過剰数
過剰数(かじょうすう、英: abundant number)とは、その約数の総和が元の数の 2 倍より大きい自然数のことである。この過剰数の定義は「その数自身を除く約数の総和が元の数より大きくなるような数」と同値である。
例えば、20 の約数の総和は 1 + 2 + 4 + 5 + 10 + 20 = 42 > 20 × 2 であるので 20 は過剰数である。もしくは「20 の自身を除く約数の総和は 1 + 2 + 4 + 5 + 10 = 22 > 20 であるので 20 は過剰数」と考えてもよい。約数関数を用いると σ(n) > 2n を満たす n が過剰数である。過剰数は全て合成数で無数に存在し、そのうち最小の数は 12 である。
過剰数を 12 から小さい順に列記すると
- 12, 18, 20, 24, 30, 36, 40, 42, 48, 54, 56, 60, 66, 70, 72, 78, 80, 84, 88, 90, 96, 100, 102, …(オンライン整数列大辞典の数列 A005101)
奇数の過剰数のうち最小の数は 945 である(σ(945) = 1920 > 945 × 2 = 1890)。過剰数もしくは完全数の倍数は全て過剰数であり、したがって偶数の過剰数も奇数の過剰数も無数に存在する。また、全ての擬似完全数は完全数もしくは過剰数である。ほとんどの過剰数は擬似完全数でもあり、そうでない過剰数は不思議数と呼ばれる。
σ(n) = 2n + 1 を満たす n は過剰数であり、準完全数と呼ばれる。準完全数はいまだに見つかっておらず、もし存在するならば奇数の平方数で 1035 より大きく、少なくとも 7 つの相異なる素因数を持つことが分かっている。
自然数のうち過剰数が占める割合は 0.2474 から 0.2480 の間であると証明されている。
20161 より大きい整数は 2 つの過剰数の和で表すことができる。
20 が過剰数なので、その倍数つまり下 2 桁が 00, 20, 40, 60, 80 である数は全て過剰数となる。
関連する数
- 過剰数の中で約数の和が元の数の3倍以上になる数は
- 120, 180, 240, 360, 420, 480, 504, 540, 600, 660, 672, 720, 780, 840, 900, 960, 1008,...(オンライン整数列大辞典の数列 A023197)
- であり、過剰数の中で約数の和が元の数の4倍以上になる数は
- 27720, 30240, 32760, 50400, 55440, 60480, 65520,...(オンライン整数列大辞典の数列 A023198)
- である。また k 倍になる最小の数は
- 1, 6, 120, 27720, 122522400, 130429015516800,...(オンライン整数列大辞典の数列 A023199)
- である。これらの数については超過剰数を参照。
関連項目
- 完全数 - その数自身を除く約数の総和が元の数に等しい数
- 不足数 - その数自身を除く約数の総和が元の数より小さい数
- 擬似完全数 - その数自身を除くいくつかの約数の和が元の数に等しい数
- 不思議数
- 準完全数
- 超過剰数
外部リンク
- Weisstein, Eric W. “Abundant Number”. MathWorld(英語). Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。