SL人吉
SL人吉 | |
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概要 | |
国 | 日本 |
種類 | 快速列車(臨時列車) |
現況 | 運行中 |
地域 | 熊本県 |
運行開始 | 2009年4月25日 |
運営者 | 九州旅客鉄道(JR九州) |
路線 | |
起点 | 熊本駅 |
終点 | 人吉駅 |
営業距離 | 87.5 km (54.4 mi) |
運行間隔 | 1往復 |
使用路線 | 鹿児島本線・肥薩線 |
車内サービス | |
クラス | 普通車 |
座席 | 普通車指定席 |
食事 | ビュッフェ - 2号車 |
展望 | 展望ラウンジ - 1・3号車 |
技術 | |
車両 |
8620形蒸気機関車・50系客車 (熊本車両センター) |
軌間 | 1,067 mm |
電化 | 非電化 |
SL人吉(SLひとよし)は、九州旅客鉄道(JR九州)が熊本駅 - 人吉駅間を鹿児島本線・肥薩線経由で運行している、蒸気機関車 (SL) 牽引による臨時快速列車である。
沿革
矢岳駅前の人吉市SL展示館にて静態保存されていた58654(8620形)は、復元された上で1988年8月28日に熊本 - 宮地間運行の快速「SLあそBOY」として営業運転に復帰したが、人吉市に保存されていた縁もあり、年間数日程度「SL人吉号」として人吉発着で運行されていた。このためSL・客車は「SLあそBOY」と共用であった。
2005年3月に「SLあそBOY」として運行中に58654が車両故障を起こし修復不能と判断されたことから、この年の当初の運行予定日のうち、SLでの運行日は大幅に絞られた上で、8月28日に58654は運転終了となった。本来の運転日でSLが使えなくなった日は、DE10形ディーゼル機関車が「SLあそBOY」用客車を牽引する「ディーゼルあそBOY」「ディーゼル人吉号」として運転されたが、2005年限りでともに運転終了となった(その後2006年から2010年まで「SLあそBOY」の事実上の後継列車となる「あそ1962」が運転開始)。
その後、58654は小倉工場で修復され、肥薩線が開業100周年を迎える2009年(平成21年)4月25日からは、熊本 - 人吉間で58654とリニューアルした客車による列車が運転開始された。愛称名は旧来の愛称名から「号」を省いた「SL人吉」とされた。雑誌などで「SL人吉号」と表記しているものもあるが、これは誤記である。
年表
- 1988年(昭和63年)10月9日 - 「SL人吉号」運転開始。
- 2005年(平成17年)8月21日 - この日の運転を最後に「SL人吉号」運転終了。
- 11月13日 - この日の運転を最後に「ディーゼル人吉号」運転終了。
- 2009年(平成21年)4月25日 - SLを修復、客車をリニューアルの上、「SL人吉」運転開始。
- 2010年(平成22年)9月4日 - NHK BShiの企画番組『BSデジタル号がゆく!〜ブルートレイン 九州一周の旅〜』にて、臨時列車「BSデジタル号」が運行。このうち、熊本 - 人吉間を「SLデジタル号」とし、58654が同列車を牽引した(客車は14系寝台車3両)。
- 2012年(平成24年)12月22日 - 2013年(平成25年)1月6日 - 「SL人吉」と同一ダイヤでDE10形が「SL人吉」用の客車を牽引する「快速人吉」を運行[1]。
- 2016年(平成28年)4月15日 - 熊本地震の影響により運休となる[2]。
- SL人吉号.jpg
SL人吉号(2003年5月10日、宇土駅)
- Asoboy type50-700 1.jpg
SL人吉号用客車(リニューアル前)
- Asoboy ohafu50 interior.jpg
客車の車内(リニューアル前)
- JRK Ohafu50-701 inside.jpg
客車の車内(リニューアル後)
- JRK Ohafu50-702 inside.jpg
SL文庫(リニューアル後)
- JRK Oha50-701 inside.jpg
ショーケース(リニューアル後)
- Ohafu50-701 Prospects Lounge.jpg
展望ラウンジ(リニューアル後)
運行概況
概ね3月から11月までの金・土・日曜日・祝日および夏休み期間中に1日1往復運転する。午前中に熊本駅を出発して昼間に人吉駅に到着し、午後に人吉駅を出発して夕方に熊本駅に到着するダイヤとなっている。全車座席指定席で、指定席料金は820円(こども半額)である。2枚きっぷ・4枚きっぷ(10枚きっぷなど派生商品を含む)で利用する場合も指定席料金が別途必要。
停車駅
熊本駅 - 新八代駅 - 八代駅 - 坂本駅 - 白石駅 - 一勝地駅 - 渡駅 - 人吉駅
2005年まで運転されていた「SL人吉号」「ディーゼル人吉号」は上記の駅のほか川尻駅、宇土駅、松橋駅、有佐駅、瀬戸石駅にも停車していた。
使用車両
機関車・客車とも熊本鉄道事業部熊本車両センターに所属する。
牽引機関車
58654を使用する。
客車
50系客車700番台3両を使用する。編成内容は以下のとおり。人吉方が1号車。
- 1号車 - オハフ50 701
- 2号車 - オハ50 701
- 3号車 - オハフ50 702
1号車の人吉方と3号車の熊本方に展望ラウンジを、2号車にはビュフェを備える。
「SL人吉」での運用にあたり、水戸岡鋭治のデザインによるリニューアル工事が実施されている。車体は地色が黒色一色となり、各種のロゴが入れられているほか、両端の先頭車の前面下部に窓が新設され、展望ラウンジの視界が拡大されている。車内は客室中央部にショーケースが設置され、床がフローリングとなり、座席の表地が張り替えられ、一部の座席は表地が本革となった。
58654が検査入場中に、客車をDE10牽引による団体列車等に宛てられることがあり、これまでは、回送を含めて通常では走行しない、鹿児島本線の陣原 - 門司間の貨物線や、筑豊本線などを走行したことがある。
脚注
- ↑ “今年の冬は、「快速人吉」を運転します!” (PDF) (プレスリリース), 九州旅客鉄道, (2012年11月20日), オリジナルの2012年12月7日時点によるアーカイブ。 . 2017閲覧.
- ↑ 2.0 2.1 “復活の黒煙、力強く 「SL人吉」が運行再開”. 熊本日日新聞. (2016年4月29日) . 2016閲覧.