稲佐山
稲佐山(いなさやま)は、長崎県長崎市にある標高333メートルの山である。一般財団法人長崎ロープウェイ・水族館が長崎市の委託を受けて管理・運営を行っている。
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概要
長崎市市街地の西方に位置し、裾野にも多くの建造物が建ち並ぶ。山頂は観光地としても有名で、昼夜問わず多くの観光客や市民が訪れる。標高が333mと低いながらも、長崎港を見下ろす位置にあるため山頂(展望台)から見える景色は良好で、夜景の名所として知られ、函館の函館山、神戸の摩耶山と共に日本三大夜景として位置づけられる。なお南東と北に登山道路が1本ずつ通っている。
一般社団法人夜景観光コンベンションビューローが、2012年10月5日に長崎市で開催した「夜景サミット2012 in 長崎」において、同法人の認定夜景鑑定士3500人へのアンケートの結果から、モナコ、香港と並び世界新三大夜景として認定された[1]。
登山道
登山道がいくつか整備されており、自然の中を歩きながら山を登ることが出来る。登山道付近は火砕岩地質で土壌が悪く、ナガサキマンネングサなど他の土地では見られない植物が生育している[2]。
ロープウェイ
稲佐山へは、長崎ロープウェイを使う事で山頂に所在する稲佐岳駅まで直接登る事が可能。麓に所在する淵神社駅は、長崎バスの路線沿いにあり、長崎電気軌道(路面電車)宝町電停からも10分ほどで行けるなど、アクセスも容易である。また、夕方から夜にかけて長崎駅前方面から無料送迎バスも運行されている。
かつては稲佐山公園(駐車場)から山頂へ移動するゴンドラ(スカイウェイ)が運行されていたが、2008年3月をもって廃止されている。現在ゴンドラに変わる代替移動手段は用意されておらず、公園を経て山頂へ行く場合は車を利用するか、登山道(階段)を利用して徒歩で移動しなければならない[3]。その代わり現在、市内各地のホテルからロープウェイの淵神社へ向かう送迎バスが無料で運行されている[4]。
なお、2012年10月4日より、稲佐山展望台と稲佐岳駅を結ぶ通路の天井に約6000個の発光ダイオード(LED)が埋め込まれた「光のトンネル」の運用が開始された。通常は青点灯であるが、季節ごとに色が変わり、30分毎に龍の模様が浮かぶようになっている[5]。
- Mt.inasa Ropeway passageway blue.JPG
連絡通路を照らすLED。通常は青色である。
- Mt.inasa Ropeway passageway Rainbow.JPG
連絡通路を照らすLED。3分毎にレインボーカラーとなる。
稲佐山公園
8合目ほどの広い敷地に稲佐山公園が整備されている。規模の大きな無料駐車場が付随する公園で、遊具や噴水広場などがある児童遊園の他に、ニホンシカとニホンザルが飼育されている小規模な動物園がある。周辺ではフォトコンテストなど市民を対象としたイベントが時折開催される。
また、園内には1万5000人が観覧できる芝生席の野外ステージが設置されている。'90長崎旅博覧会の際に憩いのゾーン内の施設として建設され、地元長崎出身のさだまさしの無料野外ライブ「夏 長崎から さだまさし」(1987年 - 2006年)をきっかけに環境の整備が行われた。同じく地元出身の福山雅治(2000年、2009年、2015年)のほか、平井堅、MISIAなど数多くのアーティストがコンサートを行い、九州における野外コンサートの主要会場となっている。また、福山は自身の曲『約束の丘』を稲佐山公式ソングとしている。
テレビ・FM放送所等の通信施設
長崎県のテレビジョン放送・FMラジオ放送の親局が山頂に設けられている。長崎県内は山地が多く平野が少ない。このため、長崎市内にも多くの中継局が設けられている。なお、本項では2013年3月21日から2016年6月30日まで稼働してしたジャパン・モバイルキャスティングの長崎中継局についても、あわせて記述する。
FMラジオ放送送信設備
