肥前山口駅
肥前山口駅(ひぜんやまぐちえき)は、佐賀県杵島郡江北町大字山口にある、九州旅客鉄道(JR九州)の駅である。
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概要
佐賀県中部地域の鉄道交通の要衝となる駅で特急「かもめ」の一部を除く全列車が停車する。当駅の所属線である長崎本線[1]と、当駅を起点とする佐世保線の2路線が乗り入れている。佐世保線の列車は一部の普通列車を除いて長崎本線鳥栖駅方面に直通している。
国鉄時代から長崎駅・佐世保駅発着の優等列車が数多く当駅で分割・併合をしていたが、2011年3月12日のダイヤ改正により「かもめ」「みどり(・ハウステンボス)」の併結運転が終了し、当駅で分割・併合を行う優等列車はなくなった[2]。現在は肥前大浦駅・早岐駅発着の普通列車1往復の分割・併合のみが行われている。2016年3月25日まではこれとは別に、「みどり」1往復が「ハウステンボス」編成の増解結を行っていたが、翌日のダイヤ改正で当駅での増解結がなくなり、当駅での優等列車の分割・併合シーンは完全に姿を消すことになった。
また、1989年5月1日に名寄本線・天北線が廃止されて以降、最長片道切符の終着駅となっている。
2002年からワンマン運転が導入された。当初は当駅以西の長崎本線および佐世保線のみが対象だったが、翌年に長崎本線全線に拡大された。ワンマン運転の列車は当駅で精算方法が変わり、当駅以東の長崎本線では車内精算を行わない。また、基本的に普通列車の乗務員交代(南福岡運転区・久留米運輸センター・博多運転区と長崎運輸センター・佐世保運輸センター)もこの駅を境に行われる。 だが、稀に長崎・佐世保から鳥栖まで乗り通す乗務(長崎・佐世保運輸センター所属運転士)長崎から博多まで普通列車に乗り通す乗務(南福岡運転区所属運転士など)も存在する。
歴史
- 1895年(明治28年)5月5日 - 九州鉄道(初代)の山口駅(やまぐちえき)として開業。
- 1898年(明治31年)11月27日 - 鳥栖駅 - 山口駅 - 早岐駅 - 長崎駅(現・浦上駅)間の九州鉄道長崎線が全通(現在の長崎駅まで延長されたのは1905年)。
- 1907年(明治40年)7月1日 - 九州鉄道が国有化される。
- 1909年(明治42年)10月12日 - 線路名称制定により、長崎本線の駅となる。
- 1913年(大正2年)3月1日 - 同年2月20日に山口県山口市に 国鉄山口駅完成に伴い、同名の駅を避けることから肥前山口駅(ひぜんやまぐちえき)に改称。
- 1930年(昭和5年)
- 1934年(昭和9年)
- 1976年(昭和51年)6月6日 - 長崎本線(喜々津駅 - 長与駅 - 浦上駅間を除く)および佐世保線が電化される。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化に伴い九州旅客鉄道が承継。
- 2003年(平成15年)12月 - 駅舎橋上化[3]。
駅構造
単式ホーム1面1線と島式ホーム2面4線、合計3面5線のホームを持つ地上駅。JR九州鉄道営業が業務を行う業務委託駅である。1番線と2番線の間に1本、5番線の横に2本留置線があるがこれらには番線は付けられていない。1番線(単式ホーム)・4番線と5番線(島式ホーム)の一部(2両分)は、817系電車の停車を考慮してホームがかさ上げされており、ホームと電車との段差がほとんどない。3本あるホーム、さらに南北双方の出入口にはエレベーターが設置されている(計5基)。
当駅付近の配線はかつて長崎本線が早岐駅経由だった名残で、鳥栖駅方面からの長崎本線と佐世保線の線路がほぼ一直線に連続しており、長崎駅方面への長崎本線の線路は下り側から見て大きく左にカーブする形になっている。
かつては出入口は北側のみであったが、駅裏だった南側に国道34号江北バイパスが完成し、住宅や店舗が増加した。このため南側からの利便性向上を図るため、2003年12月に南北自由通路に増設する形で橋上駅舎が建設された。みどりの窓口・自動券売機も設置されているが、自動改札機は設置されていない。2005年になり自動放送が導入された。
のりば
当駅は長崎本線と佐世保線の分岐駅であるため始発・終着の列車が多いことから、2番のりばを除いてすべてのホームに2方向以上の列車が発着する。特急列車の発着ホームはおおむね固定されているが、普通列車については特に規則性はないため、駅の時刻表で確認する必要がある。
