LGBT
女性同性愛のレズビアン、男性同性愛のゲイ、両性愛のバイセクシュアル、性同一性障害を含む肉体と精神の性別が一致しないトランスジェンダーの人々の総称。それぞれの英語表記lesbian、gay、bisexual、transgenderの頭文字を組み合わせた造語。
ゲイの人が使う場合はGLBT(ジーエルビーティー)と順番を変えることがあり、また、ほかの性的マイノリティを指すことばの頭文字と組み合わせて使われることもある。性的マイノリティと同義として用いられることも多いが、LGBT以外にも性的少数者は存在することから、より限定的な意味をもつ。
アメリカやヨーロッパで、1990年代半ばごろからとくに人権に関わる場面で一般的に用いられるようになった呼称である。LGBTが使われるまで一般社会には、それぞれの性的な特徴を肯定的に表す用語がなかったが、現在はゲイ、レズビアン、バイセクシュアル、トランスジェンダーの人を同等に、かつ尊厳をもって総称することばとして浸透している。日本では少数派を意味するマイノリティを用いて言い表すことが一般的であるが、少数派とすること自体が差別的と考える場合もあることから、LGBTという呼称が徐々に浸透しつつある。
電通総研が2012年(平成24)に行ったアンケートによると、20~59歳までの男女約7万人のうち、LGBTに該当する人の割合は5.2%であったという。2010年にはじまったLGBT交流会「にじだまり」(福岡県)をはじめ、LGBTをテーマにしたカフェイベントや映画祭など、理解を深める場が着実に増加している。就職の際に偏見を受けることが以前から問題視されており、近年は、外資系企業を中心に社内支援グループが活動し、LGBTの人たち向けに個別の就職説明会を開く会社もみられるようになっている。