記号学
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記号学(きごうがく、英: semiology)あるいは 記号論(きごうろん、英: semiotics)は、言語を始めとして、何らかの事象を別の事象で代替して表現する手段について研究する学問である。記号学でいう「記号」は semiosis(en:Semiosis)で、専門用語などで「記号」と訳されることが多いいわゆるシンボルなどより広い。
記号学と記号論
ソシュールは記号学(semiology)と呼び、パースは記号論(semiotics)と呼んだ。それぞれの流れにあるものを区別したい場合など、使い分ける場合も多いが、総論的な文脈では(たとえば、この記事において記事名を「記号学」としているように)どちらかに片寄せする場合も多い。なお、ソシュールが言語学者でもあったため、言語学とのつながりが強調されている場合が多く見受けられるが、現在の言語学はチョムスキー以降のいわゆる現代的な言語学に依る所が大きく、記号学ないし記号論の議論には違和感がある場合も多い。
概要
ソシュール
"「フェルディナン・ド・ソシュール」"
記号学や記号論が記号に関する学問というのは間違いではないが、特にソシュールの記号学においては記号とその記号の体系、そしてその解釈、生成を行う主体に関する学問であり、その解釈におけるイデオロギーやシステムを問題にする批評理論とも結びつきが強い。
パース
"「チャールズ・サンダース・パース」"
それに対してパースのほうは、記号は物理的指示作用と図像的表示能力をもつとし、さらにこの二つの作用の総合として象徴作用という第三の意味作用が生じると考える。パースは記号のこのような三つの意味の差異を<インデックス><アイコン><シンボル>と呼び分ける。記号とは常に低次の意味作用から高次のものへと発展する、記号は時間の中にある、と考える。
その他
現代の記号論学者としてウンベルト・エーコなどが挙げられる。