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https:///mymemo.xyz/wiki/api.php?action=feedcontributions&user=113.42.125.146&feedformat=atom miniwiki - 利用者の投稿記録 [ja] 2024-05-15T10:52:09Z 利用者の投稿記録 MediaWiki 1.31.0 被曝 2018-08-03T11:41:30Z <p>113.42.125.146: /* 内部被曝の特徴 */</p> <hr /> <div>{{混同|被爆|x1=[[爆撃]]を受ける意味の}}<br /> &#039;&#039;&#039;被曝&#039;&#039;&#039;(ひばく、radiation exposure)とは、人体が[[放射線]]にさらされることを言う{{efn|(参考)「被曝」と「[[被爆]]」、読みはどちらも「ひばく」だが、「被曝」は放射線を浴びること、「被爆」は、爆撃によって被害を受けること&lt;ref&gt;日本原子力文化財団「[http://www.ene100.jp/%E8%A2%AB%E6%9B%9D%E3%81%A8%E8%A2%AB%E7%88%86 被曝と被爆|東京電力(株)・福島第一原子力発電所事故]」&lt;/ref&gt;。}}。「[[wikt:曝|曝]]」が[[常用漢字]]でないことから「&#039;&#039;&#039;被ばく&#039;&#039;&#039;」とも表記される。<br /> <br /> 被曝は、放射線を受ける形態が外部被曝か内部被曝かでその防護方法が大きく異なる。<br /> <br /> ==概要==<br /> [[放射線]]の歴史は1895年の[[ヴィルヘルム・レントゲン|ヴィルヘルム・コンラート・レントゲン]]の X 線の発見に始まるが、放射線の利用とともに、人体が放射線を浴びること、&#039;&#039;&#039;被曝&#039;&#039;&#039;(radiation exposure)によって様々な[[放射線障害]]{{efn|被曝した放射線の線量に応じて[[放射線障害]]は大きく確定的影響(deterministic effects)と確率的影響(stochastic effects)に分類される。}}が発生することが徐々に認識されていった。<br /> {{details|放射線障害}}<br /> [[原子爆弾]]など戦争兵器にも用いられ、健康被害をもたらす放射線被曝はできる限り避けねばならない、しかしながら、放射線治療などに用いられる放射線技術は大きな利益をもたらす技術である。そこで、放射線技術による利益を享受しつつ、被曝に伴う放射線障害を防止することを目的とした&#039;&#039;&#039;放射線防護&#039;&#039;&#039;(radiation protection)の概念が、放射線障害の認識と共に発達してきた。今日においては以下の目標が掲げられている&lt;ref&gt;[[#辻本(2001)|辻本(2001)]] p.26&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;[[#アイソトープ協会|日本アイソトープ協会(1992)]] p.158&lt;/ref&gt;。<br /> {{Quotation|<br /> ;放射線防護の目標<br /> # 利益をもたらすことが明らかな放射線被曝を伴う行為を、不当に制限することなく、人の安全を確保すること<br /> # 個人の[[放射線障害#確定的影響(deterministic effects)|確定的影響]]の発生を防止すること{{efn|確定的影響には閾線量が存在し、線量をそれ以下に抑えることによって、発生を完全に防止することができる。}}<br /> # [[放射線障害#確率的影響(stochastic effects)|確率的影響]]の発生を制限すること{{efn|確率的影響の被曝に伴う発生モデルは閾線量無しの直線関係仮説(Linear No-Threshold : LNT仮説)が取られているため、被曝線量をゼロにしない限り、確率的影響の発生を完全に防止することはできない。そこで、被曝に伴う確率的影響の発生については、確率的影響の発生確率を人々が容認するレベルに制限することとしている。}}<br /> }}<br /> <br /> 放射線防護にあたって最も重要であるのは放射線源から被曝を受ける形態であり、次の二つに分類される{{efn|また、照射を受ける身体の範囲により全身被曝と局部被曝に、照射を受ける時間分布により急性被曝と慢性被曝に分類される。&lt;ref&gt;[[#培風館 2005|培風館 2005]] p.2188&lt;/ref&gt;}}{{efn|[[原子放射線の影響に関する国連科学委員会|国連科学委員会(UNSCEAR)]]では放射線の種類やその用途、一般大衆と職業上などの切り口で以下のように分類している。<br /> {{see also|[[Template:UNSCEARによる被曝の分類|UNSCEARによる被曝の分類]]}}<br /> }}。<br /> ; 外部被曝(external exposure、体外被曝)<br /> : 体の外部にある[[放射線源]]からの放射線被曝<br /> ; 内部被曝(internal exposure、体内被曝)<br /> : 経口摂取、吸引などにより体内に取り込んだ[[放射性物質]]による被曝<br /> 点放射線源からの外部被曝の場合、最も単純な防護方策はその点線源との距離を大きく取ることであるが、同じ被曝でも空気中に放射性物質が拡散してしまい吸引による内部被曝が疑われる場合は、放射線防護策としては全く異なる方法(マスクの着用など)を取らなくてはならない{{efn|なお、同一の放射性物質からの放射線に被曝する場合でも、外部被曝より内部被曝の方が危険な場合がある。[[アルファ線]]は体外からの照射では、その大部分は皮膚の内側に達することはないが、体内にアルファ線を出す放射性物質が入ると、その周囲の細胞が照射されるため組織や器官の受ける放射線の量が大きく異なる透過力の弱い[[ベータ線]]とエネルギーの低い[[ガンマ線]]を出す放射性物質も外部被曝では影響を与える程ではないが体内にある場合の影響は大きくなる。<br /> }}。<br /> <br /> 放射線防護策を検討・実施するにあたって場所の放射線量{{efn|職業被曝であれば作業場所、公衆被曝であれば一般環境}}および被曝をしている個人の線量{{efn|ただし、公衆被曝の場合全ての人々に個人線量計を配布することは困難である。}}を計測(モニタリング)することは重要である。<br /> 放射線防護を行う(確率的影響の発生リスク{{efn|なお、定量的リスクが絡む事柄一般に言えることだが、いわゆる[[ブラック・スワン理論|ブラックスワン]](想定しにくいまれな現象)が存在しないことは証明不可能である。