超酸化カリウム
提供: miniwiki
超酸化カリウム(ちょうさんかカリウム、英: potassium superoxide)はカリウムの超酸化物。溶融したカリウムを純粋な酸素中で燃焼させて得られる。
Contents
性質
黄色の固体であり、結晶構造は立方晶系で炭化カルシウム型構造である。超酸化物イオンの不対電子のため常磁性を示す[1]。
反応と用途
- 4 KO2 + 2 H2O → 4 KOH + 3 O2
- 2 KOH + CO2 → K2CO3 + H2O
- K2CO3 + CO2 + H2O → 2 KHCO3
工業用酸化剤として二酸化炭素の除去や除湿に使われる。ロシア連邦宇宙局はソユーズの酸素発生器における酸素供給源として実用化され、非常用酸素マスクにも応用されている[2]。潜水艦・潜水服や消防服などの用途もあるが、水との反応性が高いため使用は限定的である。理論上、超酸化カリウム1 kgあたり0.309 kgの二酸化炭素を吸収し、0.38 kgの酸素を放出する。
二酸素誘導体の構造傾向
二酸素 (O2) の誘導体は、O-O 結合の結合次数と相関した特徴的な結合長をもつ。
二酸素誘導体 | 名称 | O-O 結合長 (Å) | O-O 結合次数 |
---|---|---|---|
O2+ | ジオキシゲニルカチオン | 1.12 | 2.5 |
O2 | 二酸素 | 1.21 | 2 |
O2- | スーパーオキシドアニオン | 1.28 | 1.5[3] |
O22- | 過酸化物アニオン | 1.49 | 1 |