Gタンパク質共役受容体

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典型的なGタンパク質共役受容体の模式図。N末端が細胞外に、C末端が細胞内にあり、7つの膜貫通ドメインと細胞内と細胞外にそれぞれ3つずつループがある。

Gタンパク質共役受容体(ジータンパクしつきょうやくじゅようたい、: G protein-coupled receptorGPCR

ヒトの細胞表面にあって、細胞外の刺激によって細胞内にあるGたんぱく質を変化させ、細胞外の刺激を細胞内に伝える役割をもつ受容体。Gたんぱく質とは、グアニンヌクレオチド結合性調節たんぱく質(guanin nucleotide connective regulator protein)の略称で、セカンドメッセンジャー・カスケード(second messenger cascade ホルモンに続く第二のメッセンジャーである情報伝達物質が、酵素の活性などの段階を経て細胞応答に導くこと)に関連するたんぱく質のファミリー。アドレナリンのようなホルモンが直接細胞に働きかけて、血圧上昇や心拍数増加を引き起こすことは19世紀から知られており、細胞の表面にホルモンを受け取るものが存在していると考えられていたが、その正体は不明であった。アメリカのデューク大学のR.J.レフコウィッツ(Robert Joseph Lefkowitz)教授の研究チームは、種々のホルモンをヨウ素の放射性同位体で標識、追跡して、1968年、細胞表面にあるβ-アドレナリンの受容体を発見し、その機能を解明した。さらに1980年代、新たに研究に加わったスタンフォード大学のB.K.コビルカ(Brian Kent Kobilka)教授は、β-アドレナリン受容体の設計図となる遺伝子を分離・解析して、β-アドレナリン受容体が目の中にある光を感じ取る受容体と似ていることを発見した。また、β-アドレナリン受容体がホルモンによって活性化される瞬間を捉えることにも成功した。現在、医薬品の大半は、Gたんぱく質共役受容体を通じてその機能を発現している。このためGたんぱく質共役受容体の研究は、新薬の開発には欠かせないものとなっている。レフコウィッツとコビルカは「Gたんぱく質共役受容体の研究」によって2012年ノーベル化学賞を受賞した。

脚注



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