Warning : Undefined variable $type in /home/users/1/sub.jp-asate/web/wiki/extensions/HeadScript/HeadScript.php on line 3 Warning : "continue" targeting switch is equivalent to "break". Did you mean to use "continue 2"? in /home/users/1/sub.jp-asate/web/wiki/includes/json/FormatJson.php on line 297 Warning : Trying to access array offset on value of type bool in /home/users/1/sub.jp-asate/web/wiki/includes/Setup.php on line 660 Warning : session_name(): Session name cannot be changed after headers have already been sent in /home/users/1/sub.jp-asate/web/wiki/includes/Setup.php on line 834 Warning : ini_set(): Session ini settings cannot be changed after headers have already been sent in /home/users/1/sub.jp-asate/web/wiki/includes/session/PHPSessionHandler.php on line 126 Warning : ini_set(): Session ini settings cannot be changed after headers have already been sent in /home/users/1/sub.jp-asate/web/wiki/includes/session/PHPSessionHandler.php on line 127 Warning : session_cache_limiter(): Session cache limiter cannot be changed after headers have already been sent in /home/users/1/sub.jp-asate/web/wiki/includes/session/PHPSessionHandler.php on line 133 Warning : session_set_save_handler(): Session save handler cannot be changed after headers have already been sent in /home/users/1/sub.jp-asate/web/wiki/includes/session/PHPSessionHandler.php on line 140 Warning : "continue" targeting switch is equivalent to "break". Did you mean to use "continue 2"? in /home/users/1/sub.jp-asate/web/wiki/languages/LanguageConverter.php on line 773 Warning : Cannot modify header information - headers already sent by (output started at /home/users/1/sub.jp-asate/web/wiki/extensions/HeadScript/HeadScript.php:3) in /home/users/1/sub.jp-asate/web/wiki/includes/Feed.php on line 294 Warning : Cannot modify header information - headers already sent by (output started at /home/users/1/sub.jp-asate/web/wiki/extensions/HeadScript/HeadScript.php:3) in /home/users/1/sub.jp-asate/web/wiki/includes/Feed.php on line 300 Warning : Cannot modify header information - headers already sent by (output started at /home/users/1/sub.jp-asate/web/wiki/extensions/HeadScript/HeadScript.php:3) in /home/users/1/sub.jp-asate/web/wiki/includes/WebResponse.php on line 46 Warning : Cannot modify header information - headers already sent by (output started at /home/users/1/sub.jp-asate/web/wiki/extensions/HeadScript/HeadScript.php:3) in /home/users/1/sub.jp-asate/web/wiki/includes/WebResponse.php on line 46 Warning : Cannot modify header information - headers already sent by (output started at /home/users/1/sub.jp-asate/web/wiki/extensions/HeadScript/HeadScript.php:3) in /home/users/1/sub.jp-asate/web/wiki/includes/WebResponse.php on line 46
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miniwiki - 利用者の投稿記録 [ja]
2024-05-16T21:19:51Z
利用者の投稿記録
MediaWiki 1.31.0
チマブーエ
2019-04-21T07:17:40Z
<p>119.240.142.155: カテゴリの正確性向上</p>
<hr />
<div>{{参照方法|date=2012年12月}}<br />
[[ファイル:Cenni di Pepo, dit Cimabue - La Vierge et l'Enfant en majesté entourés de six anges, 1270.jpg|thumb|200px|right|聖母と天使たち 1270頃 ルーヴル美術館]]<br />
'''チマブーエ'''（''Cimabue'', [[1240年|1240年頃]] - [[1302年|1302年頃]]）は[[イタリア]]、[[ゴシック期]]の[[画家]]である。<br />
<br />
[[ゴシック期]]の[[フィレンツェ]]で活躍した画家。[[ジョット・ディ・ボンドーネ|ジョット]]は彼の弟子と考えられている。西洋絵画が[[中世]]から[[近代]]へと歩み始める最初期に位置する画家として、美術史上に重要である。近代以前のイタリアの画家には、本名でなくもっぱら通称で呼ばれる者が多いが、チマブーエもその一人であり、本名は'''チェンニ・ディ・ペーポ'''（''Cenni di Pepo''）といった（「チマブーエ」は雄牛の頭の意）。<br />
<br />
西洋文化史のうえで中世の次に位置するゴシックの時代は、[[12世紀]]に始まった。ゴシック様式を代表する分野の一つは、今も[[フランス]]各地に残る、壮大華麗な大聖堂建築である。一方、絵画におけるゴシック様式の発達は建築より遅れ、[[13世紀]]後半のイタリアにその萌芽がみられる。チマブーエは、13世紀末のイタリアで活躍したゴシック絵画を代表する画家の一人である。フィレンツェで生まれ、[[ローマ]]、[[アッシジ]]などでも制作をしている。<br />
<br />
チマブーエの絵画には、金地の背景、正面性・左右相称性の強い構成、人物の図式的・平面的な配置のしかたなど、古代ギリシア様式を基礎にもつ[[ビザンティン]]美術の様式が、まだ色濃く残っている。しかし、中世絵画に比べると、人物の自然な表情、聖母の台座や衣服の表現にみられる空間表現への意識など、ルネサンス絵画への道を確実に歩み出していることが見て取れる。ジョットの師とされるチマブーエは、[[シエーナ|シエナ]]で活躍した[[ドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャ]]とともに、[[ゴシック]]とルネサンスの橋渡しの位置にある、西洋絵画史の最初のページを飾る画家の一人と位置づけることができよう。<br />
<br />
== 主要作品 ==<br />
* サンタ・トリニタの聖母子（[[ウフィツィ美術館]]）<br />
* 聖母と天使たち 1270頃 （[[ルーヴル美術館]]）<br />
<br />
== 日本語画集 ==<br />
* 『チマブーエ イタリア・ルネサンスの巨匠たち1. [[フィレンツェ]]絵画の先駆者』<br />
: モニカ・キエッリーニ、野村幸弘訳、[[東京書籍]] 1994年<br />
<br />
{{commons|Category:Cimabue}} <br />
{{Normdaten}}<br />
<br />
{{デフォルトソート:ちまふうえ}}<br />
[[Category:イタリアの画家]]<br />
[[Category:ルネサンス画家]]<br />
[[Category:13世紀の画家]]<br />
[[Category:1240年生]]<br />
[[Category:1302年没]]</div>
119.240.142.155
葛飾北斎
2019-04-20T17:47:17Z
<p>119.240.142.155: カテゴリの正確性向上</p>
<hr />
<div>{{DISPLAYTITLE:{{JIS2004フォント|葛}}飾北斎}}<br />
{{Otheruseslist|[[勝川春章]]の門人で勝川春朗を称した浮世絵師|葛飾北斎の二代目を称した人物|葛飾北斎 (2代目)}}<br />
{{Redirect|勝川春朗|葛飾北斎の門人で二代目春朗を称した人物|勝川春朗 (2代目)}}<br />
{{統合文字|葛}}<br />
{{Infobox 芸術家<br />
| name = 葛飾 北斎<br />
| image =Hokusai portrait.jpg<br />
| imagesize = 180px<br />
| caption = 自画像（[[天保]]10年（[[1839年]]）頃）<br />
| nationality = {{JPN}}<br />
| movement =<br />
| awards =<br />
| patrons =<br />
| bgcolour = #6495ED<br />
| birthdate = {{生年月日と年齢|1760|10|31|no}}<br />
| location = {{JPN}} [[下総国]][[葛飾郡]][[本所 (墨田区)|本所]][[割下水]]<br />
| deathdate = {{死亡年月日と没年齢|1760|10|30|1849|5|10}}<br />
| deathplace = {{JPN}} [[江戸]]<br />
| field = [[浮世絵]]<br />
| training =<br />
| works = 『[[富嶽三十六景]]』『[[北斎漫画]]』『[[蛸と海女]]』<br />
| influenced by = [[勝川春章]]、[[北尾政美|鍬形蕙斎]]<br />
| influenced = [[歌川広重]]、[[歌川国芳]]、[[印象派]]等の西洋芸術<br />
}}<br />
<br />
[[ファイル:Head of an old man.jpg|thumb|230px|天保13年（[[1842年]]）、82歳（数え年83歳）頃の自画像（一部）]]<br />
'''{{JIS2004フォント|葛}}飾 北斎'''（かつしか ほくさい、{{JIS2004フォント|葛}}飾 北齋<ref>「葛」は正確には正字である「{{JIS2004フォント|葛}}」が用いられたが、表記システム上の都合により、以降の記述では省略する。「斎」についても正字「齋」を以下省略する。</ref>、[[宝暦]]10年[[9月23日 (旧暦)|9月23日]]〈[[1760年]][[10月31日]]〉? - [[嘉永]]2年[[4月18日 (旧暦)|4月18日]]〈[[1849年]][[5月10日]]〉）は、[[江戸時代]]後期の[[浮世絵師]]。[[化政文化]]を代表する一人。<br />
<br />
== 概説 ==<br />
代表作に『[[富嶽三十六景]]』や『[[北斎漫画]]』があり、世界的にも著名な画家である。[[森羅万象]]を描き、生涯に3万点を超える作品を発表した。若い時から意欲的であり、[[版画]]のほか、[[肉筆浮世絵]]にも傑出していた。しかし、北斎の絵師としての地位は「富嶽三十六景」の発表により、不動のものとなっただけでなく、[[風景画]]にも新生面を開いた。北斎の業績は、浮世絵の中でまさに巨大な高峰であったが、達者な描写力、速筆は『北斎漫画』の中にも見ることが可能である。さらに、[[読本]]（よみほん）・[[挿絵芸術]]に新機軸を見出したことや、『北斎漫画』を始めとする[[絵本#絵本と歴史的経緯|絵本]]を多数発表したこと、毛筆による形態描出に敏腕を奮ったことなどは、絵画技術の普及や庶民教育にも益するところ大であった。[[葛飾派]]の祖となり、後には、[[フィンセント・ファン・ゴッホ]]などの[[印象派]]画壇の芸術家を始め、工芸家<ref>『富嶽三十六景』の影響についてはよく語られるところであるが、他にも、例えば[[アール・ヌーヴォー]]を代表するガラス工芸家[[エミール・ガレ]]には、『北斎漫画』 十三編にある、鯉に乗った[[観音菩薩|観世音菩薩]]の図「魚濫観世音」をモチーフとした作品がある。</ref>や音楽家にも影響を与えている。[[シーボルト事件]]では摘発されそうになったが、[[川原慶賀]]が身代わりとなり、難を逃れている。ありとあらゆるものを描き尽くそうとした北斎は、晩年、[[銅版画]]や[[ガラス絵]]も研究、試みたようである。また、[[油絵]]に対しても関心が強かったが、長いその生涯においても、遂に果たせなかった。[[1999年]]には、[[アメリカ合衆国]]の雑誌である『[[ライフ (雑誌)|ライフ]]』の企画「[[ライフ (雑誌)#この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人|この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人]]」で、日本人として唯一86位にランクインした。門人の数は極めて多く、孫弟子も含めて200人に近いといわれる。<br />
<br />
== 人物 ==<br />
=== 生涯年表 ===<br />
{{年譜のみの経歴|date=2013年3月6日 (水) 20:34 (UTC)}}<br />
[[ファイル:Hokusai-fuji7.png|thumb|250px|『[[富嶽三十六景|冨嶽三十六景]] [[凱風快晴]]』<br />（通称：赤富士）]]<br />
[[ファイル:Ejiri in the Suruga province.jpg|thumb|250px|『冨嶽三十六景 [[駿河国|駿州]][[江尻宿|江尻]]』<br />北斎改為一筆（葛飾北斎画）]]<br />
