&lt;/ref&gt;。なお、この2回の調査の学年の平均年齢はそれほど変わっておらず、52年の方が6ヶ月から1年程度若くなったにすぎない。このように、20世紀前半には同学年同年齢に近づいていく傾向が見られる。また20世紀初頭はグレード1に4歳から18歳までの在籍者がいたことも明らかとなっている&lt;ref&gt;[http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=kyoiku1932&amp;cdvol=53&amp;noissue=4&amp;startpage=375&amp;chr=ja 米国での初等・中等教育の垂直的編制における一般教育と職業教育との関連問題]33ページ [[田中喜美]]&lt;/ref&gt;。なお当時のコモンスクール(公立学校)は21歳まで在学できるとの規定が多かった。<br /> <br /> 2000年ごろから、各地で社会的進級(年数主義的な自動進級制)に対する反対から、小学校への課程主義の積極導入が行われており、一方で[[落ちこぼれ]]を作らないよう[[サマースクール]]が開かれるなどの対策も行われている&lt;ref&gt;[http://www.ff.iij4u.or.jp/~narita/ca/news64.html 最新カリフォルニア教育情報~基礎学力~ 1999.2.11] - 成田先生のホームページ(個人サイト) 斎藤陽子のカリフォルニア便り 2010年11月8日閲覧。&lt;br&gt;[http://homepage2.nifty.com/irer/news/isn2102.html いんさいど世界2001・7-教育改革情報-] - サマースクールについて&lt;/ref&gt;。ただし、社会的進級の廃止により悪影響が現れたという失敗例もある&lt;ref&gt;[http://sonicbrew.blog55.fc2.com/blog-entry-319.html machineryの日々]、[http://d.hatena.ne.jp/arn/20090329 A.R.N [日記]] - 両者とも個人ブログ。書籍『事実に基づいた経営―なぜ「当たり前」ができないのか?』の引用あり。2010年11月8日閲覧。&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> 2003年の国勢調査&lt;ref&gt;[http://www.census.gov/population/www/socdemo/school/cps2003.html School Enrollment--Social and Economic Characteristics of Students: October 2003] - U.S. Census Bureau 2010年7月25日閲覧。&lt;/ref&gt;では、グレードごとの在学者の年齢の統計が存在する&lt;ref&gt;[http://www.census.gov/population/socdemo/school/cps2003/tab02-01.xls Single Grade of Enrollment and High School Graduation Status for People 3 Years Old and Over, by Sex, Age (Single Years for 3 to 24 Years), Race, and Hispanic Origin: October 2003](エクセル) - 2010年7月25日閲覧。人数は1000人単位なので、空欄でも499人までは存在する可能性がある。&lt;/ref&gt;。それによれば、グレード1などの低グレードにおいても、少数派とはいえ同グレードに約5歳幅の異なる年齢の在籍者がいることが分かる。またグレード7(日本の中1に相当)以上においては、18歳以上の生徒も居り、65歳以上の生徒も3千人いることが分かる。特に最終のグレード12では、40代くらいまである程度在籍者が存在する。また飛び級もある程度盛んで、15歳の高卒者は33万人、15歳で大学&lt;ref&gt;この統計ではCollegeとのみ書いてあるが、ユニバーシティも含むようである。&lt;/ref&gt;に在学している例も数千人見られる。また高等教育のイヤー5(日本の修士課程1年に相当)に所属している15歳の人も3千人いるなど、きわめて能力主義的な側面もある。<br /> <br /> [[初等教育]]の粗[[就学率]]は98.98%(2004年)、純就学率は92.41%(2004年)であり、制度計画上の比定年齢範囲である者は93.36%である。[[中等教育]]の粗就学率は94.68%(2004年)、純就学率は89.34%(2004年)であり、制度計画上の比定年齢範囲である者は94.36%である&lt;ref name=&quot;就学率&quot;/&gt;。<br /> <br /> ==== カナダ ====<br /> &#039;&#039;&#039;[[カナダ]]&#039;&#039;&#039;では、初等教育の同年齢度は日本並みに極めて高いが、グレード9~12(日本の中3~高3に相当)については、必ずしも同年齢度が強いわけではなく、ある程度は異年齢者がいる&lt;ref&gt;[http://www3.thestar.com/static/PDF/2006studentcensus_overview.pdf 2006 Student Census: System Overview]の5ページを参照。Toronto District School Board 2010年7月25日閲覧。&lt;/ref&gt;。[[カナダの教育]]も参照。<br /> <br /> [[初等教育]]の粗[[就学率]]は100.19%(2002年)、純就学率は99.5%(2001年)であり、制度計画上の比定年齢範囲である者は99.31%である。[[中等教育]]の粗就学率は108.53%(2002年)、純就学率は94.11%(1999年)であり、制度計画上の比定年齢範囲である者は86.71%である&lt;ref name=&quot;就学率&quot;/&gt;。<br /> <br /> ==== ドイツ ====<br /> &#039;&#039;&#039;[[ドイツ]]&#039;&#039;&#039;では、義務教育段階でも小学1年を除いて原級留置が多く、日本の[[中等教育学校]]や併設型[[中高一貫校]]に相当する[[ギムナジウム]]では毎年5~10%の原級留置生徒が出る。また、就学年齢も弾力化されている。中学校段階で生徒の能力適性によって、進学型の[[ギムナジウム]]、中間型の[[レアルシューレ]]、職業教育型の[[ハウプトシューレ]]に分かれるという[[学校体系|複線型学校制度]]となっているため、学業が苦手な生徒でも進学することは一応可能である。[[学齢成熟]]の考え方があることから、小学校の就学時期には幅を持たせている(このため、小学校に入ってからの留年は抑えられている)。[[ドイツの教育]]も参照。<br /> <br /> [[初等教育]]の粗[[就学率]]は男女とも103%、純就学率は男女とも98%であり、制度計画上の比定年齢範囲である者は95.14%である。[[中等教育]]の粗就学率は100.29%(2004年)、純就学率は不明である&lt;ref name=&quot;就学率&quot;/&gt;。<br /> <br /> ==== ブラジル ====<br /> &#039;&#039;&#039;[[ブラジル]]&#039;&#039;&#039;では、他の[[ラテンアメリカ]]諸国と同様に、[[履修主義と修得主義|修得主義]]が強く年齢主義の色彩は薄い。このため、日本に[[出稼ぎ]]に来る[[ブラジル人]]労働者の子が、日本の学校の年齢主義に直面して戸惑うケースも散見される。さらに言葉の問題も加味して、[[不就学]]となるケースも見られる。14歳では76%が[[原級留置]]経験者である&lt;ref&gt;[http://www.jil.go.jp/kaigaitopic/1999_06/burajiruP01.htm 海外労働トピックス ブラジル] 2010年7月29日閲覧。&lt;/ref&gt;。一応、1999年には初等教育前期4年間について、学力評価による原級留置が禁止されたため、留年はある程度減少した&lt;ref&gt;[http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/world_school/04latinamerica/infoC42700.html 外務省 諸外国の学校情報] 2010年7月28日閲覧。&lt;/ref&gt;。しかし2000年時点では[[進級率]]はさほど高くなったとはいえず、また広い国であるために地域による差も大きく、北東部では初等教育における制度計画比定年齢以外の在学者が6割程度であるものの、[[サンパウロ州]]においては2割程度である&lt;ref&gt;[http://www.sap.hokkyodai.ac.jp/otu/ehara-b1.pdf 1990年代ブラジルの初等教育改革政策] [[江原裕美]] 2010年7月29日閲覧。&lt;/ref&gt;。20歳で小学校に入学した例もある&lt;ref&gt;[http://www.brazil.ne.jp/V2/musashi/report_06.html 大泉町の市民とのブラジル人との結びつき] 武蔵大学 対談 2010年7月29日閲覧。なお、その人物は[[大泉町]]の[[長谷川洋]]町長に日本でも年齢主義を緩和するように要望したところ、町長は賛同した。&lt;/ref&gt;。[[ブラジルの教育]]も参照。<br /> <br /> [[初等教育]]の粗[[就学率]]は140.96%(2003年)、純就学率は92.93%(2003年)であり、制度計画上の比定年齢範囲である者は65.92%である。[[中等教育]]の粗就学率は102.03%(2003年)、純就学率は75.67%(2003年)であり、制度計画上の比定年齢範囲である者は74.16%である&lt;ref name=&quot;就学率&quot;/&gt;。<br /> <br /> ==== オーストラリア ====<br /> &#039;&#039;&#039;[[オーストラリア]]&#039;&#039;&#039;では、下記のように中等教育段階に広い年齢層の人が在学していると推測される。このレベルの数値は先進国ではかなり珍しい。[[オーストラリアの教育]]も参照。<br /> <br /> [[初等教育]]の粗[[就学率]]は102.83%(2004年)、純就学率は95.75%(2004年)であり、制度計画上の比定年齢範囲である者は93.11%である。[[中等教育]]の粗就学率は148.56%(2004年)、純就学率は85.49%(2004年)であり、制度計画上の比定年齢範囲である者は57.54%である&lt;ref name=&quot;就学率&quot;/&gt;。<br /> <br /> ==== シンガポール ====<br /> &#039;&#039;&#039;[[シンガポール]]&#039;&#039;&#039;では、[[英才教育]]志向が強く、[[初等教育]]段階から能力によって進むコースが異なっている。小学校は3年までは原級留置はなく、それ以降は小学校卒業試験に合格しなければ13歳までは原級留置が可能である。[[シンガポールの教育]]も参照。<br /> <br /> ==== 大韓民国 ====<br /> &#039;&#039;&#039;[[大韓民国]]&#039;&#039;&#039;では、小学校での原級留置は存在しないが、飛び級は稀に存在する。[[大韓民国の教育]]も参照。<br /> <br /> [[初等教育]]の粗[[就学率]]は104.79%(2005年)、純就学率は99.37%(2005年)であり、制度計画上の比定年齢範囲である者は94.82%である。[[中等教育]]の粗就学率は92.9%(2005年)、純就学率は90.44%(2005年)であり、制度計画上の比定年齢範囲である者は97.35%である&lt;ref name=&quot;就学率&quot;/&gt;。