JXTGホールディングス

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JXTGホールディングス株式会社(ジェイエックスティージーホールディングス、英称JXTG Holdings, Inc.)は、2010年4月1日に設立されたJXTGグループ(当時はJXグループ)の持株会社。JXの名称は、ジャパンの「J」と未知を示す「X」から。TGは、子会社が吸収合併した「Tonen General」(東燃ゼネラル石油)から。

概要

石油精製・販売大手の新日本石油株式会社(現・JXTGエネルギー株式会社)と新日鉱ホールディングス株式会社(現・JX金属株式会社)が、経営統合することを目的として共同で株式移転[注釈 1]を実施し、設立された。経営統合の背景には、金融危機による景気後退や環境問題に端を発する石油製品の需要減といった当時の状況があり、規模拡大による生産力・販売力の強化が不可欠と判断されたためである[1][2]

国内石油卸1位の新日本石油と同6位の新日鉱ホールディングスとの経営統合は、業界内では1999年日本石油三菱石油とが合併して以来約10年ぶりの大型再編であった[2]。両社合わせたガソリンスタンド数は1万3千で2位のエクソンモービル(当時)の2倍以上[2]、燃料油販売量の国内占有率も約34%という圧倒的シェアとなった[1]。また統合後の売上高約12兆円は国内産業界では日立製作所と肩を並べ、トヨタ自動車三菱商事等に次ぐ日本有数の大企業誕生となり、石油会社としても世界で売上高第8位を確保した(順位および金額はいずれも当時)[2]。なお、経営統合に伴う人事では、初代会長に新日石の西尾進路が、初代社長には新日鉱の高萩光紀がそれぞれ就任し、新日石の渡文明会長と新日鉱の清水康行会長は相談役に退いている[1]。2012年6月には、新日鉱出身でNOE副社長(旧ジャパンエナジー社長)の松下功夫がHD社長に就任し、新日石出身でNOE社長の木村康が代表権のあるNOE会長を兼務する形で、HDの代表権のある会長に就任。これにより、たすきがけどころか、社長は新日鉱側、会長が新日石側という構図は崩れなかった。これは、経営統合から8年間たった2018年6月に新日石出身でNOE社長の杉森務がHD社長に就任するまで不変であった。中核の事業3社については、いずれも3代続けて、NOEは会長・社長ともが新日石側、NEXが新日石側、NMMが新日鉱出身者が就任している。石油会社としては規模的に大きく優っていた新日石と、非鉄金属メーカーから石油事業に進出した来歴を持つ新日鉱側で事業部門を棲み分けしつつ、ホールディングスにおいては新日鉱の伝統に若干考慮したトップ配分となっている。また、2018年時点においては、旧三菱石油出身者はホールディングスの役員には一人も就いておらず、新日石誕生時に期待された財閥ブランドの力は、鮎川(日産・日立)財閥の本家でもあった新日鉱との再合併によって希釈される結果となった。

当社は新日本石油の前身会社の一つである三菱石油の流れから三菱グループに属し三菱金曜会[3]並びに三菱広報委員会[4]の会員会社であるとともに[5][6]、新日鉱ホールディングスの流れから、旧日産系(日立・日産系)の会社から構成される春光懇話会のメンバーでもある[7]

2017年4月1日付で、東燃ゼネラル石油との間で株式交換を実施して完全子会社化の上で、子会社のJXエネルギー(NOE)が東燃ゼネラルを吸収合併。株式交換比率は、東燃ゼネ1株に対してJXの株式を2.55株割り当てる形となる。これに伴い、HDの社名はJXTGホールディングスに、NOEの社名は、JXTGエネルギーに改称された。常勤役員は、新日石出身者が会長以下4人(全員が日本石油出身)、新日鉱出身者が社長以下2人、東燃ゼネラル出身者が副社長以下2人となっている。 これによって同社は売上高でコノコフィリップスを抜いて世界第6位となり、スーパーメジャーに匹敵する石油会社になる。

