鬼崎裕司
鬼﨑 裕司(おにざき ゆうじ、1983年4月7日 - )は、佐賀県佐賀市出身の元プロ野球選手(内野手)。
社会人野球のかずさマジックに1期生として在籍した鬼崎智史は3歳年上の実兄。
Contents
経歴
高校・大学時代
1990年に野球を始める。1999年に佐賀県立佐賀工業高等学校へ進学し、遊撃手に転向。高校時代は甲子園出場はなかった。2002年に関東学院大学経済学部へ進学すると、春からベンチ入り。秋からレギュラーをつかんだ。
2003年の全日本大学野球選手権大会に出場するなど大舞台の経験を積むと、2005年には春季リーグでMVPを獲得し、巧守のドラフト候補として名前が挙がった。しかしこの時点では指名されず、社会人野球の富士重工業へ入団した。
社会人時代
夏には1番・遊撃手のレギュラーを獲得。第77回都市対抗野球大会1回戦(対日産自動車戦)では敗戦したものの2安打を放つ。そして秋の第33回社会人野球日本選手権大会では全試合で1番・遊撃手としてチームの16年ぶり2度目の優勝に貢献、大会優秀選手(遊撃手部門)を獲得した。
2007年、2年続けて第78回都市対抗野球大会、第34回社会人野球日本選手権大会に出場した。同年11月19日のドラフト会議において、東京ヤクルトスワローズから3巡目で指名され、推定契約金7000万円・年俸1200万円で契約し、入団。背番号は46。
ヤクルト時代
2008年はオープン戦で結果を残すことができず、2月25日に早々と降格が決定。結局開幕一軍入りは果たせなかったが、教育リーグを経て4月4日に川島慶三と入れ替えで、初めて昇格した。4月5日の対中日ドラゴンズ戦(ナゴヤドーム)でプロ初出場。9月27日に開幕したハワイ・ウィンターリーグでは高井雄平とともに派遣され、ワイキキ・ビーチボーイズに所属した。
2009年も開幕を二軍で迎え、ファームでも打率.241・3本塁打・37打点に終わったが、9月19日に昇格。23日に初先発出場すると、プロ初安打と初打点を含む4打数3安打2打点の活躍でヒーローインタビューを受けた。その後も起用され、最終的に15試合の出場ながら打率.356・2本塁打・8打点で、球団初のクライマックス・シリーズ出場に貢献した。同年10月3日の対阪神タイガース戦(阪神甲子園球場)プロ初本塁打を放った・
2010年は開幕一軍入りを果たす[1]。4月3日の対横浜戦で一軍で初めて三塁手としての出場。出場試合数、打席数ともヤクルト在籍時では最多だった。オフの2011年1月23日に入籍した[2]。
2011年5月24日、小野寺力との交換トレードで埼玉西武ライオンズへ移籍することが発表された[3]。背番号は56[4]。
西武時代
8月4日の対楽天戦で移籍後初出場。西武での出場は2試合で終わる。
2012年、開幕一軍入りを果たす[5]。4月8日の対ソフトバンク戦で一軍で初めて二塁の守備についた[2]。9月22日の対日本ハム戦、1点差を追う8回に無死一二塁でホセ・オーティズの代打で登場し、2ストライクと追い込まれた状況で送りバントを決め、その後チームが逆転したということから移籍後初のお立ち台に上がり、試合後に「根性でバントした」と話した[6]。
2013年、チームの遊撃手として開幕戦以降数試合は二年目の永江恭平が、その後4,5月は主に新人の金子侑司が先発出場を重ねたが、自身は主に7月からシーズン終了まで先発出場を重ね、最終的に自己最多の105試合に出場した。オフに背番号が4に変更された[7]。
2014年4月5日の対オリックス戦で一軍では初めて一塁手としての出場。同月9日のソフトバンク戦で右すねに自打球を当て、打撲のため11日登録を抹消される[8]。しかし実戦復帰は大幅に遅れ、一軍での出場は8月22日になってからであった。実際には骨挫傷の重傷であったという。
2015年11月20日に来季の背番号が5に変更することが発表された[9]。
2017年は、ルーキーの源田壮亮が遊撃手として全試合フルイニング出場したことなどを背景に、プロ入り後初めて一軍出場なしに終わった。10月6日に球団から戦力外通告を受け[10]、20日に任意引退公示された[11]。21日に二軍育成担当の球団職員に就任することが球団から発表された[12]。
詳細情報
年度別打撃成績
年 度 |
球 団 |
試 合 |
打 席 |
打 数 |
得 点 |
安 打 |
二 塁 打 |
三 塁 打 |
本 塁 打 |
塁 打 |
打 点 |
盗 塁 |
盗 塁 死 |
犠 打 |
犠 飛 |
四 球 |
敬 遠 |
死 球 |
三 振 |
併 殺 打 |
打 率 |
出 塁 率 |
長 打 率 |
O P S |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2008 | ヤクルト | 3 | 4 | 4 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | .000 | .000 | .000 | .000 |
