量子力学の数学的基礎
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量子力学の数学的基礎(りょうしりきがくのすうがくてききそ、独: die Mathematische Grundlagen der Quantenmechanik)は、ジョン・フォン・ノイマン(ら)によってなされた、量子力学で扱う物理量や状態といった概念の基礎付け(形式化)の仕事、およびそれについて1932年に刊行した論文および書籍のタイトルである。
これにより、ハイゼンベルク-ボルン-ジョルダンによる行列力学とシュレディンガーによる波動力学を抽象ヒルベルト空間のクラスに帰属する理論として統一が行なわれた。
概要
20世紀に発展した物理学の分野である量子力学は、数学的にはヒルベルト空間とその上の線型有界作用素や非有界な自己共役作用素などを用いて基礎づけた。この定式化は 1930 年代の初めにポール・ディラックやジョン・フォン・ノイマンらが達成し「量子力学の数学的基礎」として出版した。抽象ヒルベルト空間の一般論、量子力学の統計、理論の演繹的構成、熱力学的考察、測定の過程からなる[1]。
脚注
- ↑ 目次
参考文献
- フォン・ノイマン 『量子力学の数学的基礎』 井上健・広重徹・恒藤敏彦訳、みすず書房、東京、1957年。ISBN 4-622-02509-4。
- ディラック 『量子力学』 朝永振一郎、玉木英彦、木庭二郎、大塚益比古、伊藤大介訳、岩波書店、1968年、原書第四版。
- 「フォン・ノイマンと量子力学の数学的基礎」(小澤正直)『現代思想』第41巻第10号(2013年8月臨時増刊号)