羽曳野市
羽曳野市(はびきのし)は、大阪府南河内地域に位置する市。ぶどう栽培が盛ん。また古墳などの古代史跡の多い地としても知られる。本項では市制前の名称である南大阪町(みなみおおさかちょう)、市制当日の名称である南大阪市(みなみおおさかし)についても述べる。
Contents
地理
羽曳野丘陵と呼ばれる洪積台地が市の中央を縦断する。東部は古市郡の旧郡域となり、石川と支流の飛鳥川や大乗川などが北流する。西部は丹南郡の旧郡域となり、東除川が北流する。
人口
平成22年国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、0.84%減の117,702人であり、増減率は府下43市町村中26位、72行政区域中46位。
羽曳野市(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
隣接している自治体・行政区
大阪府
歴史
古墳時代には多くの古墳が造営された(古市古墳群)。古代の官道といわれる竹内街道が市を東西に貫いている。
11世紀ごろ、市東部の壺井が八幡太郎義家で有名な武家の棟梁の河内源氏の本拠地となる。
中世に郡界が混乱し、もともと安宿部郡(あすかべのこおり)だった駒ケ谷と飛鳥が古市郡に含まれるようになった。古代から見られる集落の飛鳥や、氏神社の飛鳥戸神社、飛鳥川などに「あすか」の名が残っている。
沿革
- 1956年(昭和31年)9月30日 - 南河内郡古市町・高鷲町・埴生村・西浦村・駒ヶ谷村・丹比村が合併して南大阪町が発足。
- 1957年(昭和32年)4月1日 - 大字多治井を南河内郡美原町に編入。
- 1959年(昭和34年)1月15日 - 南河内郡南大阪町が市制施行[1]して南大阪市となる。大阪府下26番目。南大阪市が即日改称して羽曳野市となる[2]。
行政
- 市長 : 北川嗣雄(きたがわ つぐお、2004年7月25日 - 2020年7月24日、4期目)
歴代市長
代 | 氏名 | 就任 | 退任 |
---|---|---|---|
初代 | 塩野庄三郎 | 1959年 | 1964年 |
2代 | 金井一成 | 1964年 | 1969年 |
3代 | 松本久男 | 1969年 | 1973年 |
4代 | 津田一朗 | 1973年 | 1989年 |
5代 | 福谷剛蔵 | 1989年 | 2004年 |
6代 | 北川嗣雄 | 2004年 | 現職 |
市議会
定数は18人。2016年7月10日時点での会派構成は以下の通り。
会派名 | 議席数 | 所属党派 |
---|---|---|
大阪維新の会 | 4 | 大阪維新の会 |
公明党 | 3 | 公明党 |
日本共産党 | 3 | 日本共産党 |
自由民主党 | 2 | 自由民主党 |
市民クラブ | 4 | |
羽曳野無所属の会 | 2 |
経済
産業
- 産業人口
- 第一次産業就業者数 約800人
- 第二次産業就業者数 約17000人
- 第三次産業就業者数 約35000人
市内にある企業
金融機関
- りそな銀行 1店舗(羽曳野支店 指定金融機関であり、市役所や市の施設内にATMが設置されている)
- 三井住友銀行 有人出張所1か所(藤井寺支店はびきの出張所)
- 池田泉州銀行 1店舗(羽曳野支店)
- 近畿大阪銀行 1店舗、有人出張所1か所(羽曳野支店、藤井寺支店恵我之荘出張所)
- 南都銀行 1店舗(羽曳野支店 南都銀行が大阪進出開始初期に出店した店舗であるが現在、新規取引は法人のみとなっている。かつては個人客の新規取引も受け入れていた)
- 関西アーバン銀行 1店舗(羽曳野支店)
- 大阪シティ信用金庫 2店舗(古市支店、恵我之荘支店 いずれも旧八光信用金庫)
日本郵政グループ
(2012年12月現在)
- 羽曳野恵我之荘郵便局(南恵我之荘)
- 羽曳野白鳥(はくちょう)郵便局(翠鳥園=すいちょうえん)
- 羽曳野島泉(しまいずみ)郵便局(島泉)
- 羽曳野高鷲郵便局(高鷲)
- 羽曳野桃山台郵便局(桃山台)
- 羽曳が丘郵便局(羽曳が丘)
- 羽曳野野々上(ののうえ)郵便局(野々上)
- 羽曳野城山郵便局(古市)
- 羽曳野古市郵便局(古市)
- 丹比(たんぴ)簡易郵便局(郡戸=こおず)
- 大阪支店 羽曳野市役所内出張所(誉田=こんだ)(ATMのみ)
- その他簡易郵便局を除く各郵便局にATMが設置されており、羽曳野白鳥郵便局ではホリデーサービスを実施。
※羽曳野市内の郵便番号は「583-08xx」で、集配業務は藤井寺郵便局(藤井寺市藤ヶ丘)が担当している。
姉妹都市・提携都市
国内
海外
教育
小学校
中学校
高等学校
- 大阪府立懐風館高等学校(2009年度開校。2011年度限りで大阪府立羽曳野高等学校と大阪府立西浦高等学校が閉校し合併統合、敷地は旧羽曳野高校を使用)