<br /> <br /> ==== 中華人民共和国 ====<br /> &#039;&#039;&#039;[[中華人民共和国]]&#039;&#039;&#039;では、農村と都市部で[[在学年齢]]が異なる傾向もあり、日本に移住した児童が、日本の学校の学年と合わないまま編入させられる場合が多く、問題になっている。学齢は6歳からとなっているが、2006年には、5歳以下の小学生が50万人おり、中には5歳で小学6年生の例すらあったほど、法と実態が乖離している&lt;ref&gt;[http://www.asahi-net.or.jp/~yf4y-uemr/newpage31.htm 学齢前入学] ゆうみのページへようこそ!(個人サイト) - ほとんどは1年生であるが、2年生は5486人、3年生は72人、4年生は9人、5年生は4人、6年生は1人と、ごくわずかながら高学年の例がある。&lt;/ref&gt;。[[中華人民共和国の教育]]も参照。<br /> <br /> [[初等教育]]の粗[[就学率]]は男性112%、女性111%、純就学率は男女とも100%であり、制度計画上の比定年齢範囲である者は89.68%である。[[中等教育]]の粗就学率は72.53%(2004年)、純就学率は不明である&lt;ref name=&quot;就学率&quot;/&gt;。<br /> <br /> ====世界と地域====<br /> サブサハラ([[ブラックアフリカ]])と[[南アジア]]の[[在学年齢]]は[http://www.create-rpc.org/pdf_documents/Policy_Brief_2.pdf このファイル]の3ページ目のFigure 5(サブサハラ)とFigure 6(南アジア)を参照。どちらも同グレードに数歳幅の在籍者がいることが分かる。特にサブサハラの場合、高いグレードになるにつれて年齢幅は広くなる傾向がある。<br /> <br /> 世界の[[初等教育]]の粗[[就学率]]は男性108%、女性103%、純就学率は男性90%、女性87%であり、制度計画上の比定年齢範囲である者は83.88%である。[[中等教育]]の粗就学率は男性68%、女性64%、純就学率は男性61%、女性60%であり、制度計画上の比定年齢範囲である者は91.66%である。&lt;ref name=&quot;就学率&quot;/&gt;。中等教育の方が比定年齢範囲率が高いのは、以下の理由によるものと考えられる。<br /> *先進国では初等教育の就学率と中等教育の就学率の差が小さな傾向があり、非先進国では初等教育の就学率が高いが中等教育の就学率が低い傾向にある。<br /> *先進国では初等教育と中等教育の比定年齢範囲率が高い傾向があり、非先進国では低い傾向がある。<br /> このため、中等教育の就学者は初等教育の就学者よりも先進国の人の占める割合が大きくなり、先進国の内容が数値に現れやすくなる。つまり、初等教育よりも中等教育の方が比定年齢範囲率が高い国が多いということではなく、実際には、初等教育の方が比定年齢範囲率が高い国が多いと思われる。<br /> <br /> ==== 共通 ====<br /> [[開発途上国]]における[[学校制度]]は、課程主義かつ年数主義である場合が多い。これらの国では、低年齢労働者も多く、また成人非[[識字]]者も多いため、年齢主義での運用を行うとごく一部の人しか教育を受けられなくなってしまう。<br /> <br /> [[シュタイナー教育]]では年齢主義を取っており、各年齢ごとに教育内容が決められている([https://web.archive.org/web/20040928230422/http://torusadamori.hp.infoseek.co.jp/2-4.html 金持ちで健康で「頭のよい」子のためのシュタイナー教育]を参照)。<br /> <br /> [[モンテッソーリ教育]]では、3歳の幅がある異年齢混合のクラスを編成する。<br /> <br /> 日本の1条学校は全日制がほとんどであり、各国の中でも1日の在校時間が長い方である。先進国においても、日本における半日授業並みの授業時間の小学校システムとなっている所も見られる。このため、日本の学校は家庭教育や社会教育が行うべき部分を肩代わりしている傾向が強い。ただし、核家族化・共働き化が進んでいるため、家庭で十分に教育が行えるとは限らず、こうしたシステムは必ずしもマイナス面ばかりではない。<br /> <br /> ===高等教育===<br /> 多くの国の[[大学]]は、修得主義・課程主義を取っており、[[進級]]・[[卒業]]が難しい。また、[[大学受験]]がない国もある。一般的に[[在籍者 (学習者)|学生]]の[[年齢]]層は[[日本]]より高い。<br /> <br /> ただし徴兵制の観点から、男子学生の年齢層が一定の幅に集中している場合もある。<br /> <br /> なお、英語圏では高年齢生徒・学生のことをMature student(マチュア・ステューデント)と呼ぶ([[:en:Mature_student]]を参照)。マチュアを直訳すると成熟・円熟であるが、大学の場合は25歳程度でもこの語が使われる。このように、一定年齢以上の在学者を呼び分ける語がある通り、学生は年少者がなるものという通念はゼロではない。なお、これは年齢のみに着目した単語なので[[社会人学生]]とは意味が異なる。<br /> <br /> == 学校外教育における現状 ==<br /> [[File:SanDiegoCityCollegeLearningResource_-_bookshelf.jpg|thumb|図書館や博物館などの[[社会教育施設]]は学習者の年齢に縛られない]]<br /> [[学習塾]]や[[予備校]]などにおいては、年齢主義を取るか課程主義を取るかはまちまちであるが、一般的には課程主義となじみやすい。なぜならば、学習塾は[[学力]]を身に付けることを目的としたものであるため、年齢主義を取ると学力的にばらつきがある集団を教授せざるを得ず、学力上昇の目的が達成できないからである。例えば[[日本公文教育研究会|公文式]]においては、[[年齢]]が何歳であろうと自分にあった[[カリキュラム]]を受ける。こういった特徴があるため、学習塾での教育は一般的な[[学校教育]]よりも習熟度にあった教育を受けられるとされている。<br /> <br /> しかし、一部の塾においては、「5年生クラス」など学校の学年を基準として学級を編成しており、この方式では例外的に上学年・下学年に所属する場合はあるものの、基本的には学校の学年によって所属する[[教室]]が決まる。例えば中学進学塾の[[日能研]]では、学校の学年に応じたクラス編成となっている。これは、小学6年生の2月ごろに行われる[[中学受験]]に合格するという目的があるからであり、目標到達までの時間が確定しているためであろう。もっとも、単純に学校の学年にあわせただけのクラス編成では塾生間の[[学力格差]]が大きすぎるので、同じ学年内でも学力別のクラス編成となっており、学力の変動によっては頻繁にクラス替えをする。こういった小中学校の学年によってクラスが決まる塾は、一般の小中学校の学年が年齢主義なので塾の学級編成も年齢主義だということもできるが、逆に学校の学年という課程によって編成をしているので課程主義だということもできる。<br /> <br /> 一方、[[通信教育]]や[[書店]]販売の[[学習材|教材]]による独習は、他生徒との触れ合いがないため、「何年生用」などと銘打ってあっても、使用者が自分にあった学年の教材を使用することが容易である。このため、自分の学年や年齢にこだわらない限りは課程主義といえよう。ただし、[[教科書]]準拠の教材の場合は、通学中の学校の学年と合わない場合は問題となってしまう。ただ、やはり高校以下の学校用の補助教材については、上記のように高校以下は年齢主義的な色彩もあるため、一部の[[出版社]]は年齢が高い顧客を想定しておらず、例えば[[インターネット]]上で購入する際に、年齢選択欄に19歳以上がないなどの例も見受けられる(もちろん、この場合も[[電話]]注文は可能であるが)。<br /> <br /> ==学校外社会における現状==<br /> [[File:High school baseball in Yokohama Stadium Japan 2007-9.jpg|thumb|高校野球やその他のスポーツ大会では年齢制限が厳しいうえ、中卒者には同様のイベントに出場する機会が提供されない。]]<br /> [[日本]]では、[[学校教育]]と直接関係ない場面でも、[[学校]]と同様に年齢主義があったり&lt;ref&gt;典型例として、官公庁の職員や民間企業の採用における[[新卒一括採用]]など。求人広告で「学歴不問」と記載されていても、中卒者を採用する企業はほとんど存在しない。&lt;/ref&gt;、「中学校を卒業すれば、全員が高校に進学する」という「誤った前提」に基づき、「高校が義務教育」と誤認する課程主義の考え方があり、中卒者および自主退学者&lt;ref&gt;病気、障害、経済的な理由などで高校への進学が不可能ないし困難な場合や、やむを得ない事情で中退(自主退学)を余儀なくされた場合など、当人の責めに帰さない理由による(犯罪その他の非行で、当人の責めに帰すべき理由は除く)。&lt;/ref&gt;の事情をほとんど考慮していない。<br /> <br /> このため、自分の年齢では少数派の学年に所属している場合、または高校に進学していない(できない)場合、特に「中卒」を理由に予測できない制限や不利益を受ける場合がある(年齢が18歳~20代以上であっても、「中卒」では[[国家資格]]・[[業務独占資格]]がほとんど受験できず、選択できる職種が高卒以上に制限される)。<br /> <br /> たとえば、学校の[[在籍者 (学習者)|在学生]]のみ(15歳~18歳の高校生のみ、など)を対象にした[[イベント]]や[[サービス]]には、学校の年齢主義や課程主義が影響しており、高校の非進学者(高校に進学していない、15歳~18歳の者)には各種イベントへの出場資格や[[学生割引]]などが与えられない。<br /> <br /> 小・中学生の段階から活動を始めた[[芸能人]]([[子役]]、[[アイドル]]など)やスポーツ選手が中学校を卒業した場合、高校に進学し、かつ卒業しなければプロ活動([[プロ野球選手]]など)はほぼ不可能になるため、高校で学業に励みながら兼任することが暗黙の了解となっている。芸能界は学歴より実力が重視されることや、芸能活動を禁止している高校もあるため、あえて進学せず活動している芸能人([[安室奈美恵]]、[[山田孝之]]など)も少数存在するが、やはり進学しないと[[異端]]の目で見られる懸念があるため、学業に励みつつ空き時間に芸能活動(テレビ番組の収録など)も行う芸能人もいる(引退後に高校へ進学することも不可能ではないため、必ずしも終生にわたって中卒のままとも限らない)。<br /> <br /> [[在籍者 (学習者)|高校の在学者]]のみを対象とした、スポーツ大会([[高校野球]]など)や、[[日本数学オリンピック]]、[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]の[[全国高等学校クイズ選手権]]などの[[コンテスト]]も、最低年齢より数歳年齢が高いと出場資格がなくなるし、[[ソフトウェア]]の[[アカデミックパッケージ]]の利用にも、「高校生であること」と「年齢の上限」を課し、「中卒を対象外」としている場合もある。<br /> <br /> このように、学校教育とは直接関係ない場面であっても、「高校以下の学校が年齢主義で運営されている」ことや、「中卒者が全員高校に進学している」ことを「暗黙の前提」としている場合があり、学校外においても年齢主義と課程主義の影響が存在している。これについては[[過年度生#生活上の現役生との相違点|過年度生]]でも詳述している。<br /> <br /> 逆に、学校の在学生であることによって身分制限がある場合もある。例えば[[2005年]]までは[[在籍者 (学習者)|学生]]・生徒は[[競馬]]の[[投票券 (公営競技)|馬券]]を購入をすることを禁止されていた。また、[[映画のレイティングシステム|R15]]指定の映画の観賞は、[[年齢制限]]をクリアしている15歳以上でも、中学生・高校生の場合は入場が禁止される。また、18歳以上から利用できるサービスでも、高校生や大学生であることにより、風紀上の理由で禁止されるサービスなども存在する(例としては原付・自動車の[[運転免許証]]など。