ASUS
華碩電脳股份有限公司 | |
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各種表記 | |
繁体字: | 華碩電腦股份有限公司 |
簡体字: | 华硕电脑股份有限公司 |
拼音: | Huáshuò Diànnǎo Gǔfènyǒuxiàngōngsī |
英文: | ASUSTeK Computer Inc. |
ASUSTeK Computer Inc.(エイスース テック・コンピューター・インク)は、台湾の台北市に本社を置くPCおよびPCパーツ、スマートフォン、周辺機器製造メーカー。日本法人はASUS JAPAN株式会社。社名の正式な読みは、ASUS(エイスース)とされている(発音に関する経緯は下記を参照)。
Contents
社名と由来
ブランド名として「ASUS」を使用しているが、これはPegasusに由来して付けられたものであり、同社は「市場に問うすべての製品に高レベルの品質と独創性を吹き込むことにより、機知に富むペガサスが象徴する強さ、創造性、純粋さを具体的に実現する」という意味を込めたと説明している。
「ASUS」の発音
当初、日本参入時からの「ASUS」の日本での読みは「アスース」が正式とされていた。日本法人の登記名も「アスース・ジャパン株式会社」であったが[1]、2012年10月1日に「ASUS」の呼称を「エイスース」に統一し、同時に日本法人のアスース・ジャパン株式会社をASUS JAPAN株式会社に社名変更した[2]。
日本人に馴染みのあるローマ字や英語とは異なる読み方であるため、誤って読まれることも少なくない。コンピュータ関連用語の読み方の話題では必ずと言っていいほど「ASUS」が取り上げられる。日本国内では「アスース」「エーサス」「アサス」、英語圏では「エイスス」に近い発音で読まれることが多い。中国語表記の発音は上記いずれとも全く異なり、「華碩」と書いて「フアシュオ」に近い発音となる。しかし、おおむねどの読み方でも通じる。ASUSTeKは「どんな読み方をしても、ASUSに親しんでくれればいい」として放置、呼称に対する同社の曖昧な姿勢が混乱を招いていた[3]。2010年12月に、「Eh-SUS」という発音表記の書かれた画像と、それを発音する動画がEngadgetにおいて公開された[4]。なお、同サイトの記事では古い発音として、最後に「アスース」と発音している以前のYouTubeのオフィシャル動画も示されている。
この新しい発音の日本での公式なカナ表記が「エイスース」である[5]。
概要
1989年にTH Tung(童子賢、廖敏雄、徐世昌、謝偉崎)らによって設立された。当時は日本でPC/AT互換機(いわゆる「DOS/Vマシン」)の市場が本格的に形成されはじめた時期であり、設立直後から日本にマザーボードを輸出していた。
新製品投入サイクルの短さと高品質とをモットーとしていたが、製品によってはBIOSの完成度が十分ではなくアップデート頻度が高いものもあった。
現在の製品分野は、業界最大手の1つに数えられるマザーボードのほか、ノートパソコンやビデオカード、DVDドライブなど多岐に渡る。OEMでは、かつてソニーVAIOシリーズへ供給していた他、ソニー・コンピュータエンタテインメント(PlayStation 2、PlayStation 3)やアップル(iPod、iPod shuffle、MacBook)、ヒューレット・パッカード、エプソンダイレクトなどへ部品の供給を行っている。消費者向け市場では、2008年春頃から自社ブランドでネットブック「Eee PC」を本格的に販売している。
なお、ASRockという子会社を通じて、信頼性重視のASUSブランドとは異なる個性的なマザーボードの製造もおこなっていた。例えばi865チップセットで対応不可であるはずのIntel Core 2が動作する「ConRoe865PE」では、メモリはDDR400(これもチップセットメーカーの仕様では非対応)に独自に対応させ、更にDDR533にオーバークロックして動作させているという。また、コンデンサなどの部品でもASUSと差別化が図られている。現在、ASRockはASUSの製造部門が分離独立したPegatronの傘下である。
2006年8月9日にGIGABYTE TECHNOLOGYと合弁会社を設立する計画を発表した[6][7]が、一部の地域での独占禁止法に抵触する恐れなどから、2007年3月22日に事実上撤回した[8]。
世界展開
