NHKスペシャル
『NHKスペシャル』(エヌエイチケイスペシャル)は、NHKのドキュメンタリー番組。略称は「Nスペ」。単発のドキュメンタリーを制作・放送していたNHK特集に代わり、1989年4月2日放送開始。原則、毎週日曜日の21:00 - 21:50に放送するが時間枠を拡大したり他の曜日・時間に放送することもある。再放送は、火曜・水曜深夜。多くはハイビジョン放送である。
本項では前身である『NHK特集』(エヌエイチケイとくしゅう)についても記述する。
Contents
NHK特集
1976年4月に放送を開始。ドキュメンタリーを中心とした特集番組として放送を開始した。第1回は「氷雪の春〜オホーツク海沿岸飛行〜」[1]を4月8日に放送する予定だったが緊急特番「総理にきく ロッキード事件と今後の政局運営」が編成されたため、翌週の4月15日に改めて放送された。NHK内に事務局を設けており基本的にNHKの誰もが企画発案ができ、採用されると制作できる。ニュースセンター9時同様、1970年代に起きたNHKの内部改革のひとつとされる。NNNドキュメント・JNN報道特集と並んで「ドキュメンタリー御三家」の一つに数えられた。重大ニュースがあった日は19:30または20:00からNHK特集のタイトルでニュースセンター9時のキャスターが出演し、ニュースセンター9時のスタジオから放送する時もあった。「N特」時代には月曜・金曜20時からの定時放送を中心に年間100〜150作品を放送していた。
冒頭のタイトルは原則として黒又は青の無地に「NHK特集」の文字を白抜きで表示した。後には黄土色を主とした文様の地を用い、文字にグラデーションを施すバリエーションもあった。
放送曜日と放送時間の変遷
- 1976年4月 - 1978年3月:木曜 20:00 - 20:50(レギュラー放送時間)
- ただし、国会・選挙・政治関連・事故・事件・災害等の場合は、7時の『NHKニュース』(現・『NHKニュース7』)の後か、あるいは19時30分のレギュラー番組終了後の20時からNHK特集のタイトルを出して、ニュースセンター9時のスタジオから関連するニュースを放送したり、または日曜に放送されていた「政治討論会」(現・日曜討論)のように、各政党の代表者、幹事長等を集めて討論するといった具合であった。1979年4月からはNHK特集のタイトルに代えて「ニュースセンター特集」のタイトルとなり、1988年3月まで続いた。
- 1978年4月 - 1984年3月:月曜 20:00 - 20:50、金曜 20:00 - 20:50
- 1984年4月 - 1989年3月:月曜 20:00 - 20:45、金曜 20:00 - 20:45、日曜 21:00 - 21:50
NHKスペシャル
1989年4月にNHKスペシャルへとタイトル変更。その最初の大型シリーズとして「驚異の小宇宙 人体」が企画された。
基本的には最近の時事問題を中心として鋭いメスを入れた硬派のドキュメントを単発、または数回かけて放送している他、年に2〜3作品程度、大型のシリーズ企画や連続シリーズものを放送する。
1989年度から2007年度放送分まで冒頭に5秒前後のオープニング映像が流れ、この間に2001年度、2004年度に変更されている。2006年放送の「東京カワイイ★ウォーズ」が初めてオープニングタイトルを省略して放送、2007年「失われた文明 インカ・マヤ」シリーズのタイトル無し放送などの不統一な時期を経て、2008年度〜2011年度放送分は共通のオープニングを用いず、本編の映像を背景に番組ロゴを重ねる形式となった。表示方法は個々の番組に合わせた趣向が凝らされることがあった。2012年度放送分から再度オープニング映像が放送され、番組内容に応じて黒または白を基調とした映像が流れる[2]。
アナログ放送・国際放送では4:3のほかに16:9あるいは14:9の映像比率で放送されているものもある。また、国際放送NHKワールドTVでは当初、英語主音声または副音声による2か国語放送も実施(英語字幕テロップも加えられる)していたが、現在は英語音声の完全吹き替え・英語テロップ差し替えで「NHK Documentary」のタイトルで放送されている。
企画によっては、アドバンス メディアミックスと称し、番組制作に伴って得られた映像、情報や人脈を、NHKエンタープライズなどを通じて、放送以外のイベント・書籍・映像ソフトなどに再利用し[3]、そこからの見込まれる収益を制作費の一部に充てた。メディアミックスはNHKの経営方針の重点項目とされ、盛り込まない企画は採用されにくい時期もあったようである。
放送時刻・時間の推移
日曜21:00の放送枠はNHK特集時代から現在まで変更されていない[4]。1992年度までは日曜の放送に加えて、他の曜日のレギュラー番組を差し替えて放送する2通りの放送スタイルを採っていた。1993年度からは金曜21:30から50分の定時枠を加えて週2回の放送になり、再放送は日曜11:00と土曜13:50。2000年度からは土曜・日曜21:00の定時放送となり、再放送が深夜に移行した[5]。