2009 | 15 | 50 | 45 | 5 | 16 | 2 | 0 | 2 | 24 | 8 | 0 | 0 | 1 | 0 | 4 | 2 | 0 | 3 | 0 | .356 | .408 | .533 | .941 | |
2010 | 60 | 96 | 87 | 9 | 17 | 3 | 0 | 1 | 23 | 5 | 0 | 1 | 3 | 0 | 5 | 0 | 0 | 25 | 0 | .195 | .239 | .264 | .503 | |
2011 | 8 | 10 | 9 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 4 | 0 | .000 | .100 | .000 | .100 | |
西武 | 2 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | .000 | .000 | .000 | .000 | |
'11計 | 10 | 13 | 12 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 7 | 0 | .000 | .071 | .000 | .071 | |
2012 | 56 | 22 | 17 | 4 | 2 | 0 | 1 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 2 | 0 | 0 | 4 | 0 | .118 | .211 | .235 | .446 | |
2013 | 105 | 301 | 271 | 29 | 72 | 7 | 3 | 2 | 91 | 24 | 6 | 2 | 13 | 2 | 12 | 0 | 3 | 73 | 4 | .266 | .302 | .336 | .638 | |
2014 | 37 | 96 | 85 | 10 | 19 | 5 | 0 | 0 | 24 | 5 | 1 | 0 | 3 | 0 | 8 | 0 | 0 | 29 | 1 | .224 | .290 | .282 | .573 | |
2015 | 59 | 124 | 107 | 9 | 21 | 5 | 0 | 0 | 26 | 6 | 1 | 0 | 6 | 1 | 10 | 0 | 0 | 23 | 1 | .196 | .263 | .243 | .508 | |
2016 | 79 | 216 | 190 | 30 | 48 | 8 | 2 | 1 | 63 | 17 | 1 | 0 | 9 | 0 | 17 | 0 | 0 | 53 | 0 | .253 | .314 | .332 | .646 | |
NPB:9年 | 425 | 922 | 818 | 99 | 195 | 30 | 6 | 6 | 255 | 65 | 9 | 3 | 38 | 3 | 59 | 2 | 3 | 219 | 6 | .238 | .291 | .312 | .603 |
年度別守備成績
年 度 |
一塁 | 二塁 | 三塁 | 遊撃 | ||||||||||||||||||||
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試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 |
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 |
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 |
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | |
2008 | - | - | - | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1.000 | |||||||||||||||
2009 | - | - | - | 14 | 24 | 58 | 2 | 6 | .976 | |||||||||||||||
2010 | - | - | 2 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1.000 | 53 | 32 | 81 | 5 | 15 | .958 | ||||||||||
2011 | - | - | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | 4 | 1 | 8 | 2 | 2 | .818 | ||||||||||
2012 | - | 30 | 20 | 23 | 1 | 4 | .977 | 12 | 1 | 5 | 0 | 1 | 1.000 | 11 | 2 | 8 | 1 | 1 | .909 | |||||
