高市郡

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奈良県高市郡の範囲(1.高取町 2.明日香村)

高市郡(たかいちぐん)は、奈良県大和国)の

人口12,317人、面積49.89km²、人口密度247人/km²。(2018年4月1日、推計人口

以下の1町1村を含む。

郡域

1880年明治13年)に行政区画として発足した当時の郡域は、上記1町1村のほか、下記の区域にあたる。

  • 大和高田市の一部(奥田・吉井・根成柿・秋吉・西坊城・出村)
  • 橿原市の大部分(概ね小槻町、土橋町、北妙法寺町、地黄町、小綱町、今井町、八木町、醍醐町、高殿町、法花寺町、別所町より南西[1]

歴史

古代

4代懿徳天皇の軽曲峡宮(『日本書紀』)や8代孝元天皇の軽境原宮が橿原市大軽町にあったとされている。

和名抄』には、巨勢波多、遊部、檜前(比乃久末)、久米、雲梯、賀美の7つのが記載されている。

和名類聚抄』に記される郡内の

  • 巨勢
  • 波多
  • 遊部
  • 檜前(比乃久末)
  • 久米
  • 雲梯
  • 賀美

式内社

延喜式神名帳に記される郡内の式内社

テンプレート:大和国高市郡の式内社一覧
神名帳 比定社 集成
社名 読み 付記 社名 所在地 備考
凡例を表示

近世

旧高旧領取調帳」に記載されている明治初年時点での支配は以下の通り。幕府領奈良奉行が管轄。●は村内に寺社領が、○は村内に寺社除地[2]が存在。(2町113村)

知行 村数 村名
幕府領 幕府領 1町
11村
小槻村、○中曽司村、雲梯村、越村、五条野村、今井町、常門村、奥田村、吉井村、萩本村、川西村、小泉堂村
旗本領 21村 ○鳥屋村、○久米村、川原村、○池尻村、地黄村、○大久保村、○吉田村、古川村、○畝傍村、慈明寺村、○箸喰村、寺田村、山本村、五井村、●大谷村、曽我村、秋吉村、●○東坊城村[3]、小綱村、御坊村、妙法寺村(現・橿原市北妙法寺町)
幕府領・旗本領 3村 土橋村、○忌部村、曲川村
藩領 大和高取藩 1町
75村
●○四条村、妙法寺村(現・橿原市南妙法寺町)、○観覚寺村、○橘村、稲淵村、栢森村、入谷村、畑村、冬野村、尾曽村、○上村、○細川村、上居村、坂田村、祝戸村、島ノ庄村、○岡村、飛鳥村、小原村、東山村、八釣村、奥山村、小山村、雷村、豊浦村、野口村、立部村、清水谷村、上子島村、下子島村、土佐町、土佐村、吉備村、森村、佐田村、薩摩村、田井庄村、松山村、羽内村、藤井村、市尾村、南市尾村、谷田村、丹生谷村、真弓村、与楽村、寺崎村、越智村、観音寺村、車木村、兵庫村、阿部山村、大根田村、栗原村、檜前村、御園村、平田村、見瀬村、大軽村、別所村、高殿村、法花寺村、醍醐村、八木村、石川村、出屋敷村、○和田村、田中村、木殿村、四分村、縄手村、小房村、出村、西坊城村、○北根成柿村、○南根成柿村
幕府領・藩領 幕府領・高取藩 2村 北越智村、飛騨村
旗本領・高取藩 1村 新堂村

近代

町村制以前

  • 慶応4年
  • 明治元年(2町115村)
    • 旧・高取城地より高取村が起立。
    • 壺阪寺と周辺の竹木山林地より壺阪村が起立。
  • 明治4年
  • 明治初年(2町114村)
    • 四分村の枝郷として扱われていた飛騨村[5]が改称して上飛騨村となる。同時に独立村扱いになったとみられる。
    • 小泉堂村が四条村に合併。
    • 北根成柿村・南根成柿村が合併して根成柿村となる。
    • 出屋敷村が改称して和田出屋敷村となる。
  • 明治9年(1876年4月18日 - 第2次府県統合により堺県の管轄となる。
  • 明治11年(1878年) - この年までに南市尾村が市尾村に合併したとみられる。(2町113村)
  • 明治12年(1879年) - 常門村・萩本村が合併して一村となる。(2町112村)
  • 明治13年(1880年
    • 4月15日 - 郡区町村編制法の堺県での施行により、行政区画としての高市郡が発足。葛上郡御所町に「御所郡役所」が設置され、同郡および葛下郡忍海郡とともに管轄したが、まもなく「高市葛上葛下忍海郡役所」に改称。
    • 2ヶ所存在した妙法寺村が、南妙法寺村(現・橿原市南妙法寺町)、北妙法寺村(現・橿原市北妙法寺町)にそれぞれ改称。
  • 明治14年(1881年2月7日 - 大阪府の管轄となる。
  • 明治20年(1887年11月4日 - 奈良県(第2次)の管轄となる。