2006年度に土曜の定時放送枠を廃止し、日曜の定時放送と、追加で随時平日22時台に放送する形をとった[6]。2007・2008年度は日曜21時と月曜22時を基本に、不定期に金曜22時にも放送した。2009年・2010年度は日曜のみ放送し、土曜に派生番組を編成していたが、2011年から毎週土曜の19:30 - 22:15(途中20:45 - 21:00NHKニュースを挟んだ2部構成)に単発番組枠が組まれたため、不定期で土曜日の放送(主として21時からの第2部。まれに長時間特集・討論などにより19:30からの第1部も)が行われる。
その他に祝祭日や特定の記念日には関連する内容を取り上げて放送したり、過去に放送したものの中から適するものを再放送することがある。
基本の定時放送枠は50分[7]である。なお海外への販売を見据えて2004年10月から2006年3月には52分にした時期があり[8]、以後も時々52分とすることがある。この際には、1分の番組宣伝枠を挟んで後続の『サンデースポーツ』を21:53開始としていた。
関連番組
長期連続シリーズについては、青少年向けに再構成したものを『NHKジュニアスペシャル』として教育テレビジョンで放送していた。科学的な内容のものは、NHKスペシャルの放送に前後して『サイエンスZERO』でも視点を変えて放送されることがある。
同一テーマについてNHKスペシャルとNHK BSハイビジョンで放送される「ハイビジョン特集」で制作されることもある。「ハイビジョン特集」のダイジェスト版(ハイビジョン特集では90〜120分のものを50〜60分に編集)としてNHKスペシャルを放送したり、先に地上波向けにNHKスペシャルとして放送したものに素材を追加して拡充したうえで「ハイビジョン特集」などで放送されることもある。
2011年4月からはAKB48の篠田麻里子をナビゲーターとしたコラボレーション番組『麻里子さまのおりこうさま!』を放送。2012年10月6日からはNHKスペシャルの予告的な番組として5分間に凝縮した『Nスペ5min.』が総合テレビが放送前日の土曜日22:55 - 23:00に、NHKワールド・プレミアムでも放送日当日の日曜日18:55 - 19:00に放送され(ただし大相撲中継期間中、同中継が2分以上延長した場合は時間変更または休止。また権利上の理由で放送できない回がある場合でも休止となる)、NHKワールドTVでも同内容を英語化し「NHK Documentary 5min.」として放送する。
2009年度の番組改編
2009年4月、2年ぶりに定時放送を週一回、日曜に限る一方でNスペから派生した新番組2本が編成された。いずれも土曜日の放送で、キャッチフレーズは『Nスペが細胞分裂』。ひとつは報道色の強い『追跡!AtoZ』であり、『週刊こどもニュース』を担当していた鎌田靖解説委員が進行する。もうひとつは『ワンダー×ワンダー』で、山口智充と神田愛花アナウンサーが進行する。
2011年から土曜日19:30 - 22:15に2本の単発枠(原則75分)が編成されることになった。このうち『ワンダー×ワンダー』は年4回程度季節ごとに前半枠(19:30 - 20:45)の特番として放送していたが、同年12月24日を以て放送終了。『追跡 - 』は事実上終了し、日曜の定時枠のほか、主に土曜日21:00 - 22:15(まれに19:30 - 20:45も)の特番枠など随時編成し、鎌田もその進行役で出演する。同年12月に、タイトルを「追跡!真相ファイル」とリニューアルして不定期放送ながら再スタートした。この単発枠は事実上2013年3月に終了となったが、2013年4月以後の改編では、随時「土曜ドラマ」と交互(基本的に前の作品と次の作品の谷間の週 基本21:00 - 22:00だが、作品により21:50まで)で放送されていたが、2015年4月から「土曜ドラマ」を土曜日22:00 - 22:45に繰り下げることになったため、当番組は土曜日21:00 - 21:50に毎週放送されることになったが、2016年度は23時台を単発番組枠(NHK番組たまごの開発枠)とするための兼ね合いから、随時『土曜ドラマ』(基本21:00-22:15、作品の尺により-21:50)と交互に入れ替えて放送することになり、レギュラー放送は日曜のみに戻ることになった。
主なシリーズ企画
「NHK特集」時代
- 明治の群像 海に火輪を(1976年)
- 日本の戦後(1977年 - 1978年)
- シルクロード(第1部:1980年、第2部:1983年 - 1984年) 音楽:喜多郎
- 日本海中部地震の記録 1983年9月30日
- 21世紀は警告する[9](1984年 - 1985年) 初めてCGキャラクターが進行役を務める。
- 人間は何を食べてきたか(1985年 - 1994年)[10]
- ルーブル美術館(1985年 - 1986年)
- 大黄河(1986年) 音楽:宗次郎
- 地球大紀行(1987年) 音楽:吉川洋一郎
- 海のシルクロード(1988年 - 1989年) 音楽:S.E.N.S.
