能登空港

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能登空港(のとくうこう、: Noto Airport)は、石川県能登半島北部にある地方管理空港愛称のと里山空港(のとさとやまくうこう)。

また、空港ターミナルビルや駐車場などの施設を共用している道の駅のと里山空港についても本項で述べる。

概要

輪島市穴水町能登町にまたがる木原岳周辺に、2003年7月7日に開港。滑走路長は2,000 mで、エプロン(駐機場)は小型ジェット機プロペラ機各2機が同時駐機できる。2006年平成18年)10月23日には国際チャーター便専用の搭乗ブリッジが完成した。

空港の東隣に寄宿舎を備えた日本航空学園輪島校(日本航空高等学校石川日本航空大学校)が開港同年に開設されている。

計画段階では東京(羽田)名古屋(小牧)大阪(伊丹)の3路線を見込んでいたが、定期便として就航するのは全日本空輸(当初はエアーニッポン)による東京国際空港線のみ。自治体による搭乗率保証制度(後述)を前提とした1日2往復運航《NH747.NH748.NH749.NH750》となっている。

このほかにチャーター便がしばしば発着する。同じ能登半島にある温泉旅館・加賀屋台湾からの誘客ツアーに利用している[1]ほか、フジドリームエアラインズなどの国内チャーター便が利用することがある[2]

年間利用客数は、開港15年目(2017年7月7日~2018年7月6日)の石川県集計(速報値)で16万2684人。4年連続の増加で、過去最多だった[3]

旅客機のほかに、日本海で任務に就く海上保安庁の航空機も利用する[4]

搭乗率保証制度

開港前、1日1往復の運航で利用者数を見極めたい全日本空輸 (ANA) に対し、当初より1日2往復の運航を行い利便性などを高めたい石川県および地元自治体側との間において、意見の相違があった。

そこで、年間平均搭乗率が70 %未満の場合は県と地元自治体が航空会社に2億円までの損失補填を行う、全国初の「搭乗率保証制度」を導入した。この制度では、あらかじめ定めた搭乗率に満たない場合、自治体側が補填することだけではなく、逆に定めた搭乗率以上が得られた場合は地元に金銭にて還元することも盛り込まれていることが特徴である。この制度は使用機材の変更などによって年ごとに条件(目標搭乗率)を変更しつつ継続している(還元額は、2年目からは上限2億円としている)。また、開港3年目からは目標搭乗率前後に「特別枠」が設けられ、枠内の搭乗率であれば搭乗率の過不足にかかわらず双方それぞれの支払いを行わないものとした。

この制度は。

歴史

  • 2003年平成15年)
  • 2004年(平成16年)
  • 2005年(平成17年)
    • 6月21日 - 開港からの利用者が30万人を突破する。
    • 7月7日 - 開港から2年間の平均搭乗率が定められた目標搭乗率を超える64.6 %に達したため、ANAより販売促進協力金として1,598万円が支払われる。
  • 2006年(平成18年)
    • 7月7日 - 開港から3年間の平均搭乗率が定められた目標搭乗率を超える66.5 %に達したため、ANAより販売促進協力金として2,000万円が支払われる。
    • 9月16日 - 開港からの利用者が50万人を突破する。
  • 2007年(平成19年)
  • 2009年(平成21年)
    • 1月20日 - 能登空港PR施策が、第11回日本PR大賞「PRアワードグランプリ 日常広報部門 優秀賞」を受賞する。
    • 4月1日 - ANAの運賃制度により、往復運賃適用について小松および富山空港との相互利用(マルチエアポート)が認められる。
    • 12月18日 - 開港からの利用者が100万人を突破する。
  • 2010年(平成22年)
    • 7月6日 - 開港から7年連続で、平均搭乗率が定められた目標搭乗率の62 %を越える[5]
  • 2014年(平成26年)
    • 7月5日 - 能登空港から愛称であるのと里山空港に掛け直された看板の除幕式が行われた。
  • 2015年(平成27年)

