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https:///mymemo.xyz/wiki/api.php?action=feedcontributions&user=124.109.10.216&feedformat=atom miniwiki - 利用者の投稿記録 [ja] 2024-05-16T16:35:13Z 利用者の投稿記録 MediaWiki 1.31.0 マフ 2018-10-08T20:54:02Z <p>124.109.10.216: </p> <hr /> <div>[[File:Francesc Masriera - Winter 1882 - Google Art Project.jpg|thumb|『1882年冬』 フランセスク・マリエラ(Francesc Masriera) 1882年 カタルーニャ美術館]]<br /> &#039;&#039;&#039;マフ&#039;&#039;&#039;(仏語:moufle)は、ファーまたは織物の、両端の開いた円筒形の戸外用の防寒具である。両端から両手をそれぞれさし入れて用いる。<br /> <br /> これは、16世紀に女性のファションに導入され、17世紀および18世紀に男女ともに人気があった。<br /> 20世紀はマフは女性のみによって用いられた。{{sfn|Chisholm|1911|p=955}}<br /> このファッションは19世紀に大きく流行おくれになったということも報告されている。<br /> これは1940年代後半と1950年代に短期間、戻ってきた。&lt;!--英語版{{Citation needed|date=January 2009}} --&gt;<br /> <br /> ローマ時代に、グラヴ(glove)の地位は、手にまでとどく長いスリーヴ(&#039;&#039;manicae&#039;&#039;)によって取られ、そして冬はファーの特別なスリーヴが着られた。<br /> 中世ラテン語の&#039;&#039;muffulae&#039;&#039;という単語は、カン・ジュ(Du Cange)によって&#039;&#039;chirothecae pellitae et hibernae&#039;&#039;(冬の皮の手袋)と定義された。<br /> 彼は、冬のあいだに用いられるシープスキンのカヴァーの、修道士に発行される、817年の権利証書台帳から引用している。<br /> これらは、ローマ人は確実にそうであったが、それぞれの手のためのカヴァーを分けていたかもしれないけれども、<br /> 引用された権利証書台帳はまた、夏のグラヴを冬着の muffulae から区別している。<br /> <br /> <br /> フランス語&#039;&#039;moufle&#039;&#039;は、厚手のグラヴまたはミトン(mitten)を意味したし、そしてこれから、オランダ語 &#039;&#039;mof&#039;&#039;、ワロン語 &#039;&#039;mouffe&#039;&#039;が派生された。<br /> <br /> ==注釈==<br /> {{reflist}}<br /> <br /> ==参考文献==<br /> *ブリタニカ百科事典 18巻、1911年、955ページ Muffの項目<br /> <br /> {{洋服の歴史}}<br /> {{commons category|Muffs}}<br /> {{デフォルトソート:まふ}}<br /> [[Category:衣類]]<br /> {{fashion-stub}}</div> 124.109.10.216 総合感冒薬 2018-09-21T07:26:18Z <p>124.109.10.216: /* 医療機関 */</p> <hr /> <div>&#039;&#039;&#039;総合感冒薬&#039;&#039;&#039;(そうごうかんぼうやく)とは、いわゆる[[風邪|かぜ症候群]](普通感冒)の諸症状に対する合剤の[[医薬品]]。[[頭痛]]、[[発熱]]、のどや筋肉の痛み、[[咳]]、[[くしゃみ]]、[[鼻水]]・[[鼻炎|鼻づまり]]といった諸症状に対する、解熱剤([[非ステロイド性抗炎症薬|解熱鎮痛剤]])、[[鎮咳去痰薬]]、[[抗ヒスタミン剤]]、カフェインなどが配合されている。日本では、現在[[一般用医薬品]](大衆薬・OTC)として広く発売されている。剤形としては錠剤・カプセル、粉末、[[シロップ]]、[[ドライシロップ]]などのパッケージで発売されている。<br /> <br /> アメリカ胸部医学会(ACCP)による2017年のシステマティックレビューは、咳をとめるため薬の使用を推奨していない&lt;ref name=&quot;care2017&quot;/&gt;。米国家庭医学会(AAFP)ガイドラインでは、4歳以下の児童に対してはOTC風邪薬を与えてはならないとしている&lt;ref name=&quot;AAFP&quot;/&gt;。<br /> <br /> == 製剤 ==<br /> === 一般用 ===<br /> 日本では[[1950年代]]頃から解熱鎮痛剤と鎮咳去痰成分([[エフェドリン]]など)やビタミン剤・胃薬などを配合した製品が発売されており、[[大正製薬]]の「[[パブロン]]」・[[武田薬品]]の「[[ベンザ (風邪薬)|ベンザ]]」・[[三共 (製薬会社)|三共]](現・[[第一三共ヘルスケア]])の「[[ルル (風邪薬)|ルル]]」・[[エスエス製薬]]の「[[エスタック]]」・[[興和]]の「[[コルゲンコーワ]]」・[[中外製薬]](現・[[ライオン (企業)|ライオン]])の「[[アルペン]]」・[[グラクソ・スミスクライン]]/旧[[住友製薬]]の「[[コンタック]]」などの商品ブランドが有名であり、これらは発売から現在まで50年前後の長きに渡りブランド名が用いられている。また[[ツムラ]]や[[クラシエ薬品]]などの[[漢方薬]]メーカーが[[葛根湯]]や[[小青竜湯]]をかぜ薬として市販しており、ゼファーマ(現・第一三共ヘルスケア)の「カコナール」のように[[葛根湯]]をドリンクにしたものも発売されている(これら商品名については[[一般用医薬品]]を参照のこと)。<br /> <br /> 現在の総合感冒薬は基本的に解熱鎮痛剤・鎮咳去痰薬・抗アレルギー剤を含んだ製品が一般的であり、それに加えて[[薬草]]・[[漢方]]などを合わせた製品もある。<br /> <br /> === 医療機関 ===<br /> [[医療用医薬品]]としては1950~[[1960年代]]に大衆薬と類似の成分を配合した、「PL(顆粒)」([[塩野義製薬]])などが発売されている。現況は[[薬価]]引き下げに伴い製薬会社にとってほとんど利益が出ない製品となっている。<br /> <br /> また、「風邪」で症状が重い場合は医師が独自に[[副腎皮質ホルモン|ステロイド]]剤・気管支拡張剤・[[抗ヒスタミン薬]]・[[抗菌薬]]・[[ビタミンB]]などを調合して[[注射]]で投与することもある。<br /> <br /> === 主な有効成分 ===<br /> 現在流通している総合感冒薬に含まれる主な有効成分<br /> *鎮痛・解熱成分<br /> **アセトアミノフェン(パラセタモール)・[[イソプロピルアンチピリン]](ピリン系)など<br /> * 咳止め・気管支拡張成分<br /> **リン酸ジヒドロ[[コデイン]] ・リン酸コデイン ・dl-塩酸メチル[[エフェドリン]] ・[[ノスカピン]]など<br /> * 去痰・消炎酵素成分(咳・痰・[[鼻水]]など)<br /> **塩化[[リゾチーム]] ・[[カルボシステイン]] ・[[塩酸ブロムヘキシン]] ・[[グアイフェネシン]]など<br /> * 抗ヒスタミン成分(くしゃみ・鼻水・鼻づまり・頭重など)<br /> **マレイン酸[[クロルフェニラミン]] ・フマル酸[[ケトチフェン]] ・塩酸[[プソイドエフェドリン]] ・塩酸[[ジフェンヒドラミン]]など<br /> * 鎮痛・抗炎症成分<br /> **[[イブプロフェン]] ・ エテンザミド<br /> *その他<br /> **無水[[カフェイン]] ・[[ビタミンB1]]誘導体 ・[[フェニレフリン]]など<br /> <br /> == 有効成分・内容量 ==<br /> 日本では、後に大衆薬として入手できる製品については安全性から一日あたりの服用量に制限を加えるようになった。これは同じ風邪症状で医師の診察の上処方される解熱鎮痛薬や鎮咳・去痰薬、抗ヒスタミン剤などの標準的な一日の投与量よりも少なく設定されている。また大衆薬として発売されている医薬品は安全性が高い有効成分のみ認められているので、現行の風邪薬でもほとんど20-30年以上前に開発された有効成分で構成されている。<br /> <br /> 医療機関の診察で、風邪の場合に処方されることが多い[[ロキソプロフェンナトリウム]](解熱鎮痛剤)や[[抗生物質]]・内服[[副腎皮質ホルモン|ステロイド]]剤は副作用や繁用の虞から一般用医薬品には一切含まれていない。ただし風邪薬に含まれるアセトアミノフェンは大量服用すると中毒を引き起こし、[[コデイン]]や[[エフェドリン]]も大量で[[麻薬]]・[[覚醒剤]]原料と成りうる点から[[2000年]]頃より大量に購入する際に用途を聞かれたり販売数を制限するよう日本薬剤師会などから通達されている。<br /> <br /> いっぽう日本国外ではこのような規制がないことが多く、[[一般用医薬品|OTC]]で売られている風邪薬でも効き目が強い成分・量で構成されている製品が多いのでもし日本国外で購入した風邪薬を服用する際は説明書の服薬量より少なめにするなど考慮するべきである。<br /> ;ACE<br /> :[[アセトアミノフェン]](Acetaminophen)、[[カフェイン]](Caffeine)、[[エテンザミド]](Ethenzamide)を配合した、頭痛薬や総合感冒薬。<br /> <br /> ==有効性==<br /> アメリカ胸部医学会(ACCP)による2017年のシステマティックレビューでは&lt;ref name=&quot;pmid28837801&quot;&gt;{{cite journal|author=Malesker MA, Callahan-Lyon P, Ireland B, Irwin RS|title=Pharmacologic and Nonpharmacologic Treatment for Acute Cough Associated With the Common Cold: CHEST Expert Panel Report|journal=Chest|issue=5|pages=1021–1037|date=November 2017|pmid=28837801|doi=10.1016/j.chest.2017.08.009}}&lt;/ref&gt;、咳をとめるための効果を裏付ける質の高い証拠はないため、咳止めや風邪薬を推奨していない&lt;ref name=&quot;care2017&quot;&gt;{{cite news |title=「風邪による咳に効く薬はない」米学会が見解 |url=https://www.carenet.com/news/general/hdn/45060 |date=2017-12-08 |newspaper=CareNet |accessdate=2018-06-01}}&lt;/ref&gt;。これには、抗ヒスタミン薬や鎮痛薬、NSAID、亜鉛トローチが含まれる&lt;ref name=&quot;care2017&quot;/&gt;。<br /> <br /> 米国家庭医学会(AAFP)ガイドラインでは、4歳以下の児童に対してはOTC風邪薬を与えてはならないとしている(Should not be used, エビデンスレベルB)&lt;ref name=&quot;AAFP&quot;&gt;{{cite journal |author=Fashner J, Ericson K, Werner S |title=Treatment of the common cold in children and adults |journal=Am Fam Physician |volume=86 |issue=2 |pages=153–9 |year=2012 |pmid=22962927 |doi= |url=http://www.aafp.org/afp/2012/0715/p153.html }}&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> == 注意点 ==<br /> [[風邪]]というのは特に薬を飲んだりしなくても[[自然治癒]]するものであり、総合感冒薬(風邪薬)というのはあくまで[[対症療法]]にすぎないため、それを飲んだとしても十分休養することが望ましい。<br /> <br /> また鎮痛・解熱剤が含まれる総合感冒薬は、飲むとかえって風邪を長引かせてしまうことになる、とも指摘されている。風邪の時、人体はあえて体温を上げることで免疫力を上げている。それに逆らって解熱剤で不自然に体温を下げてしまうと、せっかくの免疫力が落ち、治癒が遅れてしまうのである。例えば[[白血球]]というのは病原菌を死滅させる作用があるのだが、体温が1度下がるとその働きが30%ほど落ちてしまうという。