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miniwiki - 利用者の投稿記録 [ja]
2024-05-28T11:35:14Z
利用者の投稿記録
MediaWiki 1.31.0
パラリンピック
2018-08-05T03:40:28Z
<p>220.218.12.129: /* 歴史 */ がい</p>
<hr />
<div>{{distinguish|スペシャルオリンピックス|デフリンピック}}<br />
{{スポーツ大会シリーズ<br />
|大会名 =パラリンピック<br />
|画像 = Paralympic flag.svg<br />
|開始年 =[[1960年]]<br />
|終了年 =<br />
|主催 =[[国際パラリンピック委員会]]<br />
|参加チーム数 =<br />
|国 =<br />
|前回優勝 =<br />
|最多優勝 =<br />
|サイト =[http://www.paralympic.org/index.php 国際パラリンピック委員会](英語)<br />
|備考 =<br />
}}<br />
'''パラリンピック'''({{Lang-en|'''Paralympic Games'''}})は、[[国際パラリンピック委員会]]({{Lang-en|International Paralympic Committee}}、略称:IPC(以下IPC))が主催する、[[身体障害者]]([[肢体不自由者|肢体不自由]](上肢・下肢および欠損、麻痺)、[[脳性麻痺]]、[[視覚障害]]、[[知的障害]])を対象とした世界最高峰の[[障害者スポーツ]]の[[総合競技大会]]。[[近代オリンピック|オリンピック]]と同じ年に同じ場所で開催される。[[2004年]]の[[アテネパラリンピック|アテネ大会]]から[[夏季オリンピック]]と共同の開催組織委員会が運営する。<br />
<br />
== 概要 ==<br />
パラリンピックはIPCの登録商標であり、各国に委員会を設け、商標の保全を義務付けている。日本においては、元[[厚生労働省]]所管であった[[公益財団法人]][[日本障害者スポーツ協会]](以下JPSA)の下に日本パラリンピック委員会(以下JPC)が設立され、商標保護に努めるとともに、日本選手団の派遣事業を行っている。日本国内において「パラリンピック」という文言を使用するためには、[[日本障がい者スポーツ協会]]の承認を必要とし、オフィシャルサポーターと呼ばれるスポンサー契約を結ぶ必要がある。なお、文字数の関係で『パラ』と省略したり<ref>[http://mainichi.jp/area/okayama/news/20130906ddlk33050481000c.html 20年夏季五輪:五輪・パラ開催都市、8日決定 「あの感動を日本で」 県内選手、熱い思いと期待 /岡山] - 毎日新聞、2013年9月6日、2013年9月13日閲覧{{リンク切れ|date=2017年9月}}</ref>、『パラ五輪』と記載するメディアも存在する<ref>[http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20130910_2 65歳大井さん「東京で金」 2020年パラ五輪へ意欲] - 岩手日報、2013年9月10日、2013年9月13日閲覧{{リンク切れ|date=2017年9月}}</ref>。<br />
<br />
オリンピックの直後に同じ場所で開催するというIPCの戦略が奏功し、格段にマスコミに取り上げられる率が高く、数ある「障害者スポーツ大会」の中で、現在、最も知名度が高くなり商業的にも成功をおさめつつある。また、開始当初は[[車椅子]]使用者のために実施されてきた大会が、その他の障害者にも拡大されていった大会で、同じ障害者スポーツの競技大会ではあるが、[[デフリンピック]]([[聴覚障害者]])や、[[スペシャルオリンピックス]]([[知的障害者]])とは、別の理念と歴史が存在している。<br />
<br />
日本では、ながらく[[厚生労働省]]所管となっていたが[[文部科学省]]に移管され、オリンピックとの一元化が図られることとなった([[#「福祉」から「スポーツ」へ|「福祉」から「スポーツ」へ]]節参照)。<br />
<br />
{{Main|障害者スポーツ}}<br />
<br />
== 歴史 ==<br />
[[20世紀]]初頭から、散発的な障がい者スポーツの大会は記録されているが、当大会の起源とされているのは、[[1948年]][[7月28日]]、[[ロンドンオリンピック (1948年)|ロンドンオリンピック]]開会式と同日に、[[イギリス]]の[[ストーク・マンデビル病院]]で行われた[[世界車いす・切断者競技大会|ストーク・マンデビル競技大会]]とされる。これは、[[戦争]]で[[負傷]]した[[兵士]]たちの[[リハビリテーション]]として「[[手術]]より[[スポーツ]]を」の理念で始められたものである。<br />
<br />
ストーク・マンデビル病院には、[[第二次世界大戦]]で[[脊髄]]を損傷した[[軍人]]のリハビリのための[[診療科|科]]が専門にあり、[[ドイツ]]から[[亡命]]した[[ユダヤ人|ユダヤ]]系[[医師]][[ルートヴィヒ・グットマン]]の提唱により、この日、車椅子使用入院患者男子14人、女子2人による[[アーチェリー]]競技会が行われた。この競技会は当初、純然たる入院患者のみの競技大会であったが、毎年開催され続け、[[1952年]]には国際大会となり、第1回国際ストーク・マンデビル競技大会が開催された(参加国はイギリスと[[オランダ]]の2カ国)。<br />
<br />
[[1960年]]には、グットマンを会長とした国際ストーク・マンデビル大会委員会が組織され、この年のオリンピックが開催された[[ローマ]]で、第9回国際ストーク・マンデビル競技大会が開催された。この大会は現在、[[ローマパラリンピック|第1回パラリンピック]]と呼ばれている。<br />
<br />
第2回大会は、[[1964年]]にこの年の夏季オリンピックが開催された[[東京]]で、第13回国際ストーク・マンデビル競技大会が行われた。大会は2部構成で、第1部が国際ストーク・マンデビル競技大会、第2部は全ての身体障害を対象にした日本人選手だけの国内大会として行われた。現在、国際的には第1部のみが[[東京パラリンピック|パラリンピック東京大会]]とされているが、日本国内では第2部の国内大会を合わせて呼ばれることがある。<br />
<br />
当大会をオリンピック開催都市と同一都市で行う方式は、東京大会後は定着せずいったん中断することとなり<ref>この大会で実現した「全ての身体障害者の大会」も定着せず、この後も国際大会は車椅子競技者のための国際ストーク・マンデビル競技大会のみが行われた。</ref>、[[1972年]]の[[ハイデルベルクパラリンピック|ハイデルベルク大会]]で復活する。<br />
<br />
[[1976年]]、国際ストーク・マンデビル競技連盟と国際身体障害者スポーツ機構との初の共催で[[トロントパラリンピック|トロント大会]]が開催され、同年、第1回冬季大会、[[エーンシェルドスピークパラリンピック|エーンシェルドスピーク大会]]も開催された。<br />
<br />
[[1984年]]の[[ニューヨーク・アイレスベリーパラリンピック|ニューヨーク・アイレスベリー大会]]は当初アメリカの2都市での開催予定であったが諸事情により2国開催となった。<br />
<br />
[[1988年]]、[[ソウルパラリンピック|ソウル大会]]より、正式名称が「パラリンピック」となった。また、[[国際オリンピック委員会]](以下IOC)が当大会に直接関わる初めての大会ともなり、この大会からは再び夏季オリンピックとの同一地開催が復活した。なお、冬季大会が[[冬季オリンピック]]と同一都市で開催されるようになるのは、[[1992年]]の[[アルベールビルパラリンピック|アルベールビル冬季大会]]からである。<br />
<br />
[[1989年]]にはIPCが設立され、これ以後、継続した大会運営が行われるようになった。IPC本部は、ドイツの[[ボン]]に置かれている。<br />
<br />
