過激派
過激派(かげきは、英語: extremist)とは、過激な行動をとる人物または集団のこと[1]。この場合の「過激」は、各種の直接行動、実力行使、暴力行為、ゲリラ、テロリズム、暴力革命、武装蜂起などを含む。類似語や関連語は急進派、武闘派、原理主義など。対比語は穏健派、改良主義など。
「過激派」と呼ばれる集団は、あらゆる時代の、政治、宗教、人権問題、労働問題、動物愛護、市民運動、環境保護など主張の存在する様々な分野に存在しているが、「過激派」の定義や範囲は相対的なものであり、時代や立場によっても変化している。
概要
どのような主張が「過激」と呼ばれ、どのような組織が「過激派」と呼ばれるかは、時代や分野や立場によって変化しており、学術的に客観的な基準は存在しない。左右両翼の思想に存在し得る。20世紀以降は各国の憲法などに基本的人権と記載されている思想も、時代によっては「危険思想」「過激思想」であり、取締りの対象であった。また労働争議や人権問題などでは実力行使を許容する判断基準にも依存する。
当初は過激派や急進派などと呼ばれた組織が、後に政権を獲得したり穏健化した例も多い。フランス革命の革命派、ロシア革命のボリシェヴィキ(元来はこれの和訳が過激派である)、日本の幕末の尊皇攘夷派、パレスチナのファタハ、アイルランドのIRA暫定派、南アフリカ共和国のアフリカ民族会議、東チモールの東ティモール独立革命戦線、ネパールのネパール共産党統一毛沢東主義派などである。大正後期の日本では、ボルシェビキが「過激派」とも訳されていた。ファタハは1990年代以降、ハマースやヒズボラとの対比で「穏健派」と呼ばれるようになった。
第二次世界大戦後の先進国の有名な左翼系過激派には、日本赤軍、ドイツ赤軍、イタリアの赤い旅団、アメリカ合衆国の共生解放軍などがある。また直接行動を行うグリーンピースやシーシェパードなどの一部の環境保護団体は、予告なく暴力行為や破壊活動を行うことがあるため「環境過激派」とも呼ばれている[2]。ISILなどいわゆるイスラーム過激派などは、主要国政府によってテロ組織と認定された組織とされているが、その対象は国によっても異なっている。
なお日本では主に暴力革命や武装闘争を掲げる新左翼系党派を、1960年代以降マスコミ等で「過激派」と呼んでいる。