ただし、高校の卒業見込と認められれば、3学期の卒業式前に教習を受けられる場合はある)。<br /> <br /> こういった「在学生であること」や「中卒であること」(高校に進学していないこと)による制限は、厳密には教育課程についての考え方ではないため、課程主義と呼ぶことは異論もあろうが、年齢基準より「学校種」や「学歴」(中卒か、高卒以上か)を基準とした制度であるため、学校外社会においても「課程主義」の存在が影響しているともいえる。しかし、こういった考え方に対しては、それらの学生・生徒が[[退学]]したら、その瞬間からそれらのサービスを受けることに対して適性が生まれるのであろうかという疑問も生ずる。実際、2005年の改正[[競馬法]]では学生・生徒の馬券購入・譲受禁止は撤廃され、禁止対象は「20歳未満のみ」に緩和された経緯がある。<br /> <br /> 大学などであっても、高年齢だと[[奨学金]]や留学制度などが使えない場合がある([http://www.nwn.jp/event/kankoubutu/20060603/yonemn.html 50代で東京外国語大学に編入した人の証言])。<br /> <br /> また、一部の企業では入社の時期ではなく、年齢によって給料が決まっている場合もある。また、学校卒業者の新規採用では、浪人経験者など年齢が高い応募者は、受け付けない企業もある。これらは、新卒一括採用制度という日本型採用システムそのものも含めて、企業社会における年齢主義といえる。本来、年功序列制や新卒一括採用制のないアメリカなどでは、(正当な理由がない限り)高年齢を理由に就職を断ることは禁止されているが、日本では[[国家公務員]]試験や[[公立学校]]の[[教員採用試験]]でも年齢の下限・上限が定められている(受験前と受験時の日数差による加齢を防ぐため、生年月日の下限・上限を明確にすることで年齢を制限している)。<br /> <br /> === 一般社会における認識 ===<br /> 学校制度と本来的に無関係な場面においてすら、年齢主義と「15歳~18歳の中卒者=高校に進学している」という「誤った前提」に基づき、課程主義の思想に裏打ちされた表現が随所に見られる。<br /> * 例えば公的機関の説明文書でも、小中学校や、場合によっては高校も年齢主義によって運用されていることを前提としているものがある。例えば[[児童手当]]の説明文では、[http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/06/tp0622-1.html このように]「小学校3年生まで」と学年基準で書かれているが、実際には小学校の学年が何年であっても、年齢によって受給資格が決まる。また、2010年から始まる[[子ども手当]]に関するリーフレットでは、支給できる年齢の上限を明記せず「中学卒業まで」と表記しているが、実際には学歴は関係なく15歳の4月1日の前日で打ち切られる。<br /> * また、[http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/mashin-yobou/index.html 厚生労働省と文部科学省の共同作成した予防接種のパンフレット]においても、「中1、高3の年齢の皆さんも」や「中学1年生と高校3年生に相当する年齢の者」と表記しており、中学のみならず高校までも同学年同年齢であるかのような表現がなされている。実際には、予防接種は学年ごとではなく、特定年齢を対象にしたものであるが、このパンフレットにはその説明がない。また、ここでいう「高3の年齢」とは17~18歳頃のことだが、「この年齢であれば、全員が高校に通っている」と決めつける、誤った前提に基づく表現であり、高校の非進学者の事情を考慮していない。<br /> [[File:CFL-home.jpg|thumb|人間の進級時期は、機械寿命のように一定なのか?&lt;br&gt;(写真は外国製品)]]<br /> * 学校制度と無関係な[[薬学]]部門でも、学校の年齢主義に影響された表現が存在し、たとえばライオンの市販薬[http://stoppa.lion.co.jp/stoppa/product/product03.htm 小中学生用ストッパ]のように、5歳~14歳を対象としている物に対し小中学生用という表現を用いる例がある。<br /> * また、[[学資保険]]も満期年齢を最低[[在学年齢]]に固定する場合が多く見られ、顧客全員が同一年齢で学校を卒業することを前提とした商品作りとなっている。<br /> * [http://www.tokyodisneyresort.co.jp/tdr/japanese/plan/ticket/index.html ディズニーランドのチケット料金]においても、「中人(中学・高校生)12~17歳」という、年齢と学校段階が同一視された表現があり、19歳以上の中高生や、高校の非進学者はいくらになるのか、問い合わせなければ分からない形となっている。<br /> * [[パナソニック]]製のある[[電球型蛍光灯]]の[http://panasonic.jp/lamp/pb/pb_mdk/recommend/p01.html 広告]では、3万時間の寿命があることについて、「毎日10時間点灯しても8年2ヶ月と20日間。誕生した子供が小学3年生になるまでの実に長い寿命である」と謳い、生まれてから小学3年生になるまでの期間が全員同じであるかのような印象を抱かせるものとなっている。<br /> * 2010年に検討された[[東京都青少年の健全な育成に関する条例]]の改正案では、漫画などの創作作品に登場する[[非実在青少年]]が18歳未満であるかどうかの判断基準として、「[[年齢]]又は服装、所持品、[[学年]]、背景その他の人の年齢を想起させる事項の表示又は音声による描写から十八歳未満として表現されていると認識されるもの」との条文を設け、この部分に関する質疑に対し「[[ランドセル]]や[[制服]]、[[教室]]などが明らかに描写されている場合は、18歳未満と判断される。少女のように見えても、そうした点が表現されていなければ、18歳未満とはされない」と回答している。このように、「小・中高生=18歳未満」との見方を推進している。<br /> <br /> == 有識者の意見 ==<br /> * [[上田早苗]]<br /> : 私立学校では出席日数不足はもちろん、成績によっても落第や留年をさせるが、それも高校生くらいからだと思う。本当に必要なのは義務教育のときの落第や留年ではないかと思う。基礎基本さえも身についていない子供に勉強の有用性を説いても机上の空論でしかない。親も先生も社会も「落第バンザイ!」というくらいの気持ちを持つことだ。(落第と留年の使い分けの説明はなし)(実務教育出版『子供を自立させる親、させられない親』)<br /> * [[苅谷剛彦]]<br /> : フランスなどでは義務教育段階での原級留置が一般的に行われているが、日本の国民性や教育制度のもとでは有効性は疑問。原級留置の対象者拡大は急に行わず、現行制度を徐々に改善していくべきである。([http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/010715520021128001.htm 典拠])<br /> * [[河村建夫]]<br /> : 義務教育段階での原級留置など、習得主義を研究すべきである。学年と年齢が固定されているのは疑問。保護者の理解が必要であり、幅広い議論を呼びかけたい。([https://web.archive.org/web/20041009172911/http://www.asahi.com/edu/news/TKY200409110320.html 典拠])<br /> &lt;!-- とりあえず書かれるまで<br /> * [[グレゴリー・クラーク]]<br /> : <br /> * [[小浜逸郎]]<br /> : <br /> * [[四方田犬彦]]<br /> : <br /> * [[藤田英典]]<br /> : <br /> --&gt;<br /> * [[前川喜平]]<br /> : [[#日本における展望]]で説明している。<br /> <br /> * [[町村信孝]]<br /> : 年齢にともなう進級は悪平等。二十歳の中学生や十歳の大学生がいてもよい。([http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/gijiroku/001/010201.htm 原文]・[http://www.zenshigaku-np.co.jp/news/2001/news2001021300000101.html 報道])<br /> * [[山崎元]]<br /> {{see also|泉南郡熊取町小4女児誘拐事件}}<br /> : ブログの[http://blog.goo.ne.jp/yamazaki_hajime/e/9640e116941016ec1655d948655e2843 「行方不明3年の小学生に卒業証書」は美談なのか?]において、[[2003年]][[5月20日]]に発生した[[泉南郡熊取町小4女児誘拐事件|誘拐事件]]で行方不明になった小学4年生の女児(事件当時9歳)に卒業証書を授与しようとしていることに対し、本人の意向にかかわらず強制的に進級させることに疑問を呈している。<br /> : なお、行方不明の女児は[[2006年]]3月に小学校を卒業したことになり、その後[[熊取町]]内の中学校に在籍することになったが、在籍中の3年間(2006年4月~2009年3月)も行方不明のままで卒業が認められなかったため、両親の意向で[[除籍 (学籍)|除籍]]された。<br /> <br /> * [[日本弁護士連合会]]<br /> : [[#日本における展望]]で説明している。<br /> <br /> == 脚注 ==<br /> {{Reflist}}<br /> <br /> == 参考文献 ==<br /> *奥田真丈、河野重男、安彦忠彦『現代学校教育大事典』(全7巻)1993年、[[ぎょうせい]] ISBN 4324037191 (絶版、新版(ISBN 4324064156)あり)<br /> *:「課程主義、年齢主義」<br /> *細谷俊夫、奥田真丈、河野重男、今野善清『新教育学大事典』(全8巻)1990年、[[第一法規]] ISBN 4474147405 (絶版)<br /> *:「原級留置」「留年」「学年制」<br /> *[[菱村幸彦]]『教育法規からみた校長・教頭の職務百科』2004年、[[教育開発研究所]] ISBN 4873808863 (流通中)<br /> *:162~163ページ「課程の修了・卒業の認定」堀井啓幸<br /> * 糟谷正彦『校長・教頭のための学校施設・事務管理百科』2005年、教育開発研究所 ISBN 487380891X (流通中)<br /> *:58~59ページ「原級留置」堀和郎<br /> *菱村幸彦『教育の眼・法律の眼』1992年、教育開発研究所 ISBN 4873802237 (流通中)<br /> *:16~19ページ「落第を避ける教育風土」「登校拒否児の卒業・進級の認定」菱村<br /> *菱村幸彦・[[下村哲夫]]『教育の眼・法律の眼II』1994年、教育開発研究所 ISBN 4873802458 (流通中)<br /> *:34~35ページ「不登校児童・生徒の進級」下村<br /> *『教育法規の論争点』1994年、教育開発研究所 (絶版)<br /> *:142~143ページ「進級・卒業の認定の基準をどう考えるか」高見茂<br /> *『学習指導・評価の論争点』1994年、教育開発研究所 (絶版)<br /> *:96~97ページ「進級制度をめぐってはどのような論争があるか」林勲<br /> *『別冊教職研修No.8 2005年8月号 2006年校長・教頭・指導主事選考への基礎対策講座』2005年、教育開発研究所<br /> *:28~29ページ「義務教育への課程主義・修得主義の導入」葉養正明<br /> *『新教育法規読本』1992年、教育開発研究所 (絶版)<br /> *:150~153ページ「卒業認定と原級留置」中谷彪<br /> *[[佐藤秀夫]]『学校の文化史2』2005年、阿吽社 ISBN 4900590819 (流通中)<br /> *:戦前の学校の在学年齢についての詳しい考察がある。