SUPER GT
テンプレート:Infobox motorsport championship SUPER GT (スーパージーティー) は、自動車レースの1カテゴリー。2004年まで全日本GT選手権(JGTC)として開催されていたが、2005年からFIA公認の国際シリーズとなった。
Contents
概要
全日本GT選手権を前身とし2005年より開催されている選手権シリーズである。国内で開催されている自動車レースのシリーズとしては、1レース当たりの観客動員数は3万人 - 6万人と最大で、スーパーフォーミュラと並び国内最高峰の自動車レースである[1]。その注目度から国内外の様々な自動車メーカーが参加している。
GT500クラスとGT300クラスという異なる2つのクラスの車両が同一コースを混走するという方式で[注 1]両クラスの速度差から徐々に混走状態となり、コースの所々で抜きつ抜かれつの争いが展開される。その為、観客にはより楽しめるエキサイティングな場面が増え、ドライバーには両クラスに注意しつつポイントを見極めながらタイムロスを抑えて上位を目指し走行するという高いスキルが求められるレースとなっている[2]。
シリーズ戦の中で成績によりウェイト (重り) が加算されていくウェイトハンデ (Weight Handicap: WH) 制やリストリクターの導入などで、各車両の性能を調整して力を拮抗させることで白熱のレース展開となる様な演出がなされているため[注 2]、必ずしも有力チームが上位を占める訳では無く、シーズン終盤までポイントが僅差となることも珍しくない。レース距離は250km - 1000kmのセミ耐久レースで、2人のドライバーが組み、ドライバー交代が義務付けられている[注 3]。認知度やレベルの向上などもあり、F1、WEC、DTMなど海外のトップカテゴリーを経験したドライバーが参戦する例も増えている。
2006年にはインターネットサイトで生中継され[注 4]、2007年からはBS放送でハイビジョン録画放送されている。運営は、従来は同シリーズに参加する各チームらの代表によって構成される任意団体のGTアソシエイション (GTA) が行ってきたが、安定した運営母体として正式な法人化を必要とする声が高まり、2008年4月に「株式会社GTアソシエイション」が設立された[4]。
シリーズ発足の経緯
JGTCは、JAFの管轄下でレースを開催してきたが、2002年より日本国内に加えマレーシアでシリーズ戦を開催してきた[注 5]。海外プロモーターからの誘致話も多く、2005年はマレーシアに加え上海でもシリーズ戦を開催することが予定されたが[注 6]、3ヶ国以上でシリーズ戦を行うことはFIAの定める国内選手権の規定から外れるため[注 7]、JAFの管轄下で開催される「全日本選手権」を名乗ることが出来なくなった[注 8]。そのためGTAではシリーズ名の変更を検討し、一度は「Super GT World Challenge」という新名称を発表したが、FIAより「World Challengeという名称は世界選手権 (World Championship) との誤解を招く」という理由からその部分を削除するよう求められ、最終的に「Super GT」という名称に落ち着いた。その後、シリーズ名表記を「SUPER GT」で統一することが公式発表されている[注 9]。
なお、2006年以降の日本以外の開催は一カ国のみであるため[注 10]、JAF管轄下に復帰し再び「全日本選手権」を名乗ることも可能であるが、GTAでは「レギュレーションの改訂においてJAFの意向に束縛されない」「統一したレースディレクターの採用が可能」などといった理由を挙げ、2006年以降もJAF管轄外で独自にレースを行っている。
車両
いわゆるツーリングカーレースの車両で行われる。このジャンルのもともとの意図である市販車~改造車によるレースでは、ベース車両の基本性能が競技車両の特性に大きく影響するため、車種の多様性を維持するのは難しい。そこで、SUPER GTの前身であるJGTCではベース車両の諸元などによりGT500とGT300の2クラスに分けて、それぞれの順位を競うという方法を採用し、シリーズ名の変更後も2クラス制が受け継がれている。各車の性能を出来る限り近付けるため、性能調整 (BoP: Balance of Performance) が行われている。なお、後述するように、現行の車両、特にGT500はツーリングカーという語の印象にある「市販車の改造車」とは別物となっており、「GTカー」という表現なども見られるようになっている。
2015年現在現行のルールでは、GT500とGT300のJAF-GT規格車両については「市販車ベースの改造」とは言い難く、かつてのGT1クラス規定のように形骸化している。特にDTMと共通化を図った2014年以降のGT500の車両は、全車共通のカーボンモノコックと鋼管フレームにクラッシャブルエレメントを付けた車体[5]に市販車風の外板を被せている、といったようなものになっており、かつての(一応は市販車ベースである)「シルエットフォーミュラ」車をも越え、FRレイアウト[6]という点以外はレース専用のレーシングカーに近いものとなっている。類似例を挙げるなら「ヘッドライトやテールランプなど市販車風のエクステリアは、実は全てロゴなどと同様のペイント」の(やはり現状と名前が大きく乖離している)NASCARの「ストックカー」にも近い(相違点としては、NASCARの車両は鋼管フレームである)。(ただし、かつてのような競争の過熱のためというより、安全への配慮を重ねた結果ではある)
このため、実際に多くのドライバーはツーリングカーの走り方では通用しないためフォーミュラ的な走り方をしていると言われている[注 11][8]。
各クラスの名称は、クラス設立当初の最高出力がエアリストリクターによる吸気制限でGT500は約500PS、GT300は300PSに制限されていたことに由来する。その後、エンジン性能の向上やエアリストリクター径の緩和などによって出力が向上、GT500は2012年時点で600PS近くにまで達し[9]、土屋圭市によると2016年時点でGT500は600馬力以上[10]、GT300は550馬力以上[11]とされている。GT300は原則としてFIA GT3に準拠しているため、両クラスともカテゴリーとしての名称のみが存続している。
GT500クラス
ゼッケンの色は白地に黒、ヘッドランプの色は白色で、参戦する車両はレクサス(トヨタ)、日産、ホンダの3社が巨費を投じて製作したワークス車両が主体である。2014年からはモノコック他多くの基本部分の車両規定をDTMと統一した車輛で競われている(詳細は後述)。
JGTC時代はグループAの延長で争われており、JTC時代よりも改造範囲を広くすることで当時スポーツカー市場の著しい衰退で車種が減っていた時期でも、古い車種を長く参戦させることができていた。しかしその分ワークス競争が過激化し、コストが高騰した。そこでJGTC最終期の2003年には前部・後部フレーム構造のパイプフレーム化、前後車両軸のフラットボトム化、トランスアクスル認可、サスペンション形式及びエンジン搭載位置の自由化などにより、性能均衡を円滑にした。これにより車両のフォーミュラ化が進み、2006年、2007年と空力の制限が行われた[12]。
しかし市販車モノコックでは信頼性や耐久性の不足が訴えられたこと、よりシンプルな性能均衡が求められた結果、モノコックのオールフルカーボン化が実施された。2009年からはフォーミュラ・ニッポンと基本仕様を共通化した、3.4L V8NAエンジンをフロントに搭載したFR車両のみが参戦出来るようなレギュレーションとなり、海外のリアエンジンやミッドシップエンジンの大排気量のスポーツカーやスーパーカーが、全て特別に認められた車両として参加したため、国内外メーカーの車両を独自に改造した車両や、FIA GT1車両を使用する個人チーム (プライベーター) が活躍する場面は減少した[注 12]。2010年以降は3社とも規定に適合した車両を使用した。この規定は日産が一年前倒しのシャシー投入・一年遅れのエンジン投入、ホンダが09年も03年規定マシンを使い続けるなど、当初の目的ほどすっきりとした性能均衡にはならなかった。また、個性が薄れるという批判も見られるようになった。
車重、ホイールベース、最低地上高、トランスミッションなど車両性能に大きく影響を与える部分については概ね共通化されているため、メーカー間で極端に性能が偏ることは少ない[13]。エアロパーツなど共通化されていない部分の自由度は極めて高く、レース毎に次々とアップデートパーツが投入されることも少なくないほど開発競争が激しく、内実はほぼプロトタイプレーシングカーへと変貌を遂げ、FIA GT1の旧規定が消滅した2012年以降では「世界で最も速いGTカー」とも言われる[14][7]。
2014年からはエンジンを除き、モノコック、カーボンブレーキ、ダンパー、リアウイングなど基本部分の車両規定をDTMと統一、2012年のDTM車両規定を元にSUPER GT独自規定を盛り込んだ仕様となった[注 13]。外観は、各メーカーが市販車の意匠を生かしたデザインとすることをGTAなどに申請して認められている[注 14]。全車が左ハンドルとなったほか、共通項目は60に上るが、各メーカーは限られた部分に開発を集中出来るというメリットもある[注 15][18]。新型はダウンフォースが2013年に比べて約30%増加しコーナリング速度がアップ、最高速度は約10kmもアップしている[注 16]。一方で、タイヤサイズが2013年よりも小さくなり、シャーシの捻れ剛性が低く、車重が軽くなり速度が増したことなども相まってタイヤへの負担が増えることも指摘されている[19][20]。但し、ラップタイムに関してはダウンフォースが向上したことで、タイヤが摩耗しても急激な落ち込みは少ないとみられている[18]。
エンジンはDTMの4.0L V型8気筒NAではなく、スーパーフォーミュラと共通となるガソリン2.0L 直列4気筒直噴ターボの“NRE[注 17]”を使用する[22]。形式自体は開発コンセプトを除けば市販車と同一で、近年のレースカーと市販車との技術乖離の傾向が改められた[23][24]。NREには、従来までの吸気を制限する“エアリストリクター”に代わり、エンジンに送られる燃料の上限と瞬間的な流量を制限する“燃料リストリクター”が搭載されている[21]。これにより、設定されたエンジン回転数[注 18]まで機械式の燃料ポンプで制御、設定回転に達するとF1と同様の100kg/hに燃料供給量が制限される。
燃料制限だけで吸気に制限が無いとしてリーンバーン(希薄燃焼)エンジンとすることも考えられなくはないが、近年は採用例が見られなくなっているようにあまり筋の良いエンジンではない。たとえば排気温度の上昇により、ターボチャージャーに負荷が掛かり、エンジンの耐久性も低下するというリスクがある[25]。(一般に希薄燃焼では燃焼自体による発熱量は下がるが、一方でNREのような直噴エンジンでは特に、噴射される燃料による冷却作用もあるため、燃料の量が減ると冷却も弱くなる)
今後は、如何に少ない燃料でパワーを絞り出すかという、燃焼効率向上も重要開発ポイントの一つとなる[24][26]。