解熱剤(鎮痛・解熱剤)入りの総合感冒薬で体温を下げてしまうよりも、むしろそれを飲まないようにして、身体を暖かく(熱く)保って免疫がうまく機能するようにしたほうが、短い期間で治癒する傾向がある&lt;ref&gt;石原結実『東西医学』講談社、pp.87~90&lt;/ref&gt;。ただし40度近い熱は脳に影響するので、高ければよいというものでもない。<br /> <br /> また、医師や薬剤師の了解を得ずに他の薬と併用すべきものではない。[[インフルエンザ]]や急性[[中耳炎]]・急性[[副鼻腔炎]]などにも一時的に症状緩和などの効果はあるが、あくまで[[応急処置]]にしかなりえず、(風邪でなくそうした症状の場合は)早めに医師の[[診察]]を受けるべき、とされる。<br /> <br /> == 副作用 ==<br /> 主な副作用として、先述の「眠くなる成分」が含まれる製品を中心として、(体質や症状に応じて)眠気やだるさ(頭がぼーっとする感覚など)が表れることがある。&lt;!--これは体質や症状によって差があるため服用してもまったく出ないこともある。--&gt;このため服用後は[[自動車]]など[[乗物]]運転・機械類の操作や[[飲酒]]は控えるべきであり、添付文書にも注意事項として記載されている製品が大数である。<br /> <br /> 重篤な副作用としては[[間質性肺炎]]・[[肝機能障害]]・アナフィラキシー[[ショック]]や[[薬疹]]([[スティーブンス・ジョンソン症候群]](SJS)・[[中毒性表皮壊死症|ライエル症候群]])・[[喘息]]などの薬剤[[アレルギー]]症状、PPA含有製品による[[脳出血]]のリスク(後述)などがある。<br /> <br /> 例えば[[スティーブンス・ジョンソン症候群]](SJS)を例にとると、[[失明]]などの重大な[[後遺症]]が残ったり、[[死|死亡]]するリスクがある。副作用が発生しても本人が副作用だと気づかないまま症状が悪化していってしまうことが多々あり、また違和感や異常を感じて医療機関で診察を受けても、一般的に言うと医師は総合感冒薬の副作用とはなかなか気づかないので[[誤診]]されてしまい(例えば[[手足口病]]などと誤診され)、手遅れになってしまうことが多い。<br /> <br /> また、風邪薬に含まれる[[アセトアミノフェン]]と[[アルコール]]を同時に大量摂取すると肝臓障害を起こし死に至る危険性がある([[本庄保険金殺人事件]]を参照)。<br /> <br /> == 広告・販売戦略 ==<br /> 冬季の風邪シーズンに多く売り上げることから[[ドラッグストア]]で目立つ位置に陳列されたり、特定の商品は大幅値引きしたり、[[ノベルティ]]が貰えたりするなどの[[販促]]活動が活発である。また[[昭和]]30年代からは冬季を中心に風邪薬の[[テレビCM]]が放送されており、[[1980年代]]から現在にかけては[[タレント]]を起用した各種[[広告]]が活発である。どの風邪薬も似たり寄ったりの成分であるため、[[イメージ戦略]]を通じて購買意欲を湧かせるものとされている。さらに[[2000年代]]からは風邪薬のテレビCMの開始時期が8月末頃まで前倒しして展開されるようにもなっている。<br /> <br /> == アンプル入りかぜ薬事件 ==<br /> 1950年代当時は錠剤や粉末状とは別の剤形の有効成分を水溶液に混合して[[アンプル]]に入れた「アンプル入りかぜ薬」が各社から発売されており、飲用することで即効性があるなどしたため需要はあったものの解熱剤として[[ピリン系製剤]]([[アミノピリン]]やスルピリンなど)が多く含まれていたためショックなどのアレルギーで死亡する消費者が続出した([[1959年]]から[[1965年]]までに38人の死者を出している)[[厚生省]]は[[1965年]]に製薬企業に発売停止や回収などを指示した。しかし、その後もこの「アンプル入りかぜ薬」は販売されており、同年に国会の社会労働委員会で問題になるなどして、全面発売禁止命令が出されるまで販売が続いていた。これは「アンプル入りかぜ薬事件」([[薬害]])と言われ、同時期に社会問題化した[[サリドマイド]]薬害の事も踏まえて[[医療用医薬品]]の一般消費者向けの宣伝広告が制限・禁止されるようになる。なおピリン系製剤で副作用の頻度が少ないイソプロピルアンチピリンを主成分とした頭痛薬や総合感冒薬が即効性を売りに販売されているが、ピリン系製剤のアレルギー体質でなければ過度の心配の必要はない。<br /> <br /> == PPA問題 ==<br /> PPAとは&#039;&#039;&#039;[[フェニルプロパノールアミン|塩酸フェニルプロパノールアミン]]&#039;&#039;&#039;(Phenylpropanolamine)の英略称で、&#039;&#039;&#039;[[充血除去薬]]&#039;&#039;&#039;のひとつ。日本では別名ノルエフェドリンとも言われる[[交感神経]]作用成分のことである。日本では認可された[[1956年]]よりとして、鼻づまりなどの症状に適応がある総合感冒薬やOTCの鼻炎薬に広く含まれており、交感神経を刺激することで[[鼻腔]][[毛細血管]]の拡張を抑えて[[鼻詰まり]]を緩和する。<br /> <br /> しかし米国ではPPAを服用することで[[食欲]]抑制効果があるとされ(日本では認可されていない)、[[食欲抑制]]剤として大量のPPAを服用した複数の者が[[脳出血]](出血性[[脳卒中]])を発症し死亡例もあったため2000年11月に[[アメリカ食品医薬品局]](FDA)は米国でのPPA含有製剤の自主的な発売中止勧告を発した。実際のPPAは鼻腔の毛細血管のみならず心臓を通り全身の血管拡張を抑えることで巡りが早くなり、その結果脳出血のリスクが高まるとしたからである。<br /> <br /> 日本でも情報番組や報道で「国内の複数のかぜ薬にも含まれている」と大々的に報じその連鎖で対応に追われパニック状態となるドラッグストア等も見られたが、当時の厚生省は米国ほど大量にPPAが含有されていないことを理由に脳出血や心臓病・高血圧症の既往症者は投与禁忌とし適正利用の指導を強化することで発売を継続することにした。<br /> <br /> しかし国内でもPPA含有かぜ薬の過剰摂取や高血圧などの禁忌患者で脳出血を発症する例が生じているため、[[2003年]]に[[厚生労働省]]がPPA含有製品を[[プソイドエフェドリン]](PSE)に代替するように[[製薬会社]]に通知した事からほとんどのメーカーはPPAからPSEなどに代替した製品を現在販売している。PPA含有製品については外箱などに「PPA含有であること・投与禁忌者について・何か副作用が起きたら[[医師]]・[[薬剤師]]に相談すること」などと記載された紙が貼付されたり、同様の内容を薬剤師が購入者に伝えるなどした上で在庫限りで販売されている。<br /> <br /> この影響で医療用医薬品の「[[ダンヘルスケア|ダン]]・リッチ」もPPAを含有する薬品のため2005年3月末で販売終了となった。<br /> <br /> ==出典==<br /> &lt;references/&gt;<br /> <br /> {{DEFAULTSORT:そうこうかんほうやく}}<br /> [[Category:一般用医薬品]]<br /> [[Category:総合感冒薬|*]]</div> 124.109.10.216 ノロウイルス 2018-07-15T10:34:43Z <p>124.109.10.216: /* 衛生管理 */</p> <hr /> <div>{{生物分類表<br /> | 色 = violet<br /> | 名称 = ノロウイルス属<br /> | 画像 = [[ファイル:Norwalk.jpg|210px]]<br /> | 画像キャプション = ノーウォークウイルスの透過型電子顕微鏡写真(スケールバー50nm)<br /> | 群 = 第4群(1本鎖RNA +鎖)<br /> | 科 = [[カリシウイルス科]]&lt;br /&gt;{{Snamei||Caliciviridae}}<br /> | 属 = &#039;&#039;&#039;ノロウイルス属&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;{{Snamei||Norovirus}}<br /> | 下位分類名 = 種<br /> | 下位分類 = [[ノーウォークウイルス]]&lt;br /&gt;{{Snamei||Norwalk virus}}<br /> }}<br /> &#039;&#039;&#039;ノロウイルス&#039;&#039;&#039;(&#039;&#039;Norovirus&#039;&#039;)は、[[ウイルス性胃腸炎]]を引き起こす[[ウイルス]]の一[[属 (分類学)|属]]である。[[感染]]者の[[糞|糞便]]や吐瀉物、あるいはそれらが乾燥したものから出る塵埃を介して経口感染するほか、河川を経由して蓄積された貝類の摂食による[[食中毒]]の原因になる場合もある。ノロウイルス属による集団感染は世界各地の学校や養護施設などで散発的に発生している。「NV」や「NoV」と略される。<br /> <br /> == 特徴 ==<br /> ノロウイルスは約7,500塩基を持つ、プラス鎖の一本鎖[[リボ核酸|RNA]]ウイルスに分類される[[エンベロープ (ウイルス)|エンベロープ]]を持たないウイルスの属名である。ウイルス粒子は直径 30-38nmの正二十面体であり、ウイルスの中では小さい部類に属する。<br /> <br /> 通常、ウイルスについての詳細な研究を行うには適切な[[培養細胞|動物培養細胞]]を探して感染させ、ウイルスを増殖させることが必要であるが、ヒトに感染するノロウイルスについては実験室的に増殖させる方法がまだ見つかっていない。このため、検査や治療方法に対する研究が他のウイルスと比べて格段に遅れているのが現状である。乾燥した状態でも、4℃では8週間程度&lt;ref&gt;西尾治、『[http://medicalfinder.jp/doi/pdf/10.11477/mf.1401101200 ノロウイルス感染症]』 公衆衛生 71巻 12号 2007/12/15, p.972-976&lt;/ref&gt;、20℃では4週間以上感染力を失わないとされている&lt;ref&gt;[http://www.cdc.gov/hicpac/norovirus/002_norovirus-toc.html Guideline for the Prevention and Control of Norovirus Gastroenteritis Outbreaks in Healthcare Settings, 2011] CDC Healthcare Infection Control Practices Advisory Committee (HICPAC)&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;吉田正樹、『ノロウイルス感染症』 日本内科学会雑誌 Vol.102 (2013) No.11 p.2801-2807, {{DOI|10.2169/naika.102.2801}}, p.2806&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> == ゲノム ==<br /> ノロウイルスのゲノムはプラス鎖の一本鎖[[リボ核酸|RNA]]で、長さは7.3〜7.5キロ塩基である。5&#039;末端はVPgタンパク質と共有結合しており、3&#039;末端はポリアデニル化されている。「非構造タンパク質(ORF1)」「構造タンパク質1 (VP1)」「構造タンパク質2 (VP2)」の3つのタンパク質コード領域が存在し、このうちORF1は翻訳後にウイルス由来のプロテアーゼによって6つのタンパク質に分断される。VP1とVP2はゲノムRNAから複製されるサブゲノムRNAから翻訳され、ウイルスの[[カプシド]]を構成する。&lt;ref name=&quot;genome&quot;&gt;{{cite journal|author=Thorne &amp; Goodfellow|year=2014|title=Norovirus gene expression and replication|journal=J Gen Virol|volume=95|issue=2|pages=278-291|doi=10.1099/vir.0.059634-0}}&lt;/ref&gt;<br /> <br /> ORF1から生じる6つのタンパク質は5&#039;端側から順に以下の通りである。&lt;ref name=&quot;genome&quot; /&gt;<br /> #p48<br /> #:細胞由来のプロテアーゼによってさらに2つに分断され、p22と共に複製複合体の形成に関わる<br /> #NTPase<br /> #:<br /> #p22<br /> #:<br /> #VPg<br /> #:ウイルスゲノムの5&#039;末端に結合するタンパク質で、[[5&#039;キャップ]](m&lt;sup&gt;7&lt;/sup&gt;GTP)の代わりに翻訳開始複合体の形成に関わる<br /> #Pro<br /> #:プロテアーゼでORF1翻訳産物を分断するのに必要<br /> #Pol<br /> #:[[RNA依存性RNAポリメラーゼ]]で、ウイルスゲノムの複製に関わる<br /> <br /> なおネズミのノロウイルス(GV)の場合、VP1のコード領域と重なるように第4のコード領域が存在している。