<br /> *小林哲夫『飛び入学 日本の教育は変われるか』1999年、[[日本経済新聞社]] ISBN 4532162998 (絶版)<br /> *:戦前の飛び級制度などについて詳しい。<br /> *『日本近代教育史事典』1971年、[[平凡社]] ISBN 9784582117011 (絶版)<br /> *:「学校体系」、「初等教育」、「中等教育」、「義務教育」の章などに旧制学校に関する解説がある。執筆担当者は佐藤秀夫ら。<br /> &lt;!--特に==諸外国における現状==の部分がスタブです。外国の教育制度はあまり詳しくないので、かなり断片的な情報の寄せ集めになってしまっている感じがします。==日本における歴史==も物足りないので、充実化をお願いします。<br /> <br /> また複式学級、単位制高校、大学院についてはあまり知識がないので、それらについてあまり考慮した解説になってないので、詳しい方は加筆をお願いします。年齢主義制度における学力問題を解決する方策としての習熟度別学級編成と補習についても、まだ詳しい知識がないので簡単な記述しかできませんでした。佐藤学氏のように習熟度別学級反対、個別補習賛成という立場の人もいますし、色々な説がありますが、あまり多くの観点は盛り込めていません。<br /> <br /> あと「所属」と「在学」と「在籍」が混在していますが、全く使い分けを意識していません。これらの用語の正確な定義はよく分からなかったため、下手に統一しないでそのままにしていますので、変であれば直してください。<br /> <br /> また、浮きこぼれに対する対策としての飛び級についてはあまり触れられませんでした。原級留置は現行法で適用拡大が可能なこともあり、原級留置方面を中心とした解説となっています。<br /> <br /> また、概要の節を設けていませんので、全部を一通り読まないと全貌がつかめませんが、どのことも大事なことですので取捨選択は不可能でした。<br /> <br /> あと、広辞苑によれば年齢主義は選挙制度の意味でも使われていますが、グーグルで検索してもこの意味で使われている文は見当たらなかったので、ほぼ死語と判断して、曖昧さ回避もしませんでした。--&gt;<br /> <br /> == 関連項目 ==<br /> * [[学歴]]<br /> * [[学歴詐称]]<br /> * [[学歴差別]]<br /> * [[比較教育学]]<br /> * [[年齢制限]]<br /> * [[年齢階梯制]]<br /> * [[履修主義と修得主義]] - [[定期考査]]<br /> * [[在学年齢]] - [[学齢]] - [[学年]] - [[飛び級]] - [[進級]] - [[卒業]] - [[学年制と単位制]] - [[学年制と無学年制]] - [[学年制と等級制]]<br /> * [[特別支援教育]] - [[早期教育]] <br /> * [[学力]] - [[学力低下]] - [[学業不振]] - [[落ちこぼれ]] - [[浮きこぼれ]]<br /> * [[年功序列]] - [[新卒一括採用]]<br /> <br /> == 外部リンク ==<br /> *[http://wwwwp.mext.go.jp/wp/jsp/search/IndexBodyFrame.jsp?sd=hpbz198101&amp;id=null&amp;no= 学制百年史]<br /> *[http://wwwwp.mext.go.jp/wp/jsp/search/IndexBodyFrame.jsp?sd=hpbz198102&amp;id=null&amp;no= 学制百年史 資料編]<br /> *[http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/siryo/001/05021801/002/013.htm 各国の義務教育制度の概要]<br /> *[http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo6/gijiroku/001/05030101/007.htm 我が国の義務教育制度について(下部に資料あり)]<br /> *[http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/siryo/004/04120701/002.htm 初等中等教育分科会における主な意見について] - ただし進級基準と義務教育終了(修了)基準が明確に区別されていないので注意が必要。<br /> *[http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=kyouikutetsugaku1959&amp;cdvol=1980&amp;noissue=41&amp;startpage=71&amp;chr=ja 現代学校への原理的提議] [[松野憲二]] [[教育哲学研究]]掲載論文 [[1980年]] 2010年7月25日閲覧。 - 年齢主義に対する批判。この時期にすでに出されていたことは特筆に値する。なお、法規上在学年齢や在学年限に上限があるかのような書き方が本文中にあるが、法規上は上限はない。<br /> <br /> {{DEFAULTSORT:ねんれいしゆきとかていしゆき}}<br /> [[Category:教育学]]<br /> [[Category:学校教育]]<br /> [[Category:年齢]]</div> 202.70.187.182 課程 2018-03-13T08:27:37Z <p>202.70.187.182: /* 教育の実施形態に応じた課程 */</p> <hr /> <div>&#039;&#039;&#039;課程&#039;&#039;&#039;(かてい)とは、一般的に[[教育]]や[[訓練]]で秩序立って学ぶ一連の流れのことを指し、さまざまな意味がある。<br /> # [[教育課程]]のこと。<br /> # [[学校]]に設けられる教育課程を有する[[組織 (社会科学)|組織]]や体系のこと。<br /> # 学校内で組織される教育の段階に応じた組織のこと(後述)。<br /> # 学校内で組織される教育の実施形態に応じた組織のこと(後述)。<br /> # [[大学]]の[[学部]]に設置される[[学科 (学校)|学科]]に相当する組織のこと。⇒[[課程制]]、[[学科 (学校)]]<br /> <br /> == 教育段階に応じた課程 ==<br /> 学校内で組織される教育の段階に応じた組織としての課程は、次のようなものがある。<br /> === 義務教育学校 ===<br /> * 前期課程 - [[修業年限]]6年。[[小学校]][[小学校#日本の小学校|とほぼ同一]]。<br /> * 後期課程 - 修業年限3年。[[中学校]]とほぼ同一。<br /> === 中等教育学校 ===<br /> * 前期課程 - 修業年限3年。[[中学校]]とほぼ同一。<br /> * 後期課程 - 修業年限3年または3年以上。[[高等学校]][[高等学校#日本の高等学校|とほぼ同一]]。<br /> === 専修学校 ===<br /> * [[高等課程]] - 修業年限1年以上。中学校卒業者等を対象とする。高等学校相当。<br /> * [[専門課程]] - 修業年限1年以上。高等学校卒業者及び専修学校高等課程修了者などを対象とする。[[短期大学]]相当。<br /> === 大学院 ===<br /> * [[大学院#修士課程・博士前期課程|修士課程]] - 標準修業年限2年。[[修了]]者には[[修士]]の[[学位]]を授与。<br /> * [[博士課程]] - 原則として標準修業年限5年。(博士前期課程を除いて)修了者には[[博士]]の学位を授与。<br /> ** [[大学院#修士課程・博士前期課程|博士前期課程]] - 区分されたうち、前期2年の博士課程。修士課程として取り扱うものとされている。<br /> ** [[大学院#博士後期課程・後期3年博士課程|博士後期課程]] - 区分されたうち、後期3年の博士課程。<br /> ** [[大学院#博士後期課程・後期3年博士課程|後期3年博士課程]] - 後期3年のみの博士課程。<br /> ** [[大学院#一貫制博士課程|一貫制博士課程]] - 標準修業年限5年。<br /> ** [[大学院#4年制博士課程|4年制博士課程]] - [[医学]]・[[歯学]]・[[臨床薬学]]・[[獣医学]]の博士課程。標準修業年限4年。<br /> * [[大学院#専門職学位課程(専門職大学院の課程)|専門職学位課程]] - [[専門職大学院]]の課程。標準修業年限2年([[法科大学院]]は3年)。修了者には[[専門職学位]]を授与。<br /> <br /> == 教育の実施形態に応じた課程 ==<br /> 学校内で組織される教育の実施形態に応じた組織としては、[[中等教育#後期中等教育を行う学校・教育施設|高等学校や中等教育学校の後期課程]]に設けられるものが代表的であり、次の課程がある。<br /> * [[全日制]][[高等学校#全日制の課程|の課程]](全日制課程) - 「通常の課程」<br /> * [[定時制]][[高等学校#定時制の課程|の課程]](定時制課程) - 「夜間その他特別の時間または時期において授業を行う課程」<br /> * [[高等学校通信教育|通信制]][[高等学校#通信制の課程|の課程]]([[通信制|通信制課程]]) - 「通信による教育を行う課程」<br /> <br /> &lt;!-- == 脚注 ==<br /> {{脚注ヘルプ}}<br /> {{Reflist}} --&gt;<br /> &lt;!-- == 参考文献 == {{Cite book}}、{{Cite journal}} --&gt;<br /> <br /> == 関連項目 ==<br /> &lt;!-- {{Commonscat|}} --&gt;<br /> * [[教養課程と専門課程]]<br /> <br /> &lt;!-- == 外部リンク == {{Cite web}} --&gt;<br /> <br /> {{Education-stub}}<br /> <br /> {{デフォルトソート:かてい}}<br /> [[Category:日本の教育]]<br /> <br /> &lt;!-- [[en:]] --&gt;</div> 202.70.187.182 高等学校教員 2018-03-12T07:23:43Z <p>202.70.187.182: /* 高等学校教員の免許状 */</p> <hr /> <div>{{混同|高等専門学校#教員{{!}}高等専門学校教員}}<br /> &#039;&#039;&#039;高等学校教員&#039;&#039;&#039;(こうとうがっこうきょういん)は、[[高等学校]]における[[教員]]である。[[高等学校#日本の高等学校|高等学校]]に置かれる[[職員]]のうち、おおむね、[[副校長]]、[[教頭]]、[[主幹教諭]]、[[指導教諭]]、[[教諭]]、[[助教諭]]、[[講師 (教育)|講師]]、[[養護教諭]]、[[養護助教諭]]、[[栄養教諭]]などの職員が該当する([[教員の職階]]なども参照)。<br /> <br /> このうち、「副校長」「教頭」「養護をつかさどる主幹教諭」「栄養の指導及び管理をつかさどる主幹教諭」「養護教諭」「養護助教諭」「栄養教諭」でない者は、原則として「[[教育職員免許状|高等学校の教員の免許状]]」を有していなければならない。<br /> <br /> == 概要 ==<br /> [[中等教育#後期中等教育を行う学校・教育施設|高等学校]]において生徒の教育をつかさどる(学校教育法)。[[中等教育学校]]において[[中等教育#後期中等教育を行う学校・教育施設|後期課程]]を担任する教諭の仕事には、[[高等学校#日本の高等学校|高等学校]]教諭の仕事とほとんど同じものも多い。<br /> <br /> 生徒の発達において、生徒の教育のほか、安全管理、生徒の健康面での管理、生徒保護のための不審者対策の業務等も行う。それぞれの[[教科]]等に応じた高等学校教諭普通免許状(専修・一種、いずれも新免許状は有効期間10年)を有していなければならない。なお、[[中等教育#後期中等教育を行う学校・教育施設|高等学校]]教諭の普通免許状に二種免許状はない。