鶴岡駅
鶴岡駅(つるおかえき)は、山形県鶴岡市末広町にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)羽越本線の駅である。
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概要
山形県庄内地方にある鶴岡市の中心駅。羽越本線を走る全ての旅客列車(「いなほ」、「臨時快速きらきらうえつ」など)が停車する。庄内地方を代表する駅であるが、両隣の駅間は共に単線で、信号場(西鶴岡信号場・幕ノ内信号場)に挟まれた駅である。
酒田駅・新津駅と共に、列車接近時には接近メロディが流れる。メロディは、かつて首都圏で広く使われていたユニペックスの「清流」が使われている。
かつては庄内交通の湯野浜線が乗り入れており、現在の跨線橋の2・3番線側の先に湯野浜線ホームへの跨線橋が延び、駅東側(酒田・秋田側)には電車庫があった。現在ホーム跡には庄内丸と書かれた建物が建っている。また秋田営林局専用線、日本通運専用線、昭和石油専用線、庄内経済連と共同石油の共用専用線、さらに住友セメント専用線も敷設されていた。
鶴岡および出羽三山への玄関口であるとして、2002年(平成14年)、東北の駅百選に選定された。
駅構造
単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線のホームを有する地上駅。互いのホームは跨線橋で連絡している。
直営駅である。管理駅でもあるが、当駅は自駅のみの単駅管理となっている。
のりば
番線 | 路線 | 方向 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | ■羽越本線 | 上り | 村上・新津・新潟方面 | |
2 | 下り | 酒田方面 | 当駅始発・待避列車 | |
3 | 下り | 酒田・秋田方面 |
駅設備(改札口、窓口など)
駅舎施設
- 駅舎内には、待合室、NEWDAYS、コインロッカーなどがあり、駅改札口付近に直結している。
- 駅弁は、酒田駅で販売されている「鳥海釜めし」「ササニシキ弁当」があったが、現在取り扱われていない。
- 「日本海庄や」(居酒屋:大庄グループ)、「鶴岡市観光案内所」(無料レンタサイクルあり、09:30-17:00)、「駅レンタカー」(鶴岡営業所、8:30-18:30)、「神田川」(地魚料理、和食、日本酒、ラーメン等)、駐輪場、公衆トイレなどがあるが、駅舎入口を一旦出る必要がある。
- 駅の北側は工場や物流施設が多く出口は設けられていないが、駅舎の東側に隣接する地下道が南北を結んでいる(トイレ付近)。
利用状況
乗車人員推移[1] | |
---|---|
年度 | 1日平均人数 |
1965 | 6,732[2] |
1970 | 5,138[3] |
1975 | 5,028[4] |
1989 | 2,378 |
1990 | 2,422 |
1991 | 2,473 |
1992 | 2,368 |
1993 | 2,301 |
1994 | 2,242 |
1995 | 2,197 |
1996 | 2,147 |
1997 | 2,032 |
1998 | 2,014 |
1999 | 1,978 |
2000 | 1,815 |
2001 | 1,746 |
2002 | 1,663 |
2003 | 1,617 |
2004 | 1,482 |
2005 | 1,449 |
2006 | 1,437 |
2007 | 1,472 |
2008 | 1,416 |
2009 | 1,372 |
2010 | 1,379 |
2011 | 1,351 |
2012 | 1,361 |
2013 | 1,356 |
2014 | 1,275 |
2015 | 1,248 |
2016 | 1,226 |
2017 | 1,187 |
歴史
- 1918年(大正7年)9月21日 - 陸羽西線・余目 - 当駅間開通の際に、赤川を挟んだ藤島町大半田に仮駅を開設。
- 1919年(大正8年)
- 7月6日 - 同・仮駅から1.8km延伸開通した際、現在地に移転。
- 12月5日 - 当駅 - 羽前大山間が延伸開通。
- 1924年(大正13年)7月31日 - 羽越線の駅となる。
- 1925年(大正14年)11月20日 - 支線となる赤谷線の開業に伴い、羽越本線の駅となる。
- 1929年(昭和4年)12月8日 - 庄内電気鉄道湯野浜線・当駅 - 湯野浜温泉(仮)間が開通。
- 1970年(昭和45年)
- 荷物積卸業務を外部委託。
- 1月 - みどりの窓口開設。
- 1975年(昭和50年)4月1日 - 庄内交通湯野浜線が全線廃止。