&lt;ref&gt;{{cite book| 和書 | title=ブラック・スワン—不確実性とリスクの本質 | author=ナシーム・ニコラス・タレブ | editor=望月 衛 | year=2009 | publisher=ダイヤモンド社 }} &lt;/ref&gt;}}を人々が容認可能なレベルに抑える)にあたって基本的尺度となる線量概念が&#039;&#039;&#039;[[実効線量]]&#039;&#039;&#039;(単位:[[シーベルト]]、記号:Sv)であり、個々人の被曝した実効線量は、定められた実効線量限度以下に抑えられる{{efn|ただし、眼の水晶体の被曝、皮膚の限られた面積の被曝は実効線量を算出する際の組織加重係数が与えられていないため、この2つの臓器(ただし、広い面積の皮膚が被曝した場合は実効線量に加えられる)に関しては臓器の[[等価線量]]で線量限度が規定されている。&lt;ref&gt;[[#草間(2005)|草間(2005)]] p.21&lt;/ref&gt;}}{{efn|[[実効線量]]や[[等価線量]]はあくまで、この放射線防護を行うための防護量である。実効線量、等価線量は被曝による確率的影響の生物影響を基に定められたものであるので、確定的影響に対しては、[[シーベルト]][Sv]ではなく吸収線量とその単位である[[グレイ (単位)|グレイ]][Gy]が用いられる。}}<br /> <br /> なお、低線量の放射線被曝による健康被害については各種議論がある。<br /> {{details|低線量被曝問題}}<br /> <br /> == 被曝の形態とその防護 ==<br /> [[File:Alfa beta gamma neutron radiation M1.PNG|200px|thumb|&lt;small&gt;&#039;&#039;&#039;放射線の透過能力&#039;&#039;&#039;:アルファ線(原子核)は紙1枚程度で遮蔽できる。ベータ線(電子)は厚さ数mmの[[アルミニウム]]板で防ぐことができる。ガンマ線(電磁波)は透過力が強く、[[コンクリート]]であれば50 cm、[[鉛]]であっても10cmの厚みが必要になる。中性子線(中性子)は最も透過力が強く、[[水]]やコンクリートの厚い壁に含まれる[[水素]]原子によってはじめて遮断できる。&lt;/small&gt;]]<br /> 放射線は、放射線物質(放射線源)あるいは放射線発生装置より発生する。放射線源が密封線源{{efn|密封された形態の放射性物質。密封されているため、放射性物質の拡散はしない。}}の場合、被曝は身体の外部からの被曝である&#039;&#039;&#039;外部被曝&#039;&#039;&#039;(external exposure)だけであるが、非密封線源{{efn|密封されていない放射性物質。密封されていないため、放射性物質は拡散してしまい、体内に入り込む可能性がある。}}の場合、外部被曝に加えて身体の内部に放射線物質が入り込むことによる被曝である&#039;&#039;&#039;内部被曝&#039;&#039;&#039;(internal exposure)も考慮しなくてはならない。<br /> <br /> === 外部被曝(external exposure) ===<br /> 外部被曝として問題になる線種は[[ガンマ線]]、[[X線]]、[[ベータ線]]、[[中性子線]]で{{efn|[[アルファ線]]は紙一枚で遮蔽できるので、外部被曝ではあまり問題にならない。}}、これら放射線を防護する方法には次の三つがある&lt;ref&gt;[[#辻本(2001)|辻本(2001)]] p.122&lt;/ref&gt;。<br /> ;密封線源の三原則<br /> # &#039;&#039;&#039;線源と人体との間に遮蔽物を置く&#039;&#039;&#039;(ガンマ線{{efn|γ線(およびX線のような[[電磁放射線]]あるいは[[光子]]線)は主に原子核周囲の電子と相互作用して阻止されるため、[[鉛]]や金といった密度の高い物質(電子の密度も高い)のほうが効果的に遮蔽することができる。[[コンクリート]]ならば厚さ30 cmごとに、鉛板ならば厚さ5 cmごとに線量を10分の1にまで減らす([[コバルト60]]のγ線の場合)。&lt;br /&gt;<br /> 点状線源の場合、遮蔽物の厚さに応じて、遮蔽物を透過した放射線の強度は指数関数的に減少する。<br /> }}、ベータ線{{efn|ベータ線の遮蔽は、ベータ線の最大飛程以上の厚みのものを使用する。ベータ線のみを防ぐのであれば、10〜15mm厚のプラスチック板で十分効果がある。ただし、エネルギーの大きいベータ線が原子番号の大きい物質に衝突すると、制動 X 線が発生するので、その場合は X 線の遮蔽も合わせて行わなくてはならないが、そのようにエネルギーの大きいベータ線を発生する物質は少ない。ただ、ベータ線を薄くて密度の高い物質で遮蔽しようとすると、[[制動放射]]X線が多く発生しかえって被曝線量を増やすおそれがある。<br /> }}、中性子線{{efn|これは、荷電粒子(電荷を持つ粒子)や光子が電磁気力で物質と相互作用して透過を阻止されるのに対して、電荷を持たない中性子は物質を構成する粒子と直接衝突することで運動エネルギーを失い、透過を阻止されるためで、中性子の運動エネルギーを効率よく奪うためには同程度の質量の粒子、つまり陽子(水素の原子核)と衝突させることが最も有効だからである。また、中性子の遮蔽体は中性子吸収材(中性子を比較的捕獲しやすい非放射性同位元素を含む物質)と組み合わせて使うこともある。<br /> }}かで遮蔽物として効果的なものは異なる)<br /> # &#039;&#039;&#039;線源と人体の距離を大きく取る&#039;&#039;&#039;{{efn|線源はトングやマジックハンドを用いて扱い、直接触らないようにする。放射性物質が皮膚に付着しないよう、ゴム手袋などの保護具を装備する。}}<br /> # &#039;&#039;&#039;放射線を受ける時間を短くする&#039;&#039;&#039;{{efn|そのため、放射線場での作業時間ができるだけ短くなるよう、作業計画などを綿密立てることが求められる。[[屋内退避]]も推奨されている。}}<br /> <br /> === 内部被曝(internal exposure) ===<br /> 放射性物質が空気中などに拡散して存在している場合、その放射性物質が体内に入り込むことによる内部被曝の恐れが生じる。そのため、内部被曝については放射性物質を体内に取り込まないような防護が基本となる。体内に取り込まれる経路としては、次の三つがある&lt;ref&gt;[[#辻本(2001)|辻本(2001)]] p.129-132&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;[[#草間(1990)|草間(1990)]] p.34,pp.142-150&lt;/ref&gt;。