Xbox
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メーカー | マイクロソフト |
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種別 | 据置型ゲーム機 |
世代 | 第6世代 |
発売日 |
2001年11月15日 2002年2月22日 2002年3月14日 2002年3月14日 2002年12月23日 |
CPU |
インテル Mobile Celeron 733MHz (Pentium IIIベース) |
GPU |
NVIDIA NV2A 233MHz (GeForce3改良型) |
対応メディア |
DVD CD |
対応ストレージ |
8GB HDD メモリーユニット |
コントローラ入力 | 有線(4個) |
外部接続 |
LAN USB |
オンラインサービス | Xbox Live |
売上台数 |
53万台[1] 2,400万台[2] |
最高売上ソフト |
デッド オア アライブ3 /24万本[3] Halo 2 /849万本[3] |
次世代ハードウェア | Xbox 360 |
Xbox(エックスボックス)は、マイクロソフトが開発および販売を行った家庭用ゲーム機である。「Xbox」と小文字で表記されることが多いが、ロゴ等は「XBOX」とすべて大文字で表記されている。
Xboxは固定されたゲームプラットフォームだったが、Windows 8ではエンターテインメントブランド[4]、Windows 10では「Xbox Play Anywhere」[5]といったゲームをコアとしたサービスプラットフォームへと広がりを見せている[6]。
仕様
PC/AT互換機用パーソナルコンピュータの部品をほぼそのまま流用した構成となっており、一部のメディアはほとんどPCと呼ぶほどだった。コントローラのポートは形状こそ異なるがPCでも一般的なUSB規格が使われている。製造はフレクストロニクスに委託された。
- CPU:Intel Mobile Celeron(Pentium IIIベース(Coppermine-128k))733MHz
- グラフィック:NVIDIA製 XGPU(X-Chip) 233MHz(GeForce3の改良版)
- ポリゴン描画能力:1億2500万ポリゴン/秒(理論値)
- メモリ:DDR SDRAM 64MB(CPU、GPU共用)
- メモリ帯域幅:6.4GB/秒
- 記憶装置:5倍速DVD、8GBハードディスク、8MBメモリーカード
- サウンド:ウォルフソン・マイクロエレクトロニクス社製 ステレオコーデック 256チャンネル
- インターフェース:コントローラポート×4、10/100Mbpsイーサネットポート
- 最大解像度:1920×1080
- 電源:100V,50/60Hz 消費電力:絶対最大定格200W
- 重量:3.86 kg
- 外形寸法:324×265×90mm
サウンド、HDD/DVDインターフェイス、イーサネットは、nForceのMCPに相当する集積チップのMCPXが処理する。
オペレーティングシステムとしてWindows 2000のカーネルをごく軽量化したものを搭載し、APIにはDirectXを採用している[7]。
沿革と発売までの経緯
当初、マイクロソフトはセガのドリームキャストに自社が開発したオペレーティングシステムのWindows CEを提供して技術協力していた。ドリームキャストが商業的に失敗すると、マイクロソフト自身がゲーム業界に参入するという噂が流れる。背景にはセガとの路線対立や、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE・当時)や任天堂に提携を求めて断られたことがあるとも言われている[8]。
当時のセガ会長・大川功がXbox開発の話を聞きつけ、マイクロソフトの当時社長ビル・ゲイツに何度も直談判し「セガのタイトル資産を提供するからドリームキャストの互換性をXboxで実現させてくれ」とドリームキャストの道筋を作ろうとした。だが、ドリームキャストはインターネット環境を有するのに対し、Xboxはインターネット環境を考えておらず、この話は結局破談となった。このことが後に日本法人マイクロソフト株式会社社長を当時勤めていた古川享によってTwitterにて語られた[9]。
2000年3月、日本国内のPS2発売のわずか数日後に、マイクロソフトがゲーム機参入を発表。当時ソニーグループはPS2でWintelに挑戦すると宣言しており(PS3でも同様[10])、マイクロソフトが逆に挑戦するという構図になったことで話題を集めた。製品仕様や発売前の技術デモなどは徹底的にPS2を意識していた[7]。噂の段階から開発コードネームとして浸透した「X-BOX」が、そのまま実際の名称にも使われることとなった。マイクロソフト社内での最初期のコードネームは「プロジェクト・ミッドウェー」で、マイクロソフトならではのPCのノウハウを生かしたゲームコンソールとPCの中間(一般名詞midway)の存在を目指すこと、およびミッドウェー海戦になぞらえた日本への反攻開始が意味されていた[11]。また、ビル・ゲイツの激怒でプロジェクト中止の危険もあった[12]。