周波数 | 放送局名 | コールサイン | 空中線電力 | ERP | 放送対象地域 | 放送区域内世帯数 |
---|---|---|---|---|---|---|
79.5MHz | FMN エフエム長崎 愛称「FM Nagasaki」 |
JOHU-FM | 1kW | 2.4kW | 長崎県 | 不明 |
84.5MHz | NHK 長崎FM |
JOAG-FM | 500W | 1.6kW | ||
92.6MHz | NBC 長崎放送 FM補完中継局 |
- | 1kW | 2.4kW |
- FM Nagasakiは、旧KTNアナログテレビの施設を間借りしていたが、アナログテレビ放送終了後はFM Nagasaki単独の施設となった(施設の看板がアナログテレビ放送終了後、「KTN」から「FM Nagasaki」に取り替えられている)。その後NOTTVの長崎中継局開局に伴い、モバキャスとの共同使用していたものの、再びFM Nagasaki単独の施設となっている。
- NHK長崎放送局は、テレビジョン放送・FMラジオ放送共同じ場所から送信。また同局は、スピルオーバー防止のため出力が抑えられている。
- NBCのFM補完中継局は、2015年6月30日付で予備免許が付与され[6]、同年10月1日に開局[7]。なお、送信所は地上デジタルテレビ用の送信所と同じ鉄塔に設置されている。
地上デジタルテレビジョン放送送信設備
リモコンキー ID |
放送局名 | コールサイン | 物理 チャンネル |
空中線電力 | ERP | 放送対象地域 | 放送区域内 世帯数 |
Gガイド 局名表記 (×はマルチ 放送の番号) |
ワンセグ 局名表記 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | NHK 長崎総合 |
JOAG-DTV | 15 | 1kW | 8.3kW | 長崎県 | 241,981世帯 | NHK総合×・長崎 | NHK携帯G・長崎 |
2 | NHK 長崎教育 |
JOAC-DTV | 13 | 8.1kW | 全国放送 | NHKEテレ×長崎 | NHK携帯2 | ||
3 | NBC 長崎放送 |
JOUR-DTV | 14 | 6.3kW | 長崎県 | NBC長崎放送× | NBC長崎放送携帯 | ||
4 | NIB 長崎国際テレビ |
JOXH-DTV | 18 | 長崎国際テレビ× | 長崎国際テレビ1セグ | ||||
5 | NCC 長崎文化放送 |
JOXI-DTV | 19 | NCC長崎文化放送× | NCC長崎文化携帯 | ||||
8 | KTN テレビ長崎 |
JOWH-DTV | 20 | テレビ長崎× | KTNテレビ長崎携帯 |
- 全局2006年12月1日放送開始。開始当初の空中線電力は100Wであったが、2007年1月18日に1kWに増力されている。
- 民放の送信設備は4局共同でNCC・NIB共同の地上アナログの施設に設置。
- NHKはテレビジョン放送・FMラジオ放送共同じ場所から送信。
- リモコンキーIDはVHF局が「1」〜「3」に集約された[8]。また、NBCを除き関東広域圏と[9]、NHK総合・教育とKTNは近畿広域圏とそれぞれ同じである。
- 地上デジタル238chにおいては、地上デジタル放送Gガイドで提供されている番組表データが放送されている。
- 物理チャンネル14chのNBCの放送波で送信されているが、受信機の選局順ではKTN(地上デジタル081ch及び同082ch)の後になっている。
- 地デジGガイドに対応していない受信機でこのチャンネルに合わせると、「このチャンネルはGガイドデータ配信用チャンネルであり、映像放送を行っているチャンネルに変更するように」という旨の表示がなされる。
- なお、配信されている番組表は上記表に掲げた長崎県の放送局の分のみである。
地上アナログテレビジョン放送送信設備
