NNNドキュメント
NNNドキュメント(エヌエヌエヌドキュメント)は、1970年から放送を開始したNNN系列のドキュメンタリー深夜番組である。放送時の番組タイトルでは「NNNドキュメント'○○」(○○は西暦の下2桁)と表記される。
概要
1970年1月4日、放送開始。現在放送中の日本テレビの番組では『キユーピー3分クッキング(NTVバージョン)』、『笑点』に次いで歴代第3位の長寿番組である[1]。当初は「番組リーダー」という進行役を置き、山口崇(1970年)、寺田農(1971年・1972年)がそれぞれ担当していた。1973年に進行役は廃止している[2]。
年々放送時間が後ろにずれていき、通常編成時には日曜23時台開始だったものが、1990年4月から月曜0時台(日曜24時台)開始となり、放送時間が繰り下がる傾向はあるものの、放送開始当初から日曜版の夜ニュース(NNNきょうの出来事→NNNニュース→Going!Sports&News)の次の枠で放送されている。
本番組のネット局は当初読売テレビのみだったが[2]、徐々にネット局が増え現在ではNNN加盟30局のうちテレビ宮崎を除く29局に加え、NNNに加盟していない沖縄テレビを含む全30局で放送されている。番組当初は番組タイトルに「NNN」は入っていなかったが、1974年4月よりNNNネットワークの共同制作番組となったのを機にタイトルに「NNN」が入るようになった[2]。ただし、沖縄テレビはNNN非加盟を考慮し「NNN」のクレジットは外されており、CM終了後の画面で、NNNクレジットが見えないように独自で隠している。スポンサーについては、各局個別である。
1974年4月より日本テレビだけでなくNNN系列各社が制作に参加するようになった。また、複数社による共同制作の形を取ることもある(例:2006年10月2日未明(1日深夜)に放送した「震度7を待つ」の日本テレビ・読売テレビ・静岡第一テレビ)[2]。通常は30分番組であるが、おおよそ月に1回の割合で55分枠に拡大して放送している。
放送テーマは平和・福祉・環境・教育・雇用など。7・8月には広島テレビ制作の原爆症問題など、太平洋戦争を扱った企画が放送される傾向にある。2011年3月の東日本大震災や福島第一原子力発電所事故以後、これらの話題を取り上げる場合は「3・11大震災シリーズ」のサブタイトルが付くようになった(ただし付かない場合もある)。なお、内容の一部を再編集したものが夕方のニュース番組などでも特集されることがある。
ギャラクシー賞、文化庁芸術祭大賞、日本民間放送連盟賞最優秀賞、放送文化基金賞などを受賞している他、エミー賞国際賞を日本の番組で初受賞している(1975年6月29日放送、日本テレビ制作『明日をつかめ!貴くん〜4745日の記録』)。
ナレーションは基本的に声優やタレントが行っているが、制作局のアナウンサーや解説委員もナレーションを務めることがある(特に読売テレビ・札幌テレビ制作分にこの傾向があり、日本テレビや山口放送でも稀にある)。また取り上げた題材が個人に関わる場合、ごく稀に本人自身が担当する場合もある。
1990年3月以前は日曜日の23時55分からの放送であったが、前述の通り、バラエティ・スポーツニュース番組枠の増大などもあり、現在は月曜日の0時55分(日曜日深夜)からの放送[3]となっている。放送時間帯の件についてはNNNのキー局でもある、日本テレビ側も2010年1月の定例記者会見(1月25日)の中で、番組40周年を取り上げた際に、放送曜日・時間帯の変更も検討していた[4]が、現時点で枠移動されることなく、従前通りの時間帯での放送を継続している。
西暦2000年代に入ると、タイトルに西暦が付く番組は上2ケタの省略を止めるケースが見られるが(例:フジテレビ系『LIVE'9x→20xx ニュースJAPAN』)、当番組は上2ケタの省略を継続している(同例のテレビ番組はTBS系『オールスター感謝祭』)。
現行の『NNNドキュメント'18』のオープニング曲は、『NNNドキュメント'14』~『NNNドキュメント'17』と同じくクリス・デ・バー作曲の"スペースマン・ケイム・トラヴェリング"(1975年)のサビの部分をアレンジしたものである。(シリーズ「戦後70年」等、戦争について扱った企画を除く。)
スタッフ