[[1998年]]の[[長野パラリンピック]]において[[クロスカントリースキー]]種目だけだが初めて知的障害者の参加が認められ、その後の種目採用の拡大が期待された。<br />
<br />
[[2000年]]の[[シドニーオリンピック]]時にIOCとIPCとの間で正式に協定が結ばれ、オリンピックに続いて開催されることと、IPCからのIOC委員を選出することが両者間で約束され、オリンピック開催都市での開催が正式に義務化された。一方で、長野大会で参加を認められた知的障害者について夏季大会でも数種目を採用されたが、その内のバスケットボールの試合でスペインチームが複数の[[健常者]]を紛れこませて金メダルを攫う不正行為が発覚した。これにより、スペインは金メダルを剥奪され、それ以降の全ての大会・参加種目において、知的障害者が一時参加出来なくなった。<br />
<br />
[[2001年]]にはIPCとIOCは、スイスのローザンヌで合意文書に調印し、オリンピックとの連携を強化した。[[北京パラリンピック|2008年夏季大会(北京)]]、[[バンクーバーパラリンピック|2010年冬季大会(バンクーバー)]]から運営・経済両面においてもIOCはIPCを支援。また、構成や保護を強化するとともに、組織委員会はオリンピックの組織委員会に統合されることになった。<br />
<br />
[[2012年]]の[[ロンドンパラリンピック]]では、陸上競技と水泳、卓球の3競技で、シドニー大会以降参加出来なくなっていた知的障害者が12年振りに復帰し、[[2016年]]の[[リオデジャネイロパラリンピック]]でも引き続き実施された。その反面、[[2014年]]の[[ソチパラリンピック]]には知的障害者は参加しておらず、[[2018年]]の[[平昌パラリンピック]]も同様である。<br />
<br />
== 名称 ==<br />
元々、[[対麻痺|パラプレジア]]('''Paraplegia'''、[[脊髄損傷]]等による[[下半身]]麻痺者)+オリンピック(Olympic)の造語であったとされる。IPCによると、"Paralympic"の表記が最初に確認されたのは、[[1953年]]のイギリスの新聞の見出しであるが、その名称の由来は不明である<ref>[http://www.paralympic.org/sites/default/files/document/121210151549984_2012_02+History+and+Use+of+Term+Paralympic.pdf HISTORY AND USE OF THE TERM ‘PARALYMPIC’]</ref>。一方で、「パラ」+「リンピック」=「パラリンピック」という語呂合わせは日本人の発案で(個人名は不詳)、1964年の第13回国際ストーク・マンデビル車いす競技大会を東京で開催した際の「[[愛称]]」として初めて使用したものであるとされる<ref>[http://www.jsad.or.jp/paralympic/what/history.html 日本パラリンピック委員会|パラリンピックとは|パラリンピックの歴史]</ref><ref>[http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n197/n197_026.html 特集/もう1つのオリンピック 日本の3月、パラリンピック。 パラリンピックの歴史]</ref>。<br />
<br />
IOCは、[[1985年]]当大会名を用いることを正式に認めるとともに<ref>IOCはオリンピックとは全く無関係な当大会にオリンピック類似の名称を使うことに対し永らく難色を示していたため、あくまで「愛称」で正式名称ではなかった。</ref>、半身不随者以外も参加するようになったことから、[[パラレル]]の解釈を新たに('''Parallel'''、[[平行]])+オリンピック(Olympic Games)とし、「もう一つのオリンピック」として再解釈することとした。これに伴い、[[1988年]]のソウル大会からIOCが直接関わることとなり、「パラリンピック」が正式名称となった。<br />
<br />
== シンボル ==<br />
{{Main|パラリンピックシンボル}}<br />
[[ファイル:Paralympic-flag.jpg|thumb|right|パラリンピックの旗]]<br />
大会の象徴であるマーク([[パラリンピックシンボル]])は、人間の最も大切な3つの構成要素「心(スピリット)・肉体(ボディ)・魂(マインド)」を赤・青・緑の三色で表している。<br />
<br />
1988年のソウル大会で初めてこの旗が使われたときには、青・赤・黒・緑・黄の5色であったが、[[オリンピック旗]]と区別するために、[[1994年]]の[[リレハンメルパラリンピック|リレハンメル大会]]から3色の旗に変更された。そして、[[2004年]]の[[アテネパラリンピック|アテネ大会]]から3代目となるロゴに変更され、現在に至っている。ちなみに、[[2008年]]の[[北京パラリンピック|北京大会]]では、シンボルの形・色は同じであるが、3色の意味を中国式に赤を天、青を地、緑を人としていた<ref>{{Cite web|url=http://www.peoplechina.com.cn/tiyu/2008-01/29/content_97786.htm|title=北京パラリンピック・シンボルマーク|publisher=人民中国 2008年1月29日|accessdate=2012-9-25}}</ref>。<br />
<br />
;シンボルの変遷<br />
<gallery><br />
ファイル:Paralympics logo 1988-94.svg|1988年 − 1994年<br />
ファイル:IPC logo (1994-2004).svg|1994年 − 2004年<br />
ファイル:IPC logo (2004).svg|2004年以降<br />
</gallery><br />
<br />
== 開催地一覧 ==<br />
=== 夏季大会 ===<br />
第1回大会から第10回大会までの参加国数及び参加人数は、厚生労働省の発表による数値<ref>{{Cite web|url=http://www1.mhlw.go.jp/topics/nagano-p/tp0506-d.html|title=パラリンピック競技大会(夏季大会)の開催状況|publisher=厚生労働省|accessdate=2012-9-27}}</ref>(JPSAの発表数値とは異なる)、第11回大会以降はJPSAの発表による数値<ref>{{Cite web|url=http://www.jsad.or.jp/paralympic/para_nenpyo.htm|title=年表|publisher=公益財団法人日本障害者スポーツ協会|accessdate=2012-9-27}}</ref>。<br />
<br />
{| class="wikitable"<br />
!回!!開催年!!開催都市!!開催国!!参加国数!!参加人数!!開催時名称<br />
|-<br />
|{{Center|[[ローマパラリンピック|第1回]]}}||[[1960年]]||ローマ||{{Flagicon2|Italy}}[[イタリア]]||style="text-align:right"|23カ国||style="text-align:right"|400人||第9回ストーク・マンデビル競技大会<br />
|-<br />
|{{Center|[[東京パラリンピック|第2回]]}}||[[1964年]]||[[東京都|東京]]||{{Flagicon2|Japan}}[[日本]]||style="text-align:right"|22カ国||style="text-align:right"|567人||第13回ストーク・マンデビル競技大会<br />
|-<br />
|{{Center|[[ラマットガンパラリンピック|第3回]]}}||[[1968年]]||[[テルアビブ]]||{{Flagicon2|Israel}}[[イスラエル]]||style="text-align:right"|29カ国||style="text-align:right"|1,047人||第17回ストーク・マンデビル競技大会<br />
|-<br />
