DUALSHOCK
DUALSHOCK(デュアルショック)は、ソニー・インタラクティブエンタテインメント (SIE)[1] のPlayStationシリーズ向けの振動機能付きゲームコントローラ。
本項では、PlayStation 2用のDUALSHOCK 2と、PlayStation 3用のDUALSHOCK 3、PlayStation 4用のDUALSHOCK 4を併せて扱う。
Contents
概要
外観・形状は、PSの初期型コントローラに、アナログスティックを左右1本ずつ搭載したものとなっている。DUALSHOCK 2はPS2向け、DUALSHOCK 3はPS3向け、DUALSHOCK 4はPS4向けのコントローラとして販売されたが、いずれもDUALSHOCKの機能・形状を継承している。
名称は、コントローラの左右の持ち手部分(デュアル)が振動する(ショック)機能に由来する。振動だけでなく、振動の強弱や片方だけの振動といった細かい調整も可能である。
DUALSHOCKの普及以降、振動機能はPS/PS2用ソフトの標準的機能として活用されてきたが、イマージョン社の特許技術を侵害していると2002年にSCEが告発され、米連邦裁判所は9060万ドルの損害賠償支払いをSCEに命じた。2007年3月1日には、イマージョンの訴えを全面的に認める形で和解に同意した。
DUALSHOCK (PlayStation)
- SCPH-1200
- SCPH-110 - PS one付属のコントローラ。本体にあわせて基本のボディカラーが白に変更されており、コネクタ部分が丸みを帯びている。
DUALSHOCK(デュアルショック)は、PlayStation対応の振動機能付きゲームコントローラ。後述するアナログコントローラの改良版として登場した。
初期コントローラとの下位互換性は備えているが、DUALSHOCKに対応したソフトでないと、アナログスティックや振動などの新機能を活かせない。そのため、『バイオハザード』など一部のソフトがDUALSHOCK対応版として新たに発売された。
初期コントローラとの主な違いは以下の通りである。
- スティックの間にあるANALOGボタンを押すことで、アナログスティックのON/OFFを切り替えられる(LEDの表示によりON/OFFの確認が可能)。
- アナログスティックは押し込みボタンにもなっており、左スティックがL3、右スティックがR3ボタンとして機能する。
- L2・R2ボタンが初期の標準コントローラより二倍ほど大きくなり、L1・R1ボタンと形状の差別化が図られた。
グリップ内部には、半円柱形状の金属製の重りが軸に固定されたモーターが取り付けられており、モーターを回転させる事でコントローラ本体が振動する。左側のグリップには大きな鉄のパーツが、右側にはそれよりもやや小ぶりの鉄のパーツが組み込まれている。なお、振動機能は本体からの給電で機能するため、先行して発売されたNINTENDO64の振動パックとは異なり、乾電池などは必要ない。
PS2との接続も可能で、PS2専用ソフトでも、各種ボタンのアナログ入力機能を使わないタイトルについてはDUALSHOCK 2同様に使用できる。
アナログコントローラ (PlayStation)
- SCPH-1150
DUALSHOCKに先立ち、アナログジョイスティックの互換コントローラとして1997年4月25日に発売されたPlayStation用アナログコントローラ(型番:SCPH-1150)。発売から短期間でDUALSHOCKに取って代わられた。カラーバリエーションはPSと同色のグレーのみである。
DUALSHOCKとの違いは以下のとおりである。
- コントローラの持ち手部分が長い
- スティック上部に窪みがある
- 振動機能に強弱の区別がない
- アナログジョイスティック(型番:SCPH-1110)互換の動作モードがある(動作モードランプが緑色に点灯)
- ボタンアサインは△→R1、□→L1、R1→△、R2→□、L1→R2
DUALSHOCK 2
- SCPH-10010
- DESR-10
DUALSHOCK 2は、PlayStation 2に標準で付属する専用コントローラ。重さは172g。
形状はDUALSHOCKと変わりないが、STARTボタンとSELECTボタン以外のボタンには押したときの圧力による256段階のアナログ判定がされている。
