高砂線

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停車場・施設・接続路線(廃止当時)
STR
加古川線
eABZg+l exSTRq exKBSTeq
加古川刑務所 専用線
eABZg+l exSTR+r
山陽本線
BHFq ABZqr xKRZo STRq
0.0 加古川駅
exBHF exKBHFa
2.0 野口駅
exSTR exSTRl
別府鉄道野口線
exBHF
2.7 鶴林寺駅
exBHF
2.9 北在家停留場 -1943
STRq xKRZu STRq
山陽新幹線
STR+l xKRZu STRq
山陽電鉄本線
STR exBHF
3.7 尾上駅
HST exSTR
尾上の松駅
STR exBHF
4.5 高砂口駅 -1914
WBRÜCKE exWBRÜCKE
加古川
STR exBHF
5.7 高砂北口駅
HST exSTR
電鉄高砂駅
STRq STRr exSTR
exSTR+l exSTRq exABZg+r
exSTR exABZg+l exKBSTeq
三菱製紙高砂工場
exSTR exBHF
6.3 高砂駅
exSTR exKBSTaq exABZg+r
鐘紡高砂工場
exSTR exKBSTaq exABZgr
鐘淵化学高砂工場
exSTR exKDSTe
8.0 高砂港駅
exABZgl exSTR+r
exSTR exABZgl exKBSTeq
三菱重工業高砂工場
exSTR exABZgl exKDSTeq
国鉄高砂工場
exSTR exSTRl exKBSTeq
神戸製鋼所高砂工場
exSTRl exKBSTeq
キッコーマン高砂工場

高砂線(たかさごせん)は、兵庫県加古川市加古川駅から兵庫県高砂市高砂駅までを結んでいた日本国有鉄道(国鉄)の鉄道路線地方交通線)である。1980年昭和55年)の国鉄再建法の施行により特定地方交通線に指定され、1984年(昭和59年)11月30日限りで廃止された。

概要

加古川の舟運を代替する目的で設立された播州鉄道が、舟運の物資集散地であった高砂と流域各地を結ぶ路線として開通させ、その後も貨物輸送を中心とした輸送体系が続いた。戦後は沿線に国鉄高砂工場も置かれ、貨物列車に加えて工場入出場のための回送列車も設定されており、高砂市中心部に乗り入れていたものの旅客列車は運転本数が少なかった(最末期は日中2時間間隔)。そのため旅客需要は神戸や姫路方面への直通電車を頻繁に運転する山陽電気鉄道や、加古川へ頻繁運転する(当時日中30分間隔・尾上駅南方の大崎停留所 - 加古川駅間は15分間隔)神姫バスの利用がほとんどで、高砂線の利用者は定期運賃の安さから高校生が中心となっていた。

国鉄再建法の施行により特定地方交通線に指定された後も、高砂工場の存在や沿線人口の多さから楽観視されていたが、高砂工場の閉鎖が決まり、また尾上 - 高砂北口間の第二加古川橋梁の老朽化から第三セクター鉄道への移行は断念され、廃線となった。

なお、廃止時に列車に取り付けられていた、「さよなら高砂線」のヘッドマークは現在さいたま市にある鉄道博物館にて展示されている。

路線データ

  • 路線距離(営業キロ):8.0km(加古川駅 - 高砂駅間6.3km、高砂駅 - 高砂港駅間1.7km)
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:7(貨物営業廃止直前。起終点駅含む)
  • 複線区間:全線単線
  • 電化区間:全線非電化

沿線風景

加古川駅を出ると、しばらくは加古川線と線路を共有する。加古川線は進路を北に向けるが、高砂線は東方向に分岐する。築堤によって徐々に高度が上昇するとともに進路を南に向け、山陽本線(現在は高架だが本路線営業当時は地平)・国道2号を乗り越える。その後地平まで降り、加古川市役所東側の野口駅に到着する。野口駅では別府鉄道野口線が分岐する。そのまま南に下っていくと鶴林寺駅に到着する。鶴林寺への最寄り駅でもある。