<br /> ;非密封線源が体内に取り込まれる経路<br /> :;呼吸器を通しての摂取(吸入)<br /> ::放射性物質で汚染した空気を吸い込むことによって、気道や肺胞を通して体内に放射性物質が侵入することを言う。マスクの着用などで防護できる{{efn|ただし、内部被曝対策としてのマスク等の呼吸保護具は、外部被曝対策としては役に立たない。&lt;ref&gt;[[#松野 2007|松野 2007]], p73&lt;/ref&gt;}}<br /> :;口、消化器を通しての摂取(経口摂取)<br /> ::放射性物質で汚染された水や食物を摂取することで、胃や小腸などの消化管から体内に放射性物質が侵入することを言う。基準値を超える放射能を持つ食品を摂取しないことで防護できる{{efn|[[チェルノブイリ原子力発電所事故]]で甚大な被害を蒙り、内部被曝により病気になる人が多発したベラルーシやウクライナでは、食品中に含まれる[[放射性セシウム]]の基準値を定めて、基準値を超える食品を流通させないことで内部被曝を防止している。&lt;ref&gt;NHK解説委員石川一洋による解説 「食の安全・ベラルーシから学ぶこと」2011年11月7日1:05〜1:55の「スタジオパークからこんにちは」の枠内で放送。概要は[http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/200/100539.html 解説委員室 解説アーカイブス]{{リンク切れ|date=2018年1月}}でも検証可能。&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;河田昌東「チェルノブイリからみた福島原発震災」『土と健康』No.427&lt;/ref&gt;<br /> {{see also|[[食の安全#放射能と食の安全]]}}}}{{efn|[[セシウム]]等の放射性物質を摂取後、速やかに[[プルシアンブルー]]を服用すると、消化管からの吸収を抑制する効果があるとも言われることがある。&lt;ref&gt;{{Wayback|url=http://www.remnet.jp/lecture/forum/sh10_03.html|title=「緊急被ばく医療研修のホームページ 3. 内部汚染の治療」(運営:公益財団法人原子力安全研究協会)|date=20150924085928}}&lt;/ref&gt;}}<br /> :;皮膚、特に傷口を通しての摂取<br /> ::皮膚の毛穴や汗腺または皮膚にある傷から放射性物質が侵入することを言う{{efn|皮膚に傷が無い場合はほとんど吸収されないと考えてよいとされる。&lt;ref&gt;[[#草間(1990)|草間(1990)]] p.34&lt;/ref&gt;}}。放射性物質と接触する皮膚表面に傷があるときは、放射性物質の取り扱いを避けることで防護できる{{efn|また、手を汚染した場合は、その後の飲食、喫煙または化粧などによって汚染を体内に取り込む可能性が高い。したがって、放射性物質を取り扱う区域内では飲食、喫煙または化粧を行ってはならず、また取り扱いを中断・終了するときは必ず手に汚染がないことを放射線測定器で確認しなければならない。}}。<br /> <br /> ==== 内部被曝の特徴 ====<br /> 内部被曝をした場合、すなわち一度体内に放射性物質が取り込まれた場合、その取り込まれた放射性物質を除くには、物理的減少(放射性崩壊)と共に生体機能の代謝による排出を待つよりほかない。その場合、物質により放射性物質としての半減期に生物学的な半減期が加わるために、内部被爆の線量の計算には多くの困難がある。<br /> {{details|半減期#生物学的半減期と実効半減期}}<br /> <br /> 体内に取り込まれた放射性物質がどのように振舞うか(体内のどの部位に沈着するか)は、その[[元素]]の化学的性質によって異なる。たとえばヨウ素131は吸気から、皮膚から、食事や飲水からなど多くの経路で内部被爆の推定には難しさがある。<br /> <br /> [[ヨウ素]]は選択的に[[甲状腺]]に取り込まれ沈着する。甲状腺には多くのサイログロブリンの蓄積があり、それがヨウ素と結合している量も変動が大きい。たとえば海産物を多く摂取する日本人の場合はヨウ素の飽和量が高いといわれるが、大陸の住人はヨウ素の飽和度が低いといわえる。このように、甲状腺に蓄積するヨウ素131の量については、被爆にいたる経路が複数であること、また甲状腺のヨウ素の飽和度などにも個人差があり、また内部被爆の影響が長時間にわたると考えられる。このため、多くの仮定と推定により50年間にわたる生体の内部被爆量を[[預託等価線量]]として推定するが、その算出には多くの議論がある。<br /> <br /> したがって内部被爆防護の立場では、最初に飛散するヨウ素131が住人に到達する前のなるべく早い段階でヨウ素剤を投与し、甲状腺のヨウ素飽和度をあげて、ヨウ素131の蓄積を減らすことが最も重要である。このために原子量発電所の近傍や作業にあたる自治体、警察、軍隊組織などにヨウ素剤の蓄積されているが、わが国では住民にあらかじめ配布されていないので、原子量発電所の事故などの混乱時に短時間にヨウ素剤を配布することが困難であるとの指摘がある。{{efn|ヨウ素は[[甲状腺ホルモン]]である[[サイロキシン]]を構成する元素であり、ヨウ素の放射性同位体も、ヨウ素の一つの[[同位体]]であり化学的にはヨウ素に他ならないため甲状腺に取り込まれることになる。<br /> <br /> ;放射性ヨウ素に対する防御<br /> :原子力発電所において事故の際には、揮発性の高い放射性ヨウ素(ヨウ素131)が環境中へ放出される可能性が高く、甲状腺に高い被曝線量を受ける人が出てきてしまう。これをある程度防ぐ(甲状腺への被爆線量を低減する)ために、放射性ヨウ素を摂取する前かあるいは摂取後比較的早い時期(6時間後までは効果がある)に安定ヨウ素剤を投与することで、放射性ヨウ素が甲状腺に取り込まれることを制限することができる。&lt;ref&gt;[[#草間(2005)|草間(2005)]] p.79<br /> &lt;/ref&gt;}}。[[アルカリ土類金属]]である[[ストロンチウム]]は[[骨]]中の同じくアルカリ土類金属である[[カルシウム]]と置き換わって体内に蓄積することが知られている&lt;ref name=&quot;atomica1&quot;&gt;[http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-01-04-01 「放射性核種の体内移行と代謝」原子力百科事典(アトミカ)]&lt;/ref&gt;。一方で、[[カリウム]]や[[セシウム]]は水に溶け込み全身の細胞内に広がる{{efn|[[セシウム137#放射性セシウムの危険性|放射性セシウム]]体内除去剤としては、[[紺青#用途|紺青]](別名:ヘキサシアノ鉄(II)酸鉄(III)、プルシアンブルー)がある。