業務提携から統合まで

  • 2006年 - 新日本石油とジャパンエナジーが開発・精製・物流・燃料電池・技術開発の分野における業務提携を締結。
  • 2008年12月4日 - 新日本石油株式会社と新日鉱ホールディングス株式会社の間で、経営統合の覚書を締結。
  • 2009年10月30日 - 新日本石油株式会社と新日鉱ホールディングス株式会社の間で、経営統合契約を締結。
  • 2009年12月25日 - 統合後のサービスステーション(ガソリンスタンド)ブランドを新日本石油の「ENEOS」に統一すると発表。
  • 2010年1月27日 - 新日本石油株式会社と新日鉱ホールディングス株式会社の両社が臨時株主総会開催。
  • 2010年3月29日 - 新日本石油株式会社と新日鉱ホールディングス株式会社の両社が上場廃止。
  • 2010年4月1日 - 新日本石油株式会社と新日鉱ホールディングス株式会社が共同株式移転を行い、持株会社・「JXホールディングス株式会社」を設立し、株式上場

沿革

  • 2010年4月1日 - 新日本石油株式会社と新日鉱ホールディングス株式会社が共同株式移転を行い、持株会社・「JXホールディングス株式会社」を設立、同時に株式上場。
  • 2010年7月1日 - 傘下の新日本石油株式会社・新日鉱ホールディングス株式会社及び両社の子会社を合併・再編し、中核事業会社として「JX日鉱日石エネルギー株式会社」・「JX日鉱日石開発株式会社」・「JX日鉱日石金属株式会社」を発足。
  • 2015年12月3日 - 東燃ゼネラル石油との経営統合に関する基本合意書を締結[8]
  • 2016年1月1日 - 中核事業会社の名称を、「JXエネルギー」・「JX石油開発」・「JX金属」に改称する。
  • 2016年8月31日 - 東燃ゼネラル石油との経営統合契約を締結。
  • 2017年4月1日 - JXホールディングスが東燃ゼネラルを株式交換により完全子会社化した上で、同時にJXエネルギーが東燃ゼネラルを吸収合併。JXホールディングスは「JXTGホールディングス」に、JXエネルギーは「JXTGエネルギー」に改称[9]

事業会社

中核事業会社
その他のグループ会社
参照: JXTGグループ

企業スポーツ活動及び創作童話賞について

旧新日本石油には社会人野球チームである「新日本石油ENEOS野球部」が、一方の旧ジャパンエナジーには社会人女子バスケットチームの「JOMOサンフラワーズ」があったが、グループ内の組織再編に伴い、社会人野球チームの名称を「JX-ENEOS野球部」に、女子バスケットチームの名称を「JXサンフラワーズ」(2013年4月より「ENEOS」を冠し、「JX-ENEOSサンフラワーズ」に再改称された)にそれぞれ改称された。

また、旧ジャパンエナジーが主催してきた創作童話賞「JOMO童話賞」も同様に「JX童話賞」に改称した(2013年3月より「ENEOS」を冠し、JX-ENEOS童話賞に再改称された)。

さらに、旧ジャパンエナジーが協賛してきたJOMOウインターカップも「JX-ENEOSウインターカップ」として行われることになった。2017年度以降も全国高等学校バスケットボール選手権大会でも協賛している。

なお、企業スポーツ活動・創作童話賞共に当社が所属会社となり、子会社の「JXTGエネルギー」の運営となった。一方、ウインターカップは当社・JXTGエネルギーともども特別協賛社となる。

脚注

注釈

  1. 旧新日本石油1株にJXホールディングス株1.07株、旧新日鉱ホールディングス1株にJXホールディングス株式1株が割り当てられた。

出典

  1. 1.0 1.1 1.2 “新日石と新日鉱、統合契約 -精製能力削減がカギ-”. 読売新聞 (読売新聞社). (2009年11月2日) 
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 “新日石と新日鉱HDが経営統合”. 日刊スポーツ新聞 (日刊スポーツ新聞社). (2008年12月4日) 
  3. 三菱金曜会
  4. 三菱広報委員会
  5. 三菱金曜会会員会社紹介
  6. 三菱広報委員会 - 会員会社紹介
  7. 春光懇話会会員会社一覧
  8. 経営統合に関する基本合意書の締結について(2015年12月3日 JXホールディングス、東燃ゼネラル石油)
  9. JXホールディングス株式会社と東燃ゼネラル石油株式会社との経営統合契約等の締結について(2016年8月31日 JXホールディングス、東燃ゼネラル石油)

外部リンク

テンプレート:JXTGグループ

  • テンプレート:三菱グループ