[[ファイル:Fujimi Fuji view field in the Owari province.jpg|thumb|250px|『冨嶽三十六景 [[尾州不二見原]]』<br />北斎改為一筆（葛飾北斎画）]]<br />
[[ファイル:Femenine wave.jpg|thumb|250px|[[#祭屋台天井絵|信州小布施、上町祭屋台天井絵]]（桐板着色肉筆画）のうち、『怒涛図』2図中の1「女浪」、その一部。「[[#北斎館]]」も参照。]]<br />
* [[宝暦]]10年[[9月23日 (旧暦)|9月23日]]?（[[1760年]][[10月31日]]?） [[武蔵国]][[葛飾郡]][[本所 (墨田区)|本所]][[割下水]]（<ref>[[東海道]]武蔵国葛飾郡本所割下水（とうかいどう むさしのくに かつしかごおり ほんじょ わりげすい）。</ref>[[江戸]]・本所割下水。現・東京都[[墨田区]]の一角。「[[#北斎通り]]」も参照）にて、 {{要出典|範囲=貧しい[[百姓#定義|百姓]]の子|date=2017年9月}}として生を受ける。姓は川村氏、幼名は時太郎（ときたろう）。のち、鉄蔵（てつぞう）と称す。通称は中島八右衛門<!--<ref>生地は[[非人]]小頭深川善三郎の支配下にあったため、北斎を「非人出身」とする説もある（高山秀夫『江戸から東京へ 物語でつづる部落の歴史』p.157、文理閣、1977年）。</ref> 北斎関連書籍で全く取り上げられない説です-->。<br />
* [[明和]]元年（[[1764年]]） 幕府御用達[[銅鏡#鏡師|鏡磨師]]であった中島伊勢の養子となったが、のち、実子に家督を譲り、家を出る。その後、[[貸本|貸本屋]]の[[丁稚]]、木版[[彫刻|彫刻師]]の従弟（とてい）となって労苦を重ね、実家へ戻る。この時、貸本の絵に関心を持ち、画道を志す。<br />
* [[安永]]7年（[[1778年]]） 浮世絵師・[[勝川春章]]の門下となる。[[狩野派]]や[[唐絵]]、西洋画などあらゆる画法を学び、[[名所絵]]（浮世絵[[風景画]]）、[[役者絵]]を多く手がけた。また[[黄表紙]]の挿絵なども描いた。この頃用いていた号は「春朗（しゅんろう）」であるが、これは師・春章とその別号である旭朗井（きょくろうせい）から1字ずつもらい受けたものである。<br />
*[[ファイル:A7 版画 033 葛飾北斎 畫 瀬川菊之丞圖 up.jpg|サムネイル|413x413ピクセル|写真提供 Teioコレクション 安永８年（1779年）の北斎デビュー作とされる。 瀬川菊之丞の図 初め勝川春章の門入で春朗と号した。]]安永8年（[[1779年]]） 役者絵「[[瀬川菊之丞 (3代目)|瀬川菊之丞]] 正宗娘おれん」でデビュー。<br />
* [[寛政]]6年（[[1794年]]） [[勝川派]]を[[破門]]される。理由は、最古参の兄弟子である[[勝川春好]]との不仲とも、春章に隠れて狩野融川<ref>寛信（[[1778年]] - [[1815年]]）。[[狩野常信]]の次男岑信を祖とする表絵師浜町狩野家の5代目。</ref>に出入りし、狩野派の画法を学んだからともいわれるが、真相は不明である<!--<ref>師の春章が、北斎が非人出身であることを察知し冷遇したとする説もある（高山秀夫『江戸から東京へ 物語でつづる部落の歴史』p.160、文理閣、1977年）</ref> 同上-->。ただ融川以外にも、[[堤等琳 (3代目)|3代目堤等琳]]についたり、『[[芥子園画伝]]』などから中国絵画をも習得していたようである。<br />
* 寛政7年（[[1795年]]） 「北斎宗理」の号を用いる。<br />
* 寛政10年（[[1798年]]） 「宗理（そうり）」の号を門人[[琳斎宗二]]に譲り、自らは「北斎」「可侯（かこう）」「辰政（ときまさ）」を用いる。<br />
* [[享和]]2年（[[1802年]]） [[狂歌]]絵本『画本東都遊』刊行開始。<br />
* [[文化 (元号)|文化]]2年（[[1805年]]） 「葛飾北斎」の号を用いる（正字については導入部を参照）。<br />
* 文化7年（[[1810年]]） 「戴斗（たいと）」の号を用いる。<br />
* 文化9年（[[1812年]]） 秋頃、名古屋の[[牧墨僊]]邸に逗留、その後、関西（大坂、和州吉野、紀州、伊勢など）方面へ旅行する。<br />
* 文化11年（[[1814年]]） 『北斎漫画』（'''[[#北斎漫画|#]]'''）の初編を発刊。<br />
* 文化14年（[[1817年]]） 春頃、名古屋に滞在。10月5日、名古屋西掛所（西本願寺別院）境内にて120畳大の達磨半身像を描く。年末頃、大坂、伊勢、紀州、吉野などへ旅行する。この時、[[春好斎北洲]]が大坂にて門人になったとされる。<br />
* [[文政]]3年（[[1820年]]） 「為一（いいつ）」の号を用いる。『富嶽三十六景』（'''[[#富嶽三十六景|#]]'''）の初版は文政6年（[[1823年]]）に制作が始まり、天保2年（[[1831年]]）に開版、同4年（[[1833年]]）に完結する。<br />
* [[天保]]5年（[[1834年]]） 「画狂老人（がきょうろうじん）」「卍（まんじ）」の号を用いる。『富嶽百景』（'''[[#富嶽百景|#]]'''）を手がける。<br />
* [[天保]]13年（[[1842年]]） 秋、初めて、[[信濃国]][[高井郡]][[小布施町|小布施]]の[[高井鴻山]]邸を訪ねた。この時、鴻山は、自宅に碧漪軒（へきいけん）を建てて、北斎を厚遇した。北斎83歳、鴻山37歳であった。<br />
* 弘化元年（[[1844年]]） 向島小梅村に、また[[浅草寺]]前に住む。[[大塚同庵]]の紹介により[[歌川国芳]]と出会う。[[信濃国]]は[[高井郡]][[小布施町|小布施]]に旅し、嘉永元年（[[1848年]]）まで滞在。『怒涛図』（右の絵はその一部）などを描く（'''[[#信州小布施の肉筆画|#]]'''）。<br />
* [[嘉永]]2年[[4月18日 (旧暦)|4月18日]]（[[1849年]][[5月10日]]） 江戸・[[浅草聖天町]]にある遍照院（[[浅草寺]]の子院）境内の仮宅で没する。[[享年]]90。[[辞世|辞世の句]]は「人魂で 行く気散じや 夏野原」であった（'''[[#真正の画工と成るを得べし|#]]'''）。墓所は台東区元浅草の誓教寺。法名は南牕院奇誉北斎居士。生誕二百年記念碑がある。<br />
<br />
=== 改号すること30回 ===<br />
彼は生涯に30回と頻繁に改号していた。使用した[[号 (称号)|号]]は「春朗」「群馬亭」「北斎」「宗理」「可侯」「辰斎」「辰政（ときまさ）」「百琳」「雷斗」「戴斗」「不染居」「錦袋舎」「為一」「画狂人」「九々蜃」「雷辰」「画狂老人」「天狗堂熱鉄」「鏡裏庵梅年」「月痴老人」「卍」「是和斎」「三浦屋八右衛門」「百姓八右衛門」「土持仁三郎」「魚仏」「穿山甲」などと、それらの組み合わせである。北斎研究家の安田剛蔵は、北斎の号を主・副に分け、「春朗」「宗理」「北斎」「戴斗」「為一」「卍」が主たる号であり、それ以外の「画狂人」などは副次的な号で、数は多いが改名には当たらないとしている<ref>安田剛蔵 『画狂北斎』 [[有光書房]]、1971年</ref>。仮にこの説が正しいとしても、主な号を5度も変えているのはやはり多いと言えるだろう。<br />
<br />
現在広く知られる「北斎」は、当初名乗っていた「北斎辰政」の略称で、これは[[北極星]]および[[北斗七星]]を神格化した[[日蓮宗]]系の北辰[[妙見菩薩]]信仰にちなんでいる<ref name="hokusaiden">飯島虚心『葛飾北斎伝』</ref>。他に比してこの名が通用しているのは「北斎改め為一」あるいは「北斎改め戴斗」などというかたちで使われていたことによる。なお、彼の改号の多さについては、弟子に号を譲ることを収入の一手段としていたため、とする説<ref name="hokusaiden" />や、北斎の自己韜晦<ref>自身の才能や地位、本心など隠して表に出さないという意味</ref>（とうかい）癖が影響しているとする説<ref>[[瀬木慎一]] 「写楽と北斎の虚実」『浮世絵芸術』32号、1971年、15頁。[[河野元昭]] 『日本の美術367 北斎と葛飾派』 [[至文堂]]、1996年、46-48頁、ISBN 978-4-784-33367-7</ref>もある。ちなみに、「北斎」の号さえ弟子の[[葛飾北斎 (2代目) |鈴木某]]<ref name="nenpu">[[永田生慈]] 『葛飾北斎年譜』 [[三彩新社]]、1985年</ref>、あるいは[[葛飾北斎 (2代目) |橋本庄兵衛]]に譲っている。<br />
<br />
=== 転居すること93回 ===<br />
[[ファイル:Hokusai-fuji-koryuu.png|thumb|180px|『富士越龍図』<br />肉筆画（絹本<ref>けんぽん。書画を描くための地の素材として[[絹]]を用いているもの。そのうちの、生糸（きいと）で平織りされている通常のものを言う。上質で光沢のあるものは「絖本（こうほん）」と言う。</ref>着色）。嘉永2年1月（嘉永二己酉年正月辰ノ日。1849年）、落款は九十老人卍筆。死の3ヶ月ほど前、北斎最晩年の作であり、これが絶筆、あるいはそれに極めて近いものと考えられている<ref>ただし、「九十老人卍筆」の落款がある作品だけでも、現在15点ほども確認されている。当時は[[数え年]]なため、正月から死ぬまでの5ヶ月弱でこれだけの作品を描いたことになる。北斎の生命力が尽きかけていること、年紀がない作品や現在失われた作品もあるだろうことを考慮すると、これらの中に[[贋作]]が含まれていることを指摘する声もある（久保田一洋 「北斎の肉筆画」、日本浮世絵学会監修 『緑青 vol.2 画狂人北斎 HOKUSAI』所収、[[マリア書房]]、2010年 ISBN 978-4-89511-571-1）。</ref>。幾何学的山容を見せる白い[[山岳信仰|霊峰]]・富士の麓を巡り黒雲とともに昇天する龍に自らをなぞらえて、北斎は逝った。]]<!--節「真正の画工と成るを得べし」に係る--><br />
北斎は、93回に上るとされる転居の多さもまた有名である。一日に3回引っ越したこともあるという<ref name="hokusaiden" />。75歳の時には既に56回に達していたらしい。当時の人名録『広益諸家人名録』の付録では天保7・13年版ともに「居所不定」と記されており、これは住所を欠いた一名を除くと473名中北斎ただ一人である。北斎が転居を繰り返したのは、彼自身と、離縁して父のもとに出戻った娘のお栄（[[葛飾応為]]）とが、絵を描くことのみに集中し、部屋が荒れたり汚れたりするたびに引っ越していたからである<ref name="hokusaiden" />。また、北斎は生涯百回引っ越すことを目標とした百庵という人物<ref>この百庵は『続俳家奇人談』に載り、[[嘉永]]6年版『俳林小伝』にも見える実在の人物で、転居百回の後、下谷七軒町で亡くなったという。</ref>に倣い、自分も百回引っ越してから死にたいと言ったという説もある。ただし、北斎の93回は極端にしても江戸の庶民は頻繁に引越したらしく、[[鏑木清方]]は『紫陽花舎随筆』において、自分の母を例に出し自分も30回以上引越したと、東京人の引越し好きを回想している。なお、[[明治]]の浮世絵師[[豊原国周]]は、北斎に対抗して生涯117回引越しをした。<br />
<br />
最終的に、93回目の引っ越しで以前暮らしていた借家に入居した際、部屋が引き払ったときとなんら変わらず散らかったままであったため、これを境に転居生活はやめにしたとのことである。<br />
<br />
=== 挿絵画家の一面 ===<br />
浮世絵以外にも、いわゆる挿絵画家としても活躍した。[[黄表紙]]や[[洒落本]]・[[読本]]など数多くの[[戯作]]の[[挿絵]]を手がけたが、作者の提示した下絵の通りに絵を描かなかったためにしばしば作者と衝突を繰り返していた。数ある号の一つ「葛飾北斎」を名乗っていたのは戯作者の[[曲亭馬琴]]とコンビを組んだ一時期で、その間に『[[新編水滸画伝]]』『[[近世怪談霜夜之星]]』『[[椿説弓張月]]』などの作品を発表し、馬琴とともにその名を一躍不動のものとした。読み物のおまけ程度の扱いでしかなかった挿絵の評価を格段に引き上げた人物と言われている。なお、北斎は一時期、馬琴宅に居候（いそうろう）していたことがある<ref>北斎の挿絵については、[[辻惟雄]] 『奇想の江戸挿絵』（[[集英社新書]] 2008年 ISBN 978-4-087-20440-7）などに詳しい。</ref>。<br />
<br />
=== 真正の画工と成るを得べし ===<br />
嘉永2年4月18日、北斎は[[年齢#年齢とその呼称|卒寿（90歳）]]にて臨終を迎えた。そのときの様子は次のように書き残されている。<br />
: 翁 死に臨み大息し 天我をして十年の命を長らわしめば といい 暫くして更に言いて曰く<br />
: '''天我をして五年の命を保たしめば 真正の画工となるを得'''（う）'''べし''' と言吃りて死す<br />
これは、「死を目前にした（北斎）翁は大きく息をして『天があと10年の間、命長らえることを私に許されたなら』と言い、しばらくしてさらに、『天があと5年の間、命保つことを私に許されたなら、必ずやまさに本物といえる画工になり得たであろう』と言いどもって死んだ」との意味である。<br />
<br />
辞世の句は、<br />
: 人魂で 行く気散（きさん）じや 夏野原<br />
その意、「[[人魂]]になって夏の原っぱにでも気晴らしに出かけようか」というものであった。<br />
<br />
=== 家族 ===<br />
葛飾北斎は生涯に2度結婚しており、それぞれの妻との間に一男二女を儲けている（合わせると二男四女）<ref>[http://www.tt.rim.or.jp/~haruto/ukiyoe/eshi/hokusai2.html 葛飾北斎エピソード集。]</ref>。<br />
<br />
*父：鏡師中島伊勢。<br />
*母：[[吉良義央|吉良上野介]]の家臣・[[小林平八郎]]の孫娘。<br />
*長女：お美与 - 北斎の門人の[[柳川重信]]と結婚するが離縁。<br />
*長男：富之助<br />
*次女：お辰（またはお鉄）<br />
*次男：多吉朗（崎十郎〈元服後〉） - [[支配勘定]]、加瀬氏へ養子に出る。<br />
*三女：お栄（[[葛飾応為]]） - [[絵師]]の[[南沢等明]]と結婚するが離縁、北斎の元で助手・浮世絵師として身を立てる。<br />
*四女：お猶<br />
*孫娘：白井多知女<br />
*曾孫：白井孝義<br />
<br />
=== 奇行・その他 ===<br />
==== 食事 ====<br />
料理は買ってきたり、もらったりして自分では作らなかった。居酒屋のとなりに住んだときは、3食とも店から出前させていた。だから家に食器一つなく、器に移し替えることもない。包装の竹皮や箱に入れたまま食べては、[[ごみ|ゴミ]]をそのまま放置した。土瓶と茶碗2、3はもっていたが、自分で茶を入れない。一般に入れるべきとされた、女性である娘のお栄（[[葛飾応為]]）も入れない。客があると隣の小僧を呼び出し、土瓶を渡して「茶」とだけいい、小僧に入れさせて客に出した。<ref name="hokusaiden" /><br />
<br />
ここまで乱れた生活を送りながらも彼が長命だった理由として、彼が[[クワイ]]を毎日食べていたから、と言う説がある。<br />
<br />
[[斎藤月岑]]によれば、この親子（北斎とお栄）は生魚をもらうと調理が面倒なため他者にあげてしまう、という。<br />
<br />
==== 飲酒・喫煙 ====<br />