<br /> <br /> === 全国の高等学校教員の数 ===<br /> {| class=&quot;wikitable&quot; style=&quot;text-align:center&quot;<br /> |+ &#039;&#039;&#039;高等学校教員の数(本務教員数)&lt;ref&gt;[http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/main_b8.htm 学校基本調査](文部科学省)&lt;/ref&gt;&#039;&#039;&#039;<br /> |-<br /> ! 年度<br /> ! 男<br /> ! 女<br /> ! 計<br /> |- <br /> | &#039;&#039;&#039;2001年度(平成13年度)&#039;&#039;&#039; || 196,945人 || 69,603人 || 266,548人<br /> |- <br /> | &#039;&#039;&#039;2008年度(平成20年度)&#039;&#039;&#039; || 172,431人 || 68,795人 || 241,226人<br /> |- <br /> | &#039;&#039;&#039;2009年度(平成21年度)&#039;&#039;&#039; || 170,144人 || 69,198人 || 239,342人<br /> |- <br /> | &#039;&#039;&#039;2010年度(平成22年度)&#039;&#039;&#039; || 168,652人 || 70,277人 || 238,929人<br /> |- <br /> | &#039;&#039;&#039;2011年度(平成23年度)&#039;&#039;&#039; || 166,767人 || 70,759人 || 237,526人<br /> |}<br /> <br /> == 高等学校教員の免許状 ==<br /> * 普通免許状の基礎資格<br /> ** 専修免許状=&#039;&#039;&#039;[[修士]]&#039;&#039;&#039;の[[学位]]を有する者<br /> ** 一種免許状=&#039;&#039;&#039;[[学士]]&#039;&#039;&#039;の学位を有する者<br /> *: ただし、学位は教育職員免許法第5条第1項「別表第1」適用時。なお、[[教育職員検定]]ないしは[[教員資格認定試験]]([[教員資格認定試験#高等学校教員資格認定試験|現在は休止中]])の場合は、学位がなくとも一種の普通免許状が取得できるので、[[陸上無線技術士]]、[[海技士]]などの[[教育職員検定#教育職員免許状以外の資格で取得する1(施行法「第2条」)|資格がある場合に限り]]、[[高等学校#日本の高等学校|高等学校]]([[中等教育学校]]を含む)以上の学校を[[高卒|卒業]]していること([[専修学校|専門学校]][[専門士|卒業者]]または[[高等専門学校]][[準学士|卒業者]]を含む)。<br /> * 二種に匹敵する免許状は、現在、存在しない(養護教諭、栄養教諭を除く)&lt;ref&gt;1950年代あたりまでは、高等学校助教諭臨時免許を設けていた[[短期大学]]が少なからずあった。『[[教員養成課程認定大学短期大学一覧]]』([[1955年]])より参照。ちなみに、『九州工業大学 九州工業大学短期大学部要覧 [[1958年|昭和33年]]度』によると、[[九州工業大学短期大学部]]の機械科・電気科において高等学校助教諭臨時免許課程が設置されていたことが確認できる。&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> {| class=&quot;wikitable&quot;<br /> |+ &#039;&#039;&#039; 高等学校教員の普通免許状の種類(新免許法) &#039;&#039;&#039;<br /> |-<br /> ! 免許状の種類 <br /> ! 区分<br /> ! 教科・領域<br /> ! 内容<br /> ! 有効期間<br /> |-<br /> | rowspan=&quot;2&quot; | 高等学校教諭<br /> | 専修 <br /> | rowspan=&quot;2&quot; | 32教科、8科目・領域 &lt;br /&gt;(別記参照)<br /> | rowspan=&quot;2&quot; |<br /> * 教科等を担任する<br /> | rowspan=&quot;2&quot; | 10年<br /> |-<br /> | 一種 <br /> |- <br /> | rowspan=&quot;3&quot; | 養護教諭 <br /> | 専修 <br /> | rowspan=&quot;3&quot; style=&quot;text-align:center&quot; | -<br /> | rowspan=&quot;3&quot; |<br /> * 学校内の養護をつかさどる<br /> | rowspan=&quot;3&quot; | 10年<br /> |-<br /> | 一種<br /> |-<br /> | 二種<br /> |-<br /> | rowspan=&quot;3&quot; | 栄養教諭<br /> | 専修<br /> | rowspan=&quot;3&quot; style=&quot;text-align:center&quot; | -<br /> | rowspan=&quot;3&quot; |<br /> * 栄養の指導・管理をつかさどる<br /> | rowspan=&quot;3&quot; | 10年<br /> |-<br /> | 一種<br /> |-<br /> | 二種<br /> |}<br /> <br /> === 教科・科目(領域) ===<br /> * 教科(教育職員免許法に基づく)。<br /> ** [[国語 (教科)|国語]]、[[地理歴史]]、[[公民 (教科)|公民]]、[[数学 (教科)|数学]]、[[理科]]、[[音楽 (教科)|音楽]]、[[美術 (教科)|美術]]、[[工芸]]、[[書道]]、[[体育|保健体育]]、保健、[[看護 (教科)|看護]]、看護実習、[[家庭 (教科)|家庭]]、家庭実習、[[情報 (教科)|情報]]、情報実習、[[農業 (教科)|農業]]、農業実習、[[工業 (教科)|工業]]、工業実習、[[商業 (教科)|商業]]、商業実習、[[水産 (教科)|水産]]、水産実習、[[福祉 (教科)|福祉]]、福祉実習、[[商船 (教科)|商船]]、商船実習、[[職業指導]]、[[外国語]]([[英語 (教科)|英語]]、[[ドイツ語]]、[[フランス語]]、その他の外国語に分ける。)及び[[宗教教育|宗教]]<br /> * 科目(法に掲げる教科の領域の一部、文部科学省令に基づく)<br /> ** [[柔道]]、[[剣道]]、[[情報技術]]、[[建築]]、[[インテリア]]、[[デザイン]]、[[情報処理]]、計算実務<br /> <br /> === 免許状を取得する方法 ===<br /> * 基本的には、[[教職課程]]がある[[大学]]などで必要な単位を修得して卒業する。<br /> ** 高等学校教員の教職課程が設置されている大学では、教育学部以外の一般の学部([[文学部]]、[[法学部]]、[[経済学部]]、[[工学部]]など)であっても、4年間の在学期間中に必要単位が履修できるようになっている場合が多い。各学部の卒業に必要な単位がそのまま課程認定単位(「教科に関する科目」)となっている場合が多く、それに追加して[[教育実習]]等の「教職に関する科目」を履修するのが一般的である。<br /> ** 工業の教科の免許状については、特例により、[[工業 (教科)#備考|教育実習等の一部「教職に関する科目」を修得しなくても免許状の取得が可能]]となっている([[教育職員免許法]]・附則11。教科科目により代替可能)。ただし、大学や地域によっては、特例を利用する場合であっても、教職科目の修得の努力が推奨されている場合もある。<br /> * [[陸上無線技術士]]、[[海技士]]などの資格(学位不要)、または、実業学科(農業、工業、商業、水産、看護等)を専攻した学士を有する者などで、その分野における実務経験のある者については、[[教育職員検定]]を経て取得することが出来る。<br /> * 隣接校種([[中学校教員|中学校]])の普通免許状(ただし、二級免許状または二種免許状を除く)を授与されている教員の経験者は、教育職員検定により取得することもできる(別表8)。<br /> * 同校種(高等学校教員)の普通免許状を授与されている者が他教科の免許状を取得する場合には、実務経験不要で教育職員検定を受けて免許状を取得することができる(ただし、取得する教科に応じた指導法や教科に関する単位を修得する必要がある。別表4)。<br /> ** あるいは、単位を修得する大学等にて、教科教育以外の「教職に関する科目」の単位認定を受け、教科教育相当の科目と「教科に関する科目」、「教科又は教職に関する科目」の履修により、別表1での申請も可能(ただし、[[1999年]]以前入学者に適用される旧法にて授与申請した免許状を保有している場合、旧法では規定されていなかった「施行規則に定める科目」が[[2000年]]度以降あるいは[[2010年]]度以降入学者に適用されるものがあるため(教職論・教育課程論・総合演習 / 教職実践演習などに相当する科目)、読替不可能な科目が発生することから、新たに受ける免許状の修得すべき単位が一部増加する場合がある。また、単位数が[[2000年]]以降入学者から増加した科目群もある)。<br /> ==== 備考 ====<br /> * [[高等学校]][[教育職員免許状#普通免許状|教員の普通免許状]]は、2003年までは一部の教科に限り教員資格認定試験([[教員資格認定試験|教員認定試験]])に合格することでも取得することができていたが、[[教育職員検定]]によって[[高等学校]][[教育職員免許状#普通免許状|教員の普通免許状]]を取得することができることのかねあいなどから、2004年以降は[[教員資格認定試験#高等学校教員資格認定試験|高等学校教員資格認定試験]]は基本的に行われていない。{{also|教員資格認定試験#高等学校教員資格認定試験|教員資格認定試験#受験者の傾向|教員資格認定試験#(参考)高等学校の場合}}<br /> <br /> == 脚注 ==<br /> &lt;references /&gt;<br /> <br /> == 関連項目 ==<br /> * [[教員]] - [[教員の職階]]<br /> * [[幼稚園教員]] - [[小学校教員]] - [[中学校教員]] - [[特別支援学校教員]] - [[大学教員]]<br /> * [[養護教諭]] <br /> * [[栄養教諭]]<br /> * [[司書教諭]]<br /> * [[高等専門学校#教員|高等専門学校教員]]<br /> * [[特別非常勤講師]] - [[実習助手]]<br /> * [[教育職員免許法]] - [[教育職員免許状]]<br /> * [[教職課程]]<br /> * [[中等教育]]<br /> * [[高等学校]]<br /> * [[中等教育学校]]<br /> * [[特別支援学校]]<br /> * [[高等部]]<br /> * [[教員資格認定試験]]<br /> <br /> == 外部リンク ==<br /> * [http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/main13_a2.htm 教員免許制度の概要](文部科学省)<br /> <br /> {{DEFAULTSORT:こうとうかつこうきようゆ}}<br /> [[Category:日本の中等教育]]<br /> [[Category:日本の国家資格]]<br /> [[Category:日本の教員]]<br /> [[Category:教育関連の職業]]<br /> <br /> {{Education-stub}}</div> 202.70.187.182 学年制と単位制 2017-11-20T08:24:25Z <p>202.70.187.182: /* 1単位に必要な学習時間 */</p> <hr /> <div>{{出典の明記|date=2015年4月19日 (日) 00:23 (UTC)}}<br /> &#039;&#039;&#039;学年制&#039;&#039;&#039;(がくねんせい)とは、各[[学年]]での[[教育課程]]の[[修了]]を繰り返すことによって学習していく方式のことであり、&#039;&#039;&#039;単位制&#039;&#039;&#039;(たんいせい)とは、[[授業]][[科目]]を単位と呼ばれる学習時間数に区分して修得していく方式のことである。