- 2006FOS 2004Nissan350ZGT500.jpg
日産・フェアレディZ(2004年)
- Motul Autech GT-R 2011 Super GT Fuji 250km.jpg
日産・GT-R(2011年)
- The frontview of No.1 MOTUL AUTECH GT-R ver.2015.JPG
日産・GT-R(2015年)
- 2005 Zent Cerumo Supra 01.JPG
トヨタ・スープラ(2005年)
- Andre Lotterer 2010 Super GT Fuji SC 430.jpg
レクサス・SC430(2010年)
- No.6 ENEOS SUSTINA RC F at 2014 SUPER GT SUZUKA TEST (11).JPG
レクサス・RC F(2014年)
- No.36 au TOM'S LC500 after SUZUKA 1000km THE FINAL (1).jpg
レクサス・LC500(2017年)
- NSX-MugenGT500.JPG
ホンダ・NSX(2003年)
- ARTA HSV-010 GT 2013 year model.jpg
ホンダ・HSV-010(2013年)
- -16 MOTUL MUGEN NSX-GT (37074692580).jpg
ホンダ・NSX(2017年)
メーカー | 車両名 | 参戦 | エンジン仕様 | 備考 |
日産 | フェアレディZ | 2005年 - 2007年 | 3.0L V6 ツインターボ VQ30DETT(2005年 - 2006年) 4.5L V8 自然吸気 VK45DE(2006年 第9戦 - 2007年) |
GT-Rに移行 |
GT-R | 2008年 - | 4.5L V8 自然吸気 VK45DE(2008年 - 2009年) 3.4L V8 自然吸気 VRH34A(2010年 - 2011年 第4戦) 3.4L V8 自然吸気 VRH34B(2011年 第5戦 - 2013年) 2.0L 直4 直噴ターボ NR20A(2014年 - ) |
||
トヨタ | スープラ | 2005年 - 2006年 2020年 - |
4.5L V8 自然吸気 3UZ-FE 2.0L 直4 直噴ターボ(2020年 - ) |
2007年までにSC430に完全移行 |
レクサス | SC430 | 2006年 - 2013年 | 4.5L V8 自然吸気 3UZ-FE(2006年 - 2009年) 3.4L V8 自然吸気 RV8KG(2009年 - 2013年) |
RC Fに移行 |
RC F | 2014年 - 2016年 | 2.0L 直4 直噴ターボ RI4AG | LC500に移行 | |
LC500 | 2017年 - 2019年 | 2.0L 直4 直噴ターボ RI4AG | スープラに移行 | |
ホンダ | NSX-GT | 2005年 - 2009年 2017年 - |
3.0L V6 ターボ C30B(2005年 第1戦 - 第3戦) 3.5L V6 自然吸気 C32B(2005年 第3戦 - 2008年) 3.4L V6 自然吸気 C32B(2009年) 2.0L 直4 直噴ターボ HR-417E(2017年 -) |
HSV-010 GTに移行 |
HSV-010 GT | 2010年 - 2013年 | 3.4L V8 自然吸気 HR10EG | NSX CONCEPT-GTに移行 | |
NSX CONCEPT-GT | 2014年 - 2016年 | 2.0L 直4 直噴ターボ HR-414E | NSX-GTに移行 | |
アストンマーティン | DBR9 | 2009年 第1,3,7戦 | 6.0L V12 自然吸気 | AsLMSに向けたスポット参戦 |
ランボルギーニ | ムルシエラゴ RG-1 | 2005年 第1戦 - 第6戦 | 6.0L V12 自然吸気 L535 | 第8戦からはGT300クラスに移行 |
フェラーリ | 550GTS | 2005年 | 5.9L V12 自然吸気 F133 | 撤退 |
マクラーレン | F1 GTR | 2005年 第2,6戦 | 6.0L V12 自然吸気 S70/2 | スポット参戦 |
マセラティ | MC12 | 2006年(実際には参戦せず) | 6.0L V12 自然吸気 M144A | 開幕前にエントリー撤回。参戦せず |
GT300クラス
ゼッケンの色は黄色地に黒、ヘッドランプの色は黄色の車両である。車両は「JAF-GT」と「FIA-GT」規格の2種類が混在しており、GTAではこれをより細かく全6カテゴリに区分・管理している。発足当初はJAF-GT規格に適合した車両のみ参戦可能であったが、エントラントをより多く集める目的で徐々にFIA-GTの導入条件を緩和した結果、FIA-GTがJAF-GTを逆転し急激に増加したため、車両の性能を調整して均衡したレースの実現を目指している[27]。
3大ワークスの戦いとなっているGT500クラスとは対照的に、よりアマチュア向けの傾向があり、参加チームの大半がメーカーの支援を受けていないプライベーターである。国内外の多種多様な車両が混在しており、2011年には21車種26台ものエントリーがあった。2012年からはプリウスやCR-Zなどのハイブリッド勢も参戦し更に多様化、2014年は11車種が参戦している。国産スポーツカーの減少を踏まえたレギュレーションの大幅な緩和[注 19]、更に、これまでより安価に入手・運用が可能なFIA GT3車両の導入を許可したことなどもあって、新たなチームの参戦や車両の多様化に拍車をかけている。
近年はプライベーターがアニメ、ライトノベルといったサブカルチャー関連企業やパチンコ会社からスポンサードを受ける事例や、「初音ミク」「侵略!イカ娘」「ラブライブ!」などのキャラクター(いわゆる版権もの)とのタイアップしてファンからチーム運営費を募る「個人スポンサー制度」を導入する事例が増加しており、そのようなチームが出走させる痛車が真剣勝負をするという光景は、世界でも類を見ない。2011年、2014年、2017年には初音ミクとタイアップしたマシンがGT300のシリーズチャンピオンを獲得するなど、タイアップによる宣伝のみで終わっていない例もある。
JAF-GT
SUPER GT独自の規格。レギュレーション上はJAFまたはFIAから認可を受けた市販車両がベースとされているが、実態は完全な新規制作、いわゆるワンオフで[注 20]、元々FIA-GTとして登録されている車両に改造を加えたものが主流となっている。本規格を前提に新規製作された車両は少数のワンオフとなる場合が殆どであり、FIA-GTに比べて生産・運用コストが高いというデメリットがある。
FIA-GTに比べてボディの改造範囲が広く、よりダウンフォースを得やすいため、コーナリング性能や燃費性能に優れる傾向がある[28]。さらに、FIA-GTでは厳しく制限されるシーズン中の改良パーツの投入、サスペンションやトランスミッションのギアレシオ調整なども比較的自由に行える[29]。一方で、エンジン出力はGT300クラスの由来ともなった約300PSに抑えられ、増加した空気抵抗の影響やFIA-GTに比べ小さいリストリクターを装着していることもあり、ストレートスピードでは約500PSの出力を持つFIA-GTに劣る場面が多い[29]。ABSやTCSといった電子制御装置に関しては装着禁止となっていたが、FIA-GT3との性能差を埋めるため、TCSは2012年より、ABSは2014年より使用が認められている。
- カテゴリーA
- JAF-GTレギュレーションに基づいて改造を受けた市販車ベースの車両のうち、FIAまたはJAF公認車両に登録されているものが該当する。2011年シリーズ参加車両でこのカテゴリーに分類される車両は参戦していない。
- カテゴリーB
- JAF-GTレギュレーションに基づいて改造を受けた市販車ベースの車両のうち、FIAまたはJAF公認車両に登録されていないものが該当する。2015年には、スバル・BRZやホンダ・CR-Zなどをベースにした車両が参戦している。
- カテゴリーC
- 生産台数が市販車認定を受けるのに満たない少数生産スポーツカーをベースに改造した車両が属する。2012年にはASL・ガライヤとヴィーマック・RD350Rの2車種が参戦した。少数生産車は通常の市販車に比べて最初からスポーツ走行に適した設計としやすいため、ベース車両のポテンシャルという点では他のカテゴリーに比べて有利である。但しこれらの車両は「あくまで」市販車ベースの車両で競うGT300クラスにおいては競技の趣旨にそぐわないため、カテゴリーCの車両は規定重量に加算してさらに特別性能調整のウェイトハンデを搭載することで初めて出場資格を得られることになっている。2014年にGT500クラスがDTMと統合するのを機に、GTレースに戻すという意味も込めて2012年で廃止された。
- カテゴリーD
- ベース車両の存在しない車両で、一般的には「プロトタイプレーシングカー」と呼ばれる車両が属するとされるが、実際にはベース車両が存在しているものの、A-C及びE、F規格のどれにも当てはまらなかったマシンも当カテゴリーにまとめられているため、所属車両は他のカテゴリーに増してより多種多様である。2011年には事実上ほぼ完全なプロトタイプレーシングカーであるムーンクラフト・紫電を始め、元はFIA-GT3規格の車両であるが日本で独自に改良を施したワンオフのJLOC ガヤルド RG-3、オリジナルのGT2規格車両にJAF-GT規格の範囲内で新たにモディファイしたポルシェ・911GT3RS (996型)、元々はホンダ・C32Bエンジンを搭載していたヴィーマック・RD320Rにポルシェエンジンを換装した5号車のマッハ号、LM-GTE規格のフェラーリ・458GTCなどが参戦した。カテゴリーCの車両よりもワンオフ性が高いため厳しい性能調整が下される[注 21]。
- GT300マザーシャシー(GT300 MC)
- FIA-GT3規定車両の増加によってJAF-GT車両を使うチームが減ったことから、国産車の参加増に加えて、車両の製作や国産部品の活用、チューニングなどの技術を継承、発展させていくことを狙いとして、新たに導入した規定で、JAFのカテゴリー上では「JAF-GT300 MC」という内規で運用される。童夢前社長の林みのるが進める『ISAKU PROJECT』用に開発されたCFRPモノコックを汎用シャシー(マザーシャシー)としてGTAが販売、それを組み込む形でマシンをくみ上げることで参戦車両にする。車体寸法は基本的に従来のJAF-GTと同一となるが、ホイールベースは2,750mm±10mmに統一され、GTA(JAF)によって認可されたエンジン・安全燃料タンク・ロールゲージの装着が義務付けられる[30]。
- 2014年にプロトタイプとなるトヨタ・86 MCが発表され[31]、同年第7戦で1台の8 6MCがスポット参戦した。2015年よりレギュレーションが整備され正式参戦できるようになり、この年では86 MCのほか、ロータス・エヴォーラが参戦、2017年にはトヨタ・マークXが参戦している。