- 地球汚染 (1989年) 音楽:S.E.N.S.
- 激動の記録
「NHKスペシャル」時代
1989年・1990年代
- 1989年
- 1990年
- 社会主義の20世紀
- 銀河宇宙オデッセイ 音楽:HARU(高内春彦)
- 大英博物館 音楽:大島ミチル
- 第2次交通戦争・なぜ日本で死者が減らないのか(4月14日)
- 緊急・土地改革 地価は下げられる(10月10日 - 14日)
- 1991年
- 電子立国日本の自叙伝
- マルチェロ・マストロヤンニのフィレンツェルネサンス音楽 音楽:菅野由弘
- アインシュタインロマン プレゼンター:ミヒャエル・エンデ(声の出演・奥田瑛二)、音楽:篠原敬介
- FASHION DREAM 音楽:岩代太郎
- 1992年
- 人間は何を食べてきたか 海と川の狩人たち
- ナノ・スペース 超ミクロ宇宙への旅 音楽:坂田明
- プラド美術館
- 大モンゴル 音楽:冨田勲
- 奥ヒマラヤ禁断の王国・ムスタン(9月30日・10月1日、全2回)
- コロンブス 大航海の時代
- 海・大紀行
- ザ・スペースエイジ 宇宙への挑戦(1992年 - 1993年)
- ドキュメント太平洋戦争(1992年 - 1993年)
- 1993年
- 驚異の小宇宙 人体II 脳と心 音楽:久石譲
- チベット死者の書 音楽:本多俊之、監修:中沢新一
- テクノパワー〜知られざる建設技術の世界 音楽:千住明
- 1994年
- 中国〜12億人の改革開放 音楽:菅野よう子
- 生命40億年はるかな旅 音楽:大島ミチル
- 始皇帝(THE FIRST EMPEROR)
- 1995年
- 1996年
- 故宮 〜至宝が語る中華五千年〜:S.E.N.S.
- 1997年
- 1998年
- マネー革命
- 海・知られざる世界 音楽:岩代太郎
- ブッダ 大いなる旅路 音楽:中村幸代
- 1999年
2000年代
- 2000年
- 四大文明 音楽:喜多郎
- 2001年
- 21世紀・日本の課題(2001年 - 2004年、のちの『日本の、これから』)
- 宇宙 未知への大紀行 音楽:東儀秀樹、野見祐二
- 日本人 はるかな旅 音楽:吉田潔
- アフリカ 21世紀
- アジア古都物語
- 2002年
- 2003年
- 2004年
- データマップ 63億人の地図
- ローマ帝国 音楽:渡辺俊之
- 地球大進化〜46億年・人類への旅(全6回) 音楽:土井宏紀
- 21世紀の潮流(2004年 - )
- 2005年
- 日本の群像・再起への20年
- 新・シルクロード
- 明治(全4回) 音楽:本多俊之
- 2006年
- 同時3点ドキュメント(全8回)音楽:Infinix
- ドキュメント北朝鮮
- プラネットアース(2006年 - 2007年) 音楽:ジョージ・フェントン
- 危機と闘う テクノクライシス(全3回)
- ラストメッセージ(2006年 - 2007年)
- 2007年
- 新・シルクロード 激動の大地をゆく テーマ音楽:ヨーヨー・マ
- 激流中国(2007年 - 2008年)
- 失われた文明 インカ・マヤ 音楽:羽毛田丈史
- にっぽん家族の肖像(7回)
- 世界里山紀行 音楽:梶浦由記
- 2008年
- 2009年
- エジプト発掘 音楽:池頼広
- 揺れる大国 プーチンのロシア(全4回)
- マネー資本主義 音楽:細野晴臣
- インドの衝撃
- JAPANデビュー
- 日本海軍 400時間の証言(全3回)
- チャイナパワー(全3回)
2010年代
- 2010年
- MEGAQUAKE 巨大地震(1月 - 3月、全4回) 音楽:菅野祐悟
- ミラクルボディー(2月7日・12日・14日、全3回)
- アフリカンドリーム(4 - 6月、全3回) 音楽:羽毛田丈史
- 日本と朝鮮半島[12](4 - 8月、全5回)
- ポスト恐竜 6500万年の戦い(7 - 8月、全2回)
- 灼熱アジア(8 - 9月、全4回) 音楽:川井憲次
- 日本列島 奇跡の大自然(10月、全2回) 音楽:高見優、横山克
出典は平成22年度 国内放送番組 編成計画(PDFファイル)による。
- 2011年
- 日本人はなぜ戦争へと向かったのか(1 - 3月、全4回) 音楽:加古隆
- ホットスポット 最後の楽園(1 - 6月、プロローグ含め全7回) 音楽:佐藤直紀