これはカリシウイルス科の中でも珍しく、サポウイルスとネズミノロウイルスのみの特徴である。ここから翻訳されるタンパク質VF1は宿主細胞のミトコンドリアに移行し、自然免疫応答を制御している。&lt;ref name=&quot;genome&quot; /&gt;<br /> <br /> == 分類 ==<br /> ノロウイルス属は、[[ウイルスの分類]]上第4群(プラス一本鎖[[RNAウイルス]])の[[カリシウイルス科]]に属している。ノロウイルス属には[[ノーウォークウイルス]]1種のみが認められているが、おそらく種に相当するであろうジェノグループ5つが認識されている。ヒトに感染するのはGI、GII、GIVの3種類で、GIIIはウシやヒツジ、GVはネズミに感染する。またGIIはヒト以外にブタにも感染する。&lt;ref&gt;{{cite journal|author=Zheng et al.|year=2006|title=Norovirus classification and proposed strain nomenclature|journal=Virology|volume=346|issue=2|pages=312-323|doi=10.1016/j.virol.2005.11.015}}&lt;/ref&gt;<br /> <br /> 現在はVP1領域およびORF1のポリメラーゼ領域それぞれの遺伝子型を使って、詳しく分類されている。VP1領域はGIで9つ、GIIで22の遺伝子型がある。またGII.4型は多様性に富んでおり、それをさらに詳しく分類することも行われている。<br /> &lt;ref&gt;{{cite journal|author=Kroneman et al.|year=2013|title=Proposal for a unified norovirus nomenclature and genotyping|journal=Arch Virol|volume=158|issue=10|pages=2059-2068|doi=10.1007/s00705-013-1708-5}}&lt;/ref&gt;&lt;ref name=&quot;genotype2015&quot; /&gt;<br /> <br /> == 歴史 ==<br /> * [[1968年]]、[[アメリカ合衆国]][[オハイオ州]][[ノーウォーク (オハイオ州)|ノーウォーク]]の小学校において集団発生した急性胃腸炎患者の糞便から初めて検出された。地名にちなみ「&#039;&#039;&#039;[[ノーウォークウイルス]]&#039;&#039;&#039; (&#039;&#039;&#039;&#039;&#039;Norwalk virus&#039;&#039;&#039;&#039;&#039;)」と命名される。<br /> * [[1972年]]に[[電子顕微鏡]]による観察でその形態が明らかになり、ウイルス粒子の形態的特徴から英語でSmall Round-Structured Virus(&#039;&#039;&#039;SRSV&#039;&#039;&#039;:&#039;&#039;&#039;小型球形ウイルス&#039;&#039;&#039;)と命名された。その後、このウイルスによる胃腸炎・[[食中毒]]が世界各地で報告されようになった。<br /> * [[1990年]]、SRSVの全[[塩基配列]]が報告された。これにより[[PCR法]]による遺伝子検査等をすることで、同一性検定が可能となった。<br /> * [[2002年]]、第12回国際ウイルス学会(パリ)小委員会において、“Norwalk”のNorにウイルスの属名の接尾語である&quot;virus&quot;を、ラテン語文法に従って連結形&quot;o&quot;で連結したものを学名として採用し、それまで「ノーウォーク様ウイルス属」と呼ばれていたものを「&#039;&#039;&#039;ノロウイルス属&#039;&#039;&#039; (&#039;&#039;&#039;&#039;&#039;Norovirus&#039;&#039;&#039;&#039;&#039;)」と呼ぶことを承認した。<br /> * [[2011年]]、札幌で開かれた[[国際微生物学連合]]2011会議において、「『ノロ(NORO)』姓の子供たちがいじめやからかいを受けるおそれがある」という国際ウイルス分類委員会への指摘に対し、同委員会は「ノロウイルス」名称について各国の専門家たちと深く議論を行う。「&#039;&#039;&#039;ノロウイルス&#039;&#039;&#039;というのは属名であって、そのようなウイルス種名は存在しない。ゆえに正しい呼称(種名である&#039;&#039;&#039;ノーウォークウイルス&#039;&#039;&#039;)を使用すべきである。またノーウォークウイルスに起因する病気の発生に対して『ノロウイルス』という用語を使用しないよう、メディア、医療/保健の各機関、科学者団体に強く求める」という趣旨のプレスリリースを発表。また同内容を同委員会公式ホームページ会報&lt;ref&gt;{{citation<br /> |url=http://talk.ictvonline.org/files/ictv_documents/m/newsletters/4069.aspx<br /> |title=2011 ICTV Newsletter #9, November 2011<br /> |date=2011年11月14日<br /> |publisher=国際ウイルス分類委員会}}&lt;/ref&gt;上にも発表。<br /> <br /> == ノロウイルス属(ノーウォークウイルス種)感染症 ==<br /> ノロウイルス属(ノーウォークウイルス種)はヒトに経口感染して[[十二指腸]]から小腸上部で増殖し、[[伝染病|伝染性]]の消化器[[感染症]]([[感染性胃腸炎]])を起こす。毒素は分泌せずに十二指腸付近の小腸上皮細胞を脱落させ&lt;ref&gt;[http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/200612/502109.html ノロウイルスで十二指腸上皮が全滅する] 日経メディカルオンライン 2006/12/19&lt;/ref&gt;、特有の症状を発生させる。死に至る重篤な例は稀であるが、苦痛が極めて大きく、稀に十二指腸潰瘍を併発することもある。特異的な治療法は確立されていない。感染から発病までの潜伏期間は12時間 - 72時間(平均1 - 2日)で、症状が収まった後も便からのウイルスの排出は1 - 3週間程度続き、7週間を越える排出も報告されている&lt;ref&gt;[http://idsc.nih.go.jp/iasr/31/369/dj3694.html ノロウイルス陽性となった調理従事者の陰性確認検査―東京都(Vol.31 p.319-320: 2010年11月号)]&lt;/ref&gt;。年間を通じて発症するが、11-3月の発症が多く報告される。また、感染しても典型的な食中毒症状を呈さない&#039;&#039;&#039;不顕感染&#039;&#039;&#039;の比率は不明であったが、2015年に新潟医療福祉大学らの研究グループは 1% 程度の不顕感染者がいる事を報告している&lt;ref&gt;生駒俊和、野崎涼子、浅井孝夫ほか、【原著】『新潟県の食品取扱業者におけるノロウイルス感染予防対策の実際と不顕性感染者の頻度』 医学検査 Vol.64 (2015) No.2 p.155-162, {{DOI|10.14932/jamt.14-41}}&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> 2007年5月に報告された厚生労働省食中毒統計による2006年の食中毒報告患者数は、71%がノロウイルス属(ノーウォークウイルス種)感染症である&lt;ref name=&quot;Nov57_181&quot;/&gt;。ヒトへの感染においては血液型で感染率に差があり、血液型抗原であるH(O), A, Le&lt;sup&gt;b&lt;/sup&gt;型抗原に吸着されやすいことから、O型は罹患しやすくB型は罹患しにくいことが報告されているが、これはウイルス株の各遺伝子型によって様々であることが明らかになっており、日本も含め世界中で流行しているGII/4遺伝子型株などは、H(O), A, Bの全てを含む多様な抗原に吸着されやすいことが判明している&lt;ref name=&quot;Nov57_181&quot;&gt;白土(堀越) 東子, 武田 直和: [http://doi.org/10.2222/jsv.57.181 ノロウイルスと血液型抗原] ウイルス Vol.57, pp.181-189 (2007)]&lt;/ref&gt;。ヒト以外では発症しないとされ、発症機序を含め十分に解明されていない。<br /> <br /> === 症状 ===<br /> 主な症状は、嘔吐・下痢・発熱で、症状には個人差があるが、主な症状は突発的な激しい吐き気や嘔吐、下痢、腹痛、悪寒、38℃程度の発熱で、嘔吐の数時間前から胃に膨満感やもたれを感じる場合もある。これらの症状は通常、1、2日で治癒し、後遺症が残ることもない。ただし、[[免疫]]力の低下した老人や乳幼児では長引くことがあり、死亡した例(吐瀉物を喉に詰まらせることによる窒息、誤嚥性肺炎による死亡転帰)も報告されている。<br /> <br /> また感染しても発症しないまま終わる場合(不顕性感染)や[[風邪|風邪症候群]]と同様の症状が現れるのみの場合もある。一般に「嘔吐、下痢、腹痛を伴う風邪」という表現があるが、それらが実はノロウイルス属(ノーウォークウイルス種)による感染症の可能性も低くはなく([[エンテロウイルス]]等の他の原因もある)、単なる風邪ではない場合がある。これらの人でもウイルスによる感染は成立しており、糞便中にはウイルス粒子が排出されているため、注意が必要である。<br /> <br /> === 感染経路 ===<br /> ノロウイルス属(ノーウォークウイルス種)による感染症は[[経口感染]]が原因で、その感染経路から以下に大別できる。<br /> # 飲食物からの感染(感染型食中毒)&lt;br /&gt;a. 食中毒:ウイルスを蓄積した食材およびウイルスで汚染された食品を喫食して感染。&lt;br /&gt;b. 水系感染:水道水、井戸水などがウイルスで汚染され、その水を飲み感染。<br /> # ヒトからヒト&lt;br /&gt;c. 感染者の糞便や吐瀉物から[[便器]]や手指を介して感染。(ドアのノブなどからもウイルスが発見される事例がある)&lt;br /&gt;d. 感染者の糞便や吐瀉物に排出されたウイルスが付着し、飛散した飛沫から[[空気感染]]。([[飛沫感染]]或いは塵埃感染とも呼ばれる)&lt;br /&gt;e. 感染者が十分に手を洗わず調理した食品を食べ感染。(エタノールや逆性石鹸に対する抵抗性があり、水道水に含まれる塩素にもある程度の耐性を持っているため、洗浄が不十分になりやすい)&lt;br /&gt;<br /> <br /> 販売あるいは調理提供する食品そのものの衛生管理の(食品衛生学的な)立場からは『飲食物からの感染』のケースが、[[院内感染]]などの[[感染管理]]の立場からは『ヒトからヒト』のケースが特に問題とされるが、症状や経過には感染経路による違いはない。[[国立感染症研究所]]の[[病原微生物検査情報]](2006/2007年の統計)の集団感染事例の集計によると、原因食品が明確ではないケースが約6割を占めており、汚染食品の摂食よりはるかに多い原因となっている。<br /> <br /> ノロウイルス属(ノーウォークウイルス種)は、衣服や寝具、家庭用品、家具などの表面で数週間生存することができる。感染経路の遮断には手洗いや器具の洗浄が必須である&lt;ref&gt;J Infect Dis 2012 Jun 1; 205:1639.&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;J Infect Dis 2012 Jun 1; 205:1622.&lt;/ref&gt;。また[[アルコール]](75%エタノール)では不活化されない。<br /> <br /> ==== 感染型食中毒 ====<br /> {{食の安全}}<br /> {{言葉を濁さない|date=2013年7月|section=1}}<br /> ノロウイルス属(ノーウォークウイルス種)による食中毒は、糞便由来のウイルスを含む下水が流れ込む河川や海に生息する動物、とくに[[カキ (貝)|カキ]]や[[アサリ]]、[[シジミ]]などの二枚貝によるものが最も多いと言われてきた。これは、カキを生食する機会は冬場が多いこと、比較的高率でカキからウイルスが検出されたこと、などが理由と考えられている。<br /> <br /> ノロウイルス属(ノーウォークウイルス種)は貝類自体には感染しないと考えられている。すなわち、これらの貝の体内でウイルスが直接に増殖することはない。