<br /> <br /> == 概要 ==<br /> 一般的に、単位制は、授業科目ごとに取得できる単位数が決まっており、[[卒業]]時に必要単位数がそろっているかどうかで卒業を判定することが多い。授業科目の学習成果を単位として修得していく方式は、後期[[中等教育]]([[高等学校]]の課程など)以降で行われている。<br /> <br /> 多くの高等学校では、単位制と学年制を併用しており、一方、多くの[[大学]]では、単位制のみを用いていることが多い。学年制の高等学校では単位を落とすと原級留置となる。原級留置になると、落とした単位以外の修得した単位も無効になる。近年、高等学校や[[中等教育学校]]の後期課程でも学年制を用いず単位制のみを用いる[[教育]]が増加しており、このような教育は、特に「単位制による教育」と呼ばれる。なお、すべての高等学校と中等教育学校の後期課程は、単位制を用いており、「単位制高等学校」の呼称は、学年制を用いず単位制のみを用いているという意味である。また、単位制高等学校による教育は、学年ごとの教育課程の区分を設けずに行われる。学年制と違って原級留置はないが、必要な単位数が修得できるまで卒業が延びる。大学では、2年次修了時点で、大学が定めた一定の単位数以上を修得していない場合は、原級留とされ、翌年度も2年次に留められることがある([[大学通信教育]]では、この限りではなく、4年次で卒業要件がそろわなかった場合などは、5年次、6年次のように、便宜上呼称する場合がある。10年次まで在籍可能な大学の場合は、10年次の時点で卒業要件を満たせなかった場合は、「[[除籍 (学籍)|除籍]]」となるが、その場合でも、理由を申告の上で、3年次編入の要件を満たせる場合は、再入学が可能である)。<br /> <br /> さらに、単位制は通年単位制と[[セメスター]]単位制に分かれる。通年単位制は1年間の授業科目の学習成果によって単位を認定する制度であり、セメスター単位制は半年間の期ごとの授業科目の学習成果によって単位を認定する制度である。通年単位制は、高等学校や[[中等教育学校]]の後期課程で主に採用し、セメスター単位制は主に大学で採用している。<br /> <br /> == 1単位に必要な学習時間 ==<br /> {{未検証|date=2017年10月|section=1}}<br /> ; 大学、短期大学、大学院<br /> : 1単位あたり45時間の学習を必要とする内容とするのが標準である。これには予習・復習・課題などの時間を含み、授業時間については講義及び演習については15時間から30時間までの間({{要出典範囲|通常、予習・復習が各4分の1という仮定の下、実際の授業時間は22.5時間&lt;ref&gt;大学・短期大学・大学院で一般的な授業時間である90分(1.5時間)を基準とした場合、1単位の取得に15回の授業回数が必要。&lt;/ref&gt;とすることがほとんどである|date=2017年10月}})、実験・実習及び実技については、30時間から45時間までの間とされている。<br /> : なお、芸術等の分野における個人指導による実技の授業については、大学などが定める時間の授業をもって1単位とすることができ、卒業論文、卒業研究、卒業制作等の授業科目については、必要な学修を考慮して単位を定めることができる。<br /> : [[高等教育]]の1単位は、高等学校の単位に換算すると、約1.54単位である。<br /> :; その根拠<br /> :: {{要出典範囲|1単位の時間数は、1週間分の労働時間に由来するとされる。すなわち、月曜日 - 金曜日は8時間×5日間=40時間、土曜日は[[半ドン]]で5時間、合わせて45時間となる。|date=2017年10月}}<br /> :: {{要出典範囲|大学では一般的に、講義及び演習においては、90分 / コマ(1.5時間)×15週=22.5時間の授業を学修した者に対して2単位を与える。1単位の実授業時間は11.25時間となる。前述のとおり「授業時間については、講義及び演習については、15時間から30時間までの間」とされているにもかかわらず11.25実時間でも問題とならない理由は、15[[単位時間]]という解釈が許されているためだと推測される。|date=2017年10月}}<br /> :: 高度に専門的な[[教育研究]]を目的とする大学の講義を学修するには、15実時間(もしくは11.25実時間)の講義に対して30実時間(もしくは33.75実時間)の予習・復習・課題などの自主学習が必要である。<br /> :: 実験・実習及び実技については、学内の実習設備を用いない自主学習は困難であるため、授業時間が「30時間から45時間までの間」と規定されている。<br /> :; [[大学通信教育]]<br /> :: 卒業にあたっては、面接授業([[スクーリング]])で、30単位以上の修得が必要。ただし、後述の事例のように、科目の単位数と面接授業扱いとなる単位数が別となるケースもある(このケースでは、[[スクーリング]]を受けたにもかかわらず、[[レポート]]([[通信指導]]による課題)の提出を別途必要とする)。<br /> :: 大学によっても異なるが、[[講義]]科目での[[スクーリング]]受講の場合、1コマ80分として、講義5コマと60分の試験を以って、スクーリング単位1単位を修得する(単位そのものの修得&lt;ref&gt;このケースでは2単位科目相当。&lt;/ref&gt;は、単位数分に相当する、別途のレポート提出の合格が要件となる)。このケースでは、科目の単位自体は2単位となるため、別途レポートの提出をしないと、単位そのものの認定はなされない(講義のコマ数だけでは、2単位を充足しているとはみなされないため)。あるいは、講義11コマと60分の試験を以って、スクーリング単位2単位を修得する(単位そのものの修得&lt;ref&gt;このケースでは4単位科目相当。&lt;/ref&gt;は、単位数分に相当する、別途のレポート提出の合格が要件となる)。<br /> :: ただし、レポートの提出がない講義科目の場合は、1コマ80分として、講義7コマと60分の試験のみを以って、単位そのものを認定したうえで、スクーリング単位も1単位修得となる。<br /> :: [[実技]]・[[語学]]科目であれば、1コマ80分として、実技・語学11コマと試験(場合によっては、実技12コマとなるケースもある)により、スクーリング単位が1単位修得となる。こちらも、スクーリングコマ数だけでは、単位修得に必要なコマ数を満たしていないため、補うためのレポート学習が必要となる。<br /> :: なお、大学通信教育での卒業要件として、面接授業での単位修得が30単位以上必要であるため、相当分のスクーリング単位を要する。ただし、科目の単位数とスクーリング単位が同一とは限らないので注意が必要。<br /> ; 高等学校、中等教育学校の後期課程<br /> : &#039;&#039;&#039;1[[単位時間]]&#039;&#039;&#039;を基本的に50分とし、標準で35単位時間の授業をもって1[[単位 (高等学校)|単位]]とされている。学習時間に換算すると、29時間10分である。<br /> ; 専修学校<br /> : 高等課程では高等学校に準じ、専門課程では大学に準じている。<br /> ; 高等専門学校<br /> : 高等学校の単位計算に準じた授業科目と、大学の単位計算に準じた授業科目が混在していて煩雑である。大学の単位計算に準じた授業科目は5年間で60単位まで取得することができる。2年制の専攻科(学士課程)については大学の単位計算に準じている。<br /> <br /> == 卒業・修了に必要な単位数 ==<br /> * 大学 - 最低124単位以上で各大学が定める単位数<br /> * 短期大学 - 2年制は最低62単位・3年制は93単位以上で各短期大学が定める単位数<br /> * 大学院 - 最低30単位以上で各大学院が定める単位数<br /> * 高等学校 - 最低74単位以上で各高等学校が定める単位数<br /> * 高等専門学校 - 最低167単位以上で各高等専門学校が定める単位数<br /> <br /> == 註釈 ==<br /> &lt;references /&gt;<br /> <br /> == 関連項目 ==<br /> * [[単位時間]]<br /> * [[単位]]<br /> * [[学年]]<br /> * [[フル単位]]<br /> * [[鬼仏表]]<br /> * [[セメスター]]<br /> <br /> {{Education-stub}}<br /> <br /> {{DEFAULTSORT:かくねんせいとたんいせい}}<br /> [[Category:学校教育]]<br /> [[Category:教育制度]]</div> 202.70.187.182 全国障害者スポーツ大会 2017-03-28T09:48:15Z <p>202.70.187.182: </p> <hr /> <div>{{出典の明記|date=2016年10月}}<br /> &#039;&#039;&#039;全国障害者スポーツ大会&#039;&#039;&#039;(ぜんこくしょうがいしゃスポーツたいかい)は、第56回([[2001年]])の[[国民体育大会]]から設立された[[障害者]]のスポーツ大会である。主催は[[文部科学省]]・[[日本障がい者スポーツ協会]]・開催[[都道府県]]・[[政令指定都市]]。2013年までは[[厚生労働省]]が主催していた。<br /> <br /> これまで障害者のスポーツ大会としては[[全国身体障害者スポーツ大会]]([[1965年]]設立)と[[全国知的障害者スポーツ大会]]([[1992年]]設立)の2大会があったが、それらを一つにまとめて障害者に対するスポーツの普及また障害者の社会参加推進、さらにスポーツを通しての友情と国民のバリアフリーの意識を高めてもらおうと企画された。開催は毎年、秋季大会(第6回([[2006年]])以降は夏季・秋季一体型で開催)の開催終了後に国体の会場と同じ施設を使って3日間に渡り開催される。国体とは異なり、大会会長は[[都道府県知事]]が務め、副会長に政令市長が務めている(政令市のある道府県のみ)。これは[[全国健康福祉祭|ねんりんピック]]と同様の措置である。ちなみに、障害者スポーツ大会は、[[国民体育大会|夏期国体]]に相当する大会([[国民体育大会|夏季大会]])のみであり、[[国民体育大会|冬期国体]]に相当する大会([[国民体育大会|冬季大会]])はない。<br /> <br /> なお、大会歌は[[南こうせつ]]作曲の『空よ大地よ』(作詞は一般公募で選考したもので、長沢美代子、高畑葉都子が共作、補作が[[喜多條忠]])。<br /> <br /> == 大会の歴史 ==<br /> {| class=&quot;wikitable&quot; style=&quot;text-align:center&quot;<br /> !回数!!年!!名称!!開催地<br /> |-<br /> |style=&quot;text-align:center&quot;|1||[[2001年]]||[[第1回全国障害者スポーツ大会|翔く・新世紀みやぎ大会]]||[[宮城県]]<br /> |-<br /> |style=&quot;text-align:center&quot;|2||[[2002年]]||[[第2回全国障害者スポーツ大会|よさこいピック高知]]||[[高知県]]<br /> |-<br /> |style=&quot;text-align:center&quot;|3||[[2003年]]||[[第3回全国障害者スポーツ大会|わかふじ大会]]||[[静岡県]]<br /> |-<br /> |style=&quot;text-align:center&quot;|4||[[2004年]]||[[第4回全国障害者スポーツ大会|彩の国まごころ大会]]||[[埼玉県]]<br /> |-<br /> |style=&quot;text-align:center&quot;|5||[[2005年]]||[[第5回全国障害者スポーツ大会|輝いて!