日本
日本代理店は、以下の通りである。
- テックウインド(マザーボード、グラフィックカード、ノートPC、ベアボーン)
- アスク(ワイヤレスネットワーク機器など)
- エムヴィケー(マザーボード、ベアボーン、グラフィックカード)
なお、かつてはユーエーシーが国内総代理店であった。
正規流通ルート以外の輸入品は並行輸入品扱いとなる。上記の代理店以外に販売された製品を許可無く日本に持ち込んだ場合、並行輸入品と見なされて正式なサポートが受けられなくなるとASUSTeKの本社が公式に表明している。
製品
スマートフォン
- ASUS ZenFone シリーズ
ノートパソコン
- Zenbook™ シリーズ- 極薄、軽量、ハイパフォーマンスを誇るASUS製のUltrabook。2011年10月に発表されたアルミボディの「ASUS ZENBOOK UX21/UX31/UX32」、2013年10月に発表された天板にゴリラガラス3を搭載した「ASUS ZENBOOK UX301」がある。
- Gシリーズ - ASUSのゲーミングブランド「R.O.G.」シリーズのゲーマー向けのノートパソコン。
- Nシリーズ - エンターテインメント用のノートパソコン。サブウーファーが付属しているのが特徴。
- Uシリーズ - モバイル用のノートパソコン。
- X・Kシリーズ - スタンダード・ベーシックのノートパソコン。
- VXシリーズ - ランボルギーニのデザインを採用したモデル。
- Eee PC
- VivoBook - 重量が1kg未満で手ごろな価格帯のEeeBookからVivoBook Eシリーズへ引き継がれる。
- EeeBook X205TA (2015年モデル)
- VivoBook E200HA(2016年モデル)
- VivoBook E200HA-8350 (2016年モデル)
- VivoBook E203NA (2017年モデル)
- VivoBook E203MA (2018年モデル)
- Chrome Book
2in1パソコン
- TransBook - スクリーンとキーボードが取り外しができるシリーズ。Windows/Androidの2つのOSが搭載された「ASUS TransBook Trio」、10.1型の「ASUS TransBook T100TA」、13.3型の「ASUS TransBook TX300CA」がある。
タブレット端末
Android搭載モデルのタブレットは、ビジネスシーンでも活用できるキーボード付のモデルを販売しているのが特徴である。タブレットPCのみやWindows搭載モデルもある。
- Eee Pad
- Eee Pad Transformer シリーズ - キーボードドック付のタブレットPC。キーボードドックの取り外しができる。
- Eee Pad Slider シリーズ - キーボード一体型タブレットPC。
- Eee Slate シリーズ - Windows搭載モデルのタブレットPC。
- Eee Note シリーズ - メモ機能搭載デジタルノートPC。
- Nexus 7[9]
- MeMo Pad シリーズ - 7インチ・8インチ・10インチ等がある。
- Vivo Tab RT TF600T - Windows RT搭載モデル。上記Eee Pad Transformerとは異なり、キーボードドックは別売り[10]
- ZenPad シリーズ - MemoPadの後継。7インチ・7.9インチ(ZenPad S)・8インチ・10インチの4タイプがある。品番の最後にLが付く物はSIMフリー端末で、LTE通信に対応。
デスクトップパソコン
- Eee Box
- Eee Top
- Chrome Box
- Vivo Stick
その他
- 日本では一部のモデルしか流通していない。
日本法人について
これまで日本国内にはサポート拠点のみ置いていたが、2008年7月から経営機能を強化した。いわゆる「5万円ノートパソコン」のEee PCシリーズがヒットしたことで、日本に根付いたビジネス戦略を迅速に展開する必要が出てきたことがその理由。日本法人ではEmilie Lu氏が、代表取締役社長に就任。
また2009年1月には関西以西におけるビジネスパートナーとの協力体制強化とリレーションシップ構築を行い、日本での更なる経営基盤強化を進めるため、ASUS大阪オフィスを設立した。