しかしこれらの貝では[[消化器|消化器官]]、特に食物の細胞内[[消化]]を行う[[中腸腺]]に海水中から濾過摂食されたウイルスが[[生物濃縮]]によって蓄積することが知られており、このことが魚介類由来の食中毒の原因だと考えられている。カキなど貝の汚染源は徐々に解明されつつある。{{main|#魚介類の汚染源}}<br /> <br /> しかし、ノロウイルス属(ノーウォークウイルス種)感染症の原因食材がカキと特定される割合は年々低下しており、[[2006年]]後半にはカキが食材と特定された集団食中毒は発生しなかった。疫学的な知見からは、カキ以外の食材、たとえば最近では韓国産の漬物の一部、&lt;ref&gt;[http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/12/06/2012120600765.html ノロウイルス汚染の疑い、キムチなど700トン回収へ-朝鮮日報日本語版]&lt;/ref&gt;あるいは直接・間接的なウイルスへの接触による、原因の特定しづらい感染経路が圧倒的であると考えられる。また、二枚貝にウイルスが蓄積するという知識が浸透し、食用生ガキの流通経路においてその対策もとられつつあることがカキを原因とする食中毒の減少にもつながっていると考えられる&lt;ref name=&quot;jst46_235&quot;/&gt;。2011年5月に千葉県で生[[シラス]]が原因と考えられる集団食中毒事例が報告されたが、ウイルスがシラスの体内、体表のどちらを汚染していたのかは判明していない&lt;ref&gt;[http://idsc.nih.go.jp/iasr/32/382/dj3828.html 生シラスが原因食品と疑われる有症苦情事例―千葉市(Vol. 32 p. 363-364: 2011年12月号)]&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> ==== 臨床像 ====<br /> ノロウイルス属(ノーウォークウイルス種)はヒトの十二指腸から上部小腸腸壁細胞に感染して増殖し、新しく複製されたウイルス粒子が腸管内に放出される。ウイルス粒子は感染者の糞便と共に排出されるほか、嘔吐がある場合は胃にわずかに逆流した腸管内容物とともに吐瀉物にも排出される。糞便や吐瀉物がごくわずかに混入した飲食物を摂取したり、汚物を処理したときに少数のウイルス粒子が手指や衣服、器物などに付着し、そこから食品などを介して再び経口的に感染する。<br /> <br /> またノロウイルス属(ノーウォークウイルス種)の場合、10から100個程度の少数のウイルスが侵入しただけでも感染・発病が成立すると&lt;ref&gt;[http://idsc.nih.go.jp/pathogen/refer/noro-kaisetu1.html ノロウイルスの遺伝子型]&lt;/ref&gt;考えられており、わずかな糞便や吐瀉物が乾燥した中に含まれているウイルス粒子が空気を介して(空気感染で)経口感染することもあると考えられている。すなわち、嘔吐直後にエアロゾルとなったウイルスを直接吸引する、あるいは塵埃に付着したウイルスを吸引して感染することもある。これは、大多数集団感染(院内感染など)の原因として最近、重視されるようになってきた。<br /> <br /> 発病した人はもちろん、[[不顕性感染]]に終わったり胃腸症状が現れなかった人でも[[無症候性キャリア]]として感染源になる場合があり、食品取り扱い時には十分な注意が必要である。また、症状消失後も1週間から1ヶ月間ウイルスを便中に排出することがある&lt;ref name=&quot;jst46_235&quot;&gt;西尾 治, 秋山 美穂, 愛木 智香子, 杉枝 正明, 福田 伸治, 西田 知子, 植木 洋, 入谷 展弘, 篠原 美千代, 木村 博一, [http://doi.org/10.3358/shokueishi.46.235 ノロウイルスによる食中毒について] 食品衛生学雑誌, 46, 235-245 (2005)&lt;/ref&gt;事から、3〜5日程度の営業停止になった飲食店が、営業再開後に再び食中毒事件を発生させることも多い。<br /> <br /> === 診断 ===<br /> ノロウイルス属(ノーウォークウイルス種)はその培養(増殖)方法がまだ見つかっていないため、糞便中のウイルス粒子を直接(増やさずに)検査する必要がある。&lt;br /&gt;<br /> 下記手法が主に診断に用いられている。<br /> # 電子顕微鏡下で糞便中にウイルス粒子を目視確認。<br /> # [[ELISA]]法。但し、ELISA法ではウイルスが少量である場合は検出できないこともある。<br /> # [[逆転写ポリメラーゼ連鎖反応|RT-PCR]]法。RT-PCR法は糞便のみならず、患者吐物・カキなどからの遺伝子検出にも威力を発揮する。リアルタイムRT-PCR法ではウイルス遺伝子のコピー数も測定できる。<br /> # 生物発光酵素免疫測定法(BLEIA)&lt;ref&gt;生物発光酵素免疫測定法(BLEIA®)を用いた高感度な便中ノロウイルス検出試薬BL-NV‘栄研’の有用性評価, 日本食品微生物学会雑誌 Vol.30 (2013) No.4 p.193-197, {{JOI|DN/JST.JSTAGE/jsfm/30.193}}&lt;/ref&gt;。ホタル[[ルシフェラーゼ]]発光酵素を利用した酵素免疫測定法による超高感度な検出方法で、120検体/時間の全自動測定装置が可能&lt;ref&gt;{{PDFlink|[http://www.eiken.co.jp/news/pdf/20120816-1.pdf 世界初の生物発光を利用した超高感度『全自動生物化学発光免疫測定装置 BLEIA(R)-1200] 栄研化学}}&lt;/ref&gt;。<br /> {{いつ範囲|かつて|date=2016年4月}}は、電子顕微鏡法が利用されていたが、{{いつ範囲|現在|date=2016年4月}}では RT-PCR が主流となっている。<br /> <br /> 研究用検査試薬としては、イムノサーチ&amp;reg;NVが上市されている。糞便中のノロウイルス抗原を[[イムノクロマト法]]により検査し、15分で結果が出る。臨床検査としては「クイックナビ-ノロ」が上市され、保険適用となっている。&lt;ref&gt;[http://denka-seiken.jp/japanese/html//secure/products/poct03.htm クイックナビ] デンカ生研&lt;/ref&gt;ただし健康保険では、3歳未満または65歳以上などの制約がある。<br /> <br /> === 治療 ===<br /> ノロウイルス属(ノーウォークウイルス種)に有効な抗ウイルス薬は存在しない。下痢がひどい場合には水分の損失を防ぐために輸液などを対症療法的に用いる場合がある。また止瀉薬(下痢止め)の使用については、ウイルスを体内にとどめることになるので用いるべきでないと言う専門家もいる。医師の指示がなく、仕事等の生活上でも特に必要でない場合は下痢止めの服用は避けるのが賢明だという説もある。日本国厚生労働省は止瀉薬使用を望ましくないと記載しているが、ここまでに明言しているのは米国FDAとは対照的である&lt;ref&gt;{{PDFlink|[http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/yobou/dl/040204-1.pdf ノロウイルスに関するQ&amp;A(日本国厚生労働省、PDF)]}} Q10においては「止しゃ薬(いわゆる下痢止め薬)は、病気の回復を遅らせることがあるので使用しないことが望ましいでしょう」と記載されている。&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> しかし、臨床の現場では[[易感染宿主]](コンプロマイズドホスト、免疫力の著しく低下した患者)の死因は重症下痢に起因する症例も散見されるため、重症例においては患者の電解質データなどを含め、止瀉薬の使用の是非は総合的に判断すべきである。ノロウイルス属(ノーウォークウイルス種)は主に小腸上皮細胞で増殖することはわかっているが、止瀉薬は主に大腸に作用する。実験室レベルではまだウイルスの大腸細胞での増殖は成功していない。このため、止瀉薬が本当に大腸でのウイルスの生存を促すかは不明である。また、ウイルスの大腸での寿命に関するデータは得られていない。<br /> <br /> 家庭においては、[[経口補水塩|経口補水液]]または[[スポーツドリンク]]を人肌に温めてから飲むことが推奨される。これらが無い場合は0.9%の食塩水(100 mLに食塩0.9gを溶かしたもので、いわゆる[[生理食塩水]]である)を調製し、人肌に温めて飲むことが推奨される。電解質を含まない湯冷まし、お茶などは水分の吸収が遅いので推奨できない。<br /> <br /> === 感染予防 ===<br /> ==== ワクチン ====<br /> このウイルスに対する免疫は感染者でも1〜2年で失われるといわれている。原因は免疫抗体価低下説やウイルスの遺伝型が変化するため抗原性が変化するなどの説があるが、まだ確証は得られていない。このためワクチンの開発は難しい。<br /> <br /> 遺伝子型GI.1を標的とする経鼻型ワクチンが開発中で、18〜50歳の98人を対象とした臨床試験によれば発症を半分近くに抑える効果がある&lt;ref&gt;[http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/nejm/201112/522973.html ノロウイルスワクチン開発で成果、感染・胃腸炎発症が半減] 日経メディカルオンライン 記事:2011.12.27&lt;/ref&gt;。武田薬品工業は臨床第2相後期有効性フィールド試験を開始したという&lt;ref&gt;[https://www.takeda.co.jp/news/2016/20160621_7466.html 世界初となるノロウイルスワクチンのフィールド試験開始について] 武田薬品工業ニュースリリース:2016.6.21&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> ==== 摂取物質 ====<br /> 母乳・牛乳等に含まれる糖タンパク質「[[ラクトフェリン]]」が、消化管細胞の表面に結合することで、ノロウイルス(やロタウイルス)の細胞への感染を防ぎ、発症した場合でも症状を緩和する報告がある&lt;ref name=&quot;Shinkou Ichorou&quot;&gt;{{Cite journal|和書|author=新光一郎・若林裕之|year=2013|title=ラクトフェリンのノロウイルスなどへの感染防御作用|journal=Food Style 21| volume=17|pages=70-71|publisher=日本食品化学新聞社}}&lt;/ref&gt;&lt;ref name=&quot;Egashira Masanori&quot;&gt;{{Cite book|和書 |author=江頭昌典 |coauthors=森内昌子・森内浩幸 |year=2007 |title=ラクトフェリン2007 :ラクトフェリン研究の新たな展望と応用へのメッセージ |publisher=日本医学館|location=東京|editor=日本ラクトフェリン学会第2回学術集会実行委員会編|chapter=ラクトフェリンによるロタウィルス下痢症の予防・軽症化効果 |page=162-165 |isbn=978-4-89044-632-2}}&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;[http://president.jp/articles/-/20954 ノロウイルス大流行!予防効果が高い「低温殺菌牛乳」] プレジデント オンライン記事:2016.12.28&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> ==== 衛生管理 ====<br /> 上述した感染経路を考慮すると、特に飲食物を扱う人が十分な衛生管理を行うことが効果的な感染予防につながる。<br /> <br /> 特に調理者が&#039;&#039;&#039;十分に[[手洗い]]すること&#039;&#039;&#039;、そして調理器具を衛生的に保つことが重要である。ノロウイルス属(ノーウォークウイルス種)は[[エンベロープ (ウイルス)|エンベロープ]]を持たないウイルスではあるが、[[逆性石鹸]]([[塩化ベンザルコニウム]])、[[エタノール|消毒用エタノール]]などが一般的な感染症対策として用いられる。&lt;ref&gt;[http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html#14 ノロウイルスに関するQ&amp;A] 厚生労働省&lt;/ref&gt;また、高純度エタノールも有効である。<br /> <br /> また、ノロウイルス属(ノーウォークウイルス種)は60℃30分の加熱では感染性は失われず、85℃以上1分間以上の加熱によって感染性を失うため、特にカキなどの食品は中心部まで&#039;&#039;&#039;充分加熱すること&#039;&#039;&#039;が食中毒予防に重要である。生のカキを扱った包丁やまな板、食器などを、そのまま生野菜など生食するものに用いないよう、調理器具をよく洗浄・塩素系漂白剤による消毒をすることも大事である。