2016年(平成28年) 4月1日- 管制施設がレディオ管制から中部国際空港でのリモート管制に変更された。

施設

ターミナルビル

4階建て。日本初の試みとして、空港ターミナルビルに行政機関の庁舎が複合されており、地方行政機関石川県奥能登総合事務所、奥能登農林総合事務所、奥能登土木総合事務所分室、奥能登教育事務所、奥能登行政センター)と生涯学習センター会議室がある。交通にとどまらない奥能登地域の広域行政の拠点と位置付けられている。また、道の駅「能登空港」として登録を行い、能登地域の観光情報拠点としている。

1階が航空会社のカウンターと売店、レンタカーの受付、能登の旅情報センター。2階が待合室・搭乗口と土産物売場。3階が見学者デッキとレストランになっている。レストランは16時までの営業である。なお、午前中の早い時間は飲料のみの提供となっている。

道の駅のと里山空港

テンプレート:道の駅 道の駅のと里山空港(みちのえき のとさとやまくうこう)は、2003年8月8日に能登空港の旅客施設全体を石川県道303号柏木穴水線にある道の駅として開駅した。開駅当初は道の駅能登空港の名称であった。

昼間はターミナルビル内の売店・レストラン、自動販売機、トイレなどを利用できる。レストランは16時まで。夜間はターミナルビルが閉鎖されるが、第二駐車場のトイレ・自販機を利用できる。

道の駅を空港の旅客施設と同一施設として運営しているのは、道の駅大館能代空港秋田県北秋田市)と当駅のみである。

就航路線

国内線

交通

路線バス・特急バス

いずれも北鉄奥能登バスによる運行。

レンタカー

各社共同のカウンターが設置されており、トヨタレンタカー日産レンタカーニッポンレンタカーが利用できる。

自動車

自動車専用道路は、穴水道路(能越自動車道のと里山空港ICが最寄りである。同ICから能登空港までは、石川県道303号柏木穴水線を経由する。

ここで経由する自動車専用道路(のと里山海道・能越自動車道[6])はすべて無料で通行することができる。

乗合タクシー

和倉温泉や輪島、珠洲など、羽咋郡以北の能登半島各地と能登空港を結ぶ乗合タクシー「ふるさとタクシー」がある。なお、乗合タクシーの利用は前日の午前中までに予約が必要である。

定期観光バス

芸術活動

観光客を歓迎するための太鼓演奏が、2006年12月より毎週日曜日に行われている。

また、開港前の2002年8月24日には、敷地内でモーニング娘。のコンサートが開催された。

当空港に因んだ楽曲
  • 『銀河航路』
開港前の2002年8月21日に発表された、大空亜由美(現 吉田美穂)が歌う「能登空港イメージソング」。作詞は鈴木玲子(結城忍が補作)、作曲は聖川湧である。歌詞を一般公募した結果、最優秀作品『能登空港』を基に制作された。
  • 『能登空港』
2006年6月7日に発表された、シルヴィア三輪一雄デュエット曲。作詞は新條カオル、作曲は斎藤覚である。開港3周年に合わせて発表され、現在でも定期便到着時などを中心にターミナル内で流れている。1Fおよび2Fの売店にてCDを販売している。

その他

  • 能登VOR/DME,ILS/DMEが設置されているものの、2016年4月1日から管制技術官集約の為、保守官署が中部空港事務所へ変更となった。

脚注

  1. 本物のおもてなしで、国境を越える(上)年間50以上のチャーター便を呼び寄せる高級旅館とは日経ビジネスONLINE(2008年7月7日)2018年7月17日閲覧
  2. 平成29年度 のと里山空港国内チャーター便運航計画(2018年7月17日閲覧)
  3. 能登空港の利用最高 開港15年目、石川県に12年ぶり協力金日本経済新聞ニュースサイト(2017年7月9日)2018年7月17日閲覧。
  4. 能登空港におけるかいじょう海上保安庁航空機用燃料の入札説明書(2018年7月17日閲覧)
  5. 能登空港利用促進協議会が発表した7年目(2009年7月7日から2010年7月6日)の利用状況(速報値)は、利用者数が148,768人、提供座席数が239,294人、実績搭乗率が62.2 %であった。
  6. 富山県内の一部区間(小矢部砺波JCT - 高岡IC)は有料である。

関連項目

外部リンク