- OSAKA AUTO MESSE 2015 (43) - SUBARU BRZ R&D SPORT ver.2015.JPG
カテゴリーB車両
(SUBARU BRZ R&D SPORT、2015年モデル) - R'Qs Vemac 350R 2012 Super GT Sugo free practice 2.jpg
カテゴリーC車両
(R'Qs Vemac 350R、2012年モデル) - No.86 JLOC Verity Lambo RG3 ver.2012.JPG
カテゴリーD車両
(JLOC Verity Lambo RG3、2012年モデル) - No.25 VivaC 86 MC at 2015 International Suzuka 1000km (3).JPG
GT300マザーシャシー
(VivaC 86 MC、2015年モデル)
FIA-GT3
FIAが定めている世界共通の規格。以前はGT1、GT2も参戦可能だったが、GT300クラスに参戦出来る規格を車両の性能や参戦コストなどを考慮し、2012年よりGT3クラスのみとなる[32]。GT3は主にスポーツカーをベースとしたレース専用の市販車両で、製造台数が少なく約4,000万円程度と高価であるが[注 22]、新規開発の必要が無くコストを抑えられることから、世界のGTレースでは主流となっている。そのため、世界中のチーム間で中古車の売買なども行われている。
JAF-GT規格に比べると改造範囲が狭く、エンジンやギヤ比、空力パーツは変更出来ないためセッティング範囲が限定され、コースレイアウトによる差が出やすい傾向がある[33]。ボディはより市販車のオリジナルに近いためダウンフォースは低いものの空気抵抗が少なく、最も下位のGT3でも500PSを超える出力を発揮するエンジンを搭載しているため、ストレートでの最高速度はJAF-GT車両に勝る性能を有していることが多い[28]。反面、コーナリングや燃費性能ではJAF-GTに劣る傾向があるため、テクニカルサーキットや長距離のレースでは苦戦を強いられる傾向がある。
2011年までは、FIA-GTはFIAの性能調整であるBoPを基準として、GTA独自の性能調整を施すという形でJAF-GTとのバランスを取っていたが、2012年からはFIA-GT3に関しては、前年型を使用していたとしてもFIAの最新BoPを適用し、独自の性能調整は基本的に行わないとしている。2012年仕様でも製造元のチームや会社により2013年度版のアップデートパーツを購入出来る場合もあるが、その場合は2013年度のBoPを受けることになる。2014年からはFIAのブランパン耐久シリーズ (英語版) で用いられているBoPを採用した[18]
- カテゴリーE
- FIA-GT1車両、FIA-GT2車両が該当する。
- カテゴリーF
- FIA-GT3車両が該当する。
- Hiroki Yoshimoto 2010 Super GT Fuji 400km qualify.jpg
カテゴリーE車両
triple a Vantage GT2、2010年モデル) - One scene at 2015 Suzuka Tire Test (51).JPG
カテゴリーF車両
(GAINER TANAX GT-R、2015年モデル)
メーカー | 車両名 | 規格 | 参戦 | 備考 |
---|---|---|---|---|
日産 | フェアレディZ | JAF-GT | 2005年 - 2010年 | 撤退 |
GT-R nismo GT3 | FIA-GT3 | 2012年 - | ||
トヨタ | MR-S | JAF-GT | 2005年 - 2008年 | カローラアクシオに移行 |
セリカ | JAF-GT | 2005年 - 2008年 第2戦 | IS350に移行[注 23] | |
カローラアクシオ | JAF-GT | 2009年 - 2011年 | プリウスに移行[注 24][注 25] | |
プリウス | JAF-GT | 2012年 - 2015年(ZVW30型) 2016年 - 2018年(ZVW50型) |
ZVW30型はZVW50型に移行[注 26][注 24][注 25][注 27] | |
プリウスPHV | JAF-GT | 2019年 - (ZVW52型) | [注 25] | |
86 | JAF-GT | 2014年 第7戦、2015年 - | 2014年はスポット参戦[注 28] | |
マークX | JAF-GT | 2017年 - | [注 25][注 28] | |
レクサス | IS350 | JAF-GT | 2008年 第3戦 - 2012年 | 撤退[注 24][注 25][注 29] |
RC F GT3 | FIA-GT3 | 2015年 - | [注 30] | |
ホンダ | NSX | JAF-GT | 2005年 - 2006年 | 撤退[注 31] |
CR-Z | JAF-GT | 2012年 第4戦 - 2015年 | 撤退。一部の参戦車はM6 GT3に移行[注 26][注 24][注 32] | |
NSX GT3 | FIA-GT3 | 2018年 - | ||
スバル | インプレッサ | JAF-GT | 2005年(GD中期型) 2006年 第5戦 - 2008年(GD後期型) |
GD中期型はGD後期型に移行 GD後期型は撤退 |
レガシィB4 | JAF-GT | 2009年 第6戦 - 2011年 | BRZに移行[注 34][注 25] | |
BRZ | JAF-GT | 2012年 - | ||
マツダ | RX-7 | JAF-GT | 2005年 - 2010年 | 撤退。FD3S型のみの参戦 |
ASL | ガライヤ | JAF-GT | 2005年、2007年 - 2012年 | CR-Zに移行、参戦休止。 |
ポルシェ | 968 | JAF-GT | 2005年 | 撤退 |
ボクスター | JAF-GT | 2005年 - 2010年 | 撤退。986型のみの参戦。JGTC時代に参戦していた車両とは別個体 | |
911 GT3 Cup | JAF-GT | 2005年 - 2007年 | 撤退。996型のみの参戦 | |
911 GT3 R | FIA-GT2 FIA-GT3 |
2005年 - 2009年 (996型) 2010年 第5戦 - 2015年 (997型) 2016年 - (991型) |
997型は991型に移行、996型[注 35]は撤退 | |
911 GT3 RS | FIA-GT2 JAF-GT FIA-GT2 |
2005年 - 2010年 (996型) 2006年 - 2011年 (996型) 2007年 - 2008年 (997型) |
996型[注 35]、997型共に撤退 | |
911 GT3 RSR | FIA-GT2 | 2005年 - 2010年 (996型) 2009年 - 2011年 (997型) |
996型[注 35]、997型共に撤退 | |
ランボルギーニ | ムルシエラゴ RG-1 | FIA-GT1 | 2005年 第4戦 - 2009年 | 段階的にガヤルド RG-3に移行 |
ガヤルド RG-3 | FIA-GT3 | 2007年 - 2012年 | 段階的にガヤルドLP600+ GT3に移行[注 35]。 | |
ガヤルド LP600+ GT3 | FIA-GT3 | 2012年 - 2013年 | ガヤルド FL2 GT3に変更 | |
ガヤルド FL2 GT3 | FIA-GT3 | 2013年 - 2015年 | ウラカン GT3に移行 | |
ガヤルド R-EX | FIA-GT3 | 2015年 第3戦 | スポット参戦 | |
ウラカン GT3 | FIA-GT3 | 2016年 - | ||
アストンマーティン | V8 ヴァンテージ GT2 | FIA-GT2 | 2010年 - 2012年 第1戦 | V12 ヴァンテージ GT3に移行。3代目のみ。 |
V12 ヴァンテージ GT3 | FIA-GT3 | 2012年 第2戦 - 2014年 | 撤退。3代目のみ。 | |
ヴァンテージ GT3 | FIA-GT3 | 2019年 - | 4代目のみ。 | |
フェラーリ | F360GT | JAF-GT | 2005年 - 2007年、2009年 | 撤退 |
F430GT | JAF-GT | 2008年 - 2009年 | F430 GTCに移行[注 36] | |
F430 GTC | FIA-GT2 | 2009年 - 2012年 | 撤退。一部の参戦車は458 GTCに移行 | |
458 GTC | LM-GTE | 2011年 | R8 LMS ultraに移行、撤退[注 35] | |
458 GT3 | FIA-GT3 | 2012年 - 2013年 第3戦、2015年 | 488 GT3に移行 | |
488 GT3 | FIA-GT3 | 2016年 - 2017年 | ||
シボレー | コルベット | JAF-GT | 2005年、2008年 | C6型のみ。撤退 |
コルベット Z06R GT3 | FIA-GT3 | 2011年 - 2013年 | C6型のみ。撤退 | |
ヴィーマック | RD320R | JAF-GT | 2005年 - 2009年、2011年 | 458 GT3に移行、撤退[注 37] |
RD350R | JAF-GT | 2005年 - 2008年、2010年 第6戦 - 2012年 | SLS AMG GT3に移行、撤退 | |
RD408R | JAF-GT | 2006年 - 2008年、2010年 | 撤退[注 38] | |
マクラーレン | MP4-12C GT3 | FIA-GT3 | 2013年 - 2015年 | 撤退 |
720S GT3 | FIA-GT3 | 2019年 - | ||
ムーンクラフト | 紫電 | JAF-GT | 2006年 - 2012年 | MP4-12C GT3に移行、引退 |
BMW | Z4 Mクーペ | JAF-GT | 2008年 第9戦 - 2009年 | 撤退 |
Z4 GT3 | FIA-GT3 | 2011年 - 2015年 | M6 GT3、488 GT3、SLS AMG GT3にそれぞれ移行 | |
M6 GT3 | FIA-GT3 | 2016年 - 2019年 | 一部の参戦車はNSX GT3に移行 | |
アウディ | R8 LMS | FIA-GT3 | 2012年 (42型) 2016年 - (4S型) |
42型はLMS ultraに移行 |
R8 LMS ultra | FIA-GT3 | 2012年 - 2016年 第1戦 | 42型R8 LMSのアップデートモデル。4S型R8 LMSに移行 | |
メルセデス・ベンツ | SLS AMG GT3 | FIA-GT3 | 2012年 - 2017年 | AMG GT3に移行 |
メルセデスAMG | AMG GT3 | FIA-GT3 | 2016年 - | |
フォード | GT | JAF-GT | 2006年 - 2007年 | 撤退[注 39] |