商品名では「ラディオガルダーゼカプセル」と呼ばれる。&lt;ref&gt;[http://nk.jiho.jp/servlet/nk/kigyo/article/1226555571525.html?pageKind=outline 日刊薬業WEB「日本メジフィジックス 放射性セシウム体内除去剤を無償提供」(2011年3月14日)]&lt;/ref&gt;}}。このように、放射性物質の種類によって体内に摂取された後に存在する場所が変わる。<br /> :体内に入ってしまった放射線物質を検査する一般的な方法として、[[ホールボディカウンター]]によってガンマ線を測定・分析する方法がある。ヨウ素131は半減期が短いため早期に測定しないと正確な値が測定できない。なお、この装置はガンマ線が人体を透過することを利用したものであるため、ガンマ線を出さない核種の測定は不可能である{{efn|例えば、[[ストロンチウム90]]はベータ線しか出さず、その娘核種の[[イットリウム90]]も極稀にしかガンマ線を出さないため、検出できない。<br /> <br /> そのような核種による被曝を調べるには、尿などの排泄物を検査・測定し、推定することになる。<br /> &lt;ref&gt;[http://cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/8.html 原子力資料情報室 - ストロンチウム-90]&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;{{cite book | author=US National Research Council | year=1994 | title=Radiological Assessments for Resettlement of Rongelap in the Republic of the Marshall Islands | publisher=National Academy Press | location=Wasington, D. C. | url=http://books.google.co.jp/books?id=BUQrAAAAYAAJ&amp;pg=PA53}}&lt;/ref&gt;}}。<br /> <br /> == 放射線防護策の選定と実施 ==<br /> 人工的に発生させた放射線(人工放射線)は人間の諸活動に伴って発生する放射線であり、全ての被曝が放射線防護の対象となる{{efn|なお、放射線防護の視点からは、放射線はどんなに微量であっても人体にとって有害であると仮定されている。&lt;ref&gt;[[#アイソトープ協会|アイソトープ協会(1992)]] p.161 &lt;/ref&gt;}}。そこで、放射線被曝を伴う行為を導入・実施などする際は、放射線防護の目標達成のため&#039;&#039;&#039;放射線防護体系&#039;&#039;&#039;(system of radiological protection)<br /> の三原則を遵守する必要がある&lt;ref&gt;[[#アイソトープ協会|アイソトープ協会(1992)]] p.160&lt;/ref&gt;。<br /> {{Quotation|<br /> ;放射線防護体系の三原則&lt;ref&gt;{{PDFlink|[http://www.medicalview.co.jp/download/blue_yellow/2007ICRP.pdf 2007年ICRP勧告(Publ.103)]}}&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;[[#アイソトープ協会|アイソトープ協会(1992)]] pp.160-163&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;[[#辻本(2001)|辻本(2001)]] pp.26-29&lt;/ref&gt;{{efn|原水爆実験に起因した死の灰の被曝許容量を現代的に定義づけた[[武谷三男]]による[[武谷三男#放射線被曝におけるがまん量としての許容量の考え方(武谷説)|武谷説]]を取り入れたものであると思われる。&lt;ref&gt;{{cite book | 和書 | editor=武谷 三男(編) | title=原子力発電 | publisher=岩波書店 | series=岩波新書 | year=1976 | ref=原子力発電 }}&lt;/ref&gt;}}<br /> :# 行為の正当化(justification of practice)<br /> :#:「いかなる行為も,その導入が正味でプラスの利益を生むものでなければ採用してはならない」<br /> :# 防護の最適化(optimization of protection)<br /> :#:「すべての被曝は,経済的及び社会的な要因を考慮に入れながら合理的に達成できる限り,低く保たなければならない」<br /> :# 線量限度(dose limitation)<br /> :#:「医療被曝を除く,すべての&#039;&#039;&#039;計画被曝状況では&#039;&#039;&#039;個人の被曝は線量限度{{efn|公衆に対する計画被曝の限度は 1mSv とされる。&lt;ref&gt;[http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-04-01-18 ICRPの放射線防護体系と線量の拘束値(最大許容線量・線量限度)]&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;<br /> [http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/ugoki/geppou/V32/N12/198707V32N12.html 国際放射線防護委員会(ICRP)新勧告の取入れについて]&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;[http://www.jaxa.jp/library/space_law/chapter_2/2-2-1-3_j.html パリ声明]&lt;/ref&gt;}}を超えてはならない&lt;ref name=&quot;表3&quot;&gt;[http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/09/09040118/03.gif 表3 線源・被ばくの制御の可否と線量限度の適用・不適用:ICRPの現行勧告(1990年勧告)]([http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-04-01-18 ICRPの放射線防護体系と...]