<br /> <br /> 洗浄と消毒の順番については第1に&#039;&#039;&#039;洗浄&#039;&#039;&#039;(と十分なすすぎ)、第2に&#039;&#039;&#039;消毒&#039;&#039;&#039;である。この順番を逆にすると効果が弱くなってしまう。<br /> <br /> 厚生労働省ノロウイルス食中毒予防対策リーフレットによれば、一般家庭では吐瀉物や汚物の付いた衣類の消毒には&lt;nowiki&gt;&#039;&#039;次亜塩素酸ナトリウム&#039;&#039;&lt;/nowiki&gt;の0.1%水溶液(1000ppm、塩素系漂白剤5%液の50倍希釈、例えば500mL PETボトルに水500mLと塩素系漂白剤5%液10mLを混和)への浸漬が、また食器、カーテン、ドアノブ、スイッチ、トイレの便座表面などの消毒には0.02%水溶液(200ppm、塩素系漂白剤5%液の250倍希釈、例えば500mL PETボトルに水500mLと塩素系漂白剤5%液2mLを混和)のスプレー使用が勧められている&lt;ref&gt;{{PDF|[http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/dl/link01-01_leaf01.pdf ノロウイルス食中毒予防対策リーフレット]}} 厚生労働省&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> 生食用カキの食品衛生法の規格基準においてノロウイルス属(ノーウォークウイルス種)に関する基準は設定されていないので、「生食用」と表示された場合でも「ウイルスがいない」という保証があるわけではない。消費期限内であるか否かにかかわらず感染源となる場合もありうる。ただし、自主的に検査を行っている[[水産加工]]業者などもかなり増え、カキの生食が一律に危険というわけではない。過剰な反応に対しては[[風評被害]]という指摘もされている&lt;ref&gt;「[http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&amp;d=20061217&amp;j=0022&amp;k=200612163399 カキ「風評被害」に悲鳴 今季の感染例ゼロ ノロウイルス食中毒]」、[[北海道新聞]]2006年12月17日。&lt;/ref&gt;。もちろん、検査義務が法制化されているわけでも全ての業者が自主検査を行っているわけでもない。そして、自主検査におけるサンプリングの妥当性および出荷見合わせの有効性は確認されていない。よって、一律に安全なわけでもない。[[厚生労働省]]や[[保健所]]もカキの生食用販売を積極的には禁じていないがカキ等の二枚貝については充分加熱した後に食べるよう呼びかけている。<br /> {{Double image aside|right|Calmic MK7.jpg|200|C75-MK7.jpg|200|便器に消毒薬剤を供給する[[サニタイザー]](日本カルミック製)|[[サニタイザー]]が連結され消毒、洗浄薬剤が供給される便器の例}}<br /> <br /> 乾燥した糞便や吐瀉物から飛散したウイルスを吸い込んだり、または接触することにより感染するため、感染者の糞便や吐瀉物を処理、便器を清掃する場合は、手袋・マスクを使用し直接手で触れないよう注意し、作業後は手をよく洗うよう心掛ける。汚染物は飛散せぬよう袋に密閉し処分する。汚染された場所を消毒する際、前出のようにウイルスは逆性石鹸や消毒用エタノールに対する抵抗力が強いため、これらによる消毒はほとんど効果がない。現在細胞を用いても培養方法が存在しないため消毒つまりウイルス不活化に対する確証は得られていないが、[[次亜塩素酸ナトリウム]]に対する抵抗力は比較的弱いのではないかと想像されている。感染者のいる場合、トイレ・ドアノブ・蛇口・手すりなどは汚染しやすい箇所であるため、汚れを落とした後に消毒する。また、なるべく&#039;&#039;&#039;直接手で触れない&#039;&#039;&#039;方が良い&lt;ref&gt;[http://www.ntv.co.jp/sekaju/onair/151205/01.html 国立感染症研究所推奨新型ノロウイルス対策][[世界一受けたい授業]]([[日本テレビ系列]])2015年12月5日放送(2015年12月22日閲覧)&lt;/ref&gt;。ノロウイルス属(ノーウォークウイルス種)は症状が消失した後も3〜7日(場合によっては2週間以上)はウイルスが排出されることに留意しなくてはならない。消毒対象が布などの耐熱性のあるものの場合、スチームアイロンの活用も有効である。<br /> <br /> また、病院やデパート、ホテル、駅、等の不特定、多数の利用がある[[トイレ]]では、[[便器]]の洗浄水に洗浄、消毒剤を添加させる[[サニタイザー]]が取付けられ、便器を洗浄する度に便器から消毒剤が一定量出て薬剤で洗浄される為に便器からの飛沫による感染予防にも有効となる。<br /> <br /> == 流行 ==<br /> 2000年代は遺伝子型「GⅡ/4」と呼ばれる特定のノロウイルスが世界各地で流行し、集団発生を起こしている。厚労省の食中毒統計(平成17年度版)によると全食中毒患者の33%を占めており患者数では最大であり、日本での流行は冬(11月〜2月)に多いが、流行年によっては流行時期には偏りがある&lt;ref&gt;[http://idsc.nih.go.jp/iasr/prompt/graph/srsvj.gif 検出されたSRSVの内訳、2002/03〜2010/11シーズン 病原生物検出情報:2011年9月6日現在報告数] 国立感染症研究所&lt;/ref&gt;。2006/07流行年は、当時過去最悪と言われる1000万人規模の報告患者数を記録し&lt;ref&gt;[http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html ノロウイルスに関するQ&A] 厚生労働省&lt;/ref&gt;、以後患者数は減少していたが、2012/13流行年は2006/07流行年に匹敵する患者数が予測されている&lt;ref&gt;[http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002pa7y.html ノロウイルスによる食中毒や感染に注意 〜感染性胃腸炎の患者数は、過去10年の同時期で2番目に多い水準〜] 厚生労働省&lt;/ref&gt;。<br /> この、2012/13流行年の患者数の増加は遺伝子型「GⅡ/4」の変異株によると考えられている&lt;ref&gt;[http://www.nihs.go.jp/fhm/fhm4/fhm4-nov015.html ノロウイルス遺伝子型GII/4の発生動向と特徴] 国立医薬品食品衛生研究所&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;[http://www.nih.go.jp/niid/ja/norovirus-m/norovirus-iasrs/2957-pr3942.html ノロウイルスGII/4の新しい変異株の遺伝子解析と全国における検出状況] 国立感染症研究所&lt;/ref&gt;。<br /> : 米国CDCは、日本を含む48カ国の患者約19万例のメタ解析の結果、全世界の急性胃腸炎の2割はノロウイルスが原因と報告した&lt;ref&gt;Ahmed SM, et al. Global prevalence of norovirus in cases of gastroenteritis: a systematic review and meta-analysis. Lancet Infect Dis, 27 June 2014. {{doi|10.1016/S1473-3099(14)70767-4}}&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> 2014年後半から主要流行株に変化がありヨーロッパ、アメリカ、日本で検出例の少ない遺伝子型「GII.17型 Kawasaki variant」が流行している&lt;ref name=&quot;genotype2015&quot;&gt;[http://www.nih.go.jp/niid/ja/norovirus-m/norovirus-iasrs/5913-pr4274.html ノーウォークウイルス(ノロウイルス)の遺伝子型(2015年改訂版)掲載日:2015/9/8] 国立感染症研究所&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;[http://www.nih.go.jp/niid/ja/norovirus-m/norovirus-iasrd/5695-kj4233.html ノロウイルスGII.17型の流行とその特徴について-三重県] 国立感染症研究所 IASR Vol.36 p.91-92: 2015年5月号&lt;/ref&gt;。また国立感染症研究所は免疫をもつ人が少ないため2015年は 「GII.17型 Kawasaki variant」が大流行するおそれがあるとした&lt;ref&gt;[http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150828/k10010208101000.html ノロウイルスが変異 免疫持たず大流行のおそれ]NHK 2015年8月28日&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;[http://wwwnc.cdc.gov/eid/article/21/8/15-0652_article Genome of Emerging Norovirus GII.17, United States, 2014]EID July 2015&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;[http://www.eurosurveillance.org/ViewArticle.aspx?ArticleId=21178 Emergence of a novel GII.17 norovirus – End of the GII.4 era?]Eurosurveillance, Volume 20, Issue 26, 02 July 2015 &lt;/ref&gt;。<br /> <br /> == 魚介類の汚染源 ==<br /> 日本では、[[カキ (貝)|カキ]]など魚介類の汚染源は[[下水道]]の処理水に由来していると考えられる&lt;ref name=&quot;MM0604-04&quot;/&gt;。それは、感染性胃腸炎の流行時期(主に冬期)に、下水処理場(下水道)や海に流入するウイルスの数が増加&lt;ref&gt;山本 俊夫, 島津 智浩, 遠藤 善宏, 白石 廣行, 影山 努, (2005) [http://doi.org/10.2965/jswe.28.515 宮城県内の牡蛎養殖海域に流入する河川水中のノロウイルスの定量] 水環境学会誌 Vol.28 (2005) No.8 P515-521&lt;/ref&gt;し、下水処理システムでは処理水中のウイルスの無力化(不活化)を目的とした処理がされていない為である。従って、結果的に下水処理場で処理しきれなかったウイルスは海や上水道の取水施設に流入する&lt;ref name=&quot;MM0604-04&quot;&gt;{{PDFlink|[http://www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/pdf/MM0604-04.pdf 水中病原ウイルスによる水環境汚染の実態]|}} モダンメディア 2006年4月号(第52巻4号)&lt;/ref&gt;。なお、上水道用水の浄化方法として多く用いられている[[急速濾過]]と[[塩素消毒]]を組み合わせた方法では[[大腸菌]]や[[ウエルシュ菌]]などの病原性細菌の除去は出来るが、「[[クリプトスポリジウム]]」原虫や「ノロウイルス」等の塩素耐性の強いウイルスは、除去出来ていない&lt;ref&gt;{{PDFlink|[http://www.niph.go.jp/soshiki/suido/pdf/h17virus/H17virus-part4.pdf 水道水のウイルス汚染の健康影響評価に関する検討]}} 国立保健医療科学院&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;{{PDFlink|[http://www.saitama-med.ac.jp/jsms/vol28/03/t77_84.pdf 水道水汚染によるクリプトスポリジウム症の集団発生]}} 埼玉医科大学雑誌, 2001&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> 一方、下水[[汚泥]]や[[糞尿]]の[[海洋投入]](海洋投棄)が行われている場合、水域全体がウイルスにより汚染されている場合がある。