チャンネル | 放送局名 | コールサイン | 空中線電力 | ERP | 放送対象地域 | 放送区域内世帯数 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | NHK 長崎教育 |
JOAC-TV | 映像1kW/音声250W | 映像5.1kW/音声1.3W | 全国放送 | 不明 |
3 | NHK 長崎総合 |
JOAG-TV | 映像3.7kW/音声930W | 長崎県 | ||
5 | NBC 長崎放送 |
JOUR-TV | 映像5.6kW/音声1.4kW | |||
25 | NIB 長崎国際テレビ |
JOXH-TV | 映像10kW/音声2.5kW | 映像100kW/音声25kW | ||
27 | NCC 長崎文化放送 |
JOXI-TV | 映像87kW/音声22kW | |||
37 | KTN テレビ長崎 |
JOWH-TV | 映像100kW/音声26kW |
- 送信設備はNBC・KTNは単独で、NCC・NIBは共同で設置(アナログテレビ放送終了後は、民放テレビ4社共同のデジタルテレビ送信所となっている)。
- NHKはテレビジョン放送・FMラジオ放送共同じ場所から送信。
- 全局共に2011年7月24日正午に放送終了。その後、翌日の7月25日0時までに停波している。
- アナログテレビ放送終了後、旧NBCの施設は鉄塔や放送機器等は全て撤去され建物のみ残っており、2015年10月開始[7]の同局ラジオFM補完中継局はデジタル用の施設を利用している。
マルチメディア放送送信設備
周波数 | 放送局名 | 空中線電力 | ERP | 放送区域 | 放送区域内世帯数 |
---|---|---|---|---|---|
214.714286MHz | Jモバ 長崎MMH |
5kW | 28kW | 長崎県南部の広範囲及び熊本県天草芦北地域の極一部 | 277,016世帯 |
- 2013年1月25日に予備免許交付[10][11]、1月29日から試験放送開始[12]、3月21日から本放送開始[13]。
- 2016年6月30日正午に放送終了。
- アンテナを旧KTNアナログテレビ送信所のものと交換して、FM Nagasakiと共同で使用していた。
その他
長崎県防災行政無線[14]、警察庁の中継施設が設置されている。
参考資料
- ↑ 「世界新三大夜景」に長崎、モナコ、香港を選出」 スポニチアネックス 2012年10月5日付
- ↑ 長崎県 自然環境ガイドブック 稲佐山 - 長崎県
- ↑ 長崎ロープウェイ | Q&A
- ↑ 長崎ロープウェイ|無料送迎バス
- ↑ 「稲佐山に「光のトンネル」」 長崎新聞 2012年10月5日付
- ↑ 長崎放送中波ラジオ難聴地域の一部解消に向けて-中波ラジオ放送のFM方式による補完中継局に、長崎県初の予備免許を付与- 総務省九州総合通信局(2015年6月30日プレスリリース)
- ↑ 7.0 7.1 nbc_radioのツイート(649378052116340736) 2015年10月21日閲覧
- ↑ 青森県・富山県・徳島県・熊本県・大分県・鹿児島県も同様。
- ↑ NBCが加盟するJNN系列で一般的な「6」は九州・沖縄地方では宮崎放送(MRT)でしか使用されていない。
- ↑ 携帯端末向けマルチメディア放送局(長崎中継局・鹿児島中継局)に予備免許 - 総務省九州総合通信局(2013年1月25日プレスリリース)
- ↑ 長崎中継局の概要 (PDF) - 上記リンクの別図
- ↑ 長崎送信所の試験電波発射 - ジャパンモバイルキャスティング
- ↑ 長崎中継局の概要 - ジャパンモバイルキャスティング
- ↑ 長崎県地域防災計画[1]
関連項目
- 日本三大夜景
- 岩屋山 (長崎県)
- VOYAGER (松任谷由実のアルバム) - 松任谷由実が1983年にリリースしたアルバム。収録曲『私を忘れる頃』は稲佐山が舞台となっている。
- 長崎ラジオ放送所
- 東長崎中継局
- 長崎市内テレビ中継局
- 長崎市内ミニサテテレビ中継局