鉛
鉛(なまり、英: lead、羅: plumbum、独: Blei)とは、典型元素の中の金属元素に分類される、原子番号が82番の元素である。なお、元素記号は Pb である。
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特徴
炭素族元素の1つ。原子量は約207.19、比重は11.34である。錆で覆われた表面は鉛色と呼ばれる青灰色となる。元素記号はラテン語での名称 plumbum に由来する。人類の文明とともに広く使われてきた代表的な重金属である。主に、鉛の硫化鉱物である方鉛鉱の形で産出する。
西洋占星術や錬金術などの神秘主義哲学では土星を象徴するが、これは(錆を生じて)黒く重い鉛が、肉眼で確認できる惑星のなかで最も暗く動きの遅い土星と相似していると考えられたためである。また、魂の牢獄としての肉体、老化、鈍さなども象徴する。
同位体
全元素中で最も質量数の大きい安定同位体を持つ元素としてビスマスが挙げられることも多いものの、長らくビスマスの唯一の安定同位体だと信じられてきた209Biは、実際には安定同位体ではなかったことが確認された。このため、通常、鉛が全元素中で最も質量数の大きい安定同位体を持つ元素として挙げられ、鉛の同位体の1つである208Pbが、最も質量数の多い安定同位体と言われている。また、ウランやトリウムなどの鉛よりも原子番号の大きな放射性元素が壊変すると、一般的には最終的には鉛の同位体のうち、206Pbか207Pbか208Pbを生じるとされている。しかし、実は鉛にも安定同位体は1つも存在しないのではないかとも言われ始めている。事実、長らく安定同位体と信じられてきた204Pbも、実は安定同位体ではなかった。
なお、元になった親核種により最終的に生成する鉛の同位体が異なるため(崩壊系列を参照)、鉛の同位体組成は産地ごとに違った特徴を持つ。つまり、ウランやトリウムが集まりやすい場所で産出した鉛は、これらが崩壊した結果生成する同位体を多く含む。これを利用して、出土品や汚染物質の起源を推定することができる。
性質
他の物質と比べると錆びやすく、見かけ上すぐに黒ずむが、酸化とともに表面に酸化皮膜が形成されるため、腐食が内部に進みにくい。また、多くの無機塩が水に不溶であるため水中でも腐蝕されにくい。
ハロゲンおよびカルコゲンなどと加熱により直接反応して化合物を生成する。希塩酸および希硫酸とは表面に難溶性塩を生じて反応しにくいが、硝酸とは容易に反応する。酢酸イオンとの親和力が比較的強く、空気(酸素)の存在下において酢酸水溶液にも溶解して酢酸鉛を生成する[1]。
- <ce>2Pb\ + 4 CH3COOH\ + O2 -> 2Pb(CH3COO)2\ + 2H2O</ce>
また鉛は軟らかい金属であり、紙などに擦り付けると文字が書けるため、古代ローマ人は羊皮紙に鉛で線および文字を書き、これが鉛筆 (lead pencil) の名称の起源となった[2]。
低融点で柔らかく加工しやすいこと、高比重であること、比較的製錬が容易であることなどから、古代から広く利用されてきた。しかし、生物に対して毒性と蓄積性があるために、近年は利用が避けられる傾向が強い。この問題を解決すべくRoHS指令が成立し、製造者や利用者の保護を確保している。電気回路で用いられるはんだなどでもRoHS指令に対応した「鉛フリー」と銘打った製品が多く市販されている。
7.2Kにおいて超伝導転移を示し、この転移温度が20GPa程度までの印加圧力にほぼ比例して低下していくため、高圧物理学においては鉛の超伝導転移温度から圧力を決定するのに使用されることがある。
天然における存在
地球の地殻における鉛の含有率は約8 ppmと推定されており[3]、これは決して多いとは言えない。しかし、硫化鉱物として広く存在し、採掘および製錬が比較的容易なことから亜鉛と同様に安価な金属である。