2012年6月には[[アメリカ合衆国]]の[[アメリカ食品医薬品局|食品医薬品局]]が[[大韓民国]](韓国)からのカキ、[[二枚貝]]、[[イガイ科|ムール貝]]の衛生基準が不十分であるとして市場からの回収要請を出している&lt;ref&gt;{{PDFlink|[http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2012/foodinfo201213m.pdf 食品安全情報(微生物) No.13 (2012.06.27)]}}国立医薬品食品衛生研究所&lt;/ref&gt;。<br /> 国内でも、[[昭和40年代]]まで主に[[瀬戸内海]]に於いて、畜舎排水、[[し尿]]の海洋投棄が一般的であった&lt;ref&gt;[https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/honbun.php3?kid=148&amp;bflg=1&amp;serial=1194 環境白書昭和48年度第5節第1項瀬戸内海の汚濁の現況]&lt;/ref&gt;。汚濁の影響は平成に入ってからも残っている&lt;ref&gt;[https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/hakusyo.php3?kid=201 環境白書平成元年度第5節第1項海洋汚染の現況]&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> == 脚注 ==<br /> {{reflist|2}}<br /> <br /> == 関連項目 ==<br /> * [[食中毒]]<br /> * [[ウイルス]]<br /> * [[ウイルスの分類]]<br /> * [[カキ (貝)]]<br /> <br /> == 外部リンク ==<br /> ;ウイルス<br /> * [http://idsc.nih.go.jp/iasr/32/382/dj3829.html ノロウイルスの遺伝子型(Vol. 32 p. 365-366: 2011年12月号)] 国立感染症研究所<br /> <br /> ;感染症関連<br /> * [[厚生労働省]]<br /> ** [http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html 厚生労働省:ノロウイルスに関するQ&amp;A]<br /> ** [http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/index.html 厚生労働省:食中毒・食品監視関連情報]<br /> ** {{PDFlink|[http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/10/dl/s1012-5a.pdf ノロウイルス食中毒対策について(提言)]}}<br /> * [http://www2.city.shimonoseki.yamaguchi.jp/www/contents/1134537023705/files/noroqanda.pdf 厚生労働省通知:ノロウイルスによる感染性胃腸炎の集団発生に係る指導等の実施困難事例における対応について]<br /> * [http://www.fsc.go.jp/senmon/biseibutu/risk_profile/bivalvesnorovirus.pdf 食品安全委員会:食品健康影響評価のためのリスクプロファイル 〜カキを主とする二枚貝中のノロウイルス〜]<br /> * [http://idsc.nih.go.jp/ 国立感染症研究所]<br /> ** [http://idsc.nih.go.jp/disease/norovirus/taio-b.html ノロウイルス感染症とその対応・予防(医療従事者・施設スタッフ用)] {{PDFlink|[http://idsc.nih.go.jp/disease/norovirus/NV0618-b2.pdf 同 PDF]}}2014年5月29日閲覧。<br /> ** [http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/kanshi/031105-1.html ノロウイルスの検出法について(厚労省通知)]<br /> ** [http://idsc.nih.go.jp/iasr/rapid/index-kv.html 速報記事(ウイルス)]<br /> ** 感染症情報センター [[病原微生物検出情報]](月報 IASR)特集<br /> *** [http://idsc.nih.go.jp/iasr/24/286/inx286-j.html ノロウイルス感染集団発生 2000年1月〜2003年10月]<br /> *** [http://idsc.nih.go.jp/iasr/26/310/inx310-j.html ノロウイルス感染集団発生 2003年9月〜2005年10月]<br /> ** 感染症情報センター [[感染症発生動向調査週報]](IDWR)◆感染症の話<br /> *** [http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k04/k04_11/k04_11.html ノロウイルス感染症(2004年第11週号)]<br /> * [http://www.cdc.gov/norovirus/index.html アメリカ疾病予防管理センター (CDC) Norovirusのページ(英語)]<br /> * {{PDFlink|[http://www.maruishi-pharm.co.jp/med2/files/disinf/support/22/sup.pdf?1388987605 ノロウイルス-概要と感染対策-]}}丸石製薬株式会社 2014年5月29日閲覧。<br /> <br /> {{DEFAULTSORT:のろういるす}}<br /> [[Category:ノロウイルス|*]]<br /> [[Category:カリシウイルス科]]<br /> [[Category:腸管感染症]]<br /> [[Category:ウイルス感染症]]<br /> [[Category:ウイルス]]<br /> [[Category:RNAウイルス]]<br /> [[Category:食中毒]]</div> 124.109.10.216 ミサ 2018-07-07T00:54:40Z <p>124.109.10.216: /* 教派用語 */</p> <hr /> <div>{{Otheruses}}<br /> &#039;&#039;&#039;ミサ&#039;&#039;&#039;({{Lang-la|missa}}, {{Lang-en-short|mass}})は、[[カトリック教会]]において[[パン]]と[[ワイン|ぶどう酒]]を[[聖別]]して[[聖体]]の[[秘跡]]が行われる[[典礼]](祭儀)。[[司教]]または[[司祭]]が司式し、信者全体が捧げるものとして位置づけられており&lt;ref name=&quot;rc197&quot;&gt;新要理書編纂特別委員会/編、日本カトリック司教協議会/監修(2003年)『カトリック教会の教え』197頁、カトリック中央協議会、ISBN 9784877501068&lt;/ref&gt;、カトリック教会で最も重要な典礼儀式である。<br /> <br /> カトリック教会における他の典礼や、[[キリスト教]]の他[[キリスト教諸教派の一覧|教派]]における[[礼拝]]([[公祈祷]])一般をまとめて「ミサ」と呼ぶ事例がマスメディアや書籍などでさえも多く見られるがこれは誤りである&lt;ref name=&quot;oikawa139&quot;&gt;及川信『オーソドックスとカトリック―どのように違うのか歴史と多様性を知る 第二部 三「ミサではないのに」』139頁 - 140頁、サンパウロ ISBN 9784805612279&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;[http://gohoo.org/column/140206/ 「冷水に入るロシア正教の洗礼式」は誤報?] GoHoo([[日本報道検証機構]])&lt;/ref&gt;。「ミサ」とは、本項で詳述するカトリック教会における聖体の秘跡にかかる典礼だけを指す語彙である&lt;ref name=&quot;dai1033&quot;&gt;『キリスト教大事典 改訂新版』1033頁、[[教文館]]、昭和52年 改訂新版第四版&lt;/ref&gt;。カトリック教会のミサは、[[正教会]]では&#039;&#039;&#039;[[聖体礼儀]]&#039;&#039;&#039;に、[[聖公会]]&lt;ref&gt;[http://www.nskk.org/chubu/cdc/bridal/Guide2.html 日本聖公会名古屋聖マタイ教会]&lt;/ref&gt;および[[プロテスタント]]&lt;ref name=&quot;dai1033&quot; /&gt;では&#039;&#039;&#039;[[聖餐式]]&#039;&#039;&#039;に相当する。<br /> <br /> 特に、正教会&lt;ref name=&quot;oikawa139&quot; /&gt;およびプロテスタントでは「ミサ」という表記は全く使われない。教派や祈祷の種別を問わない場合は「[[礼拝]]」という表現を使うのが無難である。<br /> <br /> ミサの様式は世界共通で、大多数の地域のカトリック教会で「ラテン典礼と呼ばれる様式によって行われるが、[[東方典礼カトリック教会]]においては、ビザンチン式などラテン典礼と異なるミサが行われることがあり、その場合の詳細な式次第などは後述と異なる場合がある。本項ではラテン典礼を中心に詳述する。古代以来1960年代までラテン典礼におけるミサはすべて[[ラテン語]]で行われていたが、[[第2バチカン公会議]]以降の典礼改革により各国語でも行われることになった。<br /> <br /> == 名称 ==<br /> === 教派用語 ===<br /> 「ミサ」は[[ラテン語]]から転写された[[カトリック教会]]用語であるが、[[片仮名]]で([[日本語]]で)「ミサ」と言えば、本項で詳述しているカトリック教会における[[主の晩餐]]([[最後の晩餐]])に由来する[[聖体]]の[[秘跡]]([[聖変化]])が行われる[[典礼]](祭儀)のみを指す名称であって、カトリック教会における他の典礼をも「ミサ」と呼ぶのは誤りである。たとえばカトリック教会における[[時課]]も、典礼ではあるが、ミサではない。<br /> <br /> なお、外国においては「マス」({{Lang-en-short|mass}}) という表記は[[聖公会]]、[[ルーテル教会]]、[[復古カトリック教会]]で使われる。日本で片仮名表記で「ミサ」と書くのは[[日本聖公会]]では稀であり、日本のルーテル教会に至っては皆無である。聖公会、ルーテル教会では、主の晩餐に由来する礼拝をふつう「&#039;&#039;&#039;聖餐式&#039;&#039;&#039;」と呼ぶ。<br /> <br /> 教会で行われている祈祷について、[[キリスト教]]の[[キリスト教諸教派の一覧|教派]]や祈祷内容が不明な場合は、単に「[[礼拝]]」と呼ぶのが無難である。<br /> <br /> {| class=&quot;wikitable&quot; style=&quot;width:80%&quot;<br /> |-<br /> | colspan=&quot;5&quot; style=&quot;text-align:center; background-color:#cfc&quot;|ミサと礼拝の[[キリスト教諸教派の一覧|教派]]別対照表 <br /> |-<br /> | style=&quot;width:20%; text-align:center&quot; | 教派・組織<br /> | style=&quot;width:20%; text-align:center; background-color:#ddf&quot; | &#039;&#039;&#039;[[カトリック教会]]&#039;&#039;&#039; <br /> | style=&quot;width:20%; text-align:center; background-color:#ddf&quot; | &#039;&#039;&#039;[[聖公会]]&#039;&#039;&#039;<br /> | style=&quot;width:20%; text-align:center; background-color:#ddf&quot; | &#039;&#039;&#039;[[プロテスタント]]&#039;&#039;&#039;<br /> | style=&quot;width:20%; text-align:center; background-color:#ddf&quot; | &#039;&#039;&#039;[[正教会]]&#039;&#039;&#039; <br /> |-<br /> | style=&quot;text-align:center&quot; | 礼拝一般<br /> | style=&quot;text-align:center&quot; | 礼拝&lt;br/&gt;[[典礼]]<br /> | style=&quot;text-align:center&quot; | 礼拝<br /> | style=&quot;text-align:center&quot; | 礼拝<br /> | style=&quot;text-align:center&quot; | 礼拝&lt;br/&gt;[[奉神礼]]<br /> |-<br /> | style=&quot;text-align:center&quot; | [[主の晩餐]]に由来する礼拝<br /> | style=&quot;text-align:center&quot; | ミサ&lt;br/&gt;御ミサ&lt;br/&gt;ミサ聖祭&lt;br/&gt;感謝の祭儀<br /> | style=&quot;text-align:center&quot; | [[聖餐式]]<br /> | style=&quot;text-align:center&quot; | [[聖餐式]]<br /> | style=&quot;text-align:center&quot; | [[聖体礼儀]]<br /> |}<br /> <br /> === 日本語名 ===<br /> カトリック教会において、ミサは「&#039;&#039;&#039;感謝の祭儀&#039;&#039;&#039;」とも言いあらわされる。