自動車ディーラー

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自動車ディーラー(じどうしゃディーラー、car dealership、カーディーラー)とは、新車や中古車を小売する事業者(販売店)のことである。なかでも、自動車メーカー(または、その販売子会社など)と特約店契約を結んだ販売業者のことを指す。販売だけでなく、点検整備などのアフターサービスも提供する。

日本自動車雑誌などでは、メーカー系列に属する新車販売店の中古車部門で売られている中古車を「ディーラー系中古車」と呼び、メーカー系列に属さない独立系販売業者の中古車と区別している。(ディーラーであっても、中古車に関しては特約メーカー以外の車も買取、販売することが多い)。

なお、本稿では日本国内で展開している自動車ディーラーについて述べる。日本国外の自動車メーカーについてはその日本法人と正規輸入代理店のみ記述する。

日本の自動車メーカーの新車ディーラー

日本では、自動車メーカー、およびメーカーの制定した販売チャネル毎(車のカテゴリー、顧客層など)になっている。ただ、市場構造の変化などで、1990年代から販売チャネルを統合する動きが出ており、全販売店で全部の車種を扱うかたちに変更したり、県単位で存在する販売会社を地域ごとに広域統合するメーカーもある。

運営法人は、自動車メーカー自身で経営する「メーカー系」と、地域の有力者らが経営権を持つ「地場系」の2つに分類される。

自動車の価格が高価であり、日本では自動車の販売取引行為に際して官公庁の検査や諸登録が必要であることなど、販売形態が特殊であることから、家電量販店ディスカウントストアなどのような、複数メーカーの新車販売を大規模に扱う販売店(外国で言うメガディーラー)は出現していない。一部の自動車整備業農業協同組合 (JA)、独立系中古車販売店は新車ディーラーから取り寄せる形で、小規模ながら複数のメーカーの新車(主に軽自動車)の販売を行う場合があり、これらは「サブディーラー」と呼ばれる。

トヨタ

日産

現在は、日産ハイパフォーマンスセンターでのみ発売・点検が行われるGT-R以外は全店で全車種発売されている。

ホンダ

三菱

マツダ

ダイハツ

スズキ

スバル

いすゞ

日本国外の自動車メーカーの日本法人およびディーラー

ディーラー(輸入元・販売元)の移り変わりが激しいのが特徴である。

1981年、BMWが、輸入車メーカーとしては初の日本法人「BMW JAPAN」を設立した。日本でのビジネスを輸入代理店任せにしないで自分の力で展開しようという意思表明であった。

1990年代以降、メルセデス・ベンツフォルクスワーゲンも日本法人を設立し、日本での販売体制を整えていった。

1990年代後半以降になり、バブル崩壊を経て、日本での販売の主導権はメーカーが掌握することとなった。現在では、ほとんどのメーカーが日本法人を設立し、ブランド力やサービス品質の向上に努めている。

その一方、ディーラーを運営する会社も、メーカーからの高度な要求に応えられる経営体力や販売能力が要求されるようになり、2000年代に入ってからは各ブランドにおいて、これらの要求に対応できないディーラーの閉鎖・撤退・経営譲渡が続出している。ディーラー会社も様々な生き残り戦略を実行しており、首都圏や大都市圏に進出したり、複数の小規模ディーラー会社をM&Aで買収し経営規模を巨大化させたりしている。