モスラー | MT900R | JAF-GT | 2005年 - 2007年 | 撤退 |
MT900 GT3 | FIA-GT3 | 2009年 第4戦 | スポット参戦 | |
MT900M | JAF-GT | 2010年 - 2011年、2012年 第3戦 | フルシーズン参戦からは撤退も、スポット参戦 | |
ロータス | エキシージ | JAF-GT | 2005年 第3戦 | スポット参戦 |
エヴォーラ | JAF-GT | 2015年 - | [注 28] | |
ベントレー | コンチネンタル GT3 | FIA-GT3 | 2017年 - 2018年 | 撤退 |
ワークスチーム
本項ではGT500クラスに参戦しているワークスチームとセミワークスチームについて記述する。
日産自動車
3メーカー中最古参で、JGTC時代[注 40]はスカイラインのR32、R33、R34、2004年からフェアレディZ、2008年よりGT-Rで参戦している。2008年までは4台チーム5台が参戦していたが、2009年は4台、2010年は3台となったが、2011年から2017年まではNISMO、IMPUL、KONDO、MOLAの4チーム4台で参戦。2018年からはMOLAにかわりNDDP Racingが参戦している。かつてはHASEMIも加わっていた[注 41]。
2008年に復活したGT-Rは2009年規格を部分的に先取りしたこともあり、本山・ブノワ組のXANAVI NISMOが開幕2連勝したが、その圧倒的な強さから特別性能調整により最低車重が段階的に引き上げられた[34]が優位性は変わらず、年間3勝を挙げて日産のSUPER GT初のチャンピオンとなった。2009年には、JGTC時代から「菅生では日産は勝てない」というジンクスを打ち破り菅生初優勝。2011年にはGT300からステップアップした柳田・クインタレッリ組のMOLAが初参戦初チャンピオンを達成、翌2012年もチャンピオンとなり2年連続のタイトルを獲得した。
エンジンメンテナンスは全車とも東名エンジンが担当している[注 42]。他陣営と比較し、JGTC時代とは対照的に苦戦気味であり、2002年途中からVQ30DETTベースの3.0L V6 T/Cエンジンを使用していたが、2006年最終戦では1台のみにVK45DEベースの4.5L V8 NAエンジンを搭載。2007年は全車V8 NAに順次切り替えた[注 43]。2010年からは、レギュレーションに沿って3.4L V8のVRH34Aに変更し、2011年途中よりVRH34Bに変更した。2014年からは、基本仕様が共通の2.0L 直列4気筒ターボのNREエンジン「NR20A」を使用している。
トヨタ自動車・LEXUS
2005年までトヨタ・スープラ、2006年-2013年はレクサス・SC430、2014年-2016年はレクサス・RC F、2017年からはレクサス・LC500を使用している。2017年現在は、TOM'S2台、CERUMO、LeMans 、SARD、BANDOHの5チーム6台が参戦している[注 44]。
2005年に立川・高木組のZENT CERUMOがSUPER GT初チャンピオンとなりスープラの有終の美を飾った。2006年も脇阪・ロッテラー組のOPEN INTERFACE TOM'Sがチャンピオンを獲得。同年はSC430の供給が4台に留まったため2005年モデルのスープラも2台投入していたが、2007年からはSC430に統一した。2007年のNSX、2008年のGT-Rの圧倒的な強さなどにより苦戦したが、3メーカーで唯一レギュレーションに適合している車両で参戦した2009年は脇阪・ロッテラー組のPETRONAS TOM'Sがチャンピオンを獲得、SC最終年の2013年には立川・平手組のZENT CERUMOがチャンピオンを獲得した。2017年に入り、レクサス・LC500に切り替わり、その新車のパフォーマンスによって、開幕戦から4戦連続でレクサス・LC500がランキング上位に独占を見せつけ、前半戦全て無敗の記録を叩き出した。
エンジンメンテナンスは全車TRDが行っている。JGTC時代の2003年から3UZ-FEベースのV8 NAエンジンを搭載。排気量は初年度のみ5.2Lだったが、翌2004年より4.5Lに変更した。2009年からは、レギュレーションに沿ってフォーミュラニッポン用のRV8KをGT用に一部仕様を変更したRV8KGに変更した。車両開発は前年の反省点を活かしゼロベースで行っているため車両製作が遅れることもあるが、開幕戦には十分な戦闘力を有している。2014年からは、基本仕様が共通の2.0L 直列4気筒ターボのNREエンジン「RI4AG」を使用している。
本田技研工業
シリーズ発足から2009年までNSX、2010年よりHSV-010、2014年よりNSX CONCEPT-GT、2017年よりNSX-GTで参戦している。2017年は、ARTA、KUNIMITSU、NAKAJIMAと、2007年から参戦のREAL、2017年から復帰のTEAM無限の5チーム。2014年までは童夢が、2015年・2016年はドラゴ・モデューロ・ホンダ レーシングが参戦していた。
3メーカーで唯一のMR、さらに2014年・2015年はハイブリッドシステムも採用するが、これは本来DTMの車両規定でFRとされている所を、ベース車両のNSX CONCEPT→NSXと限りなく一致することを目指し、GTAや共に戦うトヨタ、日産の許可を得てMRに変更することを特別に許可された経緯があるため[16]、他2車種との絶対的なアドバンテージとならないよう、ハイブリッドシステム使用に関する参加条件として車両の最低重量をライバル勢よりも70kg重い1,090kgに、アシスト出力の使用時はエンジン回転数が7,500rpm以上とされているほか、アシスト出力やエネルギー量などにも制限が課されている[35]。ただし、2016年はバッテリー供給の問題からハイブリッドシステムが外されており、2017年もそれを継続する形となる。
2006年まで4台、2007年からは5台を供給。2005年、2006年には童夢とARTAをTeam Honda Racing[注 45]として参戦させていたが、2007年より車両メンテナンスは童夢のままいずれも独立したチームとして参戦している。2005年は序盤に苦戦を強いられたが、第3戦 セパンより伊藤・ラルフ組のARTA NSXに3.5L V6 NAエンジンを投入して2位という好成績を収め、その後全車に投入した。2006年は4勝を挙げたものの大事な場面でのトラブルが多くタイトルは獲得出来なかった。2007年よりKEIHIN REALが加わり5チーム体制となり、ARTAが3勝を挙げてドライバーズ&チームのダブルタイトルを獲得[注 46]、年間ポイントランキングでは1位から4位をNSXが独占し、道上・小暮組のTAKATA童夢は5回ポールポジションを獲得するなど、NSXの圧倒的な強さを見せつけた年となった。
2008年は前年のNSXの余りの速さから性能調整で最低車重が引き上げられ[注 47]、第5戦 菅生では道上・小暮組の童夢1勝に留まった。2009年、最終戦のもてぎを前に、NSXでの参戦を終了し2010年より新型車を投入することを発表。最終戦ではARTAがポールトゥーウィンで優勝した。2010年より、市販モデルの存在しないHSV-010 GTで参戦。デビューウィンは逃したものの、小暮・ロイック組の童夢がチャンピオンとなった。HSV-010の最終年となった2013年は、同じく最終年のSC430と最終戦までチャンピオンを争い2位となる。
エンジンメンテナンスは全車M-TECが担当している。2005年は、前年に引き続き3L V6 T/Cエンジンであったが、ベースエンジンはC30AからC32Bに変更した。しかし、前年同様 劣勢は否めず途中から2003年までと同様の3.5L V6 NAに変更し競争力を回復した。2009年は排気量のみレギュレーションに沿った3.4Lに縮小した。2010年はレギュレーションに沿ってフォーミュラニッポン用のHR10EをGT用に一部仕様を変更したHR10EGに変更した。2014年からは、基本仕様が共通の2.0L 直列4気筒ターボのNREエンジン「HR-414E」を使用している。
タイヤメーカー
GT500・300クラスの各チームに対して多数のメーカーが供給している。コスト削減等の理由からワンメイク化を選択するカテゴリが増加するなか、SUPER GTは世界的に見ても珍しい例となりつつある[注 48]が、タイヤ戦争とも言われる複数のメーカーによるコンペティションを実現させているのは、タイヤメーカーにとっての魅力的なシリーズとする運営側の考えに加えて、重要なスポンサーの1つとなっているためである[36]。車両性能の均衡化が強力に推し進められたGT500クラスでは、コースコンディションやピット戦略に合わせたタイヤの選択に加え、それぞれのチームが契約しているタイヤの銘柄が重要なファクターを担う場合がある。現場で得られた各種のデータは他カテゴリーのレース用タイヤや市販の低燃費タイヤにフィードバックされており貴重な実験場ともなっている[37][38][39][40]。
ブリヂストン
GT500クラスでシェアトップを誇るメーカー[37]。2018年現在は2台のTOM'S、ZENT CERUMO、SARD、LeMansのレクサス5台、ARTA、KEIHIN REAL、KUNIMITSUのホンダ3台、IMPULの日産1台の計9台に供給している。ホンダ勢は2004年まで、日産勢は2005年までブリヂストンに一本化していた時期もあった。GT300クラスには1998年以来供給していなかったが、2011年よりARTAへ供給を開始し、2018年にまでにはapr、LM corsa、LEON、埼玉トヨペットにまで広がった。スリックはドライでも常に安定した成績を残している他、路面が少し濡れた、いわゆる「ちょい濡れ」状態での強みもあるとされる[18]。
ヨコハマ
GT300クラスでシェアトップを占めるメーカーで、2014年は同クラスの24台中19台に供給していた。GT500クラスにはBANDOH、TEAM MUGEN、KONDOと各陣営に1台ずつ供給している。かつては岡山国際サーキットやセパンで相性が良いと言われており、実際それらで行われたレースではヨコハマユーザーが度々優勝を遂げている。ウエットコンディションに強いと言われ、日産勢であるKONDO Racingの近藤監督はレース前に由良拓也氏とのピットでの会話で「ウェットなら他車より3秒は速い」とコメントしている[41]。ワークスドライバーとして、かつては織戸学が2000年 - 2007年、荒聖治は2001年 - 2003年、2006年 - 2009年、2011年と、長らくヨコハマタイヤを履いたチームに所属している。同社がグリップ向上を目的にゴムの軟化材として従来の石油資源に代わり、天然の“オレンジオイル”を初めて配合したのはレース用タイヤである[38]。
ダンロップ