北斎は酒を飲まなかった。これを否定する意見として、「通常の名家、文人墨客で飲まないところはない。また大手の画家であり画工料は多い。にもかかわらず乱れた生活、不衛生な部屋、汚れた衣服を着ている、引っ越しが多いというのは往々にして酒飲みの典型である」というものがある<ref name="hokusaiden" />。しかし明治に行われた周辺へのインタビューでは下戸であったというものばかりである。[[河鍋暁斎]]によれば「酒を飲まないばかりか、お茶でも上等の茶は嗜まないし、煙草も吸わない。殊に煙が嫌いで夏に[[蚊遣り火|蚊遣り]]も使わない」。別の証言では「酒は飲まないが、菓子を嗜む。訪問するとき[[大福餅]]7、8を持って行くと、大喜びし舌鼓を打った。」という。<ref name="hokusaiden" /> 交流のあった[[柳亭種彦]]は「酒は嗜まないが茶をたしなむ」という文を残している。<br />
<br />
==== 貧しい理由 ====<br />
北斎は金銭に無頓着であった。北斎の画工料は[[一分金|金一分]]と通常の倍を得ていたが、赤貧で衣服にも不自由する。しかし金を貯える気は見られない。画工料が送られてきても包みを解かず、数えもせず机に放置しておく。米屋、薪屋が請求にくると包みのまま投げつけて渡した。店は意外な金額なら着服するし、少なければ催促するという形であった。このようないいかげんな金銭の扱いが貧しさの一因であろう。<ref name="hokusaiden" /><br />
<br />
==== 挨拶 ====<br />
北斎は、行儀作法を好まなかった。たいへんそっけない返事をし、態度をとる人物であった。人に会っても一礼もしたことがなく、ただ「こんにちは」「いや」とだけこたえ、一般的な時候・健康について長話をしなかった。<ref name="hokusaiden" /><br />
<br />
==== 外出の様子 ====<br />
衣服は絹類や流行の服を着たことがない。雑な手織りの紺縞の木綿、柿色の袖無し半天。六尺の天秤棒を杖にして、わらじか麻裏の草履をはく。だれかから「いなかものだ」と言われるのを、ひそかに喜んでいた。また、歩くときに常に呪文を唱えているので、知人に会っても気がつかないことがあった<ref>妙法蓮華経 普賢品「阿檀地 檀陀婆地 檀陀婆帝」あーたんだい・たんだーはーだい・たんだーはて </ref><ref name="hokusaiden" />。<br />
<br />
==== 室内の様子 ====<br />
ある日は、北斎が部屋の隅を筆で指し、娘を呼んで「昨日の晩までここに[[蜘蛛]]の巣があっただろう。どうして消えたんだ。お前知らないか？」としばらく気にし続けていたことがあった。<br />
<br />
また訪問した人の証言では「北斎は汚れた衣服で机に向かい、近くに食べ物の包みが散らかしてある。娘もそのゴミの中に座って絵を描いていた」という。<ref>伊藤めぐみ 北斎研究16,20</ref><br />
<br />
晩年の北斎が弟子[[露木為一]]に語っている。「9月下旬から4月上旬までは[[こたつ]]にはいり続け、どんな人が訪れようとも画を書くときも、こたつを出ることはなく、疲れたら横の[[枕]]で寝るし目覚めたら画を描き続ける。昼夜これを続けた。夜着の袖は無駄だから着ない。こたつに入りつづけると炭火はのぼせるから[[炭団]]を使う。布団には[[しらみ]]が大発生した」（下図中の文章とほぼ同内容）<br />
<br />
[{{NDLDC|1286947/2}} 北斎仮宅之図]（[[露木為一]] [[国立国会図書館]]所蔵）<br />
弟子が北斎仮宅之図に北斎の様子と、室内の状況を描いている。<br />
晩年の北斎が、こたつの布団をかぶりながら畳の上に紙を敷いて絵を描いている。不敵な顔をした娘のお栄が、箱[[火鉢]]に添いながらその様子をながめている。<br />
杉戸には「画帳扇面おことわり」と張り紙をしている。柱にはミカン箱を打ち付けて[[仏壇]]としている。はきちらかした草履と下駄。火鉢のうしろが炭と食品容器であったかごや竹皮のごみの山である。<br />
<br />
==== 火事 ====<br />
「[[火事]]は江戸の名物」といわれるほど江戸は火事が多かったが、北斎は何十回と引っ越しを繰り返しながら、転居56回、75歳になるまで奇跡的に火災に遭わなかった。これが自慢で鎮火の御札を描いて人に渡したりしていた。<br />
<br />
75歳でとうとう火災に遭い、もともと乏しかった家財も失い浮浪者の様になってしまった。若い頃から描き貯めた資料も焼失し、大変がっかりしてもう集めなくなった。火災直後は道具が無い間、[[徳利]]を割って底を筆洗いに、破片をパレットにして画を描いていたこともあった。<br />
<br />
この火災のとき、仕事中の北斎は筆を握ったまま飛び出し、娘お為も飛び出して逃げた。後から思うと家財を運び出す余裕はあったが、その時はあわてていて気が回らなかった。<br />
<br />
==== 外国人とのトラブル ====<br />
長崎商館長（[[カピタン]]）が江戸参府の際（1826年）、北斎に日本人男女の一生を描いた絵、2巻を150金で依頼した。そして随行の医師[[フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト|シーボルト]]も同じ2巻150金で依頼した。北斎は承諾し数日間で仕上げ彼らの旅館に納めに行った。商館長は契約通り150金を支払い受け取ったが、シーボルトの方は「商館長と違って薄給であり、同じようには謝礼できない。半値75金でどうか」と渋った。北斎は「なぜ最初に言わないのか。同じ絵でも彩色を変えて75金でも仕上げられた。」とすこし憤った。シーボルトは「それならば1巻を買う」というと、通常の絵師ならそれで納めるところだが、激貧にもかかわらず北斎は憤慨して2巻とも持ち帰ってきた。当時一緒に暮らしていた妻も、「丹精込めてお描きでしょうが、このモチーフの絵ではよそでは売れない。損とわかっても売らなければ、また貧苦を重ねるのは当たり前ではないか。」と諌めた。北斎はじっとしばらく黙っていたが「自分も困窮するのはわかっている。そうすれば自分の損失は軽くなるだろう。しかし外国人に日本人は人をみて値段を変えると思われることになる。」と答えた。<br />
<br />
通訳官がこれを聞き、商館長に伝えたところ、恥じ入ってただちに追加の150金を支払い、2巻を受け取った。この後長崎から年に数100枚の依頼があり、本国に輸出された。シーボルトは帰国する直前に国内情報を漏洩させたことが露見し、北斎にも追及が及びそうになった。（[[シーボルト事件]]）<br />
<br />
[[国立民族学博物館 (オランダ)|オランダ国立民族学博物館]]のマティ・フォラーによると、1822年のオランダ商館長[[ヤン・コック・ブロンホフ|ブロムホフ]]が、江戸参府の際日本文化の収集目的で北斎に発注し4年後受け取る予定としたが、自身の法規違反で帰国。後継の商館長ステューレルと商館医師シーボルトが1826年の参府で受け取った。現在確認できるのは、オランダ国立民族学博物館でシーボルトの収集品、フランス国立図書館にステューレルの死後寄贈された図だという。西洋の絵画をまねて陰影法を使っているが絵の具は日本製（シーボルトコレクションでは紙はオランダ製）である<ref>{{Cite journal|和書 |author = [[浅野秀剛]]監修 |date = 2010-10-27 |title =北斎決定版 |journal =別冊太陽 |publisher = 平凡社 }}</ref>。<br />
<br />
==== 歌舞伎役者とのトラブル ====<br />
幽霊役で人気だった歌舞伎役者の尾上梅幸（のちに[[尾上菊五郎_(3代目)|<small>三代目</small>尾上菊五郎]]）が北斎に画を依頼したことがあった。ところが招いても北斎がまったく来ないため、有名人らしく輿に乗って北斎宅に訪問した。もともと貧しい家で、掃除もしたことのない荒れ果てた室内は不潔極まりなく、おどろいて毛氈（敷物）を引かせた後入室し着座。一礼しようとすると北斎は「失礼だ」と怒り出し、机に向かって相手もしようとしなくなった。ついに梅幸も怒って帰ってしまった。<br />
<br />
後日梅幸が非礼を詫びると2人は親しくなった。普段の北斎は横柄ということはなく、「おじぎ無用、みやげ無用」と張り紙するように形にはこだわらない人物だった。<br />
<br />
==== 武士とのトラブル ====<br />
津軽藩主<ref>津軽越中守とされるが、越中守を受領している人物は2,4,7代。7代藩主[[津軽信寧]](藩主在任：1744年 - 1784年)は天明4年(1784)に没しており、この時点で北斎は25歳でまだ大名に招かれる時期ではなく、他の大名の間違いの可能性もある。</ref>が屏風絵を依頼し、使者が何度も北斎を招いたがいっこうに赴こうとしなかった。10日ほどしてついに藩士が北斎宅までやってきて、「わずかばかりではありますが」と5両を贈って藩邸への同行をうながし「屏風が殿のお気に召せば若干の褒美もありましょう」と言葉を添えたが、北斎は用事があると応えて行かなかった。数日してまた藩士が訪問し再度同行を促したが、また北斎は断った。とうとう藩士は憤慨し「この場で切り捨てて、私も自害する。」と怒り出してしまうが、集まった人々が藩士をなだめ、北斎に出向くよう勧めるなどと大騒ぎになった。それでも頑として拒否し続ける北斎は「じゃ前にもらった5両返せばいいんだろう。明日金を藩邸に送りつけてやる。」と言い出したので、藩士も人々もあきれはててしまったが、その日はなんとか収まった。<br />
<br />
数カ月後、招かれないのに唐突に津軽藩邸に現れ、屏風一双を仕上げて帰った。常に貧しく不作法な北斎であったが、気位の高さは王侯にも負けず、富や権力でも動かないことがあった。<br />
<br />
==== 画法の追求 ====<br />
北斎は晩年になっても画法の研究を怠らず続けていた。<br />
<br />
北斎は「人物を書くには骨格を知らなければ真実とは成り得ない。」とし、[[柔道整復師|接骨家]]・[[名倉家|名倉弥次兵衛]]のもとに弟子入りして、接骨術や筋骨の解剖学をきわめ、やっと人体を描く本当の方法がわかったと語った。<br />
<br />
弟子の露木為一の証言では、「先生に入門して長く画を書いているが、まだ自在に描けない・・・」と嘆いていると、娘阿栄が笑って「おやじなんて子供の時から80幾つになるまで毎日描いているけれど、この前なんか腕組みしたかと思うと、猫一匹すら描けねえと、涙ながして嘆いてるんだ。何事も自分が及ばないと自棄になる時が上達する時なんだ。」と言うと、そばで聞いていた北斎は「まったくその通り、まったくその通り」と賛同したという。<br />
<br />
==== 即興制作 ====<br />
ある時、元[[勘定奉行]]、[[久須美祐明]]が北斎を招き席画を書かせた。最初の2、3枚はふつうの細密な絵を描いた。ちょうどその席に子供がいたので、北斎は半紙をひねって渡し「これに墨をつけて紙の上に垂らしてごらん」と言った。子供が言われたとおりにポタポタと墨を垂らすと、北斎は無作為に垂らされた黒い染みに自在なタッチで筆を加え、たちまちのうちに奇々怪々なお化けの絵に仕上げてしまった。一瞬のうちの妙技に、見物していた人々は驚きの声を上げた。<br />
<br />
この日は夕方から深夜まで子供と遊びながら画を描いた。同行者は、先生は誰の言うことも聞かないので、どんな絵を描こうとも意のままに描いてもらうしかない。と述べたという。<br />
<br />
11代将軍[[徳川家斉]]は北斎の画力を聞きつけ、鷹狩の帰りに滞在した浅草伝法院に北斎他を呼び画を描かせた。1人目[[谷文晁]]がまともな絵を書き、2人目に北斎が御前に進み出たが恐れる気色なく、まず普通に山水花鳥を描いた。次に長くつないだ紙を横にして刷毛で藍色を引いた。そして持参した籠からだした鶏の足に朱を塗って紙の上に放ち、鶏がつけた赤い足跡を紅葉に見立て、「[[竜田川]]でございます」と言って拝礼して退出した。一同はこの斬新な趣向に驚嘆した。<ref>大島屋伝右衛門の話としてこの画は失敗したが他の画で面目を保ったという説や、鶏の足の爪で紙を損ねるため信憑性を疑問視する説もある。</ref><br />
<br />
弟子が語るには、北斎自身は将軍の前に出ることを無上の栄誉に感じ大いに喜んでいたが、礼儀を正し窮屈なことには困ったという。また長屋の大家は将軍にご覧に入れるとの内命があると、トラブル・不祥事の心配な北斎の身柄を預かって拝謁の日まで外出を許さなかった。<br />
<br />
==== 身体的特徴 ====<br />
耳が大きい。身長180cm。<br />
<br />
== 作品 ==<br />
風景画<!--名所絵では富嶽三十六景が該当し辛いので-->や[[春画]]、奇想画にいたる多岐の浮世絵を描いている。また、晩年になると肉筆画を多く残している。<br />
<br />
=== 主要作品 ===<br />
ここに示すものは揃物（そろいもの）等まとまった作品群であるが、これらは北斎の画業のごく一部に過ぎない。1点のみで著名な作品もある。また、画業と言うことでは、現代に伝えられなかった大量の作品があり、それらは文字による記録の形で「存在した」程度のことではあるが確認できる場合がある。このため北斎が描いた作品総数は分かっていないが、[[永田生慈]]著『葛飾北斎年譜』に付けられた「版木・版画作品目録」では1385点<ref name="nenpu" />で、これは2冊本も1点と数えており、実際には更に[[摺物]]と肉筆画が加わる。数え方にもよるが、挿絵なども1図と数えれば3万点を越えるという意見もある<ref>[[林美一]] 『艶本研究 北斎』 [[有光書房]]、1968年</ref>。<br />
=== 錦絵 ===<br />
* 「かしく 岩井半四郎」 細判 安永8年（1779年） 「勝川春朗画」落款 ※錦絵デビュー作 中右瑛コレクション所蔵<br />
* 「正宗おれん 瀬川菊之丞」 細判 安永8年（1779年） 「勝川春朗画」落款 [[東京国立博物館]]所蔵<br />
* 「ふく清女ぼう 中村里好」 細判 安永8年（1779年） 「勝川春朗画」落款 東京国立博物館所蔵<br />
* 「佐武多良嘉寸見（さむたらかすみ）」 間判 寛政9年 宗理期の狂歌本挿絵、富士山の見える山地にある木地師の職場を描く。<br />
* 「よつや十二そう」 中判 寛政末～享和頃 東京国立博物館所蔵 洋風のひらがな落款作品。<br />
* 「鷽 垂桜」 中判 天保5年頃 東京国立博物館所蔵 藍摺の花鳥画10枚揃の内。<br />
* 「風流無くてななくせ 遠眼鏡」 大判 享和頃 山繰り県立萩美術館・浦上記念館所蔵<br />
* 「東海道五拾三次（狂歌入り東海道）」 摺物全59枚 文化元年<br />
* 「おしをくりはとうつうせんのづ」 横中判 文化3年～文化5年頃 個人所蔵 洋風のひらがな落款作品。<br />
* 「百物語 こはだ小平二」 中判 天保2年頃 中右コレクション所蔵<br />
* 「風流おどけ百句ばばさまのこごと」 小判 文化末頃 名古屋テレビ放送所蔵<br />
* 「芥子（けし）」 横大判 天保3年頃 墨田区所蔵<br />
* 「群鶏」 団扇絵 天保4年頃 東京国立博物館所蔵<br />
* 「市川鰕蔵の山賊実は文覚上人」 細判 寛政3年 東京国立博物館所蔵 春朗期。<br />
* 「くだんうしがふち」 横中判 寛政末～文化 洋風のひらがな落款作品。<br />
* 「富嶽三十六景」 横大判46枚揃 天保2年～天保5年<br />
* 「琉球八景」 横大判8枚揃 天保3年<br />
* 「諸国滝廻り」 大判8枚揃 天保4年<br />
* 「千絵の海」 横中判10枚揃 天保4年頃<br />
* 「諸国名橋奇覧」 横大判11枚揃 天保4年～天保5年頃<br />
* 「詩歌写真鏡」 長大判10枚揃 天保4年～天保5年<br />
* 「百人一首うばがゑとき」 横大判揃物 天保6年～天保7年頃<br />
==== 北斎漫画 ====<br />