- 1977年(昭和52年) - 荷物フロント業務を外部委託。
- 1978年(昭和53年)12月 - 新駅舎(現駅舎)落成、6日に竣工式。
- 1986年(昭和61年)
- 10月20日 - 貨物の取扱を廃止、旅客駅となる。
- 11月1日 - 荷物の取扱を廃止。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化に伴い、東日本旅客鉄道の駅となる。
- 2005年(平成17年)12月8日 - 自動改札機導入。
- 2006年(平成18年)2月28日 - エレベータ設置。
- 2008年(平成20年)12月21日 - 指定券券売機導入。
- 2012年(平成24年)6月24日 - 鶴岡市藤島庁舎保管の忠犬ハチ公試作石膏像が展示開始。毎年4月15日から翌年2月15日まで公開。
- 2014年(平成26年)2月28日 - 内外装の張り替えなどをしたリニューアル駅舎完成(山形ディスティネーション(DC)に向けて)[5]。
- 2018年(平成30年)3月30日 - びゅうプラザが閉店。
鶴岡駅前再開発事業
鶴岡市では駅前地区と中心市街地において商店街が形成されてきたが、大型店の進出に伴い既存商店街との競合が激化し、商業活動に様々な影響を及ぼしていた。市はこうして状況を踏まえ広域商業診断を実施し、その提言をもとに駅前地区の再開発と中心商店街の活性化の取り組みを始め、1974年度に「鶴岡駅前地区市街地再開発基本計画」を策定した[6]。
鶴岡駅前再開発事業は、駅前地区の区域約2.8ヘクタールを3つの施行地区・4つの街区に分け、市施行・民間施行の地区別事業施行とし[7]、1983年2月に都市計画の決定が告示され、翌年5月には事業計画も告示された。
市施行である都市計画道路、鶴岡駅前広場および施設建設物であるマリカ東館、西館の整備には事業費約102億円が費やされた。またマリカの管理運営は市が50%を出資した第三セクターである鶴岡再開発ビルが担う手法が執られた[6]。個人施行である鶴岡駅前A街区第一種市街地再開発事業(棟名:鶴岡末広ビル)は事業費31億78百万円(うち補助金3億24百万円)を投じ地下1階、地上5階のテナントビルが建設された。また同様に個人施行である鶴岡駅前B街区第一種市街地再開発事業(棟名:鶴岡パークビル)は事業費12億77百万円(うち補助金1億14百万円)を投じ、地上6階建のビルを建設。駐車場のほか店舗が設けられた[6]。
1985年3月、鶴岡末広ビルにジャスコ鶴岡店がキーテナントとしてオープンしたほか、鶴岡パークビルも開業した。1987年7月には鶴岡ワシントンホテルや[注釈 1]、土産物店さらにオフィスや産業振興センターなど公共施設が入る地下1階、地上8階のマリカ西館が開業し、続いて同年9月にはジャスコ鶴岡店を中核に地元専門店など25店舗や、300台の収容が可能な駐車場を備えた地下1階、地上6階のマリカ東館が開業した。マリカ西館、東館は空中通路で結ばれ交通の安全性や災害避難時の動線も確保された[6]。
ジャスコ鶴岡店とマリカの全面開業によって、鶴岡駅前はすでに開業していた庄交モール(現:エスモール)とともに商業集積は高まり既存商店街との回遊性も高まった。しかし、1990年代後半に入ると市郊外に続々と大型店が出店。2001年8月3日には、隣接する三川町猪子地区の国道7号三川バイパス沿いにジャスコが当時としては県内最大級の商業施設面積を擁するイオン三川ショッピングセンター (現:イオンモール三川)を開業した[9]。多層階で駐車場も少ない駅前立地型のジャスコ鶴岡店からは徐々に客足が遠のき採算割れに陥り[10]、2002年8月31日にはイオン三川SCからの影響で庄交モールのキーテナントであったダイエー鶴岡店が売り上げ不振となり撤退した。
2004年11月、イオンは翌年3月末で20年間の契約が切れるジャスコ鶴岡店が入居する鶴岡末広ビルとの賃貸借契約を延長しないことを地権者に通告。2005年3月末で同店は撤退し、ビルは解体された。2006年6月に入り、市がビル跡地を市土地開発公社を通じて取得し、公園などを整備したいとの意向を表明していた[11]。また2007年3月にはマリカの管理運営にあたっていた鶴岡再開発ビルも、ジャスコ鶴岡店の撤退によって経営難となり、鶴岡簡易裁判所に会社清算に向けた民事調停を申し立てた[12]。
2017年5月、市は長らく更地状態となっていたジャスコ跡地に関し、複合型中高層集合住宅の整備の可能性を探る調査を行う方針を明らかにした[13]。また同年6月24日、商業施設部門を終了したマリカ東館1階に、市と地元のまちづくり会社「Fu-Do(ふうど)」が1階部分の1420平方メートルを改装し、「つるおか食文化市場FOODEVER」をプレオープンし、同年7月1日には市が設置した観光案内所の開業によって、グランドオープンした[14][15]。