- 東日本大震災(3月 - ) NHKワールド・プレミアムではこのシリーズのみノンスクランブル放送を実施。
- 検証・原発危機(2011年6月 - )
- 未解決事件(7月29日・30日、全2回) テーマ曲:おおたか静流、音楽:川井憲次
- 日本新生(8月 - 毎月1回放送) 『日本の、これから』の後継番組
- 2012年
- ヒューマン なぜ人間になれたのか(1月 - 2月、全4回)
- 未解決事件(5月26日・27日、全2回) テーマ曲:おおたか静流、音楽:川井憲次
- MEGAQUAKEII 巨大地震(4月 - 6月、全3回) 音楽:菅野祐悟
- 宇宙の渚(4月 - 6月、全3回) テーマ曲:アンジェラ・アキ、音楽:羽毛田丈史
- 知られざる大英博物館(6月 - 7月、全3回) 音楽:岩代太郎
- ミラクルボディー(7月14日 - 16日、全3回)
- フローズンプラネット(8月、全2回)
- 中国文明の謎(10月 - 12月、全3回) 音楽:松谷卓
- メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオ(10月27日・28日、全2回)
- 2013年
- 激動イスラム(2月23日・24日、全2回)
- 魂の旋律 音を失った作曲家(3月31日)
- MEGAQUAKEIII 巨大地震(4月 - 9月、全4回) 音楽:菅野祐悟
- メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオII(5月11日・12日、全2回)
- 未解決事件(6月9日) テーマ曲:おおたか静流、音楽:川井憲次
- 病の起源(5月 - 10月、プロローグ含め全5回) 音楽:羽毛田丈史
- 深海の巨大生物(7月27日・28日、全2回) 音楽:久石譲
- 神の数式(9月21日・22日、全2回)
- 中国激動(10月6日・13日、全2回)
- 認知症800万人時代(11月23日・24日、全2回)
- 2014年
- 遷宮(1月1日・2日・4日、全3回)
- ジャパン ブランド(1月11日・12日、11月8日・9日、全4回)
- 金メダルへの挑戦(1月26日・2月1日・2日、全3回) 音楽:やまだ豊
- 廃炉への道(4月20日・25日、全2回)
- 認知症800万人時代(5月11日・7月20日、全2回)
- エネルギーの奔流(5月24日・25日、全2回)
- ミラクルボディー サッカー・FIFAワールドカップ(6月1日・8日、全2回)
- 故宮(6月28日・29日、全2回)
- 巨大災害 MEGA DISASTER 地球大変動の衝撃(8月 - 11月、全5回) 音楽:和田貴史
- ホットスポット 最後の楽園 season2(10月 - 2015年3月、プロローグ含め全7回)
- 2015年
- NEXT WORLD 私たちの未来(1月 - 2月、全5回) テーマ曲:サカナクション
- 阪神・淡路大震災20年(1月17日・18日、全2回)
- 未解決事件(3月20日・22日、全2回) テーマ曲:おおたか静流、音楽:川井憲次
- 戦後70年 ニッポンの肖像(1月 - 8月、全10回) 音楽:得田真裕
- 生命大躍進(5月 - 7月、全3回) 音楽:横山克
- 巨大災害 MEGA DISASTER II(9月 - 2016年4月、全4回) 音楽:和田貴史
- アジア巨大遺跡(10月 - 11月、全4回) テーマ曲:中村幸代
- 新・映像の世紀(10月 - 2016年3月、全6回) 音楽:加古隆
- 2016年
- 激動の世界(1月、全3回)
- ミラクルボディー(7月16日・17日・20日、全3回)
- 未解決事件(7月23日・24日、全2回) テーマ曲:おおたか静流、音楽:川井憲次
- 大アマゾン 最後の秘境(4月 - 8月、全4回) 音楽:佐藤正治
- 金メダルへの道(8月3日・4日、全2回)
- DEEP OCEAN(2016年8月 - 2017年8月、全3回)
- MEGA CRISIS 巨大危機(2016年9月 - 2017年1月、全4回)
- マネー・ワールド(10月16日・22日・23日・2017年4月2日、全4回)
- ドラマ 東京裁判(12月12日 - 15日、全4回)日本・オランダ・カナダの共同制作。音楽:中島ノブユキ
- 2017年