[[ファイル:Hokusai Manga 05.jpg|thumb|250px|『北斎漫画』 八編（1818年出版）15丁より、[[座頭]]と[[瞽女]]（ごぜ）<br />視力に障害を持って渡世する人々のさまざまな顔模様を描いてみせた。]]<br />
{{Main|北斎漫画}}<br />
全15編。図数は4,000図とされる版本（彩色摺絵本）。北斎54歳、画号・戴斗の頃（[[文化 (元号)|文化]]11年〈[[1814年]]〉）に初版あり。初めは絵手本（画学生のための絵の教本）として発表されたものであったが、評判を呼び、職人の意匠手引書などにも用いられることとなって広く普及した。さまざまな職業の人から道具類、ふざけた顔、[[妖怪]]、さらには[[遠近法]]まで、多岐にわたる内容が含まれている。「[[#作品画像]]の10」も参照。<br />
==== 百物語 ====<br />
[[百物語]]を画題として妖怪を描いた化物絵。中判錦絵。全5図のうち、[[四谷怪談]]と[[皿屋敷]]を扱った2図が特に有名。[[落款]]は為一筆。[[天保]]2 - 3年（[[1831年]] - [[1832年]]）頃。版行当初は100に及ぶ揃物として企画されたと考えられている。しかし、今日確認されるものは以下の5図のみである。<br />
<br />
「お岩さん」（'''[[#作品画像|#]]'''4） 「皿屋敷」（'''[[#作品画像|#]]'''5） 「笑ひはんにや」 「しうねん」 「小はだ小平二」<br />
{{-}}<br />
==== 冨嶽三十六景 ====<br />
{{Main|冨嶽三十六景}}<br />
[[ファイル:The_Great_Wave_off_Kanagawa.jpg|thumb|250px|『冨嶽三十六景』「[[神奈川沖浪裏]]」]]<br />
[[富士山]]を主題として描かれた大判錦絵による風景画揃物で、主板の36図、および好評により追加された10図の、計46図。初版は[[文政]]6年（1823年）頃に制作が始まり、天保2年（1831年）頃に開版、同4年頃に完結している。落款は北斎改為一筆。[[版元]]は[[西村屋与八]]（永寿堂）。<br />
<br />
北斎の代表作として知られ「[[凱風快晴]]」（通称：赤富士）や「[[神奈川沖浪裏]]」が特に有名。「神奈川沖浪裏」は、それを見た[[フィンセント・ファン・ゴッホ|ゴッホ]]が画家仲間宛ての手紙の中で賞賛したり、その後の西欧の芸術家に多大な影響を与えることとなったとされているが、ドビュッシーが交響詩『海』の着想をこの絵から得たとする主張<ref>{{Cite web |url=http://www.city.kawasaki.jp/templates/pubcom/cmsfiles/contents/0000097/97240/kihonhoushin.pdf |title=浮世絵等の活用に向けた基本方針 平成30(2018)年6月 |publisher=川崎市 |accessdate=2018-7-7}}</ref>は、根拠のない俗説である<ref>{{Cite web |url=http://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000132429<br />
|title=レファレンス事例詳細（国立音楽大学付属図書館） |publisher=国立国会図書館 |accessdate=2018-7-7}}</ref>。波頭が崩れるさまは常人が見る限り抽象表現としかとれないが、[[ハイスピードカメラ]]などで撮影された波と比較すると、それが写実的に優れた静止画であることが確かめられる。[[波の伊八]]が製作した彫刻との類似性も指摘されている。<br />
{{-}}<br />
==== 千絵の海 ====<br />
[[ファイル:Hokusai 1760-1849 Ocean waves.jpg|thumb|250px|『千絵の海』「総州銚子」]]<br />
各地の漁を画題とした中判錦絵の10図揃物。変幻する水の表情と[[漁撈]]にたずさわる人が織りなす景趣が描かれている。天保4年（1833年）頃、前北斎為一筆。<br />
<br />
「絹川はちふせ」 「総州銚子」「宮戸川長縄」 「待チ網」 「総州利根川」 「[[葛飾北斎と甲斐国|甲州火振]]」 「相州浦賀」 「[[:File:HokusaiGotoKujiratsuki.jpg|五島鯨突]]」「下総登戸」 「蚊針流」。<br />
<br />
版行されなかった版下絵2図と、版行された絵より複雑で詳細な墨書きがなされた初稿と考えられる版下絵が3図伝わることから、本来浮世絵で通例の全12図の版行予定だったと想像される。しかしこれでは手間がかかり採算に合わないと版元に拒否され、北斎はしぶしぶ修正したが、残り2図は結局折り合いがつかないままお蔵入りとなったと考えられる。<br />
==== 諸国滝廻り ====<br />
落下する水の表情を趣旨として全国の有名な滝を描いた大判錦絵による名所絵揃物全8図で、版元は『富嶽三十六景』と同じ西村屋与八（永寿堂）。天保4年（1833年）頃、前北斎為一筆。<br />
<br />
「[[下野国|下野]]黒髪山 [[霧降の滝|きりふりの滝]]」 「[[相模国|相州]] [[大山 (神奈川県)|大山]]ろうべんの瀧」 「東都葵ケ岡の滝」 「東海道[[坂下宿|坂ノ下]] 清流くわんおん<ref>とうかいどう さかのした きよたきかんのん。</ref>」 「[[美濃国|美濃ノ国]] [[養老の滝]]」 「木曽路ノ奥 阿彌陀ヶ瀧」（'''[[#作品画像|#]]'''3） 「木曾海道 小野ノ瀑布」 「[[大和国|和州]][[吉野]][[源義経|義経]] 馬洗滝」<br />
{{-}}<br />
==== 諸国名橋奇覧 ====<br />
[[ファイル:Pont Hida Etchy Hokusai.jpg|thumb|250px|『諸国名橋奇覧 飛越の堺つりはし』<br />[[飛騨国|飛騨]]と[[越中国|越中]]の国境に架かる[[吊り橋]]を[[樵]]（きこり）の夫婦が渡っていく。橋には手すりとて無く、たわむ様子が緊張を誘う。雲海に沈んだ谷は底が知れない。行く手の山には2頭の鹿が草を食み、鳥は高い空を悠然と舞う。]]<br />
全国の珍しい橋を画題とした全11図の名所絵揃物。大判錦絵。天保4 - 5年（1833年 - 1834年）、前北斎為一筆。描かれた橋の多くは実在するが、伝説上の橋も含まれている。<br />
<br />
「[[摂津国|摂州]][[旧淀川|安治川]]口[[天保山]]」 「[[亀戸天神社|かめゐど天神]]たいこばし」 「[[足利市|足利]]行道山くものかけはし」 「すほうの国きんたいはし<ref>[[周防国|周防]]岩国の[[錦帯橋]]。</ref>」「[[山城国|山城]]あらし山[[渡月橋|吐月橋]]」 「[[越前国|ゑちぜん]][[九十九橋|ふくゐの橋]]」 「摂州[[天満橋]]」 「飛越の堺つりはし」「[[上野国|かうつけ]]佐野[[船橋市|ふなはし]]の古づ」 「東海道岡崎矢はぎのはし<ref>[[東海道五十三次|東海道]]中[[岡崎宿|岡崎]]の[[矢作橋|矢矧橋（現・矢作橋）]]。</ref>」 「[[三河国|三河]]の八ツ橋の古図」<br />
{{-}}<br />
==== 肉筆画帖 ====<br />
[[ファイル:Hawk on a ceremonial stand.jpg|thumb|250px|『肉筆画帖 鷹』 全10図中の第2図。（[[長野県]][[小布施町]]、北斎館所蔵）]]<br />
にくひつ がじょう。全10図一帖からなる晩年の傑作。肉筆画（紙本着色）でありながら版元の西村屋与八から売り出された。天保5 - 10年（[[1834年]] - [[1839年]]）、前北斎為一改画狂老人卍筆。正式な作品名称は、木版刷りの原題簽より「前北斎卍翁 肉筆画帖」。[[天保の大飢饉]]（1833年 - 1839年）の最中、版元たちとともに休業状態に追い込まれた北斎は一計を案じ、肉筆画帖をいくつも描いて店先で売らせることで餓死を免れたと伝えられる。ただし、大飢饉の前に出された肉筆画帖発売の広告も知られている。現存全図が揃った完全な状態で残っているのは3帖のみであるが、肉筆画帖は当時、もう少し多く発売されていたらしい。<br />
<br />
「[[フクジュソウ|福寿草]]と扇面」「[[鷹]]」「[[はさみ]]と[[スズメ|雀]]」 「桜花と包み」 「蛇と小鳥」 「[[ホトトギス|不如帰]]と虹」 「鰈と撫子」（'''[[#作品画像|#]]'''16） 「蛙とゆきのした」（'''[[#作品画像|#]]'''15） 「鮎と紅葉」（'''[[#作品画像|#]]'''14） 「塩鮭と鼠」（'''[[#作品画像|#]]'''13）。北斎館、[[香雪美術館]]、葛飾北斎美術館所蔵で、香雪本が最も原装に近い。3冊の収録順もそれぞれ入れ違いが見られるが、現在当初の並び順を知るのは不可能である（上記は北斎館の順番）が、最初は「福寿草と扇面」、最後は「桜花と包み」だと考えられる。<ref>伊藤めぐみ 「肉筆画帖について─制作の背景と研究上の諸課題」、所収:[[永田生慈]] 『北斎肉筆画大成』 [[小学館]]、2000年、248-256頁、ISBN 4-09-699581-9</ref><br />
{{-}}<br />
==== 富嶽百景 ====<br />
[[ファイル:The Big wave from 100 views of the Fuji, 2nd volume.jpg|thumb|250px|『富嶽百景』 二編9丁より「海上の不二」<br />砕け散る波頭は[[チドリ科|千鳥]]の群れと一体となり遠方の富士の峰へと降りかかる。]]<br />
3巻からなる絵本で、初編天保5年（1834年）刊行、二編は天保6年（1835年）、三編は刊行年不明（かなり遅れたらしい）。75歳のときが初版（北斎改為一筆）。富士山を画題に102図を描いたスケッチ集であるが、当時の風物や人々の営みを巧みに交えたもの。<br />
<br />
しかし、広く世に知られているのはこの作品よりもむしろ、尋常ならざる図画への意欲を著した跋文（後書き）である。<br />
: 己 六才より物の形状を写の癖ありて 半百の此より数々画図を顕すといえども 七十年前画く所は実に取るに足るものなし<br />
: 七十三才にして稍（やや）禽獣虫魚の骨格草木の出生を悟し得たり<br />
: 故に八十六才にしては益々進み 九十才にして猶（なお）其（その）奥意を極め 一百歳にして正に神妙ならんか 百有十歳にしては一点一格にして生るがごとくならん<br />
: 願わくは長寿の君子 予言の妄ならざるを見たまふべし<br />
<br />
「私は6歳より物の形状を写し取る癖があり、50歳の頃から数々の図画を表した。とは言え、70歳までに描いたものは本当に取るに足らぬものばかりである。（そのような私であるが、）73歳になってさまざまな生き物や草木の生まれと造りをいくらかは知ることができた。ゆえに、86歳になればますます腕は上達し、90歳ともなると奥義を極め、100歳に至っては正に神妙の域に達するであろうか。（そして、）100歳を超えて描く一点は一つの命を得たかのように生きたものとなろう。長寿の神には、このような私の言葉が世迷い言などではないことをご覧いただきたく願いたいものだ。」<br />
{{-}}<br />
==== 百人一首乳母が絵説 ====<br />
天保6年（[[1835年]]）から天保9年（[[1838年]]）、北斎卍筆。[[百人一首]]の歌意を[[乳母]]が判りやすく絵で説くとの企画のもと製作された、北斎最後の大判錦絵揃物。全100点の予定だったが、版元の西村与兵衛が版行途中で没落したため、「猿丸太夫」など27枚で中断（内1枚は校合摺のみ）。また当初の企画に反して、実際の絵ではかえって解釈し難い図も多く含まれており、当時は不評だったことも中断の理由と考えられる。北斎自身はこの企画に強い意欲があったらしく、全100図の[[版下|版下絵]]を描いていたと見られる。現在、版行作品と校合摺、版下絵など合計91点確認されており、版下絵は遺存する数の多さや繊細な表現から晩年期における北斎肉筆画の基準作として重要。[[フリーア美術館]]や[[大英博物館]]などに分蔵。<ref>[[永田生慈]] 『北斎肉筆画大成』 [[小学館]]、2000年、245-247頁</ref><br />
==== 信州小布施の肉筆画 ====<br />
[[ファイル:Hokusai Dragon.jpg|thumb|250px|信州小布施 東町祭屋台天井絵 『龍図』（桐板着色肉筆画）]]<br />
信州[[小布施町|小布施]]を生地とし造酒業を主とした豪農商にして[[陽明学]]等学問にも通じた[[高井鴻山]]（文化3年 - [[明治]]16年〈[[1806年]] - [[1883年]]〉）は、江戸での遊学の折、北斎と知り合い、門下となっている。この縁によって数年後の天保13年（[[1842年]]）秋、旅の道すがらとでもいった様子で齢83の北斎が小布施の鴻山屋敷を訪れた。鴻山は感激し、[[アトリエ]]「碧{{補助漢字フォント|漪}}軒（へきいけん）」を建てて厚遇。以来、北斎の当地への訪問は4度にわたり、逗留中は鴻山の全面的援助のもとで肉筆画を手がけ、独自の画境に没入していった。このとき描かれたものが、小布施の町の[[山車|祭り屋台]]の天井絵であり、[[岩松院]]の天井絵である。<br />
===== 祭屋台天井絵 =====<br />
上町祭屋台天井絵は「男浪〈おなみ〉」と「女浪〈めなみ〉」の2図からなる『怒涛図』であり、東町祭屋台天井絵は『[[鳳凰]]図』（'''[[#作品画像|#]]'''8）および『[[竜|龍]]図』の2図がある。<br />
<br />
『怒涛図』の絢爛たる縁どりの意匠は北斎の下絵に基づき鴻山が描いたものであるが、当時は禁制下にあったにもかかわらず[[キリシタン]]のものを髣髴（ほうふつ）とさせる1体の有翼[[天使]]像が含まれている。<br />
{{-}}<br />
===== 八方睨み鳳凰図 =====<br />
[[ファイル:Ceiling of Ganshoin temple at Obuse.jpg|thumb|250px|岩松院 『八方睨み鳳凰図』下絵]]<br />
はっぽうにらみ ほうおうず。[[長野県]][[小布施町]]にある[[曹洞宗]]寺院・[[岩松院]]の[[本堂]]、その大間天井に描かれた巨大な1羽の鳳凰図。嘉永元年（[[1848年]]）、無落款、伝北斎88歳から89歳にかけての作品である。肉筆画（桧板着色）。<br />
<br />
由良哲次説によると、北斎は83歳のときを初めとして4度、小布施を訪れているが、本作は、4度目の滞在時のおよそ1年を費やして描き込まれ、渾身の一作を仕上げた翌年、江戸に戻った北斎は齢90で亡くなったと考証された。しかし現在では、本図が描かれたとされる嘉年元年6月に、北斎は江戸浅草で門人・本間北曜と面談し、北曜に「鬼図」（現佐野美術館蔵）を与えていた事実が確認され、北斎が89歳の老体をもって小布施を訪れ、直接描いたとする説には否定的な見解が強くなっている。（娘の葛飾応為が手伝って描いたものではないかと推測されている）。<br />
<br />
21畳敷の天井一面を使って描かれた鳳凰は、畳に寝転ばないと全体が見渡せないほどに大きい。伝北斎の現存する作品の中では画面最大のものである。植物油性[[岩絵具]]による画法で、中国・[[清]]から輸入した[[辰砂]]・[[孔雀石]]・[[鶏冠石]]といった高価な鉱石をふんだんに使い、その費用は金150[[両]]と記録される。加えて[[金箔]]4,400枚を用いて表現された極彩色の[[瑞獣]]は、その鮮やかな色彩と光沢を塗り替え等の修復をされることもなく今日に伝えられている。<br />
<br />
なお、平成2年（[[1990年]]）には、画面中央下にあって逆さまの三角形を形作る白い空間（右に示した下絵では黒い空間）が富士山の[[隠し絵]]であることが、当時の住職によって発見されている。また、製作手段については、下で描いて完成させたものを天井に吊り上げたと推定されている。{{要出典|date=2010年8月}}<br />
{{-}}<br />
==== 喜能會之故眞通 ====<br />
