GRPレコード
テンプレート:Infobox record label GRPレコード(GRP Records)はアメリカのフュージョン/アダルト・コンテンポラリーを中心にしたレコード会社。スムーズ・ジャズの最大級のレコード会社でもある。
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概要
1972年、音楽プロデューサー・ピアニストのデイヴ・グルーシン(Dave Grusin)と音楽プロデューサーのラリー・ローゼン(Larry Rosen)によって音楽プロダクション「グルーシン・ローゼン・プロダクションズ(GRP:Grusin/Rosen Productions)」として発足した。
プロダクション初期はジョン・ルシアン、アール・クルー、リー・リトナー、渡辺貞夫、ジョン・クレマー、パティ・オースティンなどのアルバムのプロデュースを行い、アリスタ、ユナイテッド・アーティスツ、CBS、ABC、エレクトラなどに原盤を供給していた。主にヴォーカルよりもインスト系で強く、アール・クルーの「リヴィング・インサイド・ユア・ラヴ」、渡辺貞夫の「カリフォルニア・シャワー」や「モーニング・アイランド」、リー・リトナーの「ザ・キャプテンズ・ジャーニー」などはグルーシン&ローゼンの代表プロデュース作である。
1978年6月、アリスタとディストリビューション契約の元、新レーベル・GRPレコードを設立。グルーシン自身のリーダー作のほか、デイヴ・ヴァレンティン、スパイロ・ジャイラ、アンジェラ・ボフィル、ノエル・ポインター、トム・ブラウン、バーナード・ライト、横倉裕などのアルバムを手掛け、世に送った。
1986年、モータウン、ゲフィンなどと共にMCAに買収され、以降AOR/アダルト・コンテンポラリー界のトップ・レーベルとしての地位を不動のものにした。1992年にはレーベルの母体組織グルーシン・ローゼン・プロダクションズの発足20周年を記念したGRPオールスタービッグバンドが結成され、ビッグバンド・ジャズによるスタンダード演奏も大々的に行っており、数少ないがアルトゥーロ・サンドヴァル、ケニー・カークランドらによる4ビートジャズ・アルバムの録音もリリースされている。
現在は親会社の異動もあって、ユニバーサル ミュージック グループ (UMG) のヴァーヴ・ミュージック・グループの傘下にある。
沿革
- 1972年 デイヴ・グルーシンとラリー・ローゼンが原盤供給プロダクション「グルーシン・ローゼン・プロダクション」を共同設立。
- 1974年 アリスタ・レコードと契約、内部レーベルとしてアリスタGRPをスタート、レーベル活動を始める。
- 1978年 グルーシン・ローゼン・プロダクションズは配給者を通してアリスタ・レコードを離れ独立、GRPレコード設立(ただし、ディストリビューションは古巣のアリスタが行った)。
- 1983年 MCAレコード(現ユニバーサル ミュージック)とディストリビュート契約。
- 1986年 モータウン、ゲフィンなどと共に4000万ドルでMCAが買収。正式にMCAの傘下となる。
- 1991年 松下電器産業(現 パナソニック)がMCAを買収。ただしGRPはニューヨーク本部ということから独立している。
- 1992年 所属ミュージシャンによるスペシャルバンド「GRPオールスタービッグバンド」結成(詳細は後述)。
- 1994年 プロデューサーのトミー・リピューマがMCAの役員に入ったので、自動的にGRPの社長に就任。グルーシンはミュージカル・ディレクター、ローゼンはチーフ・マネージャーに。
- 1999年 親会社シーグラム(1995年に松下電器産業よりMCAを買収、翌1996年にMCAレコードをユニバーサル ミュージックに変更)がポリグラムを買収し、ユニバーサル ミュージックに統合。GRPはリピューマが統制を執っているインパルス!レコードと共にポリグラムが持つヴァーヴ・レコードと統合、翌年「ヴァーヴ・ミュージック・グループ」を発足し、その傘下に入る。
主なアーティスト
- アール・クルー (プロダクション初期)
- アーバン・ナイツ (1995-1997)
- アコースティック・アルケミー (1987-1998)
- アルトゥーロ・サンドヴァル