- 激震“トランプ”時代(4月22日・23日、全2回)
- ニッポンの家族が非常事態!?(6月10日・11日、全2回)
- 列島誕生 ジオ・ジャパン(7月23日・30日、全2回)
- 人体 神秘の巨大ネットワーク
今後の予定
- 古代遺跡透視(2016年4月 - )
- プラネットアースII(2016年12月 - )
- MEGA CRISIS 巨大危機II(2017年9月)
記念日放送
定時放送以外にもテーマに応じて不定期で編成をする他、毎年ある特定の日にも、その日にちなんだテーマを色々な切り口で取りあげる。その時の編成の都合も考慮し、放送時間・放送日が異なる事もある。
- 1月1日 - 元旦、今後の見通しについての討論など
- 1月17日 - 阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)
- 3月11日とその前の数日間 - 東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)
- 6月23日 - 沖縄戦
- 8月6日 - 広島市への原子爆弾投下
- 8月9日 - 長崎市への原子爆弾投下
- 8月15日 - 終戦の日
- 9月1日 - 防災の日
東日本大震災関連
2011年3月11日に発生した東日本大震災に関して、直後の3月13日から、被害状況や復興の道筋について随時取り上げた。1周年となる2012年は、3月3日から11日にかけて連日放送を行った。その後の年も3月11日を挟んで福島第一原子力発電所事故や、地震についてその後分かった知見、復興について取り上げる複数の番組を放送している。
その他
- 2011年9月9日 - 「緊急報告 記録的豪雨の衝撃」(総合テレビ、NHKワールド・プレミアム同時放送。総合テレビはリアルタイム字幕放送を実施。NHKワールド・プレミアムではノンスクランブル放送を実施)
- 2013年1月13日 - 「世界初撮影! 深海の超巨大イカ」(NHK・NHKエンタープライズ・ディスカバリーチャンネルの共同制作) 音楽:久石譲
- 同年1月6日、世界初となるダイオウイカの生きている姿の撮影に成功した。その葛藤と撮影成功までの道のりまでを放送。16.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)の高視聴率を記録した。この放送後、反響が非常に大きかったため、同年5月2日にも再放送を実施。また、シリーズ「深海の巨大生物」の放送や映画化へと繋がってゆく。
- 2014年
- 5月11日 - 「“認知症800万人”時代 行方不明者1万人〜知られざる徘徊の実態〜」
- この回では認知症による徘徊症状のために行方不明になった人や認知症との向き合い方などに関しての放送を行った。その中で、群馬県館林市の館林駅前で2007年に保護されるも認知症のために自分が伝えた氏名と衣服に書いてあった氏名が食い違い、身元不明のまま館林市内の介護施設に保護されている女性について取り上げたところ、この番組を視聴した人物から情報が寄せられ、元ニッポン放送の柳田三重子アナウンサーと判明。放送の翌日、7年ぶりに夫との対面を果たした[13][14]。第62回菊池寛賞受賞。
- 8月22日 - 「緊急報告 広島 同時多発土砂災害」
- 多数の死者・行方不明者を出した平成26年8月豪雨による広島市の土砂災害の被害を受けて急遽制作された。キャスターは瀧川剛史(アナウンサー)、コメンテーターは池谷浩(政策研究大学院大学特任教授)が担当。
- 明治から戦前の昭和期までのモノクロ映像をフランスの映像会社協力の下カラー化した。この番組の制作に2年を費やしたという。白黒映像のカラー化は反響が大きく、2度の再放送が行われた。第63回菊池寛賞受賞。
- 2015年
- 8月15日 - 「カラーでみる太平洋戦争〜3年8か月・日本人の記録〜」
- モノクロ映像のカラー化プロジェクト第2弾。終戦70年を記念し、太平洋戦争・第二次世界大戦期の日本をカラー映像化した。第63回菊池寛賞受賞。
- 9月12日 - 「緊急報告 列島大水害」
- 平成27年台風第18号の影響に伴う豪雨が栃木県・茨城県・宮城県を襲い、甚大な被害を受けて急遽制作された。キャスターは高瀬耕造(アナウンサー)、コメンテーターは関根正人(早稲田大学教授)、片田敏孝(群馬大学工学部社会環境デザイン工学専攻教授)が担当。この影響で、『ブラタモリ』の放送が延期された。
