貪
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貪(とん)とは、パーリ語およびサンスクリット語のローバ(lobha)、ラーガ(rāga)に由来する仏教用語であり、仏教が教える煩悩のひとつ。別名を貪欲(とんよく[1])、我愛といい五欲の対象である万の物を必要以上に求める心である。[2]。
このような心は、我(近代哲学でいう自我に近い)を実体的なものとして把握してしまう誤りから起こる。
- 大乗仏教における三毒とのひとつ。怒りの心である瞋、真理に対する無知を意味する癡(痴)とあわせて、仏教で最も克服されるべき対象(人間の諸悪・苦しみの根源)とされる。
- 上座部仏教における三不善根のひとつ。
- 大乗仏教アビダルマにおける六根本煩悩のひとつ。
- 上座部仏教アビダルマにおける不善心所のひとつ。
定義
原語としては、梵・巴: lobha, rāga(三毒の一)、または梵: abhidhyā, 巴: abhijjhā(五蓋の一)など多種ある。
『大乗阿毘達磨集論』(Abhidarmasamuccaya)では以下とされている。
脚注・出典
- ↑ 「とんよく【貪欲】」 - 大辞林 第三版、三省堂。
- ↑ 日本大辞典刊行会編 1975.
- ↑ (2001) Abhidharmasamuccaya: The Compendium of the Higher Teaching. Jain Publishing. ISBN 978-0-89581-941-3.
参考文献
- “とん【貪】”. 日本国語大辞典. 15 (初版 ed.). 東京: 小学館. (1975). p. 103.