内の図表)&lt;/ref&gt;」<br /> }}<br /> さらに、&#039;&#039;&#039;モニタリング&#039;&#039;&#039;(monitoring)により、放射線源、環境および個人の管理が厳重に行われていることを確認しなければならない。<br /> <br /> なお、人工放射線の対として、地球誕生以来生活環境に存在している放射性同位元素からの大地放射線と宇宙からの放射線である宇宙放射線を合わせて[[自然放射線]]と呼ぶ。自然放射線による被曝により、人々は実効線量で世界平均合計年間2,400 μSv(=2.4 mSv)前後の被曝を受けているとされる{{efn|1=<br /> 自然放射線による被曝は次のように分類される&lt;ref&gt;[[#草間(1995)|草間(1995)]] p.61&lt;/ref&gt;。<br /> * 大地放射線(地球起源の放射性元素が放出する放射線)<br /> * ラドン[&lt;sup&gt;222&lt;/sup&gt;Rn]およびその娘核種<br /> * 体内に存在する放射性同位元素 カリウム40[&lt;sup&gt;40&lt;/sup&gt;K]<br /> * 宇宙線(実効線量で年間約380 μSv(=0.38 mSv)程度の外部被曝と言われる。)<br /> * 宇宙線起源の放射性同位元素 炭素14[&lt;sup&gt;14&lt;/sup&gt;C]など<br /> ※1 ラドンは、地球起源の放射性同位元素の放射性崩壊によって生じる放射性のガスであるが、肺の組織加重係数が比較的大きいこともあり、自然放射線からの被曝線量として大きな寄与をするので別に分類される。空気中に含まれている[[ラドン|ラドン222]]の吸引によって実効線量にして年間約1,200 μSv(=1.2 mSv)程度の被曝を受けているといわれる。&lt;ref&gt;[[#草間(1995)|草間(1995)]] p.61&lt;/ref&gt;&lt;br /&gt;<br /> ※2 [[カリウム]]は、生体必須元素であることから成人男性で120〜150 g、成人女性で80〜100 g程度の一定量を体内にもっている。カリウムの放射性同位体であるカリウム40の割合は一定であることから、摂食量に関わらず成人男子であれば約4000ベクレル程のカリウム40を体内に一定に持つことになる。&lt;ref&gt;[[#草間(1995)|草間(1995)]] p.67&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;<br /> [http://www.unscear.org/unscear/en/faq.html#Levels%20of%20radiation UNSCEARサイトFAQ:人々が受けている放射線はどの程度ですか]<br /> &lt;/ref&gt;}}が、自然放射線による被曝は人為的にコントロールすることができないために放射線防護の対象から外されている(規制除外{{efn|かつては自然放射線による被曝はすべて管理の対象外と考えられていたが、最近は制御できるもの、例えばラドンや航空機被曝などについては管理対象とする考え方に変わってきた。&lt;ref&gt;[[#放医研(2012)|放医研(2012)]] 第1章3節&lt;/ref&gt;&lt;ref name=&quot;表3&quot;/&gt;}})。<br /> <br /> === 放射線管理とモニタリング ===<br /> 被曝は、&#039;&#039;&#039;線源-環境-人&#039;&#039;&#039;が相互に関わり合う中で生じることから、防護措置も1&#039;&#039;&#039;線源管理&#039;&#039;&#039;、2&#039;&#039;&#039;環境管理&#039;&#039;&#039;、3&#039;&#039;&#039;個人管理&#039;&#039;&#039;の三つに分類される。このうち線源管理が最も効果が大きく、防護策を講ずる上で最も優先させるべきである{{efn|環境管理や個人管理は線源管理を補うために行われるものである。だが、例えば、線源が極めて広範囲に拡散してしまい、実質的に線源管理が困難な状況下においては、環境管理および個人管理を中心に防護策を講じることとなる。}}。<br /> <br /> さらに、各管理に対応した以下のモニタリング概念が存在する&lt;ref&gt;[[#アイソトープ協会|アイソトープ協会(1992)]] pp.166-172&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;[[#草間(1995)|草間(1995)]] pp.133-149&lt;/ref&gt;。<br /> ; 1 線源モニタリング(source monitoring)<br /> :放射線源の健全性、管理状況を確認するために行なわれるモニタリングを言う。最も基本的なモニタリングである。<br /> ; 2 環境モニタリング(environmental monitoring)<br /> :施設内の作業環境あるいは施設外の一般環境で行なわれるモニタリングであり{{efn|一般環境モニタリングの場合には、ある特定の線源に着目して行なわれる線源関連の環境モニタリングと、複数の線源から放射線を受ける個人に着目して行なわれる人関連の環境モニタリングとがある。}}、線源の管理状況を確認し、環境安全が測られていることを確認するために行なわれる。<br /> ; 3 個人モニタリング(individual monitoring)<br /> :直接、作業者個人に着目して行なわれるモニタリングで、各作業者の線量が基準以下であることを確認するために行なわれる。一般公衆に対する個人モニタリングは、大規模事故などのごく特殊な場合を除いて実施されることはない{{efn|例えば、1万人が公衆被曝を受ける場合、個人モニタリングを行うには、その一万人に対して個人線量計(ガラスバッジなど)を配布しなければならなくなる。しかしながら、供給側の供給能力と配布実務から現実的ではない。}}{{efn|ただし、大規模事故など特殊なケースで、供給側と配布(およびガラスバッジ、フィルムバッジであれば測定結果の読み取り側の体制)に問題がなければ個人モニタリングが実施されることもある。<br /> 例えば、福島第一原発事故では当初からの環境モニタリングに加えて途中から個人モニタリングも行なわれることとなった。<br /> &lt;ref&gt;[http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/data/0032_01_1.pdf 帰還に向けた安全・安心対策に関する基本的考え方(平成 25 年度 第 32 回原子力規制委員会)]<br /> &lt;/ref&gt;}}。<br /> <br /> === 被曝対象の区分 ===<br /> 放射線防護の観点から被曝の対象は医療被曝、職業被曝、公衆被曝の三つに分類される。