[[ファイル:Dream of the fishermans wife hokusai.jpg|thumb|250px|『喜能會之故眞通 [[蛸と海女]]』]]<br />
{{Main|喜能會之故眞通}}<br />
きのえのこのまつ。春画の揃物（色摺半紙本）で、その中の1図「[[蛸と海女]]」が有名である。文政3年（[[1820年]]）頃。<br />
<br />
=== 肉筆浮世絵 ===<br />
[[File:Katsushika Hokusai - Shell Gathering - Google Art Project.jpg|thumb|250px|『潮干狩図』（大阪市立美術館蔵、重要文化財）]]<br />
[[File:Katsushika Hokusai - TWO BEAUTIES - Google Art Project.jpg|thumb|150px|『二美人図』（MOA美術館蔵、重要文化財）]]<br />
<br />
{| class="wikitable sortable"<br />
!作品名<br />
!技法<br />
!形状・員数<br />
!寸法（縦x横cm）<br />
!所有者<br />
!年代<br />
!落款<br />
!印章<br />
!文化財指定<br />
!備考<br />
|-<br />
<br />
|婦女風俗図<br />
|紙本着色<br />
|2幅<br />
|右幅：107.0x52.2<br />左幅：106.8x52.7<br />
|[[島根県立美術館]]<br />
|1792-93年（寛政4-5年）頃<br />
| 無款記<br />
|無<br />
|<br />
|葛飾北斎美術館旧蔵。元は屏風の2扇分。<br />
|-<br />
<br />
|鐘馗図<br />
|絹本着色<br />
|1幅<br />
|53.6x26.0<br />
|島根県立美術館<br />
|<br />
| 「叢春朗画」<br />
|花押<br />
|<br />
|葛飾北斎美術館旧蔵。春朗落款を持つ唯一の本画。<br />
|-<br />
<br />
|[https://collections.artsmia.org/art/8648/strolling-prostitute-katsushika-hokusai 花魁図]<br />
|紙本着色<br />
|1幅<br />
|94.3x27.6<br />
|[[ミネアポリス美術館]]<br />
|1795-98年（寛政7-10年）頃<br />
|「北斎宗理画」<br />
|「完知」白文方印<br />
|<br />
|森羅亭賛<br />
|-<br />
<br />
|[http://archive.asia.si.edu/collections/edan/object.php?q=fsg_F1903.129 遊女図]<br />
|紙本着色<br />
|1幅<br />
|70.9x24.0<br />
|[[フリーア美術館]]<br />
|1795-98年（寛政7-10年）頃<br />
|「北斎宗理戯画」<br />
|「完知」白文方印<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|[http://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0033158 漢武人一人立図]<br />
|絹本着色<br />
|1幅<br />
|52.4x20.6<br />
|[[東京国立博物館]]<br />
|1795-98年（寛政7-10年）頃<br />
|「北斎宗理画」<br />
|「完知」白文方印<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|馬上農夫図<br />
|紙本着色<br />
|1幅<br />
|83.3x26.6<br />
|[[日本浮世絵博物館]]<br />
|1795-98年（寛政7-10年）頃<br />
|「北斎宗理画」<br />
|「辰政」朱文円印<br />
|<br />
|稲葉華溪賛<br />
|-<br />
<br />
|黄石公張良図<br />
|紙本着色<br />
|1幅<br />
|114.5x47.0<br />
|日本浮世絵博物館<br />
|1795-98年（寛政7-10年）頃<br />
|「栄斎宗州応需 北斎宗理画」<br />
|「辰政」朱文円印<br />
|<br />
|依頼した栄斎宗州なる人物は未詳。<br />
|-<br />
<br />
|夜鷹図<br />
|紙本淡彩<br />
|1幅<br />
|99.7x28.0<br />
|[[細見美術館]]<br />
|1795-98年（寛政7-10年）頃<br />
|「北斎宗理画」<br />
|「辰政」朱文円印<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|瑞亀図<br />
|紙本着色<br />
|1幅<br />
|34.9x49.4<br />
|[[奈良県立美術館]]<br />
|1795-98年（寛政7-10年）頃<br />
|「北斎宗理画」<br />
|「辰」「政」朱文白文連方印<br />
|<br />
|稲葉華溪賛<br />
|-<br />
<br />
|風俗三美人図<br />
|紙本着色<br />
|3幅対<br />
|約93.0x24.9（各）<br />
|[[浮世絵太田記念美術館]]<br />
|1799年1月（寛政10年12月）以前<br />
|「北斎画」（各幅）<br />
|「辰政」朱文円印<br />
|<br />
|3幅とも[[朱楽菅江]]賛<br />
|-<br />
<br />
|井手の玉川図<br />
|紙本着色<br />
|1幅<br />
|101.0x41.4<br />
|[[千葉市美術館]]<br />
|1798-1801年（寛政10年-享和元年）<br />
|「北斎画」<br />
|「画狂人」朱文方印<br />
|<br />
|元は六曲一隻押絵貼屏風のうちの1図。現在は1幅ずつに改装されて諸家分蔵。<br />
|-<br />
<br />
|柳下傘持美人図<br />
|絹本着色<br />
|1幅<br />
|83.5x25.0<br />
|[[北斎館]]<br />
|1798-1801年（寛政10年-享和元年）<br />
|「画狂人北斎画」<br />
|「辰政」朱文円印<br />
|<br />
|「辰政」朱文円印はこの時期のみに用いられた特徴的な印章。<br />
|-<br />
<br />
|日・龍・月<br />
|紙本着色<br />
|3幅対<br />
|<br />
|光記念館<br />
|1798-1801年（寛政10年-享和元年）<br />
|「画狂人北斎」（各幅）<br />
|「辰政」朱文円印（各幅）<br />
|<br />
|那須ロイヤル美術館（小針コレクション）旧蔵<br />
|-<br />
<br />
|来燕帰雁図<br />
|絹本着色<br />
|1幅<br />
|82.7x26.0<br />
|法人<!--[[吉野石膏]]--><br />
|1801-04年（享和年間）頃<br />
|「画狂人北斎図」<br />
|「亀毛蛇足」朱文長方印<br />
|<br />
|[[加藤千蔭]]賛<br />
|-<br />
<br />
|二美人図<br />
|絹本着色<br />
|1幅<br />
|110.6x36.7<br />
|[[MOA美術館]]<br />
|1801-04年（享和年間）頃<br />
|「画狂人北斎画」<br />
|「亀毛蛇足」朱文長方印<br />
|[[重要文化財]]<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|[http://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0030635 獅子図屏風]<br />
|紙本金地墨画<br />
|四曲一隻<br />
|54.2x97.3<br />
|東京国立博物館<br />
|1801-04年（享和年間）頃<br />
|「画狂人北斎画」<br />
|「亀毛蛇足」朱文長方印<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|養老の孝子図<br />
|絹本着色<br />
|1幅<br />
|96.0x32.1<br />
|日本浮世絵博物館<br />
|1801-04年（享和年間）頃<br />
|「東陽 画狂人北斎画」<br />
|「亀毛蛇足」朱文長方印<br />
|<br />
|浅草庵市人賛<br />
|-<br />
<br />
|見立三番叟図<br />
|紙本着色<br />
|3幅対<br />
|97.8x27.8（各）<br />
|浮世絵太田記念美術館<br />
|1803-04年（享和年間後期）頃<br />
|「画狂人北斎画」<br />
|「亀毛蛇足」朱文長方印<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|月下歩行美人図<br />
|紙本着色<br />
|1幅<br />
|98.4x26.3<br />
|[[出光美術館]]<br />
|1801-04年（享和年間）頃<br />
|「画狂人北斎画」<br />
|「亀毛蛇足」朱文長方印<br />
|<br />
|[[山東京伝]]賛<br />
|-<br />
<br />
|東方朔と美人図<br />
|紙本着色<br />
|1幅<br />
|37.2x37.8<br />
|[[葛飾北斎美術館]]<br />
|1801-04年（享和年間）頃<br />
|「画狂人北斎画」<br />
|「亀毛蛇足」朱文長方印<br />
|<br />
|芍薬亭長根賛<br />
|-<br />
<br />
|[https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/bunkazai/bunkazai/p121-014.html 富士の巻狩図]<br />
|板地着色<br />
|絵馬1面<br />
|139.3x180.4<br />
|[[日枝神社]]（[[木更津]]）<br />
|1806年（文化3年）<br />
|「画狂人北斎旅中画」<br />
|「之印」朱文方印<br />
|千葉県指定文化財<br />
|文化3年（1806年）木更津に旅行した際に描いた作品。<br />
|-<br />
<br />
|茶摘み図<br />
|絹本着色<br />
|1面<br />
|19.5x26.1<br />
|浮世絵太田記念美術館<br />
|1806年(文化3年）頃<br />
|「東陽 北斎席画」<br />
|「亀毛蛇足」朱文長方印<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|酔余美人図<br />
|絹本着色<br />
|1幅<br />
|26.5x32.3<br />
|[[鎌倉国宝館]]<br />
|1807年(文化4年）頃<br />
|「葛飾北斎画」<br />
|「亀毛蛇足」朱文長方印<br />
|<br />
|[[林忠正]]旧蔵<br />
|-<br />
<br />
|波に燕図<br />
|紙本着色<br />
|扇面1面<br />
|23.9x51.1<br />
|鎌倉国宝館<br />
|1806-13年（文化3-10年）頃<br />
|「北斎筆」<br />
|「辰」「政」白文方連印<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|五美人図<br />
|絹本着色<br />
|1幅<br />
|86.4x34.2<br />
|[[シアトル美術館]]<br />
|1806-13年（文化3-10年）頃<br />
|「葛飾北斎筆」<br />
|「亀毛蛇足」朱文長方印<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|源氏物語図<br />
|絹本着色<br />
|1幅<br />
|84.5x36.5<br />
|浮世絵太田記念美術館<br />
|1806-13年（文化3-10年）頃<br />
|「葛飾北斎」<br />
|「亀毛蛇足」朱文長方印<br />
|<br />
|ビゲロー旧蔵<br />
|-<br />
<br />
|化粧美人図<br />
|絹本着色<br />
|1幅<br />
|95.7x33.2<br />
|[[城西大学]]水田美術館<br />
|1810-11年（文化7-8年）頃<br />
|「葛飾北斎」<br />
|「亀毛蛇足」朱文長方印<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|汐干狩図<br />
|絹本着色<br />
|1幅<br />
|54.3x86.2<br />
|[[大阪市立美術館]]<br />
|1806-13年（文化3-10年）頃<br />
|「葛飾北斎」<br />
|「亀毛蛇足」朱文長方印<br />
|重要文化財<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|春秋美人図<br />
|絹本着色<br />
|双幅<br />
|82.9x33.8（各）<br />
|出光美術館<br />
|1806-13年（文化3-10年）頃<br />
|「葛飾北斎筆」<br />
|「雷震」白文方印<br />
|<br />
|ビゲロー旧蔵。[[瀧精一]]の箱書きが付属。<br />
|-<br />
<br />
|鶴図屏風<br />
|絹本着色<br />
|二曲一隻<br />
|25.1x155.8<br />
|鎌倉国宝館<br />
|1806-13年（文化3-10年）頃<br />
|「北斎筆」<br />
|「雷震」白文方印<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|蛸図<br />
|紙本着色<br />
|1幅<br />
|102.5x29.2<br />
|鎌倉国宝館<br />
|1811年（文化8年）前後<br />
|「葛飾北斎筆」<br />
|「雷震」白文方印<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|[http://www.city.chichibu.lg.jp/4196.html 桜花図]<br />
|板地著色<br />
|絵馬1面<br />
|約46.0x191.0<br />
|[[長泉院]]（[[秩父市]]）<br />
|1811年（文化8年）奉納<br />
|「北斎燈下筆」<br />
|「雷震」白文方印<br />
|秩父市指定文化財<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|[http://www.britishmuseum.org/research/collection_online/collection_object_details/collection_image_gallery.aspx?assetId=101066001&objectId=789120&partId=1 鎮西八郎為朝図]<br />
|絹本着色<br />
|1幅<br />
|59.3x81.9<br />
|[[大英博物館]]<br />
|1811年（文化8年）<br />
|「葛飾北斎戴斗画」<br />
|「雷震」白文方印<br />
|<br />
|滝沢馬琴賛。『椿説弓張月』五編二十八巻が完結したのを記念し、版元の平林庄五郎の依頼で描かれた作品。<br />
|-<br />
<br />