- チーフプロデューサー:原井聡明→谷原和憲→有田泰紀
- プロデューサー:桂知子、加藤就一、今村忠
- ディレクター:境一敬
- 編集:佐藤幸一
ネット局
放送対象地域 | 放送局 | 系列 | 放送日時 | 備考 |
---|---|---|---|---|
関東広域圏 | 日本テレビ(NTV) | NNN | 月曜 0:55 - 1:25(日曜深夜) または 月曜 0:55 - 1:50(日曜深夜) |
NNN基幹局 |
北海道 | 札幌テレビ(STV) | |||
青森県 | 青森放送(RAB) | |||
岩手県 | テレビ岩手(TVI) | |||
宮城県 | ミヤギテレビ(MMT) | 1970年10月4日開始。 1970年9月27日まで仙台放送で放送。 | ||
秋田県 | 秋田放送(ABS) | |||
山形県 | 山形放送(YBC) | |||
福島県 | 福島中央テレビ(FCT) | 1971年10月3日開始。 1971年5月30日まで福島テレビで放送。 | ||
山梨県 | 山梨放送(YBS) | |||
長野県 | テレビ信州(TSB)[5] | 1984年10月1日開始[6]。 開始から1987年4月13日までは遅れネット。1987年4月26日からは同時ネット[7]。 | ||
新潟県 | テレビ新潟(TeNY) | 1981年4月5日開始。 1981年3月29日まで新潟総合テレビで放送。 | ||
静岡県 | 静岡第一テレビ(SDT) | 1979年7月1日開始。 1978年7月2日から1979年6月24日まで 静岡けんみんテレビで放送。 | ||
富山県 | 北日本放送(KNB) | |||
石川県 | テレビ金沢(KTK) | 1990年4月2日未明(1日深夜)開始。 | ||
福井県 | 福井放送(FBC) | NNN / ANN (クロスネット) |
||
中京広域圏 | 中京テレビ(CTV) | NNN | 1973年4月1日開始。 1973年3月25日まで名古屋テレビで放送。 | |
近畿広域圏 | 読売テレビ(ytv) | |||
鳥取県・島根県 | 日本海テレビ(NKT) | 1972年9月24日までは鳥取県のみ、 1972年10月1日以降は島根県も加わる。 | ||
広島県 | 広島テレビ(HTV) | |||
山口県 | 山口放送(KRY) | |||
徳島県 | 四国放送(JRT) | [8] | ||
香川県・岡山県 | 西日本放送(RNC) | 1983年3月27日までは香川県のみ、 1983年4月3日以降は岡山県も加わる。 | ||
愛媛県 | 南海放送(RNB) | |||
高知県 | 高知放送(RKC) | |||
福岡県 | 福岡放送(FBS) | 佐賀県も取材対象。 1990年10月7日から1991年3月31日まで 長崎県も取材対象。 | ||
長崎県 | 長崎国際テレビ(NIB) | 1991年4月8日未明(7日深夜)開始。 1990年10月1日未明(9月30日深夜)までテレビ長崎で放送。 | ||
熊本県 | くまもと県民テレビ(KKT) | 1982年4月4日開始。 1982年3月28日までテレビ熊本で放送。 | ||
大分県 | テレビ大分(TOS) | NNN / FNN (クロスネット) |
1970年4月5日開始。[9] | |
鹿児島県 | 鹿児島読売テレビ(KYT) | NNN | 1994年4月4日未明(3日深夜)開始。 1994年3月28日未明(27日深夜)まで鹿児島テレビで放送。 | |
宮崎県 | テレビ宮崎(UMK) | FNN / NNN / ANN (クロスネット) |
不定期 | 正式放送開始は2006年4月3日未明(2日深夜)から。 (以降、不定期ネット) |
沖縄県 | 沖縄テレビ(OTV) | FNN | 月曜 2:15 - 2:45(日曜深夜)[10] | 49日(7週)遅れ。 唯一のNNN非加盟局。 「NNN」の冠を外して放送。 |
日本全域 | 日テレNEWS24 | CSデジタル | 日曜 5:00 - 5:30 または 日曜 5:00 - 6:00 (再放送) 月曜 0:00 - 0:30(日曜深夜) または 月曜 0:00 - 1:00(日曜深夜) (1週間遅れでの放送) |