発売からSCPH-10010の型番が用いられているが、製造時期により細かい仕様変更が為されている。カラーバリエーションとして、ブラック、エメラルド、クリスタル、クリムゾン・レッド、レモン・イエロー、オーシャン・ブルー、ゼン・ブラック、ミッドナイト・ブルー、セラミック・ホワイト、パール・ホワイト、サテン・シルバーがある。
DUALSHOCK 3
- CECH-ZC2J
DUALSHOCK 3は、PlayStation 3用のワイヤレスコントローラ。SIXAXISの後継品であり、SIXAXISの機能(モーションセンサー・6軸検出システム)に加え、DUALSHOCKシリーズの特徴である振動機能を併せもつ。重量は約193g[2]。
型番はCECHZC2○××(○は地域(日本はJ・北米はU・欧州はE・オーストラリアはA)、××の2文字はカラーバリエーションを表す)。日本国内では2007年11月11日、北米や欧州では2008年4月に単体発売された。
2007年9月20日、東京ゲームショウで世界に先駆け正式発表された。既に発売されていたPS3用ソフトの一部については、アップデートで対応された。
満充電時、最大で30時間利用出来る[3]。満充電時に連続11時間35分振動し続けられる[4]。
カラーバリエーションは、基本色として全8色(ブラック、セラミック・ホワイト、サテン・シルバー、メタリック・ブルー、ディープ・レッド、キャンディー・ブルー、キャンディー・ピンク、ジャングル・グリーン)が用意されているほか、限定モデル(アーバンカモフラージュ、アンチャーテッド -砂漠に眠るアトランティス- オリジナルDUALSHOCK 3同梱版)もある[5]。
PlayStation Portable goやPlayStation Vita TV、PlayStation Mobile対応デバイス(一部のXperia)はDUALSHOCK 3の操作に対応している。
SIXAXIS
- CECH-ZC1J
SIXAXIS(シックスアクシス)は、モーションセンサー(6軸検出システム)搭載のPlayStation 3用ワイヤレスコントローラ。重量は約136g[2]。PS3販売開始当初の標準コントローラとして発表されたが、後のDUALSHOCK 3の発表に合わせて製造を終了している[6]。
DUALSHOCK 3の販売開始以降も、モーションコントロール機能の名称として「SIXAXIS」の名称が用いられている。
細かな差異は含むものの、旧来のDUALSHOCKシリーズ製品の形状をほぼ継承しているが、DUALSHOCKシリーズ(本機の後継機種であるDUALSHOCK 3を含む)の大きな特徴である振動機能は、SIXAXISコントローラに搭載されていない[7]。
本体とのワイヤレス接続にはBluetoothを、有線接続にはUSBを利用する[2]。コントローラ本体にリチウムイオン充電池を内蔵しており、USBを介してPS3等との有線接続により充電できる[2]。
DUALSHOCK 4
- CUH-ZCT1
- CUH-ZCT2
DUALSHOCK 4は、PlayStation 4対応のワイヤレスコントローラ。PlayStation Vita TV、一部のXperiaにも対応する。PCゲームにも動作保証はされていないが対応している[8]。発売当時のカラーバリエーションは、ジェット・ブラック、マグマ・レッド、ウェイブ・ブルーである。
このコントローラーではPlayStation 3のDUALSHOCK 3からデザインの変化はもとより、タッチパッドの採用を筆頭に様々な変更が施された[9]。このコントローラーは本体に1つ同梱されるほか、別売りで販売もされる。
2016年9月8日にはマイナーチェンジが行われた新型 (CUH-ZCT2) が発表された。従来のBluetooth経由の無線接続に加え、新たにUSBケーブル経由での接続に対応するほか、外観にも変更が加えられた。
- SHARE/OPTIONボタン
- 本機の特徴である「シェア」機能に併せ、SHAREボタンが新設された。このボタンを使うことにより、即座にゲームプレイ内容の動画や写真の共有を行うことができるようになる。それにともない従来分かれていたSELECT・STARTボタンが統一されOPTIONボタンとなった。
- ライトバー
- コントローラーの上部には「ライトバー」と呼ばれる発光部が付けられており、3色のLEDにより様々な色を表現できる。明るさも調節可能で、点滅でも明るさを徐々に変える表現ができる。