GT500クラスにはトヨタ勢は2002年より、ホンダ勢は2005年より各1台ずつ供給していたが、2018年現在はNAKAJIMAのみとなっている。データ不足で苦戦することが多いが、近年は最後の鈴鹿1000kmを制するなど調子を上げてきている。2019年はGT300クラスではR&D SPORT、GAINERの11号車、LMcorseの60号車の3台に供給している[注 49]。ワークスドライバーとして、2002年 - 2007年の服部尚貴、2002年 - 2005年の脇阪薫一、2008年 - 2010年のアンドレ・クートらがいた。また、道上龍は2009年までブリヂストンタイヤを履くチームに所属していたが、2010年よりダンロップタイヤの開発をしている。ブリヂストンと同様に「ちょい濡れ」の強さに定評があり、「雨のダンロップ」とも言われている[18]。
ミシュラン
2018年現在GT500クラスにはNISMO、NDDP RACING with B-MAXの日産2台のみ[注 50]。以前はトヨタ・ホンダ勢にも供給されていた[注 51]。GT300には1997年と、スポット参戦の2000年 - 2001年、2005年 - 2010年まで供給された[注 52]。2013年 - 2014年のR&D SPORT以降同クラスにユーザーは存在しない。
高いグリップ力を持ちながら耐熱性も高く、特に路面温度が高くなる夏季のレースでは優位とされるほか[36]、低温やウエットにも対応している[39]。2009年にはHASEMIが第4戦セパンで初優勝、2011年にはSARDが3度のポールポジションを獲得、そして2011年と2012年MOLAの連覇、2014と2015年のNISMOの連覇に貢献するなどGT500クラスで他メーカーを脅かす存在にまで成長した。
ハンコック
同社がメインスポンサーを務めるGT300クラスのKTR Racingに2006年 - 2013年まで供給していた。そのほか、過去にはGT300の数チームへも供給していたことがある。500クラスへは未供給だが、GT300クラスでは圧倒的な多数派であるヨコハマに対して勝るとも劣らない成績を上げている。特に薄乾き状態の路面コンディションの中、無交換で走りきる安定感を見せている。
クムホ
シリーズ初年度の2005年 - 2009年まで、GT300クラスの数チームに供給していた。2006年の第6戦 鈴鹿1000kmでは救済措置を受けていたこともあり、TEAM CERUMOのトヨタ・セリカがポールトゥウィンを飾るが、表彰台はこの1回に終わる。
レギュレーション
ウェイトハンデ制
DTMを参考に、SUPER GTの前身であるJGTCがスタートして2年目の1994年より導入された[3]。予選・決勝の上位にウェイト (重り) を搭載させることによって、同クラス内で実力の拮抗を図っている[注 53]。上位成績でポイントを重ねるごとにウェイトが増えるため[注 54]、勝ち続けることは困難になる。第1戦及び最終戦となる第8戦はウェイトハンデが無く[注 55]、第2戦 - 第6戦までは総獲得ポイント×2、第7戦は総獲得ポイント×1となる[2]。最大積載重量の上限は、2014年はGT500クラスは100kg[注 56]、GT300クラスは50kgで、それ以上の重量増は成績に関係なく免除される[注 57]。過去にはウェイトの増加を嫌い故意に順位を操作するなど、車両の性能やチーム戦略、成績とウェイトは密接に関係することから具体的内容については議論が絶えず、度々改訂が行われている[3]。
2015年まで、GT500ではウェイトが50kgを超えると、50kg相当分を燃料流量リストリクター径を小さくしてエンジン出力を制限する方策が取られていた。[42]。ウェイトの取り付け位置は、2013年は50kgまでは鉛板を助手席に、それ以上については自由とされていたが、2014年から50kgまでは運転席下に、それ以上はウェイト加算か燃料リストリクターによる出力制限のどちらかを選択可能となった[43]。ドライバーとウェイトが同じ左側に存在するため荷重が左側に偏ることで、ウェイトが積載された際の影響 (ウェイト感度) がより顕著となる可能性も指摘されている[注 58]。2016年は従来通りの最大100kgの重りによるウェイトハンデ制になったが、2017年に再び燃料リストリクター制限が使われることになった。ただし、従前はリストリクター口径が一律の数字だったのに対し、新制度では重量に合わせて3種類の口径が用意され、それを基準として実際のウェイトで細かく調整する形になる[注 59][45]。
タイヤ
使用本数には制限があり、公式練習から決勝までに使用出来るドライ用のスリックタイヤは4本×6セットの計24本となっており、各チームはその中でコンパウンドなどを選択すると、オフィシャルの手によってマーキングが施される。予選のQ1、Q2で使用出来るのはそれぞれ1セットのみで、Q2に進出出来なかった車両はそのタイヤでスタート、Q2に進出した車両はQ1かQ2で使用したいずれかのタイヤを選択出来る。ウェット用のレインタイヤは、大会運営側がウェットと判断した場合に限り、公式予選からフリー走行で使用可能となる。また、各タイヤメーカーが持ち込める総本数は、ドライ用が1台当たり4×7セットの計28本、ウェット用は4×9セットの計36本となっているが[注 60]、距離が300kmを超える場合はGTAが協議の上決定する[42]。
予選
かつては2つの予選方式がレースによって混在する形となっていたが、2013年からは全てのレースがノックアウト方式に統一されている。
- ノックアウト方式
- スーパーラップ方式では全20台の走行に時間がかかり、出走する順番によって天候、路面温度などコースコンディションの差が大きいなどの問題点があった。そこで、2007年第7戦もてぎで試験的にF1と同じノックアウト方式予選が採用され、2010年以降から本格的に実施された。2012年以前はF1と同様に3ラウンド行い順位を決定していたが、2013年以降はQ1とQ2の2ラウンド制で行われている。GT300、GT500の順で決勝と異なり混走はしない。
- Q1は各クラス15分間(インターバル5分)で行われ、GT300は16位まで(2019年より)、GT500は8位までがQ2へ進出する。ただし、2018年からはコースによってはGT300で組み分けが導入されており、GT300のA組、GT300のB組、GT500の順で10分間ずつ(インターバル8分)Q1を行い、GT300は各組上位8台がQ2に進出する。
- 10分のインターバル後にQ2が10分間で行われるが、GT300走行後に再び8分のインターバルがあり、GT500の終了時点で最終的な順位が確定する。なお、ドライバーはQ1、Q2と連続して乗ることは出来ないため、それぞれ別のドライバーが担当する[46][47]。
- スーパーラップ方式
- 2012年まで行われていた方式で、通常のタイムアタック方式とスーパーラップ方式を組み合わせた形となる。60分間のタイムアタックを2回行ったあと、スーパーラップが行われる。なお、予選はクラス上位3車の平均タイムを基準に、変則的な107%ルールが採用される[注 61]。予選1回目で、各クラス10位以内がスーパーラップに参加可能。予選1回目で10位となったチームから1周のラップタイムを競い、速い順にスターティンググリッドが決定する。予選1回目で各クラス11位以下は、予選1回目のタイムでスターティンググリッドが決定する。コース上にはアタック中の車両しかいないため[注 62]、ドライバーが選曲したBGMが流され、観客がチームと一丸となって贔屓のチームを応援することが出来る。
なお予選にはシード制が適用され、シード権持ちのチームについては予選の結果に関わらず決勝レース出走が保証される。シード権の対象チームは2006年時点では「各クラスで前年ポイントランキング12位以内」[48]、その後「前年ポイントランキング15位以内」に拡大された[49]。2017年からはシード権の規定が大きく変更され、「GT500クラス全チーム&GT300クラスの前年ランキング18位以内、GTAが認定したインターナショナルチーム、2008年から継続参戦しているチーム」の順で決勝出走枠が保証されることになった[49]。またこれ以外のチームでも、シード権を持つ参戦休止チームからシード権を譲り受けることが認められている[49]。
決勝
スタート時は予選で使用したタイヤをそのまま装着し、GT500、GT300と続けて、ローリングスタート方式で行われる。フォーメーションラップを行い[注 63]、ペースカーがコースを外れ、シグナルのグリーン表示で一斉にスタートとなるが、コントロールラインを通過するまでは追い越しが禁止されているため、ポールポジションを獲得した車両がタイミングを計り、自らのペースでスタートすることが可能なアドバンテージを持つ[50]。フォーメーションラップではGT500の先頭にペースカーが着き、ローリングスタートはGT500とGT300の間に充分な間隔が開けられ、シグナルのグリーン表示は先を走るGT500のスタート時に行われる。2014年よりGT500についてはDTMと共通のカーボンブレーキが採用されたことで、フォーメーションラップとは別にブレーキを暖めることを目的としたウォームアップラップが1周追加された[注 64]。その後第5戦の鈴鹿1000km[51]で、ウォームアップラップに代わり地元の警察車両(パトカー、白バイ)が先導するパレードラップが行われ、その後は他のレースでもパレードラップを実施、定着している。
ポイント
ドライバー、チーム共通で決勝の10位までに与えられる。700kmの距離を境に配分が異なる。700kmを越すのは2017年以前は鈴鹿1000kmだけ、2018年以降は富士500マイルだけである。また、第3ドライバーは、運転した通算距離が120㎞未満の場合はポイントが与えられない。
レース距離 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 | 7位 | 8位 | 9位 | 10位 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
700km未満 | 20 | 15 | 11 | 8 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 |
700km以上 | 25 | 18 | 13 | 10 | 8 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 |
加えて、チームに対しては完走したときに周回数に応じてポイントが与えられる。
クラス | 同一周回 | 1周遅れ | 2周以上遅れ |
---|---|---|---|
GT500クラス | 3 | 2 | 1 |
GT300クラス | 3 | 1 |
最終戦終了時点で合計ポイントが同じ場合は、上位入賞回数の多い車両がタイトルを獲得する[42]。
2016年から予選Q2でPPを獲得した場合、ドライバーズポイントが1点与えられることになった。なお、チームポイントは対象外となっている。
ドライビング・モラルハザード
観戦するファンに質の高いレースを提供するため、すべてのレースの規範となるスポーツマンシップを構築し、モータースポーツの安全性を高めるために定められた制度として「ドライビング・モラルハザード」が定められている。これはSUPER GT全戦及び公式テスト、プロモーションイベント等においてドライバーに課せられるもので、GTアソシエイションがガイドラインを定めており、危険な走行やコース内外でのモラルを逸脱した行動があったと判断された場合、ドライビングスタンダードオブザーバーの裁定でペナルティポイントが加算される[52]。
