美咲町
概要
美咲町は岡山県中央部に位置する、2005年(平成17年)3月22日に久米郡中央町、旭町、柵原町の3町が合併して誕生した町である。人口は約1万5000人であり、65歳以上の高齢者が多く住む。町内の大半を山林が占め、豊かな自然を有する。町内の中心を旭川が、東部を吉井川の2つの一級河川が貫く。また、中心をJR津山線・国道53号が通り、県庁所在地の岡山市や岡山県北部の中心都市津山市との間を結んでいる。
町の中心は旧中央町のJR亀甲駅周辺であり、町役場や商店、公共施設が立地している。主な産業はコメ、ナシやブドウなどの果樹、葉タバコの栽培、養鶏である。町内には日本棚田百選に選定された棚田2か所と西日本最大級の養鶏場があること、さらに、町出身の岸田吟香が愛好し全国に広めたという説があることから、卵かけごはんにより町おこしを図っている。 観光スポットとしては、駅舎がカメの形をしたJR亀甲駅、桜やつつじの名所として有名な三休公園、自然体験公園・まきばの館、鉄道の廃線を活用し展示運転が行われている柵原ふれあい鉱山公園といった諸施設がある。
地理
地勢
吉備高原に位置し町域の大半は丘陵地帯と山林である。町内には県内三大河川のうち、旭川・吉井川の2つの川が流れる。
隣接する自治体
人口
美咲町(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
姉妹都市・提携都市
歴史
沿革
合併の経緯
国が主導する平成の大合併により、岡山県北地域でも、津山市を中心とする合併協議会と、久米郡を構成していた5町(久米町、久米南町、中央町、旭町、柵原町)での合併協議会が設立された。しかし、双方の合併協議会に参加していた久米町が住民投票の結果、津山市との合併を選択したため離脱し、残りの久米郡4町で合併協議会が継続された[1]。4町のうち久米南町は南隣の御津郡建部町(現・岡山市北区建部町)との合併を並行して検討し、のちに単独町制の継続を選択して合併協議会から離脱した。結果残った中央町・旭町・柵原町の3町が対等合併し、美咲町が発足した[2][3][4]。
町名の由来
合併対象にある町の住民を対象に一般公募され、その中から選考委員会で決定された。町の総務一課によれば、合併後の町の形が花びらのように見えることから、「美しく咲く」という意味を込めて美咲町と命名したという。
応募された原案では美作の「美」から美咲町というものもあった。
行政
町長
現職町長
歴代町長
歴代 | 氏名 | 在任期間 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | 奥村忠夫 | 2005年(平成17年)4月25日 - 2009年(平成21年)4月23日 | 旧・中央町長 |
町議会
- 定数16
町役場組織
本庁
- 町長部局
- 総務課
- 企画財政課
- 情報交通課
- 税務課
- 住民課
- 健康増進課
- 保健福祉課
- 上下水道環境課
- 産業観光課
- 建設課
- 会計課
- 議会部局
- 議会事務局
- 教育委員会
- 教育総務課
- 生涯学習課
- 各種委員会
- 選挙管理委員会(総務課所管)
- 監査委員(議会事務局所管)
- 農業委員会(産業観光課所管)
- 固定資産評価審査委員会
旭総合支所
- 町長部局
- 住民福祉課
- 産業建設課
柵原総合支所
- 町長部局
- 住民福祉課
- 産業建設課
- 上下水道課
町役場・支所の管轄区域
名称 | 所在地 | 管轄地域 | 備考 |
---|---|---|---|
美咲町役場 本庁舎 | 美咲町原田1735番地 | 町内全域(旧柵原・旭町域を含む) | 町内を統括 |
旭総合支所 | 美咲町西川1001番5 | 旧旭町域 | 旧旭町役場 |
柵原総合支所 | 美咲町久木225番地 | 旧柵原町域 | 旧柵原町役場 |
警察
消防
経済
町内では、ナシ、葉タバコ、ブドウ(ピオーネ)、しいたけ、黄ニラの生産が盛んに行われている。また、西日本最大級の養鶏場が存在している。養鶏場で採れた卵と、町内の棚田で収穫されたコメを使用した、卵かけご飯によって町おこしを図っている[5]。 旧柵原町は硫化鉄鉱の鉱山として栄え、同和鉱業片上鉄道が走っていた。しかし、鉱石産出量減のため、1991年(平成3年)に鉄道は廃線となった。現在は、旧吉ヶ原駅の一部が「柵原ふれあい鉱山公園」として整備されており、有志により毎月1回、保存車両の展示運転が行われている。
教育
町内には、小学校5校、中学校3校が設置されている。高等学校・大学等はない。
美咲町では朝食をとらずに登校する児童がいることを町全体の問題として捉え、岡山酪農協同組合の協力を得、児童への乳製品の提供を全国に先駆けて開始した[6]。食育の重要性を訴えたこの取り組みに対しては、年間1000万以上の多額の予算がかかることや、食の教育は家庭がすべきことであるといった観点から、様々な批判がある[7]。