ホーム | 路線 | 方向 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | ■長崎本線 | 上り | 久保田・佐賀・鳥栖方面 | |
■佐世保線 | 武雄温泉・早岐方面 | |||
2 | ■長崎本線 | 上り | 久保田・佐賀・鳥栖方面 | |
□特急「かもめ」「みどり」「ハウステンボス」 | 新鳥栖・博多方面 | 一部は1・3番のりばから発車 | ||
3 - 5 | ■長崎本線 | 下り | 肥前鹿島・多良・諫早方面 | |
上り | 久保田・佐賀・鳥栖方面 | 4番のりばは使用しない | ||
■佐世保線 | 武雄温泉・早岐方面 | |||
□特急「かもめ」「みどり」「ハウステンボス」 | 下り | 長崎・佐世保・ハウステンボス方面 | 3・4番のりばのみ(主に4番のりば) |
利用状況
2017年(平成29年)度の1日平均乗車人員は1,226人である[4]。
2011年3月12日のダイヤ改正時点では特急は主に上りが2番のりば、下りが3番のりばに停車し、上りの「みどり」と下りの「かもめ」、上りの「かもめ」と下りの「みどり」の接続が考慮されたダイヤが組まれていたが、現在はダイヤはそのままで下り特急の多くが4番のりばからの発車に変更されたため、乗り換えは以前より困難になった。当駅自体の利用客はそれほど多くなく、特急の利用者も博多駅方面への利用が大半で、長崎駅・佐世保駅方面への利用は少ない。
かつて運行されていた本州に直通する優等列車のうち、当駅で分割・併合を行わない列車は多くが通過していた。「かもめ」「みどり」は当初は分割・併合を行うため全列車が停車していたが、全列車併結運転ではなくなった1985年以降、単独運転の「かもめ」の一部は当駅を通過していた。その後2004年3月のダイヤ改正でいったん全列車が停車するようになったが、併結運転が完全に終了した2011年3月12日以降は再び一部の「かもめ」が通過している。
なお「みどり」に関しては当駅を通過する列車が設定されたことはない。現在も「みどり」と併結運転を行っている「ハウステンボス」も同様であるが、「ハウステンボス」の前身にあたる「オランダ村特急」は通過していた。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
---|---|
2000年 | 1,097 |
2001年 | 1,130 |
2002年 | 1,144 |
2003年 | 1,103 |
2004年 | 1,129 |
2005年 | 1,121 |
2006年 | 1,139 |
2007年 | 1,181 |
2008年 | 1,161 |
2009年 | 1,139 |
2010年 | 1,195 |
2011年 | 1,231 |
2012年 | 1,209 |
2013年 | 1,205 |
2014年 | 1,153 |
2015年 | |
2016年 | 1,212 |
2017年 | 1,226 |
駅周辺
駅北側
住宅地などがある。
- JR線最長片道切符完乗の記念碑
- 江北町役場
- 山口郵便局
- 身代わり観音像
- 東照寺
- 祐徳バス「山口駅前」停留所
- 佐賀県立杵島商業高等学校(西へ2.5km)
駅南側
デルタ線
- 当駅には、機関車を方向転換するためのデルタ線(三角線)が設置されていた。これは、転車台(ターンテーブル)を設置すると佐賀平野の軟弱な地盤では地盤沈下してしまう恐れがあったためである。1970年ごろを境に撤去されている。
ギャラリー
- Hizen-Yamaguchi Station 20160807-1.jpg
駅舎(南口)
- Hizenyamaguchi station01.jpg
駅前(北口)にある『列島縦断 鉄道12000キロの旅 〜最長片道切符でゆく42日〜』の記念碑
- HizenYamaguchi Station-Platform-200801.jpg
駅構内
隣の駅
計画中の路線
脚注
関連項目
- 日本の鉄道駅一覧
- 列島縦断 鉄道12000キロの旅 〜最長片道切符でゆく42日〜 - 同番組で使用された最長片道切符終着駅
外部リンク
- 肥前山口駅(駅情報) - 九州旅客鉄道