単体の自然鉛として存在することは稀であり、硫化物の方鉛鉱として広く分布し、黒鉱鉱床など銅、亜鉛などと共存することが多い。また方鉛鉱が酸化した硫酸鉛鉱、炭酸塩である白鉛鉱、クロム酸塩である紅鉛鉱なども産出する。また火成岩中、特に花崗岩に微量含まれ、イオン半径が近い長石中のカリウムを置換している[4]。
鉛鉱石
鉛鉱石を構成する鉱石鉱物には、方鉛鉱(PbS)などがあげられる。
製錬
原料は方鉛鉱が最も重要であり、焙焼工程および還元を経て粗鉛が取り出され、ついで湿式法または乾式法により精錬される[2]。 まず選鉱により純度を高めた方鉛鉱を焙焼により酸化鉛とし、ついでコークスにより還元して粗鉛を得る。
- <ce>2PbS\ + 3O2 -> 2PbO\ + 2SO2</ce>
- <ce>PbO\ + C -> Pb\ + CO</ce>
- <ce>PbO\ + CO -> Pb\ + CO2</ce>
また直接製錬法では、焙焼により一部を酸化鉛とし、これを残りの硫化鉛と反応させるもので、エネルギー的に有利な反応であるが選鉱の度合いを高める必要がある。
- <ce>2PbO\ + PbS -> 3Pb\ + SO2</ce>
湿式法
湿式法は電解精錬によるもので、電解液にヘキサフルオロケイ酸水溶液、陽極に粗鉛、陰極に純鉛を使用して電気分解を行う。鉛よりイオン化傾向が小さいヒ素、アンチモン、ビスマス、銅、銀、金などの不純物はスライム状の陽極泥として沈殿する。
- <ce>Pb -> Pb^2+ \ + 2 \mathit{e}^-</ce>(陽極)
- <ce>Pb^2+ \ + 2 \mathit{e}^- -> Pb</ce>(陰極)
酸化還元電位の接近している不純物であるスズは電解精錬では分離しにくいため、鎔融状態で水酸化ナトリウムで処理しスズの除去を行う。これにより99.99 %程度の純度の地金が得られる。
乾式法
粗鉛を鎔融状態として脱銅→柔鉛→脱銀→脱亜鉛→脱ビスマス→仕上げ精製の順序による工程で不純物が除去される。
- 脱銅
- 鎔融粗鉛を350 °Cに保つと鎔融鉛に対する溶解度が低い銅が浮上分離する。さらに硫黄を加えて撹拌し、硫化銅として分離する。この工程により銅は0.05 - 0.005 %まで除去される。
- 柔鉛
- 700 - 800 °Cで鎔融粗鉛に圧縮空気を吹き込むと、より酸化されやすいスズ、アンチモン、ヒ素が酸化物として浮上分離する。
- 柔鉛(ハリス法)
- 500℃程度の鎔融粗鉛に水酸化ナトリウムを加えて撹拌すると不純物がスズ酸ナトリウム テンプレート:Chem、ヒ酸ナトリウム テンプレート:Chem、アンチモン酸ナトリウム テンプレート:Chem になり分離される。
- 脱銀(パークス法)
- 450 - 520 °Cに保った鎔融粗鉛に少量の亜鉛を加え撹拌した後、340 °Cに冷却すると、金および銀は亜鉛と金属間化合物を生成し、これは鎔融鉛に対する溶解度が極めて低いため浮上分離する。この工程により銀は0.0001 %まで除去される。鎔融鉛中に0.5 %程度残存する亜鉛は空気または塩素で酸化され除去される。
- 脱ビスマス
- 鎔融粗鉛に少量のマグネシウムおよびカルシウムを加えるとビスマスはこれらの元素と金属間化合物 テンプレート:Chem を生成し浮上分離する。この工程によりビスマスは0.002 %まで除去される。
用途
鉛の現在の用途は、鉛蓄電池の電極、金属の快削性向上のための合金成分、鉛ガラス(光学レンズやクリスタルガラス)、美術工芸品(例えばステンドグラスの縁)、防音・制振シートや免震用ダンパー、銃弾、電子材料(チタン酸鉛)などである。また、金属の中では比較的比重が大きいので放射線遮蔽材として鉛ガラスや鉛シートなどの形で用いられる。例えば核戦争を想定した戦車の内壁や、X線撮影施設の窓ガラス、ブラウン管用ガラスには鉛が含まれている。