|{{Center|[[ハイデルベルクパラリンピック|第4回]]}}||[[1972年]]||[[ハイデルベルク]]||{{Flagicon2|West Germany}}[[西ドイツ]]||style="text-align:right"|41カ国||style="text-align:right"|1,346人||第21回ストーク・マンデビル競技大会<br />
|-<br />
|{{Center|[[トロントパラリンピック|第5回]]}}||[[1976年]]||[[トロント]]||{{Flagicon2|Canada}}[[カナダ]]||style="text-align:right"|40カ国||style="text-align:right"|1,000人||第25回ストーク・マンデビル競技大会<br />
|-<br />
|{{Center|[[アーネムパラリンピック|第6回]]}}||[[1980年]]||[[アーネム]]||{{Flagicon2|Netherlands}}オランダ||style="text-align:right"|42カ国||style="text-align:right"|2,556人||身体障害者オリンピックアーネム大会<br />
|-<br />
|rowspan="2"|{{Center|[[ニューヨーク・アイレスベリーパラリンピック|第7回]]}}||rowspan="2"|[[1984年]]||[[ニューヨーク]]||{{Flagicon2|United States}}[[アメリカ合衆国|アメリカ]]||style="text-align:right"|45カ国||style="text-align:right"|1,800人||rowspan=2|第7回世界車椅子競技大会<br />
|-<br />
|[[アリスバーリー|アイレスベリー]]||{{Flagicon2|United Kingdom}}イギリス||style="text-align:right"|40カ国||style="text-align:right"|600人<br />
|-<br />
|{{Center|[[ソウルパラリンピック|第8回]]}}||[[1988年]]||[[ソウル特別市|ソウル]]||{{Flagicon2|South Korea}}[[大韓民国|韓国]]||style="text-align:right"|61カ国||style="text-align:right"|4,220人||rowspan="11"|パラリンピック<br />
|-<br />
|{{Center|[[バルセロナパラリンピック|第9回]]}}||[[1992年]]||[[バルセロナ]]||{{Flagicon2|Spain}}[[スペイン]]||style="text-align:right"|83カ国||style="text-align:right"|4,200人<br />
|-<br />
|{{Center|[[アトランタパラリンピック|第10回]]}}||[[1996年]]||[[アトランタ]]||{{Flagicon2|United States}}アメリカ||style="text-align:right"|103カ国||style="text-align:right"|3,259人<br />
|-<br />
|{{Center|[[シドニーパラリンピック|第11回]]}}||[[2000年]]||[[シドニー]]||{{Flagicon2|Australia}}[[オーストラリア]]||style="text-align:right"|122カ国||style="text-align:right"|3,881人<br />
|-<br />
|{{Center|[[アテネパラリンピック|第12回]]}}||[[2004年]]||[[アテネ]]||{{Flagicon2|Greece}}[[ギリシャ]]||style="text-align:right"|135カ国||style="text-align:right"|3,808人<br />
|-<br />
|{{Center|[[北京パラリンピック|第13回]]}}||[[2008年]]||[[北京市|北京]]||{{Flagicon2|China}}[[中華人民共和国|中国]]||style="text-align:right"|146カ国||style="text-align:right"|3,951人<br />
|-<br />
|{{Center|[[ロンドンパラリンピック|第14回]]}}||[[2012年]]||[[ロンドン]]||{{Flagicon2|United Kingdom}}イギリス||style="text-align:right"|164カ国||style="text-align:right"|4,310人<br />
|-<br />
|{{Center|[[リオデジャネイロパラリンピック|第15回]]}}||[[2016年]]||[[リオデジャネイロ]]||{{Flagicon2|Brazil}}[[ブラジル]]||style="text-align:right"|159カ国||style="text-align:right"|4,342人<br />
|-<br />
|{{Center|[[東京パラリンピック (2020年)|第16回]]}}||[[2020年]]||東京||{{Flagicon2|Japan}}日本||||<br />
|-<br />
|{{Center|[[パリパラリンピック|第17回]]}}||[[2024年]]||[[パリ]]||{{flagicon2|France}}[[フランス]]||||<br />
|-<br />
|{{Center|[[ロサンゼルスパラリンピック|第18回]]}}||[[2028年]]||[[ロサンゼルス]]||{{Flagicon2|United States}}アメリカ||||<br />
|}<br />
<br />
=== 冬季大会 ===<br />
第1回大会から第7回大会までの参加国数及び参加人数は、厚生労働省の発表による数値<ref>{{Cite web|url=http://www1.mhlw.go.jp/topics/nagano-p/tp0506-c.html|title=パラリンピック競技大会(夏季大会)の開催状況|publisher=厚生労働省|accessdate=2012-9-27}}</ref>(JPSAの発表数値とは異なる)、第8回大会以降はJPSAの発表による数値<ref>{{Cite web|url=http://www.jsad.or.jp/paralympic/para_nenpyo.htm|title=年表|publisher=公益財団法人日本障害者スポーツ協会|accessdate=2012-9-27}}</ref>。<br />
<br />
{| class="wikitable"<br />
!回!!開催年!!開催都市!!開催国!!参加国数!!参加人数<br />
|-<br />
|{{Center|[[エーンシェルドスピークパラリンピック|第1回]]}}||1976年||[[エーンシェルドスピーク]]||{{Flagicon2|Sweden}}[[スウェーデン]]||style="text-align:right"|21カ国||style="text-align:right"|400人<br />
|-<br />
|{{Center|[[ヤイロパラリンピック|第2回]]}}||1980年||[[ヤイロ]]||{{Flagicon2|Norway}}[[ノルウェー]]||style="text-align:right"|15カ国||style="text-align:right"|369人<br />
|-<br />
|{{Center|[[インスブルックパラリンピック (1984年)|第3回]]}}||1984年||rowspan="2"|[[インスブルック]]||rowspan="2"|{{Flagicon2|Austria}}[[オーストリア]]||rowspan="2" style="text-align:right"|22カ国||style="text-align:right"|1,000人<br />
|-<br />
|{{Center|[[インスブルックパラリンピック (1988年)|第4回]]}}||1988年||style="text-align:right"|800人<br />
|-<br />