<br /> <br /> ==== 職業被曝(occupational exposure) ====<br /> [[放射線業務従事者]]または放射線診療従事者{{efn|日本の放射線防護関連法令では、放射線や放射性物質を取扱うことができるばしょをあらかじめ許認可を受けた管理区域に制限しており、管理区域以外のところで放射線や放射性物質を取扱うことはできない。常時、管理区域に立ち入る作業者を放射線業務従事者(医療法では放射線診療従事者)と呼ぶ。&lt;ref&gt;[[#辻本(2001)|辻本(2001)]] p.30<br /> &lt;/ref&gt;}}が、業務{{efn|放射線業務従事者の業務の例としては、核燃料サイクル従事者、放射線医学従事者、放射性物質の産業・教育・軍事利用にたずさわる業務の他に、天然に存在する放射性物質(NORM;Naturally occurring radioactive material)からの作業環境での増幅された被曝があり、鉱山、石油、天然ガス、航空産業などがあげられる。<br /> }}の過程で受ける被曝を&#039;&#039;&#039;職業被曝&#039;&#039;&#039;(occupational exposure)と呼ぶ{{efn|UNSCEAR2008報告書にはさまざまな業種の平均集団積算線量などが掲載されている。&lt;ref&gt;{{PDFlink|[http://www.unscear.org/docs/reports/2008/09-86753_Report_2008_Annex_B.pdf UNSCEAR2008「Annex B 第III章 職業被ばく」]}} 閲覧2011-10-25&lt;/ref&gt;}}<br /> 。職業被曝に対する防護の責任は、事業者と作業者自身にあり、職業被曝をする人々は被曝管理、健康管理、定期的な教育・訓練を受けることなどが義務づけられている。被曝線量に対しては、法令で線量限度が決められており、放射線業務従事者はサーベイメーターなどを装着し、線量限度を超えないようにしなければならない&lt;ref&gt;[[#辻本(2001)|辻本(2001)]] p.30<br /> &lt;/ref&gt;{{efn|1=<br /> ; 原子力関連施設事故による被曝<br /> :[[原子力発電所]]や、[[原子力潜水艦]]の事故を[[原子力事故]]といい、原子力の利用がはじまって以来、多数の事故が発生しており、多数の人間が被曝している。日本の1999年の[[東海村JCO臨界事故]]など、[[急性放射線症候群]]のような重大な放射線障害をもたらす事故も発生することがある。<br /> {{see also | 原子力事故 | 原子力事故の一覧 | [[国際原子力事象評価尺度|国際原子力事象評価尺度(INES)]] | 臨界事故 }}}}。<br /> <br /> ==== 公衆被曝(public exposure) ====<br /> 職業被曝、医療被曝以外の被曝、すなわち、原子力・放射線利用に伴う一般の人々の被曝(例えば原子力施設の周辺の住民の被曝など)を&#039;&#039;&#039;公衆被曝&#039;&#039;&#039;(public exposure)と呼ぶ{{efn|公衆被曝の例<br /> ; 生活用品などによる被曝<br /> :地球誕生以来存在している自然由来の放射性物質が少量含まれた製品が出荷されていることがある。一般消費財である場合、日常的に低線量ながら被曝してしまうため、それらに関するガイドラインなどが策定されている。&lt;ref&gt;[http://www.nsr.go.jp/activity/regulation/shiyou/shiyou10.html ウラン・トリウムガイドラインについて]&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;放射線医学総合研究所{{PDFlink|[http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2010/siryo59/siryo1.pdf 「UNSCEAR2008年報告書」]}}閲覧2011-10-22&lt;/ref&gt;<br /> ; 原子爆弾の投下(atomic bombings)<br /> :{{See also|広島市への原子爆弾投下|長崎市への原子爆弾投下}}<br /> :[[太平洋戦争]]末期に広島と長崎に投下された[[核兵器]]の[[原子爆弾]]は、高温の[[熱線]]と強い[[爆風]]だけでなく、強い[[放射線]]を放出し、[[放射能]]を有する塵などを多量に排出した。被害は爆発熱や爆風だけに留まらず、[[原爆症]]と呼ばれる急性・晩発性の[[放射線障害]]を[[被曝者]]に引き起こした。<br /> :なお、[[被爆]]は[[爆撃]]による被害を受けること、他方、&#039;&#039;&#039;被曝&#039;&#039;&#039;は放射線にさらされた場合を指すため、厳密には、核爆弾による直接攻撃を受けた者は「&#039;&#039;&#039;被爆者&#039;&#039;&#039;」、直接の被害は受けず、[[核爆発]]に伴う残留放射能を浴びた者は「&#039;&#039;&#039;被曝者&#039;&#039;&#039;」であるが、日本では便宜上前者を「&#039;&#039;&#039;一次被爆者&#039;&#039;&#039;」、後者を「&#039;&#039;&#039;二次被爆者&#039;&#039;&#039;」と呼ぶ。<br /> :原子爆弾の投下に伴う放射線被曝と放射線障害との関係を明らかにするため、米国原子力委員会の資金によって米国学士院(NAS)が1947年に設立した[[原爆傷害調査委員会]](ABCC;現[[放射線影響研究所]])は様々な疫学的調査を行った。それら結果および知見はICRPの勧告などに取り入れられている。<br /> ; 放射性降下物(nuclear fallout)<br /> :{{see also|放射性降下物|核実験|第五福竜丸事件}}<br /> }}。公衆被曝に対する防護の責任は、公衆被曝をもたらす放射線源を利用する事業者にあるが、職業被曝とは異なり、公衆の構成員の一人ひとりを管理(個人被曝管理)することは実態として難しいため、公衆の放射線安全が確保されていることは、線源モニタリングと環境モニタリングによって確認される&lt;ref&gt;[[#辻本(2001)|辻本(2001)]] p.31&lt;/ref&gt;。つまり、公衆被曝では基本的に個人モニタリングは行なわれない。<br /> <br /> ==== 医療被曝(medical exposure) ====<br /> {{see also|放射線医学|放射線療法}}<br /> 医療の現場における、患者への病気の治療を目的とした意図的な放射線照射による被曝を&#039;&#039;&#039;医療被曝&#039;&#039;&#039;(medical exposure)と呼ぶ。