これは「[[イエス・キリスト]]の死と[[復活 (キリスト教)|復活]]を記念し、その復活の恵みに与る、喜びに満ちた感謝の祭儀」であることを示しており&lt;ref name=&quot;rc197&quot; /&gt;、ミサ式文の最後の部分では「感謝の祭儀(またはミサ聖祭)を終わります。」という言葉が司式[[司祭]]によって唱えられる。このほかにミサを意味する言葉としては「&#039;&#039;&#039;主の晩餐&#039;&#039;&#039;」「&#039;&#039;&#039;聖餐式&#039;&#039;&#039;」がある。「主の晩餐」は、ミサが最後の晩餐に起源をもつこと、「聖餐式」は聖なる会食であることを示している&lt;ref name=&quot;rc197&quot; /&gt;。また、日本のカトリック教会では「&#039;&#039;&#039;ミサ聖祭&#039;&#039;&#039;」&lt;ref&gt;[http://www.tomoshibi.or.jp/tushin/yori/yori25.html 心のともしび-カトリック要理の友:第25課 ミサ聖祭]&lt;/ref&gt;や「&#039;&#039;&#039;御ミサ&#039;&#039;&#039;(ごみさ)」&lt;ref&gt;&quot;おみさ&quot;ではない。&lt;/ref&gt;と呼ばれることもある。<br /> <br /> なお、ミサのことを漢字では「弥撒(彌撒)」と書き、[[中国]]のみならず古くは日本でも漢字で書かれることがあったが&lt;ref&gt;[[1869年]]に発行された「弥撒礼拝式」([http://www.yushodo.co.jp/press/petitjean/ 「プティジャン版集成」(雄松堂書店)])など&lt;/ref&gt;、現代の日本のカトリック教会ではこのような漢字表記が使用されることはない&lt;ref&gt;たとえばカトリックの[[葬儀]]に参列する際の[[香典]]の表書きは「御弥撒料」とも書かれる、と紹介されていることが書籍やネットなどで見受けられるが、これは誤りで、そもそも漢字でなくともカタカナの「御ミサ料」も、実際にカトリック信者の間で香典の表書きとして用いられることはない。カトリックの葬儀の際の香典には「&#039;&#039;&#039;お花料&#039;&#039;&#039;」と書かれるのが一般的である。なお、葬儀ミサや追悼ミサなどの依頼・謝礼として遺族が[[司祭]]に渡す際の表書きとして「御ミサ料」と書かれることは無くはないが、その場合でも「ミサ御礼」という表書きの方が一般的によく用いられている。(参照:[http://shop-pauline.jp/?mode=cate&amp;cbid=115272&amp;csid=5&amp;sort=n 女子パウロ会オンラインショッピング 封筒(お花料、お祝い、お見舞い、お礼他)])&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> === ラテン語 ===<br /> 「ミサ」という名称は、式の最後の[[ラテン語]]の言葉「{{Lang|la|Ite, missa est.}}」({{Lang|la|ite}} = 行きなさい、{{Lang|la|missa est}} = 派遣である)というフレーズの中の語に由来し、{{Lang|la|missa}}(ミサ)は、ラテン語で「派遣」を意味する {{Lang|la|missio}}(ミッシオ)に由来すると言われる&lt;ref name=&quot;rc197&quot; /&gt;。<br /> <br /> このミサの最後の「{{Lang|la|Ite, missa est.}}」という言葉の意味については、近年「行きましょう、ミサを終わります」と訳されることがあるが、ラテン語の文法を正確に理解するならば、この文章には、二人称複数(あなたたち)に対する命令形として「{{Lang|la|ite}}」(行け)がまずあり、次に、三人称単数の女性を主語とした「{{Lang|la|missa est}}」(送られた)という過去形の命題が続いている。<br /> <br /> 聖[[トマス・アクィナス]]は、「{{Lang|la|missa est}}」(送られた)の主語は「{{Lang|la|hostia}}」(いけにえ)であると断言している。まず「ミサ」という名称の由来を神学大全の中で次のように言っている。「このためにもミサと呼ばれている。その理由は、会衆が司祭を通して天主に祈りを送るように、司祭は天使を通して祈りを送るから、或いはキリストは私たちのために&#039;&#039;&#039;送られたいけにえ&#039;&#039;&#039;({{Lang|la|hostia nobis missa}}) であるから。故に、ミサの終わりに、助祭は祝日に会衆にこう言う「行け、送られた」({{Lang|la|ite, Missa est}}) と、すなわち、天主に受け入れられんがために、いけにえは天主に天使を通して送られた、との謂いである。」&lt;ref&gt;{{lang|la|Et propter hoc etiam Missa nominatur. Quia per Angelum sacerdos preces ad Deum mittit, sicut populus per sacerdotem. Vel quia Christus est hostia nobis missa. Unde et in fine Missae diaconus in festis diebus populum licentiat, dicens, ite, Missa est, scilicet hostia ad Deum per Angelum, ut scilicet sit Deo accepta. [http://www.corpusthomisticum.org/sth4083.html IIIª q. 83 a. 4 Ad 8]}}&lt;/ref&gt;<br /> <br /> また「ヴェディングハウゼンのリカルドへのミサの解説」の中では「諸聖人のためのミサの終わりに、「行け、送られた(ite, Missa est)」という言葉を通して、あたかも「我々のために聖父によって&lt;u&gt;いけにえは送られた&lt;/u&gt;、或いは我々によって聖父へと再び送られた、故に、かの安息に早く入るように急げ」と言われ、聖人達がそこにおいてすでに憩っているかの栄光へと我々は見いだされる。」と説明している&lt;ref&gt;{{Lang|la|In fine Missae pro sanctis invitamur ad illam gloriam in qua sancti jam requiescunt, per ite, Missa est, quasi dicat: hostia a patre nobis missa est, vel a nobis ad patrem remissa est, ideo festinate ingredi ad illam requiem. [http://www.corpusthomisticum.org/xem.html Richardi de Wedinghausen Expositio Missae]}}&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> == 概説 ==<br /> [[ファイル:BentoXVI-51-11052007 (frag).jpg|right|190px|thumb|ミサを司式する[[教皇]][[ベネディクト16世 (ローマ教皇)|ベネディクト16世]]]]<br /> キリスト教はもともと[[ユダヤ教]]の中から生まれたため、聖体祭儀(ミサ)もユダヤ教の[[シナゴーグ]]で行われていた礼拝の形式([[聖書]]の朗読と説教、祈り)に、キリスト教徒が[[イエス・キリスト]]の[[最後の晩餐]]を記念して行っていた聖体の典礼と会食が組み合わされて出来たものである&lt;ref&gt;{{Cite news|title=35.最後の晩餐で何があったか?|url=http://opusdei.org/ja-jp/article/iesu-shitsumon-35/|accessdate=2018-04-06|language=ja}}&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> キリストは最後の晩餐の席でパンを取り、「これはわたしの体である」と言い、また[[ワイン|ぶどう酒]]について「これはわたしの血」と言った。キリスト教徒は二千年にわたって、キリストの[[復活 (キリスト教)|復活]]を祝うために毎週日曜日に集まり、この「主の晩餐」を行ってきた。これがカトリック教会で「ミサ」(感謝の祭儀)と呼ばれる礼拝集会である。ミサはキリストの生涯、特にその死と復活を思い起こし、キリストをとおして実現した救いの恵みに感謝し、パンとぶどう酒のしるしによってキリスト信者がキリストと一つに結ばれるもので、カトリック信者にとってもっとも大切な[[秘跡]](神の恵みのしるし)とされている&lt;ref&gt;[http://www.tokyo.catholic.jp/text/welcome/misa.htm カトリック東京大司教区「ミサについて」]&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> 聖体祭儀には地方・時代においていくつかの形式が生まれたが(ミラノ典礼、アンティオキア典礼など)、通常ミサというときは[[ローマ典礼]]を表す。そもそも「ミサ」という語自体がローマ典礼のラテン語典礼文に由来する。ローマ典礼は[[ローマ教皇庁|教皇庁]]([[バチカン]])の配下にある[[教区|司教区]](つまりは世界中のほとんど)で行われている。日本のカトリック教会もローマ典礼である。<br /> <br /> [[カトリック教会]]の典礼は1960年代の[[第2バチカン公会議]]を反映して改革され、典礼言語として[[ラテン語]]以外にそれぞれの国や地域の言語を使うことができるようになった。日本のカトリック教会でも、昭和40年代前半までミサはラテン語で行われていた。また、それまではミサは司祭1人で執り行い、司祭が信徒に背を向ける形で祭壇に向かう形(背面式)だったが、第2バチカン公会議以降の改革でミサ本来の意味が再検討され、数人の司祭によるミサの挙行(共同司式)も認められ、式自体も司祭が信徒に向かう形(対面式)で行われるようになった。<br /> <br /> {{Main|新しいミサ}}<br /> <br /> なお、この改革以前の「[[トリエント・ミサ]]」と呼ばれるミサ形式から、[[聖公会]]の聖餐式や[[ルター派]]、ドイツの[[古プロイセン合同福音主義教会|合同教会]]の礼拝が生まれた。儀式を外面から眺める限り、これらの教会の礼拝はよく似ている。<br /> <br /> ミサは基本的に[[聖堂]]や教会堂において執り行われるが、特別な場合は屋外や一般の室内で行われることもある。カトリックでは[[司祭]]は毎日必ずミサを捧げなければならないため、ミサはすべてのカトリック教会で(司祭が常駐しない巡回教会や、司祭が不在の場合を除いて)毎日執り行われている。ミサを執行することを「ミサをたてる」とも言う。司祭が一人でミサを執り行うこともあるが、通常はミサに参加する(「与る」(あずかる)とも表現される)信徒(会衆)と共に行われる。日曜日のミサを「[[主日]]のミサ」、平日のミサを「週日のミサ」、降誕祭([[クリスマス]])など特別な祝祭日のミサを「祝日のミサ」として区別されていて、信徒は、毎日曜日(主日)といくつかの守るべき祝日のミサにあずかることが務めとされている。<br /> <br /> かつて20世紀半ばまではミサの行われる時間が厳しく制限されており、降誕祭と[[復活祭]]の前夜を除いて午後1時から夜明けの1時間前以前まで行うことができなかった。今ではこの制限は廃止されている。