養蚕業
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養蚕業(ようさんぎょう)
おもに製糸用の繭を生産する産業。製糸,製織とともに絹業3部門の一部門。日本では絹業と農業とは農民生産のなかに統一されていたが,江戸時代に製織が,明治初期に製糸が,末期には蚕種製造が分離,養蚕だけが農業の副業部門となった。第2次世界大戦前,生糸は日本貿易の大宗として世界産額の 64% (1931) を占め,養蚕も稲作と並んで日本農業の双璧であったが,戦後,化学繊維工業の急激な発展によって生糸,蚕の地位はくずれ,1931年に 201万戸の養蚕農家は 71年には 37万戸に,68万 haの桑園は 16万 haに,29万tの産繭は 10万tに,73万俵 (1俵は 60kg) の生糸は 32万俵に激減。 71年は輸出約 1200俵に対し輸入約 13万俵,74年以後輸出は皆無となり,戦後の日本は生糸の輸入国に転化した。 90年の養蚕農家は5万 2000戸,桑園面積5万 9000ha,繭産出量2万 5000tで,なお減少傾向にある。