かつて、日本のゲーム機市場に他国メーカーが本格参入した例は少なく、Xboxの上陸は「黒船」に例えられて話題を集めた。2002年2月22日の日本市場発売に合わせてビル・ゲイツが来日し、『笑っていいとも!』に生出演したり[13]、X JAPANのYOSHIKIを起用したりと大規模な宣伝活動をした。
最終的に日本国内50万台、全世界2,400万台の売り上げを記録した[2]。全世界で最も売れたソフトは『Halo 2』(849万本)、日本国内で最も売れたソフトは『デッド オア アライブ3』(24万本)となった[14]。日本発売時の初回出荷台数は25万台と発表されている[15]。一方、エンターブレインによれば、日本での発売開始から3日間の推定販売台数は12万3929本で、ソフト装着率(全ソフト販売台数÷本体販売台数)は1.45本である[16]。また、日本はシェアがマイナスになった唯一の国でもある[17]。
北米をはじめ日本以外の地域ではPlayStation 2に次ぐシェアを獲得し、全世界での累計販売台数はニンテンドーゲームキューブを若干上回っており、『Halo』シリーズなど海外メーカー製の爆発的ヒット作も多数生まれている。2005年、日本国外で初めてゲーム関連事業は単年度黒字を達成した。
日本での発売当初の希望小売価格は34,800円だったが、2002年5月22日に価格改定され、希望小売価格24,800円に。2003年5月29日から7月31日まで6,800円のキャッシュバックキャンペーン。2003年11月20日には本体価格を16,800円に値下げ。その後、2004年5月に発売された「Xboxプラチナパック2」は、ゲームソフト2本や追加のコントローラ、DVDビデオ再生キットなどを追加した上、19,000円(税別)にまで希望小売価格を下げた。
Xbox Live
Xbox Liveというオンラインサービスを2002年11月に米国、2003年1月に日本、同3月に欧州各国で、それぞれ開始した。標準本体のみでオンラインサービスに接続できるのが最大のセールスポイントであった(その後発売されたPS2の新型機種でもLAN端子を標準装備し本体のみで接続できるようになった)。さらに、Xbox Live対応ゲーム全てで共通のコミュニケーション手段としてプレイヤー同士の音声での会話、ボイスチャットを採用した。スターターキットにセガの人気タイトル『ファンタシースターオンライン』(Phantasy Star Online)を標準添付するなど、戦略的な施策も盛り込まれた。
しかし、日本でのオンラインゲーム普及のペースが予想より遅かったことや、2002年9月に発表され、Xbox Liveのキラーソフトとして期待されていた『トゥルーファンタジー ライブオンライン』が開発中止になるなど、やはり魅力的なソフトが存在しないことから、ライバル機に対し優位性を打ち出せなかった。また、他機種がウェブマネーや口座振替などの未成年者でも比較的利用しやすい決済方法を取り入れているのに対し、Xbox時代はクレジット決済しか提供されていなかったことがハードルの高さにも繋がったと考えられる。
その反省を踏まえてか、次世代機Xbox 360にも共通して提供されているXbox Liveにおいてはクレジットカード決済の他、プリペイドカード、郵便局のATMやコンビニエンスストアの決済などを用意している。
Xbox Game Pass
2017年3月1日に同年の春の終わり頃に月額9.99ドルで100タイトル以上のゲームがプレイできるXbox Game Passを開始すると発表。ダウンロード数に制限はなく、毎月9.99ドルを払うことでバンダイナムコやカプコン、コードマスターズ、セガ、2K Gamesなど合計100種類を超えるXbox Oneと互換性のあるXbox360のゲームをプレイできる[18]。
周辺機器
- Xbox コントローラ
- ブラックとグレーの2種類がある。コントローラは当初、ワールドワイド戦略を考えていたアメリカ本社によって統一された、巨大な物を採用する予定だった。しかし本体同様巨大なコントローラに懸念を感じた日本スタッフが小型の物を提案し、採用された。本国アメリカでも、のち2006年にIGNが掲載した記事「最悪なゲームコントローラー TOP10」で2位となる[19][20]など、決して評判はよくなかったようで、アメリカでも本体発売半年後、この日本仕様の小さな物への変更が行われた。
- 差込端子部分が独自規格になっている。規格自体はUSBのため、配線の一部を半田づけするか変換用のコンバーターを使用すればPCでの使用も可能である。
- 大型コントローラはDukeと呼ばれているが、後に復刻された[21]。
