CGS単位系

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CGS単位系(シージーエスたんいけい)は、センチメートル (centimetre)・グラム (gram)・ (second) を基本単位とする、一貫性のある単位系である。"CGS" は基本単位の頭文字をつなげたものである。

この単位系は1832年カール・フリードリヒ・ガウスが提唱したのに始まる、物理学における量を距離・質量・時間の3つの独立な次元によって表そうとするものである。今日的な観点からは電磁気学を扱うには電荷の次元が欠けていたが、その導入は後のジョヴァンニ・ジョルジによる理論的な整理を待たなくてはならなかった。現在では電荷の次元が導入された、CGS静電単位系やCGS電磁単位系(後述)などとして用いられる。

電磁気学との関係

先述のとおりCGS単位系には電荷の次元に対応する単位が欠けている。このまま電荷を距離・質量・時間だけで表そうとする場合、その次元の決め方は一意には決まらない。たとえば静電場のクーロンの法則から出発して次元解析したものと、磁場に対するアンペールの法則から出発したものでは電荷のもつ次元が異なってしまう。 前者は静電単位系、後者は電磁単位系とよばれ、(電荷の次元の導入が確立された今日では)CGS単位系にそれぞれ定義の異なる電荷の単位を導入したものと見なされる。 またこれらの単位系を用いると古典電磁気学の基礎方程式であるマクスウェル方程式4π の因数が含まれることになる。クーロンの法則やアンペールの法則はマクスウェル方程式から導かれるという立場から、このような因数が基礎方程式に含まれないような定義の方が好まれることがある。このような定義の方法は有理化と呼ばれる。

特長

CGS単位系は、センチメートル・グラムを基本単位に持つので実験室サイズの測定に適しているが、電磁気を扱うものとしてはCGS静電単位系やCGS電磁単位系は日常的なものとオーダーが大きく異なり不便である。一方、静電単位や電磁単位を用いることでマクスウェル方程式からそれぞれの場合で誘電率や透磁率の変数が見かけ上なくなるので、その理論的な解析には便利なこともある。これは物理定数に合わせて単位を決めたことに対応する(参考:自然単位系)。

単位

CGS単位系の単位を以下に示す(主として静電単位系)。

上記リスト中の 2998×105, 3336×1011, 1113×106, 8988×1013 は近似値である。これらは光速度に由来するもので、正確には 299792458, 333564095198152, 1112650056, 89875517873681764 となる。

静電容量の単位としての「センチメートル」は、真空中における半径1cmの球と無限遠点との間の静電容量である。半径 R, r の2つの球の間の静電容量 C は次式で表される。

[math]C = \frac{1}{\frac{1}{r}-\frac{1}{R}}[/math]

ここで、R が無限大に近づくにつれて、 C の値が r の値に近くなっていくことがわかる。

関連項目