また、釣りなどで用いられるおもり(シンカー)の材料としても鉛は用いられている。しかし、近年鉛の毒性が問題となったために、鉛に代わるおもりの素材としてタングステンなどの導入が進められている。それでも、加工のしやすさやコストの面から、未だにこの用途での鉛の需要は根強い。この他、灯油やホワイトガソリンなどの液体燃料を加圧・気化して燃焼させるポータブルストーブやブロートーチ、ランタンでは、気密性と耐熱性の高さから継ぎ目のガスケットに現在でも鉛が用いられる。さらに、路面表示用白色塗料としても利用されている。
なお、かつては水道管やはんだ、おしろいなどに用いられた顔料についても鉛は大量に利用されていたものの、鉛を用いないものへの置き換えが進められている。この事情については無鉛化の項目も参照のこと。
毒性
無機鉛化合物は水に溶けにくいものが多いため急性中毒を起こす事は稀だが、テトラエチル鉛のような脂溶性の有機物質は細胞膜を通過して直接取り込まれるため、非常に危険である。長期的に見た場合、鉛は自然な状態の食物にも僅かに含まれるため常時摂取されており、一定量ならば尿中などに排泄されるので鉛に対して必要以上に神経質になる必要は無いとされる。しかし、有機化合物を摂取してしまったり、排泄を上回る鉛を長期間摂取すると体内に蓄積されて毒性を持つ。
生物に対する毒性としては、体表や消化器官に対する曝露(接触・定着)により腹痛・嘔吐・伸筋麻痺・感覚異常症など様々な中毒症状を起こすほか、血液に作用すると溶血性貧血・ヘム合成系障害・免疫系の抑制・腎臓への影響なども引き起こす。遺伝毒性も報告されている。主に呼吸器系からの吸引と、水溶性の鉛化合物の消化器系からの吸収によって体内に入り、骨に最も多く定着する。生体に取り込まれた鉛の生物学的な半減期は資料によって異なるが、一例として生体全体で5年、骨に注目すると10年という値が示されている。呼吸器からの吸引に対しては、鉛を扱う工場や、鉛を含む塗料や顔料を扱う作業などに多く、職業病としての側面がある[5][6][7]。
鉛中毒の歴史
鉛が原因でもたらされる鉛疝痛に関する最初の記述は、古代ギリシャのヒポクラテスによってなされている[8]。古代ローマ時代は膨大な量の鉛が生産され、陶磁器の上薬、料理器具、配管などにも使われていたために、ローマ人には死産、奇形、脳障害といった鉛中毒が普通に見られたと言われていた。しかしこの件は[8]、現在では俗説扱いされている。かつて西洋では鉛は「灰吹き法」など、金・銀・銅などを製錬するための媒介としてもさかんに利用された。
古代ローマでも、貴族たちが鉛製のコップでワインを飲むのを好んだため、鉛中毒者が続出したといわれる[8]。17世紀ごろから、ワインによる鉛中毒が論じられるようになってきたが、当時はワインを甘くする目的で、鉛の白い酸化物が添加されていた[9]。例えば、ワインを愛飲していたベートーヴェンの毛髪からは、後の調査によって通常の100倍近い量の鉛が検出されたことから、その晩年にほぼ耳が聴こえなくなってしまった原因として、現在では鉛中毒が有力視されている[10]。
鉛害問題の対策
鉛害問題の対策として、次のような例がある。
- 鉛とスズの合金としてはんだが知られ、低融点などの利点を持つため、古くから金属同士の接合に多用されてきた。電気回路の組み立てなどにもはんだは多用されてきたが、近年では鉛を含まない「鉛フリーはんだ」に置き換えられつつある。
- 欧州連合 (EU) では、RoHS指令により、2006年7月1日以降、高温溶融はんだなどの例外を除き、電気・電子製品への鉛の使用が原則として禁止された。このため、日本のメーカーでも鉛を含有しない部材の使用を原則としつつあるが、代替ハンダの強度不足・融点上昇の問題に起因する電気製品の製造不良(部品の中には熱に弱い物もあり、融点が上がった分ハンダ付けの際により高温に曝され部品が壊れる)が問題となっている。