鶴林寺駅を発車すると、国道250号明姫幹線)・山陽新幹線山陽電鉄本線をくぐり尾上駅に到着する。

尾上駅から線路は東西方向を向き、山陽電鉄本線の南側に沿う。第二加古川橋梁で加古川を横断し、高砂北口駅に到着する。

そこから線路は南北方向を向き、西側から国鉄高砂工場などからの引き込み線が合流し、高砂駅に到着する。そのまま南下していくと終点の高砂港駅に到着する。

運行形態

日中は2時間に1本、ラッシュ時は40分 - 1時間毎の運行であった。廃止直前の運転本数は1日12往復となっていた。

歴史

ファイル:高砂線転轍機操作てこ.jpg
廃線跡の転轍機操作てこ
ファイル:Befu 01.jpg
野口駅
左)高砂線 右)別府鉄道野口線
(1984年1月)
ファイル:Takasago final 01.JPG
廃止時に取り付けられたヘッドマーク (鉄道博物館
  • 1913年大正2年)12月1日播州鉄道 加古川町駅 - 高砂口駅間(2.9M≒4.67km)が開業。北在家駅(初代)・尾上駅・高砂口駅が開業。
  • 1914年(大正3年)9月25日:高砂口駅 - 高砂駅 - 高砂浦駅間(1.6M≒2.57km)が延伸開業。野口駅 - 尾上駅間で改マイルを実施し、0.3M(≒0.48km)延長。高砂駅・高砂浦駅(のちの高砂港駅)が開業。高砂口駅が廃止。北在家駅(初代)が野口駅に改称。尾上駅が停留場に変更され、移転[1]
  • 1915年(大正4年)
    • 1月26日:北在家停留場が開業。
    • 5月14日 加古川町駅が国有鉄道加古川駅に統合。
  • 1917年(大正6年)10月9日:野口駅が停留場に変更。
  • 1921年(大正10年)5月9日:高砂駅 - 高砂浦駅間の旅客営業廃止。
  • 1923年(大正12年)12月21日播丹鉄道に譲渡。
  • 1928年昭和3年)8月3日:北在家停留場が駅に変更。
  • 1929年(昭和4年)9月4日:尾上停留場が駅に変更。
  • 1930年(昭和5年)
    • 4月1日:営業キロをマイル表記からメートル表記に変更(4.8M→7.6km)。
    • 7月10日:高砂北口停留場が開業。
  • 1933年(昭和8年)4月24日:北在家駅(2代目)が停留場に変更。
  • 1943年(昭和18年)6月1日:播丹鉄道の国有化により、高砂線となる[2]。加古川駅 - 高砂間で改キロ (+0.1km)、高砂駅 - 高砂港駅間で改キロ (+0.3km)。停留場が駅に変更。北在家停留場が廃止。高砂浦駅が高砂港駅に改称。
  • 1955年(昭和30年)2月10日:鶴林寺駅が開業。
  • 1958年(昭和33年)11月1日:経営改善を目的に、加古川線管理所が設置される[3]
  • 1970年(昭和45年)4月1日:加古川線管理所が廃止される[3]
  • 1981年(昭和56年)9月18日:第1次特定地方交通線として廃止承認。
  • 1984年(昭和59年)
    • 2月1日:高砂駅 - 高砂港駅間 (1.7km) が廃止。全線の貨物営業が廃止。
    • 12月1日:加古川駅 - 高砂駅間 (6.3km) が廃止。

駅一覧・接続路線

  • 全駅兵庫県に所在。
  • *印を付した駅は、1980年以降も営業を続けた駅。
駅名 駅間キロ 営業キロ 接続路線 所在地
加古川駅* - 0.0 日本国有鉄道:山陽本線加古川線 加古川市
野口駅* 2.0 2.0 別府鉄道野口線
鶴林寺駅* 0.7 2.7  
北在家停留場 0.2 2.9  
尾上駅* 0.8 3.7 山陽電気鉄道本線尾上の松駅
高砂口駅 0.8 4.5  
高砂北口駅* 1.2 5.7 山陽電気鉄道:本線(電鉄高砂駅 高砂市
高砂駅* 0.6 6.3  
高砂港駅* 1.7 8.0  

現状

加古川駅は、高架化工事によって当時の面影は残っていない。加古川線と分岐したあとの築堤が存在した区間に関しては、築堤は完全に撤去されているが、一部は空き地になっており、当時の面影がうかがえる。山陽本線をまたぐ橋も近年まで道路として使用されていたが、加古川駅付近高架化に伴い撤去された。

山陽本線との交差地点から南側はほとんどが道路に転用されている。山陽新幹線・山陽電鉄の高架には、高砂線のディーゼルカーの排気ガスがこびりついていることから線路跡と判断できる。第二加古川橋梁は完全に撤去されている。高砂北口駅付近は自転車置き場に、高砂駅付近は遊歩道に転用されている。

代替バス

  • 加古川駅 - 鶴林寺経由 - 高砂北口駅(山陽電鉄高砂駅)間の代替バス(神姫バス)は既に廃止されている[4]。加古川駅 - 高砂間のバス路線は別ルート(神姫バス43系統)で存続しているが、本数は少ない。
  • 高砂北口駅 - (国鉄)高砂駅間の代替バスは神姫バスから、じょうとんバス(高砂市コミュニティバス)に移管された。(国鉄)高砂駅跡地は神姫バス「高砂南」停留所の転回所になっていたが、コミュニティバスに移管後は別の場所に変わっていて、今は単なる意味のない行き止まりの道路になっている。

復活構想

関西圏都市交通研究会は加古川・高砂LRTとして当路線の復活を提言している。[5]

脚注

  1. 播鉄高砂線開通 本日開通式挙行神戸大学附属図書館新聞記事文庫)- 神戸新聞 1914年9月25日
  2. 「鉄道省告示第120号」『官報』1943年5月25日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  3. 3.0 3.1 村上心『日本国有鉄道の車掌と車掌区』成山堂書店 2008年 ISBN 978-4-425-30341-0 p.185 - p.186
  4. 加古川駅 - 鶴林寺間はかこバス(浜の宮駅・別府駅行き)あり
  5. 川島令三著 『日本三大都市 未完の鉄道路線』 p305

関連項目