また、現代では土曜日の夕方以降に行われるミサも日曜日(主日)のミサとして扱うことができるため、日曜日にミサに参加できない信徒の便宜を図るため、多くの教会では土曜日の夕方にも「主日のミサ」が行われている。<br /> <br /> また以前はミサの前は日付が変わってからミサまでの禁食が義務付けられていたが、現在ではミサの1時間前からの禁食に緩和されている。ただし水・薬は禁食の対象ではない。<br /> <br /> ミサにはすべてのミサに共通の部分と、そのミサの目的や日時によって変わる部分がある。前者を通常文、後者を固有文という。<br /> <br /> === ユダヤ教との関連 ===<br /> [[ユダヤ教]]との関連において、[[トリエント公会議]]([[1545年|1545]]-[[1563年]])は、その第22総会において「ミサ聖祭とは、旧約の種々のいけにえによって予型とされ、示されていた([[創世記]]4:4、8:20、12:8、12:22、[[出エジプト記]]随所参照)善が実現し完成したものであり、新約のいけにえであるミサ聖祭は旧約のいけにえのすべてを含んでいる」とする。トリエント公会議は、そのことを、次のようにユダヤ教のいけにえとミサ聖祭との関係について宣言した。<br /> <br /> * 「[[使徒]][[パウロ]]によれば、旧約時代にはレビ族の司祭職は完全なものでなかったため、慈悲深い父である天主の計画によって、&lt;u&gt;メルキセデクの位にひとしい他の司祭&lt;/u&gt;を立てる必要があった(創世記14:18、[[詩篇|詩編]]109:4、[[ヘブライ人への手紙|ヘブライ]]7:11)。それがすなわち、私たちの主イエズス・キリストであって、キリストは「聖化すべきすべての人々を完全なもの」(ヘブライ10:14)にすることができた。&amp;hellip;」<br /> <br /> * 「イスラエルの子たちがエジプトからの脱出の記念としてささげた旧約の過越(出エジプト記12:1以降)を祝った後、キリストは新しい過越の祭を制定した。キリストは自分がこの世から父の所に移る時、自分の血を流すことによってわれわれを救い、「闇の権力から救い出し、自分の国に移した」([[コロサイ人への手紙|コロサイ]]1:13)。キリストはその記念として、目に見えるしるしのもとに、教会において司祭たちによって自分をささげるのである。」<br /> <br /> * 「清い供え物が、それを供える者の側からの欠点または罪悪によってけがされることができない。この供え物は、&lt;u&gt;主がマラキア預言者を通じて予告したもの&lt;/u&gt;であり、諸国民の間で偉大な主の名に、主の名のためにささげられる([[マラキ書|マラキ]]1:11参照)。使徒パウロもコリント人に書き送った手紙の中で、この供え物について述べている。すなわち、悪魔の食卓に列席してけがれた者は、主の食卓に列席することはできないと。食卓という時、パウロは祭壇をさしている([[コリントの信徒への手紙一|コリント第一]]10:21参照)。<br /> <br /> === ミサの本質 ===<br /> ; 旧約のいけにえの完成でありキリストの教会のいけにえ<br /> [[トリエント公会議]]はその第22総会において次のようにミサ聖祭について宣言した。<br /> <br /> * 「私たちの天主であり、主であるキリストは、十字架の祭壇の上で死に、「一度で永久に」([[ヘブライ人への手紙|ヘブライ]]10:14)父である天主に自分をささげて、救いのわざを完成した。しかしキリストの司祭職は死によって消去るものではなかったので(ヘブライ7:24、27)、敵の手に渡される夜([[コリントの信徒への手紙一|コリント第一]]11:13)、最後の晩さんにおいて、自分の愛する花嫁である教会に&lt;u&gt;目に見えるいけにえ&lt;/u&gt;({{Lang-en-short|visible sacrifice}})を残したのである(人間のためにはこれが必要であった)(第1条)。これによって、&lt;u&gt;十字架上で一度血を流してささげたものが表わされ、その記憶が世の終りまで続き&lt;/u&gt;(コリント第一11:23以降)、&lt;u&gt;その救いの力によってわれわれが毎日犯す罪が赦される&lt;/u&gt;のである。キリストは「メルキセデクの位にひとしい永遠の司祭」([[詩篇|詩編]]109:4)であると宣言して、自分の体と血をパンとブドー酒の形色のもとに父である天主にささげた。そして、使徒たちを新約の司祭として制定し、パンとブドー酒の形色のもとに拝領するように自分の体と血を与えた。使徒たちとその後継者たる司祭職に、「私の記念としてこれを行え」([[ルカによる福音書|ルカ]]22:19、コリント第一11:24)という言葉で、それをささげるように命じた。<br /> <br /> ; 罪の償いのための真のいけにえ<br /> トリエント公会議は言葉を続けてこう宣言する。<br /> <br /> * 「ミサにおいて行われる&lt;u&gt;この神的ないけにえの中に、十字架の祭壇上で血を流して自分自身を天主にささげた&lt;/u&gt;(ヘブライ9:27)&lt;u&gt;その同じキリストが現存し、血を流さずに自分自身をささげている&lt;/u&gt;。したがって、聖なる公会議は次のことを教える。すなわち、&lt;u&gt;ミサ聖祭は真に罪の償いのいけにえである&lt;/u&gt;({{Lang-en-short|this sacrifice is truly propritiatory}})(第3条)と。」<br /> <br /> * 「われわれが真心と正しい信仰、畏敬の念と痛悔と償いの心をもって天主に近づくならば、「適切な時に慈悲を受け、恩恵を見出すようになる」(ヘブライ4:16)であろう。なぜなら、このいけにえによってなだめられた主は、悔改めの恩恵とたまものを与え、どのように重い大罪さえも赦すからである。すなわち、(十字架のいけにえと祭壇のいけにえであるミサ聖祭とでは)&lt;u&gt;いけにえは同一である&lt;/u&gt;。あの時自分を十字架の上でささげたキリストが、今司祭の役務を通してささげているからである。違うのはささげ方だけである。事実、&lt;u&gt;この無血の供え物によって、十字架上の(流血の)ささげものの成果を非常に豊かに受けることができる&lt;/u&gt;。しかし、このいけにえ(ミサ)によって十字架上のいけにえが決して廃止されるのではない(第4条)。」<br /> <br /> == ミサの式次第 ==<br /> 以下、ローマ典礼における現行のミサ式次第を解説する。<br /> <br /> === 開祭の儀 ===<br /> [[司祭]]が入堂し、祭壇についてミサを開始する。信徒・[[修道者]]など会衆がいる場合、ミサの初めには「入祭の歌」として聖歌が歌われることが多い。入祭の歌は義務ではないが、歌わない場合は入祭唱を唱えなければならない。初めに司祭と会衆の間で挨拶が交わされ、初めの祈りが唱えられる。次に悔い改めの祈りと司祭による「集会祈願」という短い祈り、続いて「あわれみの賛歌」([[キリエ]])が唱えられ、[[アドベント|待降節]]及び[[四旬節]]以外の主日と祭日には「栄光の賛歌」([[ミサ曲#グローリア (Gloria)|グローリア]])が唱えられる。<br /> <br /> === ことばの典礼 ===<br /> 次に「ことばの典礼」といわれる部分に入る。ここでは平日には2つ、主日と祝日には3つの聖書からの部分が朗読される。それらの朗読は第一朗読、第二朗読(主日と祝日のみ)、福音朗読と呼ばれる。<br /> <br /> 第一朗読では通常、[[旧約聖書]]が読まれるが、復活節に限って『[[使徒言行録]]』か『[[ヨハネの黙示録]]』が朗読される。第二朗読は使徒の書簡(主に[[パウロ]]の手紙)が朗読される。第一朗読の後には、「答唱詩編」という先唱者と会衆による章句の繰り返しと詩編の朗読が行われるが、通常のミサでは歌われることが多い。「アレルヤ唱」([[四旬節]]の期間は「詠唱」)の後で行われる福音朗読はその名前の通り、[[福音書]]が朗読される。第一朗読、第二朗読は信徒が朗読することが多いが、福音朗読は司祭もしくは[[助祭]]が行うことになっている。福音朗読の時、会衆は起立することになっている。なお、「ことばの典礼」(聖書朗読)の際、現代の日本のほとんどのカトリック教会では[[新共同訳聖書]]が用いられている。<br /> <br /> 福音朗読に続いて、司祭(あるいは助祭)による説教が行われる。説教では通常、その日の福音や聖書朗読の解説がされることが多い。主日と祭日には説教の後で「信仰宣言」が行われる。ミサの国語化以来、日本の教会は[[洗礼]]式に用いられる略式の信仰宣言を用いるか、ごくまれに文語訳の[[ニカイア・コンスタンティノポリス信条|ニケア・コンスタンチノープル信条]]([[ミサ曲#クレド (Credo)|クレド]])を用いてきたが、2004年に口語訳のニケア・コンスタンチノープル信条が司教団より公式に発表された。従来の[[使徒信条]]を唱えることもできるが、略式の信仰宣言は廃止された。<br /> <br /> 信仰宣言に続き、そのときに応じて意向で唱える「共同祈願」という祈りが唱えられる。<br /> <br /> === 感謝の典礼 ===<br /> [[画像:Hostia i komunikanty.JPG|thumb|200px|[[カトリック教会]]、[[聖公会]]、及び一部[[プロテスタント]]で用いられる、「ホスチア」とも呼ばれる無発酵パン。写真のように薄い形状をしたものがよく用いられるが、稀に煎餅のように厚い無発酵パンを用いる教会もある。大きいほうは司式者用、小さい方は会衆用であるが、不足時は必ずしもこれによらない。]]<br /> ことばの典礼が終わると、パン(「ホスチア」と呼ばれる、小麦粉を薄く焼いた食べ物。これが[[聖体]]になる)と[[ワイン|ぶどう酒]]、そして水が祭壇へ準備される(これを奉納という)。ここから始まる「感謝の典礼」はキリストの[[最後の晩餐]]に由来するものとされ、ミサの中心的部分である。次に司祭によって「奉納祈願」と「叙唱」という祈りが唱えられ、会衆と共に『黙示録』に由来する賛美の祈り「感謝の賛歌」([[ミサ曲#サンクトゥス (Sanctus)|サンクトゥス]])が唱えられる。<br /> <br /> 次に司祭によって「奉献文」が唱えられ、この中で[[聖変化]]が行われる。ここでは司祭がパン(ホスチア)とぶどう酒を取って、キリストが最後の晩餐で唱えた言葉を繰り返す。これによってパンとぶどう酒がキリストの体(聖体)と血(御血(おんち))に変わる、というのが伝統的なカトリック教会の教義である。神学用語では「&#039;&#039;&#039;実体変化&#039;&#039;&#039;(全実体変化)」({{Lang-la-short|transsubstantiatio}})といわれ、これについては歴史上多くの議論が行われてきた。([[プロテスタント]]諸派では、宗教改革以降、パンとぶどう酒が本当にキリストの体に変わる訳ではなく、単なるシンボルに過ぎないと考えたが、カトリック教会は[[トリエント公会議]]での議論によって改めてこれを否定、現代に至っている。)<br /> {{Main|聖変化}}<br /> <br /> === 交わりの儀 ===<br /> 奉献文に続いて、福音書の中でキリストが弟子たちに教えたとされる「[[主の祈り]]」が唱えられる。そして司祭の祈願に続いて「平和の挨拶」という司祭や会衆同士のあいさつが行われる。さらに「平和の賛歌」([[ミサ曲#アニュス・デイ (Agnus Dei)|アニュス・デイ]])が続き、司祭はパン(聖体)を裂いて一部をぶどう酒(御血)に浸す。司祭が聖体を食べ、御血を飲む。これを「[[聖体拝領]]」という。司祭(または助祭)は続いて聖体を信者に配り、信者も聖体拝領を行う。通常はパン(聖体)のみだが、場合によっては信者もぶどう酒(御血)を飲むこともある。聖体拝領が終わると、司祭が拝領後の祈りを唱えて交わりの儀がおわる。この場合の「交わり」というのは、神と人との交わり、参加者同士が同じ聖体を受けて交わるという意味である。<br /> <br /> === 閉祭の儀 ===<br /> 拝領後の祈りのあと、信徒・会衆への連絡などが行われることがある。続いて司祭の祝福とミサからの派遣が行われる。ミサの終わりにも「閉祭の歌」として聖歌が歌われることが多い。なお、司祭と会衆との間に交わされる「最後の交唱」でミサは終わりなので、閉祭の歌そのものは義務ではない。<br /> <br /> == 参考文献 ==<br /> <br /> * <br /> <br /> == 脚注 ==<br /> {{Reflist}}<br /> <br /> == 関連項目 ==<br /> * [[レクイエム]]<br /> * [[ミサ曲]]<br /> * [[トリエント・ミサ]](旧典礼)<br /> * [[新しいミサ]]<br /> * [[教派別のキリスト教用語一覧]]<br /> * [[クリスマス]]<br /> <br /> {{DEFAULTSORT:みさ}}<br /> [[Category:ミサ]]<br /> [[Category:聖餐]]<br /> [[Category:秘跡|みさ]]<br /> [[Category:ラテン語の語句|みさ]]<br /> [[Category:ポルトガル語からの借用語]]</div> 124.109.10.216
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