- ガソリンのオクタン価向上及び吸排気バルブと周辺部品の保護にテトラエチル鉛 テンプレート:Chem が添加されていたが、排気中に鉛が含まれてしまうことから汚染源となって問題視された。現在では鉛を含まない添加剤によるオクタン価向上策が選択されるようになり、日本など先進諸国では法的規制により有鉛ガソリンは使われなくなった。しかし日本自動車工業会[11]によると、およそ50か国で有鉛ガソリンの使用が認められており、今なお有鉛ガソリンの問題は終結していない。また、航空機のレシプロエンジンにも有鉛ガソリン (Avgas) が多用されている。
- 鉛は、狩猟やクレー射撃に使われる散弾(多数の小さな金属粒を飛ばすタイプの銃に使われる銃弾。単体の金属弾であるライフル弾やスラッグ弾と比べると、威力は劣るが、高い命中精度を要求されないという利点がある)にも使われてきた。しかし鉛散弾は環境中に鉛の粒をばらまくものであり、土壌汚染を引きこしたり(クレー射撃の場合)、鉛散弾を打ち込まれて死んだ上で放置された動物や鳥の死体を食べた鳥獣が鉛中毒を引き起こすなどしたため(狩猟の場合)、威力は劣るが汚染の少ない鉄、銅散弾への切り替えが進められている。また、自衛隊の射撃場等弾頭部が地中に残りやすい箇所に隣接する河川等で高濃度の鉛の成分が検出される事も多く、近年では廃弾の回収や射場の改修工事などで周辺に鉛による被害が出ないように対策されている事もある。
- 鉛製水道管については、2005年7月時点の厚生労働省調査で約547万世帯に残っているが、本管から分かれた引き込み管については、水道メーターを除き個人の所有とされていることから交換費用は自己負担となり、交換は進んでいない。
- 安価な鋳造のペンダント、メダル、バッジ、ネックレスなどのアクセサリーには、低融点・低価格であることから鉛を含む錫合金(ホワイトメタルと通称される)が用いられる場合がある[12]。また、金属小物のベースに使われる黄銅には切削性を良くする目的で鉛が添加されているものがある[13]。近年、先進国では鉛への規制が強くなり上記のような素材は利用される事が少なくなったが、安価な輸入玩具にはいまだ利用されている場合があり、これらを子供が口に含んだりすることで健康被害が起こる可能性が指摘されている。
- 産業の副産物であるスラグ(鉱滓)には鉛を含んでいるものが存在しており、スラグからの溶出する場合がある。そのため、建材試験センターの土工用製鋼スラグ砕石の規格には溶出量と含有量を規定した環境基準が設けられている[14]。
化合物
酸化物
- 一酸化鉛 (PbO)
- 二酸化鉛 (テンプレート:Chem)
- 四酸化三鉛 (テンプレート:Chem) - 赤色顔料・鉛丹(光明丹)として使用される
- クロム酸鉛 (テンプレート:Chem) - 黄色顔料・黄鉛(クロムイエロー)として使用される
- チタン酸ジルコン酸鉛 (テンプレート:Chem) - 代表的な圧電材料
その他
- アジ化鉛 (テンプレート:Chem)
- 酢酸鉛(II) (テンプレート:Chem)
- 酢酸鉛(IV) (テンプレート:Chem)
- テトラエチル鉛 (テンプレート:Chem)
- 砒酸鉛 (テンプレート:Chem)
- 塩化鉛 (テンプレート:Chem, テンプレート:Chem)
インド錬金術
インド錬金術で最も階層の低い金属とされる鉛は、ヴァースキの精子でできているとされ、ナーガ(蛇)と呼ばれる。また、金が死後、転生したものが鉛であるとされている。
参考文献
- ↑ 『化学大辞典』 共立出版、1993年
- ↑ 2.0 2.1 西川精一 『新版金属工学入門』 アグネ技術センター、2001年
- ↑ Taylor & McLennan, 1985
- ↑ 松井義人、一国雅巳 訳 『メイスン 一般地球化学』 岩波書店、1970年
- ↑ 「医学大辞典 第18版」南山堂、2004年、1540頁
- ↑ 化学物質安全性(ハザード)評価シート 酸化鉛
- ↑ 環境保健クライテリア 165 無機鉛 (国立医薬品食品衛生研究所による日本語抄訳)