ペナルティポイントは加算時点からシーズンをまたぐ形で1年間累積され、その累積ポイントに応じて罰則が科せられる。加算時からペナルティを犯さずに2レース参戦した場合2ポイントの減免措置がとられる。また、2シーズン参加がない場合はポイントは原則として0になるほか、次大会のレース参加拒否が履行された場合は5ポイント減算される。
ポイント | 事例 | 項目 |
---|---|---|
1 | 黒白旗の提示を受けた危険なドライブ行為 | 一般原則、危険なドライブ |
2 | 同クラス同士の接触で相手をスピンアウトさせる行為 | 一般原則 |
3 | 他クラス車、同クラス異周回数車をスピンアウトさせる行為 | 一般原則 |
3 | 黄旗中のスピン | 危険なドライブ |
3以上 | 赤旗中のスピン | 危険なドライブ |
1〜3 | 安全確認義務違反 | 一般原則、危険なドライブ |
3〜5 | 安全確認義務違反の上、他車両をコースアウトやクラッシュさせる行為 | 危険なドライブ |
4〜10 | 報復行為、悪質と判断される行為や暴力行為 | 危険なドライブ |
2〜5 | 青旗無視 | 危険なドライブ |
累積ポイント | 罰則 |
---|---|
4 | 次回出場競技会の公式練習最初の1時間参加禁止 |
6 | 次回出場競技会の公式練習終日参加禁止 |
8 | 次回出場競技会の公式練習終日参加禁止かつ決勝レースのスターティンググリッドで8グリッド降格 |
10 | 次回出場競技会のレース参加拒否 |
救済措置
かつては、各レースの予選や決勝で上位6台の平均となる基準タイムより遅く、かつポイントランキングで7位以下の車両に対して、エアリストリクター径を拡大しエンジンのパワーアップによる性能の引き上げ措置が施されていたが、2009年から廃止された。
ルーキーテスト
GTAでは2010年より、GT300クラスに新規参戦、若しくは2年以上SUPER GTに参戦していないGT300クラスのドライバーなどを対象に、レース参戦前に合同テストにおけるルーキーテストの受講を義務付けている。原則として過去のレース実績等は考慮されないため、過去にF1、WTCCヘの参戦や、SUPER GTでの優勝経験等があるドライバーでも、2011年の山路慎一[54]、2012年の野田英樹・谷口行規などのように[55]、前記の条件を満たす場合にはルーキーテストを受講する必要がある[注 65]。
なおルーキーテストの審査やレース中のペナルティの判断基準を統一するため、主催者では「ドライビングスタンダードオブザーバー」として服部尚貴(2008年 - )、岡田秀樹(2010年 - )、田中哲也(2018年)といった元ドライバーを起用している。
SUPER GTが抱える問題点
経営
現在日本国内で開催される四輪モータースポーツにおいて最も多くの観客動員を集め、経営も順調だと思われていたSUPER GTであったが、2007年3月、同シリーズの運営組織であるGTAが実は約2億数千万円にも上る債務超過状態に陥っていたことが明るみに出た。直接の原因は「スポンサーの一社が倒産したため、当初予定されていた協賛金が入金されなかったこと」とされているが、元々GTAは2005年にも年間で約1億円ほどの赤字を出していた経緯があり、以前から「シリーズのプロモーション等[注 66]に費用をつぎ込みすぎているのではないか」といった疑問を、エントラント (レーシングチーム) 側から持たれていた。
この問題を解決するため、GTAでは従来組織運営の中枢を担ってきた理事会ならびに事務局を解散した上で、同月に行われたGTA総会において新たな運営組織として「GTA委員会」を発足させることを決定。GTA委員会の委員長にはRACING PROJECT BANDOH代表の坂東正明が就任し、シリーズ運営については従来の体制を維持しつつも、プロモーションに関しては年内にも新法人を立ち上げ、運営コストの見直しによる黒字転換及び債務一掃を図る方針を表明し[57]、その宣言どおりシリーズ最終戦前の記者会見において「株式会社GTプロモーション」(社長はKRAFT代表の平岡寿道) を設立したことを発表した[58]。
これに加えシリーズ運営の安定化を狙い、2008年4月1日付でシリーズ運営を担う母体企業として「株式会社GTアソシエイション」が設立された。出資比率はトヨタ (富士スピードウェイ、トヨタテクノクラフト)、日産 (NISMO)、ホンダ (モビリティランド) というGT500クラスのワークス3メーカーが計47.34%、参戦するチーム側の代表者で構成される「GTエントラント協会」が47.34%、それ以外に岡山国際サーキットが5.26%を出資し、残る1株は発起人代表として坂東が保有する。同社の社長は坂東が兼任する[4]。
2015年からは、SUPER GTに加えてサポートレースとしてFIA F4のシリーズを主催している。
ドライバーの育成
国内のモータースポーツにおいて最も隆盛を誇っているSUPER GTであるが、その人気の原点はウェイトハンデ制を導入するなど、特定のチームに勝利が集中することを避けた勝負の面白さに着目した運営面が理由の一つとして挙げられる。一方で、国内フォーミュラレースの人気は下降しており、スポンサー獲得が困難等の理由でF3などのミドルフォーミュラの参戦ドライバー数が減少する傾向にある。例として、全日本F3選手権の参加台数は2007年は12台、2008年は9台 (ナショナルクラスを含めても16台) と減少傾向は続いている。そこで、各自動車メーカーが期待する若手ドライバーを育成プロジェクトとして、人気がありスポンサーを獲得しやすいGT300クラスの提携チーム等に送り込むことが多くなってきている。
本来、ドライバーはレースにおいて車両性能を限界まで引き出し0.1秒を削りとる能力が要求されるが、SUPER GTではウェイトハンデという人為的にコントロールをされた状態で戦うため、必ずしも性能を完全には発揮出来ない。また、シリーズチャンピオンの獲得を睨み、ウェイト軽減のため故意に順位を落とすなどのケースが過去にも見られた[3]。また、SUPER GTマシンは性能が高いとはいえツーリングカーで、フォーミュラカーとはセッティング方法が大きく異なるため、本カテゴリからF1やIRLなどへのステップアップを目指すのは難しい[注 67]。
ツーリングカーレースとして本カテゴリーに匹敵する規模・人気を誇るレースとしてはWTCC、DTM等があるが、DTM、WTCC、SUPER GTのマシンはそれぞれ全く性格が異なる上、WTCCとDTMにはスポンサーとしての日本の自動車メーカーや大企業がほとんど参加していないためバックアップも得られにくいことから、ツーリングカー分野での海外進出も難しい。実際、過去日本人ドライバーがWTCCやDTMにフル参戦した例は、2003年の金石勝智 (DTM)、2011年の谷口行規 (WTCC) など極少数である。この結果、本カテゴリからステップアップを目指すドライバーの受け皿が事実上GT500クラスに限られるが、GT500クラスのシートに空きが出ることが少ないため、多くのドライバーがステップアップを望みながらも果たせないのが現状であり、将来へ向けての育成という観点では課題が残る。さらに2009年からはコスト削減で金曜日のテスト走行[注 68]が認められなくなったことで走行の機会が減り、若手ドライバーが経験を積む場が減る懸念も表出している。
子供の集客
近年のスポーツカー離れを懸念し、より多くの子供にサーキットに足を運んでもらおうと、中学生以下無料や、2006年よりキッズウォーク[注 69]が開催されている。また、子供連れの父親に向けたグッズを配るチームがあるなど、その試みは結実し、近年家族連れの観客が増えたのは事実である。
全日本選手権の扱い・国際シリーズ化
SUPER GTは2005年より国際シリーズ化を目指してJAFの管轄下から離脱したものの、現実には日本国外でのシリーズ展開は年間1レース程度がカレンダーに組み込まれるのみとなっており、JGTC時代とほぼ変わらないシリーズカレンダーでの運営を余儀なくされている。
一方、2013年より韓国・霊岩郡の韓国インターナショナルサーキットでSUPER GTを開催することが決定、2011年12月15日に仮調印を締結[59]、2012年6月に正式決定し、2013年は5月18日-19日の予定でオールスター戦を開催[60] (その後延期に)、2014年以降よりシリーズ戦として開催する予定(その後取りやめに)となっていた[61]。また、中国・珠海市の珠海国際サーキットでも特別戦の開催を計画、当初は2012年12月23日に開催する方向で調整をしていたが、プロモーションのための時間が不足していることから、2012年の開催を断念し2013年の開催を目指して再検討を行う方針となっている[60]。これとは別に、台湾・東港鎮の大鵬湾国際サーキットがSUPER GTの開催を目指しているという報道がある[62]。
東南アジアでの開催も見えてきているとしており、将来的にはSUPER GTのレギュレーションを使用し、東南アジアでの統一レギュレーションで各国のシリーズ戦を行い、東南アジアでのチャンピオン決定を行う計画もあるという[63]。中でもタイではチャーン・インターナショナルサーキットで2014年よりSUPER GTのシリーズ戦を開催[64]、さらに「スーパーカー・タイランド」として開催されているシリーズを2015年より「SUPER GTタイシリーズ」に改称、GT300クラスの車両規則に統一して開催する方針であるとしている[65]。2020年からはマレーシア・セパン・インターナショナル・サーキットでの開催が復活予定で、SUPER GTとしては初めてナイトレースでの開催を予定している。この年は2020年東京オリンピック自転車競技会場として使われる富士スピードウェイで富士500マイルが開催できないことから、代替開催としてこの時期での開催を念頭に置いているほか、2021年以降は開催時期を今後検討、また2019年までの契約となっているタイでの開催が継続する場合はマレーシア開催との連動する可能性もあるとしている[66]。
2014年からGT500クラスがDTMと車両規定を統一、更に2017年には規則を完全統合する予定で、これによりDTMや2015年開始予定のDTMアメリカに参戦しているドイツ等のメーカーがSUPER GTに、SUPER GTに参戦している日本のメーカーがDTMやDTMアメリカに参戦することが可能となり、仕様も共通化されることで後述するコストの削減や外国車の参戦についても一定の解決策が示されるほか、将来的には3シリーズの交流戦も可能となる[22][15][67]。また、2013年から再開予定のAsLMSのGT3-GTCクラスにGT300クラスの車両が参戦可能になることで合意している[68]。さらに2018年からはこれまでの鈴鹿1000kmの後継となる「サマーエンデュランス 鈴鹿10時間耐久レース」の開催にGTAとブランパン耐久シリーズなどを主催するステファン・ラテル・オーガニゼーションが協力、GT300のJAF-GT車両も含めたGT3車両の世界統一戦として開催されることになる[69]。