駅周辺
駅前のロータリーにはバス停留所、タクシープール、駅前駐車場がある。
- マリカ
- 東京第一ホテル鶴岡
- ホテルルートイン鶴岡駅前
- ホテルアルファーワン鶴岡
- ホテルステイイン山王プラザアネックス
- エスモール
- 以下は駅周辺とは言えないが、一応最寄駅であるという意味で記載する。
- 鶴岡市役所
- 致道博物館
- 荘内神社
- 鶴岡市立藤沢周平記念館
- 羽黒山五重塔
- 出羽三山神社
バス路線
庄内交通の運行する各路線が出ている。ほとんどの路線の始発は、1区間前である東京第一ホテル鶴岡の近くにあるエスモールから出ている。以前は、庄内交通等の長距離バスも駅前バス停を経由していたが、現在は全てエスモール発着(経由)となっている。路線バス扱いではないが、2008年にツアーバスのキラキラ号が運行を開始し、鶴岡では当駅が集合場所になっている。また、オー・ティー・ビー(オリオンツアー)も少し離れた場所だが、当駅西口が集合場所である。以前はWILLER EXPRESSも山形経由で運行していた。
空港アクセス
最寄りの空港は、庄内空港である。バスか車を利用する。
- 空港リムジンバス…庄内空港行(東京第一ホテル鶴岡前、イオン三川経由)国道7号バイパスを経由して快速運行(経由の2停留所のみ停車)するようになり、リムジンバスと呼ぶようになった。速達性は向上し、車両も高速バス用4列シートが運用されている。
他に乗り合いタクシーも運行しており、通常のタクシーよりも格安で利用できる(要予約)。
路線バス
全便が庄内交通の運行。
- 1番のりば
- 2番のりば
- 3番のりば
- 庄内空港行リムジンバス
- エスモール
- 中央高校(平日のみ、土・日・祝祭日と高校休業期間中はエスモールまで)
- 4番のりば
- 南センター(外内島) …日吉町、山王町、銀座通り経由
- 南センター(外内島) …荘内病院、市役所前経由 ※土・日・祝祭日と年末年始は運休
- 鶴岡観光ぐるっとバス(庄内交通観光バス事業部運行のため、運賃が異なる。庄内交通回数券は利用不可)
- (市内コース)般若寺・龍覚寺、丙申堂、藩校致道館、致道博物館、山王神社・富樫蝋燭店方面 ※4月~5月、10月下旬~11月の金・土・日・月・祝祭日の運行。
- (加茂コース)般若寺・龍覚寺、丙申堂、藩校致道館、致道博物館、庄内観光物産館、羽前大山駅、加茂水族館(クラゲドリーム館)、湯野浜温泉方面 ※6月~10月の金・土・日・月・祝祭日運行。
その他
- 鶴岡観光ぐるっとバス 鶴岡駅・丙申堂・致道館・鶴岡公園・鶴岡駅(循環)
隣の駅
かつて存在した路線
- 庄内交通
- 湯野浜線
- 鶴岡駅 - 京田駅
脚注
注釈
出典
- ↑ 鶴岡市の統計書
- ↑ 鉄道統計年報昭和40年版p102 新潟鉄道管理局
- ↑ 鉄道統計年報昭和45年版p90-91 新潟鉄道管理局
- ↑ 鉄道統計年報昭和50年版p64-65 新潟鉄道管理局
- ↑ “DCに向けて駅が新しく生まれ変わりました!” (pdf) (プレスリリース), 東日本旅客鉄道 新潟支社, (2014年2月26日) . 2014閲覧.
- ↑ 6.0 6.1 6.2 6.3 「再開発情報 鶴岡駅前地区」『再開発コーディネーター (12) 』1988年3月号
- ↑ 「新しいまち"つるおかマリカ"鶴岡駅前地区第一種市街地再開発事業完成」 『再開発コーディネーター (10) 』1987年11月号
- ↑ “アパホテル県内2店目、今月末開業 鶴岡ワシントンホテル活用”. 山形新聞. (2016年8月3日) . 2016-2-21閲覧.
- ↑ 「イオン三川SC、来月3日オープン ニューファミリー狙う 山形」『朝日新聞山形版』 2001年7月12日
- ↑ 「イオン ジャスコ鶴岡店 閉鎖へ 来春、採算割れ状態続き 駅周辺の空洞化拍車」『日本経済新聞』2004年11月11日
- ↑ 「鶴岡市 ジャスコ跡地を取得、駅前公園などを検討」『毎日新聞山形版』2006年4月14日
- ↑ 「マリカ東館 鶴岡の3セク 負債で経営困難に 民事調停申し立てへ」『毎日新聞山形版』2007年2月28日
- ↑ “JR鶴岡駅前の旧ジャスコ跡地 複合型マンション検討”. 荘内日報. (2017年5月9日) . 2017-6-27閲覧.
- ↑ “鶴岡の味、求めにぎわう 食文化発信拠点がプレオープン”. 山形新聞. (2017年6月25日) . 2017-6-27閲覧.
- ↑ “つるおか食文化市場FOODEVER 鶴岡駅前に新風吹き込む”. 荘内日報. (2017年7月2日) . 2017-7-9閲覧.