同社が、2008年10月に発売のデスクトップパソコン「Eee Box」に、出荷前からコンピュータウイルスが混入していたことが発覚した[11]。また「Eee PC」の「701SD-X」モデルの外付けハードディスクにもコンピュータウイルスが混入していたことが発覚した[12]。同社は、出荷前にウイルスチェックを行ったものの、検出できなかったとしている。
脚注
- ↑ ASUS公式Twitter「ASUS自作PCパーツ関連 @ASUSJP_Jisaku」から以下引用。
ASUSの日本での読み方は「アスース」が正式です。日本参入時から今まで、1度も変更したことはありません。呼び辛いと言われることは確かに多いのですが、社名なのでお許しください。
—ASUS自作PCパーツ関連 @ASUSJP_Jisaku、2010年12月20日 - 19:52今後は分からないです。日本の場合、アスースが社名なので変える場合は社名変更になってしまいます。
—ASUS自作PCパーツ関連 @ASUSJP_Jisaku、2010年12月20日 - 19:56今後、ASUSの読み方を世界で統一する可能性もありますが、国によって発音し辛い音もあるため国ごとに読み方が違うのは仕方ないことだと思います。現時点では日本は社名合わせで「アスース」ということでお願いします。
—ASUS自作PCパーツ関連 @ASUSJP_Jisaku、2010年12月20日 - 20:03 - ↑ “ASUSブランド呼称および日本法人社名変更のご案内” (プレスリリース), ASUSTeK Computer, (2012年9月28日) . 2012閲覧.
- ↑ ASUS公式Twitter「ASUS自作PCパーツ関連 @ASUSJP_Jisaku」から以下引用。
また、イベントなどで皆様から、「エーサス」や「アサス」と呼びたいと言われることがあります。それに対して「駄目です、アスースと呼んでください」とは、やはり言えません。これがまずいんですかね。
—ASUS自作PCパーツ関連 @ASUSJP_Jisaku、2010年12月20日 - 19:57ASUSの読みについて補足します。ASUS製品は、ASUSが日本に本格参入する以前から輸入販売されていました。その頃のASUSの読みは、代理店やショップによって違います。なので自作歴が長い方や店員さんは、その頃の読み方をしていると思います。
—ASUS自作PCパーツ関連 @ASUSJP_Jisaku、2010年12月20日 - 21:06 - ↑ Richard Lai (2010年12月17日). “How to pronounce ASUS (video)”. Engadget (AOL) . 2012閲覧.
- ↑ ASUS公式Twitter「ASUS自作PCパーツ関連 @ASUSJP_Jisaku」から以下引用。
ちなみに、噂の元と思われる動画ですが、あれは日本語で発音する場合には「エイスース」となります。やっぱり国をまたがると発音って難しいですね。
—ASUS自作PCパーツ関連 @ASUSJP_Jisaku、2010年12月20日 - 20:00 - ↑ Ittousai (2006年8月9日). “GigabyteがASUSと合弁会社設立、マザーボード事業を移管”. Engadget Japanese (AOL) . 2012閲覧.
- ↑ 賈 大龍 (2007年3月20日). “Gigabyte UnitedにASUSTeKが出資せず? 揺れる“GIGABYTE””. 4Gamer.net (Aetas) . 2012閲覧.
- ↑ 本間 文 (2007年3月23日). “GIGABYTEとASUSTeK,「Gigabyte United」合弁を事実上解消”. 4Gamer.net (Aetas) . 2012閲覧.
- ↑ 販売はGoogle本体が担当
- ↑ 。Microsoft Windowsサイト内『お勧めの Windows RT PC』ASUS VivoTab RT TF600T
- ↑ “格安PCウイルス感染…台湾メーカー製4500台、出荷前から”. 読売新聞. (2008年10月11日) . 2012閲覧.
- ↑ “ASUS、「Eee PC 701SD-X」の外付けHDDにウィルス混入の可能性 - 無償交換へ”. マイナビニュース (マイナビ). (2008年10月14日) . 2012閲覧.
朝元照雄『台湾の企業戦略』(勁草書房、2014年)の第5章「華碩(エイスーステック)の企業戦略」に詳しい。
外部リンク
- ASUS Global(英語)
- ASUS 日本(日本語)