小学校
中学校
- 美咲町立中央中学校
- 美咲町立旭中学校
- 美咲町立柵原中学校
交通・通信
鉄道路線
廃止鉄道路線
乗合バス路線
- 中鉄北部バス(津山市街 - 旧・柵原町役場前 - 高下)
- 宇野自動車(表町バスセンター、岡山駅 - 旧・柵原町高下 - 湯郷温泉下 - 林野駅)
- あさひチェリーバス(コミュニティバス:津山市街 - 旧・旭町域)
- 旭川さくらバス(コミュニティバス:八幡温泉郷 - 福渡駅 - 旧・旭町域 - 久世駅)
- 柵原星のふる里バス(コミュニティバス:津山市街 - 旧・柵原町域)
- 「かめっち。バス」(コミュニティバス:旧・旭町域 - 旧・中央町域、旧・柵原町域 - 旧・中央町域、旧・中央町域 - 津山中央病院)
- 美作市営バス(英田バス、コミュニティバス:津山市街 - 旧・柵原町吉留 - 美作市・英田地域)
- 美作市営バス(あおぞら号、コミュニティバス:林野駅 - 三倉田下 - 温泉前 - 長内 - 柵原病院前)
道路
一般国道
都道府県道
- 町内を走る県道
テレビ・ラジオ
- テレビ放送局
- 町内にテレビ中継局は設置されておらず、近隣の津山中継局および久米南中継局を受信する。それ以外の地域では、ケーブルテレビ等を利用し視聴する。
- なお、町営事業として以下の事業を運営している。
- チェリーネット(インターネットサービスプロバイダ)
- みさきネット(光ケーブルを用いた告知放送・ケーブルテレビ・インターネットサービス)
- ラジオ放送局
- 町内にラジオ中継局は設置されておらず、近隣の津山中継局を受信する。
電話
市外局番は、旭地区が0867(20、21、25、27、29 - 36、39)、柵原地区の一部(王子)が0868(70 - 89)、柵原地区の一部(高下・飯岡)が086(600 - 609、950、951、954 - 958、994 - 999) 、その他が0868(20 - 69)となっている。
- 0868(20 - 69)エリア
- 0868(70 - 89)エリア
- 086(600 - 609、950、951、954 - 958、994 - 999)エリア
- 赤磐市(山陽地区の一部を除く)・美咲町(柵原地区の一部(高下・飯岡))
- 0867(20、21、25、27、29 - 36、39)エリア
- 美咲町(旭地区)・吉備中央町(加茂川地区(一部を除く))
郵便
郵便番号は、以下の通りとなっている。
- 亀甲郵便局:709-37xx、708-15xx[8]
- 旭郵便局:709-34xx
観光・イベント
名所・旧跡・観光スポット
- JR亀甲駅
- 亀甲岩
- たまごかけごはんの店「食堂かめっち。」
- 香花温泉ほほえみの湯
- 津山ゴルフクラブ
- 興禅寺
- 普光寺
- 大垪和西(おおはがにし)の棚田(日本棚田百選)
- 小山の棚田(日本棚田百選)
- 本山寺
- 三休公園
- 民話の村
- 民話館
- まきばの館
- 旭川湖
- 両山寺
- 両山寺観光りんご園
- 幻住寺
- 月の輪古墳
- 柵原ふれあい鉱山公園
- 柵原鉱山資料館
- 旧吉ヶ原駅舎
- ザ・オークレットゴルフクラブ
- あさひ花菖蒲牡丹園
- 滝谷池
- 中島公園
祭事・催事
- 星の里マラソン
- 月の輪まつり
- 柵原ふれあい鉱山公園列車運行
- 桜まつり
- 護法祭
文化施設
- 美咲町中央運動公園
- 美咲町ふれあいセンター
- 旭文化会館
- 美咲町北和気郷土資料館
- エイコンパーク
- 美咲町営野球場(エイコンスタジアム)
- 美咲町立さつき天文台
- 月の輪プラザ
- 月の輪収蔵庫
美咲町出身の有名人
- 岸田吟香(明治時代のジャーナリスト、実業家)
- 小林正次(旧久米郡加美村出身、工学博士。丹羽保次郎と共にNE式写真電送機を開発)
- さいたまんぞう(歌手)
- 神坂智子(漫画家)
- 西澤晋(アニメーター)
- 本田晴美(競輪選手)
関連項目
脚注
- ↑ 中央町も津山市を中心とする合併協議会に参加していたが、逆に同町は後に同市との合併協議会から離脱した。
- ↑ なべのさかやき - 平成の大合併
- ↑ 市町村合併について - 特集その2 解散した法定協議会
- ↑ 岡山県 - 岡山県における旧合併特例法下での合併の経緯
- ↑ NOSAI岡山 農業共済新聞 - たまごかけごはんの店が人気
- ↑ 広報みさき No.15 Jun 2006
- ↑ 日本政策研究センター - アーカイブス : 食育・食の崩壊と家庭⑩ 「払わない」恥を知れ
- ↑ 「708-15xx」地域は元・柵原郵便局管轄。2006年に柵原郵便局の無集配局化に伴って亀甲郵便局へ移管。
外部リンク