- 11月20日 - 「パリ同時テロ事件の衝撃」
- 11月13日にパリ同時多発テロ事件が発生し、急遽制作された。キャスターは大越健介(アナウンサー)、コメンテーターは鴨志田郷が担当。この影響で、『ファミリーヒストリー』の放送が延期された。
- 2016年
- 3月26日 - 「欧州緊迫 ベルギー連続テロ事件」
- 3月22日にベルギー連続テロ事件が発生し、急遽制作された。
- 4月16日 - 「緊急報告 熊本地震『震度7 活断層の脅威』」
- 2017年
- 5月21日 - 「発達障害 〜解明される未知の世界〜」
- 7月9日 - 「九州北部 記録的豪雨はなぜ」
- 九州北部の記録的豪雨を受けて急遽制作された。キャスターは阿部渉(アナウンサー)、コメンテーターは島川英介(社会部担当記者)、片田敏孝(東京大学大学院情報学環特任教授)が担当。
NHKオンデマンドによる配信
NHKが運営するビデオ・オン・デマンドサービスの「NHKオンデマンド」において、NHK特集時代も含め、過去に放送された番組の一部を「見逃し番組サービス」・「特選ライブラリー」の双方で配信期間を設けて有料配信している。
社会問題となった作品
NHKを代表するドキュメンタリー番組として評価を受けている一方、以下の問題が発生している。
- 奥ヒマラヤ禁断の王国・ムスタン(1992年)
- 取材地であるムスタン王国・ヒマラヤ山脈の気候の厳しさを過剰に表現するため、スタッフに高山病にかかった演技をさせる、馬が死んだ事にする、流砂や落石を人為的に発生させるなどのやらせが、朝日新聞のスクープによって、大きな社会問題となった。この問題では、NHKで初めてとなる訂正番組の放送と川口幹夫NHK会長の謝罪が行われた[15]。しかし、当時NHKスペシャルのディレクターを務めていた池田信夫によると、担当ディレクターは「あれで辞めるなら、あなたの作った昔の番組はどうなのか」と開き直り、辞職しなかったという[16]。
- 奇跡の詩人(2002年)
- 脳障害を抱えた11歳の少年を取り上げ、民間治療によって文字盤の指差しによる意思疎通を可能にした姿を報じたが、その放送内容の非科学性や紹介された題材にかかる検証の欠如が社会的な議論を巻き起こした。この問題は、国会質問でも取り上げられたが、NHKは『土曜スタジオパーク』内の一コーナーで「信憑性を否定する事実は無い」と弁明するにとどまった。なお、作品の再放送は取りやめられ、NHKオンライン上でも放送内容は削除されている。
- JAPANデビュー(2009年)
- 4月から6月にかけて放送されたNHKスペシャル シリーズ 「JAPANデビュー」が、NHKによる捏造・偏向報道であるという批判が視聴者から[17]だけではなく、台湾統治時代を扱った第1回放送分「アジアの“一等国”」では、取材を受けた台湾、日本の出演者からも「NHKに騙された」などの抗議が巻き起こった[18][19]。この抗議は台湾人150人を含む1万人を超える原告団による集団訴訟に発展した[20]。
- 魂の旋律〜音を失った作曲家〜(2013年)
- 「現代のベートーヴェン」と称される作曲家・佐村河内守が、聴覚障害で音が全く聞こえない中で、作品を制作する姿を取り上げた。しかし、『週刊文春』2014年2月13日号「全聾の作曲家はペテン師だった!」のスクープ記事で、捏造が発覚した。2014年に佐村河内の作品が本人の執筆でなく、新垣隆が作曲していた事が判明し、聴覚障害も虚偽であったと判明。長期取材をしていた担当ディレクター古賀淳也や、NHK側の制作部もその事実を知っていたのではないかと取り沙汰された。池田信夫は「100%嘘を放送したのは、Nスペ始まって以来の事件」と指摘しており[15]、自身のブログでNHK内の試写の段階で気付かないとは思えないという旨を述べた上で、「NHKの取り柄は品質管理が厳重なことだけなので、そこにこういう重大な欠陥があったとすれば、存在意義が疑われる」と厳しく批判した[21]。この影響で、NHKオンラインから当該内容の大部分が削除され、NHKオンデマンドではビデオ・オン・デマンドサービスが中止された。
- 調査報告 STAP細胞 不正の深層(2014年)
