DIC (企業)
DIC株式会社(ディーアイシー、英語表記DIC Corporation)は、東京都中央区に本社を置く化学工業メーカー。主力製品は印刷インキ。
概要
印刷インキや有機顔料、PPSコンパウンドで世界トップシェアの化学メーカー。創業以来の事業である印刷インキとその原材料である有機顔料と合成樹脂をもとに事業を拡大し、PPSコンパウンド、液晶材料、工業用粘着テープ、機能性顔料、包装用接着剤、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フッ素化学品、改質剤、アルキルフェノール、硫黄系石油添加剤、金属石鹸、不燃化粧板、加飾フィルム、繊維着色剤、機能性コンパウンド、インクジェットインキ、食品包装用フィルム、特殊磁気テープ、プラスチック成型品、中空糸膜モジュール、ヘルスケア食品(スピルリナ)などの幅広い事業を展開する。
日本トップシェアの色見本帳DICカラーガイドはデザインやグラフィック、ファッション、インテリア業界などに幅広く利用されている。
他の国内印刷インキメーカーに先駆けて海外進出を果たし、1986年に米国サンケミカル社のグラフィックアーツ材料部門を買収、1999年に仏国トタルフィナ社のインキ部門(コーツ)を買収などにより、全世界に活動拠点を拡大し、現在は世界60か国以上で約170社のグループ会社を展開している。
社会貢献活動の一環として、千葉県佐倉市の総合研究所に隣接する敷地内でDIC川村記念美術館を運営。
創業100周年となる2008年(平成20年)4月1日に、商号を大日本インキ化学工業株式会社からDIC株式会社に変更。
2009年(平成21年)10月1日、印刷インキ事業を分社化し、DICグラフィックス株式会社を設立する。
2016年、ブランドスローガン『Color & Comfort』を定めてブランディングをスタートし、同年10月より女優・吉岡里帆が出演する企業ブランドCMを放送している。
トピック
2013年10月、同社が保有しDIC川村記念美術館にて展示していたバーネット・ニューマン作の絵画「アンナの光」を売却した。譲渡益は103億円。これは、財務体質の強化を狙った「リキャピタライゼーション(資本と負債の再構成)」の一環で、市場からも評価された[1]。
沿革
- 1908年(明治41年)2月15日 - 川村インキ製造所として創業
- 1937年(昭和12年)3月 - 大日本インキ製造株式会社を設立
- 1950年(昭和25年)5月 - 東京証券取引所上場
- 1961年(昭和36年)10月 - 大阪証券取引所、名古屋証券取引所上場
- 1962年(昭和37年)10月 社名を大日本インキ化学工業株式会社に変更
- 2008年(平成20年)4月1日 - 創業100周年を機に商号をDIC株式会社(ディーアイシー、英文表記:DIC Corporation)に変更
- 2009年(平成21年)5月8日 - 大阪証券取引所、名古屋証券取引所上場廃止
- 2009年(平成21年)10月1日 - 印刷インキ事業を分社化、DICグラフィックス(株)設立
- 2017年(平成29年)1月 - 太陽ホールディングス株式会社と資本業務提携契約を締結
所在地
全国に工場や研究所を持っている。
- 本社 - 東京都中央区
- 大阪支店 - 大阪府大阪市
- 名古屋支店 - 愛知県名古屋市
- 東京工場 - 東京都板橋区
- 千葉工場 - 千葉県市原市
- 北陸工場 - 石川県白山市
- 堺工場 - 大阪府高石市
- 鹿島工場 - 茨城県神栖市
- 四日市工場 - 三重県四日市市
- 小牧工場 - 愛知県小牧市
- 埼玉工場 - 埼玉県北足立郡伊奈町
- 館林工場 - 群馬県館林市
- 総合研究所 - 千葉県佐倉市
- DIC川村記念美術館 - 千葉県佐倉市
関連会社
- DICグラフィックス
- 星光PMC
- 太陽ホールディングス
- DIC化工
- ディーアイシーコベストロポリマー
- DICマテリアル
- DICカラーデザイン
- オキシラン化学
- DIC北日本ポリマ
- DIC九州ポリマ
- DIC EP
- DICプラスチック
- キャストフィルムジャパン
- DICライフテック
- トピック
- DICデコール
- KJケミカルズ
- DCカツヤ
- DICカラーコーチング
- DICインテリア
- DICエステート
- DIC機材
- テクノサイエンス
- 日本エポキシ樹脂製造
- 日本ホルマリン工業
- 浜松DIC
- ワイディープラスチックス
- ルネサンス
関連項目
脚注
- ↑ “DIC、自社美術館の絵画を売却 譲渡益は103億円”. 日本経済新聞. (2013年10月4日)
- ↑ “企業情報”. 大成建設ハウジング. . 2016閲覧.
外部リンク
- DIC株式会社
- DIC川村記念美術館
- 色彩を化学する会社による美術館 明るく賑わうホリデーの場所(川村記念美術館)-赤瀬川原平
- 財団法人川村理化学研究所(archive)