錦川鉄道錦川清流線
停車場・施設・接続路線 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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錦川清流線(にしきがわせいりゅうせん)は、山口県岩国市の川西駅から同市の錦町駅に至る錦川鉄道の鉄道路線である。
本稿では、前身となる旧国鉄・西日本旅客鉄道(JR西日本)岩日線(がんにちせん)ならびに未成線区間である岩日北線(がんにちきたせん[1])についても記す。
概要
錦川清流線は1987年(昭和62年)に旧国鉄特定地方交通線の岩日線を転換して開業した[2]。正確には西日本旅客鉄道(JR西日本)岩徳線の川西 - 柱野間にある森ヶ原信号場が起点でそこから分岐している[2]。2006年(平成18年)3月20日に旧岩国市・錦町・美川町などが合併し、新たに岩国市が発足したことにより、全線が岩国市内となった。ほぼ全線が錦川沿いを通っており、路線名はそれに因んでいる[2]。
元々岩日線は山陽本線の岩国駅と山口線の日原駅までを結ぶ陰陽連絡鉄道の一つとして建設されたものであり、「岩日線」の名称も「岩国」と「日原」の頭文字を取ったものであった。1963年に錦町駅まで開業したが国鉄再建法施行により特定地方交通線の第二次廃止対象路線に指定され、以北の建設を凍結(後述)、開業済み区間は第三セクター鉄道に転換された[2]。
路線データ
- 路線距離(営業キロ):32.7km
- 軌間:1067mm
- 駅数:13駅(起終点駅含む)
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:なし(全線非電化)
- 閉塞方式:自動閉塞式(川西 - 北河内間)、特殊自動閉塞式(北河内 - 錦町間)
運行形態
すべての列車が岩徳線に乗り入れ、岩国駅 - 錦町駅間で運行されている。運行本数は1日10往復で、3時間以上間隔が空く時間帯もある。ワンマン運転を実施している[2]。
車両
1987年の錦川鉄道転換後は、NT2000形気動車が使用されていた[2]。2007年からNT3000形気動車の運行が開始され、2008年にNT2000形の運行が終了した。
国鉄時代の車両
旅客車はディーゼルカーが使用されていた。貨物列車は河山駅より大竹駅まで硫化鉱石を輸送するためC11形蒸気機関車が使用されていたが、無煙化されてDD13形ディーゼル機関車に変わった。
歴史
川西 - 河山間では開業時に擬制キロを採用し割増運賃が適用されたが、翌年国鉄新線建設に対し補助金が出ることになったため擬制キロによる割増運賃は廃止された。
- 1960年(昭和35年)11月1日 - 国鉄岩日線として川西 - 森ヶ原信号場 - 河山間 (27.9km) が開業[2]。御庄駅、南河内駅、北河内駅、椋野駅、南桑駅、根笠駅、河山駅開業。
- 1963年(昭和38年)10月1日 - 河山 - 錦町間 (4.8km) が延伸開業(旅客営業のみ)[2]。柳瀬駅、錦町駅開業。
- 1965年(昭和40年)11月1日 - 自動列車停止装置(ATS-S)の使用開始[3]。
- 1967年(昭和42年)4月 - 蒸気機関車の運転を終了[4]。
- 1971年(昭和46年)3月1日 - 行波仮乗降場開業。
- 1974年(昭和49年)10月1日 - 川西 - 河山間の貨物営業廃止。
- 1984年(昭和59年)6月22日 - 第2次特定地方交通線として廃止承認。
- 1986年(昭和61年)11月14日 - 第三セクター鉄道への転換を決定[2]。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道が承継。行波仮乗降場を行波駅に格上げ。
- 1993年(平成5年)3月18日 - 守内かさ神駅開業。
- 2013年(平成25年)3月16日 - 御庄駅を清流新岩国駅に改称[5]。
- 2018年(平成30年)
駅一覧
- 全駅山口県岩国市に所在。
- 線路 … ◇:列車交換可能、|:列車交換不可。
- 駅名欄の背景色が■である駅(西岩国駅 - 行波駅)は、平成30年7月豪雨の影響による不通区間の駅および営業休止中の駅を示している(2018年7月18日現在)。
路線名 | 駅名 | 駅間営業キロ | 川西 からの 営業 キロ |
接続路線・備考 | 線路 |
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岩徳線 | 岩国駅 | - | 5.6 | 西日本旅客鉄道:R 山陽本線〈広島方面・柳井方面〉 | | |
西岩国駅 | 3.7 | 1.9 | ◇ | ||
川西駅 | 1.9 | 0.0 | 西日本旅客鉄道:岩徳線(徳山方面) | | | |