|{{Center|[[アルベールビルパラリンピック|第5回]]}}||1992年||[[アルベールヴィル]]||{{Flagicon2|France}}フランス||style="text-align:right"|24カ国||style="text-align:right"|900人<br />
|-<br />
|{{Center|[[リレハンメルパラリンピック|第6回]]}}||[[1994年]]||[[リレハンメル]]||{{Flagicon2|Norway}}ノルウェー||style="text-align:right"|31カ国||style="text-align:right"|1,013人<br />
|-<br />
|{{Center|[[長野パラリンピック|第7回]]}}||[[1998年]]||[[長野市|長野]]||{{Flagicon2|Japan}}日本||style="text-align:right"|32カ国||style="text-align:right"|1,146人<br />
|-<br />
|{{Center|[[ソルトレイクシティパラリンピック|第8回]]}}||[[2002年]]||[[ソルトレイクシティ]]||{{Flagicon2|United States}}アメリカ||style="text-align:right"|36カ国||style="text-align:right"|416人<br />
|-<br />
|{{Center|[[トリノパラリンピック|第9回]]}}||[[2006年]]||[[トリノ]]||{{Flagicon2|Italy}}[[イタリア]]||style="text-align:right"|39カ国||style="text-align:right"|477人<br />
|-<br />
|{{Center|[[バンクーバーパラリンピック|第10回]]}}||[[2010年]]||[[バンクーバー (ブリティッシュコロンビア州)|バンクーバー]]||{{Flagicon2|Canada}}カナダ||style="text-align:right"|44カ国||style="text-align:right"|502人<br />
|-<br />
|{{Center|[[ソチパラリンピック|第11回]]}}||[[2014年]]||[[ソチ]]||{{Flagicon2|Russia}}[[ロシア]]||style="text-align:right"|45カ国||style="text-align:right"|547人<br />
|-<br />
|{{Center|[[平昌パラリンピック|第12回]]}}||[[2018年]]||[[平昌郡|平昌]]||{{Flagicon2|South Korea}}韓国||style="text-align:right"|49カ国||style="text-align:right"|569人<br />
|-<br />
|{{Center|[[北京パラリンピック (2022年)|第13回]]}}||[[2022年]]||北京||{{Flagicon2|China}}中国||||<br />
|}<br />
<br />
== 実施競技一覧 ==<br />
=== 夏季公式競技 ===<br />
{| class="wikitable" style="text-align:center"<br />
!rowspan="2"|競技名!!第1回!!第2回!!第3回!!第4回!!第5回!!第6回!!第7回!!第8回!!第9回!!第10回!!第11回!!第12回!!第13回!!第14回!!<br />
第15回<br />
|-<br />
|1960年||1964年||1968年||1972年||1976年||1980年||1984年||1988年||1992年||1996年||2000年||2004年||2008年||2012年||2016年<br />
|-<br />
|style="text-align:left"|[[File:Archery_-_Paralympic_pictogram.svg|20px]] アーチェリー||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○<br />
|-<br />
|style="text-align:left"|[[File:Wheelchair_rugby_-_Paralympic_pictogram.svg|20px]] [[ウィルチェアーラグビー]]||colspan="9"|&nbsp;||公開||○||○||○||○||○<br />
|-<br />
|style="text-align:left"|[[File:Wheelchair_fencing_-_Paralympic_pictogram.svg|20px]] [[車いすフェンシング]]||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○<br />
|-<br />
|style="text-align:left"|[[File:Wheelchair_tennis_-_Paralympic_pictogram.svg|20px]] [[車いすテニス]]||colspan="7"|&nbsp;||公開||○||○||○||○||○||○||○<br />
|-<br />
|style="text-align:left"|[[File:Wheelchair_basketball_-_Paralympic_pictogram.svg|20px]] [[車いすバスケットボール]]||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○<br />
|-<br />
|style="text-align:left"|[[File:Paralympics 2008 Goalball pictogram.svg|20px]] [[ゴールボール]]||colspan="3"|&nbsp;||公開||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○<br />
|-<br />
|style="text-align:left"|[[File:Paralympics 2008 Football 5-a-side pictogram.svg|20px]] [[視覚障害者5人制サッカー]]||colspan="12"|&nbsp;||○||○||○<br />
|-<br />
|style="text-align:left"|[[File:Paralympics 2008 Football 7-a-side pictogram.svg|20px]] [[脳性麻痺7人制サッカー]]||colspan="7"|&nbsp;||○||○||○||○||○||○||○||○<br />
|-<br />
|style="text-align:left"|[[File:Volleyball_-_Paralympic_pictogram.svg|20px]] [[シッティングバレーボール]]||colspan="5"|&nbsp;||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○<br />
|-<br />
|style="text-align:left"|[[File:Cycling_-_Paralympic_pictogram.svg|20px]] [[自転車競技]]||colspan="6"|&nbsp;||○||○||○||○||○||○||○||○||○<br />
|-<br />
|style="text-align:left"|[[File:Olympics Paralympics 2008 Judo pictogram.svg|20px]] [[柔道]]||colspan="7"|&nbsp;||○||○||○||○||○||○||○||○<br />
|-<br />
|style="text-align:left"|[[File:Olympics Paralympics 2008 Swimming pictogram.svg|20px]] [[競泳|水泳]]||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○<br />