ゼネラルモーターズ

フォード・モーター

クライスラー/ジープ/ダッジ

メルセデス・ベンツ / スマート

フォルクスワーゲン

ベントレー

BMW / MINI

アルピナ

  • ニコル・レーシング・ジャパン

アウディ

ポルシェ

ボルボ・カーズ

ジャガー、ランドローバー

  • ジャガー・ランドローバー・ジャパン

ルノー

プジョー

シトロエン

DS

ヒュンダイ

  • ヒュンダイモータージャパン

フィアット、アルファ・ロメオ

フェラーリ

プロトン

  • キャロッセ

マセラティ

ランボルギーニ

ロータス

TVR

ブガッティ

  • ブガッティジャパン 

テスラ

  • テスラモーターズジャパン

RUF

  • RTC

スカニア

  • スカニアジャパン

アストンマーティン

アバルト

  • FCAジャパン

サーブ

  • ピーシーアイ

その他のディーラー

部品

一部の自動車メーカーでは自動車販売ディーラーとは別途、自動車部品の販売業務を専門とする自動車部品販売専門のディーラー網を設けている[11]。(以下、部品ディーラー)
これらの部品ディーラーは自動車メーカーとの間で部品販売に関する特約店契約を結んでいる。地域単位・または都道府県単位で設置され、各自動車販売ディーラーのサービス部門や一般の自動車部品販売店・カー用品店自動車整備工場へ部品供給を行っている。
主な取扱商品は、言うまでもなく特定の自動車メーカー製の純正部品であるが、一部メーカーでは自動車メーカー自身が開発し他メーカー車にも対応したプライベートブランド[12]による自動車部品が各部品ディーラーの拡販の為に積極的に活用されている。
なお、部品ディーラー網を特に設けていないメーカーや、地域や都道府県によっては自動車販売ディーラーが部品ディーラーを兼ねている。

アフターサービス

日本では輸入車の一部しか見られないが、自動車メーカーとの間でアフターサービスに関する業務のみの特約店契約を結んだアフターサービス専門業者が存在する。
主に自メーカーの販売拠点の存在しない都道府県において、ユーザーにアフターサービスを提供する目的の為[13]に設置される。
元々は自動車販売ディーラーだったが、メーカーの日本市場からの販売業務撤退によって販売権を失うものの、アフターサービス業務はそのまま継続する、といったケースもある。

関連項目

各ディーラーの店舗全景

脚注

  1. かつては北米製GM全車の輸入権を持ち、グループ(当時含む)のオペルSAABの輸入も手掛けた。現在は販売子会社の「ヤナセグローバルモーターズ」を通じてキャデラック・シボレー店の一員として販売。
  2. ヤナセやゼネラルモーターズ・ジャパンが正規輸入権を持たなかった一部車種(ハマーやキャデラック、シボレーの一部)を販売。
  3. 2016年8月7日を以て新車販売を終了し、日本市場から撤退する。同年10月1日以降はアフターサービスのみVTホールディングス傘下の「ピーシーアイ株式会社」が行う事となった。
  4. 2010年、現・チェッカーモータース(二代目)誕生時にフォード輸入権を返上。ウイルプラスホールディングスの項も参照。
  5. 2016年4月1日に、全国の「クライスラー・ジープ」店の名称を「ジープ(+地名)」に変更。同年10月よりジープ基準による新CIの統一店舗デザインが導入される
  6. ヤナセ系列と旧・シュテルン系列が存在したが、現在は統一されている。
  7. スマートについては、ダイムラー・クライスラー時代にクライスラー店や三菱店の一部でも取り扱いがあった。
  8. かつてはヤナセ系列、ファーレン系列、DUO系列(トヨタ自動車系)で分かれていたが現在は統一。ヤナセについては「ヤナセヴィークルワールド」を通じて販売。
  9. MINIディーラー網はBMWブランドディーラー網とは別個で展開される。ただし、BMWブランドディーラーがMINIディーラーを兼務するケースも多数。
  10. 10.0 10.1 プジョーブランドとシトロエンブランドの各ディーラー網は別個展開される。ただし、どちらのブランドの販売権を同時に持つ単一の販売店、プジョー及びシトロエンそれぞれ単独のブランドの販売権しか持たないが、アフターサービスは両ブランドを扱ったり、販売権の無い方のブランドの販売協力や取次などによる販売もある。
  11. 例えば、トヨタでは「トヨタ部品○○共販」・日産では「日産部品○○販売」といった業者が該当する(○○は地域名が入る)。
  12. 例えば、トヨタはDRIVEJOY・日産はPITWORK・マツダはRordpertnarの各プライベートブランドを擁している。
  13. この場合、実際は販売協力や取次という形でアフターサービス契約先のメーカー製自動車の販売に関わるケースも多い。

外部リンク