- ↑ 8.0 8.1 8.2 Hernberg S. Lead poisoning in a historical perspective. Am J Ind Med. 2000;38:244-54.
- ↑ Pearce JM. Burton's line in lead poisoning. Eur Neurol. 2007;57:118-9.
- ↑ 2001年10月放送 日本テレビ「特命リサーチ200X」ベートーヴェンの謎の死亡原因を調査せよ!
- ↑ 社団法人 日本自動車工業会による2002年12月19日発表のニュースリリース
- ↑ http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/02/s0216-5.html 鉛含有金属製アクセサリー類等の安全対策に関する検討会報告書について
- ↑ 株式会社大王製作所の「鉛を含む有害物質への取組」より
- ↑ JSTM H 8001(土工用製鋼スラグ砕石)の制定について 建材試験センター
関連文献
- 大澤直「鉛」、『SHM会誌』第11巻第3号、エレクトロニクス実装学会、1995年、 2-8頁、 doi:10.5104/jiep1993.11.3_2。
関連項目
- 海洋投棄規制条約
- 鉛中毒
- ごみ公害
- 耐食合金
- バーゼル条約
- 非鉄金属
- RoHS
- 黒鉛 - 炭素の結晶であり鉛とは無関係。これを主原料とする鉛筆も同様。
- 環境基準
- 配管工 - 英語の"Plumber"は、ラテン語の「鉛」に由来する。
外部リンク
周期表 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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1 | H | He | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2 | Li | Be | B | C | N | O | F | Ne | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
3 | Na | Mg | Al | Si | P | S | Cl | Ar | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
4 | K | Ca | Sc | Ti | V | Cr | Mn | Fe | Co | Ni | Cu | Zn | Ga | Ge | As | Se | Br | Kr | |||||||||||||||||||||||||
5 | Rb | Sr | Y | Zr | Nb | Mo | Tc | Ru | Rh | Pd | Ag | Cd | In | Sn | Sb | Te | I | Xe | |||||||||||||||||||||||||
6 | Cs | Ba | La | Ce | Pr | Nd | Pm | Sm | Eu | Gd | Tb | Dy | Ho | Er | Tm | Yb | Lu | Hf | Ta | W | Re | Os | Ir | Pt | Au | Hg | Tl | Pb | Bi | Po | At | Rn | |||||||||||
7 | Fr | Ra | Ac | Th | Pa | U | Np | Pu | Am | Cm | Bk | Cf | Es | Fm | Md | No | Lr | Rf | Db | Sg | Bh | Hs | Mt | Ds | Rg | Cn | Nh | Fl | Mc | Lv | Ts | Og | |||||||||||
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