医療被曝に対する防護の責任は、事業者(施設の責任者)および実際に放射線診療に関わる医師と診療放射線技師等によって行なわれる{{efn|なお、放射線防護体系の「行為の正当化」、すなわち放射線診療の適用の判断は医師・歯科医師によって行なわれ、「防護の最適化」の判断は医師・歯科医師および診療放射線技師等によって行なわれる。&lt;ref&gt;[[#辻本(2001)|辻本(2001)]] p.31&lt;/ref&gt;}}。<br /> <br /> 医療被曝には、職業被曝や公衆被曝に適用される線量限度は存在せず{{efn|これは、医療被曝は患者にもたらされる利益が大きく、しかも、個々の患者や病状によって必要とされる線量が異なり、線量の上限値を設けることによって、必要な放射線診療が制限されないようにするためである。&lt;ref&gt;[[#辻本(2001)|辻本(2001)]] p.31&lt;/ref&gt;}}、線量は防護量である[[等価線量]]・[[実効線量]](単位:[[シーベルト]][Sv])ではなく全て[[吸収線量]](単位:[[グレイ (単位)|グレイ]][Gy])で表される。さらに、法律で規制される被曝限度には、医療被曝によるものは含まれない{{efn|なお、自然放射線による被曝も含まれない。&lt;ref&gt;[http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/anzenkakuho/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2009/04/22/h121023_05.pdf 放射線を放出する同位元素の数量等を定める件(平成十二年科学技術庁告示第五号)] 第二十四条&lt;/ref&gt;}}。<br /> <br /> == 日本における被曝の法規制 ==<br /> 被曝のおそれのある場所は[[放射線管理区域]]に指定され、厳密に管理される。さらに、放射性物質の付着や内部被曝のおそれがある区域は「汚染のおそれのある管理区域」(その他は「汚染のおそれのない管理区域」)として、防護服を着用するなどの[[放射能汚染対策|汚染防止策]]が採られる。<br /> {{main|放射能汚染対策}}<br /> <br /> また、業務上放射線を扱うため被曝のおそれがある労働者については年間等の被曝線量に限度が設けられており、これを超えて従業することは[[国際放射線防護委員会]]の勧告に基づいた[[放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律|放射線障害防止法]]、[[電離放射線障害防止規則]]、[[人事院規則]]10-5、[[医療法]]施行規則等により多重規制されている。<br /> <br /> 管理区域に立ち入らない一般公衆の被曝線量限度は、これらの法令による[[放射線管理区域]]等からの漏洩放射線線量率や、放出される[[放射性同位体|放射性同位元素]]濃度の規制により放射線業務に従事する者の限度より遥かに低く抑えられるように義務付けられている&lt;ref&gt;[http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/anzenkakuho/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2009/04/22/h121023_05.pdf 放射線を放出する同位元素の数量等を定める件(平成十二年科学技術庁告示第五号)] 第十条第2項第一号、第十四条&lt;/ref&gt;。<br /> {{See also|放射線管理手帳}}<br /> <br /> === 食品のもつ放射能に関する規制 ===<br /> {{Seealso|ウクライナの食品の放射能基準}}<br /> [[チェルノブイリ原子力発電所事故]]を契機に、輸入食品内における放射能の暫定限度が370 Bq/kg(セシウム134+セシウム137の合計値)に設定され、これを超える食品は日本に輸入することができない&lt;ref&gt;厚生労働省[http://www.mhlw.go.jp/houdou/0111/h1108-2.html 「放射能暫定限度を超える輸入食品の発見について(第34報)」](2001年11月8日)&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> [[福島第一原子力発電所事故]]後の[[暫定基準値]](ざんていきじゅんち)については[[食品衛生法#食品に含まれる放射能に関する暫定規制値|食品に含まれる放射能に関する暫定規制値]]の項目を参照。<br /> <br /> ==被曝と社会運動==<br /> {{Main|反核運動|原子力撤廃}}<br /> 上記の被曝のうち、特に[[核兵器]]による被曝や、[[核実験]]また「[[原子力]]の平和的利用」として開発と設置が進められてきた[[原子力発電]]などの[[原子力事故]]を受けて、放射性物質による被曝および被曝の[[リスク]]も含めて、これまでに世界規模で[[反核運動]]が行われてきた。<br /> <br /> 日本では[[第五福竜丸]]被爆事件を契機に[[安井郁]](やすいかおる)が[[原水爆禁止運動]]を組織化し、1955年に[[原水爆禁止日本協議会]]を設立した。以降、大規模な事故や事件に応じて、様々な反核運動や[[原子力撤廃]]運動が展開した。2011年の[[福島第一原子力発電所事故]]を受けて、様々な運動が展開している([[福島第一原子力発電所事故の影響]]を参照)<br /> <br /> ※各運動団体、運動の歴史、また各界による発言や対応などについては[[反核運動]]および[[原子力撤廃]]を参照のこと。<br /> <br /> == 被曝事故・事件 ==<br /> * [[ゴイアニア被曝事故|ゴイアニア被ばく事故]] - 同市内にあった廃病院跡に放置されていた[[放射線療法]]用の医療機器から[[放射性物質|放射線源]]格納容器が盗難により持ち出され、その後廃品業者などの人手を通しているうちに格納容器が解体されて[[ガンマ線]]源の[[セシウム137|&lt;sup&gt;137&lt;/sup&gt;Cs(セシウム137)]]が露出。光る特性に興味を持った住人が接触した結果、被曝者は249人に達し、このうち20名が急性障害の症状が認められ4名が[[放射線障害]]で死亡した。<br /> * <br /> * [[東海村JCO臨界事故]] - &#039;&#039;&#039;東海村JCO臨界事故&#039;&#039;&#039;(とうかいむらジェー・シー・オーりんかいじこ)は、[[1999年]][[9月30日]]、[[茨城県]][[那珂郡]][[東海村]]にある株式会社[[ジェー・シー・オー]]([[住友金属鉱山]]の[[子会社]]。以下「&#039;&#039;&#039;JCO&#039;&#039;&#039;」)の核燃料加工施設で発生した[[原子力事故]]([[臨界事故]])である。