|-<br />
|style="text-align:left"|[[File:Olympics Paralympics 2008 Sailing pictogram.svg|20px]] [[ヨット|セーリング]]||colspan="10"|&nbsp;||公開||○||○||○||○<br />
|-<br />
|style="text-align:left"|[[File:Table_tennis_-_Paralympic_pictogram.svg|20px]] [[卓球]]||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○<br />
|-<br />
|style="text-align:left"|[[File:Paralympics 2008 Shooting pictogram.svg|20px]] [[射撃競技|射撃]]||colspan="4"|&nbsp;||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○<br />
|-<br />
|style="text-align:left"|[[File:Equestrian_-_Paralympic_pictogram.svg|20px]] [[馬術]]||colspan="6"|&nbsp;||○||colspan="2"|&nbsp;||○||○||○||○||○||○<br />
|-<br />
|style="text-align:left"|[[File:Paralympics 2008 Powerlifting pictogram.svg|20px]] [[重量挙げ|パワーリフティング]]||||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○<br />
|-<br />
|style="text-align:left"|[[File:Olympics Paralympics 2008 Rowing pictogram.svg|20px]] [[ボート競技|ボート]]||colspan="13"|&nbsp;||○||○<br />
|-<br />
|style="text-align:left"|[[File:Boccia_-_Paralympic_pictogram.svg|20px]] [[ボッチャ]]||colspan="6"|&nbsp;||○||○||○||○||○||○||○||○||○<br />
|-<br />
|style="text-align:left"|[[File:Athletics_-_Paralympic_pictogram.svg|20px]] [[陸上競技]]||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○<br />
|-<br />
|style="text-align:left"| [[電動車椅子サッカー]]||colspan="14"|&nbsp;||公開<br />
|}<br />
<br />
=== 冬季公式競技 ===<br />
{| class="wikitable" style="text-align:center"<br />
!rowspan="2"|競技名!!第1回!!第2回!!第3回!!第4回!!第5回!!第6回!!第7回!!第8回!!第9回!!第10回!!第11回<br />
!第12回<br />
|-<br />
|1976年||1980年||1984年||1988年||1992年||1994年||1998年||2002年||2006年||2010年||2014年<br />
|2018年<br />
|-<br />
|style="text-align:left"|[[File:Ice sledge hockey - Paralympic pictogram.svg|20px]] [[アイススレッジホッケー]]||colspan="5"|&nbsp;||○||○||○||○||○||○<br />
|○<br />
|-<br />
|style="text-align:left"|[[File:Alpine skiing - Paralympic pictogram.svg|20px]] [[パラリンピックのアルペンスキー|アルペンスキー]]||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○<br />
|○<br />
|-<br />
|style="text-align:left"|[[File:Wheelchair curling - Paralympic pictogram.svg|20px]] [[車いすカーリング]]||colspan="8"|&nbsp;||○||○||○<br />
|○<br />
|-<br />
|style="text-align:left"|[[File:Cross-country skiing - Paralympic pictogram.svg|20px]] [[パラリンピックのクロスカントリースキー|クロスカントリースキー]]||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○||○<br />
|○<br />
|-<br />
|style="text-align:left"|[[File:Biathlon - Paralympic pictogram.svg|20px]] [[バイアスロン]]||colspan="3"|&nbsp;||○||○||○||○||○||○||○||○<br />
|○<br />
|-<br />
|style="text-align:left"|[[File:Ice sledge speed racing - Paralympic pictogram.png|20px]] [[アイススレッジスピードレース]]||||○||○||○||||○||○|| colspan="5" |&nbsp;<br />
|-<br />
|style="text-align:left"|[[File:Snowboarding_-_Paralympic_pictogram.svg|20px]] [[パラリンピックのスノーボード|スノーボード]]<br />
| colspan="11" |<br />
|○<br />
|}<br />
<br />
== クラス分け ==<br />
各競技種目は、同一レベルの選手同士で競い合えるようにするため、障害の種類、部位、程度による「クラス分け」が行われている。競技種目によって異なるが、陸上競技であれば視覚障害、肢体不自由、知的障害などに大別され、肢体不自由でも、原因が脳性麻痺であるか手足の切断であるかなどで区分され、さらに障害の軽重により種目ごとに及ぼす影響で階級化される。<br />
<br />
たとえば、[[肢体不自由]]などの障害の場合は「LW」<!-- {{要検証範囲|date=2012年8月|や「LC」}} -->等の競技ごと・障害の種類ごとの記号+度合いを数字で表す。障害種は「[[運動機能障害]]」「[[脳性麻痺]]」「[[切断 (外科学)|切断]]など」「[[視覚障害]]」「[[車いす]]」などがある。<br />
<br />
2017年現在、知的障害者に関しては一部の競技に参加出来るが<ref>夏季大会は[[1996年]]の[[アトランタパラリンピック]]、冬季大会は[[1996年]]の[[長野パラリンピック]]から参加が認められたが、[[2000年]]の[[シドニーパラリンピック]]において、出場した健常者選手による知的障害者偽装が発覚したことを契機に、知的障害者選手はしばらく参加出来ず、参加復活は夏季大会に関しては[[2012年]]の[[ロンドンパラリンピック]]からであった。冬季大会に関しては、最短でも[[2022年]]の[[北京パラリンピック]]まで待つこととなる。</ref>、聴覚障害者、精神障害者は参加出来ないため、それぞれデフリンピック、スペシャルオリンピックスに参加している。<br />
<br />