コストの高騰
現在のSUPER GTの車両規定、いわゆるN-GT規定は日本独自の規定を盛り込んだため、FIA-GT選手権のFIA-GT規定及びル・マン24時間レース、ELMS、ALMSなどのLM-GT規定とは相容れない物となっており、交流戦すら事実上行えなくなっている。更に、SUPER GTの各カテゴリーの車両規定がほぼ毎年のように改訂されるため、各メーカー、チーム共にマシンの開発に掛かるコストが高騰の一途を辿っている。本来コスト低減を標榜しているはずの規定が、開発の激化とコスト高騰を招いているというジレンマに陥っている点も憂慮されている。
シャシのパイプフレーム化などのコスト削減策[注 70]を講じても、それが全く奏功することなく、逆にマシン開発を激化させるという悪循環となっている。GT500に至っては最早プライベーターが参加出来る環境では無くなっており[注 71]、近年ではSUPER GTから撤退するチームも多く現れている。2009年からはレース開催時の予選前日のテストを取り止め、予選・決勝の二日間のみの開催として、全体のランニングコストを抑制する措置を実施しているが、根本的な対策とはならず、デビューしたばかりのドライバーが実際にサーキットを走行する機会が減る事への懸念も残されている。
これらの問題を解決するため、GT500クラスはDTMとシャシーやエアロパーツ等を統合しコストを削減することを決定、2014年より実施された。2014年からSUPER GTで採用された、ガソリン仕様の直列4気筒ターボエンジン“NRE”は、将来的にDTMでも採用される予定となっている[16]。GT300クラスはFIA-GT3規定の車両レギュレーションを設定、プライベーターでも参戦出来るように改善したこともあり参戦台数が増加した一方、JAF-GTはベースとなる国産車が少ないことから参戦台数は僅かな台数に止まっている。この状況を憂慮したGTAは、販売される時点でほぼ完成品となっているFIA-GT3の改造余地は少ないことから、車両制作を含めた技術の伝承や国産バーツを活用する意味でもJAF-GT車両が必要とされたが、専用品であるモノコックを一から開発するには莫大なコストが掛かり、このままではJAF-GT車両が減少する恐れがあるため共通シャシーを使用するという“マザーシャシー案”が提示され、製造メーカーが童夢に決定[70]、現代のCFRPを使用したモノコックは、材料・制作コストが非常に高いため、コストダウンのために作り方を工夫するなどして開発が行われている[17]。
FIA-GT・JAF-GT・マザーシャーシ問題
近年、外国車を使用するチームの多くはGT300クラスに参戦しているが、外国車の場合は規定に合わせて出力を落とす“デチューン”を行う場合がある。そのため、GTAでは2012年のGT300クラスのレギュレーションをFIA-GT3規格を基準に変更した。これに伴い300PS制限は撤廃され、FIA-GT3車両は500PSを超えるものが存在する。併せてGT500クラスでも出力制限を緩和しているが、2013年は日本メーカーのJAF-GT車両、特にハイブリッドエンジン搭載車に有利な性能調整が行われたことにより、GT300クラスでは常に上位をJAF-GT車輌が独占し、前年まで上位を占めていた外国車や一部の日本メーカーの車両は優勝どころか上位進出すら難しいという状況に陥ったため、シリーズ中にJAF-GT車両に対する性能調整を行うことになった[71]。
元々、富裕層の遊びとして始まったGTレースを対象に作られたFIA-GTと、日本独自の技術によって改造が重ねられて作られたJAF-GT及びマザーシャーシは、その成り立ちや趣旨が大きく異なる。そのため、両者が混走するSUPER GTにおいては常にBOP(バランス・オブ・パフォーマンス)の調整が問題となっている。
レース放送
2006年からGTAが自ら制作したオフィシャル映像をCS放送や地上波等へ供給している。国際化に伴い2005年より海外でも本格的な放送がスタートしているため、放送が国際映像として使われる関係から、番組中のテロップについて、JGTC時代は日本語表記だったものを原則として英語表記に切り替えている[注 72]。
コメンタリー
実況
- 下田恒幸 ( - 2013年)
- 中島秀之 ( - 2017年)
- 赤平大 (2012年 - 2017年)
- サッシャ (2014年 - )
- シャーリー半田 (2016年)
- 實方一世 (2018年第5戦。鈴鹿1000kmではピットレポーターを担当)
解説
ピットレポーター
衛星放送
J SPORTSで中継を放送。当初はコメンタリー部分を差し替えて放送されていたが、2007年からはそのまま放送されている。また、同年7月1日よりスカパー!e2(現 スカパー!)において、また2008年10月1日よりスカパー!(現 スカパー!プレミアムサービス)のJ SPORTS Plus (現 J SPORTS 4) チャンネルでHD放送を行っている。2011年10月1日にはJ SPORTSのBS移行で、2010年最終戦以来となるBSでのHD放送も開始された。
オフシーズンには総集編が放送される他、レース数週間後には、従来の国際映像にマシンのオンボード映像を加えた「オンボードカメラ+」を放送している。
中継ではないが、2008年からJ SPORTSで「GTV (SUPER GTトークバラエティ) 」の放送が行われている。
- 出演者
- 高橋二朗
- 桝本奈生 (2008年)
- 美馬寛子 (2009年)
- 一戸恵梨子 (2010年)
- 瀧口友里奈 (2011年 - 2013年)
- 井澤エイミー (2014年 - 2018年)
- 竹内紫麻(2019年)
2015年は初めての試みとして、3月14日・15日の岡山国際サーキットでの公式テストをBSスカパー!で生中継で放送した[73]。
地上波放送
インターネット配信
SUPER GT 公式サイトにて決勝日夜間よりレース後の無料ダイジェストムービーも配信。2012年からは、J SPORTSがニコニコ生放送で予選の無料生中継を実施[75]、2014年の鈴鹿1000kmからは決勝の有料配信を実施している[76]。また、2013年からはスカパー!オンデマンドによる予選・決勝の生中継や録画配信を行っている。
過去の放送
- 地上波
- 2003年から2010年3月まで、テレビ東京がSUPER GTを中心とする情報番組『激走!GT』を放送。
- 2007年9月まで、テレ玉他で放送されている自動車情報番組『CAR Hyper』にて、GT300クラスを中心としたレースリポートを放送。
- 2006年シリーズからはフジテレビのモータースポーツ情報番組『モタ・スポ!』にてレースダイジェストが放映されていた。
- 2010年シーズンはフジテレビで、『フジテレビ スーパーGTコンプリート』にて月1回程度でSUPER GTのレースダイジェストなどを放送。
- BSデジタル
- モバイル
- 2009年3月31日15時まで、モバHO!のチャンネルONEが2005年からライブ放送継を行っていた。
過去のインターネット配信
- グランツーリスモTV以外2006年から配信を開始した。2006年はYahoo!動画にてライブ配信を行っていたが1年で終了。SUPERGT.netとGyaOとDOING.TVは2007年にも録画配信。プレイステーション3のゲームソフト『グランツーリスモ5プロローグ』内における動画配信サービス グランツーリスモTVでは2007年に2006年のものからダイジェスト版という形で有料配信され[注 74]、同ハードのゲームソフト『グランツーリスモ5』内に於ける動画配信サービス グランツーリスモTVでは2010年に、2008年のものから2012年の一部レースのダイジェスト版という形で有料配信された[注 75]。
- SUPERGT.net - 2006年&2007年の決勝レースダイジェストをVOD配信。
- GyaO (USEN) - 2007年の全戦の決勝レース映像と、GT500クラスマシンのオンボード映像をVOD配信。
- DOING.TV (オープンインタフェース) - 現在は利用出来ない。2006年、2007年の全戦をマルチアングルでVOD配信。
- Yahoo!動画 (Yahoo! JAPAN) - 2006年国内開催全8戦の生中継ライブ配信を行った[注 76]。
- エキサイト - 公認ファンサイトにて2006年全9戦のダイジェスト版と独自のオリジナル番組のVOD配信を行った。
- グランツーリスモTV (グランツーリスモ5プロローグ) - 2006年からのダイジェスト版が有料配信された[注 74]。
- グランツーリスモTV (グランツーリスモ5) - 2008年からのダイジェスト版が有料配信された[注 77]。
国際映像制作スタッフ
- 2016年
- TP︰長嶋英弘
- TD/SW︰西山和伸
- 撮影︰国家秀平、大橋英昭、本澤権示、矢口誠司、影山拓也、友部宣耀、中島賢、藤村太史、原田憲二、中村陽一、棚原佑介
- 監視システム︰福田幸雄
- CA︰宮西美紀、城間翔伍、岩田洋
- 映像︰平井昭弘、藤井律男、沖本亮一、青木洋子、廣嶋理奈
- 音声︰品岡研太、田中貢、藤井昭、高橋諒、奥野紗知、日下正孝
- CG︰浅嶋悠太、田島健、野末靖晶、植松真冴
- イントレ︰中田順一郎
- 車載技術︰伊藤輝英、熱田恒雄、青天目章吾
- 技術協力︰テレテック、テクノネット、2and4、テーク・ワン オーディオ、プラスミック・シーエフピー、バンセイ
- 企画︰大峡隆之
- 構成︰大野拓也
- 営業︰宮崎陽子
- プロモーション︰大川佳佑、宮澤健
- 技術︰大家史郎、岩本真明
- 国際映像︰奥野篤史
- ディレクター︰三原正寛、神保周吾、石井利幸、小林祐介、藤井将人、神保晴彦、奥野真也、近藤歩、松村友葉
- 演出︰竹森禎敏
- プロデューサー︰市川浩一郎(GTA)、三原弘(J SPORTS)、荒木陽太(クロステック)
- 制作協力︰クロステック
- 制作著作︰GTA、J SPORTS
歴代チャンピオン
※2004年以前の歴代チャンピオンは全日本GT選手権の項を参照。
脚注
注釈
- ↑ 同様の方式を採用するのは、日本でも有名なル・マン24時間レースを擁するWECが挙げられる。
- ↑ 全てのチームに対して優勝するチャンスを与えることで、多くのメーカーやチームの参加を促してシリーズを盛り上げる目的で導入された[3]。
- ↑ 1,000kmなどGTAが長距離と認めたレースでは3人となる。[2]
- ↑ 2007年は録画放送
- ↑ 当時流行したSARSの影響で、2003年のみマレーシアラウンドが中止された。代わりに富士で2ヒート制で開催。
- ↑ その後上海でのレースは、現地オーガナイザーの受け入れ態勢が整っていないなどの理由で中止された。
- ↑ FIA International Sporting Code 24条a項では「国内選手権はシリーズ中1イベントのみ国外で開催できる」と定められているが、3ヶ国以上でシリーズ戦を行うと国外で少なくとも2つのイベントを開催しなければならず、この規定を満たさなくなる。