町村制以降

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1.船倉村 2.越智岡村 3.高取村 4.阪合村 5.白橿村 6.高市村 7.飛鳥村 8.鴨公村 9.八木町 10.今井町 11.真菅村 12.金橋村 13.天満村 14.新沢村(紫:大和高田市 橙:橿原市 桃:高取町 赤:明日香村)
  • 明治22年(1889年4月1日 - 町村制の施行により、以下の町村が発足。(2町12村)
    • 船倉村 ← 丹生谷村、谷田村、市尾村、藤井村、羽内村、松山村、吉備村(現・高取町)
    • 越智岡村 ← 兵庫村、田井庄村、薩摩村、与楽村、寺崎村、越智村、車木村、森村、佐田村(現・高取町)
    • 高取村 ← 高取村、壺阪村、上子島村、下子島村、清水谷村、土佐町、土佐村、観覚寺村(現・高取町)
    • 阪合村 ← 平田村、越村、真弓村、御園村、檜前村、阿部山村、大根田村、栗原村(現・明日香村)
    • 白橿村 ← 久米村、鳥屋村、南妙法寺村、池尻村、吉田村、畝傍村、石川村、五条野村、大軽村、木殿村、見瀬村、田中村、四分村、大久保村、御坊村、和田出屋敷村、和田村、四条村、山本村、洞村[6](現・橿原市)
    • 高市村 ← 岡村、島ノ庄村、上居村、細川村、上村、尾曽村、畑村、冬野村、入谷村、栢森村、稲淵村、坂田村、祝戸村、橘村、立部村、野口村、川原村(現・明日香村)
    • 飛鳥村 ← 飛鳥村、豊浦村、雷村、小山村、奥山村、八釣村、東山村、小原村(現・明日香村)
    • 鴨公村 ← 高殿村、醍醐村、別所村、上飛騨村、飛騨村、縄手村、法花寺村(現・橿原市)
    • 八木町 ← 八木村、小房村、十市郡北八木村(現・橿原市)
    • 今井町 ← 今井町、小綱村(現・橿原市)
    • 真菅村 ← 土橋村、中曽司村、北妙法寺村、地黄村、曽我村、五井村、寺田村、慈明寺村、大谷村、小槻村(現・橿原市)
    • 金橋村 ← 曲川村、忌部村、雲梯村、東坊城村、古川村、新堂村(現・橿原市)
    • 天満村 ← 奥田村、吉井村、根成柿村、秋吉村、西坊城村、出村(現・大和高田市)、箸喰村(現・橿原市)[7]
    • 新沢村 ← 一村、観音寺村、北越智村、川西村(現・橿原市)
  • 明治24年(1891年6月3日 - 高取村が町制施行して高取町となる。(3町11村)
  • 明治30年(1897年8月1日 - 郡制を施行。郡役所が八木町に設置。
  • 大正12年(1923年)4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
  • 大正15年(1926年7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
  • 昭和3年(1928年2月11日 - 白橿村が町制施行・改称して畝傍町となる。(4町10村)
  • 昭和24年(1949年6月8日 - 八木町が磯城郡耳成村の一部(内膳)を編入。
  • 昭和29年(1954年10月1日 - 船倉村・越智岡村・高取町が合併し、改めて高取町が発足。(4町8村)
  • 昭和31年(1956年
    • 2月11日 - 畝傍町・鴨公村・八木町・今井町・真菅村が磯城郡耳成村と合併して橿原市が発足し、郡より離脱。(1町6村)
    • 7月3日(1町2村)
      • 阪合村・高市村・飛鳥村が合併して明日香村が発足。
      • 金橋村・新沢村が橿原市に編入。
  • 昭和32年(1957年3月1日 - 天満村が大和高田市に編入。(1町1村)

変遷表

脚注

  1. 八木市街の住居表示実施地区については不詳。
  2. 領主から年貢免除の特権を与えられた土地。
  3. ○東坊城村(旗本領)・大喜多坊城村(寺社領)に分かれて記載。
  4. 同年4月27日(1868年5月19日)にかけて移管。
  5. もともと独立村である飛騨村とは別。
  6. 山本村枝郷。本項では村数に数えない。
  7. 昭和32年(1957年)7月1日に大和高田市から橿原市に編入。

参考文献