|[http://www.saitama-rekimin.spec.ed.jp/index.php?page_id=176 鯉と亀図]<br />
|紙本淡彩<br />
|1幅<br />
|27.6x92.4<br />
|[[埼玉県立博物館]]<br />
|1813年5月25日（文化10年4月25日）<br />
|「北斎」<br />
|「亀毛蛇足」朱文長方印<br />
|埼玉県指定有形文化財<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|[[武松]]候虎の図<br />
|絹本著色<br />
|1幅<br />
|105.5x48.5<br />
|法人<!--[[日本通信]]株式会社--><br />
|<br />
|「北斎改為一筆」<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|[http://www.mfa.org/collections/object/phoenix-26334 鳳凰図屏風]<br />
|紙本着色<br />
|八曲一隻<br />
|35.8x233.2<br />
|[[ボストン美術館]]<br />
|1835年（天保6年）<br />
|「齢年七十六歳 前北斎為一改画狂老人卍筆」<br />
|富士形印<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|[[西瓜図]]<br />
|絹本着色<br />
|1幅<br />
|86.1x29.9<br />
|[[三の丸尚蔵館]]<br />
|[[1839年]]（天保10年）<br />
|「画狂老人卍筆 齢八十」<br />
|印文不明<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|春日山鹿図<br />
|絹本着色<br />
|1幅<br />
|32.5x55.8<br />
|鎌倉国宝館<br />
|1839年（天保10年）<br />
|「画狂老人卍筆齢八十歳」<br />
|「葛しか」白文方印<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|若衆文案図<br />
|絹本着色<br />
|1幅<br />
|73.3x32.7<br />
|鎌倉国宝館<br />
|1840年（天保11年）<br />
|「画狂老人卍筆齢八十一」<br />
|「葛しか」白文方印<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|大黒に大根（見立[[児島高徳]]）図<br />
|絹本着色<br />
|1幅<br />
|86.3x42.7<br />
|鎌倉国宝館<br />
|1841年（天保12年）<br />
|「画狂老人卍筆齢八十ニ歳」<br />
|「葛しか」白文方印<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|日新除魔図<br />
|紙本墨画<br />
|219枚<br />
|<br />
|[[九州国立博物館]]<br />
|1842-43年<br />
|<br />
|<br />
|重要文化財<br />
|[[松代藩]]士宮本慎助旧蔵で「宮本本」と呼ばれる。弘化4年（1847年）に北斎から宮本に贈られた。宮本の息子が書いた跋文には、[[文久]]2年（[[1862年]]）[[ロンドン万国博覧会 (1862年)|ロンドン万国博覧会]]に出品され、激賞されたとあるが定かでない。平成9年（[[1997年]]）[[クリスティーズ]]の[[カタログ]]に掲載され[[オークション]]にかけられそうになるが、[[文化庁]]は本作は[[重要美術品]]で海外流出禁止なことをクリスティーズに伝え、オークション1日前に販売中止となる事件があった<ref>橋本健一郎 「画狂人北斎「日新除魔図」について―『葛飾北斎日新除魔帖』を中心として―」『財団法人北斎館 北斎研究所 研究紀要 第三集 2010年』 2011年1月31日、p.103。</ref>。その後、東京の古物商の手に渡り、平成30年（2018年）九州国立博物館に寄贈された。「日新除魔図」は他に、松代藩[[家老]]・小山田壱岐旧蔵の1帖10図（現在は法人<!--渡辺版画店-->蔵）、北斎晩年の門人・[[本間北曜]]旧蔵の12点（内10点は北斎館蔵、1点は個人蔵、1点は所在不明）<ref>金田功子「北斎の日新除魔図と小布施―獅子の絵の現状と『葛飾北斎日新除魔帖』を中心として―」『財団法人北斎館 北斎研究所 研究紀要 第九集 2016年』 2017年2月20日、pp.25-41。</ref>。<br />
|-<br />
<br />
|雪中張飛図<br />
|絹本着色<br />
|1幅<br />
|132.6x43.9<br />
|鎌倉国宝館<br />
|1843年（天保14年）<br />
|「齢八十四歳画狂老人卍筆」<br />
|「葛しか」白文方印<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|桜に鷲図<br />
|絹本着色<br />
|1幅<br />
|97.2x45.7<br />
|鎌倉国宝館<br />
|1843年（天保14年）<br />
|「八十四歳卍筆」<br />
|「葛しか」白文方印<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|阿耨（あのく）観音図<br />
|紙本着色<br />
|1幅<br />
|81.3x30.0<br />
|鎌倉国宝館<br />
|1844年（天保15年）<br />
|「天保十五庚辰年正月元旦試筆画狂老人卍齢八十五歳」<br />
|「葛しか」白文方印<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|三番叟図<br />
|紙本着色<br />
|1幅<br />
|31.2x58.0<br />
|鎌倉国宝館<br />
|1830-44年（天保年間）頃<br />
|無款記<br />
|「葛しか」白文方印<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|小雀を狙う山かがし図額<br />
|絹本着色<br />
|1面<br />
|28.6x81.1<br />
|鎌倉国宝館<br />
|1830-44年（天保年間）頃<br />
|無款記<br />
|無<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|一枚物各種（いもの葉に虫図など）<br />
|紙本着色<br />
|11枚<br />
|<br />
|鎌倉国宝館<br />
|1830-44年（天保年間）頃<br />
|無款記<br />
|無<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|画帖（若竹と雀図他）<br />
|紙本着色<br />
|1冊（4枚）<br />
|<br />
|鎌倉国宝館<br />
|19世紀中頃<br />
|無款記<br />
|無<br />
|<br />
|林忠正旧蔵<br />
|-<br />
<br />
|弘法大師修法図<br />
|紙本着色<br />
|1幅<br />
|約150x240<br />
|[[總持寺 (足立区)]]<br />
|<br />
|無款記<br />
|無<br />
|<br />
|10月第1土曜日の「北斎会（ほくさいえ）」で公開<br />
|-<br />
<br />
|須佐之男命厄神退治之図<br />
|板地着色<br />
|絵馬1面<br />
|約276x126<br />
|牛嶋神社旧蔵<br />
|1845年（弘化2年）<br />
|「前北斎卍筆 齢八十六歳」<br />
|富士形印<br />
|<br />
|[[関東大震災]]で焼失し、白黒写真の印刷のみ現存。すみだ北斎美術館で色彩を推定復元、原寸大で展示されている<ref>{{Cite web |url=http://www.toppan.co.jp/news/2016/11/newsrelease161117.html |title=凸版印刷、北斎幻の大絵馬を推定復元 |publisher=[[凸版印刷]] |accessdate=2017-03-14 |date=2016-11-17}}</ref>。<br />
|-<br />
<br />
|[[予譲]]<br />
|紙本着色<br />
|<br />
|<br />
|<br />
|1846年（弘化3年）<br />
|「八十七老卍筆」<br />
|朱文方印<br />
|<br />
|那須ロイヤル美術館（小針コレクション）旧蔵<br />
|-<br />
<br />
|七面大明神応現図<br />
|紙本着色<br />
|1幅<br />
|132.3x59.3<br />
|[[妙光寺 (古河市)]]（東京国立博物館[[寄託]]）<br />
|1847年（弘化4年）<br />
|「八十八老人卍敬筆」<br />
|「百」白文方印<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|雷神図<br />
|紙本着色<br />
|1幅<br />
|129.9x55.4<br />
|フリーア美術館<br />
|1847年（弘化4年）<br />
|「八十八翁 卍筆」<br />
|「百」白文方印<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|狐狸図<br />
|紙本淡彩<br />
|双幅<br />
|122.5x56.8<br />
|個人<br />
|1848年（嘉永元年）<br />
|「卍老人筆 齢八十九歳」<br />
|「百」白文方印<br />
|[[重要美術品]]<br />
|萬野美術館旧蔵。松代の旧家に伝来。<br />
|-<br />
<br />
|寿布袋図<br />
|紙本淡彩<br />
|1幅<br />
|95.3x28.5<br />
|鎌倉国宝館<br />
|1848年（嘉永元年）<br />
|「齢八十九歳卍筆」<br />
|「百」白文方印<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|雨中の虎図<br />
|紙本着色<br />
|1幅<br />
|120.5x41.5<br />
|浮世絵太田記念美術館<br />
|1849年（嘉永2年）<br />
|「九十老人卍筆」<br />
|「百」白文方印<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|ほととぎす虹図<br />
|紙本着色<br />
|<br />
|<br />
|[[ニューオータニ美術館]]<br />
|<br />
|<br />
|<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|蚊帳美人図<br />
|絹本着色<br />
|<br />
|<br />
|ニューオータニ美術館<br />
|<br />
|落款判読不能<br />
|<br />
|<br />
|伝葛飾北斎<br />
|-<br />
<br />
|弁慶図<br />
|絹本着色<br />
|<br />
|<br />
|ニューオータニ美術館<br />
|<br />
|無款。扇に「北□」の書込みあり<br />
|<br />
|<br />
|伝葛飾北斎筆<br />
|-<br />
<br />
|鬼は外図<br />
|紙本着色<br />
|<br />
|<br />
|ニューオータニ美術館<br />
|<br />
|<br />
|無款<br />
|<br />
|伝葛飾北斎<br />
|-<br />
<br />
|十六羅漢図<br />
|紙本着色<br />
|<br />
|<br />
|ニューオータニ美術館<br />
|<br />
|無款<br />
|<br />
|<br />
|伝葛飾北斎<br />
|-<br />
<br />
|[[日蓮]]<br />
|紙本着色<br />
|<br />
|<br />
|[[光記念館]]<br />
|<br />
|「葛飾北斎戴斗拝画」<br />
|<br />
|<br />
|那須ロイヤル美術館（小針コレクション）旧蔵<br />
|-<br />
<br />
|亀<br />
|紙本着色<br />
|<br />
|<br />
|<br />
|<br />
|無款記<br />
|印章2顆<br />
|<br />
|那須ロイヤル美術館（小針コレクション）旧蔵<br />
|-<br />
<br />
|浅妻舟図<br />
|紙本着色<br />
|<br />
|<br />
|光記念館<br />
|<br />
|「北斎」<br />
|「亀毛蛇足」朱文長方印<br />
|<br />
|那須ロイヤル美術館（小針コレクション）旧蔵<br />
|-<br />
<br />
|八朔太夫図<br />
|紙本着色<br />
|<br />
|<br />
|北斎館<br />
|<br />
|<br />
|<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|雑画巻<br />
|紙本着色<br />
|1巻<br />
|<br />
|フリーア美術館<ref>フリーア美術館には他にも北斎肉筆画とされる作品が多くあるが、これらは北斎の真筆に比べると、どことなく「ドライ」な画風で、筆勢の力強さが遥かに劣っており、華やかさも創造的な面白さもなく、凝縮力のある劇的な観点に欠けるとして、これらを贋作とする意見もある（リチャード・レイン『伝記画集 北斎』 291-292頁）。</ref><br />
|<br />
|<br />
|<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
<br />
|鶏竹図<br />
|絹本着色<br />
|<br />
|<br />
|<br />
|<br />
|<br />
|<br />
|<br />
|[[ジョサイア・コンドル]]の旧蔵品で2016年11月に東京の美術商が落札<ref>[http://www.asahi.com/articles/ASJDW51R8JDWPLZU008.html 北斎の肉筆画新発見 色とりどりの「鶏竹図」] 朝日新聞、2016年12月31日閲覧。</ref>。<br />
|-<br />
<br />
|雪中美人図<br />
|絹本着色<br />
|1幅<br />
|<br />
|<br />
|<br />
|<br />
|<br />
|<br />
|<br />
|-<br />
|}<br />
<br />
=== 版本 ===<br />
*『[https://books.google.com.do/books?id=6i8kabFLzI8C&printsec=frontcover&hl=ja#v=onepage&q&f=false 狂歌江戸紫]』 寛政7年 絵入狂歌本 [[花江戸住]]撰、北斎は「宗理」号で「年礼図」を描く<br />
*『東遊』 寛政11年 絵入狂歌本 浅草市人撰<br />
*『東都名所一覧』 寛政12年 絵入狂歌本<br />
*『潮来絶句』 享和2年 絵入狂詩本 富士唐丸編<br />
*『山満多山』 文化1年 絵入狂歌本 大原亭主人撰<br />
*『隅田川両岸一覧』 文化3年頃 絵入狂歌本<br />
*『椿説弓張月』 文化4年～文化8年 読本 曲亭馬琴作<br />
*『近世怪談霜夜星（きんせいかいだんしもよのほし）』 文化5年（1808年） 読本挿絵 [[蓬左文庫]]所蔵<br />
*『己痴羣夢多字画尽（おのがばかむらむだじえづくし）』 文化7年 絵手本<br />