- ↑ ノンタイトルイベントはこの規定の対象外なので、2004年にアメリカで行ったオールスター戦のような形であれば「全日本選手権」を名乗ることに問題はない。
- ↑ 2005年のFIA国際シリーズカレンダー上はシリーズ名「Super GT Inter Challenge」と表記され、2006年以降のFIA国際シリーズカレンダー上はシリーズ名「Super GT」と表記されている。
- ↑ 2013年まではマレーシア、2014年からはタイ
- ↑ 2014年の最低車両重量はスーパーフォーミュラが660kg (ドライバー含む)、GT500が1000kg。ラップタイムの差は約7秒で、340kgの重量差などを勘案するとGT500はフォーミュラカーに迫る非常に優れた性能を持っていることが判る[7]。ほぼ同仕様のエンジンを搭載しダウンフォースを含めた空力性能も大きく向上しているため、フォーミュラカーにより近いものとなっている。
- ↑ 2006年にはチーム郷がマセラティ・MC12で新規参戦を予定していたが、特別認定のパーツを用いても国産ワークスに対抗することは難しいと考えられたため参戦を見合わせる。2009年にはプライベーターがアストンマーティン・DB9で参加していた。(JGTCが始まった当初は、チャンピオンを獲得した例があった。)
- ↑ これは、将来的に両シリーズへ車両を相互参戦させることへの期待や、共通規格とすることでコスト削減を目的としたものである[15][16]。新型パーツの一部は、2013年のレースでも先行して投入された[17]。
- ↑ メーカーの独自性をレースカーのデザインに反映させることで市販車の販売促進へ繋げる狙いがある[16]。
- ↑ 一例として、リヤウィングの翼端板は幅380mm×高さ200mm以内で形状は自由なほか、前後のフェンダーやホイールアーチ+フロアから275mmの高さまでの“デザインライン”から下の部分の改良は自由であるなどが挙げられる[18][15]。
- ↑ 第1戦の岡山ではコースレコードを約3秒も上回った[18]。
- ↑ Nippon Racing Engine: 次世代に向けた競技用エンジンの理想を追求して、トヨタ、ホンダ、日産の3メーカーで共同開発した新型エンジン[21]。
- ↑ スーパーフォーミュラは8,000rpmだが、SUPER GT GT500は重量があるため7,500rpmとなっている。
- ↑ 改造範囲の拡大によってJAF-GT車両の製作コストはクラス発足当初より大幅に上昇し、シリーズ初期に多く見られた純粋な市販車チューン車両もほとんど姿を消してしまった。一例は、2010年にaprから参戦していたカローラアクシオGTはブレーキランプは赤い小さな円状のライトのみで周囲はイラストであり、またエンジンをミッドシップへ搭載して空力的観点から極端にボンネットが下がった形状で、ヘッドライトよりもボンネットが低かった。
- ↑ 基本的な寸法などはベース車両に準じている。
- ↑ 2011年シーズンのフェラーリ・458GTCは計100kgの性能調整がシーズン中に行われた。
- ↑ これはGT3が当初ジェントルマンクラスとして生まれたクラスの為、車両価格上限がレギュレーションで定められている事も関係している。
- ↑ JGTC時代のスープラのコンポーネントを流用していた。
- ↑ 24.0 24.1 24.2 24.3 ミッドシップ化
- ↑ 25.0 25.1 25.2 25.3 25.4 25.5 25.6 4ドアセダン
- ↑ 26.0 26.1 ハイブリッドカー
- ↑ フォーミュラ・ニッポンで使用されていたRV8Kエンジンに換装
- ↑ 28.0 28.1 28.2 マザーシャシー車
- ↑ フォーミュラ・ニッポンで使用されていたRV8Jエンジンに換装
- ↑ 2015年 - 2016年シーズンはGT3ホモロゲーション未取得のため、特認扱いでの参戦
- ↑ GT500クラスのNSX-GTをデチューンした上で流用していた。
- ↑ HPD製のLMP2用エンジン(HR28TT)に換装。ただし、便宜上ベースとなったJ35A名義でエントリー。
- ↑ 4WD
- ↑ 2009年シーズンは4WD、2010年シーズン以降は2WD
- ↑ 35.0 35.1 35.2 35.3 35.4 区分上JAF-GT扱い
- ↑ 2008年シーズンは既存のF360GTをベースにF430風の外装に仕立てていた。
- ↑ 2011年シーズンはポルシェ・996型GT3用エンジンに換装した個体が参戦。
- ↑ 2010年シーズンはポルシェ・996型GT3用エンジンに換装。
- ↑ 参戦エントラントが独自開発したエンジン(DHG・D35806V300)に換装
- ↑ JGTC誕生時にはR32型スカイラインで参戦するプライベーターチームが多く、バブル期には日産もこれらのチームの援助を行っていた。
- ↑ 現在GT300クラスへ移行、その後参戦休止
- ↑ かつてはNISMO用のみオーテックジャパン、RB26DETT時代は日産工機が担当。
- ↑ NISMOの2台は開幕戦から、他チームは第3戦から。
- ↑ エントラント名は以前は「TOYOTA TEAM ○○」に統一されていた。2008年からは「TOYOTA TEAM ○○」の前にスポンサー名が入るチームもあった。2009年からはレクサスブランドへと変更し、エントラント名も「LEXUS TEAM ○○」に統一された。なお、土屋エンジニアリングは2009年より休止、KRAFTは2012年を以て撤退した。
- ↑ 監督は童夢の中村卓哉
- ↑ ドライバーズ: 伊藤大輔・ラルフ・ファーマン、チーム: ARTA
- ↑ 開幕戦及び第2戦: 1,150kg、第3戦以降: 1,140kg
- ↑ 他には86/BRZレースや韓国のSUPERRACE CHAMPIONSHIPで4社によるタイヤ戦争が行われている
- ↑ 2011年の第6戦 - 第8戦にスポット参戦した10号車はヨコハマである。また2013年より参戦した10号車は2017年までダンロップユーザーであったが2018年の10号車はヨコハマユーザーとなる。
- ↑ 2010年はNISMO、2011年よりMOLAと日産勢に1台ずつに供給していたが、2013年NISMOに再び供給を開始し2台となった。
- ↑ 2003年までTOM'Sに供給していたが2004年に撤退。2011年から2012年までSARDに供給していた。
- ↑ 2002年 - 2004年はBFグッドリッチブランドで参戦
- ↑ かつて全日本GT選手権に参戦していたチーム郷代表の郷和道は、自チームのマクラーレン・F1に課せられた安易な重量増の危険性について訴え続けていたが、当時その主張が通ることは無かった。
- ↑ 2006年までは決勝中にファステストラップを記録した車両に対してもウェイトを課していた。
- ↑ 最終戦まで同じ車両且つ同じドライバーが参戦した場合[2]。
- ↑ 2008年はGT500クラスについて車重の上限を1,200kgとし、それを上回るウェイトが課せられた場合にはリストリクター径の縮小で対応することとなった。2009年からは、これまでの予選、決勝レース結果による決定されていたウェイトが、ドライバーズポイントに比例し付加されることとなり、ウェイトの最大重量は両クラスとも100kgとなった。
- ↑ 累積は継続。
- ↑ コース特性が違うため単純に比較は出来ないが、第1戦 岡山と第2戦 富士の予選では、GT500のKeePer TOM'S RC Fが1位→8位、ENEOS RC Fは2位→10位、GT300のOGT PRIUSは1位→8位、初音ミク Z4は2位→7位と大きく順位を落としている[44]。
- ↑ 2017年の場合、通常時のリストリクターは95.0kg/h径で、50kgまで実際の重量加算で調整する。51〜67kgは92.4kg/h径(重量17kg相当)、68〜84kgは89.8kg/h径(重量34kg相当)、85〜100kgは87.4kg/h径(重量50kg相当)のリストリクターを適用し、それに合わせて実際の重量を34〜50kg(85〜100kgは35kgから)を載せることで調整する。いずれの場合でも実際の重量が50kgを超えることはない
- ↑ 第2戦以降、供給先のどのチームも未勝利の場合は、ドライ用タイヤの持ち込み本数を1台当たり4本×1セット追加出来る。
- ↑ 各クラス、前シーズンで12位以上、全戦に参戦したチームにはシード権が与えられ、この規定の対象外となる。
- ↑ 約半周差で、前後にアタックする (した) 車両がいる。
- ↑ 通常は1周で、雨天時は状況により2周程度。
- ↑ 絶対性能や耐久性に優れたカーボンブレーキであるが、有効作動範囲が約400度 - 1000度となっており、低温など初期状態では効きが悪く短時間では温度が上がらない上、SUPER GTのルールではタイヤウォーマーを使って加温することが禁止されているため、特にスタート直後となる1コーナーへの進入時などの安全性を高める目的で、事前にブレーキ性能を発揮させておく必要がある[18]。
- ↑ これについては山路慎一が心境を語っている[56]。
- ↑ 特に『激走!GT』等のテレビ番組の制作
- ↑ 井出有治・中嶋一貴などはF1へとステップアップしたが、SUPER GTと同時にフォーミュラ・ニッポンや全日本F3選手権にもエントリーしていた。
- ↑ 日曜日決勝の場合。
- ↑ 中学生以下の子供とその保護者のみ参加可能な、無料のピットウォーク。子供への抽選プレゼントとして、GTカーのラジコンやダイキャストモデルなどが準備されている。
- ↑ 特にGT300クラスのプライベーターが参加しやすくなる。
- ↑ 特に海外メーカーのリアエンジン車はほぼ締め出された格好となっている。
- ↑ J SPORTSの中継でのレース前の特集やVTR等では一部日本語表記も見られる。
- ↑ 2時間の放送枠に収まるよう編集された映像
- ↑ 74.0 74.1 2009年に配信終了
- ↑ 2012年末に配信終了
- ↑ マレーシア戦のみレース開催後にVOD配信
- ↑ 2012年を以て配信終了
出典
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- ↑ “今季のGT地上波放送は“進化版”の「SUPER GT+」に”. AUTO SPORT web. (2011年3月7日)
- ↑ “ニコニコ生放送で今季全9戦の予選を無料ライブ配信!”. SUPER GT. (2012年3月23日)
- ↑ ニコニコ生放送でスーパーGTの決勝放送が実現!2014年08月20日
関連項目
- 全日本GT選手権
- モータースポーツ
- 鈴鹿1000km
- 富士500km
- シルエットフォーミュラ
- SUPER GTイメージガール
- レースクイーン
- 日本のサーキット一覧
- グループGT3
- グランツーリスモシリーズ - レースゲーム。同シリーズにJGTC、SUPER GTの車が収録されており、スポンサーにもなっている。
- SEGA World Drivers Championship - セガ・インタラクティブが2018年3月14日に稼働を開始したSUPER GT公認の業務用レースゲーム。2017年のSUPER GTの車が収録され、レース形式もSUPER GTのレギュレーションに沿った形となっている。