MEAN (ソフトウェアバンドル)
MEAN は、ウェブアプリケーション構築のためのフリー&オープンソースのJavaScriptソフトウェア群を指す造語である[1]。2013年にMongoDBの開発者のValeri Karpovにより提唱された用語であり、MongoDB, Express, AngularJS, Node.jsの4つのアプリケーションの頭文字を取って名付けられた。
概要
MEANを採用すると、サーバサイドからクライアントサイドまでの全ての実装作業がJavaScriptとJSONのみで完結できる。従って、Webアプリにおける内部処理の全工程を単一の言語で記述でき、データベースの入出力におけるデータ変換も行う必要がない。また、サーバの役割を果たすNode.jsが、シングルスレッド、ノンブロッキングI/Oにより、省メモリかつ高速で動作する。従って、開発作業の効率化やサーバマシンの大幅な負荷低減を実現できる。これらの非常に大きなメリットを理由に、
MEANにおける開発作業を効率化するため、スクリプトをビルドするためのGrunt、クライアント・サイドの依存関係管理をするBower、Scaffolding(Webアプリケーション開発の足場となる構造の作成)を行うYoといったツールが開発され、その上でGrunt、Bower、Yoのワークフローを制御するYEOMAN等も開発されている。従って、MEANとYEOMAN等の関連ツール群は、所々に機能不足や破綻が見られるものの、
構成
MEANは以下の要素から構成される。[2]
- MongoDB: NoSQLデータベース
- Express.js: Node.jsで動作するWebアプリケーションフレームワーク
- AngularJS: Webブラウザ上で動作するJavaScriptのMVCフレームワーク
- Node.js: イベント駆動型のサーバサイド/ネットワークアプリケーション
歴史
MEANという言葉を作成したのはMongoDBの開発者のValeri Karpovである。Karpovは2013年に自身のブログでこの概念を紹介した。[2]
MEANのロゴを作成したのはAustin Andersonで、LinkedInのMEANグループのためのものであった。このロゴでは、MEANの由来を示すように、各アプリケーションの頭文字が組み合わされている。[3]
実装
- MEAN.io: MEANの最初のフレームワークの一つ。Amos HavivとLinnovateによるもの。
- MEAN.JS: Linnovateの離脱後にAmos Havivが作成したもので[4]、コミュニティによる管理が行われている[5][6]。
派生
MEANの構成要素のいくつかを他のフレームワークなどに置き換えたものが知られている。こうした例としては、AngularJSの代わりに同じくJavaScriptのMVCフレームワークであるEmber.jsを用いたMEENなどがある。[7]
関連書籍
- シングルページWebアプリケーション ―Node.js、MongoDBを活用したJavaScript SPA, Michael S. Mikowski, オライリージャパン, 2014/5/24
関連項目
脚注
- ↑ “Mean.io: The Friendly & Fun Javascript Fullstack for your next web application”. . 2016閲覧.
- ↑ 2.0 2.1 “The MEAN Stack: MongoDB, ExpressJS, AngularJS and Node.js”. Tumblr (2013年4月30日). . 2016閲覧.
- ↑ “Mean Stack”. LinkedIn. . 2016閲覧.
- ↑ “Forking out of an open-source conflict”. Tumblr (2014年2月15日). . 21 June 2015閲覧.
- ↑ http://meanjs.org/
- ↑ https://github.com/meanjs/mean
- ↑ https://github.com/YunnuY/meen
外部リンク
- meanjs.org (英語)
- mean.io (英語)
- @IT - MEANスタックで始めるWebアプリ開発入門