「BREAKING NEWS」・「地震速報」が 入った場合等は中断または休止されることがある。 |
BS日テレ | BSデジタル | 日曜 11:00 - 11:30 または 日曜 11:00 - 11:55 (1週間遅れでの放送) |
参加局ではないが、 2010年4月4日より放送開始。 |
- その他のネット局
- 石垣ケーブルテレビ(沖縄テレビの石垣島中継局が開局するまでは制作に参加していたことがある)
- NHK BSプレミアムで、2015年9月28日に放送された「ザ・ベストテレビ2015」では、中京テレビ製作の「マザーズ~特別養子縁組と真実告知」が放送された。これは、この回が「日本放送文化賞」を受賞した為。
ネット局に関する備考
- 北日本放送は、1976年頃の一時期は火曜23:50からの遅れネットだった[11]。
- 鹿児島テレビ(KTS)は、1992年4月の改編に伴い日本テレビ系の深夜番組枠が廃止されたが、それ以降も当番組のみが残存。鹿児島読売テレビ(KYT)開局直前の1994年3月28日未明(27日深夜)まで引き続き放送された。
特記事項
2011年10月は日本テレビ系列フルネット28局[12]にて、「ラグビーワールドカップ2011」中継の関係で3週連続して通常の放送時間での放送が不可能だったため、以下のような措置がとられた。
- 10月10日放送分(30分枠):10月3日放送分(30分枠)の直後に続けて振替放送。結果、10月3日は60分枠での放送。日テレNEWS24では10月9日にこの60分枠を18:00 - 19:00に放送。
- 10月17日放送分(55分枠):10月22日 10:30 - 11:25[13]に振替放送。日テレNEWS24では10月30日にこの55分枠を18:00 - 19:00に放送。
- 10月24日放送分(30分枠):10月31日の通常の放送時間帯で振替放送を行った後に、10月31日放送分(30分枠)を放送。結果、10月31日は60分枠での放送。日テレNEWS24では11月6日にこの60分枠を18:00 - 19:00に放送。
- 日テレNEWS24における10月17日・24日の通常の放送時間帯には、何れも15:00から放送の「ニュース30+」を19:00まで延長して放送。
- BS日テレでは日本テレビ系列フルネット28局で本来放送されるはずの日の放送分を、何れもその6日後の日曜日11:00から放送。
脚注・出典
- ↑ 『“NNNドキュメント” 放送開始40年』 - 日本テレビ放送網 2010年1月25日
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 日本テレビ放送網 『大衆とともに25年 -沿革史-』、1978年、244-245頁。
- ↑ 特別番組やスポーツ中継の延長など、日本テレビ系列の編成によってはさらに放送開始時間が遅れる場合がある。
- ↑ 『2010年1月25日 日本テレビ 定例記者会見』 - 日本テレビ放送網 2010年1月25日 (PDF)
- ↑ 1991年3月31日まではNNN/ANNのクロスネット
- ↑ 1984年10月1日 信濃毎日新聞 テレビ欄
- ↑ 1987年4月13日、4月26日 信濃毎日新聞 テレビ欄
- ↑ 2016年8月15日は、TBS制作『リオデジャネイロオリンピック 女子フルマラソン』を同時ネットしたため、同日放送分は8月15日3:42 - 4:12に時差ネット。
- ↑ 編成上の都合により、月曜未明(日曜深夜)ではなく翌日以降の未明帯(火曜あるいは金曜の未明帯が多い)に放送となる場合がある。
- ↑ 編成上の都合により放送時間が変更されることがある。
- ↑ 富山新聞 1976年6月22日付朝刊テレビ欄より。
- ↑ もともと単独加盟だった、現在はテレビ朝日系列(サブ)とのクロスネット局である福井放送も含む。
- ↑ 当該時間帯はローカル枠につき、日本テレビ・山形放送・福島中央テレビ・テレビ新潟以外では別日時での放送となった。
関連項目
- FNSドキュメンタリー大賞&ザ・ノンフィクション(FNN)
- テレメンタリー(ANN)
- e-JNN
- アフリカン・シンフォニー(番組テーマ曲として使用歴あり)
外部リンク
- NNNドキュメント
- 「NNNドキュメント」インタビュー(テレビコ)