- プレイヤーキャラクターごとの色に合わせ操作キャラを識別しやすくする[10]、マズルフラッシュや体力を表現するといった用途が提案されている。さらにこのライトバーはPlayStation Moveのようなコントローラー位置識別としての利用も想定されている。
- ライトバーが表示するプレイヤー識別番号は以下の通りである[11]。
プレイヤー1 プレイヤー2 プレイヤー3 プレイヤー4 テンプレート:Legend2 テンプレート:Legend2 テンプレート:Legend2 テンプレート:Legend2
- なお、PlayStation Cameraがない場合は、複数のプレイヤーとでプレイする際、ライトバーの色とゲーム内のキャラクターの色とをリンクさせ、識別を容易にできるようにしている。また一例としてキャラクターの体力や受けたダメージに合わせて変化させるといったゲーム情報を盛り込むことができる[12]。
- コントローラー無線認識中の表示は、DUALSHOCK 3はコントローラー番号表示LED全部の高速点滅だったが、DUALSHOCK 4ではライトバーの高速点滅となっている[13]。点滅速度は同じである。
- PlayStation 4本体がスタンバイ時の充電中にはオレンジ色にゆっくり点滅し、充電終了とともに消灯する[14]。
- PlayStation 4のシステムソフトウェア・バージョン1.70以降ではライトバーの明るさを「明るい(標準)」、「中間」、「暗い」の中から選べるようになった。また、CUH-ZCT1では操作しているプレイヤー本人がライトバーの色を確認するためにはコントローラを裏返す必要があったが、CUH-ZCT2ではタッチパッドを透かして発光が視認できるように改良されている。
- タッチパッド
- コントローラー中央前部に新たに配置されたタッチパッドはPlayStation Vitaのタッチパネルと同様の静電容量式であり、1920×900点の分解能を持ち2点までのマルチタッチとクリック操作に対応する。タッチパッドのクリックボタンはタッチパッド自身が押し込めるようになっていて、押された場所に対して傾き角度が自由な作りになっている[15]。その為、1ボタンであるものの押された瞬間に触っている場所を判定する事でタッチパッドが複数ボタンを兼ねる事が可能である。
- LRボタン
- コントローラー上部に配置されているL2/R2ボタンは開発者の意見が採り入れられ、より指に馴染むよう凹みが設けられXbox 360のコントローラーに近いトリガーのような形状となった。この変更により、コントローラーを置いた際に床面で押され難くなっている。L1/L2、R1/R2のボタン名は上下逆に刻印されており、正面から握って覗きこんだ際に文字が正位置に見えるよう改良されている。また、DUALSHOCK 3までは数字のみの刻印だったが、DUALSHOCK 4ではL/Rの種別も刻印されている。
- 音声入出力
- 音声の入出力機能が追加されており、本体中央に内蔵されるモノラルスピーカーから音声再生が可能となったほか、ヘッドセット端子も搭載され、ここにイヤフォンや全モデルに付属されるモノラルヘッドセットを装着しボイスチャットなどを行えるようになった。ヘッドフォン端子横には拡張端子が増設されている。PS Vita用純正マイク付きステレオヘッドフォンも対応している。
- デフォルト設定ではヘッドホン端子から出力される音声はチャット音声のみだが、周辺機器設定(オーディオ機器)の「ヘッドホンへの出力」を設定することで、すべての音声をヘッドホンから出力する周囲に音が漏れないプレイが可能。
- 3軸ジャイロ・3軸加速度センサー
- SIXAXISから引き続き3軸ジャイロ・3軸加速度センサーが搭載され、精度がDUALSHOCK 3やPS Vitaよりも向上している[16]。
- 振動機能
- 引き続き振動機能も受け継いでいる。従来のモーターのON/OFFだけでなく複数段階のレベル設定も可能になっており、以前よりも静音化されている[16]。
- その他
-
- アナログスティックに縁が追加されへこんだ形状になったほか、中心位置への復帰精度も向上し、若干高さが抑えられ操作性の改善が図られている。
- SIXAXISでは正面のボタンや方向キーがアナログであり押下した圧力によって異なる入力を行うことができたが、開発者がPS3でこの機能を利用する事が少なかったため、今回のコントローラーではこの機能は省かれ、全てデジタルボタンとなった。