- 2014年1月科学誌『ネイチャー』に掲載された小保方晴子、若山照彦、チャールズ・バカンティらによるSTAP細胞(刺激惹起性多能性獲得細胞)に関する論文の発表から撤回に至るまでの一連の騒動について検証した特集を放送した。この放送に対し小保方は、「ES細胞を『盗み』、それを混入させた細胞を用いて実験を行っていたと断定的なイメージの下で作られたもので、極めて大きな人権侵害があった」などと訴え、放送倫理・番組向上機構(BPO)に申立書を提出。その訴えに、放送倫理・番組向上機構は番組内に「場面転換のわかりやすさや場面ごとの趣旨の明確化などへの配慮を欠いたという編集上の問題があった」とし「そのような編集の結果、一般視聴者に対して、単なるES細胞混入疑惑の指摘を超えて」若山研究室の「元留学生作製の細胞を申立人が何らかの不正行為により入手し、これを混入してSTAP細胞を作製した疑惑があると指摘したと受け取られる内容となってしまっている。」として「これについては真実性・相当性が認められず、名誉毀損の人権侵害が認められる。」として、再発防止に努めるよう日本放送協会に勧告した。人権侵害による勧告は委員会の判断としては最も重い[22][23][24]。
受賞
- 『驚異の小宇宙 人体』(1989年6月10日 - 9月12日放送) - 第17回日本賞、日本電子機械工業会賞
- 『ドキュメント太平洋戦争(4)責任なき戦場〜ビルマ・インパール』(1993年6月13日放送) - 文化庁芸術作品賞 / 第30回ギャラクシー賞テレビ部門奨励賞
- 『チベット死者の書』(1993年放送) - 国際ホスピス学会ベスト・ドキュメンタリー賞受賞
- 『映像の世紀』(1995年3月25日 - 1996年2月24日放送) - 1995年度 毎日芸術賞 / 1995年度 放送文化基金個人グループ部門賞
- 『原爆投下・10秒の衝撃』(1998年8月6日) - 文化庁芸術祭 優秀賞 / 科学放送賞(高柳賞)グランプリ / 第36回ギャラクシー賞優秀賞 / 第19回デジタルコンテンツグランプリ1998・CG部門・インダストリー賞
- 『驚異の小宇宙 人体III 遺伝子』(1999年5月2日 - 8月11日放送) - 第17回国際科学番組フェスティバル 科学映像賞(「ユネスコ賞」) / 第43回 ザ・ニューヨーク・フェスティバルズ2000 科学部門ゴールドワールドメダル / 第1回 北京国際科学映像祭 医学・健康部門金賞 / 第41回 科学技術映像祭 科学技術長官賞
- 『四大文明』(2000年7月9日 - 8月19日放送) - ハイビジョン・アウォード2000 郵政大臣賞
- 『トラック・列島3万キロ 時間を追う男たち』(2004年7月18日放送) - 第31回 放送文化基金賞 テレビドキュメンタリー番組賞
- 『老化に挑む 〜あなたの脳はよみがえる』(2004年9月18日放送) - ニューヨーク・フェスティバル2006 健康・医学部門銀賞
- 『安全の死角 〜検証・回転ドア事故〜』(2005年3月27日放送) - 第47回 科学技術映像祭 内閣総理大臣賞。六本木ヒルズ・大型回転ドアでの幼児死亡事故について。
- 『沖縄 よみがえる戦場 〜読谷村民2500人が語る地上戦〜』(2005年6月18日放送) - 2005年度 日本ジャーナリスト会議賞
- 『ディープインパクト 〜無敗の3冠馬はこうして生まれた〜』(2005年10月29日放送) - 2005年JRA賞馬事文化賞
- 『立花隆 最前線報告 サイボーグ技術が人類を変える』(2005年11月5日放送) - 第27回 バンフテレビ祭 科学・自然番組部門 ロッキー賞 / 第32回 放送文化基金賞 番組賞
- 『神秘の海 富山湾 海の中までアルプスがつづく』(2006年3月11日放送) - 第48回 科学技術映像祭 内閣総理大臣賞
- 『MEGAQUAKE 巨大地震 第2回 KOBE 15秒の真実 そのとき地下で何が』(2010年1月17日放送) - 第51回 科学技術映像祭 内閣総理大臣賞
- 『無縁社会』(2010年1月31日放送) - 第58回 菊池寛賞、2010年新語・流行語大賞トップ10
- 『深海の巨大生物』(2013年7月27日・28日) - 第61回菊池寛賞
- 『カラーでよみがえる東京』『カラーでみる太平洋戦争』 - 第63回菊池寛賞[25]
他多数。
脚注・参照
