花子とアン

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花子とアン』(はなことアン)は、2014年(平成26年)度上半期放送のNHK連続テレビ小説」第90シリーズの作品である。2014年3月31日から9月27日まで放送された。

赤毛のアン』の日本語翻訳者である村岡花子の半生を原案としたフィクションで、中園ミホ脚本により制作された。初回から最終回までの期間平均視聴率が22.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム。以下略)を記録。大ヒットした『あまちゃん』(20.6%)や『梅ちゃん先生』(20.7%)、『ごちそうさん』(22.4%)を超えて朝ドラでは過去10年で最高の記録となった。

概要

ファイル:Montgomery Anne of Green Gables.jpg
『赤毛のアン』原書初版本

『赤毛のアン』に代表されるモンゴメリなどの英米児童文学の日本語訳版を著し、明治から昭和の混乱期に翻訳家として活躍した村岡花子の半生をもとにしたテレビドラマである[1]

村岡恵理(花子の孫)『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』[2]を原案に、フィクションストーリー[注 1]として中園ミホ書き下ろし脚本にて制作[3]。本作では実在の村岡花子を主人公のモデルとしながらも、彼女と『赤毛のアン』の主人公アンとを重ね合わせ、随所に『赤毛のアン』を彷彿とさせる場面を散りばめるといった脚色がなされている[4]。また花子の腹心の友として登場する柳原白蓮にもスポットをあてるなど、花子とともに激動の時代を生き抜いた人々も描かれている。

主役を演じる吉高由里子は、前作『ごちそうさん』のに続き、オーディションを介さず直接オファーによって決まった(このような形態で決まる朝ドラのヒロインでは、2017年上半期放映『ひよっこ』の有村架純まで現れない)。人選について、製作統括するの加賀田透は「オーディションにするか、キャスティング(直接オファー)にするか迷っていた3月頃に、映画『横道世之介』を見て、お嬢様育ちのヒロインを演じた吉高さんがいいのではないかと思った。スタッフも中園ミホさんも満場一致で支持してくれた」と述べている[5]

劇中の語りは、美輪明宏が担当する。加賀田透は、美輪を指名した理由について「『時空を越えて、過去も未来も自在に旅する人』、それが美輪明宏さんのイメージです。明治・大正・昭和にわたる『花子とアン』の世界に私たちをいざなってくれるのは美輪さんしかいないと思っております」と述べ[6]、脚本の中園も、劇中の語りの締めの言葉である「ごきげんよう」を使い慣れている人物が他にいないという理由から美輪を指名した。美輪本人も、2014年4月7日放送の『スタジオパークからこんにちは』において、劇中で表現される当時の時代背景や文化を直接知る世代の人間として自分が語りに適役ではないかと判断し、依頼を引き受けた旨を語っている[7]

放送終了後には「花子を一途に思い続けた朝市にも幸せになってほしい」との視聴者の声が多く寄せられ、窪田正孝演じる木場朝市を主役にしたスピンオフドラマ朝市の嫁さん』が、同年10月18日19:30 - 20:59にNHK BSプレミアムで放送された[8]

本作出演中に、花子の妹・ももを演じた土屋太鳳が2015年前期の連続テレビ小説『まれ』の主役に、本作放送から2年後には花子の友人の娘・富士子を演じた芳根京子が2016年後期の連続テレビ小説『べっぴんさん』の主役に、いずれもオーディションで決定し、後の連続テレビ小説のヒロインを本作から2人輩出することとなった。

2017年9月25日より、毎週月曜日から土曜日の午前7時15分よりNHK BSプレミアムにて全話再放送されることになった。

ロケ地

2013年11月から山梨県などでロケーションが実施された[1]。ロケ地として山梨県甲府市内にオープンセットを設置して行われたほか、女学校の撮影に博物館明治村愛知県犬山市[9]群馬大学工学部(群馬県桐生市)、東京の街並みにワープステーション江戸茨城県つくばみらい市)などが使用された[10]

注釈

  1. 本編後の「ベストフレンズ」のコーナーにて「このドラマはフィクションです」と表記されている。

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  1. 1.0 1.1 “来年春の連ドラ 主演に吉高由里子さん”. NHKニュースウェブ. (2013年6月25日). オリジナル2013年10月31日時点によるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20130625233032/http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130625/k10015570961000.html 
  2. 朝ドラ「花子とアン」制作発表・主演は吉高由里子さん”. NHK DRAMAトピックス (2013年6月25日). . 2013閲覧.
  3. 【脚本】中園ミホインタビュー01 アンと、花子さんと、吉高さん。”. NHK連続テレビ小説「花子とアン」. . 2014閲覧.
  4. 『花子とアン』#6 第1週「花子と呼んでくりょう!」(1)”. スタッフブログ. . 2014閲覧.
  5. “吉高由里子、来春の朝ドラヒロイン『赤毛のアン』翻訳者・村岡花子の半生記”. オリコン. http://www.oricon.co.jp/news/entertainment/2025964/full/ . 2013閲覧. 
  6. 毎日新聞デジタル 美輪明宏:吉高由里子主演朝ドラ「花子とアン」の語り手に2013年10月23日記事。
  7. 「美輪明宏、『花子とアン』の締め言葉『ごきげんよう』を流行語に」(2014年4月7日)、47NEWS、2014年4月18日閲覧。
  8. “【花子とアン】朝市のお嫁さん役に石橋杏奈 スピンオフ放送決定”. 福井新聞. (2014年9月17日). http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/oricon/54191.html . 2014閲覧. 
  9. 博物館明治村(Museum Meiji-Mura)2013年12月17日 - Facebook、2014年5月4日閲覧。
  10. ボイスマンでおまっ (NHK大阪公式)(2014年4月7日)、2014年4月11日閲覧。