*『[https://cdn.flipsnack.com/widget/flipsnackwidget.html?hash=ftcsgji5x&bgcolor=EEEEEE&t=1481362893 略画早指南(1)][https://cdn.flipsnack.com/widget/flipsnackwidget.html?hash=fti4xlqen&bgcolor=EEEEEE&t=1481363446 (2)]』 文化9年 絵手本<br />
*『北斎漫画』 文化11年～嘉永2年 絵手本 門人の作らしきもの明治刊<br />
*『富嶽百景』 天保5年～天保6年 絵本<br />
*『画本彩色通』 嘉永1年 絵手本<br />
<br />
== 作品画像 ==<br />
代表作『[[富嶽三十六景]]』は単独項目を参照のこと。<br />
{|<br />
|[[ファイル:Portrait of chino Hyogo seated at his writing desk.jpg|thumb|left|270px|1]]<br />
|[[ファイル:Hokusai Carps.jpg|thumb|left|483px|2]]<br />
|}<br />
:画像-1 ：『五美人図』 肉筆画。文化5 - 10年（[[1808年]] - [[1813年]]）頃、北斎の号を使い始めた（落款は葛飾北斎筆）50歳前後の時期の作品。絹本着色。[[細見美術館]]所蔵。<br />
:画像-2 ：『鯉図』 肉筆画（紙本墨画）。文化10年（[[1813年]]）4月25日、北斎筆。紙本着色。左端の添え書きは北斎直筆で、弟子の[[葛飾北明]]に印顆と共に与えた作。[[埼玉県立歴史と民俗の博物館]]所蔵。公式サイトに解説あり（[http://www.saitama-rekimin.spec.ed.jp/?page_id=176 外部リンク]）。<br />
{|<br />
|[[ファイル:Katsushika Hokusai 001.jpg|thumb|left|100px|3]]<br />
|[[ファイル:Shunkosai Hokuei Obake.jpg|thumb|left|108px|4]]<br />
|[[ファイル:Hokusai Sarayashiki.jpg|thumb|left|110px|5]]<br />
|[[ファイル:Hokusai 1760-1849, Katsushika, Japan Selfportrait at the age of eighty three.jpg|thumb|left|95px|6]]<br />
|[[ファイル:Portrait of a man of noble birth with a book.jpg|thumb|left|100px|7]]<br />
|[[ファイル:Hokusai Phoenix.jpg|thumb|left|153px|8]]<br />
|}<br />
:画像-3 ：『諸國瀧廻リ 木曽路ノ奥 阿彌陀ヶ瀧』（諸国滝廻り 木曽路の奥 [[阿弥陀ケ滝|阿弥陀ヶ滝]]） 名所絵揃物『[[#諸国滝廻り|諸国滝廻り]]』中の1図。美濃国は[[毘沙門岳]]山麓にある名滝。丸鏡のようにも見える上流の空間と滝の流れが織りなす幾何学的構図が荘厳と不可思議を演出している。<br />
:画像-4 ：『百物語 お岩さん』 『[[#百物語|百物語]]』全5図のうち、[[四谷怪談]]のお岩さん。[[提灯]]に浮かび上がる恨めしげなお岩の形相。<br />
:画像-5 ：『百物語 さらやし記』（ひゃくものがたり さらやしき） 『百物語』のうち、[[皿屋敷]]。北斎の独創性により、井戸から現れたお菊の[[幽霊]]は、その首が長い黒髪の絡まりで連なった皿になっている。<br />
:画像-6 ：『八十三歳自画像』 天保10年（1842年）、北斎82歳（[[数え年]]83歳）のときの自画像。肉筆画（紙本墨画）。描かれたのは41、2歳の頃の作品についての質問に対する返信状であり、落款は八十三歳八右衛門。[[オランダ]]、ライデン国立民族学博物館所蔵。<br />
:画像-7 ：「武家」 肉筆画。<br />
:画像-8 ：『鳳凰図』 信州小布施、東町祭屋台天井絵（桐板着色肉筆画）。<br />
{|<br />
|[[ファイル:Hokusai Poppies.jpg|thumb|left|220px|9]]<br />
|[[ファイル:Hokusai Kakurezato.jpg|thumb|left|220px|10]]<br />
|[[ファイル:Two carp in a cascade.jpg|thumb|left|68px|11]]<br />
|[[ファイル:View of lake Suwa.jpg|thumb|left|200px|12]]<br />
|}<br />
:画像-9 ：『西村屋版大判花鳥集 [[ケシ|芥子]]』 花鳥画揃物全10図中の1図。天保4 - 5年（1833年 - 1834年）頃、前北斎為一筆。<br />
:画像-10 ：『北斎漫画』のうち「家久連里」（かくれざと） 日本古来の伝承「鼠の[[隠れ里]]」を描いた1図。<br />
:画像-11 ：『長大判花鳥図 滝に[[コイ|鯉]]』 花鳥画揃物全5図中の1図。天保5年頃、前北斎為一筆。<br />
:画像-12 ：『勝景奇覧 信州[[諏訪湖]]』 全8図中の1図。[[うちわ|団扇]]絵。天保元年 - 15年（1830年 - 1844年）、前北斎卍筆。<br />
{|<br />
|[[ファイル:Salted salmond and mice.jpg|thumb|left|390px|13 14]]<br />
|[[ファイル:Hokusai Flat fish and pink.jpg|thumb|left|388px|15 16]]<br />
|}<br />
:画像-13 ：『肉筆画帖 [[サケ|塩鮭]]と[[ネズミ|鼠]]』 北斎晩年の傑作『[[#肉筆画帖|肉筆画帖]]』全10図一帖中の1図。<br />
:画像-14 ：『肉筆画帖 [[アユ|鮎]]と紅葉』 上に同じ。<br />
:画像-15 ：『肉筆画帖 [[カエル|蛙]]と[[ユキノシタ|ゆきのした]]』 上に同じ。<br />
:画像-16 ：『肉筆画帖 [[カレイ|鰈]]と[[ナデシコ|撫子]]』 上に同じ。<br />
{|<br />
|[[ファイル:Hokusai tanuki tea kettle.jpg|thumb|left|110px|17]]<br />
|[[ファイル:A merchant making up the account.jpg|thumb|left|228px|18]]<br />
|[[ファイル:Hokusai, Hotei.jpg|thumb|left|115px|19]]<br />
|[[ファイル:Hokusai Shoki riding a shishi lion.jpg|thumb|left|75px|20]]<br />
|[[ファイル:Pecheur rocher Surimono.jpg|thumb|left|120px|21]]<br />
|}<br />
:画像-17 ：『[[分福茶釜]]図』 肉筆画（紙本墨画）。寛政9年（[[1797年]]）頃。<br />
:画像-18 ：『節李の商家』 肉筆画。北斎と娘の葛飾応為の合作。[[オランダ商館]]医であった[[フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト|シーボルト]]が国へ持ち帰ったと伝えられる1枚。オランダ国立民族学博物館所蔵。<br />
:画像-19 ：『[[布袋]]図』 肉筆画（紙本墨画）。<br />
:画像-20 ：『[[鍾馗]]騎獅図』 肉筆画（紙本着色）。天保15年（1844年）、画狂老人卍筆。東京都、[[出光美術館]]所蔵。<br />
:画像-21 ：『[[煙管]]を吸う漁師図』 摺物（すりもの）。天保6年（1835年）、自画讃。自画像との説がある。<br />
<br />
=== 諸国滝廻り ===<br />
<div style="font-size:80%"><gallery perrow="4"><br />
ファイル:A Tour of the Waterfalls of the Provinces-Kisoji No Okuami Dagataki.jpg|木曽路ノ奥阿弥陀ケ滝<br>(きそじのおくあみだがたき)<br />
ファイル:A Tour of the Waterfalls of the Provinces-Kisokaidou Onono Bakuhu.jpg|木曾海道小野ノ瀑布<br>(きそかいどうおののばくふ)<br />
ファイル:A Tour of the Waterfalls of the Provinces-Minokoku Yourou No Taki.jpg|美濃国養老の滝<br>(みのこくようろうのたき)<br />
ファイル:A Tour of the Waterfalls of the Provinces-Shimotsuke Kurokamiyama Kirihurino Taki.jpg|下野黒髪山きりふりの滝<br>（しもつけくろかみやまきりふるのたき）<br />
ファイル:A Tour of the Waterfalls of the Provinces-Soushuu Ooyama Rouben No Taki.jpg|相州大山ろうべんの滝<br>(そうしゅうおおやまろうべんのたき)<br />
ファイル:A Tour of the Waterfalls of the Provinces-Toukaidou Sakanoshita Kiyotaki Kannon.jpg|東海道坂ノ下清滝くわんおん<br>(とうかいどうさかのしたきよたきかんのん)<br />
ファイル:A Tour of the Waterfalls of the Provinces-Touto Aoigaoka No Taki.jpg|東都葵ケ岡の滝<br>(とうとあおいがおかのたき)<br />
ファイル:A Tour of the Waterfalls of the Provinces-Washuu Yoshino Yoshitsune Umaarai No Taki.jpg|和州吉野義経馬洗滝<br>(わしゅうよしのよしつねうまあらいのたき)<br />
</gallery></div><br />
<br />
===諸国名橋奇覧===<br />
<div style="font-size:80%"><gallery perrow="4"><br />
File:Unusual Views of Celebrated Bridges in the Provinces-Ashikaga Gyoudousan Kumo No Kakehashi.jpg|足利行道山くものかけはし<br>(あしかがぎょうどうさんくものかけはし)<br />
File:Unusual Views of Celebrated Bridges in the Provinces-Echizen Hukui No Hashi.jpg|ゑちぜんふくゐの橋<br>(えちぜんふくいのはし)<br />
File:Unusual Views of Celebrated Bridges in the Provinces-Hietsu No Sakai Tsurihashi.jpg|飛越の堺つりはし<br>(ひえつのさかいつりはし)<br />
File:Unusual Views of Celebrated Bridges in the Provinces-Kameido Tenjin Taiko Hashi.jpg|かめゐど天神たいこはし<br>(かめいどてんじんたいこはし)<br />
File:Unusual Views of Celebrated Bridges in the Provinces-Koutsuke Sano Hunakashi No Kozu.jpg|かうつけ佐野ふなはしの古づ<br>(こうつけさのふなはしのこず)<br />
File:Unusual Views of Celebrated Bridges in the Provinces-Mikawa No Yatsuhashi No Kozu.jpg|三河の八ツ橋の古図<br>(みかわのやつはしのこず)<br />
File:Unusual Views of Celebrated Bridges in the Provinces-Sesshu Ajikawaguchi Tenpouzan.jpg|摂洲阿治川口天保山<br>(せっしゅうあじかわぐちてんぽうざん)<br />
File:Unusual Views of Celebrated Bridges in the Provinces-Sesshuu Tenmabashi.jpg|摂洲天満橋<br>(せっしゅうてんまばし)<br />
File:Unusual Views of Celebrated Bridges in the Provinces-Suou No Kuni Kintai Hashi.jpg|すほうの国きんたいはし<br>(すおうのくにきんたいはし)<br />
File:Unusual Views of Celebrated Bridges in the Provinces-Tôkaidô Okazaki Yahagi No Hashi.jpg|東海道岡崎矢はぎのはし<br>(とうかいどうおかざきやはぎのはし)<br />
File:Unusual Views of Celebrated Bridges in the Provinces-Yamashiro Arashiyama Togetsukyou.jpg|山城あらし山吐月橋<br>(やましろあらしやまとげつきょう)<br />
</gallery></div><br />
<br />
== 門人とその影響 ==<br />
北斎の門人は数多くおり、[[蹄斎北馬]]、[[魚屋北渓]]、[[昇亭北寿]]、[[柳々居辰斎]]、[[葛飾北岱]]、[[葛飾北泉]]、[[葛飾北嵩]]、[[柳川重信]]、[[牧墨僊]]などがよく知られている。ただし『葛飾北斎伝』によれば北斎は「自ら教授することを好まず、其の門人たらんを請ふものあれば、自ら画きし刻板の画手本を出だし、先づ画かしめ、そここゝと、短所を指して、教へたるのみ」という態度だったという。<br />
<br />
[[歌川国芳]]、[[歌川国直]]、[[渓斎英泉]]ら多くの絵師にも影響を与えている。<br />
<br />
=== 「葛飾北斎」を称した者 ===<br />
全くの別人であるが、葛飾北斎を名乗る絵師が北斎の没後に数名いたと考えられている。[[葛飾北斎 (2代目)|二代目葛飾北斎]]のほか、江戸橋場町の神社の杉戸に絵を描いた人物も「葛飾北斎」を名乗っていたという。『葛飾北斎伝』には二代目北斎について述べたあと、以下のくだりがある。<br />
<br />
:「又按ずるに、東京橋場町、真崎の石浜神社にある杉戸の牛馬の図に、安政屠維協洽之玄月<small>（[[安政]]6年〈1859年〉9月）</small>、葛飾北斎謹画とあり、印章は左の如し<small>（印形をそのまま写す）</small>何人なるを詳らかにせず、画風は、葛飾にあらず、土佐の風に近し、甚だ拙なり」<br />
<br />
「真崎の石浜神社」とは、現在の東京都[[荒川区]]にある石浜神社の事である。この神社の杉戸に「牛馬の図」があり、それに「葛飾北斎」という署名があったという。『葛飾北斎伝』は「何人なるを詳らかにせず」と述べ、すなわちこれは世に知られる浮世絵師の葛飾北斎ではなく、また二代目の北斎でもない別人としている。「画風は、葛飾にあらず、土佐の風に近し」ともあり、実際にはどのような素性の人物だったのか全くの不明である。『浮世絵師伝』は二代目北斎を名乗ったとされる橋本庄兵衛（橋本北斎）と、この石浜神社の杉戸絵を描いた「葛飾北斎」について、「橋本北斎が居所の山谷と該神社の真崎との地理的関係を考ふれば、或は両者同一人なりしやも知れず」と述べているが、これも定かではない。<br />
<br />
