若桜鉄道若桜線
停車場・施設・接続路線 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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若桜線(わかさせん)は、鳥取県八頭郡八頭町の郡家駅から、鳥取県八頭郡若桜町の若桜駅に至る若桜鉄道が運営する鉄道路線である。
国鉄再建法施行に伴い第1次特定地方交通線に選定され、廃止された西日本旅客鉄道(JR西日本)の若桜線を引き継いだものである。
Contents
路線データ
- 管轄:若桜鉄道(第二種鉄道事業者)、若桜町および八頭町(第三種鉄道事業者)
- 路線距離(営業キロ):19.2km
- 軌間:1067mm
- 駅数:9駅(起終点駅含む)
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:なし(全線非電化)
- 閉塞方式:特殊自動閉塞式(軌道回路検知式)
- 交換可能駅:なし(全線1閉塞)
- 最高速度:65km/h
運転
全列車が各駅に停車する普通列車である。1日10往復(2時間に1本程度)の運行で、1 - 3両編成で運転されており、1両編成の場合はワンマン運転である。半数以上の列車が郡家駅からJR西日本の因美線に直通し、鳥取駅まで運転される。
若桜駅の始発は6時25分、郡家駅の最終は22時37分である。2010年3月12日までは郡家駅の始発は5時台で、折り返し若桜駅の始発になっていた。若桜駅の最終も22時であったが、翌13日の改正で郡家駅の始発7時台、若桜駅の最終20時台に見直された。
国鉄時代の1968年10月1日ダイヤ改正時点では、鳥取駅 - 若桜駅間に9往復(気動車列車5往復、客車列車4往復)が設定されており、客車列車のうち下り2本(321・323列車)、上り3本(322・324・328列車)は混合列車として運転されていた。若桜線内では全ての列車が各駅に停車していたが、上り322混合列車(若桜駅6時40分発→鳥取駅7時49分着)のみは途中駅では旅客扱いだけで、貨物扱いは行わなかった。
また一時期、始発列車が急行「砂丘」の間合い運用だったことがある。
2009年3月13日まで平日朝に山陰本線宝木駅まで直通する列車が設定されていたが、翌14日の改正で鳥取行きに変更された。この列車は国鉄時代から運転されていた湖山行きの列車を1996年3月16日に宝木行きに延長したもので、2004年10月16日の改正で土曜・休日は鳥取行きになっていた。2010年3月13日のダイヤ改正で夜に米子発若桜行きの普通列車が設定され、山陰本線直通列車が一時復活した。2015年3月14日のダイヤ改正で鳥取駅で系統分割されて鳥取発となり、山陰本線直通列車が再び廃止された。
乗務員の運用も特例により車両の所属会社による相互乗り入れとなっていたが、2010年3月13日のダイヤ改正からはそれぞれ自社線内のみを担当するようになった。
使用車両
以下に示す車両は全て気動車である。
- WT3000形・WT3300形
- 鳥取 - 若桜間で、列車番号が1330 - 1340番台。
- 郡家 - 若桜間で、列車番号が1350番台(最終列車も含む)。
- JR西日本キハ47形
歴史
改正鉄道敷設法別表第88号に掲げる予定線「鳥取県郡家ヨリ若桜ヲ経テ兵庫県八鹿附近ニ至ル鉄道」の一部であるが、若桜から先は着工されなかった。
- 1930年(昭和5年)
- 1932年(昭和7年)2月5日 - 安部駅が開業。
- 1935年(昭和10年)3月15日 - 鳥取駅 - 若桜駅間気動車運行開始[1]
- 1970年(昭和45年)3月 蒸気機関車の運転を廃止[2]。
- 1974年(昭和49年)10月1日 - 全線の貨物営業廃止。
- 1981年(昭和56年)9月18日 - 第1次廃止対象特定地方交通線として廃止承認。
- 1986年(昭和61年)10月7日 - 第三セクター鉄道への転換を決定[3]。
- 1987年(昭和62年)
- 1996年(平成8年)10月1日 - 八頭高校前駅開業。
- 2002年(平成14年)3月23日 - 徳丸駅開業。
- 2003年(平成15年)10月 - 閉塞方式を「票券閉塞式」から「特殊自動閉塞式」に変更。
- 2008年(平成20年)7月23日 - 駅舎、転車台など23の鉄道構造物が一括して国の登録有形文化財に登録。
- 2009年(平成21年)
- 2015年(平成27年)4月11日 - 若桜駅で保存されている蒸気機関車C12を本線走行させる「SL走行社会実験」を実施。
- 2018年(平成30年)3月4日 - 観光列車「昭和」の運行開始(車両デザインは水戸岡鋭治)[4][5]。
駅一覧
- 全駅鳥取県に所在。
