階段関数
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階段関数(かいだんかんすう、英: step functionまたは英: staircase function)とは、おおまかに言って、グラフが階段状になる実関数のことである。より正確には、区間上の指示関数が有限個あって、それらの線型結合で表される関数である。有限個のみの区分を持った、区分的に定数関数である関数とも表現できる。
定義
関数 f : R → R が階段関数であるとは、ある正整数 n が存在して、n 個の実数 α1,..., αn と n 個の区間 A1,..., An 上の指示関数 χ1,..., χn によって、
- [math]f(x)=\sum_{i=1}^n \alpha_i \chi_i(x)[/math]
と表されることをいう。ここに、集合 A 上の指示関数 χA とは、次で定義されるものであった。
- [math]\chi_A(x)=\begin{cases}1, & \ (x \in A), \\ 0, & \ (x \notin A). \end{cases}[/math]
この定義において、区間 Ai たちは、次の2条件を満たすとしてもよい。
例えば、この条件を満たさずに階段関数
- [math]f = 4 \chi_{[-5, 1)} + 3 \chi_{(0, 6)}[/math]
が与えられたならば、条件を満たすように
- [math]f = 0 \chi_{(-\infty, -5)} + 4 \chi_{[-5, 0]} + 7 \chi_{(0, 1)} + 3 \chi_{[1, 6)} + \chi_{[6, \infty)}[/math]
と表現することもできる。
例
- 定数関数は自明な階段関数である。階段関数の定義において、n = 1, A1 = R として得られる。
- ヘヴィサイドの階段関数は、しばしば応用に用いられる重要な階段関数である。n = 3, A1 = (-∞ 0), A2 = [0, 0], A3 = (0, ∞) として得られる。
- 矩形関数は、R を5つの区間に分けて得られる階段関数である。
性質
階段関数のとる値は、有限個の可能性しかない。階段関数の定義において、区間 Ai たちを互いに素な R の分割にとっておけば、Ai の任意の元 x に対して f(x) = αi となる。
階段関数
- [math]f(x)=\sum_{i=1}^n \alpha_i \chi_{A_i}(x)[/math]
のルベーグ積分は、区間 Ai の長さ L (Ai) が全て有限である場合、
- [math]\int_\mathbb{R} f dx=\sum_{i=1}^n \alpha_i L(A_i)[/math]
で与えられる。
2つの階段関数の和や積もまた階段関数である。この演算により、階段関数全体の集合は R 上の代数を成す。