ロンドンパラリンピックにおいては、陸上競技トラック種目(T)の階級は、T11〜T13は視覚障害、T32〜T38は脳原性麻痺、T42〜T46は切断・機能障害、T51〜T54は脳原性麻痺以外の車いす使用者となっていた。さらに、T11及びT12の選手は伴走者(ガイドランナー)と競技を行うことができるなど細かいルールが定められている。一方、視覚障害者のみによる競技である柔道は、障害によるクラス分けはなく、オリンピックと同様に体重別クラス分けのみとなっている。<br />
<br />
[[スキー]]の[[アルペンスキー]]と[[ノルディックスキー]]は障害の部位・程度によるクラス分けを採用、クラスの数だけ金メダルが与えられたが、トリノパラリンピック以降、立位(立って滑る)、座位(座って滑る)、視覚障害の3カテゴリー制となり、金メダルもカテゴリーごとに与えられ、金メダルの価値を上げ、競技性を高めた<ref>[[2014年]][[2月16日]] [[中日新聞]]朝刊 サンデー版 世界と日本大図解シリーズNO1134</ref>。<br />
<br />
;クラス分け<br />
:障害の度合いに応じて階級を分ける。障害のクラス分けがあるために、[[100メートル競走]]の金メダルは男女合わせて10個以上にもなる。このため、メダルの価値が1個のみと比べて低くなってしまうという見方がある。<br />
:そこでメダルを少なくするために、近い障害部位の間で階級を統廃合するという動きがある。しかし、階級を統廃合すると障害部位で有利不利が出来てしまう(例:水泳においては、両足麻痺者と両足切断者が競ったら、両足切断者は両足が無い分だけ水の抵抗が軽減されたり体重が軽くなって有利になってしまう)。委員会としては「競技の公平」と「メダルの価値」、という難しい選択を突き付けられているとも言える。[[2006年]]の[[トリノパラリンピック|トリノ大会]]では、メダルの数を減らすため、障害の度合いによってポイントが加算された選手が競い、総合得点で競うルールが採用された。<br />
<br />
== 「福祉」から「スポーツ」へ ==<br />
第二次世界大戦による[[傷痍軍人]]の社会復帰を進める目的で発祥したため、福祉的側面から捉えられることが多かったが、次第に福祉的側面よりも競技としての性質が高まり、陸上競技<ref>[http://www.challengers.tv/seijun/2012/05/1393.html]</ref>や車いすテニス<ref>[http://www.ninomiyasports.com/sc/modules/bulletin02/article.php?storyid=2679]</ref>等でプロ選手が誕生し、「障害者アスリート」という言葉も使われるようになり、競技スポーツとしての側面がクローズアップされてきている。また競技性が高まるに従い、福祉ではなく「スポーツ文化」としての理解と支援を求める声が強まっている。<br />
<br />
日本では[[日本オリンピック委員会]](以下JOC)は[[文部科学省]]が所管し、日本パラリンピック委員会(以下JPC)は厚生労働省の所管とされてきたが、[[2014年]]4月より、[[文部科学省]]へ移管され一元化されることが、厚生労働省[[社会・援護局]]障害福祉部企画課自立支援振興室により発表された<ref>[http://www.asahi.com/sports/update/0823/TKY201308230013.html 朝日新聞デジタル:パラリンピック選手強化、五輪と一元化 競技性高まり - スポーツ]</ref>。[[JOC]]と[[JPC]]は、2014年8月6日、強化指定選手の就職支援をおこなう協定を結んだと発表し、[[日本オリンピック委員会#アスナビ|アスナビ]]に障害者選手も登録するとした。JOCとJPCの協定締結は初めてのことである<ref>2014年8月7日[[中日新聞]]朝刊22面</ref>。<br />
<br />
===障害者スポーツ政策===<br />
競技志向が高まるとともに、予算とメダルの関連が強く出ており、[[アトランタパラリンピック]]で日本のメダル獲得順位は10位だったが、ロンドン大会では24位に落ちた。ロンドン大会で国家予算を障害者エリート選手に掛ける[[中華人民共和国]]のメダル獲得順位は1位、[[ロシア]]は2位、[[ウクライナ]]は4位になっている。<br />
<br />
日本では、[[2014年]]度から、スポーツ振興の観点から行う障害者スポーツに関する事業が、厚生労働省から文部科学省に移管された。ただし、障害者の社会参加やリハビリテーションの観点から行う事業は、厚生労働省の所管に残された<ref>{{Cite web|url=http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/1378687.htm|title=障害者スポーツに関する事業の移管について(通知):文部科学省|accessdate=2018-06-09|website=www.mext.go.jp|language=ja}}</ref>。[[2011年]]に制定された[[スポーツ基本法]]の附則では、[[スポーツ庁]]の設置が検討課題とされ<ref name="post">[[小学館]]発行 [[週刊ポスト]] [[2013年]]11月8,15日号パラリンピックの「知られざる真実」</ref>、[[2020年夏季オリンピック|2020年東京オリンピック・パラリンピック]]開催決定を受け、[[2015年]]度に文部科学省の外局としてスポーツ庁が設置された<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/olympic/2020/politics/20131117-OYT1T00989.htm スポーツ庁 文科省外局に 15年度発足目指す]</ref>。<br />
<br />
アメリカやイギリスでは[[アメリカ同時多発テロ事件]]以降増加した傷痍軍人とその補償費が増加していることもあり、社会的な自立を促す制作として大会で実績を残した傷痍軍人に対し、スポーツに専念できる環境を用意している<ref name=nhk>[http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3860/1.html “戦場の悪夢”と金メダル ~兵士とパラリンピック~ - NHK クローズアップ現代+] - NHK</ref>。[[アメリカ陸軍]]では障害を負った兵士を専属選手として雇用し続ける体制も整えている<ref name=nhk />。<br />
<br />
== 認知度及びメディア ==<br />
=== 認知度 ===<br />
2014年9月から10月にかけて日本財団パラリンピック研究会が笹川スポーツ財団の協力を得て6ヶ国で行った調査では、日本でのパラリンピックの認知度は98.2%であった<ref name="para2014" />。また、ドイツやフランスでの認知度も95%以上であった<ref name="para2014" />。アメリカや韓国での認知度は7割程度で、特にアメリカでは内容まで知っている人は2割台であった<ref name="para2014" />。<br />
<br />
=== 報道・メディア ===<br />
パラリンピック競技のうちメディアを通じて観戦可能な競技は車いすバスケットなど一部の競技に限定されている<ref name="para2014" />。2014年に日本財団パラリンピック研究会が6ヶ国で行った調査では、パラリンピックの25競技のうち14競技で観戦経験者が1割未満にとどまった<ref name="para2014" />。<br />
<br />
6ヵ国平均で観戦経験者の多い競技を並べると、車いすバスケットボール、陸上、水泳、車いすテニス、アルペンスキーの順になっている<ref name="para2014" />。なお、日本では、車いすバスケットよりも車いすテニスの観戦経験者が多くなっている<ref name="para2014" />。<br />
<br />
==== 欧米 ====<br />
2014年の日本財団パラリンピック研究会の調査では、アメリカ、ドイツ、オーストラリアでは、いずれのメディアでもパラリンピックに接したことのない人が多かったが、若年層ではインターネットや新聞でパラリンピックに接したことがある割合が高かった<ref name="para2014">{{Cite web |url=http://para.tokyo/2014/11/survey.html |title=国内外一般社会でのパラリンピックに関する認知と関心 調査結果報告 |publisher=日本財団パラリンピック研究会 |accessdate=2017-12-15}}</ref>。<br />