日本国内で初めて、事故[[被曝]]による死亡者を出した。<br /> * [[アレクサンドル・リトビネンコ|アレクサンドル・リトビネンコ氏毒殺事件]] - 毒物としてポロニウム210が使われた。<br /> <br /> == 脚注 ==<br /> {{脚注ヘルプ}}<br /> === 注釈 ===<br /> {{notelist}}<br /> === 出典 ===<br /> {{Reflist|2}} <br /> <br /> == 参考文献 ==<br /> * {{cite book | 和書 | title=放射線防護の基礎 | author=辻本 忠, 草間 朋子 | edition=第3版 | year=2001 | ref=辻本(2001) }}<br /> * {{cite book | 和書 | title=放射線健康科学 | author=草間 朋子、甲斐 倫明、[[伴信彦|伴 信彦]] | publisher=杏林書院 | year=1995 | ref=草間(1995) }}<br /> * {{cite book | 和書 | title=あなたと患者のための放射線防護 Q&amp;A | author=草間 朋子 | publisher=医療科学社 | year=2005 | edition=改訂新版 | ref=草間(2005) }}<br /> * {{cite book | 和書 | title=放射能 見えない危険 | author=草間 朋子 | series=読売科学選書28 | publisher=読売新聞社 | year=1990 | ISBN=4-643-90037-7 | ref=草間(1990) }}<br /> * {{cite book | 和書 | title=放射線・アイソトープ 講義と実習 | editor=日本アイソトープ協会(編) | publisher=丸善 | year=1992 | ref=アイソトープ協会 }}<br /> * {{cite book | 和書 | title=虎の巻 低線量放射線と健康影響―先生、放射線を浴びても大丈夫? と聞かれたら | author=放射線医学総合研究所(編著) | year=2012 | publisher=医療科学社 | edition=改訂版 | ref=放医研(2012) }} [http://books.google.co.jp/books?id=L3krIEhynV4C&amp;printsec=frontcover&amp;hl=ja&amp;source=gbs_ge_summary_r&amp;cad=0#v=onepage&amp;q&amp;f=false 旧版(2007)]<br /> * {{cite book | 和書 | editor=国立天文台 | title=理科年表 | edition=平成25年版 | year=2012 | ref=理科年表 }}<br /> * {{citation | title=環境放射線モニタリング指針 | year=2010 | publisher=原子力安全委員会 | url=http://www.bousai.ne.jp/vis/shiryou/pdf/kankyou_monitor_h2204.pdf }}<br /> * {{citation | title=緊急時環境放射線モニタリング指針 | year=2001 | publisher=原子力安全委員会 | url=http://www.nsr.go.jp/archive/nsc/housya/housya198406.pdf }}<br /> * {{Cite book|和書<br /> | author = [[ウェード・アリソン]]<br /> | year = 2011<br /> | title = 放射能と理性-なぜ「100ミリシーベルト」なのか<br /> | publisher = [[徳間書店]]<br /> | series =<br /> | isbn = 978-4-19-863218-2<br /> | ref = アリソン 2011<br /> }}<br /> * {{Cite book|和書<br /> |author = 松野元<br /> |title = 原子力防災―原子力リスクすべてと正しく向き合うために<br /> |year = 2007<br /> |publisher = 創英社/三省堂書店<br /> |isbn = 978-4-881-42303-5 <br /> |ref = 松野 2007<br /> }}<br /> * {{Cite book|和書 <br /> | author = 吉川敏一 <br /> | year = 1997 <br /> | title = フリーラジカルの科学<br /> | publisher = [[講談社]] <br /> | series = <br /> | isbn = 4-06-153650-8<br /> | ref = 吉川 1997<br /> }}<br /> <br /> == 関連項目 ==<br /> {{col-begin}}<br /> {{col-break}}<br /> * [[放射線]]<br /> * [[放射能]]<br /> * [[放射性降下物]]<br /> * [[放射能汚染]]<br /> * [[間質性肺炎]]<br /> {{col-break}}<br /> * [[シーベルト]]<br /> * [[グレイ (単位)]]<br /> * [[積算線量]]<br /> * [[バナナ等価線量]]<br /> {{col-break}}<br /> {{col-end}}<br /> <br /> == 外部リンク ==<br /> * [http://www.remnet.jp/lecture/forum/index.html 緊急被ばく医療「地域フォーラム」テキスト(公益財団法人 原子力安全研究協会、平成20年度版)]<br /> * [http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-01-05-01 「放射線による外部被ばく」原子力百科事典(アトミカ)]<br /> * [http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-01-05-02 「内部被ばく」原子力百科事典(アトミカ)]<br /> <br /> {{放射線}}<br /> {{デフォルトソート:ひはく}}<br /> [[Category:被爆|*]]<br /> [[Category:放射線医学]]<br /> [[Category:原子力事故]]<br /> [[Category:核兵器]]</div> 113.42.125.146
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