おかやま大会]]||[[岡山県]]<br /> |-<br /> |style=&quot;text-align:center&quot;|6||[[2006年]]||[[第6回全国障害者スポーツ大会|のじぎく兵庫大会]]||[[兵庫県]]<br /> |-<br /> |style=&quot;text-align:center&quot;|7||[[2007年]]||[[第7回全国障害者スポーツ大会|秋田わか杉大会]]||[[秋田県]]<br /> |-<br /> |style=&quot;text-align:center&quot;|8||[[2008年]]||[[第8回全国障害者スポーツ大会|チャレンジ!おおいた大会]]||[[大分県]]<br /> |-<br /> |style=&quot;text-align:center&quot;|9||[[2009年]]||[[第9回全国障害者スポーツ大会|トキめき新潟大会]]||[[新潟県]]<br /> |-<br /> |style=&quot;text-align:center&quot;|10||[[2010年]]||[[第10回全国障害者スポーツ大会|ゆめ半島千葉大会]]||[[千葉県]]<br /> |-<br /> |style=&quot;text-align:center&quot;|11||[[2011年]]||[[第11回全国障害者スポーツ大会|おいでませ!山口大会]]||[[山口県]]<br /> |-<br /> |style=&quot;text-align:center&quot;|12||[[2012年]]||[[第12回全国障害者スポーツ大会|ぎふ清流大会]]||[[岐阜県]]<br /> |-<br /> |style=&quot;text-align:center&quot;|13||[[2013年]]||[[第13回全国障害者スポーツ大会|スポーツ祭東京2013]]||[[東京都]]<br /> |-<br /> |style=&quot;text-align:center&quot;|14||[[2014年]]||[[第14回全国障害者スポーツ大会|長崎がんばらんば大会]]||[[長崎県]]<br /> |-<br /> |style=&quot;text-align:center&quot;|15||[[2015年]]||[[第15回全国障害者スポーツ大会|紀の国わかやま大会]]||[[和歌山県]]<br /> |-<br /> |style=&quot;text-align:center&quot;|16||[[2016年]]||[[第16回全国障害者スポーツ大会|希望郷いわて大会]]||岩手県<br /> |-<br /> |style=&quot;text-align:center&quot;|17||[[2017年]]||[[第17回全国障害者スポーツ大会|愛顔つなぐえひめ大会]]||愛媛県<br /> |-<br /> |style=&quot;text-align:center&quot;|18||[[2018年]]||[[第73回国民体育大会|福井しあわせ元気大会]]||福井県<br /> |-<br /> |style=&quot;text-align:center&quot;|19||[[2019年]]||[[第74回国民体育大会|いきいき茨城ゆめ大会]]||茨城県<br /> |}<br /> <br /> === 備考 ===<br /> * 第10回([[2010年]]):前身の全国身体障害者スポーツ大会を含め開閉会式は史上初の屋内で行われた。<br /> <br /> == 出場条件 ==<br /> 全国障害者スポーツ大会に出場するには個人競技においては各都道府県、政令指定都市主催の障害者スポーツ大会(名称は各都道府県などで異なる)において上位入賞(競技は組で実施され、その中から全体で優勝もしくは準優勝、3位以内(またはそれに準ずる成績))の成績を上げて各都道府県、政令指定都市の各都道府県[[日本障がい者スポーツ協会|障害者スポーツ協会]]、各障害者団体の代表者で構成される派遣選手選考委員会において推薦を受けた者とする。団体競技においては6ブロック([[北海道]]・[[東北]]、[[関東]]、[[北信越]]・[[東海]]、[[近畿]]、[[中国]]・[[四国]]、[[九州]])による予選会を実施し、その予選会において原則的に優勝しなければならない。なお個人競技の枠については前年度の[[障害者手帳]]([[身体障害者手帳]]、[[療育手帳]])の交付数にもとづいて主催の厚生労働省、日本障害者スポーツ協会より、各都道府県・政令指定都市別に参加割当数の提示があり、その割当数を基本に大会開催県実行委員会より競技別の枠が示されて各都道府県の選考委員会において調整する。各都道府県・政令指定都市の選考基準は全国一律ではなく、まちまちである。また都道府県によっては、個人競技で前年度全国障害者スポーツ大会に出場した選手が出た地区からは、その開催年の全国障害者スポーツ大会には、出場させないとの選考基準もある。<br /> <br /> == 実施種目 ==<br /> === 個人競技 ===<br /> 陸上競技、水泳、アーチェリー、卓球(サウンドテーブルテニス含む)フライングディスク(アキュラシー、ディスタンス)ボウリング<br /> <br /> === 団体競技 ===<br /> バスケットボール、[[車椅子バスケットボール]]、ソフトボール、グランドソフトボール、バレーボール、サッカー、フットベースボール、(第8回([[2008年]])でのオープン競技)ふうせんバレーボール、卓球バレー<br /> <br /> == 関連項目 ==<br /> * [[とっておきの音楽祭]]<br /> * [[日本車椅子バスケットボール選手権大会]]<br /> * [[全国身体障害者アーチェリー選手権大会]]<br /> * [[全国身体障害者スキー大会]]<br /> * [[全日本視覚障害者柔道大会]]<br /> * [[日本障害者自転車競技大会]]<br /> * [[ジャパンパラ競技大会]]<br /> * [[アジアパラ競技大会]]<br /> * [[パラリンピック]]<br /> * [[冬季パラリンピック]]<br /> <br /> == 外部リンク ==<br /> *[http://www.jsad.or.jp/games/zenspo/ 全国障害者スポーツ大会] - 日本障がい者スポーツ協会<br /> <br /> {{国民体育大会}}<br /> {{DEFAULTSORT:せんこくしようかいしやすほおつたいかい}} <br /> [[Category:全国障害者スポーツ大会|*]]</div> 202.70.187.182 フジテレビ甲府支局 2016-11-17T08:22:25Z <p>202.70.187.182: /* 概要 */</p> <hr /> <div>{{出典の明記|date=2014年4月}}<br /> {{基礎情報 会社<br /> |社名=株式会社フジテレビジョン甲府支局<br /> |英文社名=Fuji Television Network Kofu Branch<br /> |ロゴ=<br /> |種類=[[株式会社]]<br /> |市場情報=<br /> |略称=<br /> |国籍={{JPN}}<br /> |本社郵便番号=400-0858<br /> |本社所在地=[[山梨県]][[甲府市]]丸の内2丁目34-8 第一メグロ会館3階&lt;br /&gt;<br /> &lt;small&gt;&lt;/small&gt;<br /> |設立=<br /> |業種=5250<br /> |統一金融機関コード=<br /> |SWIFTコード=<br /> |事業内容=[[フジニュースネットワーク|FNN]]の報道取材業務<br /> |代表者=<br /> |資本金=<br /> |売上高=<br /> |総資産=<br /> |従業員数=<br /> |決算期=<br /> |主要株主=<br /> |主要子会社=<br /> |関係する人物=<br /> |外部リンク=http://www.fujitv.co.jp/index.html<br /> |特記事項=上記データは甲府支局のもの。<br /> }}<br /> &#039;&#039;&#039;フジテレビ甲府支局&#039;&#039;&#039;(フジテレビこうふしきょく)は、[[山梨県]][[甲府市]]にある[[フジテレビジョン]]の支局である。<br /> <br /> == 概要 ==<br /> 山梨県には[[フジテレビ系列]]の放送局が存在しないため、[[フジニュースネットワーク|FNN]]の報道取材を行う目的で甲府市に支局が置かれている。<br /> <br /> 放送は行っていないが、山梨県内のテレビ局([[日本テレビ放送網|日本テレビ]]系列の[[山梨放送]]、[[TBSテレビ|TBS]]系列の[[テレビ山梨]])ではフジテレビ系列の番組を時差ネットしており、また[[ケーブルテレビ]]によってフジテレビの[[区域外再放送]]が行われているため、山梨県内でもフジテレビの番組はほとんどの世帯で視聴することが可能である(山梨県内のケーブルテレビ・共聴設備の加入率は90%を超えている)。{{see also|フジニュースネットワーク#現在の主な非加盟局|フジネットワーク#現在の主な非加盟局}}<br /> <br /> [[地上デジタルテレビジョン放送|地上デジタル放送]]も山梨県内については条件付きで再送信に同意することとしたため、[[2007年]][[10月9日]]の[[日本ネットワークサービス (ケーブルテレビ局)|日本ネットワークサービス]]を皮切りに、順次、再送信が開始されている。<br /> <br /> == 所在地 ==<br /> *山梨県甲府市丸の内2丁目34-8 第一メグロ会館3階<br /> **[[産業経済新聞社|産経新聞社]]の甲府支局も同じビルの同じ階に入居している。<br /> <br /> == 関連項目 ==<br /> * [[テレビ朝日甲府支局]]([[テレビ朝日]]が甲府市高畑に設置している支局)<br /> * [[フジテレビ青森支局]]<br /> <br /> {{フジテレビジョン}}<br /> {{FNN・FNS}}<br /> <br /> {{coord|35|39|43.7|N|138|33|56.0|E|region:JP-19|display=title}}<br /> {{DEFAULTSORT:ふしてれひこうふしきよく}}<br /> [[Category:フジテレビ|こうふしきよく]]<br /> [[category:山梨県のマスメディア]]</div> 202.70.187.182 マイカー規制 2016-09-22T02:39:39Z <p>202.70.187.182: /* 進入が許される車輌 */</p> <hr /> <div>&#039;&#039;&#039;マイカー規制&#039;&#039;&#039;(マイカーきせい)とは、[[自然公園]]などで[[環境]]を保全するために行われる施策の一つである。<br /> <br /> == 概要 ==<br /> [[ファイル:Norikura Echoline.jpg|250px|サムネイル|右|マイカー規制が行われる以前の[[:ja:乗鞍エコーライン|乗鞍エコーライン]]終点付近の渋滞]]<br /> 近年の[[自動車]]による[[観光地]]へのアクセスが増加し、道路の渋滞や周りの環境へ大きな悪影響を及ぼすようになった。そのため、一部の期間に規制された範囲内で、[[公共交通機関]]などの車を除いた自動車の通行を制限するものである。たいていは規制外の地域に、[[駐車場]]を設置し、そこまでマイカーでやってきて、車を止めてシャトルバスなどの公共交通機関に乗り換える方法がとられている([[パークアンドライド]])。<br /> <br /> この制度は[[1975年]]に上高地で始まり、その後全国各地へと広まっていった。大抵は道路管理者、自治体等で組織される運営協議会が実施主体となる。