<br />
==== 日本 ====<br />
日本では、長らく、障害者スポーツは一般になじみがなく、社会参加やリハビリテーションの観点からしか捉えられていなかったため、取り上げられたとしても、新聞では[[三面記事|社会面]]に掲載され、スポーツ欄に掲載されることはなかった。当大会も1990年代半ばまでは一般になじみがなく、ほとんどメディアに取り上げられなかった。1996年の[[アトランタパラリンピック]]では、[[車いすマラソン]]において男女とも日本人が銀メダルという快挙もあったが、民放テレビや一般紙ではほとんど報道されなかった。1998年の長野パラリンピックの開催を機に、いくつかの競技がNHKの[[NHK-BS|BS放送]]で中継され、[[信濃毎日新聞]]が詳細な報道を行った<ref>[http://www.shinmai.co.jp/olympic/para/ 信濃毎日新聞 - 信毎web - 長野パラリンピック フロント]</ref>。また[[アイススレッジスピードレース]]に出場した[[土田和歌子]]ら、スター選手も現れるようになった。<br />
<br />
2000年以降、[[車いすテニス]]のプロ選手である[[国枝慎吾]]が、年間の四大大会全てで優勝する[[グランドスラム (テニス)|グランドスラム]]を成し遂げたり、[[ボストンマラソン]]や、[[ベルリンマラソン]]など、[[ワールドマラソンメジャーズ|海外主要マラソン]]の[[車いすの部]]での日本人の優勝などが一般紙においても「スポーツの結果」として大きく報道されるようになった。<br />
<br />
2008年以降、NHKは、オリンピック報道と同じ[[NHKオリンピック歴代テーマソング|テーマ曲]]を使用している。2012年の[[ロンドンパラリンピック]]においては、[[Yahoo!]]をはじめとしたインターネットのサイトにおいてもスポーツとしての特設サイトが設置され、リアルタイムで結果が掲載された。<br />
<br />
2013年9月に、[[2020年夏季オリンピック|東京オリンピック・パラリンピック]]の開催が決定したことで、「パラリンピック」という言葉が完全に市民権を得た。また、この招致活動においてブエノスアイレスで行われたIOC総会の最終プレゼンテーションでスピーチを行った[[義足]]のスプリンター[[佐藤真海]]にも注目が集まり、彼女が2014年のソチパラリンピックの[[聖火リレー]]走者を務めたことが大きく報じられた。<br />
<br />
2014年のソチパラリンピックでは、NHKが初めて地上波で開会式を中継することが発表された<ref>[http://www1.nhk.or.jp/sports2/para2014/hoso/index.html 全力応援!NHKソチパラリンピック2014]</ref><ref>[http://www.yomiuri.co.jp/olympic/2014/paralympics/20140109-OYT1T01087.htm 冬季パラリンピック開会式、NHKが生中継へ - YOMIURI ONLINE]</ref><ref>夏季大会では2004年のアテネパラリンピックから開会式を生中継している</ref>。[[Youtube]](配信元はParalympicSportTV)でも開会式をライブ配信を行った。<br />
<br />
[[2016年]][[リオデジャネイロパラリンピック]]では、次回の[[2020年]][[東京パラリンピック]]の開催を念頭に置き、これまで以上に放送体裁を強化し、現地のナイトセッションで行われる注目競技を[[NHK総合テレビジョン|総合テレビ]]・[[NHKラジオ第1放送|ラジオ第1放送]]で生中継を中心に放送<ref>[http://sports.nhk.or.jp/paralympic/tv-guide/index.html 放送予定]</ref>するほか、総合テレビでは連日22時台を中心に「パラリンピックタイム」、[[NHK教育テレビジョン|Eテレ]]では20時台を中心に「みんなで応援!リオパラリンピック」と題して競技のダイジェスト中継を実施した。特にEテレのそれは、「ユニバーサル放送」と称して、競技の実況に、聴覚・言語障碍者向けにワイプ画面による[[手話]]通訳と[[リアルタイム字幕放送]]、視覚障碍者向けにも[[解説放送|競技場面やルールなどの解説放送]](ステレオ2。総合テレビの「パラリンピックタイム」、一部競技中継も同)を交えながら、障害者にも楽しめるような内容を提供している<ref>[http://sports.nhk.or.jp/paralympic/ NHKリオパラリンピック公式サイト]</ref>。<br />
<br />
== 切手 ==<br />
[[ファイル:DBP 1972 733 Weltspiele der Gelähmten.jpg|thumb|100px|西ドイツ発行のパラリンピック切手]]<br />
これまで多くの国々から発行され、障害者スポーツへの社会の理解と認識を深めるための周知活動の一翼を担っている。初のパラリンピック切手は、1964年に[[アルゼンチン]]から発行された東京パラリンピックの[[記念切手]]である<ref>{{Cite web|url=http://colnect.com/en/stamps/stamp/226822-Olympia_Emblems-Olympic_Games-Argentina|title=Olympic Games|publisher=colnect.com|accessdate=2012-9-25}}</ref>。<br />
<br />
日本から発行された初のパラリンピック切手は、1998年2月に発行された長野パラリンピックのもので、アイススレッジホッケーが描かれている<ref>{{Cite web|url=http://www.post.japanpost.jp/kitte_hagaki/stamp/tokusyu/1998/0205/index.html|title=長野オリンピック冬季競技大会・長野パラリンピック冬季競技大会|publisher=日本郵便|accessdate=2012-9-25}}</ref>。ちなみに、2002年8月には[[世界車椅子バスケットボール選手権大会]]の記念切手が発行されている<ref>{{Cite web|url=http://www.post.japanpost.jp/kitte_hagaki/stamp/tokusyu/2002/0809/|title=世界車椅子バスケットボール選手権大会記念80円郵便切手|publisher=日本郵便|accessdate=2012-9-25}}</ref>。2012年の[[ロンドンパラリンピック]]では、イギリスは自国のパラリンピックチームが金メダル獲得すると、24時間以内に記念切手を発行するという企画を実施した<ref>{{Cite web|url=http://news.livedoor.com/article/detail/6903746/|title=ロンドン・パラリンピック関連切手発行情報|publisher=livedoorニュース 2012年8月30日|accessdate=2012-9-25}}</ref>。日本でも2016年の[[リオデジャネイロパラリンピック]]では自国から金メダル獲得選手が出た場合には翌日に記念[[フレーム切手]]を発行するという企画を行っている<ref>{{Cite web|url=http://www.post.japanpost.jp/notification/pressrelease/2016/00_honsha/0727_01_01.pdf|title=リオデジャネイロ 2016 日本代表選手 金メダリスト公式フレーム切手の販売|format=PDF|publisher=[[日本郵政]]|accessdate=2016-09-13}}</ref>。<br />
<br />
== 運営上の問題点 ==<br />
[[ソウルパラリンピック|ソウル大会]]より、オリンピックと同一の開催地になってからパラリンピックへの注目が増し、障害者スポーツの認知度が向上したことにより、問題も発生し始めた。その主な原因はオリンピックと同様にメダルを取れるかどうかで注目度が全く違うため、いわゆる勝利至上主義的な姿勢が指摘されている。<br />