- 全列車普通列車(各駅に停車)。
駅名 | 駅間キロ | 営業キロ | 国鉄時代の 営業キロ |
接続路線 | 所在地 |
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郡家駅 | - | 0.0 | 0.0 | 西日本旅客鉄道:因美線 | 八頭郡八頭町 |
*八頭高校前駅 | 0.9 | 0.9 | --- | ||
因幡船岡駅 | 1.5 | 2.4 | 2.4 | ||
隼駅 | 2.0 | 4.4 | 4.5 | ||
安部駅 | 2.7 | 7.1 | 7.1 | ||
八東駅 | 2.7 | 9.8 | 9.9 | ||
*徳丸駅 | 1.8 | 11.6 | --- | ||
丹比駅 | 1.9 | 13.5 | 13.6 | ||
若桜駅 | 5.7 | 19.2 | 19.2 | 八頭郡若桜町 |
*印は転換後に設置された新駅
若桜駅が唯一の若桜鉄道直営駅、徳丸駅が無人駅である。徳丸駅以外の中間駅6駅は発券業務が民間に委託されている(いわゆる簡易委託駅)。なお、郡家駅はJR西日本との共同使用駅でありJRの駅員はいるが、若桜線の乗車券等の発券業務は行っていない。
特記事項
日本一安い運賃
郡家駅 - 八頭高校前駅間の大人普通運賃は100円であるが(2017年4月1日現在。参考:若桜鉄道の項目に運賃表あり)、2007年3月31日までは60円で日本一安い鉄道運賃であった。2007年1月、廃線の危機の中での増収策の一環として実施される値上げに伴い、この区間だけ据え置くことは不公平だとして、同年4月1日から100円に値上げされた。この運賃改定実施後の日本一安い運賃は北大阪急行電鉄の大人初乗り運賃80円(2015年4月1日の運賃改定で90円)となったが、北大阪急行電鉄も2017年4月1日の運賃改定で100円に値上げしたため、1位タイではあるものの再び日本一安い運賃となった。
蒸気機関車の保存運転
2007年8月、兵庫県多可町で保存されていた蒸気機関車C12 167を譲り受けて整備を行い、若桜鉄道開業20周年となった同年10月14日、コンプレッサーからの圧縮空気を動力源として若桜駅構内を走行した。同駅構内にある転車台・給水塔などと蒸気機関車が、古きよき風景をかもし出していることから、観光団体のツアーにも評判である。なお、同車は若桜線で終戦を迎えた機関車でもある。
鳥取県も県の公式ホームページで、観光業者への観光ルートとして、若桜鉄道を利用して若桜駅の鉄道文化施設を見学するツアーを斡旋しており、利用促進に官民挙げて取り組んでいる。一連の取り組みは、国土交通省の地方鉄道活性化の一例として取り上げられている。
日本で初めて、沿線全体の古い施設を一括して登録有形文化財として登録するよう申請し、2008年、若桜、丹比、八東、安倍、隼、因幡船岡各駅の本屋及びプラットホーム、その他橋梁や転車台など各種施設の登録が告示された。
若桜鉄道ではこの蒸気機関車C12 167の本線走行を目指しており、2015年4月11日、社会実験として、若桜 - 八東間をDD16形ディーゼル機関車に牽引される形で往復運転を行った。ただし、C12 167は車籍がないため「線路閉鎖された線路上で運転される事業用車両」としての扱いで、ディーゼル機関車と蒸気機関車の間に連結される12系客車には、乗客の代わりにかかしを載せた[6][7]。
2016年以降は、5月1日を語呂合わせで「恋の日」とし、これにあわせてピンク色に塗装されてイベントに登場しており、連結したトロッコに観光客を乗せて駅構内を走ることもある[8]。
脚注
- ↑ 『鉄道省年報. 昭和9年度』(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ↑ 「国鉄蒸気線区別最終運転日一覧」『Rail Magazine 日本の蒸気機関車』1994年1月号増刊
- ↑ 『鉄道ジャーナル』第21巻第1号、鉄道ジャーナル社、1987年1月、 120頁。
- ↑ 「「昭和」が出発進行-若桜鉄道のレトロ観光列車、運行開始「地域に新しい未来」産経新聞WEST 2018年3月5日(2018年4月18日閲覧)
- ↑ 若桜鉄道「昭和」公式サイト(2018年4月18日閲覧)
- ↑ 伊原薫 (2015年2月4日). “鳥取・若桜鉄道4月にSL試験走行 ── 地域に人を呼べるかの「社会実験」”. THE PAGE. . 2015閲覧.
- ↑ 柏樹利弘 (2015年4月11日). “45年ぶりにSL疾走、ファンら見守る 鳥取の若桜鉄道”. 朝日新聞 . 2015閲覧.
- ↑ ピンクのSLにファン集結、鳥取 若桜鉄道『東京新聞』ニュースサイト2018年4月30日(共同通信の配信記事)2018年5月2日閲覧。