- Xbox メモリーユニット
- 補助記憶装置。容量は8MB。
- Xbox DVDビデオ再生キット
- Xbox システムリンクケーブル
- 2台の本体を接続して、通信対戦を行うためのケーブル。
- Xbox RFアダプタ
- ビデオ入力端子の無いテレビに本体をRF接続するためのケーブル。
- Xbox 標準AVケーブル
- コンポジット映像と音声を出力するケーブル。
- Xbox 拡張AVパック
- 本体に接続して、S映像・光デジタル音声出力する変換ボックス。
- Xbox コンポーネントAVパック
- 本体に接続して、コンポーネント映像・光デジタル音声出力する変換ボックス。
- 電源コード
- Xbox Live スタータキット
- Xbox ボイスコミュニケータ
- Xbox ビデオチャットキット
不祥事
- 発売直後に「プレイ中にDVDやCDのメディアに傷が付く」という問題が指摘される。MSは、当初「メディアに傷が付いても再生には支障が出ないので問題はない」と説明するなどの対応を行ったが[22]、最終的には無償での本体修理とメディア交換に応じた[23]。
- 2005年2月17日、マイクロソフトは2003年10月23日以前に製造された1410万台の製品について、電源コードが異常発熱して火傷を負う人が発生していると発表し、電源コードの無料交換に応じた。
- 2002年2月に、アメリカでイマージョン社によりコントローラ振動機能の特許侵害訴訟をアメリカ連邦地裁に起こされるものの、2003年7月29日にマイクロソフト側がイマージョン社に2,600万ドルを支払うことで和解した。
- 2002年にイギリスで放送された本製品のCM[24]に「ショッキング」等のクレームが136件寄せられ、放送が中止された。
脚注
- ↑ Is the Microsoft Xbox One Already Dead in Japan?
- ↑ 2.0 2.1 「第11章 CESAゲームアーカイブス」『2014 CESAゲーム白書』、CESA、159頁。
- ↑ 3.0 3.1 http://www.vgchartz.com/platform/8/xbox/
- ↑ 「Xbox」がMicrosoftの総合エンターテインメントブランドに
- ↑ “【特別企画】全ゲーマーに贈るPCゲーム環境アップグレードガイド(後編)”. . 2017閲覧.
- ↑ “Xbox”がハードウェアプラットフォームからサービスプラットフォームへ
- ↑ 7.0 7.1 マイクロソフト、コンシューマゲーム機「X-Box」を遂に発表
- ↑ マイクロソフト、Xboxをつくる前に任天堂・ソニーとパートナーシップを組もうとしていた
- ↑ 幻に終わったXboxのドリームキャスト互換・今明かされるその理由:Kotaku JAPAN, ザ・ゲーム情報ブログ・メディア
- ↑ 久夛良木氏を見放したソニーの迷走
- ↑ 後藤弘茂のWeekly海外ニュース
- ↑ ビル・ゲイツはXboxを憎んでいた
- ↑ 「ゲイツさん,おともだち」Xboxがタモリの手に
- ↑ “Xbox - VGChartz”. . 2016閲覧.
- ↑ “【ついに登場Xbox】ビル・ゲイツ氏と一問一答”. FAMITSU.com. KADOKAWA CORPORATION (2002年2月22日). . 2014閲覧.
- ↑ “Xbox 360、発売2日間で約6.2万台を販売 〜 ソフトは『リッジ6』”. FAMITSU.com. KADOKAWA CORPORATION (2005年12月13日). . 2014閲覧.
- ↑ “Xboxの元トップ、初代Xbox時代の日本重視マーケティングについて語る”. . 2017閲覧.
- ↑ 『Xboxゲームパスは月10ドル未満でゲーム遊び放題』 2017年3月1日 Onebox News
- ↑ RIKUSYO (2007年7月28日). “Game*Spark - : 最悪なゲームコントローラー TOP10” (日本語). Game*Spark. 2008年5月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2010閲覧.
- ↑ Harris, Craig (2006年2月21日). “Top 10 Tuesday: Worst Game Controllers - Xbox360 Feature at IGN” (英語). IGN. . 2010閲覧.
- ↑ “初代Xboxの大型コントローラ『Duke』が何故か復刻。Xbox One / Windows 共用で年末発売へ”. . 2017閲覧.
- ↑ 『Xbox』でDVDディスクに傷?
- ↑ Xbox,無償修理へ
- ↑ 生まれた新生児がかなりのスピードで空を飛びながら短期間で成長し、最後は老人となって墓に突っ込み、「Life is short. Play more.(人生は短い、もっと遊ぼう。)」とキャッチコピーが出る。