<br />
;ドーピング<br />
:[[ドーピング]]検査はソウル大会から実施され、オリンピックと同様、厳格に実施されているが、選手が常用する医薬品に禁止物質が含まれている場合、禁止物質を含まない医薬品を処方してもらうか、治療目的使用に係る除外措置(TUE)<ref>公益財団法人日本アンチドーピング機構 [http://www.playtruejapan.org/testing_tue.php TUE]</ref>を[[国際競技連盟]]に申請するなどの対応が必要となる。<br />
::ブースティング<br />
:::ブースティングとは意図的に引き起こされた[[自律神経過反射]]<ref>(重度の脊髄損傷障害者に見られる症状で、急激に発症する高血圧と頭痛などが特徴)</ref>のことで、ドーピング禁止行為には含まれてはいないが、IPCハンドブックなどにより禁止行為とされている。精神的・心理的興奮を促し競技能力が高まることがあるとされるが、[[脳出血]]を引き起こす可能性があるなど命に係わる危険行為である<ref name="post"/><ref>[http://www.jaafd.org/pdf/kyouka/boosting.pdf 日本身体障害者陸上競技連盟HP内 日本パラリンピック委員会 ブースティングについての考え方]</ref>。<br />
;機具<br />
:[[車椅子]]や[[義足]]などの機具を使う競技において、最先端の機具は[[スポーツ医学]]や[[人間工学]]、[[機械工学]]、[[材料工学]]などを駆使し、選手の体格に合わせたオーダーメイドで製作され、軽くフィットするようになっている。これらの機具は数十万円~100万円以上と高額になるが、このような機具を買えるのは経済的に豊かな(もしくはスポンサードを受けている)選手のみであり、結果的に[[開発途上国|途上国]]よりも[[先進国]]の選手が有利になってしまいがちである。<br />
:日本では、生活用義足に[[医療保険]]が適用されるが、スポーツ用は一切適用されず、個人で全額を負担しなければならないため、金銭的理由で出場を諦める選手も出ている<ref name="post"/>。<br />
:[[ソウルパラリンピック]]以降、{{仮リンク|オットーボック|en|Otto Bock}}<ref>パラリンピックのワールドワイドパートナーの1社である。</ref>による[[車椅子]]・[[義肢]]などの無料修理工場が整備され、[[義肢装具士]]などが少なく、費用も高い開発途上国の選手にとって、これらのサービスが無料利用できる事は、大会への参加動機にもなっている<ref>2016年11月29日22時25分(放送)NHK総合テレビ「修理工場は眠らない パラリンピックを支えた職人たち」</ref>。<br />
;障害の偽装<br />
:[[2000年]]の[[シドニーパラリンピック|シドニー大会]]男子[[バスケットボール]][[知的障害]]クラス[[金メダル]]の[[スペイン]]チームに[[障害者]]を装った[[健常者]]がいたことが発覚し、[[2002年]]の[[ソルトレイクシティパラリンピック|ソルトレイク大会]]から知的障害者クラス<ref>知的障害者の競技は、IPC加盟団体のひとつである国際知的障害者スポーツ連盟(以下INAS-FID)によるワールドカップが競技ごとに開催されているほか、日本国内の大会では知的障害者クラスも一緒に大会が行われている。この他、INAS-FIDとは別に、知的・発達障害者の競技大会としてスペシャルオリンピックスが実施されている。</ref>を実施しないことになった。これは、IPC加盟団体であるINAS-FIDが、[[障害]]の選手資格の基準を再度明らかにし、各国の国内パラリンピック委員会(NPC)とも調整を行わなければ、復帰は難しいという状況を明らかにしたからであり、これから先の大会で実施するかどうかは、その都度、各国NPCの競技運営のモラル次第という厳しい結果となった。<br />
:その後、2012年開催の[[ロンドンパラリンピック|ロンドン大会]]では、知的障害者クラスに関し、「障害認定の厳格化等の条件を満たした」とIPCから承認を受けたいくつかの競技・種目が再び実施された。IPCは、ロンドン大会では医師の証明書や実技試験を課す国際基準を作成したが、実効性には疑問の声がある<ref name="post"/>。<br />
;商業化<br />
:観客が増え、ロンドン大会では史上最多270万枚のチケットが売れ、約4,500万ポンド(約56億円)の売上を記録。[[南アフリカ共和国]]の[[オスカー・ピストリウス]]選手は数多くのCMで巨万の富を得ている。一方でオリンピックに比べ強化費が少なかったり、助成金やスポンサーが集まらない選手も多い<ref>[http://mainichi.jp/articles/20160218/k00/00e/050/205000c 障害者スポーツ:依然少ない助成金 スポンサー探し奔走中 - 毎日新聞]</ref>。また、競技に参加どころか生きること自体が難しい国もある<ref name="post"/>。<br />
;報奨金<br />
:各国が[[報奨金]]で障害者スポーツ振興を図っているが、日本でもJPSAが実施し、[[2008年]][[北京パラリンピック]]以降の金メダリストに100万円、銀メダリストに70万円、銅メダリストに50万円が贈られた。のちに増額され、[[2014年]]ソチパラリンピック以降の金メダリストに150万円、銀メダリストに100万円、銅メダリストに70万円となった。将来的には[[日本オリンピック委員会]]の報奨金と同額(金メダリスト300万円(リオデジャネイロオリンピックからは500万円)、銀メダリスト200万円、銅メダリスト100万円)とすることを目標にしているが、財源確保のための協賛企業の確保をいかにしておこなうか、そのためには大会自体のブランド価値を高めるという課題が残る<ref>2014年5月21日 中日新聞朝刊</ref>。<br />
<br />
== 選手 ==<br />
時代により選手層の変化が指摘されている。<br />
<br />
;元兵士の選手<br />
:[[アメリカ同時多発テロ事件]]以降はアメリカと同盟国の軍事行動により、身体に障害を負った傷痍軍人が増え、原点回帰ともいえる状況となっている。兵士は障害者となる前からトレーニングを積んでいるため基礎的な身体能力が高く、障害を負ってからスポーツを始めた者より優位との見方もある<ref name=nhk />。<br />
<br />
== 出典・脚注 ==<br />
{{脚注ヘルプ}}<br />
<div class="references-small"><references /></div><br />
<br />
== 関連項目 ==<br />
* [[サイバスロン]]<br />
* [[アジアパラ競技大会]]<br />
* [[ジャパンパラ競技大会]]<br />
* [[全国障害者スポーツ大会]]<br />
* [[全国身体障害者スキー大会]]<br />
* [[沖野亦男]]<br />
* [[中村裕 (医師)|中村裕]]<br />
* [[パラリンピック殿堂]]<br />
* [[ファン・ヨンデ功績賞]]<br />
<br />
== 外部リンク ==<br />
{{Commons|Category:Paralympic Games}}<br />
*[https://www.paralympic.org/paralympic-games Paralympic Games | Winter, Summer, Past, Future Paralympics](公式、英語)<br />
*[http://www.jsad.or.jp 公益財団法人日本障害者スポーツ協会]<br />
<br />
{{パラリンピック}}<br />
{{夏季パラリンピック開催都市}}<br />
{{冬季パラリンピック開催都市}}<br />
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[[Category:パラリンピック|*]]<br />
[[Category:障害者スポーツ大会]]</div>
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