<br /> <br /> == 規制地域・路線の例 ==<br /> &lt;small&gt;以下の記述で「通年」「シーズン時」とあってもその期間の「全日」を意味するものではない。具体的な規制日については各情報サイトを参照のこと。&lt;/small&gt;<br /> *[[北海道]]<br /> **[[知床]]([[北海道道87号知床公園羅臼線]]及び[[北海道道93号知床公園線]]・通年)<br /> <br /> *[[岩手県]]<br /> **[[早池峰山]]([[岩手県道25号紫波江繋線]]、シーズン時)<br /> <br /> *[[秋田県]]<br /> **[[秋田駒ヶ岳]]([[秋田県道127号駒ケ岳線]]、シーズン時と週末)<br /> <br /> *[[福島県]]・[[群馬県]]・[[新潟県]]<br /> **[[尾瀬]]([[群馬県道・福島県道1号沼田檜枝岐線]]ほか、通年)<br /> <br /> *[[栃木県]]<br /> **[[奥日光]]([[日光市]]道1002号赤沼千手線、通年)<br /> <br /> *[[山梨県]]・[[静岡県]]<br /> **[[富士山]]([[富士山スカイライン]]及び[[富士スバルライン]]、シーズン時)<br /> <br /> *山梨県・長野県<br /> **[[赤石山脈]]([[南アルプススーパー林道|山梨県営南アルプス林道、伊那市営林道南アルプス線]]、通年)<br /> <br /> *[[長野県]]<br /> **[[上高地]]([[長野県道24号上高地公園線]]、通年)<br /> **[[木曽駒ヶ岳]]([[長野県道75号駒ヶ根駒ヶ岳公園線]]、通年)<br /> <br /> *長野県・[[岐阜県]]<br /> **[[乗鞍岳]]([[乗鞍スカイライン]]及び[[長野県道84号乗鞍岳線]]、通年)<br /> <br /> *[[富山県]]<br /> **[[立山]]([[富山県道6号富山立山公園線]]、通年)<br /> <br /> == 進入が許される車輌 ==<br /> *[[通行禁止道路通行許可証|許可車]]([[路線バス]]・[[タクシー]]・[[ハイヤー]]を含む)・[[緊急自動車]]<br /> <br /> == 関連項目 ==<br /> * [[通行禁止道路通行許可証]]<br /> <br /> == 外部リンク ==<br /> * [http://www.fujisan-climb.jp/manner/regulation_mycar_control.html 富士登山オフィシャルサイト マイカー規制] - 富士山における適正利用推進協議会<br /> * [http://www.pref.shizuoka.jp/kensetsu/ke-210/fujisan/ 富士山マイカー規制] - 静岡県<br /> * [https://www.alpico.co.jp/shuttle_center/info/main.html 上高地に関する交通規制のご案内] - アルピコ交通<br /> * [http://www.hida-norikura.com/mycar/ 乗鞍スカイライン マイカー規制情報] - 飛騨乗鞍観光協会<br /> <br /> {{デフォルトソート:まいかあきせい}}<br /> [[category:日本の自然保護]]<br /> [[category:環境マネジメント]]<br /> [[category:自動車の運転]]<br /> [[category:道路交通]]<br /> [[category:交通政策]]</div> 202.70.187.182 category:アウトソーシング 2016-08-22T07:07:05Z <p>202.70.187.182: </p> <hr /> <div>{{JEL code|L24, M55}}<br /> [[アウトソーシング]] ([[:en:Category:Outsourcing|Outsourcing]])に関するカテゴリ。<br /> <br /> {{デフォルトソート:あうとそおしんく}}<br /> [[Category:経営学]]<br /> [[Category:労働経済学]]<br /> [[Category:人事労務管理]]<br /> [[Category:企業]]<br /> [[Category:グローバリゼーション]]<br /> [[Category:グローバル化の問題]]<br /> [[Category:貧困]]</div> 202.70.187.182 メガシャキ 2016-03-09T06:40:06Z <p>202.70.187.182: /* 商品一覧 */</p> <hr /> <div>&#039;&#039;&#039;メガシャキ&#039;&#039;&#039;は、[[ハウスウェルネスフーズ]](2013年9月までは[[ハウス食品]])が販売している[[栄養ドリンク]]・[[炭酸飲料]]・[[ガム]]である。<br /> <br /> == 概要 ==<br /> 2009年3月発売。[[ハウス食品]]が「ウコンの力」(2004年5月)「ニンニクの力」に続いて発売した[[機能性飲料]]の第3弾で、ショウガや唐辛子を配合した炭酸飲料である&lt;ref&gt;『フジサンケイビジネスアイ』2009年12月1日付18面。&lt;/ref&gt;。商品名は、[[メガ]](百万倍、「物凄く」を表現)、気分が「シャキッと」することに由来する&lt;ref&gt;[http://housefoods.jp/inquiry/qa/answer_25_01.html よくあるご質問](ハウス食品)&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;「ネーミング メガシャキ 程よい刺激でリフレッシュ」『日経MJ』2009年(平成21年)5月18日付3面。&lt;/ref&gt;。派生商品として、ショウガや唐辛子など、飲料と共通の成分に、口内で発泡する粉末を加えて炭酸飲料の風味を再現した[[チューインガム]]「メガシャキガム」(2013年1月発売)や&lt;ref&gt;「check UP 出足好調!? ハウス食品 チューインガム「メガシャキガム」 眠気覚まし、会社員に好評」『日経産業新聞』2013年(平成25年)3月1日付7面&lt;/ref&gt;、[[クロシン]]を配合した非炭酸飲料「[[ギガ]]シャキ」(2013年7月発売)&lt;ref&gt;{{Cite news |title=ハウス「メガシャキ」の刺激を強くした「ギガシャキ」発売|newspaper=[[ITmedia]]|date=2013-07-07|url=http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1307/07/news003.html|accessdate=2014-09-06}}&lt;/ref&gt;がある。<br /> <br /> 2014年8月には[[ソフト99コーポレーション]]との[[コラボレーション]]製品「メガシャキ芳香剤」が発売された&lt;ref&gt;[http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/248/248432/ 車中でリフレーッシュ!! 『メガシャキ芳香剤』を使ってみた - 週アスPLUS]&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;「「メガシャキ」の香り」『日経MJ』2014年(平成26年)9月3日付12面。&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> == 商品一覧 ==<br /> * メガシャキ([[炭酸飲料]])<br /> * メガシャキガム([[チューイングガム]])<br /> * ギガシャキ([[清涼飲料水]])<br /> <br /> ==CM==<br /> 発売当初の2009年には俳優の[[北村一輝]]が出演するCMが放送された&lt;ref&gt;「機能性飲料「メガシャキ」 社員食堂で販促 ハウス食品 100万本無料配布」『日経MJ』2009年4月3日付15面。&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;『日本食糧新聞』2009年7月31日付。&lt;/ref&gt;。なお、当時の[[コマーシャルソング|CMソング]]は『[[ラ・バンバ]]』や『[[あめふり]]』の替え歌が使用されていた。<br /> <br /> 2011年にはインディーズバンド、[[ゴールデンボンバー (バンド)|ゴールデンボンバー]]が2009年に発売した楽曲『女々しくて』を替え歌『眠たくて』としてCMに使用&lt;ref&gt;「[https://web.archive.org/web/20121127172217/http://www.sanspo.com/geino/news/20121123/oth12112305060012-n1.html 紅白に初エアバンド、ゴールデンボンバー!]」『サンケイスポーツ』2012年11月23日付。&lt;/ref&gt;、その後同曲は息の長いヒットを記録した。<br /> <br /> 2012年夏からは[[乃木坂46]]が起用され&lt;ref&gt;「ハウス食品/メガシャキ」『CM NOW』第158号、2012年9-10月、18-20ページ&lt;/ref&gt;、2013年に発売されたメガシャキガムのCMにも出演した&lt;ref&gt;「ハウス食品/メガシャキガム」『CM NOW』第161号、2013年3-4月、28ページ&lt;/ref&gt;。CMソングには『[[シャキイズム]]』。<br /> <br /> 2015年4月より、俳優の[[鈴木亮平 (俳優)|鈴木亮平]]を起用。CMソングには[[キュウソネコカミ]]の『[[MEGA SHAKE IT!/ハッピーポンコツ|MEGA SHAKE IT!]]』&lt;ref&gt;{{Cite web|url=http://tower.jp/item/3906899/MEGA-SHAKE-IT-!-%E3%83%8F%E3%83%83%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%83%84-%EF%BC%BBCD%EF%BC%8B%E3%83%8D%E3%82%BA%E3%83%9F%E3%81%8F%E3%82%93%E4%BA%BA%E5%BD%A2%EF%BC%BD%EF%BC%9C%E6%9C%9F%E9%96%93%E9%99%90%E5%AE%9A%E7%94%9F%E7%94%A3%E7%9B%A4%EF%BC%9E|title=キュウソネコカミ/MEGA SHAKE IT !/ハッピーポンコツ [CD+ネズミくん人形]<期間限定生産盤>|work=TOWER RECORDS ONLINE|publisher=タワーレコード|accessdate=2015-05-26}}&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> == 脚注 ==<br /> {{Reflist}}<br /> <br /> == 関連項目 ==<br /> * [[ハウス食品]]<br /> * [[ハウスウェルネスフーズ]]<br /> * [[C1000 (飲料)|1000シリーズ]]<br /> * [[プラッシー]]<br /> * 眠眠打破 - [[常盤薬品工業]]による競合商品<br /> <br /> == 外部リンク ==<br /> * [http://megashaki.house-wf.co.jp/ メガシャキ公式ブランドサイト]<br /> * [http://www.house-wf.co.jp/products/detail.php?cd=070500 商品情報](ハウスウェルネスフーズ)<br /> <br /> {{Food-stub}}<br /> {{デフォルトソート:めかしやき}}<br /> [[Category:ハウス食品]]<br /> [[Category:炭酸飲料]] <br /> [[Category:市販清涼飲料水]]</div> 202.70.187.182
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