- ↑ NHK特集 氷雪の春 ~オホーツク海沿岸飛行~ - NHK名作選(動画・静止画) NHKアーカイブス
- ↑ NHKスペシャル|Nスペeyes
- ↑ 「NHKスペシャル」NHKスクエア公式ホームページ
- ↑ 選挙速報等で放送を休止することもある。
- ↑ 月曜・火曜の深夜(火曜・水曜の早朝)。なお、2011年度は火曜深夜、2012年度は水曜深夜に基本的には日曜日に放送したものをリピート放送している。
- ↑ 月曜日に放送時は『プレミアム10』の企画として、火曜日から木曜日に放送時は通常編成を休止させて、金曜日に放送時は『にんげんドキュメント』とローテーション放送で金曜での放送が一番多かった。
- ↑ 正味の放送時間は49分であり、残りの1分は番組宣伝として、シリーズものであれば次回作、あるいは次回のNHKスペシャルの内容を30秒、その他の番組宣伝を30秒流す。
- ↑ 52分の放送時間は主にヨーロッパでの番組流通に適している。同じ時期に『クローズアップ現代』の放送時間が25分から26分に変更している。
- ↑ NHK特集 21世紀は警告する - NHK名作選(動画・静止画) NHKアーカイブス
- ↑ NHK特集 人間は何を食べてきたか ~食のルーツ・5万キロの旅~ - NHK名作選(動画・静止画) NHKアーカイブス
- ↑ NHKスペシャル トーク・ドキュメントシリーズ 太郎の国の物語 - NHK名作選(動画・静止画) NHKアーカイブス
- ↑ プロジェクトJAPAN NHKスペシャル シリーズ「日本と朝鮮半島」 - NHK放送総局長会見資料(PDF) 2010年3月24日
- ↑ 7年ぶり夫との再会 NHKニュース、2014年5月19日閲覧。
- ↑ 発見が遅れた背景には、群馬県警が柳田アナの本名をデータベースに登録する際、氏名を誤って登録してしまっていたこともあった。
- ↑ 15.0 15.1 池田信夫 (2014年2月12日). “NHKはなぜ「偽ベートーベン」にだまされたのか”. 日本ビジネスプレス. . 2014閲覧.
- ↑ 池田信夫 (2004年9月14日). “やらせ”. 池田信夫 blog. 2012年12月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2008閲覧.
- ↑ 【断層】潮匡人 NHK反日プロジェクトアーカイブ 2009.5.6 産経ニュース。
- ↑ 台湾歌壇がNスペに抗議「排日的と誤解与える」アーカイブ 2009.8.11 産経ニュース。
- ↑ 『台湾で広がる困惑 日本の植民地統治を批判 NHK番組』 2009年9月16日 朝日新聞朝刊(参考)。
- ↑ パイワン人も提訴、原告1万人突破 NHK台湾特集訴訟アーカイブ 2009.8.12 産経ニュース。
- ↑ NHKは本当にだまされたのか 池田信夫 blog、2014年2月6日 閲覧。
- ↑ 「STAP細胞報道に対する申立て」に関する委員会決定 放送人権委員会 委員会決定 2016年度 第62号
- ↑ 「STAP細胞報道に対する申立て」―勧 告―(全文) 2017年(平成29年)2月10日 放送人権委員会決定 第62号
- ↑ NHKスペシャル「小保方氏への人権侵害」 BPO勧告 朝日新聞デジタル 2017年2月10日付
- ↑ “吉永小百合、国枝慎吾らに菊池寛賞”. スポーツ報知 (2015年10月14日). . 2015閲覧.
関連項目
- ハイビジョン特集
- NHKアーカイブス
- 日本の、これから
- にんげんドキュメント
- BS世界のドキュメンタリー
- BSドキュメンタリー
- 追跡!AtoZ(当番組から派生した番組)
- ワンダー×ワンダー(同上)
- サイエンスZERO(NHKジュニアスペシャルの前身番組)
- ETV特集
- 地球ドラマチック
- 吉田直哉
- 未来への遺産 - NHK特集の前身と言える大型海外取材シリーズ(1974年)
外部リンク
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
NHK特集
(1984.4 - 1989.3) ↓ NHKスペシャル (1989.4 - ) |
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