NASDAQ
NASDAQ(ナスダック、National Association of Securities Dealers Automated Quotations)は、1971年に全米証券業協会(NASD)の主催で開設されたアメリカ合衆国にある世界最大の新興企業(ベンチャー)向け株式市場である。
概要
情報技術の普及・浸透により誕生した取引の一形態である。取引所とは異なり、距離の離れたマーケット事業者がコンピュータネットワークを使用して売買気配値を提示する。
近年はインターネット・情報技術関連企業がこぞって市場に参入するようになった。2000年にはインターネット・バブルにより、当市場にて算出される株価指数「ナスダック総合指数」が一時5000ポイントを超えた。2015年、ナスダック総合指数は2000年のインターネットバブル時の5000ポイント台まで回復した。
ニューヨーク市マンハッタンのタイムズスクエアの一角には上場企業の株価を100台以上の大型テレビで表示するナスダックマーケットサイトがあり、テレビメディアがここから最新の動向を伝え、巨大テレビを利用して株価を表示したりする。また、ビルの外壁一面にLEDディスプレイが取り付けてあり、広告効果が高い。
歴史
証券取引を開始した日時は1971年2月8日。世界初の電子株式市場として、世界中の注目を集めた。
その後自動取引システムを導入し、コンピューターシステムの証券取引市場であることを強調した。それにより多くの企業が集まり、取引高ランキングで世界第3位に入る巨大市場と化した。
2007年5月、スウェーデンの証券取引所運営会社OMXと経営統合で合意。同年末までに新会社「NASDAQ OMXグループ」を発足させると発表した。
2016年、アデナ・フリードマンが次期最高経営責任者に指名、アメリカの大手証券取引所運営会社のCEOを女性が務めるのは初めて [1]。
取引時間
- プレ・マーケットトレーディング時間 7:00-9:30
- 立会時間 9:30-16:00
- アフターマーケット時間 16:00-20:00
取引時間いずれも米国東部標準時(EST)
立会時間は、東部時間9:30~16:00(日本時間23:30~6:00、夏時間の場合は22:30~5:00)の「一場制」であり、日本のような「前場」・「後場」といった区分は無いが、お昼時は相場の参加者が少なくなるため、取引量が少なくなる。
市場区分
- NASDAQ Capital Market (small cap)
- NASDAQ Global Market (mid cap)
- NASDAQ Global Select Market (NASDAQ-GS Large cap)
NASDAQに上場する主な日本企業
- インターネットイニシアティブ(IIJI)
- キリンホールディングス(KNBWY)
- キユーピー(QPCPY)
- 日産自動車(NSANY)
- 任天堂(NTDOY)
- マキタ(MKTAY)
- 三井物産(MITSY)
- 東京海上ホールディングス(TKOMF)
- ワコールホールディングス(WACLY)
- 三菱電機(MISEY)
- FRONTEO(FTEO)
関連する取引所
日本でも2000年に大阪証券取引所と提携した「NASDAQ JAPAN」(ナスダック・ジャパン)市場を開設したが、24時間取引の是非やシステム上の問題なども絡み、2002年12月に提携を解消。後に「ニッポン・ニュー・マーケット ヘラクレス」に改めることとなった。 NASDAQと似ている日本における新興企業向け市場としてマザーズがある。
韓国にも新興企業向け店頭株式市場として「KOSDAQ」(コスダック)が存在したが、2005年1月26日に韓国証券取引所および韓国先物取引所と合併し、現在は「韓国取引所」(略称:KRX)となっている。
関連項目
- バーナード・L・マドフ (元NASDAQ社長にして、史上最大の金融詐欺事件の犯人)
脚注
- ↑ “ナスダック、初の女性CEO誕生へ フリードマンCOO指名” (2016年11月15日). . 2018閲覧.