- 充電はDUALSHOCK 3のUSB Mini-B端子からUSB Micro-B端子に変更された。本機のほか汎用USB充電器などに接続し充電することが可能である。PlayStation 3では本体の電源がスタンバイの間はUSB端子への給電も絶たれていたため充電するためには本体の電源を入れておく必要があったが、本機ではスタンバイの間も給電が継続し、電源を入れることなくコントローラーを充電できるようになった(設定によってスタンバイ時の給電ON/OFFを切り替え可能)。また、ヘッドフォン端子横の拡張端子からも充電が可能である[17]。
- 重量は約210グラムである[10]。
関連項目
脚注
- ↑ 2016年4月1日にソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)から社名変更。
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2012 Sony Computer Entertainment Inc.. “"PS3"のワイヤレスコントローラーの仕様を教えてほしい。 | PlayStation.com”. support.jp.playstation.com. . 2013-01-30 (JST)閲覧.
- ↑ "PS3"のワイヤレスコントローラの持続時間は? - PlayStation.com(Japan)
- ↑ ゲームグッズ研究所、Impress GAME Watch、2007年11月19日。ただし操作や振動の頻度により持続時間は変化する。
- ↑ ワイヤレスコントローラ(DUALSHOCK®3) カラーバリエーション - プレイステーション®オフィシャルサイト
- ↑ Stephen Totilo (MTV Multiplayer) (2009-04-24 6:00 pm (EST)). “Sony Non-Shocker: Sixaxis Discontinued”. Viacom International Inc. (mtv.com). . 2013-05-03 (JST)閲覧.
- ↑ 2012 Sony Computer Entertainment Inc.. “"PS3"のワイヤレスコントローラ"SIXAXIS"と"DUALSHOCK 3"の違いは? | PlayStation.com”. support.jp.playstation.com. . 2013-01-30 (JST)閲覧.
- ↑ DUALSHOCK®4はPCで利用できますか?
- ↑ PS4のコントローラ DUALSHOCK 4発表、タッチとLEDライトと共有ボタン搭載 (Engadget 日本語版)
- ↑ 10.0 10.1 “「プレイステーション 4」 (PS4™) 専用 ワイヤレスコントローラー (DUALSHOCK®4) およびカメラ「PlayStation®4 Eye」発表” (プレスリリース), SCE, (2013年2月21日)
- ↑ Greg Miller (2013年3月27日). “PlayStation 4: The Coolest Stuff You Probably Didn’t Know” (英語). IGN. . 2013閲覧.
- ↑ 週刊ファミ通NO.1281 2013年7月4日号(2013年6月20日発売)より。
- ↑ (英語) PS4 controller vs PS3 controller - Hands-on (YouTube). CVG.. (2013年7月5日). 該当時間: 00:04:12 . 2013閲覧.
- ↑ “PlayStation®4 ユーザーズガイド ワイヤレスコントローラーを使う”. Sony Computer Entertainment. . 2014閲覧.
- ↑ (英語) PS4 controller vs PS3 controller - Hands-on (YouTube). CVG.. (2013年7月5日). 該当時間: 00:00:34 . 2013閲覧.
- ↑ 16.0 16.1 Richard Leadbetter (2013年3月28日). “Inside PlayStation 4 What Sony told game developers at GDC.” (英語). EUROGAMER.net. . 2013閲覧.
- ↑ 馬波レイ (2013年6月12日). “見て触ってわかったPlayStation 4:E3 2013”. 週刊アスキー. . 2013閲覧.