- 私立四天王寺羽曳丘高等学校
大学
特別支援学校
交通
鉄道路線
中心となる駅は古市駅だが、後述のように、バス路線が藤井寺駅より市内の住宅街に向かって運行されているため、同駅の利用も多い
バス
- 近鉄バス : 東部の古市駅を中心に、羽曳ヶ丘・四天王寺大学・桃山台・藤井寺駅方面へ。西部の恵我ノ荘駅からは、河内松原駅(松原市)および堺市美原区の平尾を結ぶ路線がある。また、高鷲駅からも路線が開設されたが2017年4月1日に廃止された。
- 公共施設循環バス「うーすけ」 : 市内各所を結ぶ。自家用バスによる運行で無料。本数が極端に少ないので注意が必要。
- 金剛バス : 上ノ太子駅に乗り入れる。
道路
- 市内にあるインターチェンジ
- 一般国道
- 大阪府道・奈良県道12号堺大和高田線、大阪府道27号柏原駒ヶ谷千早赤阪線、大阪府道31号堺羽曳野線、大阪府道32号美原太子線、大阪府道186号大阪羽曳野線、大阪府道188号郡戸大堀線、大阪府道190号西藤井寺線、大阪府道191号島泉伊賀線
- しらとりの郷・羽曳野(美原太子線)
船舶
現在はないが、石川に堰ができるまでは水上交通も行われていたとされる。
市営の公共施設
- 羽曳野市役所本庁
- 羽曳野市支所
- 羽曳野市立総合スポーツセンター「はびきのコロセアム」
- 羽曳野市生活文化情報センター「LICはびきの」
- 羽曳野市立図書館(陵南の森・中央・丹比・羽曳が丘・東部)
- 陵南の森総合センター
- 市民体育館・市民プール(プールは夏季のみ営業)
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
市内には、世界遺産候補を目指している、旧跡、古市古墳群があるが、世界遺産国内候補にすら指名されず、観光開発が難しい状況である。現在のところ、特に人気スポット、有名観光スポット、有名な祭事、催事などなく一般的知られているのは下記の通り。
- 春日丘団地 (歴史的建築物として特別にスターハウスが保存されている)
- 誉田八幡宮(国宝の塵地螺鈿金銅装神輿、金銅透彫鞍金具などを所蔵)
- 野中寺(中の太子)(「野中寺旧伽藍跡」は国の史跡)
- 野々上八幡神社
- 西琳寺
- 古市古墳群(国の史跡)
- 応神天皇陵古墳外濠外堤跡 (国の史跡)
- 誉田白鳥埴輪製作遺跡 (国の史跡)
- 通法寺跡 (国の史跡、河内源氏の菩提寺の通法寺の跡)
- 源頼信墓・源頼義墓・源義家墓
- 壺井八幡宮 - 河内源氏の氏神
- 飛鳥戸神社
- 白鳥神社
- 吉村家住宅 (国の重要文化財)
- 延羽の湯 南阪奈道路羽曳野インターチェンジ近く、石川沿いに出来たスーパー銭湯。テレビCMやバス広告で大々的に宣伝されている。
- 羽曳野市民総合体育大会 夏休み期間中に開催され、一般、中学生などの部門でスポーツを行う。
- 羽曳野市民マラソン大会 12月頃に市内の石川河川敷で開催される。部門によって競技距離が変わる。
出身有名人
政治家・実業家
教育者・学者
法曹
- 和島岩吉(弁護士・元大阪弁護士会会長、日弁連会長)
芸能人
- 浅田あつこ(演歌歌手)
- 福岡蓮(声優、俳優、タレント)
- 片山淳子(タレント、松竹芸能)
- 笑福亭仁智(落語家)
- まこと(シャ乱Q)
- 山下隆章(お笑い芸人、蓮華)
- 柳瀬暁生(お笑い芸人、騎兵隊、クイズ!紳助くん)
スポーツ
- 大熊忠義 (元プロ野球選手(外野手)、野球解説者)
- ダルビッシュ有(プロ野球選手、シカゴ・カブス)
- 結城海斗(プロ野球選手、カンザスシティ・ロイヤルズ傘下)
- 天日謙作(バスケットボール指導者、大阪エヴェッサ初代HC)
- 佐々木幹矢(プロレスラー)
文化人
その他
その他
- 市内で火災が発生すると、公民館などに設置されたスピーカーからサイレンが聞こえてくる。これは消防団員の招集のためである。
- 「うすいえんどう」の名称は、明治時代にアメリカから碓井地区に導入されたことに由来する[3]。
脚注
- ↑ 町を市とする処分(昭和33年12月27日総理府告示476号) 羽曳野市例規集より、2012年1月17日閲覧。
- ↑ 市の名称変更(昭和34年1月21日総理府告示21号) 羽曳野市例規集より、2012年1月17日閲覧。
- ↑ えんどう|和歌山県ホームページ 2014年4月21日閲覧。
関連項目
- 南河内郡
- 日本武尊命
- 大阪みどりの百選
- 大阪府の自然景勝地
- なにわ野菜 - 大阪府の伝統野菜。
- 柏原市、藤井寺市と合同で柏羽藤消防組合、柏羽藤環境事業組合を結成している。
- 黒川博行 - 日本の小説家・推理作家。同市在住。
- 後妻業の女 - 上記黒川博行原作の作品。主人公・武内小夜子の出身地とされており、映画の舞台にもなっている。
外部リンク
- 羽曳野市ホームページ
- Panoramio(グーグルアースに掲載された羽曳野市の写真)