また安政元年（1854年）刊行の『雷公地震由来記』の口絵にも画中に「北斎筆」とあるが<ref>『江戸時代女性文庫』49（天空社、1996年）。</ref>、これも二代目北斎のことなのか、それとも違う人物が「北斎」と称して描いたものなのか明らかではない。<br />
<br />
== 関連事項 ==<br />
北斎またはその作品に関連する施設・店舗、作品など。<br />
<br />
=== 北斎館 ===<br />
晩年の北斎が4年間を過ごした信州小布施（現・長野県上高井郡[[小布施町]]。「[[#生涯年表]]」の「天保15年」、および、「[[#信州小布施の肉筆画]]」参照）にある博物館。[[1976年]]（昭和51年）完成、[[2015年]]（平成27年）にリニューアルオープン。北斎の作品が多数展示されている。<br />
* [http://hokusai-kan.com/ 北斎館（公式ウェブサイト）] ：画像も多数あり。<br />
<br />
=== 北斎通り ===<br />
東京都墨田区[[亀沢]]1丁目から[[錦糸公園]]の先の錦糸橋（[[横十間川]]）につきあたるまでの、かつての江戸・本所南割下水の排水路<!--地名と水路が同名なので限定の意。-->を[[溝渠#暗渠|暗渠]]（あんきょ）化して道路にした通り。[[東京都江戸東京博物館]]の建設を機に整備され、この名に改められた。<br />
<br />
正確な根拠は不明ながら、生地とされる割下水の南部に位置することを基として、かつては亀沢側の起点付近に「葛飾北斎生誕の地」の碑が建っていたが、現在は撤去されている。また、亀沢から長崎橋跡（[[大横川親水公園]]）までの区間の照明灯には北斎の浮世絵が貼られ、携帯バーコード・サービスによって解説文の閲覧が可能となっていた（[[NTTドコモ]]の提供、現在は終了）。[[2016年]][[11月22日]]には、通り沿いに[[すみだ北斎美術館]]が開館した。<br />
* [http://www.hokusai-dori.com/ 亀沢・北斎ネット - 北斎通りまちづくりの会（公式ウェブサイト）]<br />
<br />
=== その他 ===<br />
<!--由緒は無いが、何らかの形で直接的に北斎を扱っている事項は、ここに。中でも上位ほど直接的。Cyclops--><br />
* 北斎を題材とした小説・映画等作品<br />
**小説『溟い海』 - [[藤沢周平]]の出世作となった短編で、1971年発表。第38回[[オール讀物新人賞]]受賞作、[[直木賞]]候補。晩年の北斎を主人公とし、『[[東海道五十三次]]』をヒットさせた気鋭・[[歌川広重]]への陰鬱な葛藤を主題とする。後年の藤沢作品とは異なる、暗澹とした展開と雰囲気が特徴。<br />
**『小説 葛飾北斎』 - [[小島政二郎]]の代表作となった長編時代ロマン小説<br />
** [[戯曲]]『北斎漫画』- [[劇作家]]・[[矢代静一]]の作品。[[昭和]]48年（[[1973年]]）発表、昭和56年（[[1981年]]）に映画化。<br />
** [[映画]]『[[北斎漫画 (映画)|北斎漫画]]』- 富士映画（のち、[[松竹富士]]）による昭和56年（1981年）製作の日本映画。矢代静一原作の戯曲『北斎漫画』を映画化した作品。春画の大家としても知られる北斎とその娘・お栄（応為）の生涯と、刎頸の友<ref>ふんけいのとも。[[刎頸の交わり]]で結ばれた友人。</ref>・曲亭馬琴との交流を描いている。監督・脚本：[[新藤兼人]]。演者：[[緒形拳]]（鉄蔵〈葛飾北斎〉役）、[[西田敏行]]（左七〈曲亭馬琴〉役）、[[田中裕子]]（お栄〈北斎の娘・応為〉役）、[[樋口可南子]]（お直、春画「蛸と海女」の海女のモデル役）。<br />
** [[漫画]]『[[百日紅_(漫画)|百日紅（さるすべり）]]』- [[杉浦日向子]]の作品。[[文化 (元号)|文化]]の頃が舞台。葛飾北斎とその娘で同じく浮世絵師のお栄（葛飾応為）や弟子たちの目を通して北斎の人となりや江戸の息遣いを描いた作品。<br />
**小説『[http://www.kawade.co.jp/np/isbn/4309003583 応為坦坦録]』 - [[山本昌代]]の作品。棟割り長屋で三食店屋物、絵以外は一切お構いなしで奔放自在に生きる北斎父娘。父の代筆もする娘応為の飄々とした生きっぷりを、江戸戯作者風才筆で活写する。現在は絶版 第20回文藝賞受賞 日本図書館協会選定図書 ISBN 978-4-309-00358-0<br />
<br />
* 北斎やその作品にちなむ事物等<br />
<!--由緒も無く、関わると言っても名前程度である事項は、ここに。北斎という名の登場人物が「ただいるだけ」の作品も記すなら、ここ。Cyclops--><br />
**[http://www.google.com/doodles/birthday-of-katsushika-hokusai Googleのロゴ] - [[2010年]][[10月31日]]に限り、葛飾北斎の生誕250周年を記念して『神奈川沖浪裏』をモチーフとしたロゴに変更された。<br />
** [[東京ディズニーランド]]の[[東京ディズニーランドのレストラン|レストラン]]『[[れすとらん北斎]]』 - 店名が葛飾北斎に由来しており、店内の装飾やメニュー表のデザインなどに北斎の作品が多用されている。<br />
** サーフ系ブランド「[[クイックシルバー (ブランド)|クイックシルバー]]」のロゴ - 「[[#富嶽三十六景]]」を参照のこと。<br />
** 漫画『[[無限の住人]]（むげんのじゅうにん）』- [[沙村広明]]の作品。[[安永]]のころが舞台。作中に北斎をモデルにしたと思われる浮世絵師「宗理」が登場する。このほかにも北斎の画号と同じ名を持つ登場人物が多い。<br />
** [[北斎 (小惑星)|小惑星「北斎」]] - 北斎にちなんで命名された[[太陽系小天体]]「12614 Hokusai」。<br />
<br />
== 北斎が登場するフィクション ==<br />
; 小説<br />
*[[今東光]] 『北斎秘画』 1969年（のち徳間文庫）<br />
*[[小島政二郎]] 『小説葛飾北斎』 光風社、1964年（のち旺文社文庫）<br />
*[[上村一夫]] 『狂人関係』 [[青林堂]]、1977年<br />
*[[仁田義男]] 『画狂一代 小説葛飾北斎』 集英社、1989年<br />
*[[高田郁]] 『残月―みをつくし料理帖』 角川春樹事務所、2013年<br />
*[[山本昌代]]『応為坦坦録』河出書房新社<br />
*キャサリン・ゴヴィエ『北斎と応為』2014年 (原題: "The Ghost Brush" 2010年, 米国版: "The Printmaker's Daughter" )<br />
*[[三日木人]]『北斎夢枕草紙 娘お栄との最晩年』 本の泉社、2017年<br />
; 漫画<br />
*[[杉浦日向子]] 『[[百日紅 (漫画)|百日紅]]』 [[実業之日本社]]、1983年 - 1987年（2015年にアニメ映画化→『[[百日紅 (漫画)#アニメ映画|百日紅 〜Miss HOKUSAI〜]]』）<br />
*[[石ノ森章太郎]] 『北斎』 世界文化社、1987年<br />
; 戯曲<br />
*矢代静一 『北斎漫画』 河出書房新社、1973年（1981年に[[新藤兼人]]により映画化→『[[北斎漫画 (映画)]]』）<br />
*長田育恵『燦々』2016年（同年「てがみ座」にて舞台化）<br />
; テレビドラマ<br />
*『[[必殺からくり人・富嶽百景殺し旅]]』 1978年<br />
*『[[必殺スペシャル・新春 決定版!大奥、春日野局の秘密 主水、露天風呂で初仕事]]』1989年<br />
*『[[眩〜北斎の娘〜|眩（くらら）～北斎の娘～]]』2017年<br />
; 映画<br />
*『[[必殺! 主水死す]]』 1996年<br />
; アニメ<br />
*『[[タイムボカン24|タイムボカン 逆襲の三悪人]]』（2018年、タツノコプロ）<br />
; ゲーム<br />
*『[[スプラトゥーン]]』（2015年、任天堂 ※ブキの名前として）<br />
*『[[ワールドチェイン]]』（2016年、セガゲームス）<br />
*『[[Fate/Grand Order]]』（2018年、TYPE-MOON ※三女の応為と二人一組で登場）<br />
<br />
== 脚注 ==<br />
{{脚注ヘルプ}}<br />
{{Reflist|2}}<br />
<br />
== 関連書籍 ==<br />
*[[楢崎宗重]] 『北斎 原色写真文庫』講談社、1967年<br />
*[[林美一]] 『艶本研究 北斎』 有光書房、1968年<br />
*[[尾崎周道]] 『北斎 ある画狂人の生涯』日本経済新聞社「日経新書」 1968年<br />
*[[福本和夫]] 『北斎と近代絵画』 フジ出版社、1968年<br />
*安田剛蔵 『画狂北斎』 有光書房、1971年<br />
*[[小林太市郎]] 『北斎とドガ』 全国書房、1971年<br />
*[[瀬木慎一]] 『画狂人北斎』 講談社現代新書、1973年<br />
*[[矢代静一]] 『画狂人・北斎考』 PHP研究所、1981年<br />
*[[桂木寛子]] 『葛飾北斎 世界の伝記』 ぎょうせい、1981年<br />
*[[福田和彦]] 『北斎-華麗なるエロス』 実業之日本社、1984年<br />
*永田生慈 『葛飾北斎年譜』 三彩新社、1985年<br />
*林美一ほか 『北斎漫画と春画』新潮社〈とんぼの本〉、1989年<br />
*[[中村英樹]] 『北斎万華鏡 ポリフォニー的主体へ』 美術出版社、1990年<br />
*永田生慈 『北斎 世界を魅了した絵本』 三彩社、1991年<br />
*[[荒井勉]] 『新訳・北斎伝 世界に挑んだ絵師』 信濃毎日新聞社、1998年<br />
*[[諏訪春雄]] 『北斎の謎を解く 生活・芸術・信仰』 吉川弘文館〈歴史文化ライブラリー〉、2001年<br />
*[[京極夏彦]]、[[多田克己]]、[[久保田一洋]] 『北斎妖怪百景』 国書刊行会、2004年<br />
*[[内田千鶴子]] 『宇宙をめざした北斎』 日本経済新聞出版社〈日経プレミアシリーズ〉、2011年<br />
*大久保純一 『北斎』（ジャパノロジー・コレクション） [[角川ソフィア文庫]]、2016年<br />
*内藤正人 『北斎への招待』 朝日新聞出版、2017年<br />
*日野原健司 『北斎 富嶽三十六景』岩波書店（岩波文庫）、2019年<br />
<br />
== 参考文献 ==<br />
* 史料<br />
** [[飯島虚心]] 『葛飾北斎伝』 蓬枢閣、1891年<br />
** 飯島虚心著（[[鈴木重三]]校註） 『葛飾北斎伝』〈『[[岩波文庫]]』〉 1999年<br />
<br />
* 単書<br />
** [[河野元昭]] 『北斎と葛飾派』〈『日本の美術』367〉 至文堂、1996年<br />
** 永田生慈 『葛飾北斎』〈『歴史文化ライブラリー』〉 [[吉川弘文館]]、2000年<br />
** [[永田生慈]]監修 『<small>アート・ビギナーズ・コレクション</small> もっと知りたい葛飾北斎 生涯と作品』 [[東京美術]]、2005年<br />
** [[浅野秀剛]]監修 『北斎決定版』〈別冊太陽 日本のこころ〉 [[平凡社]]、2010年<br />
** [[大久保純一]] 『カラー版 北斎』〈『[[岩波新書]]』〉 2012年<br />
<br />
* 画集<br />
** 『小針コレクション 肉筆浮世絵』（第五巻） 那須ロイヤル美術館、1989年<br />
** [[リチャード・レイン]] 『伝記画集 北斎』 河出書房新社、1995年<br />
** 永田生慈編集 『北斎肉筆画大成』 小学館、2000年12月10日、ISBN 4-09-699581-9<br />
<br />
* 展覧会図録<br />
** 日本経済新聞社編 『北斎展 HOKUSAI』 日本経済新聞社、2005年<br />
** 公益財団法人 氏家浮世絵コレクション編集・発行 『氏家浮世絵コレクション』 2014年10月18日<br />
<br />
* 概説書・事典類<br />
** 井上和雄編 『浮世絵師伝』 渡辺版画店、1931年 ※[{{NDLDC|1186832}} 国立国会図書館デジタルコレクション]に本文あり。135 - 136コマ目。<br />
** [{{NDLDC|1068936/151}} [[藤懸静也]] 『増訂浮世絵』 雄山閣、1946年、230-236頁 （[[近代デジタルライブラリー]]）<br />
**[[日本浮世絵協会]]編 『原色浮世絵大百科事典』第2巻 [[大修館書店]]、1982年 ※90頁<br />
** [[吉田漱]] 『浮世絵の見方事典』 北辰堂、1987年<br />
** [[稲垣進一]]編 『図説浮世絵入門』〈『ふくろうの本』〉 [[河出書房新社]]、1990年<br />
** [[小林忠]]監修 『浮世絵師列伝』 平凡社<別冊太陽>、2006年1月 ISBN 978-4-5829-4493-8<br />
<br />
== 関連項目 ==<br />
<br />
* [[葛飾応為]]<br />
* [[肉筆浮世絵]]<br />
* [[葛飾北斎と甲斐国]]<br />
<br />
== 外部リンク ==<br />
{{commons|Category:Ukiyo-e prints by Katsushika Hokusai}}{{Wikiquote|葛飾北斎}}<br />
* 公共施設のウェブサイト<br />
** [http://www.hum2.pref.yamaguchi.lg.jp/sk2/book/ 絵本の世界（内、{{JIS2004フォント|葛}}飾北斎）] - 山口県立萩美術館・浦上記念館公式ウェブサイト内資料。自然色で閲覧可能。ページごとの拡大閲覧も可能である。<br />
** [http://hokusai-museum.jp/ すみだ北斎美術館] 墨田区開設<br />
** [http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=476 北斎展 - 東京国立博物館] - 参考として、展覧会の作品リスト。<br />
* 個人その他のウェブサイト<br />
** [http://15.pro.tok2.com/~fwkf8336/bijyutu2/b2katusikahokusai.htm {{JIS2004フォント|葛}}飾北斎 - 記念切手] - 世界の人々が北斎画に何を見ているかは[[記念切手]]で確かめることもできる。<br />
*[https://www.google.com/culturalinstitute/beta/entity/m0bwf4?categoryId=artist 葛飾北斎 - Google Arts & Culture]<br />
*{{Internet Archive author|name=Katsushika Hokusai}}<br />
{{葛飾北斎}}<br />
{{Normdaten}}<br />
<br />
{{デフォルトソート:かつしか ほくさい}}<br />
[[Category:18世紀日本の人物]]<br />
[[Category:19世紀日本の人物]]<br />
[[Category:18世紀の浮世絵師]]<br />
[[Category:19世紀の浮世絵師]]<br />
[[Category:江戸時代の画家]]<br />
[[Category:葛飾北斎|*]]<br />
[[Category:浮世絵師]]<br />
[[Category:武蔵国の人物]]<br />
[[Category:1760年生]]<br />
[[Category:1849年没]]</div>
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