2013 | - | 38 | 33 | 39 | 1 | 8 | .986 | 20 | 6 | 7 | 0 | 0 | 1.000 | 84 | 99 | 195 | 2 | 41 | .993 | |||||
2014 | 4 | 29 | 1 | 0 | 3 | 1.000 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1.000 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1.000 | 34 | 53 | 74 | 2 | 20 | .984 |
2015 | 2 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | - | 15 | 2 | 2 | 0 | 0 | 1.000 | 47 | 58 | 106 | 5 | 21 | .970 | |||||
2016 | 9 | 22 | 3 | 1 | 1 | .962 | 2 | 1 | 1 | 0 | 1 | 1.000 | 10 | 6 | 18 | 5 | 3 | .828 | 60 | 61 | 146 | 6 | 33 | .972 |
通算 | 15 | 54 | 4 | 1 | 4 | .983 | 71 | 54 | 65 | 2 | 13 | .983 | 66 | 17 | 35 | 5 | 4 | .912 | 309 | 332 | 677 | 25 | 139 | .976 |
記録
- 初出場:2008年4月5日、対中日ドラゴンズ2回戦(ナゴヤドーム)、6回裏に川端慎吾に代わり遊撃手で出場
- 初打席:同上、8回表に鈴木義広の前に見逃し三振
- 初先発出場:2008年8月14日、対横浜ベイスターズ17回戦(横浜スタジアム)、2番・遊撃手で先発出場
- 初安打:2009年9月23日、対広島東洋カープ23回戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)、3回表に今井啓介から左前安打
- 初打点:同上、9回表にマイク・シュルツから左越2点適時二塁打
- 初本塁打:2009年10月3日、対阪神タイガース22回戦(阪神甲子園球場)、6回表に桟原将司から右越決勝ソロ
- 初盗塁:2013年6月23日、対オリックス・バファローズ9回戦(西武ドーム)、3回裏に二盗(投手:西勇輝、捕手:伊藤光)
背番号
- 46 (2008年 - 2011年5月23日)
- 56 (2011年5月25日 - 2013年)[13]
- 4 (2014年 - 2015年)
- 5 (2016年 - 2017年)
登場曲
- 「雪月花」湘南乃風(2015年シーズン途中‐終了まで)
- 「Ki・mi・ni・mu・chu」EXILE(2016年‐)
脚注
- ↑ [1] スポニチ Sponichi Annex
- ↑ 鬼崎選手、入籍! 東京ヤクルトスワローズ公式サイト
- ↑ トレードのお知らせ 東京ヤクルトスワローズ公式サイト
- ↑ 江草仁貴投手、鬼崎裕司選手入団会見 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト
- ↑ 2012年 開幕登録選手発表! 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト
- ↑ いまだノーヒット男がお立ち台!西武 4点差逆転0・5差 スポニチ Sponichi Annex 2012年9月23日掲載
- ↑ 来季背番号変更のお知らせ 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト
- ↑ 西武 鬼崎が登録外れる スポニチ Sponichi Annex 2014年4月11日掲載
- ↑ 鬼崎選手 背番号変更のお知らせ 埼玉西武ライオンズ公式サイト 2015年11月20日
- ↑ 埼玉西武ライオンズ来季選手契約について 埼玉西武ライオンズオフィシャルサイト 2017年10月6日掲載
- ↑ 任意引退選手|2017年度公示 NPB日本野球機構
- ↑ チームスタッフ配置について埼玉西武ライオンズオフィシャルサイト 2017年10月21日掲載
- ↑ この56は、5月24日に阪神へのトレードが発表された黒瀬春樹が付けていた背番号だが、鬼崎の西武支配下選手登録公示が5月24日(同日、ヤクルト支配下選手登録抹消も公示)であるのに対し、黒瀬の西武支配下選手登録抹消公示はその翌日の5月25日(同日、阪神支配下選手登録も公示)である。このため、5月24日時点での背番号56は黒瀬と鬼崎で重複している状態となった。西武での鬼崎の背番号が発表されたのは5月25日だが、実際にどのような扱いとなっていたのかは不明である。
関連項目
外部リンク
- 選手の各国通算成績 Baseball-Reference (Japan)、The Baseball Cube