超酸化カリウム

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超酸化カリウム(ちょうさんかカリウム、: potassium superoxide)はカリウム超酸化物。溶融したカリウムを純粋な酸素中で燃焼させて得られる。

性質

黄色の固体であり、結晶構造立方晶系炭化カルシウム型構造である。超酸化物イオンの不対電子のため常磁性を示す[1]

反応と用途

二酸化炭素と反応して分解する。

4 KO2 + 2 H2O → 4 KOH + 3 O2
2 KOH + CO2 → K2CO3 + H2O
K2CO3 + CO2 + H2O → 2 KHCO3

工業用酸化剤として二酸化炭素の除去や除湿に使われる。ロシア連邦宇宙局ソユーズ酸素発生器における酸素供給源として実用化され、非常用酸素マスクにも応用されている[2]潜水艦潜水服や消防服などの用途もあるが、水との反応性が高いため使用は限定的である。理論上、超酸化カリウム1 kgあたり0.309 kgの二酸化炭素を吸収し、0.38 kgの酸素を放出する。

二酸素誘導体の構造傾向

二酸素 (O2) の誘導体は、O-O 結合の結合次数と相関した特徴的な結合長をもつ。

二酸素誘導体 名称 O-O 結合長 (Å) O-O 結合次数
O2+ ジオキシゲニルカチオン 1.12 2.5
O2 酸素 1.21 2
O2- スーパーオキシドアニオン 1.28 1.5[3]
O22- 過酸化物アニオン 1.49 1

脚注

  1. (1993) 化学大辞典. 共立出版. 
  2. 日本パイオニクス”. . 2011閲覧.
  3. Abrahams, S. C.; Kalnajs, J. “The Crystal Structure of α-Potassium Superoxide” Acta Crystallographica (1955) 8, p503-506. DOI:10.1107/S0365110X55001540.