森ヶ原信号場 | - | (1.9) | (岩徳線との実際の分岐点) | | | |
錦川鉄道錦川清流線 | |||||
清流新岩国駅 | 3.9 | 3.9 | 西日本旅客鉄道:■ 山陽新幹線(新岩国駅) | | | |
守内かさ神駅 | 1.5 | 5.4 | | | ||
南河内駅 | 3.2 | 8.6 | | | ||
行波駅 | 2.6 | 11.2 | | | ||
北河内駅 | 2.7 | 13.9 | ◇ | ||
椋野駅 | 3.8 | 17.7 | | | ||
南桑駅 | 3.1 | 20.8 | | | ||
(清流みはらし駅) | - | - | 未開業・2018年9月開業予定 | | | |
根笠駅 | 2.7 | 23.5 | | | ||
河山駅 | 4.4 | 27.9 | | | ||
柳瀬駅 | 3.1 | 31.0 | | | ||
錦町駅 | 1.7 | 32.7 | | |
岩日北線
旧岩日線のうち、錦町駅以北の区間については日本鉄道建設公団が岩日北線として1967年11月19日から建設が行われていた[3]が、同駅以南の特定地方交通線指定に伴って建設が凍結された。
建設中だった錦町 - 日原間のうち錦町から六日市までの区間は大半の路盤が完成していた。この路盤の有効活用策として、旧錦町により錦町駅から雙津峡温泉近くの周防深川付近までを「岩日北線記念公園」として整備、2002年からタイヤ付き遊覧車(愛称:とことこトレイン)が運行されている。錦町駅すぐ北の広瀬トンネル内は蛍光石とブラックライトを用いたイルミネーションが施され、「きらら夢トンネル」の名称がつけられている。とことこトレインの終点となっている雙津峡温泉駅は、山口県岩国市錦町深川2343付近に所在する。
なお、この遊覧車の運行は、旧錦町(現・岩国市錦総合支所)から錦川鉄道への委託によるものであるが、鉄道事業法に基づく鉄道事業ではなく園路内を走行する遊具として運行されている。運行期間は3月から11月の土日祝日と、春休み・夏休み中のみ(団体客向けには随時運行)。
周防深川駅 - 高根口駅間にある第三須川トンネルは、現在防災科学技術研究所の錦地震観測施設として活用されている。
六日市駅付近は六日市温泉「ゆらら」(道の駅むいかいち温泉)が建設されており、六日市トンネル(高根口 - 六日市間)から六日市温泉にかけては遊歩道として整備されている。
設置予定駅
接続路線の事業者名・所在地は建設中止時のもの。
駅名 | 接続路線 | 所在地 | |
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錦町駅 | 日本国有鉄道:岩日線 | 山口県 | 錦町(現岩国市) |
出市駅 | |||
周防深川駅 | |||
下須川駅 | |||
高根口駅 | |||
六日市駅 | 島根県 | 六日市町(現吉賀町) | |
七日市駅 | |||
柿木駅 | 柿木村(現吉賀町) | ||
日原駅 | 日本国有鉄道:山口線 | 日原町(現津和野町) |
参考文献
- ↑ 未成線区間の名称について以下の資料では「がんにちきたせん」と記述されている。
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6 2.7 2.8 2.9 「ローカル線の実態と問題を現地に見る 57 錦川鉄道 錦川清流線」、『鉄道ジャーナル』第30巻第8号、鉄道ジャーナル社、1996年8月、 72-79頁。
- ↑ 3.0 3.1 3.2 西岩国駅長 竹中 (1980). 西岩国駅開業50周年記念誌. (国鉄)西岩国駅. 岩国市中央図書館・蔵
- ↑ (anonymous) (1976). in 朝日新聞社 角川和男: 世界の鉄道別冊 蒸気機関車100年. 朝日新聞社.
- ↑ 山口県の錦川鉄道御庄駅が「清流新岩国」に - 新幹線への連絡駅をアピール マイナビニュース、2013年1月30日。
- ↑ 平成30年台風第7号及び前線等による被害状況等について(第7報) (PDF) - 国土交通省 災害情報、2018年7月7日 5:00現在
- ↑ 鉄道の運転再開及び代行バス等の運行開始の見通しについて(7月17日17時時点) (PDF) - 国土交通省 2018年7月18日閲覧
- ↑ 駅名募集について - 錦川鉄道 SEIRYU通信、2017年9月1日
- ↑ 錦川鉄道新駅名「清流みはらし駅」 - 中國新聞アルファ、2017年11月3日付。
- 藤井浩三「中国地方ローカル線建設の歩みと蒸機」『蒸気機関車』NO.40、キネマ旬報社
関連項目
外部リンク
- 錦川鉄道錦川清流線 公式ページ
- 山口県岩国市 公式ページ中の「いわくに観光ガイド」