- イエロージャケッツ (1986-1995)
- エリック・マリエンサル (1987-1994)
- オマー・ハキム
- キム・ペンシル
- ジェフ・ゴルブ
- ジェフ・ローバー (プロダクション初期)
- ジェラルド・アルブライト (2002-2004)
- ジョージ・ベンソン (1998-1999)
- ジョージ・ハワード
- ジョイス・クーリング
- ジョン・パティトゥッチ
- スパイロ・ジャイラ (1978-1998)
- スペシャルEFX (1984-1993)
- セルジオ・サルヴァトーレ
- ダイアン・シューア
- デイブ・ウェックル
- デイヴ・グルーシン (プロダクション初期-)
- デイヴ・ヴァレンティン (1978-1994)
- デイヴィッド・ベノワ (1987-2003)
- トム・スコット (1987-1997)
- トム・ブラウン (1979-1983)
- ネルソン・ランジェル (1989-1998)
- バーニー・ウィリアムス (2003)
- パティ・オースティン (プロダクション初期、1990-1994)
- ブライアン・カルバートソン (2005-)
- ザ・ブレッカー・ブラザーズ (1992-1994)
- マーカス・ミラー (初期;スタッフ・ミュージシャンとして)
- マーク・アントワン (2000-2003)
- マイケル・ブレッカー (1990)
- ミンディ・エイベア (2003-2006)
- ユタカ (横倉裕)
- ラス・フリーマン (1987-1997)
- ラムゼイ・ルイス (1992-1998)
- ラリー・カールトン (1986-1997)
- ランディ・ブレッカー
- ザ・リッピントンズ (1987-1997)
- リー・リトナー (プロダクション初期, 1984-1996)
- リチャード・エリオット
※括弧内は契約期間
GRPオールスタービッグバンド
1992年、GRPレコードの母体組織グルーシン・ローゼン・プロダクションズの発足20周年記念として、当時の所属ミュージシャン及びその関連ミュージシャンによるビッグバンド「GRPオールスタービッグバンド (GRP All-Star Big Band) 」が結成され、スタンダード・ナンバーを収録した記念アルバム「GRP ALL-STAR BIG BAND」(別名 "plays jazz standards" )が製作、発売された。当初はビッグバンドとしては記念アルバムだけの予定であったが、アルバムが好評を博したことから翌1993年、東京の昭和女子大学人見記念講堂でのライブを皮切りに世界ツアーを行い、同年1月31日に東京・五反田のゆうぽうとで収録されたライブを納めたアルバムも発売された。1994年には、ブルースを集めたアルバム「All Blues」を発表、グラミー賞の最優秀ジャズアンサンブル賞を受賞した。
- 参加ミュージシャン
- エリック・マリエンサル (As, Ts, Ss, Fl)
- ネルソン・ランジェル (As, Ts, Ss, Fl, Piccolo)
- ボブ・ミンツァー (Ts, Bcl, Ss, Fl)
- アーニー・ワッツ (Ts, As, Ss, Fl)
- トム・スコット (Bs, As, Ts, Ss)
- アルトゥーロ・サンドヴァル (Tp, Flh)
- ランディ・ブレッカー (Tp, Flh)
- サル・マーケス (Tp, Flh)
- チャック・フィンドリー (Tp, Flh)
- ジョージ・ボハノン (Tb)
- ジョン・パティトゥッチ (B)
- デイブ・ウェックル (Ds)
- ラッセル・フェランテ (P)
- ケニー・カークランド (P)
- デイヴ・グルーシン (P)
- デイヴィッド・ベノワ (P)
- リー・リトナー (G)
- デイヴ・ヴァレンティン (Fl)
- ゲイリー・バートン (Vib)
- エディ・ダニエルズ (Cl)
- アレックス・アクーニャ (Per)
- ツアーのみ参加
- バイロン・ストリップリング (Tp, Flh)
- フィリップ・ベント (Fl)
- ゲストミュージシャン (All Blues)
- チック・コリア (P)
- ラムゼイ・ルイス (P)
- B.B.キング (G, Vo)
- マイケル・ブレッカー (Ts)